JPH10173194A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH10173194A
JPH10173194A JP33180296A JP33180296A JPH10173194A JP H10173194 A JPH10173194 A JP H10173194A JP 33180296 A JP33180296 A JP 33180296A JP 33180296 A JP33180296 A JP 33180296A JP H10173194 A JPH10173194 A JP H10173194A
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thin film
film
inorganic
substrate
semiconductor device
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JP33180296A
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English (en)
Inventor
Atsushi Tanaka
淳 田中
Shigeru Aomori
繁 青森
Yoshiki Nakatani
喜紀 中谷
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、比較的耐熱性の低い樹脂基板又は
樹脂フィルム上に半導体装置が形成可能な半導体装置の
製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 被膜面をプラズマ中に曝すことなく樹脂
基板11上に第1の無機絶縁体薄膜12を形成する工程
と、被膜面をプラズマ中に曝しつつ第1の絶縁体薄膜1
2上に第2の無機絶縁体薄膜13を形成する工程と、第
1の無機絶縁体薄膜上12又は第2の無機絶縁体薄膜1
3上に半導体薄膜14を形成する工程とを含む半導体装
置の製造方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂基板上又は樹
脂フィルム上に半導体装置を形成する半導体装置の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、絶縁性基板上に形成された半
導体装置として、ガラス基板上にシリコン薄膜を用いて
形成された薄膜トランジスタがよく利用されてきた。ま
た、液晶表示装置の能動素子として通常用いられている
ものはアモルファスシリコン薄膜が主流であった。とこ
ろが、最近、より良質の半導体特性を得るため、アモル
ファスシリコンをレーザーアニールにより結晶化した多
結晶シリコン薄膜も用いられ始めている。
【0003】例えば、特開昭58−206163号公報
には、ガラス基板上にアモルファスシリコン等を形成し
た後に、レーザーアニール処理を施し、そのアモルファ
スを結晶化させるという技術が開示されている。このよ
うにして結晶化された多結晶シリコン膜は、アモルファ
スシリコンや固相成長により得られた多結晶シリコン薄
膜、もしくは、成膜時に既に多結晶であるシリコン薄膜
に比べ、結晶性が高く欠陥が少ない。このため、トラン
ジスタの活性層として用いた場合、極めて優れた性能を
示し、高速駆動も可能となり、能動素子のみでなく、駆
動回路をも同一基板上に作製することが可能となる。そ
して、この様に、これらの薄膜を用いて薄膜トランジス
タを作製し、液晶ディスプレイの能動素子として応用す
る場合、基板に対しては透光性が求められるため、従来
では、ガラス基板が用いられるのが普通であった。
【0004】これに対し、衝撃に対する基板の割れや、
液晶表示装置の小型、軽量化に対応するため、基板とし
て高分子樹脂材料を用いた樹脂基板や樹脂フィルムを用
いることが提案されている。しかしながら、これらの基
板上に能動素子を形成する場合には、ガラス基板を用い
る場合とは異なる、樹脂基板独自の問題点を克服する必
要がある。
【0005】まず、基板の耐熱性が十分でなく、製造プ
ロセスで発生する熱によって変形し易いため、形成プロ
セス温度を極めて低く押さえる必要がある。例えば、従
来から生産されている、シリコンを用いた半導体素子の
特性を向上させるためには、300℃乃至1000℃の
プロセス温度を必要とする光、熱、イオン、プラズマ等
のプロセスが要求される。この場合、耐熱性の低い樹脂
材料基板では熱ダメージを受け変形してしまうため、こ
のような基板上に優れた特性の半導体素子を作製するこ
とは従来の技術では困難であった。
【0006】また、成膜プロセスにおいては、薄膜との
付着力が低いことも大きな問題である。この原因とし
て、樹脂材料は表面自由エネルギーが小さいこと、真空
中での表面析出物により凝集力の小さい表面層を作る場
合のあること等があげられる。このような樹脂基板を高
出力のプラズマに長時間曝すことは、基板自身にダメー
ジを与え、薄膜との密着性をさらに悪化させるだけでな
