JPH1016378A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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Publication number
JPH1016378A
JPH1016378A JP8169372A JP16937296A JPH1016378A JP H1016378 A JPH1016378 A JP H1016378A JP 8169372 A JP8169372 A JP 8169372A JP 16937296 A JP16937296 A JP 16937296A JP H1016378 A JPH1016378 A JP H1016378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording paper
alkylene oxide
jet recording
ink jet
hydrophilic polymer
Prior art date
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Pending
Application number
JP8169372A
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English (en)
Inventor
Keiji Obayashi
啓治 大林
Hideyuki Anzai
秀行 安斉
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Publication of JPH1016378A publication Critical patent/JPH1016378A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いインク吸収性を有し、しかも得られた画
像が経時での滲みやドットサイズの増加を抑制して画像
の鮮鋭度や色調変化を改良し、さらに印字後の乾燥性も
改良したインクジェット記録用紙の提供。 【解決手段】 支持体上に、繰り返し単位として、少な
くともアルキレンオキサイド基を有し、かつ、平均分子
量が2万〜50万の親水性ポリマーを含有する親水性バ
インダー層を有するインクジェット記録用紙において、
該親水性バインダー層が該アルキレンオキサイド基を有
する親水性ポリマーに対して0.5倍以上のビニルピロ
リドンの単独重合体および/または共重合体を含有する
ことを特徴とするインクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクを用い
て記録を行うインクジェット記録用紙に関し、特にイン
ク吸収性と記録後の画像の経時滲みを改善したインクジ
ェット記録用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有している。この方式で従来から問題となっていたノ
ズルの目詰まりとメンテナンスについては、インクおよ
び装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンタ
ー、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな
分野に急速に普及している。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明
るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドット
が重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が
要求される。
【0004】特にインク吸収速度が遅い場合には、2色
以上のインク液滴が重なって記録される際に、記録用紙
上で液滴がハジキ現象を起こしてムラになったり、ま
た、異なる色の境界領域でお互いの色が滲んだりして画
質を大きく低下させやすいために、記録用紙としては高
いインク吸収性を持たせるようにすることが必要であ
る。
【0005】これらの問題を解決するために、従来から
非常に多くの技術が提案されている。
【0006】例えば、特開昭52−53012号公報に
記載されている低サイズ原紙に表面加工用の塗料を湿潤
させた記録用紙、特開昭55−5830号に記載されて
いる支持体表面にインク吸収性の塗層を設けた記録用
紙、特開昭56−157号公報に記載されている被履層
中の顔料として非膠質シリカ粉末を含有する記録用紙、
特開昭57−107878号に記載されている無機顔料
と有機顔料を併用した記録用紙、特開昭58−1102
87号公報に記載されている2つの空孔分布ピークを有
する記録用紙、特開昭62−111782号に記載され
ている上下2層の多孔質層からなる記録用紙、特開昭5
9−68292号、同59−123696号および同6
0−18383号公報などに記載されている不定形亀裂
を有する記録用紙、特開昭61−135786号、同6
1−148092号および同62−149475号公報
等に記載されている微粉末層を有する記録用紙、特開昭
63−252779号、特開平1−108083号、同
2−136279号、同3−65376号および同3−
