JP2002148266A - 検出装置及びその製造方法 - Google Patents

検出装置及びその製造方法

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JP2002148266A
JP2002148266A JP2000343112A JP2000343112A JP2002148266A JP 2002148266 A JP2002148266 A JP 2002148266A JP 2000343112 A JP2000343112 A JP 2000343112A JP 2000343112 A JP2000343112 A JP 2000343112A JP 2002148266 A JP2002148266 A JP 2002148266A
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substance
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porous
lymph node
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English (en)
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Takuji Kadota
卓司 門田
Toshiyuki Kano
寿之 加納
Masao Hashimoto
将男 橋本
Kuniko Akagi
第子 赤木
Hachiro Yamanaka
八郎 山中
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Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Rohto Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生体組織に存在する被検物質を非特異反応がな
く、かつ高感度に検出できるイムノクロマトグラフィー
アッセイ法により、例えば癌胎児性抗原のような被検物
質を検出する方法を提供すること、前記方法で使用され
る検出装置およびその検出用キットを提供すること、並
びに癌胎児性抗原を利用するリンパ節中の癌の診断方法
を提供すること。 【解決手段】多孔性物質を移動することが可能な標識を
付した試薬(1)及び該多孔性物質の検出部に固定化さ
れた、被検物質に特異的な試薬(2)を含み、検出部に
あらわれた標識によって被検物質を検出するイムノクロ
マトグラフィー検出装置において、血清アルブミン及び
直鎖状水溶性ポリマーを標識を付した試薬(1)と共存
して配置することを特徴とするリンパ節中の被検物質を
検出する装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検物質の検出方
法、検出装置及び検出用キットに関する。さらに具体的
には、本発明はイムノクロマトグラフィーアッセイ法に
よりリンパ節中に存在する被検物質を非特異反応なく、
高感度に検出できる方法、検出装置及び検出用キットに
関する。さらに本発明は、癌胎児性抗原(CEA)を非
特異反応なく、高感度に検出できる癌の診断方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】尿、糞便、血液等の生体試料中に存在す
る被検物質の存在を定性的にまたは定量的に測定する方
法として、免疫学的測定方法が汎用されている。なかで
も、イムノクロマトグラフィーアッセイ法は、操作が簡
便であり、短時間で測定可能であることから、臨床検査
や研究室における測定試験等で広く利用されている。
【0003】イムノクロマトグラフィーアッセイ法を利
用した被検物質の検出は、a)被検物質と標識された試薬
とを反応させて被検物質と標識試薬との複合体を作製
し、b)この複合体を毛管現象によりイムノクロマトグラ
フィー基材上で移動させて、c)被検物質に特異的に結合
する試薬が固定化されたイムノクロマトグラフィー基材
の判定部分において、被検物質を介して固定化試薬と標
識付試薬との免疫複合体を形成させ、d)標識を観察する
ことによって被検物質の存在を判定することにより行わ
れる。
【0004】このようなイムノクロマトグラフィーアッ
セイ法として、特公平7−136400号公報には、同
一平面上に存在し互いに毛管現象が生じるように連結さ
れ、その中に移動可能なように保持された小胞マーカー
により標識された測定対象物質に特異的な抗体(トレー
サー)を含み且つ試料添加部位である第1部分及び、そ
の中に測定対象物質に特異的に結合する抗体が固定化さ
れている第2部分を有するイムノクロマトグラフィーア
ッセイ法用試験用具、及びこれを用いた測定対象物質の
測定方法が開示されている。また、特表平1−5031
74号公報には、クロマトグラフィー媒体上に湿潤状態
において自由に移動し得る、検出すべき物質(抗原)に
特異的に結合する標識された第1抗体(以下、標識第1
抗体という)およびクロマトグラフィー媒体上に固定さ
れた、検出すべき物質(抗原)に特異的に結合する標識
されていない第2抗体(第2抗体は第1抗体とは異なる
抗原結合部位を有する)(以下、無標識第2抗体とい
う)が配置されており、検出すべき物質を含む液体試料
をクロマトグラフィー媒体の一端に添加し、クロマトグ
