JPH1017561A - アリルアルコール類およびその製造方法 - Google Patents

アリルアルコール類およびその製造方法

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JPH1017561A
JPH1017561A JP8164851A JP16485196A JPH1017561A JP H1017561 A JPH1017561 A JP H1017561A JP 8164851 A JP8164851 A JP 8164851A JP 16485196 A JP16485196 A JP 16485196A JP H1017561 A JPH1017561 A JP H1017561A
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JP8164851A
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Yasushi Matsumura
靖 松村
Takashi Nakano
貴志 中野
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】プロスタグランジン類の中間体として有用なア
リルアルコール類とその製法、そのアリルアルコール類
製造の中間体であるα,β−不飽和ケトン類とその製法
の提供。 【解決手段】α,β−不飽和ケトン類(2)の選択的還
元、特に(RO)AlR を還元剤として使用する
選択的還元、によるアリルアルコール類(1)の製法、
および、アルデヒド類(4)とホスホナート類(5)の
反応によるα,β−不飽和ケトン類(2)の製法。 〔式中、RはCH,CまたはCF;R
CH,Cまたはn−C;Rは水素原子
または水酸基の保護基;RはC〜C20アリール
基;RはC〜Cアルキル基;nは0,1または
2;を表す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロスタグランジ
ン類の中間体として重要なアリルアルコール類とその製
造方法、およびそのアリルアルコール類の製造に有用な
新規な中間体やその中間体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロスタグランジン類は医薬としてきわ
めて重要な物質であり、天然型および種々の非天然型プ
ロスタグランジン類の応用や開発、およびその製造法の
開発研究が進められている。プロスタグランジン類の一
種である天然型プロスタサイクリン類は生体内において
強力な生理活性、例えば、血小板凝集抑制活性、血管拡
張活性、細胞保護作用などを有するが、きわめて不安定
なため医薬品としては応用範囲が限定されている。そこ
で天然型と同様の生理活性を有し化学的に安定なプロス
タサイクリン誘導体の開発が内外で鋭意検討されてい
る。
【0003】本発明者らは高い生理活性を有し化学的に
安定なジフルオロプロスタサイクリン類を見いだした
(特開平7−330752)。特に、プロスタグランジ
ン類の側鎖に三重結合と分岐アルキル鎖を含有し、分岐
アルキル基を有する不斉炭素がS型の絶対配置である、
下記一般式(6)で表されるジフルオロプロスタサイク
リン類が医薬品としてきわめて優れた薬理活性や物性を
有することを見いだしている(ただし、R7 、R8 は低
級アルキル基、R9 は水素原子、低級アルキル基または
陽イオン、nは0、1または2)。
【0004】
【化6】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、後述の
一般式(1)で表されるアリルアルコール類が上記ジフ
ルオロプロスタグランジン類の重要な中間体になりうる
と考えたが、これらはプロスタグランジン類の側鎖に対
応する部分に三重結合と分岐アルキル基を含有し、分岐
アルキル基を有する不斉炭素がS型の絶対配置であると
いう構造上の特徴を有する新規化合物であり、一般式
(1)で表されるアリルアルコール類を立体選択的に製
造する方法は全く知られていなかった。本発明における
一般式(1)で表される化合物に最も類似した化合物と
しては、[W.Skuballaら、Tetrahedron Lett.,29,4285
(1988) ]に記載の化合物(下記一般式(7)で表す)
が知られている。
【0006】
【化7】
【0007】しかし、この公知の化合物は側鎖の分岐メ
チル基を有する不斉炭素がS型の絶対配置を有するジア
ステレオマーとR型の絶対配置を有するジアステレオマ
ーの混合物であり、分岐アルキル鎖を有する不斉炭素が
S型の絶対配置である本発明の化合物とは異なる。
【0008】一般に、プロスタグランジン類の製造方法
としてコーリー法が知られている。下記一般式(8)で
表されるいわゆるコーリーラクトンに、プロスタグラン
ジン類の側鎖(ω鎖)を導入した下記一般式(9)で表
されるラクトン類(R11はアルキル基等)はプロスタグ
ランジン類の重要な中間体として知られている[E.J.Co
rey ら,J.Am.Chem.Soc.93,1491(1971),J.Am.Chem.Soc.,
94,8616(1972) ]。
【0009】
【化8】
【0010】通常この一般式(9)で表されるラクトン
類は、コーリーラクトンの水酸基を酸化して得られる下
記一般式(10)で表されるアルデヒドと、下記一般式
(11)で表されるホスホナート類との Wittig-Horner
反応により、下記一般式(12)で表されるα,β−不
飽和ケトン類を合成したのち、これを還元して生じる目
的物とその立体異性体を分離精製して製造する。
【0011】
【化9】
【0012】この立体異性体の分離は通常クロマトグラ
フィなど精密な分離精製操作を必要とし、経済性、実用
性などの点で製造上大きな問題となることから、これら
の問題を軽減するために一般式(12)で表されるα,
β−不飽和ケトン類の立体選択的還元方法が種々検討さ
れてきた。これらは通常、選択的還元剤を用いて行われ
る。選択的還元剤としては、例えば、[E.J.Corey ら、
J.Am.Chem.Soc.,93,1491(1971),J.Am.Chem.Soc.,94,861
6(1972) ]に記載の種々のリチウムトリアルキルボロヒ
ドリド反応剤、[野依ら、J.Am.Soc.Chem.,101,5843(19
79) ]に記載のビナフトールで修飾されたリチウムアル
ミニウムヒドリド反応剤、特に”(S)−BINAL−
H”((S)−水素化1,1’−ビナフチル−2,2’
−ジデオキシエトキシアルミニウムリチウム)、[E.J.
