JPH10173392A - 電磁波遮蔽用シート - Google Patents

電磁波遮蔽用シート

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JPH10173392A
JPH10173392A JP32868296A JP32868296A JPH10173392A JP H10173392 A JPH10173392 A JP H10173392A JP 32868296 A JP32868296 A JP 32868296A JP 32868296 A JP32868296 A JP 32868296A JP H10173392 A JPH10173392 A JP H10173392A
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sheet
metal powder
layer
buried
shielding sheet
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JP32868296A
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Akihiko Saito
章彦 齋藤
Michiharu Ota
道治 太田
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波や磁気を遮蔽するシートに関し、優
れた遮蔽特性と遮蔽に伴う内部の金属粉の発熱等を容易
に放熱する電磁波遮蔽用シートを提供する。 【解決手段】 合成ゴム等の絶縁材からなり柔軟性を有
するシート本体2と、この本体2の両側の表面に沿って
略面方向にその長径が埋設される扁平形状を有する軟磁
性の金属粉6からなる層4,4と、これらの層4に隣接
して球状及び/又は粒状の金属粉9を本体2内に略均一
に分散して埋設した層8を有する電磁波遮蔽用シート
1。係る構造により、優れた遮蔽特性と高い放熱特性を
比較的少ない金属粉6,9の埋設量で得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波や磁気を遮蔽
するために用いられる電磁波遮蔽用シートに関し、特に
遮蔽特性と放熱特性の双方とも優れたものに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報化の進展に伴い情報ネットワ
ークを形成するデジタル回線が急速に普及している。ま
た、製造業ではコンピュータ制御化により、各種の制御
機器、測定装置、センサ等がシステム化されて数多く用
いられている。ところが、導電ケーブルやモータ等から
コンピュータ等の周囲に漏洩したり、或いは違法無線等
による各種波長の電波は、ノイズとなってコンピュータ
等の誤動作、通信の障害を招くと共に、人体への影響も
問題視されている。一方、電源用ケーブルやモータ等か
ら磁気が周囲に漏洩し、コンピュータ等の誤動作や機器
の停止等を招くことも問題視されている。これらの電波
や磁気(以下、電磁波と称する)の漏洩を防ぐため、或い
はその影響を阻止するために、ケーブル等に巻き付ける
ようにした種々の遮蔽用シートが提案されている。
【0003】例えば、図6(A)に部分断面を示す遮蔽用
シート70は、柔軟な合成ゴム等からなるシート本体7
2内に、球状や粒状の軟磁性体からなる金属粉74を略
均一に分散して埋設したものである。また、図6(B)に
示す遮蔽用シート80は、柔軟な合成ゴム等からなるシ
ート本体82内に、扁平形状を有し軟磁性体からなる金
属粉84をその長径をシート本体82の面方向に略沿う
ように略均一に分散して埋設したものである。この遮蔽
用シート80は、上記遮蔽用シート70に比べて、扁平
な金属粉84により、反磁界の影響を低減できるため、
優れた遮蔽効果を得ることができる。更に、図6(C)に
示す遮蔽用シート90は、柔軟な合成ゴム等からなるシ
ート本体92内の両側の表面に沿って、扁平形状を有し
軟磁性体からなる金属粉94をその長径をシート本体9
2の面方向に略沿うように埋設したものである。この遮
蔽用シート90は、上記遮蔽用シート80に比べ、遮蔽
効果はやや劣るが、金属粉94の使用量を低減し、且つ
シート90全体の軽量化も図ったものである。
【0004】ところで、これらの遮蔽用シート70〜9
0の使用対象となるケーブル、配線、基板、部品、又は