ラフィー媒体中を移動して標識第1抗体と反応した後に
無標識第2抗体と反応し、クロマトグラフィー媒体上の
検出区域において検出すべき物質の存在の有無を確認で
きる装置が開示されている。
【0005】イムノクロマトグラフィーアッセイ法によ
る検出装置は、視覚的に検出可能な標識(金属コロイド
粒子や着色ラテックス)と組み合わせることによって目
視による判定が可能であり、簡便な検出装置として利用
価値が高い。
【0006】このようなイムノクロマトグラフィーアッ
セイ法を用いた検出装置においては、被検物質の存在す
る生体試料の特性、被検物質自体の性質等がアッセイの
結果に影響を与えることを防止して、被検物質の検出を
確実に行う必要がある。なぜなら、被検物質を確実に検
出してはじめて疾患診断が可能となるからである。ま
た、生体試料を使用する測定では、被検物質を含む試料
のみならず、被検物質を含まない試料に対しても反応を
起こしたり、反応が阻害された結果、実質的に含まれて
いる量と検出結果が対応しないといった問題を有してい
る。
【0007】そこで、生体試料である尿や糞便、血液試
料を検出する際の非特異反応を減少させることを目的と
して、被検物質を含む生体試料をグリシン等の緩衝液で
希釈したり、生体試料中の補体を失活させる非動化処理
を行うことが知られている。
【0008】また、抗原抗体反応における非特異的反応
をブロッキングする試薬として、ゼラチン、カゼイン、
ウシ血清アルブミン、オボアルブミン、ラクトアルブミ
ン等のタンパク質や、ポリアニオン類等、N,N−ジア
ルキルアミドや低級アルキルスルホキシド、アルキルセ
ルロース、カルボキシアルキルセルロース等を共存させ
る方法も開示されている。
【0009】ところで、臨床検査において使用する生体
試料は、尿、血液、糞便などが一般的であるが、生体組
織に存在する被検物質を検出することが要求される場合
もある。例えば、リンパ節中の癌胎児性抗原(CEA)
を検出することで癌診断を行うことが知られている。
【0010】リンパ節は全身に分布するマメ粒大の組織
であるが、尿、血液や糞便等の生体試料と異なり、細胞
骨格タンパク質や細胞膜を構成する膜脂質や膜タンパク
質など生体細胞に由来する多種多様の生体成分を含んで
いる。また、リンパ節は、手術による切除、あるいは生
検のための組織採取等により採取することができるが、
得られる生体組織片は少量に限られており、高感度な検
出を行う必要性がある。
【0011】さらに、生体組織中の被検物質を検出する
場合には、当該生体組織を複数の個別の検査に使用する
こともあるため、組織を処理する方法が制限される場合
があった。
【0012】このような生体組織由来の検体において
は、非特異的反応を抑制し、高感度に被検物質を検出す
るための技術が必要とされている。にもかかわらず、リ
ンパ節のような生体組織中に存在する被検物質の非特異
反応を抑制し、高感度に検出できるアッセイ法は確立さ
れていなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、リン
パ節のような生体組織に存在する被検物質を非特異反応
がなく、かつ高感度に検出できるイムノクロマトグラフ
ィーアッセイ法により、例えば癌胎児性抗原のような被
検物質を検出する方法を提供することにある。さらに本
発明の目的は、前記方法で使用される検出装置およびそ
の検出用キットを提供することにある。さらに本発明の
目的は、癌胎児性抗原を利用するリンパ節中の癌の診断
方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の骨子は、
〔1〕多孔性物質を移動することが可能な標識を付した
試薬(1)及び該多孔性物質の検出部に固定化された、
被検物質に特異的な試薬(2)を含み、検出部にあらわ
れた標識によって被検物質を検出するイムノクロマトグ
ラフィー検出装置において、血清アルブミン及び直鎖状
水溶性ポリマーを標識を付した試薬(1)と共存して配
置することを特徴とするリンパ節中の被検物質を検出す
る装置、〔2〕血清アルブミンと直鎖状水溶性ポリマー
との重量比が1:0.1〜1:10である前記〔1〕記
載の装置、〔3〕被検物質が癌胎児性抗原である前記
〔1〕又は前記〔2〕記載の装置、〔4〕多孔性物質を
移動することが可能な標識を付した試薬(1)及び該多
孔性物質の検出部に固定化された、被検物質に特異的な
試薬(2)を含み、検出部にあらわれた標識によって被
検物質を検出するイムノクロマトグラフィー検出装置に
リンパ節処理液を適用する工程、被検物質に、標識を付
した試薬(1)、血清アルブミン及び直鎖状水溶性ポリ
マーが同時に接触する工程、該被検物質が被検物質に特
異的な試薬(2)と接触する工程、並びに検出部にあら
われる標識を観察する工程を含む、リンパ節中の被検物
質を検出する方法、並びに〔5〕前記〔4〕記載のリン
パ節中の被検物質を検出する方法を用いて、リンパ節中
の癌胎児性抗原を検出することを特徴とする癌の診断方
法、に関するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】1.リンパ節中の被検物質を検出
する装置 本発明の装置は、リンパ節中の被検物質を検出するイム
ノクロマトグラフィー検出装置であり、多孔性物質を移
動することが可能な標識を付した試薬(1)及び該多孔
性物質の検出部に固定化された、被検物質に特異的な試
薬(2)を含み、検出部にあらわれた標識によって被検