く、熱による変形等を引き起こすこともある。このた
め、成膜中、基板をプラズマ中に曝す、通常のスパッタ
やプラズマCVD等の形成方法を採用することは難し
く、特に高出力で効率よく良質の膜を成膜することは困
難である。また、このような事態を避けるため、プラズ
マを基板から遠ざけたマグネトロンスパッタやイオンプ
レーティングの採用等の工夫も進められているが、膜
質、成膜速度、膜厚分布等、生産性の点でまだ十分とは
言えないのが現状である。
【0007】半導体装置の作製プロセスの中では、良質
な絶縁体薄膜の形成以外に、良質な半導体薄膜の形成
も、低温での形成が困難なプロセスの一つである。アモ
ルファスシリコンをレーザー照射により結晶化する場合
にも、半導体薄膜が熔融し温度が上昇するため、基板表
面温度もその熱が伝わって上昇する。これを防ぐ手段と
して、基板と半導体薄膜との間の熱バッファ層として熱
拡散層を作製し、放熱効果を高める方法(特開平4−3
3327号参照)や、熱伝導率の低い熱バリア層を形成
する方法(特開平5−326402号参照)等も提案さ
れている。
【0008】しかしながら、このような熱拡散層や熱バ
リア層を用いた場合でも基板の温度上昇を完全に抑える
ことは難しい。特に、成膜の際、基板に損傷を与えず、
密着性を確保する点を重視しつつ、形成された無機絶縁
体簿膜は、膜質が不十分で熱バリア効果が低く、逆に膜
質を重視して形成した無機絶縁体薄膜は密着性に劣り、
低エネルギーのレーザ照射でもアプレーションを起こし
やすい。
【0009】現状では、実際にこれらの方法でシリコン
の結晶化を行おうとする場合、基板の損傷を避けつつ、
十分にエネルギーを与えて良質の多結晶薄膜を得るため
には、例えば、特開平4−33327号公報の実施例に
もあるように、ポリイミドやガラス強化したフェノール
樹脂等、耐熱温度が200℃もしくはそれ以上の極めて
特殊な高分子材料基板を用いる必要がある。また、特開
平5−326402号公報の実施例に示される様な耐熱
温度の低い基板を用いた場合には、実際には曇りや歪み
等の基板の損傷が避けられないのが現状であった。
【0010】そして、高耐熱性樹脂は、基板コストが非
常に高くなるだけでなく、材料の種類が少ないため強度
や透明度等の他の性質を選択する自由度が犠牲になり、
用途に応じて最適な基板材料を選択することが極めて困
難であった。
【0011】また、半導体としてシリコンにゲルマニウ
ムを添加し、シリコン・ゲルマニウムとすると、シリコ
ン単体のときよりも融点が下がるので、より低エネルギ
ーのレーザー照射で結晶化でき、基板に与える熱ダメー
ジを減少させることが可能である。この場合、ゲルマニ
ウムの割合を高めるにつれて融点は下がるが、同時に電
導率が上がる。このため、オフ電流を低く抑える必要の
ある用途、例えば液晶表示装置の能動素子等として用い
るには、ゲルマニウムの割合をせいぜい25%程度に抑
える必要がある。したがって、半導体薄膜の融点を低下
させる効果だけでは樹脂基板に与える熱ダメージを完全
に抑えることはできず、十分に結晶化した良質のシリコ
ン・ゲルマニウム薄膜を得るためには、やはり良質の熱
バリア層等が必要であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、上記従
来の技術において、樹脂基板又は樹脂フィルム上に、液
晶表示装置の能動素子等として用いることができる半導
体装置を形成するものは、実用レベルで確立されていな
いのが現状である。
【0013】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであって、比較的耐熱性の低い樹脂基
板又は樹脂フィルム上に半導体装置が形成可能な半導体
装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明では、被膜面をプラズマ中に曝すこ
となく、樹脂基板又は樹脂フィルム上に第1の無機絶縁
体薄膜を形成する工程と、被膜面をプラズマ中に曝しつ
つ該第1の絶縁体薄膜上に第2の無機絶縁体薄膜を形成
する工程と、前記第1の無機絶縁体薄膜上又は前記第2
の無機絶縁体薄膜上に半導体薄膜を形成する工程と、該
半導体薄膜の少なくとも一部をレーザー光又はエネルギ
ービームにより結晶化又は再結晶化する工程とを含む半
導体装置の製造方法としている。
【0015】また、請求項2の発明では、不活性ガスの
みのプラズマを用いたスパッタ法により樹脂基板又は樹
脂フィルム上に第1の無機絶縁体薄膜を形成する工程
と、被膜面をプラズマ中に曝しつつ該第1の絶縁体薄膜
上に第2の無機絶縁体薄膜を形成する工程と、前記第1
の無機絶縁体薄膜上又は前記第2の無機絶縁体薄膜上に
半導体薄膜を形成する工程と、該半導体薄膜の少なくと
も一部をレーザー光又はエネルギービームにより結晶化
又は再結晶化する工程とを含む半導体装置の製造方法と
している。
【0016】さらに、請求項3の発明では、上記の半導
体装置の製造方法において、第1の無機絶縁体薄膜とし