機器等の被遮蔽物には多量の発熱を伴うものも多い。係
る被遮蔽物を遮蔽用シート70等で覆うことによりその
放熱が妨げられ、被遮蔽物の定格を下げて使用せざるを
得ないという問題点がある。また、前記遮蔽用シート7
0〜90の金属粉74,84,94もこれらを通る磁界
により渦電流が発生するため発熱する。これらの発熱
は、各金属粉74,84,94同士間を伝達して、外部に
放熱される。係る放熱特性については、前記粒状の金属
粉74を略均一に分散して埋設した遮蔽用シート70が
最も優れており、逆にシート本体92の中間位置に金属
粉94が埋設されていない遮蔽用シート90が最も低く
なる。係る発熱は、更にシート本体72,82,92を劣
化させると共に、ケーブル等への巻き付けやシールドル
ーム内への貼り付け状態もヒビ割れや剥離によって、弱
体化するという問題点も有している。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明は、以上に説明した従
来の技術が抱える問題点を解決し、優れた遮蔽特性と放
熱特性とを併有する電磁波遮蔽用シートを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、遮蔽特性に優れた扁平形状の金属粉の層
と、伝熱特性に優れた球・粒状の金属粉の層をシート本
体内において、各々の特性が得られるよう互いに隣接さ
せて設ける着想により成されたものである。即ち、本発
明の電磁波遮蔽用シートは、絶縁材からなり柔軟性を有
するシート本体と、このシート本体内の一部においてそ
の面方向に略沿ってその長径が埋設される扁平形状を有
し軟磁性の金属粉の層と、上記シート本体内において上
記扁平形状の金属粉の層に隣接して埋設される球状及び
/又は粒状の金属粉の層を有することを特徴とする。
尚、面方向とはシートの厚さ方向と直角の方向を指す。
【0007】係る構成によれば、電磁波の遮蔽は主とし
て扁平形状の金属粉の層にて行われ、また、主にこれら
の扁平形状の金属粉で生じた発熱や被遮蔽対象物からの
発熱は、隣接する球状や粒状の金属粉の層を通って外部
に放熱される。尚、上記軟磁性の金属粉には、鉄、ニッ
ケル、又はコバルト、或いはこれらの何れかをベースと
する合金、例えば珪素鋼や、上記の組合せからなる合
金、例えばパーマロイ、センダスト、更にフェライト系
酸化物も含むものとする。また、球状及び/又は粒状の
金属粉は、熱伝導率の高い金属や合金であれば、特に限
定されないが、前記軟磁性の金属を用いることにより、
一層遮蔽特性を高めることができる。
【0008】本発明は、前記扁平形状の金属粉の層が、
前記シート本体内の少なくとも一方の表面に沿って埋設
され、且つこの扁平形状の金属粉の層に隣接して球状及
び/又は粒状の金属粉の層をシート本体内に埋設した電
磁波遮蔽用シートも含む。更に、前記扁平形状の金属粉
の層が、前記シート本体内における厚さ方向の略中間位
置に埋設され、この扁平形状の金属粉の層に隣接し且つ
少なくとも一方のシート本体の表面との間に球状及び/
又は粒状の金属粉の層を埋設した電磁波遮蔽用シートも
含まれる。これらの構成によれば、扁平形状の金属粉の
層と球状及び/又は粒状の金属粉の層をシート本体の断
面全体、又は、放熱すべき表面に沿って埋設されるの
で、遮蔽と放熱の両特性を確実に得ることができる。
【0009】また、前記電磁波遮蔽用シート内に埋設さ
れる扁平形状の金属粉の平均長径が100μm以下、平
均短径が50μm以下で、且つ平均厚さが10μm以下
であるものも含まれる。これにより、反磁界の影響が少
なく優れた遮蔽特性を得ることができる。また、前記球
・粒状の金属粉もその平均粒径が100μm以下のもの
を用いると遮蔽用シートの柔軟性を保ち、且つその製造
上からも望ましい。尚、扁平形状の金属粉は、シート全
体の容積率で少なくとも20%以上、重量で40%を層
状に埋設することで、遮蔽特性を得ることができる。
【0010】更に、前記シート本体を構成する絶縁材
が、ゴム又は樹脂、或いはこれらに強化材料を混入した
複合材の何れかである電磁波遮蔽用シートも含まれる。
上記ゴムには、クロロロプレン等の合成ゴム又は天然ゴ
ムが、上記樹脂には熱伝導率の高い高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリアミド、セルローズアセテー
ト、フェノールフラール、又はポリエチルベンテン(T.