物質を検出するイムノクロマトグラフィー検出装置にお
いて、血清アルブミン及び直鎖状水溶性ポリマーを標識
を付した試薬(1)と共存して配置することを特徴とす
るリンパ節中の被検物質を検出する装置である。そし
て、多孔性物質を移動することが可能な標識を付した試
薬(1)と、該多孔性物質の検出部に固定化された被検
物質に特異的な試薬(2)とは、被検物質に、標識を付
した試薬(1)、血清アルブミン及び直鎖状水溶性ポリ
マーが接触し、次いで該被検物質が被検物質に特異的な
試薬(2)と接触するように配置される。
【0016】そして、本発明の検出装置においては、標
識を付した試薬(1)は多孔性物質を移動することが可
能である。他方、被検物質に特異的な試薬(2)は多孔
性物質の検出部に固定化されており、多孔性物質を移動
することができない。検出装置において、標識を付した
試薬(1)(以下、試薬(1)ともいう。)は、多孔性
物質からなる多孔性小片に配置されて、被検物質に特異
的な試薬(2)(以下、試薬(2)ともいう。)が固定
化された多孔性物質からなる多孔性小片と液体連通可能
なように配置することができる。又は、試薬(1)を試
薬(2)が固定化された多孔性物質からなる多孔性小片
に配置することもできる。また、試薬(1)は、試薬
(2)の固定化された多孔性小片とは異なる試験管又は
***状容器等に配置しておくこともできる。
【0017】本発明では、血清アルブミン及び直鎖状水
溶性ポリマーを標識を付した試薬(1)と共存して配置
することを特徴とする。即ち、試薬(1)、血清アルブ
ミン及び直鎖状水溶性ポリマーは、これらの混合溶液を
調製して多孔性物質に含浸、塗布又は乾燥して装置に配
置することができる。この際、試薬(1)を含浸する多
孔性物質は、試薬(2)が固定化されている多孔性小片
であっても良く、別の多孔性小片として調製しても良
い。別の多孔性小片であれば、試薬(2)の固定化され
ている多孔性小片と液体連通可能なように配置しても良
い。また、試薬(2)が固定化されている多孔性小片の
一部に、試薬(1)、血清アルブミン及び直鎖状水溶性
ポリマーを含浸、塗布又は乾燥して配置しても良い。さ
らには、試薬(1)、血清アルブミン及び直鎖状水溶性
ポリマーを、試薬(2)が固定化されている多孔性小片
とは異なる試験管、マイクロタイタープレート又は***
状容器等において調製し、又は乾燥して、被検物質検出
時に再懸濁して試薬(2)が固定化されている多孔性小
片に適用できるように配置しても良い。試薬(1)の安
定性の観点から乾燥して配置することが好ましい。
【0018】試薬(1)、血清アルブミン及び直鎖状水
溶性ポリマーを多孔性物質又は試験管等に配置する場
合、試薬(1)、血清アルブミン及び直鎖状水溶性ポリ
マーと共に、試薬(1)、血清アルブミン及び直鎖状水
溶性ポリマーの再懸濁補助作用や多孔性物質移動促進作
用を有する成分、例えば、サッカロース、マルトース、
ラクトース等の糖類等、マンニトール等の糖アルコール
等を共存させても良い。この場合、これらの成分を、多
孔性物質又は試験管等に予め又は試薬(1)等と同時に
混合、含浸又は塗布させても良い。
【0019】本発明における血清アルブミンとしては、
市販されているヒト血清アルブミンやウシ血清アルブミ
ン等の精製品等が利用できる。例えば、ヒト血清アルブ
ミンは、血漿タンパク質の中では量的に最も多い成分で
あり分子量約7万のタンパク質として知られている。ま
た、生体からの精製品のみならず、遺伝子組換えによっ
て細胞により産生された血清アルブミンであってもよ
く、さらにそれらの部分タンパク質を用いることもでき
る。
【0020】直鎖状水溶性ポリマーとしては、分子量
5, 000〜100, 000のものが好ましく、5,0
00〜50,000のものがより好ましく、5,000
〜20,000のものが特に好ましい。直鎖状水溶性ポ
リマーの好適な具体例としては、例えばポリエチレング
リコール、ポリビニルアルコール、デキストラン及びポ
リビニルピロリドンが挙げられる。これらは一種類を単
独で使用しても良く、二種類以上を併用しても良い。併
用する場合、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリ
ドン、ポリエチレングリコールとポリビニルアルコール
が好ましい。
【0021】血清アルブミン及び直鎖状水溶性ポリマー
は、標識を付した試薬(1)とともに共存させることに
よって使用される。標識を付した試薬(1)を調製する
調製液中に各々を適量添加して、例えば各々0. 01〜
3重量%濃度で添加して共存させた後、そのまま乾燥し
て共存物として装置に配置することもできるし、各々個
別に調製した後に装置上に配置しても良い。血清アルブ
ミン:直鎖状水溶性ポリマーの重量比は、1:0.1〜
1:10が好ましく、1:0.3〜1:5がより好まし
く、1:0.3〜1:1が特に好ましい。標識を付した
試薬の保存安定性の観点から、血清アルブミン1重量部
に対して直鎖状水溶性ポリマーは0.1重量部以上が好
ましく、多孔性物質における標識を付した試薬の移動性
及び特異性、反応性の観点から、血清アルブミン1重量
部に対して直鎖状水溶性ポリマーは10重量部以下が好
ましい。
【0022】多孔性物質を移動することが可能な標識を
付した試薬(1)としては、被検物質、被検物質の類似
物質、被検物質に特異的な試薬が挙げられる。被検物質
の検出の反応形式として競合形式を採用する場合、試薬
