JPH10177028A - 乳頭分泌液中の特定物質の測定方法 - Google Patents

乳頭分泌液中の特定物質の測定方法

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JPH10177028A
JPH10177028A JP35381296A JP35381296A JPH10177028A JP H10177028 A JPH10177028 A JP H10177028A JP 35381296 A JP35381296 A JP 35381296A JP 35381296 A JP35381296 A JP 35381296A JP H10177028 A JPH10177028 A JP H10177028A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微量にしか採取できない乳頭分泌液中の特定物
質を、短時間に精度よく測定する方法を提供する。 【解決手段】微量の乳頭分泌液に含まれる特定物質を測
定する方法であって、該特定物質あるいは該特定物質に
対する抗体を固定化した多孔性基材を使用し、乳頭分泌
液を、多孔性基材の該特定物質あるいは該特定物質に対
する抗体を固体化した部位を通過させ、その部位あるい
はその下流に検出可能な信号を得ることにより測定を行
なうことを特徴とする微量の乳頭分泌液に含まれる特定
物質の測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳癌のスクリーニ
ングに適した乳頭分泌液中の特定物質の測定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】乳癌を診断するための血中の特定物質と
してCEA(癌胎児性抗原)、erbB−2、NCC−
ST−439、CA15−3、CA72−4、TPA
(組織ポリペプチド抗原)、CA125、IAP(免疫
抑制酸性蛋白)、フェリチン、CA54/61、CA6
02、CA19−9、CA549、ras蛋白、P53
などが知られている。しかし、これらの物質の血中濃度
を指標にした原発性乳癌の陽性率はきわめて低く、乳癌
のスクリーニングに使用することは困難であった。従
来、これらのマーカーは主に乳癌再発のモニターとして
使われている。
【0003】乳癌をスクリーニングするために乳頭分泌
液中の特定物質の測定が提唱されている。乳頭分泌液中
の特定物質として、森らはCEA(乳癌の臨床 4:9
9−103、1989)を、弥生らはNCC−ST−4
39抗原(日本外科学会 1996年 学術講演会要旨
集 175ページ)を、稲治らはerbB−2(Bre
ast Cancer 1:25−30、1995)を
報告している。また、乳頭分泌液が血性であるかどうか
も乳癌診断の重要な情報となっている(弥生ら、癌と臨
床 6:133−139、1994)。
【0004】微量の乳頭分泌液を測定する方法として、
乳頭分泌液を液体不透過性シート上に採取し乾燥させた
後、そのシート上で免疫反応を行う測定方法および測定
用器材が特開平1−250069号公報や特開平2−2
80061号公報に開示されており、キットも市販され
ている。しかし、この方法は、反応工程が多く最短で2
時間半を要し、診察室で簡便に使うことはできなかっ
た。また、吸着担体を有する貼付剤を***に貼付し乳頭
分泌液を直接貼付剤に吸着固相化し測定する方法が特表
平6−513985号公報に開示されているが、この方
法は、すべての患者に対して一定量の乳頭分泌液が採取
できず、貼付している時間の影響もあるので診断の正確
さに問題があり、実用的ではない。
【0005】一方、近年血液や尿などの生体試料に対し
て、家庭、診療室での使用に適し、使用者の熟練や手間
をほとんど必要せずに短時間で測定できる簡易測定装置
が普及してきている。その一つの形態はイムノクロマト
法測定装置である(特公平7−18876、特公平7−
78503、特公平7−36017、特公平6−277
38、特開平1−244370号公報など)。液体が毛
管現象で移動することができる多孔性のシート状ストリ
ップの一部に、測定対象物質に特異的に反応する抗体が
固定化されており、その上流に金コロイドなどの着色粒
子で標識された測定対象物質に特異的な抗体(標識抗
体)がストリップ上に固定されていない状態で配置(塗
布・乾燥等により配置)されており、標識抗体の上流か
ら液体試料を添加すると、試料はストリップ中の毛管を
伝わって浸透し標識抗体を溶解し、さらに、標識抗体を
溶解した試料はストリップの抗体を固定化した部分を通
過してストリップの下流に移動して、試料中に測定対象
物質が存在する場合には、溶解した標識抗体と反応し、
ついでストリップに固定化された抗体に「測定対象物質
−標識抗体」複合体として捕獲される。未反応の標識抗
体は下流に移動してしまうため、測定対象物質が存在す
る場合にだけテストストリップの抗体を固定化した部分
に金コロイド粒子による着色が観察される。
【0006】もう一つの形態はフロースルー法測定装置
である(特公平7−34016、特公平7−11363
7、特開平1−24768、特開平3−118473号
公報など)。この装置は、測定対象物質に特異的に反応
する抗体が固定化されていて液体が通過できる毛管を有
する多孔性のメンブレンとその下面で毛管が連絡して接
触している吸水性部材より構成される。メンブレンの上
面から液体試料を添加すると、メンブレンを通過して吸
