JPH1017333A - ソリトン伝送用光ファイバの製造方法およびソリトン伝送用光ファイバ - Google Patents

ソリトン伝送用光ファイバの製造方法およびソリトン伝送用光ファイバ

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JPH1017333A
JPH1017333A JP8172653A JP17265396A JPH1017333A JP H1017333 A JPH1017333 A JP H1017333A JP 8172653 A JP8172653 A JP 8172653A JP 17265396 A JP17265396 A JP 17265396A JP H1017333 A JPH1017333 A JP H1017333A
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JP
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optical fiber
glass
dispersion
wavelength
core
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JP8172653A
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Ryozo Yamauchi
良三 山内
Akira Wada
朗 和田
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Publication date
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    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
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    • C03B37/025Manufacture of glass fibres or filaments by drawing or extruding, e.g. direct drawing of molten glass from nozzles; Cooling fins therefor from reheated softened tubes, rods, fibres or filaments, e.g. drawing fibres from preforms
    • C03B37/0253Controlling or regulating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2205/00Fibre drawing or extruding details
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 零分散波長を光源波長よりも短波長側にシフ
トさせた石英系光ファイバであって、光ファイバの長さ
方向における波長分散の均一性が良好で、ソリトン伝送
に好適に用いることができる光ファイバを提供する。 【解決手段】 石英系光ファイバ母材1をコアガラス1
aの周上に該コアガラスよりも軟化温度が高いクラッド
ガラス1bを有する構成とする。光ファイバ母材1の屈
折率分布は、得られる光ファイバ4の零分散波長が光源
波長よりも短波長側にシフトするように設定する。この
光ファイバ母材1を125μmの標準外径で線引したと
きに最も低損失となる線引張力の1/3以下の張力で線
引する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分散シフト光ファイ
バに係り、特に光ファイバの長さ方向の波長分散の揺ら
ぎが小さく、ソリトン伝送に有用な光ファイバの製造方
法およびソリトン伝送用光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】
(1)分散シフトファイバについて 石英ガラスを主成分としてなる光ファイバは、図5に示
すように伝送損失が最も低い波長帯域(極低損失波長
帯)を光波長1.55μm帯に有しており、低損失光伝
送を行うためにこの波長帯域が好ましく用いられる。ま
た光伝送においては、波長分散が小さいことが望まし