(1)として被検物質又は被検物質の類似物質を使用す
ることができる。被検物質の検出の反応形式としてサン
ドイッチ形式を採用する場合、試薬(1)としては、被
検物質に特異的な試薬を使用することができる。反応性
と被検物質検出の容易性の観点から、試薬(1)には、
被検物質に特異的な試薬が好ましい。
【0023】ここで、本発明における被検物質として
は、リンパ節に由来する細胞等が産生する物質、リンパ
節以外の組織に由来する細胞等がリンパ節に移動して産
生する物質のみならず、生体組織のリンパ節以外の組織
において産生された後、全身性リンパ循環によって、リ
ンパ節に運ばれる物質も含まれる。例えば腫瘍マーカー
物質、ペプチドホルモン類、ステロイド、免疫グロブリ
ン、その他生体成分及びそれらの代謝産物等、生体内に
存在する成分が挙げられる。
【0024】具体例としては、癌胎児性抗原(CE
A)、アルファフェトプロテイン(AFP)、前立腺特
異抗原(PSA)、CA19−9等の腫瘍マーカー、ヒ
ト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、黄体形成ホルモン
(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、オキシトシン
等の下垂体ホルモン、トランスアミナーゼ、トリプシ
ン、ペプシノーゲン等の酵素、免疫グロブリンG(Ig
G)、フィブリン−フィブリノーゲン分解産物(FD
P、D−ダイマー)、抗トロンビンIII (ATIII )、
トランスフェリン等の血清蛋白成分、リュウマチ因子、
セロトニン、ウロキナーゼ、フェリチン、サブスタンス
P等の物質その他生体成分およびそれらの代謝産物等の
多くの物質が挙げられる。これらの被検物質は、単独で
測定することもできるし、二つ以上を組み合わせて測定
することもできる。本発明の装置においては、被検物質
が癌胎児性抗原である態様が、現状において癌の診断に
極めて有用な実績を示しているという観点からより好ま
しい。
【0025】被検物質の類似物質とは、被検物質と類似
の構造を有している物質であり、被検物質と競合して被
検物質に対して特異的な試薬と結合する。被検物質の類
似物質の例としては、例えば被検物質がタンパク質の場
合、そのタンパク質の断片等が挙げられる。被検物質の
類似物質としては、該試薬に対する結合の程度が被検物
質と異なる物質を選択しても良く、この場合、被検物質
との競合反応を利用して検出感度を調節することが可能
となる。
【0026】被検物質に特異的な試薬としては、被検物
質に対する抗体等が挙げられる。抗体としては、牛、
羊、兎、山羊、ラット、マウス等の哺乳動物や、ニワト
リ、アヒル、ガチョウなどの鳥類に、検出すべき抗原や
ハプテンを免疫して得られる抗体の他、細胞融合などの
技術を用いて得られるハイブリドーマ等が産生する抗
体、組換細胞等から作製された抗体断片の何れでもよ
く、これらを単独で或はこれらを適宜組み合わせて用い
ることができる。また、ペプシン、パパイン等の酵素を
用いて消化してF(ab')2、Fab' 、或はFabといった抗
体断片として使用することも可能であり、IgG 、IgM と
いった抗体の種類は問わず使用することが可能である。
【0027】試薬(1)に付される標識は、直接標識又
は間接標識のいずれでもよいが、直接標識が好ましい。
直接標識に用いることができる標識物としては、金属ゾ
ル、非金属ゾル、着色ラテックス粒子、着色リボゾー
ム、各種染料、各種顔料等の色素類、ルミノール誘導
体、アクリジニウムエステル等の化学発光物質類、フル
オレセイン、ローダミン等の蛍光物質類が挙げられ、標
識を直接観察できる標識であり、色調観察や発光や蛍光
の強度等を測定することにより標識の存在を検出するこ
とができる標識をいう。間接標識としては、ペルオキシ
ダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファタ
ーゼ、グルコースオキシダーゼ等の酵素等が挙げられ、
標識を視覚化するために更に工程を施すことによって標
識の存在を検出することができる。直接標識は、更なる
工程を要さず判定結果を得ることができる有色又は着色
粒子による標識が好ましい。有色又は着色粒子としては
金、銀、白金、プラチナ、銅のような金属コロイド、酸
化鉄のような金属酸化物コロイド、硫黄、セレン等の非
金属コロイド、顔料粒子、ラテックス粒子を染色したも
の、リポソーム等が挙げられる。特に好ましくは、金コ
ロイド、着色ラテックスである。有色又は着色粒子が毛
管現象により多孔性物質中を移動するためには、粒子径
が毛管より小さい必要があり、平均粒径は1μm以下が
好ましく、0.5μm以下が特に好ましい。
【0028】試薬(1)に標識を付す手法としては、抗
体物理吸着や化学結合などの公知の方法が使用できる。
例えば、金コロイドに抗体を結合した金コロイド標識付
抗体は、金コロイド溶液に抗体を加えて物理吸着させた
後、牛血清アルブミン溶液を添加して金コロイドの抗体
未結合表面をブロックすることにより調製される。さら
に、標識結合体の安定化や非特異的反応を抑制するため
に公知の添加剤を加えてもよい。例えば、カゼイン、ゼ
ラチンなどのタンパク質、メチルセルロース等の高分子
化合物や、他のイオン性界面活性剤、デキストラン硫
酸、ヘパリン、ポリスチレンスルホン酸、ヒアルロン
酸、コンドロイチン硫酸等のポリアニオンまたはその塩