水性部材に吸収され、その時、試料中に測定対象物質が
存在する場合には、測定対象物質はメンブレンに固定化
された抗体上に捕獲される。その後、西洋ワサビペルオ
キシダーゼなどの酵素で標識した測定対象物に特異的な
抗体(標識抗体)を添加し、メンブレンに固定化された
抗体上に捕獲された測定対象物質に反応させてサンドイ
ッチ複合体を形成させる。さらに、洗浄液でメンブレン
の毛管中にある未反応の標識抗体を吸水性部材に吸収さ
せた後、標識した酵素により発色する基質液を添加する
ことにより、メンブレンの抗体を固定化した部分に着色
が観察される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】乳頭分泌液は血液や尿
と異なり、粘調性等の試料性状にバラつきが大きく、し
かも、採取できる量が20μl以下の微量である場合が
多い。前述のイムノクロマト法測定装置あるいはフロー
スルー法測定装置はクロマト用ストリップや多孔性メン
ブレンの全面を濡らすような多量の血液や尿を試料とす
る場合に使用されており、乳頭分泌液に適用できるとは
考えられていなかった。即ち、試料が粘調で微量である
場合にも、展開液によって多孔性基材中を均一に移動
し、正確な測定ができる程度に試料中の分析対象物質が
多孔性基材に固定化された抗体によりうまく捕捉できる
か不明であった。
【0008】本発明の目的は、微量しか採取できない乳
頭分泌液中の特定物質を短時間に精度よく測定する方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、これら従来の
課題を解決し、乳癌のスクリーニングに役立てようとす
るものである。すなわち、本発明は(1)微量の乳頭分
泌液に含まれる特定物質(測定対象物質)を測定する方
法であって、該特定物質あるいは該特定物質に対する抗
体を固定化した多孔性基材を使用し、乳頭分泌液を多孔
性基材の該特定物質あるいは該特定物質に対する抗体を
固定化した部位を通過させ、その部位あるいはその下流
に検出可能な信号を得ることにより測定を行なうことを
特徴とする微量の乳頭分泌液に含まれる特定物質の測定
方法、
【0010】(2)測定に用いる乳頭分泌液の量が20
μl以下である上記(1)に記載の測定方法、(3)信
号を得るために標識抗体を用い、サンドイッチ形式で測
定を行う上記(1)または(2)に記載の測定方法、
(4)信号を得るための標識が金属コロイド粒子、非金
属コロイド粒子または着色ラテックス粒子である上記
(3)に記載の測定方法、
【0011】(5)乳頭分泌液を展開液により多孔性基
材中を移動させる上記(1)から(4)のいずれかに記
載の測定方法、(6)乳頭分泌液に含まれる特定物質が
乳ガンの発症に伴い乳頭分泌液中の濃度が変化する物質
である上記(1)から(5)のいずれかに記載の測定方
法、
【0012】(7)乳頭分泌液に含まれる特定物質がC
EA(癌胎児性抗原)である上記(1)から(5)のい
ずれかに記載の測定方法、(8)乳頭分泌液に含まれる
特定物質がNCC−ST−439抗原である上記(1)
から(5)のいずれかに記載の測定方法、(9)乳頭分
泌液に含まれる特定物質がヘモグロビンである上記
(1)から(5)のいずれかに記載の測定方法、に関す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。乳癌の発症などに伴う乳頭分泌液は、一般に微量
にしか採取できず、多くの患者を対象にして本発明の測
定方法を適用するためには、測定に必要な乳頭分泌液量
は50μl以下、好ましくは20μl以下、より好まし
くは0.1〜20μl、特に好ましくは0.5〜10μ
lである。患者から採取した乳頭分泌液は試験管などに
とり、希釈して測定することもできるが、使用者の簡便
性を考えると、そのまま希釈せずに測定する方が好まし
い。さらに、乳頭より直接に一定量の乳頭分泌液が採取
できる簡易測定装置を使用することは、使用者の負担を
著しく軽減し、一層好ましい。
【0014】本発明において、乳頭分泌液中に含まれる
特定物質は抗体を用いて測定可能な物質であれば特に限
定されないが、乳癌のスクリーニングを目的とした場合
には、乳ガンの発症に伴い乳頭分泌液中の濃度が変化す
る物質である。その代表的なものとして、CEA(癌胎
児性抗原)、erbB−2、NCC−ST−439、C
A15−3、CA72−4、TPA(組織ポリペプチド
抗原)、CA125、IAP(免疫抑制酸性蛋白)、フ
ェリチン、CA54/61、CA602、CA19−
9、CA549、ras蛋白、P53およびヘモグロビ
ン等が挙げられる。その中で特に好ましい物質は、CE
A、NCC−ST−439、ヘモグロビンである。これ
らの物質は、単独で測定しても良いし、2つ以上を組み
合わせて測定しても良い。
【0015】特定物質に対する抗体は公知の方法で作成
することができる。ウサギ、モルモット、マウス、ヤ
ギ、ヒツジ、ウマなどの哺乳動物やニワトリ、アヒル、
ガチョウなどの鳥類に抗原やハプテン等を免役して得ら
れるものや、細胞融合などの技術を用いて得られるもの
でもよい。抗体の種類も問わない。IgG,IgM、I
gA、IgE、IgD、IgY抗体のうちの1種または
2種以上の混合物であってもよく、モノクローナル抗
体、ポリクローナル抗体のどちらでも使用できる。モノ
クローナル抗体はマウス腹水、培養上清等より得られる
ものであっても良い。抗体はペプシン、パパイン等の酵