Corey ら、J.Am.Chem.Soc.,109,7925(1987) ]に記載の
プロリンから誘導されたオキサボロリジンとボラン−テ
トラヒドロフランの組み合わせなどが知られている。
【0013】これらの選択的還元剤を用いる立体選択的
還元法はそれぞれ優れた方法であり、一般式(12)で
表される天然型プロスタグランジン類の中間体(R11
n−ペンチルであるもの)を還元する場合には最適条件
下でそれぞれ82:18、100:0、90:10の立
体選択性で一般式(9)で表されるアリルアルコール
(R11がn−ペンチルであるもの)を合成できることが
知られている。
【0014】しかし、選択的還元剤の原料が高価である
こと、−100℃下などの厳しい反応条件や取り扱いに
くい反応剤が必要であるといった問題点を有する。その
うえ、生成物の立体選択性は反応の基質に依存してお
り、基質であるα,β−不飽和ケトン類の置換基、特に
ケトンのα位の置換基の立体化学や水酸基の保護基に大
きく影響されるため、非天然型のプロスタグランジン側
鎖を有する誘導体の合成に広く適用できるとはいえず、
本発明の一般式(1)で表されるアリルアルコール類の
ように側鎖に三重結合と分岐アルキル基を含有し、分岐
アルキル基を有する不斉炭素がS型の絶対配置である化
合物の製造に使用できるかどうかは、全く知られていな
かった。
【0015】山本らの方法、すなわち、[Bull.Chem.So
c.Jpn.,54,3033 (1981) ]に記載の方法は、経済性の点
で優れた方法であり、天然型プロスタグランジン類の中
間体(R11はn−ペンチルを表す)を還元する場合には
92:8の立体選択性で一般式(9)で表されるアリル
アルコール(R11はn−ペンチルを表す)を合成できる
ことが知られている。しかし、やはり生成物の立体選択
性は反応の基質に依存しており、基質であるα,β−不
飽和ケトン類の置換基、特に水酸基の保護基やケトンの
α位の置換基の立体化学に大きく影響されるため、本発
明の一般式(1)で表されるアリルアルコール類のよう
な化合物の製造に使用できるかどうかは全く知られてい
なかった。
【0016】そこでこれらの問題点を解決し一般式
(1)で表されるアリルアルコール類を効率よく製造す
る実用的な方法が望まれていた。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは下記一般式
(1)で表されるアリルアルコール類を効率的に製造す
る実用的な方法を見出した。本発明は、下記一般式
(1)で表されるアリルアルコール類とその製造方法、
および、そのアリルアルコール類の製造に有用な新規な
中間体やその製造方法に関する下記発明である。
【0018】下記一般式(1)で表されるアリルアルコ
ール類。下記一般式(2)で表されるα,β−不飽和ケ
トン類を選択的還元剤を用いて立体選択的に還元し、下
記一般式(1)で表されるアリルアルコール類を製造す
る方法。下記一般式(2)で表されるα,β−不飽和ケ
トン類。下記一般式(4)で表されるアルデヒド類を下
記一般式(5)で表されるホスホナート類と反応させる
ことを特徴とする下記一般式(2)で表されるα,β−
不飽和ケトン類の製造方法。
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】ただし、上記式(1)、(2)、(4)、
(5)において、R1 はメチル基、エチル基、またはト
リフルオロメチル基、R2 はメチル基、エチル基、また
はn−プロピル基、R3 は水素原子または水酸基の保護
基、R6 は低級アルキル基、nは0、1または2、を表
す。
【0022】
【発明の実施の形態】本明細書の以下の説明において、
有機基が「低級」とは炭素原子1〜6個を意味する。よ
り好ましい低級の有機基は炭素数1〜4の有機基であ
る。「アルキル基」は直鎖状または分岐状のいずれでも
よく、特に言及しない限り低級アルキル基が好ましい。
その適当な例としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブ
チル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基
等が挙げられる。
【0023】「アリール基」とは1価の芳香族炭化水素
基をいい、置換基(例えば、低級アルキル基、ハロゲン
原子、低級アルコキシ基、低級アルキルアミノ基など)
を有していてもよく、好ましくはフェニル基やその誘導
体であり、例えば、フェニル基、トリル基、2,4,6
−トリメチルフェニル基、2,6−ジ(t−ブチル)−
4−メチルフェニル基、2、6−ジ(t−ブチル)フェ
ニル基、2,4,6−トリ(t−ブチル)フェニル基、
p−ハロフェニル基(例えばp−クロロフェニル基、p
−ブロモフェニル基など)、アルコキシフェニル基(例
えば、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基など)
などが挙げられる。
【0024】また、「アルコキシ基」としては、低級ア
ルコキシ基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜4