等、アジ化ナトリウム、チメロサール、ケーソンCG、
長鎖アルキル四級アンモニウム塩などの抗菌剤などが添
加できる。
【0029】該試薬(2)を多孔性物質に固定化する方
法としては、該試薬(2)を多孔性物質に物理的または
化学的手段により直接固定化させる方法と、該試薬
(2)をラテックス粒子などの微粒子に物理的または化
学的に結合させ、この微粒子を多孔性物質にトラップさ
せて固定化させる間接固定化方法がある。
【0030】直接固定化する方法としては、物理吸着を
利用しても良いし、共有結合によってもよい。一般に多
孔性物質がニトロセルロース膜、または混合ニトロセル
ロースエステル膜の場合、物理吸着を行うことができ
る。共有結合では多孔性物質の活性化には一般的に臭化
シアン、グルタルアルデヒド、カルボジイミド等が用い
られるが、いずれの方法も用いることができる。間接的
な方法としては、不溶性微粒子に該試薬(2)を結合さ
せた後に、多孔性物質に固定化する方法がある。微粒子
の粒径は多孔性物質に捕捉されるが移動することのでき
ないサイズのものを選択することができる。本発明にお
いては、不溶化の均一性、感度調整の容易さ等から直接
固定化の方が好ましい。また、固定化には、例えば、マ
イクロシリンジ、調節ポンプ付きペン、インキ噴射印刷
等、種々の技術が使用可能である。検出部の形態として
は特に限定されないが、円形のスポット、多孔性物質の
クロマト方向に垂直にのびるライン、数字、文字や+、
−などの記号等として固定化することもできる。
【0031】試薬(1)、血清アルブミン及び直鎖状水
溶性ポリマーを多孔性物質に含浸又は塗布して配置させ
ている場合、試薬(1)、血清アルブミン及び直鎖状水
溶性ポリマー共存部と検出部との間隔は、被検物質の検
出が可能な程度であれば特に限定されないが、0.5〜
4.0cmが好ましく、0.5〜2.0cmがより好ま
しい。特異反応性の観点から、該間隔は0.5cm以上
が好ましく、4.0cm以下が好ましい。
【0032】本発明における多孔性物質は、標識を付し
た試薬(1)を乾燥状態で保持する担体として、被検物
質が適用され湿潤状態になった場合には試薬(1)の移
動媒体として、あるいは、検出部に試薬(2)を固定化
するための固定用担体として使用される。多孔性物質
は、毛管現象により物質内を液体や試薬(1)が移動
(展開)できるような材質であればいずれの材料でもよ
い。例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリフッ化ビニリデン、ニトロセルロース、酢酸
セルロース、及びセルロース誘導体等の膜やマトリク
ス、多孔性セルロース膜、ナイロン膜、ガラス繊維ろ
紙、不織布、布等が挙げられる。試薬(2)を固定化す
る多孔性物質としては、特にニトロセルロース膜および
ナイロン膜、ガラス繊維ろ紙が好ましい。孔径として
は、0.1μm以上が好ましく、1 〜301μmがより
好ましく、1〜10μmが特に好ましい。標識を付した
試薬(1)を保持する担体としての多孔性物質として
は、セルロースろ紙、ボロシリケート、ガラス繊維ろ
紙、ナイロン不織布等が挙げられる。孔径としては、1
0〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ま
しい。担体として機能する段階での多孔性物質の形状
は、短冊状、ディスク状等が挙げられる。多孔性物質は
必要に応じてプラスチック等の水不透性の材料で裏打ち
されていてもよい。
【0033】また、本発明では、非特異的な吸着により
分析の精度を低下させることを防止するため、多孔性物
質からなる多孔性小片に非特異的反応の防止剤による処
理を施すことが可能である。非特異的吸着の防止剤とし
ては、例えば、血清アルブミン、カゼイン、脱脂粉乳、
ツイーン20、トライトンX100等の界面活性剤等に
よる処理等がある。
【0034】さらに、必要に応じて、リンパ節処理液を
装置に適用するための適用部材又は余分な物質を吸収す
るための吸収部材を検出部を有する多孔性小片と液体連
通可能なように設けることができる。適用部材は多孔性
物質である不織布セルロース繊維、ガラス繊維、ポリウ
レタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、
パルプ、綿布、セルロースポリアセテート等の多孔性樹
脂等の材質から適宜選択することができる。適用部材を
設けることによって、適用される処理液の量を調整で
き、かつ反応を阻害する物質をろ過する機能が付与でき
るため、好ましい。また、吸収部材を設けることによ
り、適用された処理液や未反応物質等を速やかに吸収す
ることができるため、好ましい。吸収部材は多孔性物質
であるセルロースろ紙、不織布、布、セルロースアセテ
ート等の材質から適宜選択することができ、吸水性が高
いものが好ましい。
【0035】本発明の装置をケースに収納して使用の便
宜に供することができるため、本発明の装置はケースに
収められていることが好ましい。ケースの材質は特に限
定されないが、塩化ビニル、ポリエチレンやポリプロピ
レン等のプラスチック、紙等が例示される。プラスチッ
ク材料のケースは安価であり好ましい。これらの材質の
ケースは防水機能を有するため、装置内の液体成分が検
出装置から漏出するのを防止するのに役立ち、さらには
検出装置を保護したり、多孔性小片が互いに液体連通可
能となるような配置を維持することにも役立つ。ケース