素処理や還元等の化学処理により、F(ab’)2 、F
ab’、Fabの様な抗体断片にして使用することもで
きる。
【0016】多孔性基材とは、毛管作用により流体が流
れることのできる孔を有する材料を意味し、ペーパーク
ロマトグラフィーや薄層クロマトグラフィーに用いられ
る材料や濾過に用いられる材料等が含まれる。多孔性基
材は試料が毛細管力により移動できる孔を有するもので
あればいずれでも良い。孔径としては0.1μm以上、
好ましくは1〜30μm、より好ましくは1〜10μm
が良い。具体的にはシリカ、チタニア、ジルコニア、セ
リアおよびアルミナ等のセラミック微粒子や有機高分子
の微粒子、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ナイロ
ン、ニトロセルロースや酢酸セルロースなどのセルロー
ス誘導体等の織った繊維状マトリクスおよび織ってない
繊維状マトリクスや膜、濾紙、ガラス繊維濾紙、布、綿
等があげられる。微粒子はそれ自体が多孔性でなくと
も、充填された状態では微粒子間に空隙が生じ多孔性基
材となる。好ましくはセルロース誘導体やナイロンの
膜、濾紙、ガラス繊維濾紙等であり、より好ましくはニ
トロセルロース膜、混合ニトロセルロースエステル(ニ
トロセルロースと酢酸セルロースの混合物)膜、ナイロ
ン膜、濾紙である。これらの材料は必要に応じ、プラス
チック等の水不透過性の材料で裏打ちしたものであって
も良い。
【0017】多孔性基材への測定対象物質あるいは測定
対象物質に対する抗体の固定化は直接的または間接的に
行われる。直接的固定化としては物理吸着を利用しても
良いし、共有結合によっても良い。一般に多孔性基材が
ニトロセルロース膜、または混合ニトロセルロースエス
テル膜の場合、物理吸着を行うことができる。共有結合
では多孔性基材の活性化には一般的に臭化シアン、グル
タルアルデヒドおよびカルボジイミド等が用いられる
が、これらに限定されるものではない。間接的な固定化
としては不溶性微粒子に測定対象物質あるいは測定対象
物質に対する抗体を結合させた後に多孔性基材に固定化
する方法がある。微粒子への抗体の固定化には物理吸
着、共有結合のいずれの方法でも使用可能である。微粒
子の粒径は多孔性基材に補足されるが移動できないサイ
ズのものを使用して多孔性基材に固定化する。不溶性微
粒子としては平均粒径10μm程度以下の微粒子が好適
に用いられる。これらの粒子としては抗原抗体反応に使
用されるものが種々知られており、本発明でもこれら公
知の粒子が特に限定されずに使用できる。例えば、ポリ
スチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
メタクリル酸共重合体、ポリグリシジルメタクリレー
ト、アクロレイン−エチレングリコールジメタクリレー
ト共重合体などの乳化重合法によって得られる有機高分
子ラテックス粒子などの有機高分子物質の微粒子、ゼラ
チン、ベントナイト、アガロース、架橋デキストランな
どの微粒子、シリカ、シリカ−アルミナ、アルミナなど
の無機酸化物や無機酸化物にシランカップリング処理な
どで官能基を導入した無機粒子等が挙げられる。
【0018】測定対象物質あるいは測定対象物質に対す
る抗体を固定化した後、多孔性基材は干渉を防ぐために
必要に応じて公知の方法でブロッキング処理を行うこと
ができる。一般にブロッキング処理はウシ血清アルブミ
ン、スキムミルク、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質、ツ
イーン20、トリトンX−100、SDS等の界面活性
剤、ポリビニルアルコール、エタノールアミン等のうち
の1つまたは2つ以上を組み合わせて行われる。ブロッ
キング処理を必要としないエタノールアミン基を導入し
た濾紙も本発明では使用できる。
【0019】多孔性基材への測定対象物質あるいは測定
対象物質に対する抗体の固定化には、いろいろな方法が
使用できる。例えば、マイクロシリンジ、調節ポンプ付
きペン、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、転写プ
リント、インキ噴射印刷等いろいろな印刷技術が使用可
能である。形態としては特に限定されないが、円形のス
ポット、多孔性基材のクロマト方向に垂直にのびるライ
ン、数字、文字や+、−などの記号等として固定化する
ことができる。また、固定化する物質の溶液に漬けて多
孔性基材全体に固定化する場合もある。
【0020】本発明において、検出可能な信号を得るた
めにはラジオアイソトープ、酵素、蛍光物質、着色粒子
などの標識物質を測定対象物質あるいは測定対象物質に
対する抗体に結合した標識結合体を用いる必要がある。
特別な装置を使用せず肉眼で結果を判定するためには発
色基質との反応によって着色を得ることのできる酵素や
そのまま着色が観察できる有色又は着色粒子による標識
が好ましい。有色又は着色粒子は酵素反応を行わせるた
めの洗浄操作や発色反応操作を必要としないので一層好
ましい。
【0021】酵素としては、アルカリフォスファター
ゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダー
ゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼ等があり、例
えば石川栄治らの「酵素免疫測定法第3版(医学書院、
1987年)」に記載されるような公知の方法により標