い。ところが、信号で変調された光は必然的に波長の広
がり(スペクトル幅)を有しており、各波長によって伝
搬速度が異なることに起因して波長分散がどうしても生
じてしまう。したがって、光源光のスペクトル幅に起因
する波長分散を低減させるのには限界があり、光ファイ
バ自身を、波長分散を小さくできる構成とすることが要
求される。
【0003】図6に示すように通常の石英系単一モード
光ファイバは、波長1.31μm付近で波長分散が零に
なる。そこで、低損失波長帯である1.55波長帯域で
の波長分散を小さく抑えるようにした分散シフトファイ
バが開発された。分散シフトファイバは、ガラスがもと
もと有している材料分散を、光ファイバの構造による構
造分散で打消すように構成されたものである。すなわち
分散シフトファイバはコア−クラッド間の比屈折率差を
比較的高く構成するとともに、コア径を相対的に細くし
て、材料分散と絶対値が等しくかつ逆符号の構造分散を
生じさせることによって、波長1.55μm付近に、波
長分散がほぼ零となる零分散波長が存在するように構成
したものである。
【0004】図7は分散シフトファイバの屈折率分布の
例を示したものである。この分散シフトファイバはコア
中央部に屈折率が高い第1のコア領域を有し、その周辺
に比較的屈折率が低い第2のコア領域を有している。ま
た第2のコア領域の外側はクラッドである。このような
屈折率分布は階段状屈折率分布とよばれている。そして
分散シフトファイバにおいては、損失を小さくするため
に、階段状屈折率分布の形状を適宜設定することが行わ
れる。すなわち、図8に示すように第1のコア領域とク
ラッドとの屈折率差が大きくなると、コア部への光閉じ
込めが強くなり曲り損失は受けにくくなるが、コア中心
部でのドーパント濃度が高いことに起因してレーリー散
乱損失が大きくなる。反対に図9に示すように第1のコ
ア領域とクラッドとの屈折率差が小さくなると、コア中
心部でのドーパント濃度が低いのでレーリー散乱損失は
小さくなるが、コア部への光閉じ込めが弱くなり曲り損
失が大きくなる。したがって、屈折率分布の形状を適宜
設定することによってこれらのバランスをとることが行
われる。
【0005】また分散シフトファイバの損失を小さくす
るために、ガラス母材からの光ファイバの線引が低温・
高張力で行われることが知られている。線引工程におい
て、ガラス母材が加熱炉内に挿入されるとガラス母材の
先端は溶融して粘度が下がり、自重によって落下する。
落下したガラスすなわち光ファイバは冷却されてボビン
に高速で巻取られる。ボビンへの巻取りを早くすれば光
ファイバは自重に加えて下方へ引張られることになるか
ら細くなる。そして分散シフトファイバの製造時には加
熱炉の温度が低く設定され、ガラスの粘度が比較的高い
状態で強制的に光ファイバに変形させることになる。し
たがって、線引時の光ファイバに加わる張力はかなり大
きく、100g以上にもなると言われている。
【0006】分散シフトファイバの損失を小さくするた
めに低温で線引を行う理由の一つとして、屈折率を上げ
るためにGeO2が多く添加されたコアガラスは、高温
に曝されるとガラス中に様々なGe−O結合の欠陥を生
じやすくなり、これが最終的に光ファイバの散乱損失を
増大させるので、低温で線引することによりこれを防止
すると言われている。
【0007】また他の理由として、次のようにして低損
失化を図るとも言われている。すんわち、線引時にGe
2添加SiO2ガラスからなるコアが高温に加熱される
と、純石英ガラスからなるクラッドと比べて熱膨張係数
がかなり大きくなり、線引時の冷却過程でクラッドガラ
スと比べて急激に収縮しようとする。このときドーパン
トを含まないクラッドはコアよりも早く固化しているの
で、コアは自由に収縮できず、その結果、コアにはこの
熱膨張係数差に基づく引張り応力(熱応力)が生じてし
まう。このような応力がコア中に残留することによりガ
ラス中のゆらぎを増大させて散乱損失の増加に結び付く
と考えられる。そこで、上記のように低温で線引を行え
ば光ファイバに大きな張力が加わるため、クラッドが弾
性的に引張られた状態で前記の熱応力がコアに残留す
る。そしてクラッドの引張り応力が線引完了時に開放さ
れることにより、前記の熱応力を相殺してコア中に残留
する応力を大きく軽減することができるというものであ
る。
【0008】(2)ソリトン伝送について 石英を主成分とする単一モード光ファイバを用いた光伝