には、リンパ節処理液を適用するための開口や、検出部
における標識を観察するための開口を設けてもよい。リ
ンパ節処理液又はリンパ節の一片を、ケースの開口を通
してケースに収納された検出装置に適用することができ
る。また、ケースの、検出部に対応する位置に開口を設
けることによって、開口を通してケースの外部から検出
部の標識を観察することが可能である。
【0036】2.リンパ節中の被検物質を検出する方法
本発明の方法は、リンパ節中の被検物質のイムノクロマ
トグラフィー検出方法である。かかる方法は、本発明の
イムノクロマトグラフィー検出装置を用いることによ
り、容易に実施できる。
【0037】本発明の検出方法は、本発明の検出装置を
用いて、 i)リンパ節処理液を検出装置に適用する工程、 ii) 被検物質に、標識を付した試薬(1)、血清アルブ
ミン及び直鎖状水溶性ポリマーが同時に接触する工程、 iii)該被検物質が被検物質に特異的な試薬(2)と接触
する工程、並びに iv) 検出部にあらわれる標識を観察する工程 を含むリンパ節中の被検物質を検出する方法である。
【0038】i)リンパ節処理液を検出装置に適用する工
程 本発明におけるリンパ節は、ヒト由来のものでも良く、
非ヒト動物由来のものでも良い。また、生体のどのよう
な組織からのリンパ節であっても制限なく用いることが
できる。
【0039】リンパ節は、手術による切除あるいは生検
のための組織採取等により採取できる。そして、リンパ
節処理液を調製する。リンパ節処理液の調製は、細かく
切断したり、潰したり、あるいは採取したままのリンパ
節片を処理液に浸漬し、リンパ節から被検物質を溶出又
は抽出することによって行う。そして、調製されたリン
パ節処理液は、検出装置に適用される。適用される位置
は、例えば、試薬(1)、血清アルブミン及び直鎖状水
溶性ポリマーの共存部、若しくはリンパ節処理液が検出
部を通過する前に試薬(1)、血清アルブミン及び直鎖
状水溶性ポリマーの共存部を通過することができるよう
な位置である。
【0040】ii) 被検物質に、標識を付した試薬
(1)、血清アルブミン及び直鎖状水溶性ポリマーが同
時に接触する工程 リンパ節処理液が検出装置に適用されると、リンパ節処
理液によって、共存して配置された試薬(1)、血清ア
ルブミン及び直鎖状水溶性ポリマーが再懸濁する。そし
て、リンパ節処理液中に抽出又は溶出されているであろ
う被検物質と、予め検出装置に用意されている試薬
(1)、血清アルブミン及び直鎖状水溶性ポリマーが同
時に接触する。本発明の検出装置では、予め試薬
(1)、血清アルブミン及び直鎖状水溶性ポリマーが共
存して配置されているので、リンパ節処理液を検出装置
に適用することによって、試薬(1)、血清アルブミン
及び直鎖状水溶性ポリマーがリンパ節処理液によって再
懸濁し、これらの試薬が互いに接触する。
【0041】iii)該被検物質が被検物質に特異的な試薬
(2)と接触する工程 標識を付した試薬(1)、血清アルブミン及び直鎖状水
溶性ポリマーと、被検物質は同時に接触した後、被検物
質に特異的な試薬(2)が固定化された多孔性小片を移
動する。そして、多孔性物質中を毛細管現象によって移
動して被検物質が試薬(2)と接触する。試薬(1)と
被検物質が、特異的な試薬(2)が固定化された多孔性
小片に配置されていない場合においても、試薬(1)が
配置された多孔性小片と試薬(2)が固定化された多孔
性小片が液体連通可能であれば接触できる。また、リン
パ節処理液を適用することによって再懸濁された試薬
(1)、血清アルブミン及び直鎖状水溶性ポリマーを、
試薬(2)が固定化された多孔性小片の一端に適用する
ことによって移動し接触することができる。
【0042】iv) 検出部にあらわれる標識を観察する工
程 本発明では、検出部にあらわれた標識によって被検物質
を検出する。検出部にあらわれた標識と被検物質の有無
の検出の関係は、本装置で採用する検出方法の反応形式
に依存する。本方法の反応形式には、競合形式あるいは
サンドイッチ形式などが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。本装置においては、どのような反応
形式も採用できる。特に好ましい形式は、サンドイッチ
形式である。
【0043】競合形式の場合、被検物質及び標識を付し
た試薬(1)は多孔性物質中を毛管現象により移動す
る。そして検出部において被検物質と標識を付した試薬
(1)が競合して被検物質に特異的な試薬(2)と複合
体を形成する。従って、試料が被検物質を含む場合に
は、検出部に標識は観察されないか若しくは弱い標識が
観察されるが、被検物質を含まない場合には検出部に標
識が観察される。サンドイッチ形式の場合、被検物質が
標識を付した試薬(1)と接触して複合体を形成する。
そして該複合体が多孔性物質中を毛管現象により移動
し、検出部において被検物質を介して標識を付した試薬
(1)と被検物質に特異的な試薬(2)とによりサンド
イッチ免疫複合体が形成される。従って、試料が被検物
質を含む場合には、検出部に標識が観察される。
【0044】そして、被検物質は、リンパ節においてそ
の存在を検出することによって、様々な疾患や被検者の
状態を知ることが可能となる。例えば、癌胎児性抗原
(CEA)は上皮系細胞で膜結合型タンパク質として発
現するが、癌細胞ではこれが主として遊離型となり、血
中に多量に検出されるため、腫瘍マーカーとして利用さ
