JPH10175779A - 巻取リール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロール状に巻取った連続紙の取外しを容易に
行える巻取リールを提供する。 【解決手段】 一対の円板状のガイド板８，９にそれぞ
れ外周側嵌合軸１１と内周側嵌合軸１２とを設け、各ガ
イド板８，９の外周側嵌合軸１１と内周側嵌合軸１２と
を嵌合させてガイド板８，９の間に二本の巻取軸１３か
らなる巻芯部１０を形成する。巻芯部１０へ連続紙を巻
取った後、ガイド板８，９同士を離反する方向へ引っ張
ると、軸方向の長さ寸法が外周側嵌合軸１１よりも内周
側嵌合軸１２が短いため、僅かな引っ張り寸法でその嵌
合を解除できる。また、その嵌合を解除すると、連続紙
はいずれか一方のガイド板８，９の外周側嵌合軸１１と
内周側嵌合軸１２との周りに緩く巻取られた状態とな
り、しかも、内周側嵌合軸１２の先端側には空きスペー
スができるので、空きスペースに指を入れてロール状の
連続紙を把持して引っ張ることにより連続紙を容易に取
外せる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、印字済み
のジャーナル用紙や、ラベルが剥離された台紙等の連続
紙を巻取る巻取リールに関する。

【０００２】

【従来の技術】連続紙を巻取る巻取リールの一般的な構
成を図６ないし図８に基づいて説明する。この巻取リー
ルは、一対の円板状のガイド板１，２と、このガイド板
１，２の間に位置する巻芯部３とを有する。

【０００３】巻芯部３は、一方のガイド板１の片面にそ
の面から垂直に突出して固定された角筒状の嵌合軸４内
に、他方のガイド板２の片面にその面から垂直に突出し
て固定された角柱状の嵌合軸５を軸方向に係脱自在に嵌
合させることにより形成され、この嵌合により一対のガ
イド板１，２が連結される。さらに、前記ガイド板１に
は、前記嵌合軸４の両側にこの嵌合軸４との間に微少隙
間をもって突出した保持用突起６が固定されている。前
記ガイド板１の他方の片面側には、この巻取リールに対
してモータからの回転力を伝達するためのギヤ７が固定
されている。

【０００４】このような巻取リールにより連続紙を巻取
る場合には、連続紙の先端を保持用突起６と嵌合軸４と
の間の微少隙間に挿入して折り返すことにより連続紙の
先端を固定する。そして、巻取リールをモータからの駆
動力により回転させることにより、巻芯部３の周りに連
続紙がロール状に巻取られる。

【０００５】ロール状に巻取った連続紙を巻取リールか
ら取外す場合には、ガイド板１，２を離反する方向へ引
っ張り、図７に示すように嵌合軸４，５同士の嵌合を外
す。嵌合軸４，５同士の嵌合を外すと、連続紙は嵌合軸
４と保持用突起６との周りに巻取られた状態となり、こ
の連続紙を嵌合軸４の先端側へ引っ張ることにより取外
す。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】巻取リールから連続紙
を取外す場合、連続紙は嵌合軸４と保持用突起６との周
りに堅固に巻取られているので、取外しに手間がかか
り、容易でない。

【０００７】また、巻取リールに連続紙の先端を挿入し
て取付ける場合において、嵌合軸４と保持用突起６との
間が微少隙間であるため、この微少隙間への連続紙先端
の挿入には手間がかかっている。特に、連続紙の先端部
がよれている場合には、非常に困難である。

【０００８】そこで本発明は、ロール状に巻取った連続
紙の取外しを容易に行え、しかも、連続紙先端の巻取リ
ールへの挿入を容易に行える巻取リールを提供すること
を目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
一対の円板状のガイド板の間に巻芯部を有し、この巻芯
部を中心として回転駆動されることにより前記巻芯部の
周りに連続紙を巻取る巻取リールにおいて、前記一対の
ガイド板のそれぞれにその片面の略中央部にその面から
垂直に突出する外周側嵌合軸と内周側嵌合軸とを設け、
前記内周側嵌合軸の軸方向の長さ寸法を前記外周側嵌合
軸の軸方向の長さ寸法より短く形成し、一方の前記ガイ
ド板に設けられている前記外周側嵌合軸と他方の前記ガ
イド板に設けられている前記内周側嵌合軸とを軸方向に
係脱自在に嵌合させ、かつ、一方の前記ガイド板に設け
られている前記内周側嵌合軸と他方の前記ガイド板に設
けられている前記外周側嵌合軸とを軸方向に係脱自在に
嵌合させて二本の巻取軸とすることで一対の前記ガイド
板の間に前記巻芯部を形成した。