送において、零分散波長よりも長波長側では波長分散が
負の値となり、光の伝搬速度が遅くなることが知られて
いる。そして光源光が単一スペクトルでなくスペクトル
幅を有することから、光伝送においては波長分散が生
じ、パルス幅が広がる。
【0009】一方、光ファイバに、高強度の超短光パル
スが入射されると、ガラスの屈折率が光パワーに応じて
変化するようになる(非線形屈折率現象)。したがっ
て、図10(a)に示すような光パルスにおいて、図1
0(b)に示すように、パルスの立上がり部では屈折率
増加のために瞬時周波数が低下し(レッド・シフト、波
長が長くなる)、逆に立下がり部では屈折率減少のため
に瞬時周波数が増加する(ブルー・シフト、波長が短く
なる)。そして入射光が零分散波長よりも長波長側の光
パルス(波長分散が負)である場合には、立上がり部の
光エネルギーは遅れようとし、逆に立下がり部の光エネ
ルギーは進もうとするので、パルス幅は圧縮される。こ
のような非線形屈折率現象に基づくパルス幅の圧縮と、
上記光源光のスペクトル幅によるパルス幅の広がりとが
互いに相殺して、パルス幅が狭く安定した光パルスが得
られる条件が存在する。このとき得られる光パルスを光
ソリトンという。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような光ソリトン
のための条件を満たす光伝送路では、光ファイバの長さ
方向における波長分散を精密に制御することが必要であ
る。すなわち、理想的なソリトン伝送を行うためには光
ファイバの長さ方向で波長分散の値が一定であることが
望ましい。しかし現実には、光ファイバを作製する場合
に、その分散値は設計値のまわりにある広がりをもって
分布する。光ファイバの長さ方向の平均値としての波長
分散値を制御することはそれほど困難ではないが、光フ
ァイバの全長にわたって均一な波長分散値を得ることは
非常に困難であった。特に、分散シフトファイバにおい
ては、上述の如く低損失を得るために高張力で線引する
ため、この張力の変動によってコアに残留する応力が変
化することが生じやすい。そしてコアに残留する応力の
変化は、光弾性効果によりコアの屈折率変化をもたら
し、これが波長分散値の変動となって現れるという問題
があった。
【0011】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、ファイバの長さ方向における波長分散の均一性が良
好で、ソリトン伝送に好適に用いることができる分散シ
フト光ファイバを提供できるようにすることを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の請求項1記載のソリトン伝送用光ファイバ
の製造方法は、零分散波長を光源波長よりも短波長側に
シフトさせた石英系光ファイバを製造する方法におい
て、コアガラスの周上に該コアガラスよりも軟化温度が
高いクラッドガラスを有する石英系光ファイバ母材を、
該光ファイバ母材を125μmの標準外径で線引したと
きに最も低損失となる線引張力の1/3以下の張力で線
引することを特徴とするものである。また線引速度は1
50m/分以上で、かつ線引張力が30g以下であるこ
とが好ましい。本発明の製造方法によれば、零分散波長
を光源波長よりも短波長側に有する石英系分散シフト光
ファイバであって、光ファイバ長さ方向における波長分
散値の変動が0.3ps/km/nm以下であるソリトン伝送用
光ファイバを実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】一般にソリトン伝送では、安定し
て長距離伝送を行うことができるように、図4に示すよ
うに、伝送路(光ファイバ10)中に光増幅器11が間
欠的に挿入された構成が用いられる。したがって伝送さ
れる光信号は短い間隔ごとに増幅されるので、ソリトン
伝送用光ファイバ10においては光損失はあまり問題と
ならず、光ファイバ作製時の低損失化のための条件を緩
和することができる。したがって、ソリトン伝送用に零
分散波長を光源波長よりも短波長側にシフトさせた石英
系光ファイバを作製する際には、低損失化のための条件
よりも、波長分散均一化のための条件を優先させること
ができる。すなわち本発明の製造方法は、石英系分散シ
フト光ファイバを低張力で線引して製造することによっ
て、張力の変動に起因するコア残留応力の変化を抑えて
波長分散値の均一化を達成することができるようにした