識結合体を調製することができる。また、それぞれの酵
素に対応する発色基質も公知のものが使用でる。
【0022】有色又は着色粒子としては金、銀、白金、
プラチナ、銅のような金属コロイド、酸化鉄のような金
属酸化物コロイド、硫黄、セレン、テルルなどの非金属
コロイド、顔料粒子、ラテックス粒子を染色したもの、
リポソームなどが挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。有色又は着色粒子が毛管現象により多孔性
基材中を移動するためには、粒子径が毛管より小さい必
要があり、平均粒径は1μm以下、とくに0.5μm以
下であることが好ましい。有色又は着色粒子を用いて標
識結合体を調製するには、物理吸着や化学結合などの公
知の方法が使用できる。例えば、金コロイドに抗体を結
合した金コロイド標識抗体は、金コロイド溶液に抗体を
加えて物理吸着させた後、牛血清アルブミン溶液を添加
して金コロイドの抗体未結合表面をブロックすることに
より調製される。
【0023】標識結合体は、多孔性基材に配置(塗布・
乾燥等により配置)させて使用することもできるし、標
識結合体液として後から添加することもできる。多孔性
基材に配置する場合、多孔性基材が湿潤した時、速やか
に溶解して毛管作用によって自由に移動できるように支
持される。支持されている部位にはこれら粒子の再溶解
性を良好にするため、サッカロース、マルトース、ラク
トース等の糖類、マンニトール等の糖アルコールを添加
して塗布したり、これらの物質を予めコーティングして
おくことも可能である。標識結合体を塗布・乾燥等によ
り配置させる多孔性基材は測定対象物質あるいは測定対
象物質に対する抗体を固定化した多孔性基材であっても
よく、別の多孔性基材に塗布・乾燥等により配置させた
のち、測定対象物質あるいは測定対象物質に対する抗体
を固定化した多孔性基材と毛管で繋がるように配置して
もよい。作製する簡易測定装置の形態によって適宜選択
される。また、標識結合体を多孔性基材に支持する方法
としては前述の多孔性基材へ測定対象物質あるいは測定
対象物質に対する抗体を固定するのに用いたのと同様な
印刷技術等が使用できる。
【0024】標識結合体液として使用する場合、一般的
には緩衝液に溶解して使用する。例えばリン酸、トリス
−塩酸、酢酸、ホウ酸、炭酸、グッドの緩衝塩類を含む
緩衝液などが使用でき、食塩なども添加される。また、
この緩衝液には標識結合体の安定化や非特異的反応を抑
制するために公知の添加剤も使用できる。例えば、牛血
清アルブミン、カゼイン、ゼラチンなどの蛋白質、ポリ
エチレングリコール、デキストラン、メチルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン等の高分子化合物や、他のイ
オン性界面活性剤、デキストラン硫酸、ヘパリン、ポリ
スチレンスルホン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫
酸等のポリアニオンまたはその塩等、アジ化ナトリウ
ム、チメロサール、ケーソンCG、長鎖アルキル4級ア
ンモニウム塩などの抗菌剤などが添加できる。
【0025】本発明を実施する際に使用される測定方法
としてはイムノクロマト法あるいはフロースルー法が挙
げられる。測定形式としては、例えばP.TIJSSE
Nの「エンザイムイムノアッセイ(生化学実験方法1
1、東京化学同人、1989年)」297〜314ペー
ジに記載されるような抗体あるいは抗原(測定対象物
質)を固定化した固相を用いる種々の公知の形式を用い
ることができる。
【0026】イムノクロマト法は、その特定部位に測定
対象物質あるいはそれに対する抗体が固定化されたクロ
マトグラフィー用基材(多孔性基材)中を試料(本発明
の場合は乳頭分泌液)を毛管現象により移動させ、試料
中の測定対象物質、標識をつけた測定対象物質あるいは
測定対象物質に対する標識抗体の該特定部位での免疫反
応による捕獲を検出することにより試料のアッセイを行
なう方法である。又、フロースルー法は、測定対象物質
あるいはそれに対する抗体が固定化された多孔性メンブ
レンの上面から下面に試料(本発明の場合は乳頭分泌
液)を通過させ、試料中の測定対象物質、標識をつけた
測定対象物質あるいは測定対象物質に対する標識抗体の
該メンブレンでの免疫反応による捕獲を検出することに
より試料のアッセイを行なう方法である。
【0027】その代表例をイムノクロマト法で説明す
る。反応形式には「従来の技術」の項で説明したサンド
イッチ形式や結合阻害形式あるいは競合形式などがあ
る。結合阻害形式の例としては、液体が毛管現象で移動
することができる多孔性のシート状ストリップ(クロマ
トグラフィー用基材)の特定部位に、測定対象である抗
原が固定化されており、その上流に金コロイドなどの着
色粒子で標識された標識抗体がストリップ上に固定され
ていない状態で塗布・乾燥等により配置されている。標
識抗体の上流から液体試料を添加すると、試料はストリ
ップ中の毛管を伝わって標識抗体を溶解し、さらに、ス
トリップの抗原を固定化した部位を通過して下流に移動
する。試料中に抗原が存在するとき、標識抗体は試料中
の抗原と先に反応するので、ストリップに固定化した抗
原とは反応できない。そのため抗原固定化部位に着色は
観察されず、抗原固定化部位の下流に着色が観察され
る。試料中に抗原が存在しないときには、標識抗体は固
定化した抗原に捕獲されるため、抗原固定化部位に着色