27976号等に記載されている特定の物性値を有する
顔料や微粒子シリカを含有する記録用紙、特開昭57−
14091号、同60−219083号、同60−21
0984号、同61−20797号、同61−1881
83号、特開平5−278324号、同6−92011
号、同6−183134号、同7−137431号、同
7−276789号等に記載されているコロイド状シリ
カ等の微粒子シリカを含有する記録用紙、および特開平
2−276671号公報、同3−67684号公報、同
3−215082号、同3−251488号、同4−6
7986号、同4−263983号および同5−165
17号公報などに記載されているアルミナ水和物微粒子
を含有する記録用紙等が多数知られている。
【0007】しかし、インク受容層がインクを吸収した
り保持するための空隙を多く有する層のみから構成され
る場合、空隙の多いインク受容層が空気との界面や皮膜
表面のミクロな凹凸を多く有することになり、インク受
容層への入射光が散乱されたり、透過が妨げられるため
に、光沢が出にくくなったり不透明になりやすい。
【0008】また、空隙を形成するため顔料自身の凹凸
や顔料の2次凝集体の凹凸による皮膜表面の平滑性が低
下して光沢が出にくい欠点がある。
【0009】一方、皮膜中に空隙を設けることなくイン
ク吸収層のバインダーの膨潤作用でインクを吸収、保持
するタイプのインクジェット記録用紙も数多く知られて
いる。
【0010】例えば、バインダーとしてゼラチン、カゼ
イン、澱粉、アルギン酸、ポリビニルアルコール、各種
の変成ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキエチルセルロー
ス、デキストラン、プルラン等の親水性バインダーを支
持体上に塗布した記録紙やフィルム等も従来から数多く
知られている。
【0011】これらの記録用紙はインク吸収性が上記空
隙を有する記録用紙に比べて劣るものの高い光沢性や光
学濃度、鮮明な画像が得られ高画質記録用途として有用
である。
【0012】中でも、ポリエチレングリコールおよびこ
れに類似した親水性ポリマーを含有した記録用紙はイン
ク吸収性が特に良好であり、インク吸収性の観点からは
好ましい。
【0013】従来からポリエチレングリコールをインク
ジェット記録用紙のインク吸収性層中に含有せしめるこ
とは広く知られている。
【0014】特開平2−1359号には透明な支持体上
にポリアルキレンオキサイドとアミノ基不活性化ゼラチ
ン(いわゆる誘導体ゼラチン)とを併用した親水性層を
設け、インク吸収性、透明度、カール特性を改良したイ
ンクジェット記録用紙が記載されている。
【0015】特開平7−9757号には、ポリエチレン
オキサイドとポリアルキレンオキサイド(但しアルキレ
ンオキサイドの炭素原子数は3〜8)との共重合体を使
用して、光透過性に優れ、ビーディング、混色滲み、経
時滲みを改良したインク受容層を有するインクジェット
記録用紙が記載されている。
【0016】特開平6−47924号には、活性水素基
を2〜4基有する化合物にエチレンオキシド及び/また
はプロピレンオキシドを付加させたポリヒドロキシル化
合物に多価カルボン酸またはその酸無水物またはその低
級アルキルエステルを反応して得られる平均分子量が2
万以上のポリマーを含む液を基材上に被覆し、高温・高
湿下でインクの乾燥性を速め、また記録面の機械的強度
を増大させたインクジェット記録用紙が記載されてい
る。
【0017】さらに、上記と類似の親水性ポリマーを含
有する記録シートが特開平7−195826号にも記載
されている。
【0018】しかしながら、本発明者らはかかるポリア
ルキレンオキサイド系の親水性ポリマーを含有する各種
の塗布液を支持体上に塗布して、インクジェット記録し
て評価したところ、確かに、ポリアルキレンオキサイド
系の親水性ポリマーの添加によりインク吸収性は大きく
向上し、ビーディングや画像のざらつき、或いは混色と
言った画像欠点が改善されるのを確認した。
【0019】しかしながら、これらの改良効果にも係わ
らず、一方で、印字された画像が経時で滲んでドットサ
イズが広がってしまい、特に中間濃度域で濃度が上昇す
るという問題がある。この濃度上昇は一般にイエロー、
マゼンタ、およびシアンの各染料で滲み具合が異なり、
濃度上昇比率も異なることから、画像全体としては変色
という現象として現れやすい事がわかった。
【0020】また、ポリアルキレンオキサイドの添加量
を増大させた場合、印字後の乾燥性が低下することも判
明した。この問題は特に支持体がインクを実質的に吸収
できない場合に顕著であることも判明した。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態に
鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、高いイ
ンク吸収性を有し、しかも得られた画像が経時での滲み
やドットサイズの増加を抑制して画像の鮮鋭度や色調変
化を改良し、さらに印字後の乾燥性も改良したインクジ
ェット記録用紙を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0023】(1) 支持体上に、繰り返し単位とし
て、少なくともアルキレンオキサイド基を有し、かつ、
平均分子量が2万〜50万の親水性ポリマーを含有する