て無機酸化物又は無機窒化物から成る無機絶縁体薄膜を
形成し、第2の無機絶縁体薄膜として無機酸化物又は無
機窒化物から成る無機絶縁体薄膜を形成することとして
いる。
【0017】さらに、請求項4の発明では、上記の半導
体装置の製造方法において、第1の絶縁体薄膜としてS
iOx1(1≦x1≦2)から成る無機絶縁体薄膜を形成
し、第2の絶縁体簿膜としてSiOx2(1≦x2≦2、
x1<x2)から成る無機絶縁体薄膜を形成することと
している。
【0018】また、請求項5の発明では、上記の半導体
装置の製造方法において、第1の無機絶縁体薄膜形成
後、連続して第2の無機絶縁体薄膜を形成することとし
ている。
【0019】また、請求項6の発明では、上記の半導体
装置の製造方法において、第1の無機絶縁体薄膜形成
後、その第1の無機絶縁体薄膜上に金属電極を形成して
から、第2の無機絶縁体薄膜を形成することとしてい
る。
【0020】また、請求項7の発明では、上記の半導体
装置の製造方法において、半導体薄膜の形成工程の後、
その半導体薄膜の少なくとも一部をレーザー光又はエネ
ルギービームにより結晶化又は再結晶化する工程を含む
こととしている。
【0021】また、請求項8の発明では、上記の半導体
装置の製造方法において、半導体薄膜としてシリコン又
はシリコン・ゲルマニウムから成る半導体薄膜を形成す
ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0022】また、請求項9の発明では、上記の半導体
装置の製造方法において、樹脂基板又は樹脂フィルムと
して連続使用可能温度が200℃以下の材料からなるも
のを用いることとしている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。本発明において、半導体装置が形成される樹
脂基板又は樹脂フィルムとは、高分子樹脂材料から成
り、一般に当該分野に使用し得る基板又はフィルムであ
れば、特に限定されるものではない。具体的にはポリイ
ミド、ポリアミドイミド、液晶ポリアリレート、ポリエ
ーテルスルフォン、ポリエステル、ポリカーボネート、
ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド
等を用いた基板、フィルムが挙げられる。
【0024】連続使用可能温度200℃以上の樹脂基板
又は樹脂フィルムは、半導体装置の作製については容易
になるが、基板コストが極めて高くなるだけでなく、材
料の種類が少ないため、機械的強度や工学的特性等の他
の性質を選択する自由度が犠牲になる。したがって、用
途に応じて最適な基板材料を選択することが極めて困難
となるため、材料の種類が豊富でコストも低い連続使用
可能温度200℃以下の基板又は樹脂フィルムを用いる
方が好ましい。
【0025】なお、ここで、連続使用可能温度とは、連
続使用温度とも呼ばれ、日本化学会編化学便覧応用化学
編II第412頁の記載によれば、「DTUL(荷重た
わみ温度)とTUL(UL長期耐熱温度)の低いほうを、
おおよそ、その材料のTCS(連続使用可能温度)」と考
えておけばよいものである。また、実際には、目的とす
る用途に対し著しく障害(クラックや曇りの発生等)と
なるような、基板又はフィルムにへの影響の生じない範
囲で、プロセスとして使用可能な最高温度と考えること
もできる。
【0026】上記樹脂基板又は樹脂フィルム上に形成さ
れる第1の無機絶縁体薄膜は、成膜中に被膜面をプラズ
マに曝すことなく形成するものである。その成膜方法と
しては、真空蒸着法、プラズマを用いないCVD法、レ
ーザー・アブレーション法、コーティング法等を用いる
ことができる。
【0027】あるいは、上記樹脂基板又は樹脂フィルム
上への第1の無機絶縁体薄膜の形成には、アルゴン、ヘ
リウム、ネオン等の不活性ガスのみを用いたスパッタ法
を用いる。不活性ガスのみを用いたスパッタ法による成
膜は、比較的、基板に与えるダメージの小さく、後述の
第2の無機絶縁体薄膜やゲート電極となるを金属電極の
形成を連続して行え、半導体装置の生産性を向上させる
ことができる。
【0028】また、基板との密着性を向上させるため、
成膜前に基板の表面改質等の前処理を施すことも有効で
ある。その前処理の方法としては、アンダーコート樹脂
を塗布した後成膜する方法や、基板を短時間ごく弱いプ
ラズマ中に曝し、基板表面の化学結合を切断して表面の
活性化を行う方法、およびこれらを組み合わせた方法等
が一般的である。なお、表面の活性化とは逆に、高出力
のプラズマに長時間曝すことは、樹脂基板やアンダーコ
ート樹脂にダメージを与える結果になり、むしろ付着力
の低下を招くこととなるが、本発明の方法では成膜中に
は基板表面をプラズマ中に曝すことなく第1の無機絶縁
体薄膜を形成するので影響はない。
【0029】この際の第1の無機絶縁体薄膜の材料、膜
厚等は特に限定されるものではなく、その用途に応じて
適宜選択して用いることができる。具体的には、例えば
半導体薄膜レーザ照射によって結晶化させる際の熱バリ
ア層を形成する場合、樹脂基板のハードコートを兼ね