【００１０】従って、巻芯部に巻取られた連続紙は、二
本の外周側嵌合軸の外周面に強く圧接されているが、こ
の連続紙を巻取ロールから取外すためにガイド板同士を
離反する方向へ引っ張って内周側嵌合軸と外周側嵌合軸
との嵌合を解除するときに、内周側嵌合軸の軸方向の長
さ寸法が外周側嵌合軸の軸方向の長さ寸法より短いの
で、僅かな引っ張り寸法で外周側嵌合軸と内周側嵌合軸
との嵌合を解除することができ、この解除作業が容易に
なる。しかも、外周側嵌合軸と内周側嵌合軸との嵌合が
解除されると、２つのガイド板は互いの外周側嵌合軸同
士が近接する方向へ移動自在となるため、外周側嵌合軸
の外周面に作用していた連続紙の圧接力がなくなり、ガ
イド板同士を簡単に大きく離反させることができる。そ
して、ガイド板同士を大きく離反させたとき、ロール状
に巻取られた連続紙はいずれか一方のガイド板に設けら
れている外周側嵌合軸と内周側嵌合軸との周りに緩く巻
取られた状態となる。さらに、ガイド板同士を大きく離
反させたときに、内周側嵌合軸の軸方向の長さ寸法が外
周側嵌合軸の軸方向の長さ寸法より短いので、内周側嵌
合軸の先端側には空きスペースができ、この空きスペー
スに指を入れてロール状に巻取られた連続紙をその外周
側と内周側とから把持することができる。このため、巻
取ロールからの連続紙の取外しを容易に行える。

【００１１】なお、ガイド板に設けられた２本の嵌合軸
のうち、最外部が巻取ロールの回転中心から離れた回転
軌跡上を回転する部分を有する嵌合軸を外周側嵌合軸と
定義し、他方を内周側嵌合軸と定義する。

【００１２】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明の巻取リールにおいて、二本の巻取軸の間に連続紙の
先端を挿入する挿入部を形成し、この挿入部を連続紙の
挿入口に向けて拡開する形状に形成した。従って、連続
紙の先端を挿入部に挿入して取付ける作業を容易に行え
る。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図１ない
し図５に基づいて説明する。図２はジャーナル用紙とレ
シート用紙とに印字するレシート・ジャーナルプリンタ
で使用する、印字後のジャーナル用紙を巻取る巻取リー
ルの全体構造を示す斜視図である。この巻取リールは、
一対の円板状のガイド板８，９と、これらのガイド板
８，９の間に位置する巻芯部１０とを有している。

【００１４】前記ガイド板８，９の片方の面の略中央部
には、その面と垂直に突出する半円筒状の外周側嵌合軸
１１と半円柱状の内周側嵌合軸１２とが固定されてい
る。これらの外周側嵌合軸１１と内周側嵌合軸１２と
は、ガイド板８，９を対向させて連結したときに、内周
側嵌合軸１２が外周側嵌合軸１１内に嵌合される位置、
及び、外形寸法に形成されている。さらに、内周側嵌合
軸１２の軸方向の長さ寸法が外周側嵌合軸１１の軸方向
の長さ寸法より短く形成されている。そして、一方のガ
イド板８に固定された外周側嵌合軸１１と内周側嵌合軸
１２とを他方のガイド板９に固定された内周側嵌合軸１
２と外周側嵌合軸１１とに嵌合させることにより、二本
の巻取軸１３が互いに微少隙間を開けて形成され、これ
らの巻取軸１３により前記巻芯部１０が形成されてい
る。

【００１５】前記巻取軸１３の間には連続紙であるジャ
ーナル用紙１４の先端を挿入する挿入部１５が形成され
ている。この挿入部１５は、図４に示すように、ジャー
ナル用紙１４の挿入口に向けて拡開する形状に形成され
ている。