の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシ基であり、その適
当な例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基などが挙げられる。
【0025】「アルコキシアルキル基」としては、その
アルコキシ基部分が低級アルコキシ基である低級アルキ
ル基が好ましく、その適当な例としては、2−メトキシ
エチル基、3−メトキシプロピル基、2−エトキシエチ
ル基などが挙げられる。
【0026】「アルアルキル基」とはアリール基置換ア
ルキル基をいい、置換基としてのアリール基としては上
記のものが挙げられ、またアルキル基の炭素数は1〜4
が好ましい。その適当な例としては、ベンジル基、ベン
ズヒドリル基、トリチル基、フェネチル基などが挙げら
れる。さらに、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子を意味する。
【0027】「保護基」とは、水酸基などの反応性のあ
る官能基を一時的に保護するための基であり、例えば水
酸基の保護基としては、トリオルガノシリル基、アシル
基、環状エーテル基、アルキル基、アルコキシアルキル
基、アルアルキル基などがある。
【0028】一般式(1)で表されるアリルアルコール
類(以下、アリルアルコール類(1)という)を用いて
最終的に得られるプロスタグランジン類の生理的活性の
面から、前記一般式(1)、(2)、および(4)で表
される化合物におけるR1 はメチル基、エチル基、また
はトリフルオロメチル基であり、R2 はメチル基、エチ
ル基、またはn−プロピル基である。最終的に得られる
プロスタグランジン類の生理的活性が特に優れているこ
とより、R1 としてはメチル基が特に好ましく、R2
してはエチル基が特に好ましい。また、本発明のアリル
アルコール類(1)は実質的に純粋の一般式(1)で示
した立体構造を有する化合物であり、ジアステレオマー
混合物など混合物中の成分を意味するものではない。
【0029】前記一般式(1)、(2)、および(4)
で表される化合物におけるR3 は水素原子または水酸基
の保護基である。R3 は一般式(1)、(2)、および
(4)で表される化合物毎に異なっていてもよく、また
保護基である場合はそれら化合物毎に異なる保護基であ
ってもよい。前記製造方法における反応の前後で通常は
3 は変化しないが、その反応とともに脱保護が起こる
など反応の前後でR3が変化してもよい。R3 として通
常は上記の水酸基の保護基を用いて反応を行うことが好
ましいが、後記一般式(3)で表される選択的還元剤を
用いて還元反応を行う場合には立体選択性の点で、R3
は水素原子であることが特に好ましい。
【0030】水酸基の保護基としては、公知ないしは周
知の保護基が採用できる。例えば、トリオルガノシリル
基、アシル基、環状エーテル基、置換基を有していても
よいアルキル基やアルアルキル基が用いられる。トリオ
ルガノシリル基は、アルキル基、アリール基、アルアル
キル基、アルコキシ基などの有機基がケイ素原子に3個
結合した基であり、特に低級アルキル基またはアリール
基から選ばれる少なくとも1種の基を3個有するトリオ
ルガノシリル基が好ましい。具体的には例えば、t−ブ
チルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル
基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ
イソプロピルシリル基などが好ましい。
【0031】アシル基としては、アセチル基、ベンゾイ
ル基やp−フェニルベンゾイル基が好ましい。環状エー
テル基としてはテトラヒドロピラニル基やテトラヒドロ
フラニル基が好ましい。また、置換基を有していてもよ
いアルキル基やアルアルキル基としては、メトキシメチ
ル基、1−エトキシエチル基、2−メトキシエトキシメ
チル基などのアルコキシアルキル基、およびベンジル
基、メトキシベンジル基、トリチル基などが用いられ
る。
【0032】上記のような水酸基の保護基は、常法によ
り脱保護され水素原子へと変換できる。例えば、「新実
験化学講座14 有機化合物の合成と反応(I)、(I
I)、(V)」(丸善)、「プロテクティブ グループ
ス イン オーガニック シンセシス」(T.W.Greene
著、J.Wiley & Sons)等の成書に記載の方法により、容
易に脱保護できる。
【0033】一般式(2)で表されるα,β−不飽和ケ
トン類(以下、α,β−不飽和ケトン類(2)という)
を選択的還元剤を用いて立体選択的に還元してアリルア
ルコール類(1)を製造する方法において用いられる選
択的還元剤としては、種々の公知の選択的還元剤を使用
できる。これらは前述の文献に記載のものや、「新実験
化学講座15 酸化と還元(II)」(丸善)、「第4版
実験化学講座26 有機合成VIII」(丸善)、「Ho
uben-Weyl 、メソッド オブ オーガニックケミストリ
ー E21d巻 ステレオセレクティブ シンセシス」(G.