て、酸化シリコン薄膜や窒化シリコン薄膜等を膜厚30
nm〜1μm程度成膜することが好ましい。
【0030】第1の無機絶縁体薄膜を形成後、第2の無
機絶縁体薄膜が形成される。この第2の無機絶縁体簿膜
は、第1の無機絶縁体薄膜を形成後、連続して形成して
もよく、また、ゲート電極となる金属電極等を形成した
後、形成してもよい。また、第2の無機絶縁体薄膜の材
料や膜厚についても、特に限定されるものではない。
【0031】上記のように、第1の無機絶縁体薄膜とし
て酸化シリコンや窒化シリコン等のシリコンを含む無機
絶縁体薄膜のみで熱バリア層を形成した場合、プロセス
温度の制約等の問題から、十分に良好な膜質を得ること
は困難で、Si−rich(シリコン優勢)の状態にな
ることが多く、熱伝導率が大きくなって、熱パリア層と
して十分な働きが得られなくなる。これに対し、膜質を
重視してプラズマ中で成膜を行うと基板がダメージを受
けて付着力を低下させる結果となり、特に、酸素プラズ
マや窒素プラズマを用いた場合、表面の化学結合を切断
し活性化させる効果が大きい分、過度に曝露した場合に
基板に与えるダメージが大きい。
【0032】しかしながら、本発明のように、プラズマ
を用いずに第1の無機絶縁体薄膜を形成した後であれ
ば、良質の無機絶縁体薄膜を得るためにプラズマを用い
て成膜を行っても付着力が低下するようなことはない。
すなわち、本発明では、第1の無機絶縁体薄膜を樹脂基
板又は樹脂フィルムとの密着性を重視して形成し、同時
に基板表面をその後のプロセスから保護する役割を担
い、第2の無機絶縁体簿膜は膜質すなわち機能を重視し
て形成している。したがって、第2の無機絶縁体薄膜に
ついては、第1の無機絶縁体薄膜で表面が保護されてい
るため成膜に対する条件が緩やかとなり、この結果、よ
り良質の膜を形成することが可能となる。
【0033】例えば、熱バリア層として酸化シリコン薄
膜を用いる場合、まず基板との密着性を十分に得るた
め、プラズマ、特に酸素プラズマ中に曝すことなく、例
えばEB蒸着法等の成膜方法により20nm〜1μm程
度の膜厚の酸化シリコン薄膜を形成する。この第1の無
機絶縁膜は、基板との高い密着性を確保するため、結合
面でより活性であることが望ましい。したがって、この
ときの酸化シリコン薄膜は、酸素欠陥のない二酸化シリ
コン薄膜よりも一酸化シリコン薄膜又はこれに近い組成
のSi−rich(シリコン優勢)な状態であることが
好ましい。
【0034】また、被膜面を酸素プラズマ中に曝さずに
成膜を行うことは、基板表面に与える損傷を避けるだけ
でなく、酸化シリコン中の酸素欠陥を増やし結合活性度
を高めるので高い密着性を得るには有利である。
【0035】しかしながら、この第1の無機絶縁膜とし
ての酸化シリコン薄膜だけでは熱バリア層としての働き
は不十分であるので、例えばプラズマを用いた通常のス
パッタ法等を用いて、さらに第2の無機絶縁膜として酸
化シリコン薄膜を膜厚20nm〜1μm程度で形成す
る。このときの酸化シリコン薄膜は、熱バリア層として
の働きを十分に確保するため、酸素欠陥等のない良質の
二酸化シリコンであることが望ましい。このためには、
酸素プラズマ等を用いる手段も有効である。なお、熱バ
リア層を形成する材料としては特に限定されるものでな
く、例えば窒化シリコン薄膜等を用いることもできる
が、熱伝導率が1.42(W/mK)と小さいSiO2
の方が、熱伝導率が35.5(W/mK)のSi34
りも好ましい。
【0036】第1の無機絶縁体薄膜及び第2の無機絶縁
体薄膜のいずれも酸化シリコン薄膜を用いた場合、前述
のとおり基板との高い密着性を確保するため、結合面で
より活性であることが望ましく、第1の無機絶縁体薄膜
は酸素欠陥のない二酸化シリコン薄膜よりも一酸化シリ
コン薄膜又はこれに近い組成のSi−rich(シリコ
ン優勢)な状態であることが好ましい。そして、前述の
とおり第2の無機絶縁体薄膜に熱バリア層としての機能
を備えさせるときには、第2の無機絶縁体薄膜は酸素欠
陥等のない良質の二酸化シリコンであることが望まし
い。したがって、したがって、第1の無機絶縁体薄膜の
酸化シリコンをSiOx1(1≦x1≦2)と表し、第2
の無機絶縁体薄膜の酸化シリコンをSiOx2(1≦x2
≦2)と表すと、x1<x2即ちx2の方がx1より大
きくなることが好ましい。
【0037】半導体薄膜として形成するシリコン、シリ
コン・ゲルマニウム等の薄膜も優れた膜質が要求される
ので、第1の無機絶縁膜又は第2の無機絶縁膜の形成後
に形成することが望ましい。また、第1の無機絶縁膜と
第2の無機絶縁膜との間にあらかじめゲート電極を形成
しておけば、第2の無機絶縁膜をゲート絶縁膜を兼ねて
用いることもできる。また、第1の無機絶縁膜を形成
後、まず半導体薄膜を形成し、しかる後に良質の第2の
無機絶縁膜を形成してこれをゲート絶縁膜とすることも
できる。
【0038】半導体薄膜を非晶質状態で成膜した後レー
ザ照射等の手段で多結晶化する場合には、第2の無機絶
縁膜の形成後に成膜し、これを熱バリア層として用いる