P.X.)等が、上記強化材料には熱伝達性に優れたタル
ク、雲母、ガラス繊維、金属繊維、又はアスベストの何
れかが用いられる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施に好適な形態
を図面と共に説明する。図1(A)は、本発明の電磁波遮
蔽用シート1の部分断面図を示す。この遮蔽用シート1
は、クロロプレンゴムからなり柔軟性を有するシート本
体2と、この本体2内の両側の各表面に沿って扁平形状
の軟磁性の金属粉6を、その長径が本体2の面方向に略
沿うように埋設した多数の金属粉6からなる層4,4
と、これらの層4の間において本体2の断面内に略均一
に分散して埋設された球状や粒状の金属粉9からなる層
8を有する。
【0012】上記扁平形状の軟磁性の金属粉6は、互い
に本体2の面方向に略沿って埋設されて層4を形成し、
遮蔽特性を得るようにしている。この金属粉6は、例え
ばPCパーマロイ−1(80%Ni−Fe)合金を、アトマイズ
法により平均粒径100μm以下の粉末とし、更に、こ
の粉末を所謂アトライタと称されるボールミル中に投入
して扁平に押し潰し、平均長径が100μm以下、平均
短径が50μm以下で、且つ平均厚さが10μm以下、
例えば1μmの扁平な略短冊状のものである。また、上
記球・粒状の金属粉9も同じ合金をアトマイズ法にて平
均粒径100μm以下とした粉末を用いた。
【0013】係る遮蔽用シート1は、本体2の両表面に
金属粉6の層4を有するため、何れの表面から電磁波が
侵入しようとしても、その表面側に位置する層4により
遮蔽される。また、この遮蔽時の渦電流による金属粉6
の発熱や被遮蔽対象物からの発熱は、同じ表面側か又は
内部の金属粉9の層8を介して反対側の層4にも熱伝達
され、その表面側からも放熱される。尚、金属粉9も僅
かに発熱するが、同様に熱伝達して何れかの表面側にて
放熱するので、シート本体2内には熱がこもることは少
ない。
【0014】図1(B)は、異なる形態の電磁波遮蔽用シ
ート10の部分断面図を示す。遮蔽用シート10は、前
記と同様のシート本体11内の一方の表面に沿って扁平
形状の軟磁性の金属粉14を、その長径が本体11の面
方向に略沿うように埋設した多数の金属粉14からなる
層12と、残りの本体11の断面全体に略均一に分散し
て埋設された球状や粒状の金属粉18からなる層16を
有する。これらの金属粉14,18も前記と同じ合金で
あり、且つ同様の寸法を有する。上記金属粉14からな
る層12は、電磁波が外部から侵入するか、又は外部へ
の漏洩を遮蔽すべき表面側に設けられる。そして、層1
2の遮蔽によって金属粉14等が発熱しても、その表面
側か、又は層16内の金属粉18を伝達して反対側の表
面から放熱されるので、シート本体12内に熱がこもり
にくくなる。
【0015】図1(C)は、更に異なる形態の電磁波遮蔽
用シート20の部分断面図を示す。遮蔽用シート20
は、前記と同様のシート本体21内の一方の表面に沿っ
て扁平形状の軟磁性の金属粉24を、その長径が本体2
1の面方向に略沿うように埋設した多数の金属粉24か
らなる層22と、この層22に隣接しシート本体21の
厚さ方向の中間位置まで略均一に分散して埋設された球
状や粒状の金属粉28からなる層26を有する。金属粉
24,28も前記と同じ合金であり、同様の寸法を有す
る。上記金属粉24からなる層22も、電磁波が外部か
ら侵入するか、又は外部への漏洩を遮蔽すべき表面側に
設けられる。そして、層22の遮蔽によって金属粉24
等が発熱すると、これらに間近な表面側に放熱する一
方、内部の層26の各金属粉28を経由し離隔した位置
から同じ表面側に放熱することが可能である。
【0016】図2(A)は、別の形態の電磁波遮蔽用シー
ト30の部分断面図を示す。遮蔽用シート30は、前記
と同様のシート本体31内における厚さ方向の略中央の
位置に扁平形状の軟磁性の金属粉34を、その長径が本
体31の面方向に略沿うように埋設した多数の金属粉3
4からなる層32と、この層32と本体31の一方の表
面との間に略均一に分散して埋設された球状や粒状の金
属粉38からなる層36を有する。このシート30は、
層32による遮蔽特性では両表面とも差は少ない。上記
の金属粉34,38も前記と同様の合金と寸法をであ
る。そして、上記層32の遮蔽によって中央部の金属粉
