JPH1016749A - 車両用アンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents

車両用アンチロックブレーキ制御装置

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JPH1016749A
JPH1016749A JP17331996A JP17331996A JPH1016749A JP H1016749 A JPH1016749 A JP H1016749A JP 17331996 A JP17331996 A JP 17331996A JP 17331996 A JP17331996 A JP 17331996A JP H1016749 A JPH1016749 A JP H1016749A
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JP
Japan
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control
brake
front wheel
fluid pressure
speed
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JP17331996A
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English (en)
Inventor
Isao Matsuno
功 松野
Teruyasu Ishikawa
照泰 石川
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NEC Home Electronics Ltd
Nissin Kogyo Co Ltd
NEC Corp
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NEC Home Electronics Ltd
Nissin Kogyo Co Ltd
Nippon Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マスタシリンダおよび車輪ブレーキ間に介設さ
れる常開型電磁弁を有して前記車輪ブレーキの液圧を調
整可能なブレーキ液圧調整手段と、車輪速度を検出する
車輪速度検出手段と、該車輪速度検出手段で得られた車
輪速度に基づいてブレーキ液圧の制御量を設定するとと
もに該制御量に応じてブレーキ液圧調整手段の作動を制
御する制御量決定手段とを備える車両用アンチロックブ
レーキ制御装置において、アンチロックブレーキ制御の
続行が無意味であるとして通常ブレーキ状態に復帰させ
る際に、車体挙動に悪影響が及ぶことを回避する。 【解決手段】ブレーキ液圧の保持あるいは減圧状態が所
定時間以上継続するのに応じて制御中断判定手段31か
ら中断信号が出力されたときに、制御量決定手段34
は、ブレーキ液圧を段階的にマスタシリンダの出力圧に
復帰させるように常開型電磁弁の作動を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスタシリンダお
よび車輪ブレーキ間に介設される常開型電磁弁を有して
前記車輪ブレーキの液圧を調整可能なブレーキ液圧調整
手段と、車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、該車
輪速度検出手段で得られた車輪速度に基づいてブレーキ
液圧の制御量を設定するとともに該制御量に応じてブレ
ーキ液圧調整手段の作動を制御する制御量決定手段とを
備える車両用アンチロックブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかるアンチロックブレーキ制御
装置では、極めて低い摩擦係数の路面等でアンチロック
ブレーキ制御を続けても車輪速度の復帰が望めないと
き、すなわちブレーキ圧の減圧あるいは保持状態が、マ
スタシリンダおよび車輪ブレーキ間に介設される常開型
電磁弁のソレノイドへの長時間の電流印加状態が継続し
たときに、アンチロックブレーキ制御をそのまま継続す
ることが無意味であるとしてソレノイドへの電流印加停
止によって常開型電磁弁を開弁し、マスタシリンダの出
力液圧を車輪ブレーキに作用せしめる通常ブレーキ状態
に復帰させるような制御を行なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ブレーキ圧
の減圧あるいは保持状態の長時間継続による常開型電磁
弁のソレノイドへの長時間連続した電流印加の後で、通
常ブレーキ状態に強制的に復帰させると、車輪ブレーキ
のブレーキ圧が急激に増圧され、車体挙動に悪影響を及