親水性バインダー層を有するインクジェット記録用紙に
おいて、該親水性バインダー層が該アルキレンオキサイ
ド基を有する親水性ポリマーに対して0.5倍以上のビ
ニルピロリドンの単独重合体および/または共重合体を
含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0024】(2) 支持体上に、繰り返し単位とし
て、少なくともアルキレンオキサイド基を有し、かつ、
平均分子量が2万〜50万の親水性ポリマーを含有する
親水性バインダー層を有するインクジェット記録用紙に
おいて、該親水性バインダー層が酸処理ゼラチンを含有
することを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0025】(3) 支持体上に、繰り返し単位とし
て、少なくともアルキレンオキサイド基を有し、かつ、
平均分子量が2万〜50万の親水性ポリマーを含有する
親水性バインダー層を有するインクジェット記録用紙に
おいて、該親水性バインダー層が該アルキレンオキサイ
ド基を有する親水性ポリマーに対して0.2〜2倍のカ
チオン変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴
とするインクジェット記録用紙。
【0026】(4) 支持体上に、繰り返し単位とし
て、少なくともアルキレンオキサイド基を有し、かつ、
平均分子量が2万〜50万の親水性ポリマーを含有する
親水性バインダー層を有するインクジェット記録用紙に
おいて、該親水性バインダー層より支持体に近い側に4
級アンモニウム塩基を有するポリマー色素媒染剤を含有
する層を有することを特徴とするインクジェット記録用
紙。
【0027】(5) 支持体上に、繰り返し単位とし
て、少なくともアルキレンオキサイド基を有し、かつ、
平均分子量が2万〜50万の親水性ポリマーを含有する
親水性バインダー層を有するインクジェット記録用紙に
おいて、該親水性バイダー層がアルミナもしくはアルミ
ナ水和物またはカチオン変性コロイダルシリカの少なく
とも1種を含有することを特徴とするインクジェット記
録用紙。
【0028】(6) 前記アルキレンオキサイド基を少
なくとも有する親水性ポリマーが、平均分子量が2万〜
50万のポリエチレンオキサイドであることを特徴とす
る前記1〜5のいずれか1項記載のインクジェット記録
用紙。
【0029】(7) 前記アルキレンオキサイド基を少
なくとも有する親水性ポリマーが、アルキレンオキサイ
ド基を側鎖に有するモノマーの単独重合体または共重合
体であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項記
載のインクジェット記録用紙。
【0030】(8) 前記アルキレンオキサイド基を少
なくとも有する親水性ポリマーが、活性水素基を2〜4
個有する化合物にエチレンオキサイドおよび/またはア
ルキレンオキサイド(但しアルキレンオキサイドの炭素
原子数は3〜8である)を付加して得られるポリヒドロ
キシル化合物に、多価カルボン酸、多価カルボン酸の酸
無水物、多価カルボン酸の低級アルキルエステル、ジイ
ソシアネート化合物、ジハロゲン化脂肪族化合物、ビス
ハロゲン化カルボニル化合物、およびポリエポキシ化合
物から選ばれる少なくとも1種の化合物を反応させて得
られる重量平均分子量が2万〜30万の親水性ポリマー
であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項記載
のインクジェット記録用紙。
【0031】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
インクジェット記録用紙で用いられるアルキレンオキサ
イド基を少なくとも有する親水性ポリマーは、ポリマー
分子中アルキレンオキサイド基を有する親水性ポリマー
であればいかなるものであってもよいが、好ましくは、
(1)ポリエチレンオキサイド、(2)側鎖にポリアル
キレン基を有するモノマーの単独重合体または共重合
体、および、(3)活性水素基を2〜4個有する化合物
にエチレンオキサイドおよび/またはアルキレンオキサ
イド(但しアルキレンオキサイドの炭素原子数は3〜8
である)を付加して得られるポリヒドロキシル化合物
に、多価カルボン酸、多価カルボン酸の酸無水物、多価
カルボン酸の低級アルキルエステル、ジイソシアネート
化合物、ジハロゲン化脂肪族化合物、ビスハロゲン化カ
ルボニル化合物、およびポリエポキシ化合物から選ばれ
る少なくとも1種の化合物を反応させて得られる親水性
ポリマーのいずれかである。
【0032】側鎖にアルキレンオキサイド基を有する親
水性ポリマー(2)は好ましくはアルキレンオキサイド
基を有するビニルモノマーの単独重合体もしくは他の1
種類以上のビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。
【0033】上記(2)に区分される親水性ポリマーの
具体例を以下に示す。
【0034】
【化1】
【0035】活性水素基を2〜4個有する化合物にエチ
レンオキサイドおよび/またはアルキレンオキサイド
(但しアルキレンオキサイドの炭素原子数は3〜8であ
る)を付加して得られるポリヒドロキシル化合物に、多
価カルボン酸、多価カルボン酸の酸無水物、多価カルボ