34等が発熱しても、これに隣接する層36内の金属粉
38を介して層36の表面側から放熱されるので、シー
ト本体32内に熱がこもりにくくなる。
【0017】図2(B)は、更に別の形態の電磁波遮蔽用
シート40の部分断面図を示す。遮蔽用シート40は、
前記と同様のシート本体41内における厚さ方向の略中
央の位置に扁平形状の軟磁性の金属粉44を、その長径
が本体41の面方向に略沿うように埋設した多数の金属
粉44からなる層42と、この層42と本体41の両方
の表面との間に略均一に分散して埋設された球状や粒状
の金属粉48からなる層46,46を有する。このシー
ト40は、厚さ方向に対称の断面構造を有し、層42と
層46による遮蔽特性も両表面とも差はない。上記の金
属粉44,48も前記と同様の合金と寸法である。そし
て、上記層42の遮蔽により中央部の金属粉44等が発
熱しても、この両側に隣接する各層46内の金属粉48
を介して両方の表面側からも放熱されるので、シート本
体42内に熱がこもりにくい。尚、各形態における球状
や粒状の金属粉9,18,28,38,48も軟磁性のた
め、電磁波の遮蔽効果を有している。また、これらのシ
ート10〜40の厚さは少なくとも約0.2mm以上であ
る。
【0018】次に、前記遮蔽用シート1の製造方法を図
3によって概括する。図3(A)は、流動性を有するクロ
ロプレンゴム2aに球状や粒状の金属粉9を混練して、
粉末混合絶縁体2bを得る工程を示す。この粉末混合絶
縁体2bは、図3(B)に示すように、互いに周面が近接
して対向する一対の平ロール50間に、略垂直に挿入す
ると共に、その両側方から扁平形状の金属粉6を吹き付
け等にて粉末混合絶縁体2bの表面に添加する。上記ロ
ール50間で押圧された粉末混合絶縁体2bは、図3
(C)のように、両側の表面に沿って金属粉6の層4を、
且つその間に金属粉9の層8を有する平坦な遮蔽用シー
ト1となる。
【0019】前記遮蔽用シート10を得るには、上記図
3(B)に示す工程において扁平形状の金属粉6を一方の
みから吹き付ければ良い。また、前記遮蔽用シート20
を得るには、上記遮蔽用シート10の層16側の表面
に、更に前記クロロプレンゴム2aを添接し、一対の平
ロール50間を通して押圧することによって得られる。
更に、前記遮蔽用シート30を得るには、上記遮蔽用シ
ート10の層12側の表面に更に前記クロロプレンゴム
2aを添接し、一対の平ロール50間を通すことによっ
て得ることができる。また、前記遮蔽用シート40を得
るには、上記遮蔽用シート10の層12側の表面に更に
前記粉末混合絶縁体2bを添接し、一対の平ロール50
間を通すことによって得ることができる。尚、各遮蔽用
シート1〜40は、上記圧延方式による他、粉末混合絶
縁体2b及び扁平形状の金属粉6、或いはクロロプレン
ゴム2aを上述した順序に添接・積層して、プレス等に
より押圧することによっても製造することが可能であ
る。
【0020】次に、上記遮蔽用シート1(発明例)と従来
の前記遮蔽用シート70(比較例1)及び同シート90
(比較例2)の遮蔽特性と放熱特性を比較する。遮蔽用シ
ート1は、PCパーマロイ-1合金からなる前記形状の
金属粉6,9を埋設(容積率約60%)し、遮蔽用シート
70及び90もPCパーマロイ−1合金からなり、上記
金属粉6,9と同形状の金属粉74,94を各々本体7
2,92内に埋設(容積率でシート70は約60%、シ
ート90は約20%)した。そして、図4に示すよう
に、直径3mmの2本の銅線60を互いに中心間の間隔を
10mm置いて平行に配線し、これらの周囲に厚さ1mmの
遮蔽用シート1,70,90を直に一巻きした楕円筒体6
2にして覆い、この楕円筒体62の外側にガウスメータ
を装着した。上記の銅線60に0.1V,100A,及び
50Hzの交流電流を流し、その周囲に1G(ガウス)の磁
界を印加して、各楕円筒体62の外側における磁界の減
衰率を測定した。
【0021】また、同時に各楕円筒体62の内・外表面
に温度計を各々接触させ、上記交流電流を100分間流
した後の内・外表面間における温度差を測定した。それ
らの結果を図5のグラフに示す。このグラフから球・粒
状の金属粉74を断面全体に均一に埋設した比較例1
は、約45%の低い減衰率と約35℃の低い温度差を示