ぼすおそれがある。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、アンチロックブレーキ制御が無意味であると
して通常ブレーキ状態に復帰させる際に、車体挙動に悪
影響が及ぶことを回避した車両用アンチロックブレーキ
制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、マスタシリンダおよび車輪ブレーキ間に
介設される常開型電磁弁を有して前記車輪ブレーキの液
圧を調整可能なブレーキ液圧調整手段と、車輪速度を検
出する車輪速度検出手段と、該車輪速度検出手段で得ら
れた車輪速度に基づいてブレーキ液圧の制御量を設定す
るとともに該制御量に応じてブレーキ液圧調整手段の作
動を制御する制御量決定手段とを備える車両用アンチロ
ックブレーキ制御装置において、ブレーキ液圧調整手段
の常開型電磁弁を閉弁したブレーキ液圧の保持あるいは
減圧状態が所定時間以上継続したときにアンチロックブ
レーキ制御の続行が無意味であるとして中断信号を出力
する制御中断判定手段を含み、制御量決定手段は、制御
中断判定手段からの中断信号入力に応じてブレーキ液圧
を段階的にマスタシリンダの出力圧に復帰させるように
前記常開型電磁弁の作動を制御すべく構成されることを
特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0007】図1ないし図8は本発明を自動二輪車に適
用したときの実施例を示すものであり、図1は自動二輪
車のブレーキ装置の全体構成図、図2は制御ユニットの
構成を示すブロック図、図3は車体速度推定手順を示す
フローチャート、図4は車輪速度に基づく推定車体速度
の演算処理を説明するための図、図5は前輪制御部の構
成を示すブロック図、図6は制御モードを定めるマップ
を示す図、図7は制御中断判定手段での判定処理手順を
示すフローチャート、図8は制御中断に伴なう車輪速
度、ブレーキ液圧および制御モードの変化を示す図であ
る。
【0008】先ず図1において、ブレーキレバー1の操
作に応じた液圧を出力するマスタシリンダ2と、自動二
輪車の前輪に装着された左右一対の前輪ブレーキBF1
F2との間には、両前輪ブレーキBF1,BF2のブレーキ
液圧を調整可能なブレーキ液圧調整手段3F が設けられ
る。またブレーキペダル4の操作に応じた液圧を出力す
るマスタシリンダ5と、自動二輪車の後輪に装着された
後輪ブレーキBR との間には、該後輪ブレーキBR の液
圧を調整可能なブレーキ液圧調整手段3R が設けられ
る。
【0009】ブレーキ液圧調整手段3F は、リザーバ6
F と、両前輪ブレーキBF1,BF2およびマスタシリンダ
2間に設けられる常開型電磁弁7F と、リザーバ6F
よび両前輪ブレーキBF1,BF2間に設けられる常閉型電
磁弁8F と、両前輪ブレーキBF1,BF2側からマスタシ
リンダ2側にブレーキ液が流通することを許容して常開
型電磁弁7F に並列に接続されるチェック弁9F と、吸
入口が吸入弁10F を介してリザーバ6F に接続される
とともに吐出口が吐出弁12F を介してマスタシリンダ
2に接続される戻しポンプ11F とを備える。
【0010】またブレーキ液圧調整手段3R は、リザー
バ6R 、常開型電磁弁7R 、常閉型電磁弁8R 、チェッ
ク弁9R 、吸入弁10R 、戻しポンプ11R および吐出
弁12R を備えて、前記ブレーキ液圧調整手段3F と同
様に構成される。
【0011】しかもブレーキ液圧調整手段3F の戻しポ
ンプ11F と、ブレーキ液圧調整手段3R の戻しポンプ
11R とは、共通のモータ13により駆動される。
【0012】ブレーキ液圧調整手段3F における常開型
電磁弁7F および常閉型電磁弁8Fと、ブレーキ液圧調
整手段3R における常開型電磁弁7R および常閉型電磁
弁8 R と、モータ13とは、制御ユニット14により制
御される。この制御ユニット14には、前輪に固着され
たパルサーギア15F の側面に対向して固定配置される
前輪用車輪速度センサ16F 、後輪に固着されたパルサ
ーギア15R の側面に対向して固定配置される後輪用車
輪速度センサ16R 、前輪ブレーキ用ブレーキスイッチ
17F および後輪用ブレーキスイッチ17R の出力信号
がそれぞれ入力されており、制御ユニット14は、それ
らのセンサ16F ,16R およびスイッチ17F ,17
R の出力に応じて前記常開型電磁弁7F ,7R 、常閉型
電磁弁8 F ,8R およびモータ13の作動を制御する。
【0013】制御ユニット14において、アンチロック
ブレーキ制御に関連する部分の構成について図2を参照
しながら説明すると、制御ユニット14は、前輪用のブ
レーキ液圧調整手段3F に対応して前輪用車輪速度演算
手段20F 、車輪加速度演算手段としての前輪用車輪加