と基板に与える熱ダメージはより小さくすることができ
る。このため、融点が1410℃と高いシリコンや、融
点が比較的これに近い、例えばシリコンを75%以上含
むシリコン・ゲルマニウム等であっても、連続使用可能
温度が200℃の樹脂基板又は樹脂フィルム上において
レーザ照射等による多結晶化が可能となる。この結果、
連続使用可能温度の高い特殊な樹脂基板又は樹脂フィル
ムを用いる必要がなくなり、用途に応じた基板材料の選
択範囲が広がるだけでなく、基板コストを抑えることも
可能となる。
【0039】
【実施例】
〔第1の実施例〕以下、本発明の第1の実施例につい
て、図1を参照して説明する。図1は、第1の実施例の
半導体装置の製造方法の工程を説明するための要部側面
断面図である。
【0040】まず、厚さ0.5mmのポリカーボネート
基板11(樹脂基板)上に、被膜面をプラズマ中に曝さ
ないEB蒸着法を用いて、第1の無機絶縁体薄膜12で
ある一酸化シリコン薄膜を膜厚が100〜300nm程
度となるように形成する(図1(a))。なお、このE
B蒸着法による一酸化シリコン薄膜の形成には、蒸発材
料として破砕状石英(SiO2)を用いた。
【0041】このとき、例えば、1W程度のアルゴンプ
ラズマ中で5分程度の極軽微なポリカーボネート基板1
1被膜面へのプラズマ処理や、ポリカーボネート基板1
1上へのアンダーコートの形成等の前処理を行うこと
も、密着性を高めるためには有効である。なお、このと
き用いたポリカーボネート基板11の連続使用可能温度
は150℃であった。
【0042】次に、この一酸化シリコン薄膜(第1の無
機絶縁体薄膜12)上に、マグネトロンスパッタ法を用
いて、第2の無機絶縁体薄膜13である二酸化シリコン
薄膜を膜厚が50〜200nm程度となるように形成す
る(図1(b))。このとき、ターゲットしてSiO2
(石英)を用いたが、形成する二酸化シリコン薄膜中に
酸素欠陥が生じないよう、アルゴンに30%の酸素を混
合したガスを用いてプラズマを生成し、被膜面をプラズ
マ中に曝すスパッタ法により成膜を行った。なお、成膜
時のプラズマ出力は2OOWであり、成膜に要した時間
は30〜90分であった。
【0043】なお、一酸化シリコン薄膜を形成すること
なく、二酸化シリコン薄膜を、ポリカーボネート基板1
1上に、上記の第1の実施例と同様に形成した場合は、
基板に対する付着力が低く、膜中にクラックが発生した
り、ひどい場合には剥離が生じることもあった。
【0044】上記のようにして、第2の無機絶縁体薄膜
13である二酸化シリコン薄膜を成膜後、引き続いて、
ターゲットにSiを用いて同じくマグネトロンスパッタ
法により、半導体薄膜である非晶質シリコン薄膜14を
膜厚50nm程度となるように形成し(図1(c))、
300mJ/cm2のKrFエキシマレーザを照射して
多結晶化を行った。
【0045】なお、二酸化シリコン(第2の無機絶縁体
薄膜13)を形成せず、一酸化シリコン(第1の無機絶
縁体薄膜12)上に直接、非晶質シリコン14を形成し
て同様のレーザー照射による結晶化を試みた場合、アブ
レーションや基板の熱による曇り等が観察されたが、本
実施例ではこのような異常は観察されず、良質の多結晶
膜が得られた。
【0046】その後、多結晶シリコン14を所定の形状
に加工した後、二酸化シリコン15を二酸化シリコン1
3と同様の方法で50〜200nmの膜厚に形成し(図
1(d))、さらに、基板の連続使用可能温度である1
50℃を越えないように配慮しつつ、従来技術のプロセ
スを経てトップゲート型の半導体装置16を得た(図1
(e))。
【0047】〔第2の実施例〕上記第1の実施例では、
樹脂基板であるポリカーボネート基板11上に、第1の
無機絶縁体薄膜12である一酸化シリコン薄膜を形成す
る際に、被膜面をプラズマに曝さないEB蒸着法を用い
た。第2の実施例では、このEB蒸着法の代わりに、比
較的、基板に与えるダメージの小さなアルゴンプラズマ
のみを用いてマグネトロンスパッタ法により、酸素欠陥
の多い二酸化シリコン薄膜を第1の無機絶縁体薄膜12
として成膜した。なお、このマグネトロンスパッタ法に
よる二酸化シリコン薄膜の形成には、ターゲットとして
SiO2(石英)を用いた。
【0048】その後、連続して、上記第1の実施例と同
様に酸素プラズマも用いて同じくマグネトロンスパッタ
法で良質の二酸化シリコン薄膜13を形成することも可
能である。この場合、プラズマを全く用いない場合と比
較すると、第1の無機絶縁体薄膜12の生産性は落ちる
が、第2の無機絶縁体薄膜13と連続して成膜できるた
め、全体的に見れば生産性の向上につながる。
【0049】第2の実施例において、この第1の無機絶
縁体薄膜12の形成工程以外は、全く上記第1の実施例
と同様にして、前述の図1(e)に示すようなトップゲ
ート型の半導体装置16を得ることができた。
【0050】〔第3の実施例〕以下、本発明の第3の実
施例について、図2を参照して説明する。図2は、第3
の実施例の半導体装置の製造方法の工程を説明するため