した。また、扁平形状の金属粉94をシート本体92の
表面側にのみ埋設した比較例2は、約50%の高い減衰
率と約70℃の高い温度差を示した。これらに対し、発
明例では、約60%の高い減衰率と約40℃の低い温度
差を示した。以上の結果から、発明例は、比較例1に比
べ約60%と高い減衰率となり、且つ、比較例2に比べ
その内部に更に球・粒状の金属粉9を埋設することで温
度差を約40℃と低くすることができたものである。
【0022】これらから、金属粉の埋設量が増えると減
衰率が向上し且つ内外の温度差が低減し、逆に埋設量が
減ると減衰率が減少し且つ内外の温度差が高くなり、減
衰率と内外の温度差は略反比例の関係となるものと思わ
れる。このうちで発明例のものは、比較的少ない金属粉
の埋設量で比較例1より高い減衰率と少ない温度差を得
ることができた。これは、前記遮蔽用シート1の遮蔽特
性に優れた扁平形状の金属粉6の層4と、伝熱特性に優
れた球・粒状の金属粉9の層8を組み合わせた断面構造
に起因するものと思われる。このことは、他の形態の遮
蔽用シート10〜40についても同様に共通する。尚、
各シート1,70,90を前記円筒体62とした場合の電
界の減衰率も同様になるものと推定される。
【0023】本発明の電磁波遮蔽用シートは、以上の各
形態に限定されるものではない。シート本体を構成する
絶縁体には、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、エチレンイソプレンゴム、ブタジエンアクリロニト
リゴム、イソブチレンイソプレンゴム、スチレンブタジ
エンゴム等の合成ゴムや、フェノール系、エポキシ系、
ポリエステル系、アクリル系、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリアミド等の内で柔軟性を有する樹脂を用い
ることができる。また、樹脂の内では比較的高い熱伝導
性の高密度ポリエチレン、同ポリプロピレン、同ポリア
ミド等を用いることが望ましい。更に、上記ゴムや樹脂
中にガラス繊維や金属繊維、雲母、タルク、アスベスト
等を混入して強化した複合材を用いると放熱性も向上す
る。
【0024】また、軟磁性の金属粉には、PCパーマロ
イ合金(78%Ni−Fe)、PBパーマロイ合金(45%Ni−F
e)、PDパーマロイ合金(36%Ni−Fe)、12%Mn-9.6%Cu
-6%Fe−Ni等のパーマロイ合金系や、42%Ni−Feや52%
Ni−Fe等のNi−Fe系合金、コバール(29%Ni−17%Co−F
e)、10〜18%Cr−Feの所謂電磁ステンレス鋼、3〜10%
Cr-3〜10%Si−Fe、9〜22%Ni−16〜26%Cr−Fe、Fe−
Cr−Al系合金、Fe−Cr−Al−Si系合金、パーメンジュー
ル合金(Fe−Co−X、但しXはV,Al,Si,Crの何れか)等、が
遮蔽すべき電磁波に応じて用いられる。これらの場合、
シート本体内の埋設する位置によって、金属粉の材質を
変えたり、或いは、同じ層中に複数の材質の金属粉を併
用することもできる。尚、主に熱伝導性を担う球・粒状
の金属粉には、軟磁性体以外の高い熱伝導率を有する銅
やアルミニウム、或いはこれらをベースとする種々の合
金を用いることもできる。
【0025】更に、遮蔽用シートの用途も各種のケーブ
ルの周囲に巻き付ける他、高電圧の機器やトランス等を
内蔵する機器の周囲又は内部に貼り付けたり、各種情報
媒体の収納部の周りを覆って、外部から侵入する電磁波
から防護することもできる。また、IC用の配線基板同
士の間に介在させて基板間のクロストークを防ぐことに
も使用できる。或いは、精密な加工や測定を行う装置や
コンピュータ等を収容した室内の床面上に敷設し、且つ
壁面や天井面に貼り付けることで、シールドルームを容
易に形成することができる。
【0026】上記において、遮蔽用シートを貼り付ける
場合、シート本体の一方の表面の一部又は全部に接着剤
を塗布するか、予め所謂両面テープをセットしておくこ
とが望ましい。尚、接着剤の塗布を容易にするため、予
めシート本体の一方の表面に紙を接着しておくと良い。
また、室内の床面上に敷設する場合には、予め上面とな
るシート本体の表面側に多数の凹凸条又は、突起群を形
成しておくと、ノンスリップ機能も付与することができ
る。更に、遮蔽用シートを薄くして折り曲げと接着によ