が観察され、抗原固定化部位の下流には着色が観察され
ない。
【0028】競合形式の例としては、多孔性のシート状
ストリップの特定部位に測定対象である抗原に対する抗
体が固定化されており、その上流に金コロイドなどの着
色粒子で標識された標識抗原がストリップ上に固定され
ていない状態で塗布・乾燥等により配置されている。標
識抗原の上流から液体試料を添加すると、試料はストリ
ップ中の毛管を伝わって標識抗原を溶解し、さらに、ス
トリップの抗体を固定化した部位を通過して下流に移動
する。試料中に抗原が存在するとき、固定化した抗体は
試料中の抗原と反応し、標識抗原との反応は妨害され
る。従って、ストリップの抗体固定化部位に着色は観察
されず、抗体固定化部位の下流に着色が観察される。試
料中に抗原が存在しないときには、固定化した抗体に標
識抗原が捕獲されるため、抗体固定化部位に着色が観察
され、抗体固定化部位の下流には着色が観察されない。
【0029】測定形式には上に説明した以外の形式もあ
り、これに限定されるものではない。特に好ましい測定
形式としては、多孔性基材に抗体を固定化し、標識抗体
とともに測定を行うサンドイッチ形式である。
【0030】なお、測定対象物質が酵素や酵素活性物質
である場合には、標識結合体を必要としない場合があ
る。例えば、ヘモグロビンはペルオキシダーゼ活性を有
しており、多孔性基材に固定化された酵素活性を阻害し
ない抗体に捕獲されたヘモグロビンは、ジアミノベンジ
ジンやテトラメチルベンジジンと過酸化水素よりなる発
色液を使用して検出できる。本発明の測定方法には、こ
のような場合も含まれる。
【0031】本発明の方法において、乳頭分泌液はキャ
ピラリーやピペット等の器具を用いて採取することもで
き、採取方法は必ずしも限定されないが、微量にしか採
取できないので、乳頭から直接に一定量の試料を採取し
て測定する方法が好ましい。さらに、使用者が採取量を
知るために注意深く目盛りを読んだり採取器具の調整し
なくとも、乳頭に押し当てるだけで一定量の試料が採取
できる方法はより好ましい。
【0032】本発明においては、必要により、測定対象
物質やそれに対する抗体を固定した多孔性基材中を試料
(乳頭分泌液)を移動させて測定を完了させるための展
開液を別に使用する。展開液は測定対象物質やそれに対
する抗体を固定した多孔性基材に試料が浸透する位置あ
るいはその上流から添加する。更に、展開液は別の容器
に入れて添加することもできるが、あらかじめ本測定の
ための装置の部分として装置に組み込んで使用すること
もできる。展開液には標識結合体液のところで記載した
緩衝液や添加物と同様なものが使用される。標識結合体
液をそのまま展開液としてもよい。また、標識が酵素の
場合や標識結合体液を展開液として用いた場合、多孔性
基材の判定部分に標識が残り、判定を妨害することがあ
る。その場合には、さらに洗浄液を用い、多孔性基材中
に残留した標識を移動させることもできる。特に標識が
酵素の場合には、非常に微量な残留であっても鋭敏に反
応するので、発色反応のまえに充分洗浄する必要があ
る。洗浄液も標識結合体液のところで記載した緩衝液や
添加物と同様なものが使用される。
【0033】以下に、本発明を実施する際に使用するこ
とができる具体的な簡易測定装置を図によって説明す
る。
【0034】図1はイムノクロマト法用の簡易測定装置
の一例の概略図である。プラスチック製ケース2は展開
液添加口3、試料添加口4および判定窓5を有する。図
2は図1で示した簡易測定装置の側断面図である。クロ
マト用ストリップ6は両面テープ7でケース2に接着さ
れている。クロマト用ストリップ6の最上流で展開液添
加口3の直下と、最下流の位置には吸水用部品8、9が
置かれ、ケースによって固定されている。クロマト用ス
トリップ6は判定窓5の直下に抗体を固定化した部位を
有し、さらに展開液添加口3の下流で試料添加口4の上
流の位置に金コロイド粒子標識抗体添着部10を有す
る。試料は試料添加口4からマイクロピペット等でクロ
マト用ストリップに添加する。展開液添加口3から添加
された展開液が金コロイド標識抗体と添加された試料を
クロマトさせる。試料に分析対象物質が含まれる場合に
は金コロイドによる着色が判定窓5より観察できる。
【0035】図3はイムノクロマト法による簡易測定装
置の別の一例の概略図である。プラスチック製の持ち手
部分11と吸水性材料12からなる試料採取部分から構
成される乳頭から分泌液を直接採取するための試料採取
部品を有する。ポリスチレン製ケース13は展開液添加
口14、採取部品を組み込み試料を添加する試料添加口
15および判定窓16を有する。図4は図3で示した簡
易測定装置の側断面図である。抗体固定化ストリップ1
7と金コロイド標識抗体ストリップ18は両面テープ1
10でケース13に接着されている。金コロイド標識抗
体ストリップ18の最上流で展開液添加口14の直下
と、抗体固定化ストリップの最下流の位置には吸水用部
品111、112が置かれ、ケースによって固定されて
いる。抗体固定化ストリップ17は判定窓16の直下に
抗体を固定化した部位を有し、金コロイド標識抗体スト
リップ18は展開液添加口14の下流で試料添加口15
の上流の位置に金コロイド粒子標識抗体添着部19を有
する。金コロイド標識抗体ストリップ18と抗体固定化
ストリップ17は採取部品が組み込まれた時、吸水性材
料12がそれらと一部分が重なって毛管で繋がるように