の要部側面断面図である。
【0051】まず、厚さ0.5mmのポリエーテルスル
フォン基板21(樹脂基板)上に、被膜面をプラズマ中
に曝さないアブレーション法又はEB蒸着法を用いて、
第1の無機絶縁体薄膜22である一酸化シリコン薄膜を
膜厚が100〜300nm程度となるように形成する
(図2(a))。なお、この一酸化シリコン薄膜の形成
において、EB蒸着法を用いる場合には上記第1、2の
実施例と同様のものであり、アブレーション法を用いる
場合には蒸発材料としてSiOを用いるものである。
【0052】このとき、例えば、1Wのアルゴンプラズ
マ中で5分程度の極軽微なポリエーテルスルフォン基板
21表面へのプラズマ処理や、ポリエーテルスルフォン
基板21上へのアンダーコートの形成等の前処理を行う
ことも、密着性を高めるためには有効である。なお、こ
のとき用いたポリエーテルスルフォン基板21の連続使
用可能温度は180℃であった。
【0053】次に、マグネトロンスパッタ法を用いて、
アルミニウムを膜厚が50〜100nm程度となるよう
に成膜し、通常の加工手段を用いて所望の形状に加工
し、ゲート電極23を形成する(図2(b))。
【0054】次に、被膜面をプラズマ中に曝すプラズマ
CVD法を用いて、第2の無機絶縁体薄膜24である二
酸化シリコン薄膜を膜厚が50〜200nm程度となる
ように形成する(図2(c))。このときの原料ガスに
はTEOS(Tetra-Etyl-Ortho-Silicate)を用いるか
又はH2希釈したSiH4とO2を用い、また、成膜時の
基板温度は150℃であり、プラズマ出力は100Wで
あった。この段階で形成した薄膜に剥離等の異常や、熱
による基板の変形等は観測されなかった。
【0055】引き続き、同じくプラズマCVD法によ
り、半導体薄膜である非晶質シリコン薄膜25を膜厚5
0〜1000m程度となるように形成した(図2
(d))。このときの原料ガスにはH2希釈したSi2
6を用い、また、基板温度は150℃であり、プラズマ
出力は100Wであった。二酸化シリコン薄膜(第2の
無機絶縁体薄膜24)とシリコン薄膜25の界面は、ゲ
ート絶縁膜と活性層との界面となるため、二酸化シリコ
ン薄膜(第2の無機絶縁体薄膜24)成膜後は大気中に
戻すことなく、連続してシリコン薄膜25を成膜するこ
とがより好ましい。
【0056】この後、シリコン薄膜25に350mJ/
cm2のXeClエキシマレーザを照射し、多結晶化を
行った。そして、多結晶シリコン薄膜25を所定の形状
に加工した後、基板の連続使用可能温度である180℃
を越えないように配慮しつつ、従来技術のプロセスを総
てボトムゲート型の半導体装置26を得た(図2
(e))。
【0057】〔第4の実施例〕以下、本発明の第4の実
施例について、図3を参照して説明する。図3は、第4
の実施例の半導体装置の製造方法の工程を説明するため
の要部側面断面図である。
【0058】まず、厚さ0.25mmのポリアリレート
フィルム31(樹脂フィルム)上に、被膜面をプラズマ
中に曝さないアブレーション法又はEB蒸着法を用い
て、第1の無機絶縁体薄膜32である酸化シリコン薄膜
又は窒化シリコン薄膜を、膜厚が100〜300nm程
度となるように形成する(図3(a))。なお、ここ
で、一酸化シリコン薄膜の形成するときは上記第1〜3
の実施例と同様のものであり、窒化シリコン薄膜を形成
するときの蒸発材料としてはアブレーション法でもEB
蒸着法でもSi34を用いるものである。
【0059】このとき、例えば、1Wのアルゴンプラズ
マ中で5分程度の極軽微なポリアリレートフィルム31
表面へのプラズマ処理や、ポリアリレートフィルム31
上へのアンダーコートの形成等の前処理を行うことも、
密着性を高めるためには有効である。なお、このとき用
いたポリアリレートフィルム31の連続使用可能温度は
180℃であった。
【0060】次に、マグネトロンスパッタ法を用いて、
タンタルを膜厚が150〜300nm程度となるように
成膜し、通常の加工手段を用いて所望の形状に加工した
後、従来技術と同様の方法で、酒石酸アンモニウム1%
溶液中で陽極酸化を行い、ゲート電極33および酸化タ
ンタル層34を形成する(図3(c))。
【0061】次に、被膜面をプラズマ中に曝すプラズマ
CVD法を用いて、第2の無機絶縁体薄膜35である二
酸化シリコン薄膜又は窒化シリコン薄膜を膜厚が50〜
200nm程度となるように形成する(図3(d))。
なお、ここで、二酸化シリコン薄膜の形成するときは上
記第3の実施例と同様のものであり、窒化シリコン薄膜
を形成するときの原料ガスとしてはH2希釈したSiH4
とNH3を用いるものであり、また、このときの基板温
度は150℃であり、プラズマ出力は100Wであっ
た。この段階で形成した薄膜に剥離等の異常や、熱によ
るフィルムの変形等は観測されなかった。
【0062】引き続き、同じくプラズマCVD法によ
り、半導体薄膜である非晶質シリコン薄膜36を膜厚5
0〜200nm程度となるように形成した(図3
(d))。このときの原料ガスにはH2希釈したSi2