ものである。
【0014】具体的には、光ファイバ母材を線引して分
散シフト光ファイバを製造する際に、光ファイバ母材に
コアガラスの周上に該コアガラスよりも軟化温度が高い
クラッドガラスを有する石英系光ファイバ母材を用いる
ことにより、線引時にはコアガラスよりもクラッドガラ
スのほうが早く固化し、コアが固化するときには線引張
力が断面積の大きいクラッド部分に負荷されるので、軟
化温度の差に起因するコアの屈折率変化を抑えることが
できる。また光ファイバ母材を125μmの標準外径で
線引したときに最も低損失となる線引張力の1/3以下
の低張力で線引することによって、線引張力の変動がコ
ア残留応力に与える影響を小さくすることができる。し
たがって光ファイバ長さ方向において多少張力が変動し
てもコアの屈折率変化を防止することができ、全長にわ
たってほぼ一定の波長分散値を有する光ファイバを得る
ことができる。また、線引速度を毎分150m以上とす
ることにより、安定した外径制御を行うことができ、ま
た経済的でもある。また線引速度が増すほど線引張力も
増大するので、線引張力が30g以下となるように線引
速度の上限を設定するのが好ましい。
【0015】本発明によれば、零分散波長を光源波長よ
りも短波長側に有する石英系分散シフト光ファイバであ
って、光ファイバ長さ方向における波長分散値の変動が
0.3ps/km/nm以下である光ファイバを製造することが
可能であり、このような光ファイバは、光ファイバの長
さ方向における波長分散を精密に制御することが必要な
ソリトン伝送用光ファイバとして有用である。
【0016】以下、本発明をさらに詳しく説明する。図
1は光ファイバの線引装置の例を示す概略構成図であ
る。図中符号1は石英系光ファイバ母材を示す。光ファ
イバ母材1はコアガラス1aと、その周上に形成された
クラッドガラス1bとからなっている。まず光ファイバ
母材1を用意する。本発明においては、光ファイバ母材
1の屈折率分布を適宜設定することによって零分散波長
を所望の値にシフトさせ、石英系分散シフト光ファイバ
を製造する。例えば光ファイバ母材1を、コア径を相対
的に細くし、かつ図2に示すような階段状屈折率分布を
有するように形成することができる。すなわち光ファイ
バ母材1のコアガラス1aが、高屈折率の第1のコア領
域の周上に、第1のコア領域よりも低屈折率の第2のコ
ア領域が形成されてなり、この第2のコア領域の周上
に、第2のコア領域よりも低屈折率のクラッドガラス1
bが形成された構成とする。
【0017】また光ファイバ母材1を構成するコアガラ
ス1aおよびクラッドガラス1bの組成は、コアガラス
1aの軟化温度よりもクラッドガラス1bの軟化温度の
ほうが高くなるように構成される。一般にガラスはドー
パントが添加されると軟化温度が低下するので、コアガ
ラス1aに屈折率を上げるドーパントを添加する方法が
製造上の操作も簡単で好ましい。屈折率を上げるドーパ
ントとしてはGeO2が好ましく用いられ、本発明にお
いて、コアガラス1aは石英ガラスにGeO2が添加さ
れてなり、クラッドガラス1bは純石英ガラスからなる
ことが好ましい。
【0018】ここで、石英系光ファイバを用いたソリト
ン伝送においては、石英系光ファイバの極低損失波長帯
が1.55μm帯にあることから、伝送に使用される光
源光の波長が1.55μm帯にあることが望ましい。そ
して光ソリトンを得るためには、伝送用光ファイバに零
分散波長よりも長波長の光パルスを入射させる必要があ
ることから、光ソリトン伝送用光ファイバを製造する際
には、得られる光ファイバの零分散波長が光源光の波長
(好ましくは1.55μm)よりも短波長側となるよう
に、母材の屈折率分布が設定される。
【0019】図2に示したような階段状屈折率分布を有
する光ファイバ母材1は、例えばVAD法、ロッド
インチューブ法によって形成することができる。 VAD法は、第1のコア領域を形成するためのバーナ
ー、第2のコア領域を形成するためのバーナーおよびク
ラッド部分を形成するためのバーナーを用い、第1のコ
ア領域および第2のコア領域にそれぞれ適宜のGeO2
を添加してGeO2添加石英コアガラス1aを形成する
とともに、純石英のクラッドガラス1bを形成して光フ
ァイバ母材1を形成する方法である。 ロッドインチューブ法は、通常のVAD法によって、
GeO2添加石英からなる第1のコア領域と純石英から
なる第2のコア領域とを有するコアガラス1aを作製す