・減速度演算手段21F 、前輪用車体速度演算手段22
F および前輪側制御部23F を備えるとともに、後輪用
のブレーキ液圧調整手段3R に対応して後輪用車輪速度
演算手段20R 、車輪加速度演算手段としての後輪用車
輪加・減速度演算手段21R 、後輪用車体速度演算手段
22R および後輪側制御部23R を備え、さらに両ブレ
ーキ液圧調整手段3F ,3R に共通にして車体速度推定
手段としての基準車体速度設定手段24を備える。
【0014】而して前輪側制御部23F で定められた制
御量は前輪用ソレノイド駆動手段25F に入力され、こ
の前輪用ソレノイド駆動手段25F により前輪用のブレ
ーキ液圧調整手段3F における常開型電磁弁7F および
常閉型電磁弁8F が開閉駆動され、また後輪側制御部2
R で定められた制御量は後輪用ソレノイド駆動手段2
R に入力され、この後輪用ソレノイド駆動手段25R
により後輪用のブレーキ液圧調整手段3R における常開
型電磁弁7R および常閉型電磁弁8R が開閉駆動され、
さらに両ブレーキ液圧調整手段3F ,3R に共通なモー
タ13は、アンチロックブレーキ制御を実行するための
制御量が前輪側および後輪側制御部23 F ,23R から
モータ駆動手段26に与えられるのに応じて、該モータ
駆動手段26により作動せしめられる。
【0015】前輪用車輪速度演算手段20F は、前輪用
車輪速度センサ16F の出力信号を受けて前輪速度を演
算するものであり、該前輪用車輪速度センサ16F とと
もに前輪用車輪速度検出手段19F を構成する。また後
輪用車輪速度演算手段20Rは、後輪用車輪速度センサ
16R の出力信号を受けて後輪速度を演算するものであ
り、該後輪用車輪速度センサ16R とともに後輪用車輪
速度検出手段19R を構成する。
【0016】ところで、両車輪加・減速度演算手段21
F ,21R 、両車体速度演算手段22F ,22R 、なら
びに前輪側および後輪側制御部23F ,23R は、それ
ぞれ同一の機能を有するものであり、以下、前輪用車輪
加・減速度演算手段21F 、前輪用車体速度演算手段2
F 、前輪側制御部23F についてのみ説明し、後輪用
車輪加・減速度演算手段21R 、後輪用車体速度演算手
段22R および後輪側制御部23R についての説明を省
略する。
【0017】前輪用車輪加・減速度演算手段21F は、
前輪用車輪速度検出手段19F における前輪用車輪速度
演算手段20F で得られた前輪速度を微分して前輪の加
・減速度を得るものである。
【0018】前輪用車体速度演算手段22F は、前輪用
車輪速度検出手段19F で検出された前輪速度、ならび
に前輪用車輪加・減速度演算手段21F で算出された前
輪加・減速度に基づいて前輪用の推定車体速度を演算す
るものであり、図3で示す処理手順に従って推定車体速
度を演算する。
【0019】図3のステップS1では、前輪用車輪速度
検出手段19F で検出された前輪速度VW、ならびに前
輪用車輪加・減速度演算手段21F で算出された前輪加
・減速度dVWを読込み、ステップS2では、フラグF
が「0」であるか否かを判断し、F=0であったときに
はステップS3で前輪速度VWを推定車体速度VRとし
た後、ステップS4でフラグFを「1」に設定する。こ
のステップS1〜S4は、推定車体速度の演算開始時の
処理ステップであり、次の演算処理サイクルでは、F=
1であるのでステップS2からステップS5に進むこと
になる。
【0020】ステップS5では、今回の車輪速度VW
(n) が前回の推定車体速度VR(n-1)以下であるか否
か、すなわち前輪速度が等速あるいは減速過程にあるか
どうかを判断し、等速あるいは減速過程にあると判断し
たときにはステップS6に進んで、dVW≦α1である
か否か、すなわち前輪速度の減速度が設定減速度α1
(たとえば−1G)以上であるか否かを判断する。而し
てVW(n)≦VR(n−1)であるとき、すなわち前
輪速度が等速あるいは減速過程にあると判断し得るとき
には、ステップS6に進んで、フラグFα2を「0」と
し、次のステップS7でFα1=1であるか否かを判断
する。このフラグFα1は、減速過程で加・減速度を設
定減速度α1に設定したときに「1」となるものであ
り、最初の処理サイクルではFα1=0であるのでステ
ップS7からステップS8に進む。
【0021】ステップS8ではdVW≦α1であるか否
か、すなわち前輪速度の減速度が設定減速度α1以上の
減速度であるか否かを判断する。而してdVW≦α1で
あったときには、ステップS9で加・減速度αを設定減
速度α1に設定し、ステップS10でフラグFα1を
「1」に設定した後、ステップS11に進む。
【0022】ステップS11では、推定車体速度VRの
演算を行なうものであり、前回の推定車体速度をVR(n
-1) とし、演算処理サイクルの時間をΔT(たとえば3