【００１６】前記ガイド板８の他方の面には、この巻取
リールに対してモータ（図示せず）からの回転力を伝達
するためのギヤ１６が固定されている。

【００１７】ここで、ガイド板８，９に固定された２本
の嵌合軸のうち、最外部が巻取ロールの回転中心から離
れた回転軌跡上を回転する部分を有する嵌合軸が外周側
嵌合軸１１であり、他方が内周側嵌合軸１２である。

【００１８】このような構成において、まず、ジャーナ
ル用紙１４の先端を巻取リールの巻芯部１０へ挿入して
取付けるときの作業手順を図４に基づいて説明する。外
周側嵌合軸１１と内周側嵌合軸１２とを嵌合させて形成
した二本の巻取軸１３の間の挿入部１５へ、図４（ａ）
に示すようにジャーナル用紙１４の先端部を挿入する。
そして、図４（ｂ）に示すように、その先端部を折り返
すことにより巻芯部１０へ挿入して取り付ける。ここ
で、挿入部１５は、ジャーナル用紙１４の挿入口に向け
て拡開する形状に形成されているため、この挿入部１５
へジャーナル用紙１４の先端を挿入する作業を容易に行
える。しかも、ジャーナル用紙１４の先端部がよれてい
る場合でも、そのジャーナル用紙１４の先端を挿入部１
５へ容易に挿入することができる。従って、ジャーナル
用紙１４の先端部を巻取リールの巻芯部１０へ挿入して
取付ける作業を迅速に行える。

【００１９】ジャーナル用紙１４の先端部を巻取リール
の巻芯部１０に挿入して取付けた後、この巻取リールを
レシート・ジャーナルプリンタにおける巻取リール保持
部（図示せず）で保持し、モータからの駆動力をギヤ１
６を介して伝達することにより巻取リールを回転させ
る。巻取リールの回転により、印字後のジャーナル用紙
１４が巻芯部１０に巻取られる。

【００２０】つぎに、巻芯部１０に巻取られたジャーナ
ル用紙１４を巻取リールから取外す場合を図５に基づい
て説明する。巻取リールを巻取リール保持部から取外
し、ガイド板８，９同士を離反する方向へ引っ張ること
により外周側嵌合軸１１と内周側嵌合軸１２との嵌合を
解除する。ここで、ガイド板８，９同士を離反する方向
へ引っ張って外周側嵌合軸１１と内周側嵌合軸１２との
嵌合を解除するときには、図５（ａ）に示すように、ジ
ャーナル用紙１４が二本の外周側嵌合軸１１の外周面に
強く圧接されているので、その作業には大きな労力を必
要とする。しかし、内周側嵌合軸１２の軸方向の長さ寸
法が外周側嵌合軸１１の軸方向の長さ寸法より短いの
で、僅かな引っ張り寸法で外周側嵌合軸１１と内周側嵌
合軸１２との嵌合を解除することができ、外周側嵌合軸
１１と内周側嵌合軸１２との嵌合を解除する作業が容易
になる。

【００２１】しかも、外周側嵌合軸１１と内周側嵌合軸
１２との嵌合が解除されると、２つのガイド板８，９は
外周側嵌合軸１１同士が近接する方向へ移動自在となる
ため、外周側嵌合軸１１の外周面に作用していたジャー
ナル用紙１４の圧接力がなくなり、ガイド板８，９同士
を簡単に大きく離反させることができる。

【００２２】外周側嵌合軸１１と内周側嵌合軸１２との
嵌合を解除してガイド板８，９を大きく離反させると、
ジャーナル用紙１４は図５（ｂ）に示すように、いずれ
か一方のガイド板８，９に固定されている外周側嵌合軸
１１と内周側嵌合軸１２との周りに緩く巻取られた状態
となる。さらに、内周側嵌合軸１２の軸方向の長さ寸法
が外周側嵌合軸１１の軸方向の長さ寸法より短いので、
ガイド板８，９を大きく離反させたときに、内周側嵌合
軸１２の先端側には図１，図５（ｂ）に示すように空き
スペース“Ａ”ができ、この空きスペース“Ａ”に指を
入れてジャーナル用紙１４をその外周側と内周側とから
把持することができる。従って、巻取リールからのジャ
ーナル用紙１４の取外しを容易に行える。