り、袋形状や扁平な箱形体に成形し、FD等の記録媒体
の輸送用や保管用手段として用いることもできる。
【0027】
【発明の効果】以上において説明した本発明の電磁波遮
蔽用シートは、比較的少ない金属粉を用い、且つ形状の
異なる金属粉からなる複数の層をシート本体内に埋設し
たので、優れた遮蔽特性と高い放熱特性を併有すること
ができる。また、遮蔽用シート自体の柔軟性も損なわ
ず、軽量化を図ることもできる。更に、電磁波遮蔽用シ
ートを長期に渉って使用してもヒビ割れ等の劣化やこれ
に伴う剥離が生じにくく、優れた耐久性をも有するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)乃至(C)は共に本発明の遮蔽用シートの各
形態を示す部分断面図である。
【図2】(A)、(B)共に本発明の遮蔽用シートの別の各
形態を示す部分断面図である。
【図3】(A)、(B)共に本発明の遮蔽用シートの製造工
程を示す概略図、(C)は(B)中の一点鎖線で囲った部分
Cの拡大断面図である。
【図4】銅線の周囲に本発明の遮蔽用シートを楕円筒形
状にして覆った状態を示す断面図である。
【図5】本発明と従来の遮蔽用シートの磁界の減衰率と
シート内外間の温度差を示すグラフである。
【図6】(A)乃至(C)は共に従来の遮蔽用シートの各形
態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1,10,20,30,40………遮蔽用シート 2,11,21,31,41………シート本体 4,12,22,32,42………扁平形状の金属粉の層 6,14,24,34,44………扁平形状の金属粉 8,16,26,36,46………球・粒状の金属粉の層 9,18,28,38,48………球・粒状の金属粉

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁材からなり柔軟性を有するシート本体
    と、このシート本体内の一部においてその面方向に略沿
    ってその長径が埋設される扁平形状を有し軟磁性の金属
    粉の層と、上記シート本体内において上記扁平形状の金
    属粉の層に隣接して埋設される球状及び/又は粒状の金
    属粉の層を有することを特徴とする電磁波遮蔽用シー
    ト。
  2. 【請求項2】前記扁平形状の金属粉の層が、前記シート
    本体内の少なくとも一方の表面に沿って埋設され、且つ
    この扁平形状の金属粉の層に隣接して球状及び/又は粒
    状の金属粉の層をシート本体内に埋設したことを特徴と
    する請求項1に記載の電磁波遮蔽用シート。
  3. 【請求項3】前記扁平形状の金属粉の層が、前記シート
    本体内における厚さ方向の略中間位置に埋設され、この
    扁平形状の金属粉の層に隣接し且つ少なくとも一方のシ
    ート本体の表面との間に球状及び/又は粒状の金属粉の
    層を埋設したことを特徴とする請求項1に記載の電磁波
    遮蔽用シート。
  4. 【請求項4】前記扁平形状の金属粉の平均長径が100
    μm以下、平均短径が50μm以下で、且つ平均厚さが
    10μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3の
    何れかに記載の電磁波遮蔽用シート。
  5. 【請求項5】前記シート本体を構成する絶縁材が、ゴム
    又は樹脂、或いはこれらに強化材料を混入した複合材の
    何れかであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか
    に記載の電磁波遮蔽用シート。
  6. 【請求項6】前記ゴムが合成ゴム又は天然ゴムであり、
    前記樹脂が高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
    アミド、セルローズアセテート、フェノールフラール、
    又はポリメチルベンテンの何れかであり、前記強化材料
    がタルク、雲母、ガラス繊維、金属繊維、又はアスベス
    トの少なくとも何れかであることを特徴とする請求項5
    に記載の電磁波遮蔽用シート。
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