m秒)としたときに、今回の推定車体速度VR(n) を、 VR(n) =VR(n-1) +α・ΔT として演算する。
【0023】またステップS8でdVW>α1であると
判定したときには、ステップS12で加・減速度αを前
輪加・減速度dVWに定めた後、ステップS11に進む
ことになり、さらにステップS7でFα1=1であると
判定したときにもステップS7からステップS11に進
むことになる。すなわち、前輪速度の減速過程では、前
輪加・減速度dVWが設定減速度α1以上の減速度とな
ったときには、それ以降の減速過程では設定減速度α1
で車体速度が減速しているものとして推定車体速度VR
の演算を行なうことになる。
【0024】ステップS5でVW(n) >VR(n-1) であ
ると判断したとき、すなわち前輪速度が増速過程にある
と判断したときには、ステップS5からステップS13
に進み、このステップS13でフラグFα1=0と設定
した後、ステップS14において、フラグFα2=1で
あるか否かを判定する。このフラグFα2は、増速過程
で加・減速度を設定加速度α2に設定したときに「1」
となるものであり、増速過程の最初の処理サイクルでは
Fα2=0であるのでステップS14からステップS1
5に進むことになり、ステップS15でdVW≧α2で
あるか否か、すなわち前輪速度の加速度が設定加速度α
2以上であるか否かを判断する。而してdVW≧α2で
あったときには、ステップS16で加・減速度αを設定
加速度α2に設定した後、ステップS17においてフラ
グFα2=1と設定した後にステップS11に進む。ま
たdVW<α2であったときには、ステップS18で加
・減速度αを前輪加・減速度dVWに定めた後、ステッ
プS11に進み、ステップS14でFα2=1と判定し
たときにはそのままステップS11に進むことになる。
すなわち、前輪速度の増速過程では、前輪加・減速度d
VWが設定加速度α2以上の加速度となったときには、
それ以降の増速過程では設定加速度α2で車体速度が増
速しているものとして推定車体速度VRの演算を行なう
ことになる。
【0025】このような前輪用車体速度演算手段22F
の演算によれば、推定車体速度は図4で示すようにな
り、前輪速度の減速過程では、設定減速度α1以上の減
速度とならないようにして前輪速度の減速度を用いた推
定車体速度VRの演算を行ない、また前輪速度の増速過
程では、設定加速度α2以上の加速度とならないように
して前輪速度の加速度を用いた推定車体速度VRの演算
を行なうことになる。
【0026】而して設定加速度α2は、たとえば+1G
であるが、アンチロックブレーキ制御時にはより大きな
値に設定するようにしてもよく、また車体減速度に応じ
て変化せしめるようにしてもよい。
【0027】基準車体速度設定手段24は、前輪用車体
速度演算手段22F で演算した前輪用推定車体速度、な
らびに後輪用車体速度演算手段22R で演算した後輪用
推定車体速度に基づいて、前輪および後輪のスリップ率
を判断する基準となる推定車体速度を設定するものであ
り、たとえば前輪用および後輪用車体速度演算手段22
F ,22R でそれぞれ演算した推定車体速度のハイセレ
クト値を、基準となる推定車体速度として選択する。
【0028】前輪側制御部23F は、前輪用車輪速度検
出手段19F で検出された前輪速度、前輪用車輪加・減
速度演算手段21F で得られた前輪加・減速度、ならび
に基準車体速度設定手段24で得られた推定車体速度に
基づいて、前輪ブレーキBF1,BF2のブレーキ液圧制御
量を定めるものであり、図5で示すように構成される。
【0029】図5において、前輪制御部23F は、スリ
ップ率演算手段28と、目標スリップ率演算手段29
と、偏差算出手段30と、制御中断判定手段31と、摩
擦係数判定手段32と、PID演算手段33と、制御量
決定手段34とを備える。
【0030】スリップ率演算手段28は、前輪用車輪速
度検出手段19F で検出された車輪速度、ならびに基準
車体速度設定手段24で得られた推定車体速度に基づい
て、前輪のスリップ率を演算するものである。すなわち
スリップ率をSR、推定車体速度をVR、前輪速度をV
Wとしたときに、スリップ率SRは、 SR=(VR−VW)/VR としてスリップ率演算手段28により演算される。
【0031】目標スリップ率設定手段29では、基準車
体速度設定手段24で得られた推定車体速度に基づい
て、該推定車体速度での走行時に目標となるスリップ率
が目標スリップ率SRobj として設定される。
【0032】偏差算出手段30では、目標スリップ率設
定手段29で設定された目標スリップ率SRobj と、ス
リップ率演算手段28で演算されたスリップ率SRとの
偏差ΔS(=SRobj −SR)が算出される。
【0033】摩擦係数判定手段32には、基準車体速度