ン酸の低級アルキルエステル、ジイソシアネート化合
物、ジハロゲン化脂肪族化合物、ビスハロゲン化カルボ
ニル化合物、ビスハロゲン化スルホニル化合物、および
ポリエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種の化合
物を反応させて得られる親水性ポリマー(3)は好まし
くは下記一般式(1)で表される繰り返し単位から構成
される親水性ポリマーである。
【0036】一般式(1) −(A′−X−A′−Y)− 一般式(1)において、A′は−CH2CH2O−および
−CH2CH(R)−の繰り返し単位から構成される単
位である。但し、A′中の−CH2CH2O−の比率は5
0〜100モル%以上存在することが好ましい。Rは炭
素原子数が1〜6の脂肪族基を表す。また、A′中に−
CH2CH(R)−が存在する場合、異なるRを有する
−CH2CH(R)−が2種類以上存在していても良
い。Xは活性水素基を2〜4個有する有機化合物の残基
であり、Yは多価カルボン酸、多価カルボン酸の酸無水
物、多価カルボン酸の低級アルキルエステル、ジイソシ
アネート化合物、ジハロゲン化脂肪族化合物、ビスハロ
ゲン化カルボニル化合物、ビスハロゲン化スルホニル化
合物、またはポリエポキシ化合物の残基である。
【0037】一般式(1)で表される親水性ポリマー
は、下記(a)と下記(b)を反応させることにより得
られる。
【0038】(a)活性水素基を2〜4個有する化合物
にエチレンオキサイドおよび/またはアルキレンオキサ
イド(但しアルキレンオキサイドの炭素原子数は3〜8
である)を付加して得られるポリヒドロキシル化合物 (b)多価カルボン酸、多価カルボン酸の酸無水物、多
価カルボン酸の低級アルキルエステル、ジイソシアネー
ト化合物、ジハロゲン化脂肪族化合物、ビスハロゲン化
カルボニル化合物、およびポリエポキシ化合物から選ば
れる少なくとも1種の化合物。
【0039】上記活性水素を2〜4個有する化合物とし
ては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4ブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオー
ル、1,2,4−ブタントリオール、ネオペンチルグリ
コール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール、トリエタノールアミンおよびビスフェ
ノールA等が挙げられる。
【0040】これらに付加されるアルキレンオキサイド
としては、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド
およびスチレンオキサイド等が挙げられる。これらは2
種以上を併用しても良い。
【0041】上記、(a)は上記各成分を用いて、例え
ば、水酸化カリウム等の苛性アルカリを触媒として約9
0〜200℃の温度で1〜40時間反応させて、活性水
素記を有する化合物にエチレンオキサイドおよびまたは
アルキレンオキサイドをランダムまたはブロック付加重
合させて得られる。好ましい反応物の平均分子量は約1
000以上であり、特に3000〜20000が好まし
い。
【0042】一方、上記多価カルボン酸としてはフター
ル酸、マレイン酸、テレフタール酸、クエン酸、アジピ
ン酸、セバチン酸、コハク酸、トリメリット酸等が挙げ
られる。また、酸無水物としては、無水フタル酸、無水
マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水トリ
メリット酸および無水1,8−ナフタル酸等が挙げられ
る。
【0043】多価カルボン酸の低級アルキルエステルと
しては、上記多価カルボン酸のジメチルエステル、モノ
メチルエステル、ジエチルエステル、ジブチルエステル
等が挙げられる。
【0044】また、上記ジイソシアネートとしては例え
ばジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、キシレンジイソシアネートおよび
4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)等が挙げられる。
【0045】上記ジハロゲン化脂肪族化合物としては例
えば、1,4−ジクロロブタン、1,6−ジクロロヘキ
サン、1,6−ジブロモヘキサン、および1,8−ジブ
ロモオクタン等が挙げられる。
【0046】上記ビスハロゲン化カルボニル化合物とし
ては例えば、フタロイルクロライド、テレフタロイルク
ロライド、イソフタロイルクロライド、アジポイルジク
ロライド等が挙げられる。
【0047】上記ポリエポキシ化合物としては、例え
ば、1,2;3,4−ジエポキシブタン、1,2;7,
8−ジエポキシオクタン、例えばジグリシジルヘキサヒ
ドロフタレート等が挙げられる。
【0048】次に、一般式(1)で表される親水性ポリ
マー例を表1に示す。なお、親水性ポリマーの組成は反
応物の形態で表した。但し、原料の反応比はモル比で示
した。
【0049】
【表1】
【0050】表1において、それぞれの記号は、以下の
通り、 GR:グリセリン、 DEG:ジエチレングリコール、 EG:エチレングリコール、 EO:エチレンオキサイド、 PO:プロピレンオキサイド、 SO:スチレンオキサイド、 TD:テレフタル酸ジメチルエステル、 SA:無水コハク酸、 PI:ジフェニルメタンジイソシアネート。