Helmchen ら編、Thieme Stuttgart)などの成書に記載
の選択的還元剤を使用でき、これらは水素化触媒を用い
た水素化、ヒドロシリル化反応剤、ヒドリド還元剤など
を包含する。
【0034】具体的には、ロジウム、ルテニウム、白金
などの水素化触媒やヒドロシリル化触媒、アルミニウ
ム、ホウ素、スズ、ケイ素などの金属の水素化物、水素
化アルミニウム錯化合物や水素化ホウ素錯化合物などの
金属水素錯化合物、アルミニウム、マグネシウム、亜
鉛、カリウム、ホウ素などの金属を有する金属アルコキ
シドや金属アルキル化物などがあり、またそれらとルイ
ス酸などの組み合わせを使用できる。また、上記金属水
素錯化合物の配位子として、光学活性なアミン、アルコ
ール、ホスフィンなどの光学活性な配位子を用いてもよ
い。
【0035】具体的には、例えば、ジイソブチルアルミ
ニウムヒドリド、ジボラン、ジシアミルボラン、テキシ
ルボラン、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、ト
リブチルスズヒドリド、トリエチルシラン、トリクロロ
シラン、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリアル
コキシアルミニウムリチウム、水素化ビス(2−メトキ
シエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化ホウ素ナ
トリウム、トリメトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素
化ホウ素亜鉛、水素化トリ−s−ブチルホウ素リチウム
(”L−セレクトライド”)、水素化トリ−s−ブチル
カリウム(”K−セレクトライド”)、水素化トリシア
ミルホウ素リチウム(”KS−セレクトライド”)、水
素化トリエチルホウ素リチウム(”スーパーヒドリ
ド”)、(R)または(S)−リチウム B−イソピノ
カンフェニル−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノニル
ヒドリド((R)または(S)−”アルピンヒドリ
ド”)、ジアルキルアルミニウムアルコキシド、(R)
または(S)−B−イソピノカンフェニル−9−ボラビ
シクロ[3.3.1]ノナン((R)または(S)−”
アルピンボラン”)、ジイソピノカンフェニルクロロボ
ランなどが挙げられる。
【0036】選択的還元剤として特に好ましい化合物
は、下記一般式(3)で表される化合物であるジアルキ
ルアルミニウム反応剤である。ただし、一般式(3)に
おいて、R4 は置換または非置換の炭素数6〜20のア
リール基を表し、R5 は置換または非置換の炭素数2〜
6のアルキル基を表す。
【0037】
【化12】
【0038】R4 としては、好ましくはフェニル基やそ
の誘導体であり、例えば、フェニル基、トリル基、2,
4,6−トリメチルフェニル基、2,6−ジ(t−ブチ
ル)−4−メチルフェニル基、2,6−ジ(t−ブチ
ル)フェニル基、2,4,6−トリ(t−ブチル)フェ
ニル基、2−(t−ブチル)−6−(1,1−ジエチル
プロピル)−4−メチルフェニル基、2,6−ジフェニ
ルフェニル基、4−クロロ−2,6−ジ(t−ブチル)
フェニル基、4−ブロモ−2,6−ジ(t−ブチル)フ
ェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル
基などが用いられる。特に好ましくは、2,6−ジ(t
−ブチル)−4−メチルフェニル基、2,6−ジ(t−
ブチル)フェニル基、2,4,6−トリ(t−ブチル)
フェニル基が用いられる。
【0039】R5 としては、置換基としてハロゲン原
子、アルコキシ基などを有するアルキル基であってもよ
い。しかし、好ましくは非置換の炭素数2〜6のアルキ
ル基が用いられ、特にイソブチル基、イソプロピル基、
s−ブチル基が好ましい。最も好ましくはイソブチル基
が用いられる。
【0040】上記ジアルキルアルミニウム反応剤は、前
述の山本らの文献[Bull.Chem.Soc.Jpn.,54,3033(198
1)]により公知の化合物である。ジアルキルアルミニウ
ム反応剤として最も好ましい化合物は、一般式(3)に
おいてR4 が2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフ
ェニル基であり、R5 がイソブチル基である化合物、す
なわち、ジイソブチルアルミニウム 2,6−ジ(t−
ブチル)−4−メチルフェノキシドである。
【0041】選択的還元剤(特に一般式(3)で表され
る選択的還元剤)の使用量は、一般式(2)で表される
α,β−不飽和ケトン類に対して、通常0.01〜50
倍当量であり、5〜20倍当量が好ましい。反応温度は
−150〜+100℃程度が好ましく、特に−80〜0
℃がよい。上記の選択的還元反応は、通常の場合、溶媒
の存在下に実施できる。反応溶媒としては、炭化水素系
溶媒、エーテル系溶媒、またはこれらの混合溶媒が通常
用いられる。炭化水素系溶媒としてはトルエン、ヘキサ
ン、ベンゼン、ペンタン、キシレン、石油エーテルなど
が、エーテル系溶媒としてはジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタ
ン、ジグライム、t−ブチルメチルエーテルなどが用い
られ、特にトルエンが好ましい。
【0042】一般式(3)で表される選択的還元剤を用
いて還元反応を行う場合には、還元反応の立体選択性を
考慮すると、R3 は水素原子であることが特に好まし