【００２３】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、外周側嵌
合軸と内周側嵌合軸とを嵌合させて形成した二本の巻取
軸からなる巻芯部の周りにロール状に巻取られている連
続紙を取外すためにガイド板同士を離反する方向へ引っ
張ったときに、内周側嵌合軸の軸方向の長さ寸法が外周
側嵌合軸の軸方向の長さ寸法より短いので、僅かな引っ
張り寸法で外周側嵌合軸と内周側嵌合軸との嵌合を解除
することができ、この解除作業を容易に行うことができ
る。そして、外周側嵌合軸と内周側嵌合軸との嵌合が解
除されると、２つのガイド板は外周側嵌合軸同士が近接
する方向へ移動自在となるため、外周側嵌合軸の外周面
に作用していた連続紙の圧接力がなくなり、ガイド板同
士を簡単に大きく離反させることができる。ガイド板同
士を大きく離反させると、連続紙はいずれか一方のガイ
ド板に設けられている外周側嵌合軸と内周側嵌合軸との
周りに緩く巻取られた状態となる。しかも、内周側嵌合
軸の軸方向の長さ寸法が外周側嵌合軸の軸方向の長さ寸
法より短いので、ガイド板同士を大きく離反させたとき
に、内周側嵌合軸の先端側には空きスペースができ、こ
の空きスペースに指を入れてロール状に巻取られた連続
紙をその外周側と内周側とから把持することができる。
従って、巻取ロールからの連続紙の取外しを容易に行う
ことができる。

【００２４】請求項２記載の発明によれば、巻取軸の間
に連続紙の先端を挿入する挿入部を形成し、この挿入部
を連続紙の挿入口に向けて拡開する形状に形成したの
で、連続紙の先端を挿入部に挿入して巻芯部に取付ける
作業を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態の巻取リールを一方のガ
イド板側と他方のガイド板側とに分離した状態を示す正
面図である。

【図２】巻取リールを示す斜視図である。

【図３】一方のガイド板を示す側面図である。

【図４】ジャーナル用紙の先端を巻芯部へ挿入して取付
けるときの作業手順を説明する側面図である。

【図５】ジャーナル用紙を巻取リールから取外すときの
作業手順を説明する側面図で、（ａ）は二つのガイド板
が連結されていてジャーナル用紙が二本の外周側嵌合軸
の外周面に強く圧接されている状態、（ｂ）は二つのガ
イド板を大きく離反させることによりジャーナル用紙が
一方のガイド板に固定された外周側嵌合軸と内周側嵌合
軸との周りに緩く巻取られた状態である。

【図６】従来例の巻取リールを示す斜視図である。

【図７】巻取リールを一方のガイド板側と他方のガイド
板側とに分離した状態を示す正面図である。

【図８】筒状の嵌合軸と保持用突起とが固定されたガイ
ド板を示す側面図である。

【符号の説明】

８，９ ガイド板 １０ 巻芯部 １１ 外周側嵌合軸 １２ 内周側嵌合軸 １３ 巻取軸 １４ 連続紙 １５ 挿入部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対の円板状のガイド板の間に巻芯部を
   有し、この巻芯部を中心として回転駆動されることによ
   り前記巻芯部の周りに連続紙を巻取る巻取リールにおい
   て、前記一対のガイド板のそれぞれにその片面の略中央
   部にその面から垂直に突出する外周側嵌合軸と内周側嵌
   合軸とを設け、前記内周側嵌合軸の軸方向の長さ寸法を
   前記外周側嵌合軸の軸方向の長さ寸法より短く形成し、
   一方の前記ガイド板に設けられている前記外周側嵌合軸
   と他方の前記ガイド板に設けられている前記内周側嵌合
   軸とを軸方向に係脱自在に嵌合させ、かつ、一方の前記
   ガイド板に設けられている前記内周側嵌合軸と他方の前
   記ガイド板に設けられている前記外周側嵌合軸とを軸方
   向に係脱自在に嵌合させて二本の巻取軸とすることで一
   対の前記ガイド板の間に前記巻芯部を形成したことを特
   徴とする巻取リール。
2. 【請求項２】 二本の巻取軸の間に連続紙の先端を挿入
   する挿入部を形成し、この挿入部を連続紙の挿入口に向
   けて拡開する形状に形成したことを特徴とする請求項１
   記載の巻取リール。