【0051】上記アルキレンオキサイド基を有する親水
性ポリマーの平均分子量は2〜50万のものが必要であ
る。
【0052】平均分子量が2万未満の場合には、インク
吸収性の改良効果が小さく、また、経時で該親水性ポリ
マー自身が皮膜中で移動し易くなり経時滲みがいっそう
大きく成り易い。平均分子量が50万を越える場合には
該親水性バインダーを含有する塗布液の粘度が著しく増
粘して塗布が困難になるために、添加量の上限が実際上
は大きく制約を受け、十分なインク吸収性を得る為に必
要な量を使用することができなくなる。好ましい平均分
子量の範囲は5〜40万である。
【0053】本発明のアルキレンオキサイド基含有親水
性ポリマーは該層が含有する親水性バインダーの5〜6
0重量%、好ましくは10〜50重量%の範囲である。
【0054】また、好ましいインク吸収速度およびイン
ク吸収容量を維持する観点から、該アルキレンオキサイ
ド基を含有する親水性ポリマー含有層の親水性バインダ
ーの総量は記録用紙1m2当たり3〜20g、好ましく
は4〜15gである。
【0055】本発明の請求項1の発明においては、前記
アルキレンオキサイド基を有する親水性ポリマー含有層
が、該ポリアルキレンオキサイド基を有する親水性ポリ
マーに対して0.5倍以上のビニルピロリドンの単独重
合体およびまたは共重合体を含有する事が必要である。
【0056】ビニルピロリドンの共重合体はビニルピロ
リドンと他の共重合可能な1種以上のビニルモノマーの
共重合体であり、その様な共重合可能なビニルモノマー
としては例えば、酢酸ビニルおよびその完全または部分
加水分解モノマー、ビニルメチルエーテル、メタクリル
酸またはアクリル酸およびこれらのエステル類、アクリ
ルアミドおよびそのN−アルキル付加物、スチレン、塩
化ビニル、マレイ酸およびそれらのエステル類等が挙げ
られる。
【0057】上記ビニルピロリドンの単独重合体または
共重合体の平均分子量は好ましくは5万以上であり、1
0万以上がインク吸収性を低下させないことから特に好
ましい。
【0058】また、前記アルキレンオキサイド基を有す
る親水性ポリマーに対する上記ビニルピロリドンの単独
重合体または共重合体の比率が0.5未満である場合に
は、記録した画像が経時で滲みことを防止する効果が不
十分であり、特に、0.7以上が好ましい。経時でのイ
ンク滲みを効果的に防止するに当たって特に好ましいの
は、ビニルピロリドンの単独重合体または共重合体の平
均分子量が10万以上であってかつ、アルキレンオキサ
イド基を含有する親水性ポリマーに対する比率が1以上
の場合である。この比率の上限は滲みの点では特に限定
されないが、概ね5以下である。
【0059】上記アルキレンオキサイド基含有親水性ポ
リマーを含有する層には上記以外の親水性ポリマーを使
用することができる。その様な親水性バインダーとして
は、ゼラチンまたはアミノ基不活性化ゼラチン、プルラ
ン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体(平均分子
量が約2万以上が好ましい)、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デ
キストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−
カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、
キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、
アラビアゴム、プルラン、水溶性ポリビニルブチラー
ル、あるいは、特開昭62−245260号に記載のカ
ルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの
単独またはこれらのビニルモノマーを繰り返して有する
共重合体等のポリマーを挙げることができる。特に好ま
しいのはゼラチン(中でもアルカリ処理ゼラチンが好ま
しい)またはアミノ基不活性化ゼラチンである。これら
の親水性バインダーは単独で使用しても良く、2種以上
を併用しても良い。
【0060】本発明の請求項2の発明においては、前記
アルキレンオキサイド基を有する親水性ポリマー含有層
が、酸処理ゼラチンを含有することが必要である。
【0061】酸処理ゼラチンはゼラチンの原料を塩酸、
硫酸、燐酸等で処理して得られるゼラチンであり、通常
のアルカリ処理ゼラチンとは異なる。
【0062】より詳細な説明については例えばアーサー
・ヴァイス(Arther Veis)著、ザ・マクロ
モレキュラー・ケミストリー・オブ・ゼラチン(The
Macromolecular Chemistry
of Gelatin)、Academic Pre
ss 1964年187〜217頁に記載されている
が、特に本発明で好ましく用いられる酸処理ゼラチンは
その等電点が6〜10の範囲である。等電点が6未満の
場合には色素の経時での滲みに対する改良効果が小さ
い。特に好ましいのは等電点が7〜9.5の酸処理ゼラ
チンである。
【0063】また、前記アルキレンオキサイド基を有す
る親水性ポリマーに対する上記酸処理ゼラチンの比率は
2以上、10以下が好ましい。
【0064】この比率が2未満で有る場合には、滲み防