い。この場合、生成するアリルアルコール類としては、
望ましいS型の立体配置を有するものが非常に高い立体
選択性で得られ、そのR型の異性体の生成はわずかであ
る。R3 が水酸基の保護基である一般式(2)で表され
るα,β−不飽和ケトン類を、R3 が水素原子である一
般式(2)で表されるα,β−不飽和ケトン類に変換す
るには、公知の方法で脱保護すればよい。
【0043】例えば、「新実験化学講座14 有機化合
物の合成と反応(I)、(II)、(V)」(丸善)、
「プロテクティブ グループス イン オーガニック
シンセシス」(T.W.Greene著、J.Wiley & Sons)等の成
書に記載の方法により、容易に脱保護できる。例えば、
3 がテトラヒドロピラニル基である場合、通常、p−
トルエンスルホン酸、ピリジニウム p−トルエンスル
ホナート、塩酸、酢酸、ホウ酸、イオン交換樹脂などの
酸性条件を用いて脱保護できる。
【0044】α,β−不飽和ケトン類(2)を合成する
には、一般に、コーリー法として知られている公知のプ
ロスタグランジン類の製造方法を適用できる。すなわ
ち、公知の化合物である一般式(4)で表されるアルデ
ヒド類を一般式(5)で表されるホスホナート類との W
ittig-Horner反応により、α,β−不飽和ケトン類
(2)を合成できる。このホスホナート類におけるR6
としては低級アルキル基が用いられ、好ましくは、メチ
ル基、エチル基などの炭素数4以下のアルキル基が用い
られる。
【0045】一般式(4)で表されるアルデヒド類を一
般式(5)で表されるホスホナート類と反応させα,β
−不飽和ケトン類(2)に変換する方法として、Wittig
-Horner 反応を用いて反応する際には、一般式(4)で
表されるアルデヒド類のR3は水素原子であってもよい
が、通常、反応の収率の点から水酸基の保護基であるこ
とが望ましい。一般式(5)で表されるホスホナート類
は、[W.Skuballaら、J.Med.Chem.,29,315(1986)、M.Ha
rre ら、Liebigs Ann.Chem.,1081(1989)]などの文献に
より公知の化合物である。
【0046】Wittig-Horner 反応は、通常塩基の存在下
に溶媒中で行われる。反応温度は用いる塩基や溶媒の種
類によって異なるが、通常−50〜+50℃程度が好ま
しく、特に0〜30℃がよい。
【0047】塩基としては、広く一般の塩基が用いら
れ、例えば、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属アミ
ド類、アルカリ金属アルコキシド類、アルカリ金属やア
ルカリ土類金属の炭酸塩や水酸化物、アルカリ金属やア
ルカリ土類金属のハロゲン化物、有機アルカリ金属化合
物、3級アミンや芳香族アミンなどのアミン類、および
これらの組み合わせが用いられる。好ましくは、水素化
ナトリウム、炭酸カリウム、塩化リチウムまたは臭化リ
チウムとジイソプロピルアミン、トリエチルアミンまた
は1, 8−ジアザビシクロ[5. 4. 0]ウンデカ−7
−エンとの組み合わせ、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシドなどが用いられる。
【0048】溶媒としては、炭化水素系溶媒、エーテル
系溶媒、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、極性溶媒
またはこれらの混合溶媒が用いられる。炭化水素系溶媒
としてはトルエン、ヘキサン、ベンゼン、ペンタン、キ
シレン、石油エーテルなどが、エーテル系溶媒としては
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン、ジメトキシエタン、ジグライム、t−ブチルメ
チルエーテルなどが用いられる。ハロゲン系溶媒として
は、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2
−ジクロロエタン、クロロベンゼンなどが、アルコール
系溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノール、t−ブタノールなどが用いら
れる。極性溶媒としてはジメチルスルホキシド、ヘキサ
メチルホスホルアミド(HMPA)、1,3−ジメチル
−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミ
ジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン(DMI)、N,N,N’,N’−テトラメチ
ルエチレンジアミン(TMEDA)などが用いられる。
特にベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、塩化メチ
レンなどが好ましい。
【0049】本発明の一般式(1)、(2)で表される
化合物は、側鎖(ω鎖)に三重結合を有し、光学活性な
分岐アルキル基またはトリフルオロメチル基を有する光
学活性な化合物であり、新規な化合物である。これら
は、様々なプロスタグランジン類、特にジフルオロプロ
スタサイクリン類へ誘導可能な重要中間体である。例え
ば、特開平8−143560、特開平7−32408
1、特開平7−330752などに記載の方法により種
々のα鎖を導入したジフルオロプロスタサイクリン類へ
と変換できる。
【0050】本発明の化合物の出発原料である化合物
は、入手容易な化合物である。本発明の製造方法は、い