分離して配置されている。試料を採取した採取部品を試
料添加口15に組み込み、展開液添加口14より展開液
を添加することにより、試料中に分析対象物質が存在す
る場合には金コロイドの着色が判定窓16より観察でき
る。
【0036】図5もクロマト法による簡易測定装置の一
例の概略図である。プラスチック製ケース23は試料添
加口24と判定窓25を有する。図6は図5で示した簡
易測定装置の側断面図である。抗体固定化ストリップ2
6は両面テープ27でケース23に固定されている。抗
体固定化ストリップ26の最上流と最下流には吸水用部
品28、29がケースによって固定されている。抗体固
定化ストリップ26は判定窓25の直下に抗体を固定化
した部分を有する。試料はマイクロピペット等により試
料添加口24から吸水用部品28に添加する。その後、
金コロイド標識抗体を含む展開液を試料添加口24より
添加すると展開液とともに試料はクロマトされ、試料中
に分析対象物質が含まれる場合には金コロイドの着色が
判定窓25より観察できる。
【0037】図7はフロースルー法による簡易測定装置
の一例の概略図であり、試料添加口33および空気抜き
穴36を有する筒形の装置である。図8は図7で示した
簡易測定装置の側断面図である。プラスチック成形体3
4に抗体固定化メンブレン35を抗体が固定化された部
分がプラスチック成形体の試料添加口33の中心にくる
ように挿入し、さらに厚手の濾紙を重ねて作製した吸水
用部品37を挿入し、プラスチック成形体34の試料添
加口33と抗体固定化メンブレン35および抗体固定化
メンブレン35と吸水用部品37が完全に密着し、展開
液を試料添加口から添加しても周りに漏れずに抗体固定
化メンブレン35を通過して吸水用部品37に吸収され
るように下から蓋38をする。試料をマイクロピペット
等により試料添加口33から抗体固定化メンブレン35
の抗体を固定化した部分に添加し、更に金コロイド標識
抗体を含む展開液を添加する。展開液が完全に吸収され
た後、さらに洗浄液を添加して吸収させる。試料中に分
析対象物質が含まれる場合、抗体固定化部位に金コロイ
ドの着色が観察できる。
【0038】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0039】実施例1 イムノクロマト法によるCEA
標準液および乳頭分泌液中CEAの測定1 (1)金コロイドの調製 濃度0.01重量%の塩化金酸水溶液200mlを沸騰
させ、これに濃度1重量%のクエン酸ナトリウム水溶液
3mlを加え、溶液の色が赤色に変わるまで加熱沸騰を
行い、平均粒径25nmの金コロイド分散液を調製し
た。
【0040】(2)金コロイド粒子標識抗体の調製 上記の金コロイド分散液10mlに0.1M塩酸−炭酸
カリウム緩衝液pH9.0を0.5ml加えてpHを調
整し、これにウサギ抗ヒトCEA抗体を、金コロイド分
散液1mlあたり30μgとなるように加えて室温で1
時間緩やかに振とうした。その後、その10mlに8重
量%BSAを含む2mMホウ酸緩衝液pH9.0を1.
5ml加え、室温で30分間緩やかに振とうした。さら
に、この分散液を4℃で10,000rpm1時間遠心
して上清を除いた後、得られたペレットに濃度1重量%
のBSAを含む2mMトリス−塩酸緩衝液pH7.6を
10ml加えて再懸濁した。同様にして遠心操作をさら
に2回繰り返した後、上記トリス−塩酸緩衝液にてOD
(520nm)=20になるように再懸濁して金コロイ
ド粒子標識抗体を調製した。
【0041】(3)ストリップの作製 50mMリン酸生理食塩水pH7.2に溶解したマウス
抗CEAモノクローナル抗体(濃度1.2mg/ml)
を5×50mmに切断したミリポア社製ニトロセルロー
スメンブレン(ハイフローメンブレン、マイラーバッ
ク)の図1で示す検出部位5に相当する位置に幅1mm
のライン状に添着し風乾した。その後、濃度5重量%カ
ゼインを含む50mMリン酸生理食塩水pH7.2に室
温で2時間浸漬し、再び風乾した。さらに図2の10の
位置に相当する部位に5重量%のサッカロースを添加し
た(2)で調製した金コロイド粒子標識抗体液を5μl
ずつ、乾燥させながら2回添着し、ストリップを作製し
た。
【0042】(4)装置の作製 図1に示すように、展開液添加口3、試料添加口4およ
び判定窓5を有するポリエチレン製ケース2にその構成
部品を納めて作製した。図2示すように、上記(3)で
作製したストリップ6のマイラーバックの面を両面テー
プ7でケース2に接着し、その両端(展開液添加口3の
直下と最下流の位置)に、ワットマン社製ガラス繊維濾
紙GF/D 5×8mmを吸水性部材8,9として置
き、ポリエチレン製ケースにより吸水性部材をストリッ
プの上に固定し装置とした。
【0043】(5)測定 標準液として濃度0、200、400、1000、30
00ng/mlのCEAと濃度1重量%のBSAを含む
50mMリン酸生理食塩水pH7.2及び乳癌患者の乳
頭分泌液各3.0μlを装置の試料添加口4からストリ
ップ上に添加し、次いで、展開液として50mMリン酸
生理食塩水pH7.2を100μl展開液添加口3から
吸水性部材8の上に添加し、10分後に判定を行った。
結果は表1に示す。標準液のCEA濃度400ng/m
l以上で判定窓の中に金コロイドによる赤色のバンドが
観察された。既知濃度の乳頭分泌液でもそれに対応する
濃度で陽性・陰性が判定された。
【0044】実施例2 イムノクロマト法によるCEA