設定手段24で得られた推定車体速度、ならびに前輪用
車輪速度検出手段19F で得られた前輪速度が入力され
ており、該摩擦係数判定手段32は、推定車体速度およ
び前輪速度に基づいて演算した車体減速度と、予め設定
した値との比較により路面の摩擦係数を判定する。
【0034】PID演算手段33では、偏差算出手段3
0で得られた偏差ΔSに基づき、次のようなPID演算
が行なわれ、演算結果としてのPID演算値Kpid がP
ID演算手段33で得られる。
【0035】Kpid =Kp ×ΔS+Ki ×ΣΔS+Kd
×{ΔS(n-3) −ΔS(n) } すなわちPID演算手段33では、偏差ΔSにゲイン定
数Kp を乗じる比例演算と、偏差ΔSの積和ΣΔSにゲ
イン定数Ki を乗じる積分演算と、所定時間前(たとえ
ば3回前)の偏差ΔS(n-3) ならびに現在の偏差ΔS
(n) の差にゲイン定数Kd を乗じる微分演算と、それら
の演算値の加算演算とが行なわれることになる。
【0036】制御量決定手段34には、前輪用車輪加・
減速度演算手段21F で得られた車輪加・減速度、基準
車体速度設定手段24で得られた推定車体速度およびP
ID演算手段33の出力が入力され、この制御量決定手
段34では、アンチロックブレーキ制御時のブレーキ圧
の制御量が次のように定められる。
【0037】すなわち、PID演算手段33から入力さ
れるPID演算値Kpid を予め設定されたマップ上のし
きい値K1 ,K2 と比較して制御モードが決定されるも
のであり、該マップは、図6で示すように設定される。
このマップは、基準車体速度設定手段24で得られた推
定車体速度によって変化するしきい値K1 ,K2 によっ
て定まる減圧モード、保持モードおよび増圧モードの領
域が、摩擦係数判定手段32による路面の摩擦係数判定
結果に応じて複数準備される。しかもしきい値K1 ,K
2 は、車輪速度が減速中であるか、加速中であるかによ
って変化せしめられるものであり、車輪速度が減速中で
あるときには図6の破線で示すようにK 1 ,K2 が設定
されるのに対し、車輪が加速中であるときには図6の実
線で示すようにK1 ,K2 が設定される。すなわち車輪
速度が減速中であるときの方が加速中であるときよりも
しきい値K1 ,K2 がわずかに大きく設定される。
【0038】このマップに基づけば、Kpid ≦K1 のと
きには減圧モードが選択され、K1<Kpid ≦K2 のと
きには保持モードが選択され、さらにK2 <Kpid のと
きには増圧モードが選択されることになる。而して減圧
モードでは、ブレーキ液圧調整手段3F において、常開
型電磁弁7F を閉じた状態で常閉型電磁弁8F が所定の
デューティで開弁制御され、保持モードでは常開型電磁
弁7F および常閉型電磁弁8F がともに閉じられ、さら
に増圧モードでは常閉型電磁弁8F を閉じた状態で常開
型電磁弁7F が開弁制御される。
【0039】制御中断判定手段31には、現在の制御モ
ードを示す信号が制御量決定手段34から入力され、こ
の制御量決定手段34からの信号に基づく制御中断判定
が図7で示す手順に従って制御中断判定手段31で行な
われ、その判定結果が制御中断判定手段31から制御量
決定手段34に与えられる。
【0040】図7のステップS101では、現在が増圧
モードとなっているか否かを判断し、増圧モードではな
いとき、すなわち減圧モードあるいは保持モードである
ときには、ステップS102に進む。このステップS1
02においては、減圧モードあるいは保持モードの状態
が所定時間T1(たとえば500m秒)を超えて継続し
ているか否か、すなわち常開型電磁弁7F のソレノイド
への電流印加が所定時間T1(たとえば500m秒)を
超えて継続しているか否かを判断し、超えていると判断
したときにステップS103で中断信号を出力する。
【0041】制御量決定手段34は、制御中断判定手段
31からの中断信号が入力されるのに応じて、ブレーキ
液圧を段階的にマスタシリンダ2の出力圧に復帰させる
べく常開型電磁弁7F の作動を制御するための信号を出
力するものであり、常開型電磁弁7F の全開による増圧
モード時に比べて開弁デューティを半減させた緩増圧モ
ードとするための信号が制御中断判定手段31からの中
断信号入力時から一定時間T2(たとえば300m秒)
だけ、制御量決定手段34から前輪用ソレノイド駆動手
段25F に与えられ、その後、常開型電磁弁7F を全開
させた増圧モードとするための信号が制御量決定手段3
4から前輪用ソレノイド駆動手段25Fに与えられる。
【0042】次にこの実施例の作用について図8を参照
しながら説明すると、路面の摩擦係数が極めて低いこと
に起因して、アンチロックブレーキ制御中に減圧モード
が長時間連続しても、車輪速度がなかなか復帰しないと
きには、減圧モードの継続時間が所定時間T1を超えた