ずれも厳しい反応条件や、長時間の反応を必要とせず、
かつ、特別な反応試薬や反応装置も必要としない優れた
方法である。したがって、本発明の製造方法は、経済
性、生産性に有用性が高く、実製造における大量合成に
も適用可能なきわめて優れた方法である。
【0051】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されない。
【0052】[例1] (1S,5R,6R,7R)−6−[(1E,4S)−
4−メチル−3−オキソ−1−ノネン−6−イニル]−
2−オキサ−7−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2
−イル)オキシ]ビシクロ[3.3.0]オクタン−3
−オンの合成。
【0053】水素化ナトリウム(鉱油中60重量%分
散、54.8mg)を無水ジメトキシエタン7mlに懸
濁し、氷冷下、[(3S)−3−メチル−2−オキソ−
5−オクチニル]ホスホン酸ジメチル337mgの無水
ジメトキシエタン(2ml)溶液を滴下し、0℃で40
分間撹拌した。この溶液に、(1S,5R,6R,7
R)−6−ホルミル−2−オキサ−7−[(テトラヒド
ロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]ビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−オン290mgの無水ジメトキ
シエタン(4ml)溶液を室温で加えた。30分間撹拌
した後、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注
ぎ、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮し、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=10:
1〜5:1〜3:1)で精製し、標題化合物291mg
を得た。
【0054】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.98(t,J=7.4Hz,
3H),1.07(d,J=6.8Hz,3H),1.4-1.7(m,6H),2.0-2.9(m,11
H),3.38(m,1H),3.70(m,1H),3.96(m,1H),4.10(m,1H),4.5
5(m,1H),4.92(m,1H),6.16(d,J=15.6Hz,1H),6.64(dd,J=
7.6,15.6Hz,1H).
【0055】[例2] (1S,5R,6R,7R)−6−[(1E,4S)−
4−メチル−3−オキソ−1−ノネン−6−イニル]−
2−オキサ−7−ベンゾイルオキシ]ビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−オンの合成。
【0056】水素化ナトリウム(鉱油中60重量%分
散、1.6g)、[(3S)−3−メチル−2−オキソ
−5−オクチニル]ホスホン酸ジメチル10g、(1
S,5R,6R,7R)−6−ホルミル−2−オキサ−
7−ベンゾイルオキシビシクロ[3.3.0]オクタン
−3−オン9.96gを用い、例1と同様に反応させて
標題化合物14.5gを得た。
【0057】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :1.07(t,J=7.4Hz,
3H),1.17(d,J=6.8Hz,3H),2.0-2.9(m,11H),5.12(m,1H),
5.34(m,1H),6.34(d,J=15.6Hz,1H),6.73(dd,J=7.8,15.6H
z,1H),7.45(m,2H),7.56(m,1H),7.98(m,2H).
【0058】[例3] (1S,5R,6R,7R)−7−ヒドロキシ−6−
[(1E,4S)−4−メチル−3−オキソ−1−ノネ
ン−6−イニル]−2−オキサ−ビシクロ[3.3.
0]オクタン−3−オンの合成。
【0059】例1で得た(1S,5R,6R,7R)−
6−[(1E,4S)−4−メチル−3−オキソ−1−
ノネン−6−イニル]−2−オキサ−7−[(テトラヒ
ドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]ビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オン291mgをメタノ
ール3mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸水和物1
4.8mgを室温で加え2時間撹拌した。反応液を飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出
し、乾燥、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
(ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜2:1〜1:2)
で精製し、標題化合物0.14gを得た。
【0060】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :1.03(t,J=7.5Hz,
3H),1.12(d,J=6.8Hz,3H),2.0-2.9(m,11H),3.25(br s,1
H),4.08(m,1H),4.99(m,1H),6.26(d,J=15.6Hz,1H),6.64
(dd,J=8.3,15.6Hz,1H).