標準液および乳頭分泌液中CEAの測定2 (1)抗体固定化ストリップの作製 50mMリン酸生理食塩水pH7.2に溶解したマウス
抗CEAモノクローナル抗体(濃度1.2mg/ml)
を5×26mmに切断したミリポア社製ニトロセルロー
スメンブレン(ハイフローメンブレン、マイラーバッ
ク)の図3で示す検出部位16に相当する位置に幅1m
mのライン状に添着し風乾した。その後、濃度5重量%
カゼインを含む50mMリン酸生理食塩水pH7.2に
室温で2時間浸漬し、再び風乾して抗体固定化ストリッ
プを作製した。
【0045】(2)金コロイド粒子標識抗体ストリップ
の作製 東洋濾紙社製の濾紙No.50を5×20mmの大きさ
に切断し、濃度5重量%カゼインを含む50mMリン酸
生理食塩水pH7.2に室温で2時間浸漬したのち乾燥
させた。さらに、図4の19の位置に相当する部位に5
重量%のサッカロースを添加した実施例1の(2)で調
製した金コロイド粒子標識抗体液を5μlずつ、乾燥さ
せながら2回添着し、金コロイド粒子標識抗体ストリッ
プを作製した。
【0046】(3)装置の作製 図3に示すように、展開液添加口14、採取部品を組み
込み試料を添加する試料添加口15および判定窓16を
有するポリエチレン製ケース13にその構成部品を納め
て作製した。図4に示すように、上記(1)で作製した
抗体固定化ストリップ17(マイラーバックの面)およ
び(2)で作製した金コロイド粒子標識抗体ストリップ
18を両面テープ110でケース3に接着し、実施例1
と同様に展開液添加口14の直下と最下流の位置に、ワ
ットマン社製ガラス繊維濾紙GF/D 5×8mmを吸
水性部材111,112として置き、ポリエチレン製ケ
ースにより吸水性部材を抗体固定化ストリップおよび金
コロイド粒子標識抗体ストリップの上に固定し装置とし
た。また、試料採取部品は東洋濾紙社製の濾紙No.5
0を4×6mmの長方形に切断した採取部分12をプラ
スチック成形体11の底面に両面テープで貼り付けて作
製した(図3)。
【0047】(4)測定 標準液として濃度0、200、400、1000、30
00ng/mlのCEAと濃度1重量%のBSAを含む
50mMリン酸生理食塩水pH7.2及び乳癌患者の乳
頭分泌液の各5μlを図3の採取部品の採取部分12に
吸収させて採取した。採取部品を装置の試料添加口15
に組み入れ、採取部品の試料採取部分12を装置のスト
リップ17,18と密着させた。その後、展開液として
50mMリン酸生理食塩水pH7.2を100μl展開
液添加口14から吸水性部材111の上に添加し、10
分後に判定を行った。結果は表1に示す。標準液のCE
A濃度400ng/ml以上で判定窓の中に金コロイド
による赤色のバンドが観察された。既知濃度の乳頭分泌
液でもそれに対応する濃度で陽性・陰性が判定された。
【0048】
【表1】 測定結果 濃度(ng/ml) 実施例1 実施例2 0 − − CEA標準液 200 − − 400 ± + 1000 + + 3000 ++ ++ 乳頭分泌液(A) 160 − − (B) 460 ± + (C) 840 + + (D)1200 + +
【0049】実施例 3 イムノクロマト法によるNC
C−ST−439抗原の測定 (1)金コロイド粒子標識抗体を含む展開液の調製 実施例1の(1)の金コロイド分散液10mlに0.1
M塩酸−炭酸カリウム緩衝液pH9.0を0.5ml加
えてpHを調整し、これにマウス抗NCC−ST−43
9モノクローナル抗体を、金コロイド分散液1mlあた
り40μgとなるように加えて室温で1時間緩やかに振
とうした。その後、その10mlに8重量%BSAを含
む2mMホウ酸緩衝液pH9.0を1.5ml加え、室
温で30分間緩やかに振とうした。さらに、この分散液
を4℃で10,000rpm1時間遠心して上清を除い
た後、得られたペレットに濃度1重量%のBSAを含む
2mMトリス−塩酸緩衝液pH7.6を10ml加えて
再懸濁した。同様にして遠心沈降処理をさらに2回繰り
返した後、上記トリス−塩酸緩衝液にてOD(520n
m)=20になるように再懸濁し、さらにOD(520
nm)=5になるように50mMリン酸生理食塩水pH
7.2で希釈し、金コロイド標識抗体を含む展開液を調
製した。
【0050】(2)抗体固定化ストリップの作製 50mMリン酸生理食塩水pH7.2に溶解したマウス
抗NCC−ST−439モノクローナル抗体(濃度5m
g/ml)を5×35mmに切断したミリポア社製ニト
ロセルロースメンブレン(ハイフローメンブレン、マイ
ラーバック)の図5で示す検出部位25に相当する位置
に幅1mmのライン状に添着し風乾した。その後、濃度
5重量%カゼインを含む50mMリン酸生理食塩水pH
7.2に室温で2時間浸漬し、再び風乾して抗体固定化
ストリップを作製した。
【0051】(3)装置の作製 図5で示すように、試料添加口24および判定窓25の
2か所に開口部を持つプラスチックケース23にその構
成部品を納めて作製した。図6示すように、上記(2)
で作製した抗体固定化ストリップ26のマイラーバック
の面を両面テープ27でケース23に接着し、その両端
に、ワットマン社製ガラス繊維濾紙GF/D 5×8m
mを吸水性部材28,29として置き、ポリエチレン製
ケースにより吸水性部材を抗体固定化メンブレンの上に
固定しイムノクロマト装置とした。
【0052】(4)測定 NCC−ST−439抗原濃度が既知の乳癌患者の乳頭
分泌液各10μlを装置の試料添加口24から添加し、