るとともに、フッ素添加石英管を用意し、コアガラス1
aを石英管内に挿入した後、これらをバーナーで加熱し
つつ溶融一体化して光ファイバ母材を作製するものであ
る。 またこの方法において、コアガラス1aを作製した後
に、クラッドガラス1bとなる石英管の内周面上に第2
のコア領域となる層をMCVD法によって形成する、あ
るいはコアガラス1aの外周部分を外削研磨することに
より、第1のコア領域径と第2のコア領域径の比を自在
に調整することができる。
【0020】このようにして得られた光ファイバ母材1
を溶融線引して光ファイバを製造する。線引は、例えば
図1に示した装置を用いて行うことができる。図1中、
符号2は加熱炉の発熱体を示す。光ファイバ母材1は加
熱炉2内へ垂直に挿入され、ここで加熱される。光ファ
イバ母材1の先端は溶融して細く下がり、自重によって
落下する。落下したガラス、すなわち光ファイバ4は引
取装置5によって引取られることにより張力(線引張
力)が加えられ、細くなる。光ファイバ4の外径は、線
引張力によって変化するので光ファイバ外径測定装置7
を設け、レーザ光等を用いて光ファイバ4の外径を測定
するとともに、引取りの強さを調整することによって光
ファイバ4の外径を制御する。光ファイバ4の外径は標
準的には125μmとされる。また形成された光ファイ
バ4を保護するために、線引工程中に被覆装置6を設
け、ここで光ファイバ4の周上にプラスチック樹脂等の
被覆層を形成する。
【0021】ここで、本発明においては、前述のよう
に、光ファイバ母材1はコアガラス1aの軟化温度より
もクラッドガラス1bの軟化温度のほうが高くなるよう
に構成されるが、これには次のような理由がある。すな
わち、加熱炉2で溶融されたガラスは加熱炉2外へ出
て、線引張力を受けながら冷却され固化する。このと
き、軟化温度が高いガラスのほうが先に固化し、先に固
化されたガラスは線引張力によって弾性的変形を受けた
状態で、これに隣接する軟化温度が低いガラスが固化す
ることになる。仮にコアガラス1aのほうが軟化温度が
高いとすると、固化したコアガラス1aが弾性的変形を
受けた状態でその周囲のクラッドガラス1bが固化する
ことになり、コアガラス1aの変形は、線引終了時に線
引張力が解放されても元にもどることができない。この
ようにコアガラス1aは線引張力に起因する応力が残留
し、光弾性効果により屈折率低下が生じる。
【0022】これに対して本発明においては、クラッド
ガラス1bのほうが軟化温度が高いので、クラッドガラ
ス1bが線引張力を受けた状態で、コアガラス1aが固
化することになる。ところがクラッドガラス1bはコア
ガラス1aに比較して断面積が大きく形成されているの
で、単位面積当りの張力は小さくてすむ。したがって、
クラッドガラス1bの弾性的変形は小さく、線引終了時
の線引張力解放によりほとんど元にもどることができ
る。このようにクラッドガラス1bのほうが軟化温度が
高い場合には、線引張力が断面積の大きいクラッド部分
により多く負荷されるので、軟化温度の差に起因するコ
アの屈折率変化を抑えることができる。尚ここで、前述
の如くGeO2添加SiO2ガラスからなるコアが加熱さ
れたときに、純石英ガラスからなるクラッドと比べて熱
膨張係数がかなり大きくなることに起因して、コアに熱
応力が残留し、屈折率低下を生じることも考えられる
が、このような熱膨張係数の差によるコア中の応力は、
上記の軟化温度の差によってコア中に残留する応力にく
らべて線引条件によらずほぼ一定となるので、波長分散
の長さ方向ゆらぎの要因にはなりにくい。
【0023】本発明において、光ファイバ母材1を線引
して光ファイバ4を製造する際の線引張力は、光ファイ
バ母材1を125μmの標準外径で線引したときに最も
低損失となる線引張力の1/3以下とされる。上述した
ように、従来の方法では、光ファイバ母材を線引して分
散シフト光ファイバを製造する際に、加熱炉の温度を比
較的低温として、粘度が高いガラスにかなり大きな張力
を加えてこれを125μmの細さに変形させることによ
って、最も低損失の光ファイバが得られていた。本発明
は、このような最も低損失の光ファイバが得られるとき
の線引張力の1/3以下の張力で線引を行うものであ
り、好ましくは30g以下の張力で線引を行うものであ
る。ここで、張力は真にガラスが分担する張力を言い、
ファイバ線引き時にその表面に掛けるコーティングによ
って生ずる余剰張力は含まない。