ときに、制御中断判定手段31からの中断信号が制御量
決定手段34に入力され、それに応じて制御モードが一
定時間T2だけ持続する緩増圧モードを経て全開増圧モ
ードへと変化せしめられ、ブレーキ液圧がマスタシリン
ダ2,5の出力圧に段階的に復帰することになる。した
がって車輪速度は緩やかに低下し、車体挙動の急変が生
じることはない。
【0043】一方、制御中断判定手段31からの中断信
号が制御量決定手段34に入力されるのに応じて、図8
の破線で示すように、直ちに全開増圧モードへと制御モ
ードを変化させたときには、車輪速度が破線で示すよう
に急激にロック状態へと向かい、車体挙動の急変が生じ
ることになるのである。
【0044】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0045】たとえば本発明は、自動二輪車だけでなく
四輪の乗用車両にも適用可能である。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ブレーキ
液圧の保持あるいは減圧状態が所定時間以上継続するの
に応じて制御中断判定手段から中断信号が出力されたと
きに、ブレーキ液圧を段階的にマスタシリンダの出力圧
に復帰させるべく常開型電磁弁の作動が制御されること
により、アンチロックブレーキ制御の続行が無意味であ
るとして車輪ブレーキのブレーキ圧をマスタシリンダの
出力圧に復帰させるにあたって、車体挙動の急変が生じ
ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動二輪車のブレーキ装置の全体構成図であ
る。
【図2】制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】車体速度推定手順を示すフローチャートであ
る。
【図4】車輪速度に基づく推定車体速度の演算処理を説
明するための図である。
【図5】前輪制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】制御モードを定めるマップを示す図である。
【図7】制御中断判定手段での判定処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図8】制御中断に伴なう車輪速度、ブレーキ液圧およ
び制御モードの変化を示す図である。
【符号の説明】
2,5・・・マスタシリンダ 3F ,3R ・・・ブレーキ液圧調整主端 7F ,7R ・・・常開型電磁弁 19F ,19R ・・・車輪速度検出手段 31・・・制御中断判定手段 34・・・制御量決定手段 BF1,BF2,BR ・・・車輪ブレーキ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタシリンダ(2,5)および車輪ブ
    レーキ(BF1,BF2;BR )間に介設される常開型電磁
    弁(7F ,7R )を有して前記車輪ブレーキ(BF1,B
    F2;BR )の液圧を調整可能なブレーキ液圧調整手段
    (3F ,3R )と、車輪速度を検出する車輪速度検出手
    段(19F ,19R )と、該車輪速度検出手段(1
    F ,19R )で得られた車輪速度に基づいてブレーキ
    液圧の制御量を設定するとともに該制御量に応じてブレ
    ーキ液圧調整手段(3F ,3R )の作動を制御する制御
    量決定手段(34)とを備える車両用アンチロックブレ
    ーキ制御装置において、ブレーキ液圧調整手段(3F
    R )の常開型電磁弁(7F ,7R )を閉弁したブレー
    キ液圧の保持あるいは減圧状態が所定時間以上継続した
    ときにアンチロックブレーキ制御の続行が無意味である
    として中断信号を出力する制御中断判定手段(31)を
    含み、制御量決定手段(34)は、制御中断判定手段
    (31)からの中断信号入力に応じてブレーキ液圧を段
    階的にマスタシリンダ(2,5)の出力圧に復帰させる
    ように前記常開型電磁弁(7F ,7R )の作動を制御す
    べく構成されることを特徴とする車両用アンチロックブ
    レーキ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20190084539A1 (en) * 2017-09-19 2019-03-21 Advics Co., Ltd. Brake control apparatus
US10933851B2 (en) * 2017-09-19 2021-03-02 Advics Co., Ltd. Brake control apparatus

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