次いで、50mMリン酸生理食塩水pH7.2からなる
展開液50μlを試料添加口24から添加し、展開液が
完全に吸収された後に、更に金コロイド粒子標識抗体を
含む展開液100μlを同様に添加し、10分後に判定
を行った。結果は表2に示す。既知濃度の乳頭分泌液で
濃度に対応して陽性・陰性が判定された。
【0053】
【表2】
【0054】実施例4 フロースルー法による乳頭分泌
液中のヘモグロビンの測定 (1)抗体固定化メンブレンの作製 濃度8mg/mlのマウス抗ヒトヘモグロビン抗体を含
む50mMのリン酸生理食塩水pH7.2をポール社製
イムノダイン イムノアフィニティーメンブレン(3μ
m)に0.5μlドットし風乾した。その後メンブレン
を濃度2.5重量%のカゼインナトリウムと濃度8重量
%のサッカロースを含む50mMのリン酸生理食塩水p
H7.2に室温2時間漬けた後、濾紙上にメンブレンを
取り出し水分を吸い取り、乾燥して抗体固定化メンブレ
ンを作製した。
【0055】(2)装置の作製 図7および図8に示すように、試料添加口33と空気穴
36のあるプラスチック成形体34に(1)で作製した
メンブレン35をメンブレンの抗体がドットされた部分
がプラスチック成形体の試料添加口33の中心にくるよ
うに挿入し、さらに厚手の濾紙を重ねて作製した吸水性
部材37を重ねて挿入し、プラスチック成形体の試料添
加口とメンブレンおよびメンブレンと吸水性部材が完全
に密着し、展開液を試料添加口から添加しても周りに漏
れずにメンブレンを通過して吸水性部材に吸収されるよ
うに下から蓋38をして装置とした。
【0056】(3)展開液の調製 0.1Mの尿素および濃度0.1重量%のツイーン20
を含む50mMのリン酸生理食塩水pH7.2を展開液
とした。
【0057】(4)発色液の調製 濃度3mg/mlになるようにテトラメチルベンジジン
をジメチルホルムアミドに溶解し、その4mlを96m
lの0.0126重量%の過酸化水素を含む0.1M酢
酸ナトリウムクエン酸緩衝液pH6.0に加えて良く混
合し、発色液とした。
【0058】(5)測定 ヘモグロビンの有無が既知である乳癌患者の乳頭分泌液
各10μlを試料添加口33からメンブレンの抗体をド
ットした部分に添加した。その後、展開液を200μl
試料添加口33から添加し完全に展開液が吸収されるま
で待った。展開液の添加を3回繰り返した後、メンブレ
ンの抗体をドットした部分に発色液を200μl滴下し
て、3分後にメンブレンの着色を観察した。結果を表3
に示す。ヘモグロビン陽性検体I,Jでは着色が観察さ
れたが、陰性検体Kでは着色が観察されなかった。
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、微量にしか採取できな
い乳頭分泌液中の特定物質を、短時間に精度よく測定す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いたイムノクロマト法による簡易
測定装置の概略図
【図2】図1で示した簡易測定装置の側断面図
【図3】実施例2で用いたイムノクロマト法による簡易
測定装置の概略図
【図4】図3で示した簡易測定装置の側断面図(採取部
品を除く)
【図5】実施例3で用いたイムノクロマト法による簡易
測定装置の概略図
【図6】図5で示した簡易測定装置の側断面図
【図7】実施例4で用いたフロースルー法による簡易測
定装置の概略図
【図8】図7で示した簡易測定装置の側断面図

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微量の乳頭分泌液に含まれる特定物質を測
    定する方法であって、該特定物質あるいは該特定物質に
    対する抗体を固定化した多孔性基材を使用し、乳頭分泌
    液を、多孔性基材の該特定物質あるいは該特定物質に対
    する抗体を固定化した部位を通過させ、その部位あるい
    はその下流に検出可能な信号を得ることにより測定を行
    なうことを特徴とする微量の乳頭分泌液に含まれる特定
    物質の測定方法。
  2. 【請求項2】測定に用いる乳頭分泌液の量が20μl以
    下である請求項1に記載の測定方法。
  3. 【請求項3】信号を得るために標識抗体を用い、サンド
    イッチ形式で測定を行う請求項1または2に記載の測定
    方法。
  4. 【請求項4】信号を得るための標識が金属コロイド粒
    子、非金属コロイド粒子または着色ラテックス粒子であ
    る請求項3に記載の測定方法。
  5. 【請求項5】乳頭分泌液を展開液により多孔性基材中を
    移動させる請求項1から4のいずれかに記載の測定方
    法。
  6. 【請求項6】乳頭分泌液に含まれる特定物質が乳ガンの
    発症に伴い乳頭分泌液中の濃度が変化する物質である請
    求項1から5のいずれかに記載の測定方法。
  7. 【請求項7】乳頭分泌液に含まれる特定物質がCEA
    (癌胎児性抗原)である請求項1から5のいずれかに記
    載の測定方法。
  8. 【請求項8】乳頭分泌液に含まれる特定物質がNCC−
    ST−439抗原である請求項1から5のいずれかに記
    載の測定方法。
  9. 【請求項9】乳頭分泌液に含まれる特定物質がヘモグロ
    ビンである請求項1から5のいずれかに記載の測定方
    法。
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