【0024】線引張力は、溶融状態にある光ファイバ4
の粘度と、引取の強さによって決まる。したがって加熱
炉2における加熱温度と引取装置5における引取速度を
調整することによって線引張力を制御することができ
る。ここで、加熱炉2の温度は光ファイバ母材を溶融状
態にできる温度に設定され、光ファイバ母材を構成して
いるガラスの組成によって適宜変更される。一般に、ほ
とんどドーパントを含まない石英系ガラスで1900〜
2200℃程度とされる。この加熱温度を高くするほど
溶融されたガラスの粘度が低くなるので、所望の外径
(125μm)に細径化される際に加えられる張力を小
さくすることができる。また加熱炉2の温度は線引速度
によってもを速くすることができる。また線引速度を遅
くすることによっても線引張力を小さくすることができ
るが、線引速度が遅過ぎると、ガラスが加熱炉2内で細
く引き伸ばされてある位置で一定の外径が定まってから
光ファイバ外径測定装置7で外径が測定されるまでの時
間が長くなる。このような外径検出の時間的遅れが大き
いと外径の制御は結果的に遅れ制御となり、安定した制
御ができなくなるおそれがある。これに対して線引速度
が速ければ光ファイバ外径の変化が生じた場合に、この
変化が直に検出されるので、制御の時間的遅れが解消さ
れて安定した外径制御を行うことができる。したがっ
て、線引速度を毎分150m以上程度に好ましく設定す
ることにより、安定した外径制御を行うことができ、ま
た経済的でもある。また線引速度が増すほど線引張力も
増大するので、線引張力が30g以下となるように線引
速度の上限が好ましく設定される。この線引速度の上限
は加熱炉2の温度によって変化する。
【0025】このようにして線引時の張力を小さくすれ
ば、張力の変動がコア残留応力に与える影響を小さくす
ることができる。したがって光ファイバ長さ方向におい
て多少張力が変動してもコアの屈折率変化を防止するこ
とができ、全長にわたってほぼ一定の波長分散値を有す
る光ファイバを得ることができる。本発明によれば、長
さ約100kmの光ファイバの全長にわたって、波長分
散値の変動が±0.3ps/km/nm以下である分散シフトフ
ァイバを製造することが可能である。また得られる分散
シフト光ファイバの零分散波長が1.55μmよりも短
波長側となるように設定すれば、極低損失帯である1.
55μm帯の光を用いてソリトン伝送が可能となる。
尚、上記のように低張力線引により製造された光ファイ
バは、低温・高張力線引で得られる最も低損失のものよ
りも、損失が0.05dB/km以上増加するが、上述
したように、長距離の伝送路中に光増幅器が間欠的に挿
入されるソリトン伝送にあっては、このような光ファイ
バの損失増加による影響は小さく、問題にはならない。
【0026】
【実施例】
(実施例1)図2に示す屈折率分布を有する光ファイバ
母材を準備した。第1のコア領域−クラッド間の比屈折
率差△1は約1.1%、第2のコア領域−クラッド間の
比屈折率差△2は約0.15%とし、コア径dはファイ
バ化したときの推定値が約15μmとなるように設定し
た。ここで、コアガラスの屈折率は酸化ゲルマニウムを
添加することにより調整した。ゲルマニウムの必要な添
加量は、比屈折率差1%当たり約10モル%である。ま
た母材のサイズは、直径が約40mm、長さが約1mと
した。この母材を電気炉を用いて加熱、線引した。加熱
炉はカーボン抵抗炉を用い、入力電力は約38kwとし
た。線引時の光ファイバ張力は約27g、線引速度は3
00mとした。このような条件で線引を行い、外径12
5μmの光ファイバを得た。得られた光ファイバの特性
を調べたところ、伝送損失が0.123dB/kmで、
波長分散は約−3ps/km/nmであった。さらにこ
の光ファイバ100kmについて、波長1550nm付
近の可変波長光源を用いて5km毎に波長分散を測定し
た。その結果を図3に示す。この図に示されるように、
光ファイバの長さ方向における波長分散値の均一性が良
好であり、波長分散値の変動幅は±0.1ps/km/nm以下
と小さいものであった。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光ファイバ
の製造方法は、零分散波長を光源波長よりも短波長側に
シフトさせた石英系光ファイバを製造する方法におい
て、コアガラスの周上に該コアガラスよりも軟化温度が
高いクラッドガラスを有する石英系光ファイバ母材を、