れている。CEAは、ヒト結腸癌と2〜6ヶ月歳胎児の
消化器に共通に存在する抗原として発見された分子量1
8〜20万の糖タンパク質である(Gold,P&Fr
eedman,S.O.、J.Exp.Med.、12
1、439、1965)。転移した癌細胞がリンパ系に
流入した場合、リンパ節中のCEAを検出することによ
って、被検対象としたリンパ節の癌の有無を診断するこ
とが可能となる。CEAは、胃癌、食道癌、肝臓癌、膵
臓癌、大腸癌、神経芽細胞腫、甲状腺髄様癌、乳癌など
の上皮系細胞癌等に発現し癌の臨床におけるその有用性
が広く認められている。
【0045】そこで、本発明のイムノクロマトグラフィ
ー検出方法を利用して、被検物質を癌胎児性抗原とする
ことにより、癌の診断方法を提供することができる。
【0046】3.リンパ節中の被検物質の検出用キット さらに本発明は、リンパ節中の被検物質の検出用キット
を提供する。検出用キットは、検出装置を用いてリンパ
節中の被検物質を検出するために、検出装置に加えて処
理液を含む。処理液は、リンパ節中の被検物質を抽出、
溶出又は浸出させるために使用することができる。処理
液としては、生理食塩水や炭酸緩衝液、リン酸緩衝液、
ホウ酸緩衝液、HEPES−NaOH緩衝液、Tris
−HCl緩衝液等の緩衝液等を使用することができる。
かかる緩衝液のpHとしては、タンパク質の変性を抑制
する観点から、6〜8の間が好ましい。また、処理液に
は検出結果に影響を与えない限りにおいて、界面活性剤
等を添加しても良く、この場合、リンパ節からの被検物
質の抽出あるいは溶出を促進することもでき、安定化剤
を添加して被検物質の処理液中での安定性を高めること
も可能である。また、処理液はその一部を補助液として
流用してもよい。
【0047】さらに本発明のキットは、処理液、リンパ
節処理液、再懸濁した標識を付した試薬(1)等を扱う
ために利用できるスポイト、試薬(1)、被検物質等が
多孔性物質を移動するのを補助又は促進するために利用
したり、検出レベルを任意に調整するために利用できる
補助液、リンパ節を扱うためのピンセット等を含んでも
良い。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。
【0049】実施例1 (1)検出装置の作製 0. 15重量%濃度の塩化金酸水溶液300mLを沸騰
させた後、2重量%濃度のクエン酸ナトリウム水溶液3
mLを添加した。溶液の色が赤色に変わるまで1時間加
熱沸騰を行い、平均粒径25nmの金コロイド分散液を
調製した。前記金コロイド分散液100mLに、1Mの
炭酸カリウム液を添加して、この分散液のpHを6. 2
に調整した。この金コロイド分散液に、該分散液1mL
当たり7μgのマウス抗ヒトCEAモノクローナル抗体
(OYメディックス社製)を添加して、室温で1時間緩
やかに撹拌した。その後、この分散液100mLに10
重量%濃度のBSA溶液を0. 5mL添加し、さらに室
温で10分間緩やかに撹拌した。
【0050】さらに、この分散液を4℃、8200rp
mで40分間遠心して上清を除去した。得られた標識化
抗体ペレットを、0〜3.0重量%濃度のPEG20000
(Mw=20,000)、0〜4. 5重量%濃度のBS
Aを含むpH=8の緩衝液(表1参照)を用いて吸光度
(525nm)=1. 0になるように再懸濁した。得ら
れた溶液(標識化抗体溶液)をグラスファイバーシート
(ワットマン社製)上に68μL/cm2 で含浸させた
後、凍結乾燥し、これを標識を付した試薬とBSA、P
EGが共存する多孔性小片(以下、標識試薬パッドとも
いう(図1の5))とした。
【0051】つぎに、50mMのリン酸生理食塩水(p
H7.2)に4mg/mLの濃度で溶解したマウス抗C
EAモノクローナル抗体を、多孔性物質からなる多孔性
小片(図1の7)(ハイフローメンブランマイラーパッ
ク、ミリポア製、8×50mm)のリンパ節処理液適用
側から2.0cmの位置(検出部(図1の4)に相当す
る)に塗布し、風乾した。塗布領域の形は幅1mmのラ
イン状とした。上記で調製した標識試薬パッド、適用部
材(ベンリーゼ、旭化成社製;図1の6)、及び吸収部
材(アブソルベントペーパー、ゲルマンサイエンス社
製;図1の8)を図1に示すように、糊付きプラシート
の裏打ち材(リンテック製;図1の9)上で液体連通可
能なように重なりをもって貼り合わせ、ストリップを作
製し、本発明の検出装置とした。ここで、図1の7は担
体である多孔性物質からなる多孔性小片であり、図1の
5とは異なる多孔性小片にも該当する。図1の6は適用
部材であり、図1の8は吸収部材である。さらに、図2
に示すように、塩化ビニル製ケース1に作製したストリ
ップをおさめた。そして、表1に示すように、PEG、
BSAの濃度の異なる14種類の装置を作製した。
【0052】(2)CEAの測定 大腸癌患者の大腸癌病巣摘出手術に際して、大腸付近の
癌転移の認められるリンパ節組織片を生理食塩水2mL
に15分間浸漬し、組織中CEA を抽出した。被検物質を
含む前記抽出液(リンパ節処理液)0.2mLを、図2
に示される、ケースに設けられた開口(適用口;図2の
2)を通して装置の適用部材6に滴下した。10分後
に、ケースに設けられた開口(検出口;図2の3)を通
して、検出部にあらわれた標識を観察することにより、
被検物質の検出を行った。また、この抽出液の一部を市
販のCEA定量測定キット(CEAキット第一:第一ラ