【0061】[例4] (1S,5R,6R,7R)−7−ヒドロキシ−6−
[(1E,3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メチル
−1−ノネン−6−イニル]−2−オキサビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オンの合成。
【0062】2,6−ジ(t−ブチル)−p−クレゾー
ル1.29gの無水トルエン(6ml)溶液に氷冷下、
ジイソブチルアルミニウムヒドリド(1Mヘキサン溶
液、2.93ml)を加え1時間撹拌した。これを−7
8℃に冷却し、(1S,5R,6R,7R)−7−ヒド
ロキシ−6−[(1E,4S)−4−メチル−3−オキ
ソ−1−ノネン−6−イニル]−2−オキサビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オン85mgの無水トル
エン(1ml)溶液を加えた。−78℃で2時間、−4
0℃で1時間、−20℃で30分間撹拌したのち、1N
塩酸、水、酢酸エチルを加え、酢酸エチルで抽出した。
【0063】抽出液を乾燥、濃縮し、シリカゲルカラム
クロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜
1:1〜1:5)で精製し、標題化合物54mg、低極
性の異性体((1S,5R,6R,7R)−7−ヒドロ
キシ−6−[(1E,3R,4S)−3−ヒドロキシ−
4−メチル−1−ノネン−6−イニル]−2−オキサビ
シクロ[3.3.0]オクタン−3−オン)1.5mg
を得た。目的物と異性体の生成比は約97:3であっ
た。
【0064】標題化合物:1 H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.89(d,J=6.8Hz,3H),1.09(t,J
=7.4Hz,3H),1.7-2.7(m,11H),3.20(br s,1H),3.8-3.9(m,
2H),4.86(ddd,J=3.1,6.8,7.1Hz,1H),5.43(dd,J=8.4,15.
1Hz,1H),5.56(dd,J=7.6,15.1Hz,1H).
【0065】異性体:1 H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.96(d,J=6.8Hz,3H),1.12(t,J
=7.3Hz,3H),1.7-2.7(m,11H),4.01(m,1H),4.22(m,1H),4.
92(ddd,J=2.9,6.8,7.1Hz,1H),5.5(dd,J= 7.9,15.4Hz,1
H),5.65(dd,J=5.4,15.4Hz,1H).
【0066】[例5] (1S,5R,6R,7R)−7−ベンゾイルオキシ−
6−[(1E,3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メ
チル−1−ノネン−6−イニル]−2−オキサビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オンの合成。
【0067】(1S,5R,6R,7R)−7−ベンゾ
イルオキシ−6−[(1E,4S)−4−メチル−3−
オキソ−1−ノネン−6−イニル]−2−オキサビシク
ロ[3.3.0]オクタン−3−オン2.36gをメタ
ノール100mlに溶解し、−78℃に冷却した。三塩
化セリウム7水和物2.67gのメタノール(20m
l)溶液と、水素化ホウ素ナトリウム113mgのメタ
ノール(20ml)溶液を滴下し、徐々に−50℃まで
昇温しながら撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液に注ぎ、水を加え、酢酸エチルで抽出し、乾
燥、濃縮した。目的物と異性体の生成比は約1:1であ
った。
【0068】シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキ
サン:酢酸エチル=2:1〜1:1〜酢酸エチル)で精
製し、標題化合物0.39g、異性体((1S,5R,
6R,7R)−7−ベンジロキシ−6−[(1E,3
R,4S)−3−ヒドロキシ−4−メチル−1−ノネン
−6−イニル]−2−オキサビシクロ[3.3.0]オ
クタン−3−オン)0.30g、および両者の混合物
1.33gを得た。
【0069】標題化合物:1 H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.92(d,J=6.8Hz,3H),1.11(t,J
=7.3Hz,3H),1.7-2.9(m,11H),4.04(m,1H),5.07(t,J=5.6H
z,1H),5.26(m,1H),5.65(m,2H),7.44(m,2H),7.57(m,1H),
7.99(m,2H).
【0070】異性体:1 H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.92(d,J=6.3Hz,3H),1.10(t,J
=7.6Hz,3H),1.7-2.9(m,11H),4.18(m,1H),5.06(m,1H),5.
24(m,1H),5.64(m,2H),7.44(m,2H),7.56(m,1H),7.99(m,2
H).