該光ファイバ母材を125μmの標準外径で線引したと
きに最も低損失となる線引張力の1/3以下の張力で線
引することを特徴とするものである。したがって、光フ
ァイバ母材にコアガラスの周上に該コアガラスよりも軟
化温度が高いクラッドガラスを有する石英系光ファイバ
母材を用いて、線引時にはコアガラスよりもクラッドガ
ラスのほうが早く固化するように構成することによっ
て、コアガラスとクラッドガラスとの軟化温度の差に起
因するコアの屈折率変化を小さく抑えることができる。
また光ファイバ母材を125μmの標準外径で線引した
ときに最も低損失となる線引張力の1/3以下の張力で
線引することによって、線引張力の変動がコア残留応力
に与える影響を小さくすることができる。よって光ファ
イバ長さ方向において多少張力が変動してもコアの屈折
率変化を防止することができ、全長にわたってほぼ一定
の波長分散値を有する石英径分散シフト光ファイバを得
ることができる。また、線引速度を毎分150m以上と
することにより、安定した外径制御を行うことができ、
経済的でもある。また線引速度が増すほど線引張力も増
大するので、線引張力が30g以下となるように線引速
度の上限を設定するのが好ましい。
【0028】本発明によれば、零分散波長を光源波長よ
りも短波長側に有する石英系分散シフト光ファイバであ
って、光ファイバ長さ方向における波長分散値の変動が
±0.3ps/km/nm以内と小さい光ファイバを製造するこ
とが可能であり、このような光ファイバは、光ファイバ
の長さ方向における波長分散を精密に制御することが必
要なソリトン伝送用光ファイバとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いられる線引装置の例を示す概略
構成図である。
【図2】 本発明で用いられる光ファイバ母材の屈折率
分布の例である。
【図3】 本発明の実施例で得られた光ファイバの長さ
方向における波長分散値の変動を示すグラフである。
【図4】 ソリトン伝送線路の例を示す概略構成図であ
る。
【図5】 石英系光ファイバの伝送損失の波長特性を示
すグラフである。
【図6】 単一モード光ファイバおよび分散シフトファ
イバの波長分散特性を示すグラフである。
【図7】 分散シフト光ファイバの屈折率分布の一例で
ある。
【図8】 分散シフト光ファイバの屈折率分布の他の例
である。
【図9】 分散シフト光ファイバの屈折率分布の他の例
である。
【図10】 光ソリトンの説明図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ母材、1a…コアガラス、1b…クラッ
ドガラス、4…光ファイバ、5…引取装置。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 零分散波長を光源波長よりも短波長側に
    シフトさせた石英系光ファイバを製造する方法におい
    て、 コアガラスの周上に該コアガラスよりも軟化温度が高い
    クラッドガラスを有する石英系光ファイバ母材を、該光
    ファイバ母材を125μmの標準外径で線引したときに
    最も低損失となる線引張力の1/3以下の張力で線引す
    ることを特徴とするソリトン伝送用光ファイバの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 線引速度が150m/分以上で、かつ線
    引張力が30g以下であることを特徴とする請求項1記
    載のソリトン伝送用光ファイバの製造方法。
  3. 【請求項3】 零分散波長を光源波長よりも短波長側に
    有する石英系分散シフト光ファイバであって、光ファイ
    バ長さ方向における波長分散値の変動が0.3ps/km/nm
    以下であることを特徴とするソリトン伝送用光ファイ
    バ。
JP8172653A 1996-07-02 1996-07-02 ソリトン伝送用光ファイバの製造方法およびソリトン伝送用光ファイバ Pending JPH1017333A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100368575B1 (ko) * 1999-11-12 2003-01-24 대한전선 주식회사 비영분산 천이 광섬유용 모재의 제조방법

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