ジオアイソトープ研究所製)で測定したところ、抽出液
中のCEA 濃度は100ng/mLであった。
【0053】結果を表1に示す。ポリエチレングリコー
ル濃度、またはBSAの濃度を変化させた場合、ポリエ
チレングリコール0〜3. 0重量%の範囲内では、10
0ng/mLCEAについて標識が検出でき(装置10
〜14)、1. 0重量%のとき最も強く安定した標識を
検出した(装置13)。また、BSAは0.3〜4.5
重量%の範囲において標識が検出できた。しかし、0重
量%では弱い標識が観察された。また、BSAに対して
ポリエチレングリコールが重量比で1:0.1〜1:1
0の範囲内では、100ng/mLCEAについて標識
が検出できた。そして、このリンパ節組織片中のCEA
が検出されたことにより、当該リンパ節に癌があること
が判定できた。
【0054】
【表1】
【0055】実施例2 (1)検出装置の作製 実施例1と同様にして標識化抗体ペレットを得た。得ら
れたペレットを、0〜10.0重量%濃度のポリビニル
ピロリドンK15(Mw=15, 000)、1.0重量
%濃度のBSAを含む緩衝液(表2参照)を用いて吸光
度(525nm)=1. 0になるように再懸濁した。表
2に示すように、PVP、BSAの濃度の異なる6種類
を作製した。得られた溶液(標識化抗体溶液)を40μ
Lずつマイクロタイタープレートに分注した。つぎに5
0mMのリン酸生理食塩水(pH7.2)に4mg/m
Lの濃度で溶解したマウス抗CEAモノクローナル抗体
を、実施例1と同様にして、多孔性物質からなる多孔性
小片(図1の7)(ハイフローメンブランマイラーパッ
ク、ミリポア製、8×50mm)に塗布し、風乾した。
【0056】(2)CEAの測定 次いで、実施例1と同様の抽出液(液中のCEA 濃度は1
00ng/mL)を0.2mLずつ、先の検出装置のマ
イクロタイタープレートのウエルに適用後、そのウエル
に多孔性小片の一端を浸して、10分後に検出部にあら
われた標識を観察することにより被検物質の検出を行っ
た。結果を表2に示す。ポリビニルピロリドン濃度を変
化させた場合、BSAに対してポリビニルピロリドンが
重量比で1:0.1〜1:10の範囲内では、100n
g/mLCEAについて検出部に標識が確認できた。そ
して、このリンパ節には癌があることが分かった。
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】本発明の検出装置及び検出方法は、癌胎
児性抗原(CEA)などのリンパ節中の被検物質を簡便
・迅速かつ高感度に検出することが可能であり、臨床検
査のみならず、大量の試料を検査する必要のある場合
や、その場で迅速に検査することが要求される術中検査
等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の装置の模式図であり、ケース
に収めていない状態の装置の図である。上段の図は側面
図であり、下段の図は平面図である。
【図2】図2は、本発明の装置の模式図である。上段の
図は平面図であり、下段の図は側面図である。
【符号の説明】
1 ケース 2 適用口 3 検出口 4 検出部 5 標識試薬パッド 6 適用部材 7 多孔性小片 8 吸収部材 9 裏打ち材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤木 第子 大阪市生野区巽西1丁目8番1号 ロート 製薬株式会社内 (72)発明者 山中 八郎 大阪市生野区巽西1丁目8番1号 ロート 製薬株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性物質を移動することが可能な標識
    を付した試薬(1)及び該多孔性物質の検出部に固定化
    された、被検物質に特異的な試薬(2)を含み、検出部
    にあらわれた標識によって被検物質を検出するイムノク
    ロマトグラフィー検出装置において、血清アルブミン及
    び直鎖状水溶性ポリマーを標識を付した試薬(1)と共
    存して配置することを特徴とするリンパ節中の被検物質
    を検出する装置。
  2. 【請求項2】 血清アルブミンと直鎖状水溶性ポリマー
    との重量比が1:0.1〜1:10である請求項1記載
    の装置。
  3. 【請求項3】 被検物質が癌胎児性抗原である請求項1
    又は請求項2記載の装置。
  4. 【請求項4】 多孔性物質を移動することが可能な標識
    を付した試薬(1)及び該多孔性物質の検出部に固定化
    された、被検物質に特異的な試薬(2)を含み、検出部
    にあらわれた標識によって被検物質を検出するイムノク
    ロマトグラフィー検出装置にリンパ節処理液を適用する
    工程、被検物質に、標識を付した試薬(1)、血清アル
    ブミン及び直鎖状水溶性ポリマーが同時に接触する工
    程、該被検物質が被検物質に特異的な試薬(2)と接触
    する工程、並びに検出部にあらわれる標識を観察する工
    程を含む、リンパ節中の被検物質を検出する方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のリンパ節中の被検物質を
    検出する方法を用いて、リンパ節中の癌胎児性抗原を検
    出することを特徴とする癌の診断方法。
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