【0071】[例6] (1S,5R,6R,7R)−7−ベンゾイルオキシ−
6−[(1E,3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メ
チル−1−ノネン−6−イニル]−2−オキサビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オンの合成。
【0072】2,6−ジ(t−ブチル)−p−クレゾー
ル1.12g、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(1
Mヘキサン溶液、2.54ml)、(1S,5R,6
R,7R)−7−ベンゾイルオキシ−6−[(1E,4
S)−4−メチル−3−オキソ−1−ノネン−6−イニ
ル]−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3
−オン100mgを用い、標題化合物と異性体((1
S,5R,6R,7R)−7−ベンジロキシ−6−
[(1E,3R,4S)−3−ヒドロキシ−4−メチル
−1−ノネン−6−イニル]−2−オキサビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オン)の混合物47mg
を得た。目的物と異性体の生成比は約4:6であった。
この混合物を例4、5と同様にシリカゲルカラムクロマ
トグラフィで精製し、標題目的物を得た。
【0073】[例7] (1S,5R,6R,7R)−7−ベンゾイルオキシ−
6−[(1E,3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メ
チル−1−ノネン−6−イニル]−2−オキサビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オンの合成。
【0074】”L−セレクトライド”を用い、(1S,
5R,6R,7R)−7−ベンゾイルオキシ−6−
[(1E,4S)−4−メチル−3−オキソ−1−ノネ
ン−6−イニル]−2−オキサビシクロ[3.3.0]
オクタン−3−オンを−78℃から−40℃で還元し
た。標題化合物と異性体((1S,5R,6R,7R)
−7−ベンジロキシ−6−[(1E,3R,4S)−3
−ヒドロキシ−4−メチル−1−ノネン−6−イニル]
−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オ
ン)の混合物を得た。目的物と異性体の生成比は約3:
7であった。この混合物を例4、5と同様にシリカゲル
カラムクロマトグラフィで精製し、標題目的物を得た。
【0075】[例8] (1S,5R,6R,7R)−7−ベンゾイルオキシ−
6−[(1E,3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メ
チル−1−ノネン−6−イニル]−2−オキサビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オンの合成。
【0076】”S−BINAL−H”を用い、(1S,
5R,6R,7R)−7−ベンゾイルオキシ−6−
[(1E,4S)−4−メチル−3−オキソ−1−ノネ
ン−6−イニル]−2−オキサビシクロ[3.3.0]
オクタン−3−オンを−100℃から−78℃で還元し
た。
【0077】標題化合物と異性体((1S,5R,6
R,7R)−7−ベンジロキシ−6−[(1E,3R,
4S)−3−ヒドロキシ−4−メチル−1−ノネン−6
−イニル]−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−オン)の混合物を得た。目的物と異性体の生成
比は約4:6であった。この混合物を例4、5と同様に
シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、標題目的
物を得た。
【0078】
【発明の効果】側鎖(ω鎖)に三重結合を有し、光学活
性な分岐アルキル基等を有するプロスタグランジン類を
効率よく合成できるアリルアルコール類(1)を提供す
るとともに、いずれも厳しい反応条件や長時間の反応を
必要せず、かつ、特別な反応試薬や反応装置を必要とし
ない優れたアリルアルコール類(1)の製造方法を提供
する。さらに、原料となる化合物も、入手容易な化合物
であることより、本発明の製造方法は、経済性、生産性
の点で有用性が高く、実製造における大量製造にも適用
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07M 7:00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表されるアリルアルコ
    ール類。 【化1】 (ただし、R1 はメチル基、エチル基、またはトリフル
    オロメチル基、R2 はメチル基、エチル基、またはn−
    プロピル基、R3 は水素原子または水酸基の保護基、n
    は0、1または2、を表す。)
  2. 【請求項2】R1 がメチル基、R2 がエチル基、R3
    水素原子または水酸基の保護基を表し、nが1である、
    請求項1のアリルアルコール類。
  3. 【請求項3】下記一般式(2)で表されるα,β−不飽
    和ケトン類を選択的還元剤を用いて立体選択的に還元
    し、下記一般式(1)で表されるアリルアルコール類を
    製造する方法。 【化2】 (ただし、R1 はメチル基、エチル基、またはトリフル
    オロメチル基、R2 はメチル基、エチル基、またはn−
    プロピル基、R3 は水素原子または水酸基の保護基、n
    は0、1または2、を表す。)
  4. 【請求項4】選択的還元剤が下記一般式(3)で表され
    る反応剤である、請求項3の製造方法。 【化3】 (ただし、R4 は、置換または非置換の炭素数6〜20
    のアリール基、R5 は、置換または非置換の炭素数2〜
    6のアルキル基、を表す。)
  5. 【請求項5】R3 が水素原子である請求項3または4の
    製造方法。
  6. 【請求項6】一般式(1)および(2)で表される化合
    物において、R1 がメチル基、R2がエチル基、R3
    水素原子を表し、nが1である、請求項3、4または5
    の製造方法。
  7. 【請求項7】下記一般式(2)で表されるα,β−不飽
    和ケトン類。 【化4】 (ただし、R1 はメチル基、エチル基、またはトリフル
    オロメチル基、R2 はメチル基、エチル基、またはn−
    プロピル基、R3 は水素原子または水酸基の保護基、n
    は0、1または2、を表す。)
  8. 【請求項8】R1 がメチル基、R2 がエチル基、R3
    水素原子または水酸基の保護基を表し、nが1である、
    請求項7のα,β−不飽和ケトン類。
  9. 【請求項9】下記一般式(4)で表されるアルデヒド類
    を下記一般式(5)で表されるホスホナート類と反応さ
    せることを特徴とする下記一般式(2)で表されるα,
    β−不飽和ケトン類の製造方法。 【化5】 (ただし、R1 はメチル基、エチル基、またはトリフル
    オロメチル基、R2 はメチル基、エチル基、またはn−
    プロピル基、R3 は水素原子または水酸基の保護基、R
    6 は低級アルキル基、nは0、1または2、を表す。)
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