6を用い、また、基板温度は150℃であり、プラズマ
出力は100Wであった。第2の無機絶縁体薄膜35と
非晶質シリコン薄膜36の界面は、ゲート絶縁膜と活性
層との界面となるため、第2の無機絶縁体薄膜35成膜
後は大気中に戻すことなく、連続してシリコン薄膜36
を成膜することがより好ましい。非晶質シリコン薄膜3
6を所定の形状に加工した後、フィルムの連続使用可能
温度である180℃を越えないように配慮しつつ、従来
技術のプロセスを経てボトムゲート型の半導体装置37
を得た(図3(e))。
【0063】〔第5の実施例〕以下、本発明の第5の実
施例について、図4を参照して説明する。図4は、第5
の実施例の半導体装置の製造方法の工程を説明するため
の要部側面断面図である。
【0064】まず、厚さ0.5mmのポリカーボネート
基板41(樹脂基板)上に、被膜面をプラズマ中に曝さ
ないEB蒸着法を用いて、第1の無機絶縁体薄膜42で
ある一酸化シリコン薄膜を、膜厚が100〜300nm
程度となるように形成する(図4(a))。なお、この
EB蒸着法による一酸化シリコン薄膜の形成には、上記
第1〜4の実施例と同様に、蒸発材料として破砕状石英
(SiO2)を用いた。
【0065】このとき、例えば、1Wのアルゴンプラズ
マ中で5分程度の極軽微なポリカーボネート基板41表
面へのプラズマ処理や、ポリカーボネート基板41上へ
のアンダーコートの形成等の前処理を行うことも、密着
性を高めるためには有効である。なお、このとき用いた
ポリカーボネート基板41の連続使用可能温度は150
℃であった。
【0066】次に、プラズマCVD法により、半導体薄
膜である水素化非晶質シリコン薄膜43を膜厚50〜1
00nm程度となるように形成した(図4(b))。こ
のときの原料ガスにはH2希釈したSi26を用い、基
板温度は150℃であり、プラズマ出力は100Wであ
った。
【0067】その後、水素化非晶質シリコン薄膜43を
所望の形状に加工した後、引き続いて、同じくプラズマ
CVD法を用いて、第2の無機絶縁体薄膜44である二
酸化シリコン薄膜を膜厚が50〜200nm程度となる
ように形成する(図4(c))。なお、ここで、二酸化
シリコン薄膜の形成するときは、上記第3、4の実施例
と同様に原料ガスとしてTEOS(Tetra-Etyl-Ortho-S
ilicate)を用いるか又はH2希釈したSiH4とO2を用
い、また、このときの基板温度は150℃であり、プラ
ズマ出力は100Wであった。この段階で形成した薄膜
に剥離等の異常や、熱による基板の変形等は観測されな
かった。
【0068】さらに、基板の連続使用可能温度である1
50℃を越えないように配慮しつつ、従来技術のプロセ
スを経てトップゲート型の半導体装置37を得た(図4
(d))。
【0069】なお、上記実施例では、樹脂基板又は樹脂
フィルムの直ぐ上に、第1の無機絶縁体薄膜を形成した
が、樹脂基板又は樹脂フィルム上に有機絶縁体簿膜を形
成した後に、その有機絶縁体薄膜上に第1の無機絶縁体
薄膜を形成するようにしても良い。
【0070】また、上記実施例では、半導体薄膜として
シリコン薄膜を用いたが、これに限定されるものではな
く、前述のとおりシリコン・ゲルマニウム等も用いるこ
とができるものである。そして、シリコンを75%以上
含むシリコン・ゲルマニウムから成る半導体薄膜を用い
たものでも、上記実施例と同様な半導体装置が製造でき
ることを確認できている。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、被膜面
をプラズマ中に曝すことなく、樹脂基板又は樹脂フィル
ム上に第1の無機絶縁体薄膜を形成しているので、基板
と薄膜の間に高い密着性を保ったまま、比較的効率よく
無機絶縁体薄膜を形成することができる。また、予め、
この第1の無機絶縁体薄膜で基板面を保護できるので、
第2の無機絶縁体簿膜を形成する際に加わる制限を緩和
でき、優れた膜質の絶縁体薄膜を形成することが可能で
ある。特に、基板に与える損傷の大きな酸素プラズマ又
は窒素プラズマを成膜時に用いることが可能となるの
で、絶縁体として無機酸化物又は無機窯化物を用いる際
には有効である。
【0072】さらに、本発明によれば、絶縁体として酸
化シリコンを用いる場合には、第1の無機絶縁体薄膜は
一酸化シリコンもしくはこれに近い組成とすることがで
き、結合の活性度が高く、基板との密着性をより高める
ことができる。この場合、よりすぐれた膜質の二酸化シ
リコンを第2の無機絶縁体薄膜として形成することがで
きるので、絶縁体としての機能は第2の無機絶縁体薄膜
が担うようにすることができる。
【0073】また、本発明を用いれば、基板が樹脂基板
又は樹脂フィルムであっても、このように比較的効率よ
く、しかも良質の無機絶縁体薄膜を得ることができるの
で、生産性の低下、生産コストの上昇の問題を回避しつ
つ、樹脂基板又は樹脂フィルム上の半導体装置を得るこ
とが可能となる。
【0074】また、本発明によれば、半導体特性の優れ
たシリコン又はシリコン・ゲルマニウムを、連続使用可
能温度が200℃以下の樹脂基板又は樹脂フィルム上で
容易にレーザ結晶化することが可能となる。この結果、
優れた特性の半導体装置を得るのに、連続使用可能温度
が200℃よりも大きな特殊な基板を使用する必要がな
くなるので、基板の選択性が大いに広がり、コストや応
用性の点で非常に有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、2の実施例の半導体装置の製造
方法の工程を説明するための要部側面断面図である。
【図2】本発明の第3の実施例の半導体装置の製造方法
の工程を説明するための要部側面断面図である。
【図3】本発明の第4の実施例の半導体装置の製造方法
の工程を説明するための要部側面断面図である。
【図4】本発明の第5の実施例の半導体装置の製造方法
の工程を説明するための要部側面断面図である。
【符号の説明】
11,21,41 樹脂基板 12,22,32,42 第1の無機絶縁体薄膜 13,24,35,44 第2の無機絶縁体薄膜 14,25,36,43 半導体薄膜 15,34 無機絶縁体薄膜 16,26,37,45 半導体装置 31 樹脂フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/473 H01L 21/473 27/12 27/12 R 21/336 29/78 627G

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被膜面をプラズマ中に曝すことなく樹脂
    基板又は樹脂フィルム上に第1の無機絶縁体薄膜を形成
    する工程と、被膜面をプラズマ中に曝しつつ該第1の絶
    縁体薄膜上に第2の無機絶縁体薄膜を形成する工程と、
    前記第1の無機絶縁体薄膜上又は前記第2の無機絶縁体
    薄膜上に半導体薄膜を形成する工程とを含むことを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 不活性ガスのみのプラズマを用いたスパ
    ッタ法により樹脂基板又は樹脂フィルム上に第1の無機
    絶縁体薄膜を形成する工程と、被膜面をプラズマ中に曝
    しつつ該第1の絶縁体薄膜上に第2の無機絶縁体薄膜を
    形成する工程と、前記第1の無機絶縁体薄膜上又は前記
    第2の無機絶縁体薄膜上に半導体薄膜を形成する工程と
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の半導体装置の製
    造方法において、 前記第1の無機絶縁体薄膜として無機酸化物又は無機窒
    化物から成る無機絶縁体薄膜を形成し、前記第2の無機
    絶縁体薄膜として無機酸化物又は無機窒化物から成る無
    機絶縁体薄膜を形成することを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の半導体装置の製造方法
    において、 前記第1の絶縁体薄膜としてSiOx1(1≦x1≦2)
    から成る無機絶縁体薄膜を形成し、前記第2の絶縁体簿
    膜としてSiOx2(1≦x2≦2、x1<x2)から成
    る無機絶縁体薄膜を形成することを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    半導体装置の製造方法において、 前記第1の無機絶縁体薄膜形成後、連続して前記第2の
    無機絶縁体薄膜を形成することを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    半導体装置の製造方法において、 前記第1の無機絶縁体薄膜形成後、該第1の無機絶縁体
    薄膜上に金属電極を形成してから、前記第2の無機絶縁
    体薄膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1項に記載の
    半導体装置の製造方法において、 前記半導体薄膜の形成工程の後、該半導体薄膜の少なく
    とも一部をレーザー光又はエネルギービームにより結晶
    化又は再結晶化する工程を含むことを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか1項に記載の
    半導体装置の製造方法において、 前記半導体薄膜としてシリコン又はシリコン・ゲルマニ
    ウムから成る半導体薄膜を形成することを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1から8のいずれか1項に記載の
    半導体装置の製造方法において、 前記樹脂基板又は樹脂フィルムとして連続使用可能温度
    が200℃以下の材料からなるものを用いることを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
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