止効果が十分でなく、また、10を越える場合にはイン
ク吸収性が不十分となり、また、インク中の有機溶媒が
完全に蒸発する迄の間、記録用紙の表面がべたつきやす
くなる。特に好ましいのは、3以上7以下である。
【0065】上記酸処理ゼラチンを含有する層中には、
上記以外の親水性ポリマー以外にも各種の親水性ポリマ
ーを含有することができる。
【0066】その様な親水性ポリマーとしては、ポリビ
ニルピロリドン(平均分子量が約20万以上が好まし
い)、プルラン、ポリビニルアルコールまたはその誘導
体(平均分子量が約2万以上が好ましい)、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキ
ストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその
塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−
カラギーナン、キサンテンガム、ローカストビーンガ
ム、アルギン酸、アラビアゴム、プルラン、水溶性ポリ
ビニルブチラール、あるいは、特開昭62−24526
0号に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビ
ニルモノマーの単独またはこれらのビニルモノマーを繰
り返して有する共重合体等のポリマーを挙げることがで
きる。これらの親水性バインダーは単独で使用しても良
く、2種以上を併用しても良い。
【0067】本発明の請求項3の発明においては、前記
アルキレンオキサイド基を有する親水性ポリマー含有層
が、カチオン変性ポリビニルアルコールを含有すること
が必要である。
【0068】本発明で用いられるカチオン変性ポリビニ
ルアルコールは、カチオン性基を有するエチレン性不飽
和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することに
より得られる。
【0069】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(−メタクリルアミドプロピル)アン
モニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジ
メチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0070】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%であ
る。
【0071】カチオン変性ポリビニルアルコールの重合
度は通常500〜4000、好ましくは1000〜40
00が好ましい。
【0072】また、酢酸ビニル基のケン化度は通常60
〜100モル%、好ましくは70〜99モル%である。
【0073】上記カチオン変性ポリビニルアルコールは
アルキレンオキサイド基を含有する親水性ポリマーに対
して0.2〜2倍(重量比)であることが必要である。
0.2倍未満の場合には、滲み防止効果が不十分とな
り、また、2倍を越えて使用した場合にはアルキレンオ
キサイド基を有する親水性ポリマーによる高いインク吸
収性が阻害されやすくなる。
【0074】上記カチオン変性ポリビニルアルコール含
有層には上記以外の親水性ポリマーを併用することがで
きる。その様な親水性ポリマーとしては、アルカリ処理
ゼラチン、酸処理ゼラチン、アミノ基不活性化ゼラチン
等の各種ゼラチンまたはその誘導体、ポリビニルピロリ
ドン(平均分子量が約20万以上が好ましい)、プルラ
ン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体(平均分子
量が約2万以上が好ましい)、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デ
キストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−
カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、
キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、
アラビアゴム、プルラン、水溶性ポリビニルブチラー
ル、あるいは、特開昭62−245260号に記載のカ
ルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマ−の
単独またはこれらのビニルモノマーを繰り返して有する
共重合体等のポリマーを挙げることができる。これらの
親水性バインダーは単独で使用しても良く、2種以上を
併用しても良い。
【0075】本発明の請求項4の発明においては、前記
アルキレンオキサイド基を有する親水性ポリマー含有層
より支持体に近い側に4級アンモニウム塩基を有するポ
リマー色素媒染剤を含有することが必要である。
【0076】インクジェット記録用紙で、色素の経時滲
みを改良するのにポリマー色素媒染剤を用いることは公
知であり、その様なポリマー色素媒染剤として3級アミ
ノ基や4級アンモニウム塩基を有するポリマー色素媒染
剤が知られている。しかしながら本発明者らの検討によ
れば、アルキレンオキサイド基を有する親水性バインダ
ーを含有する場合には3級アミノ基を有する色素媒染剤
では滲み防止効果が不十分であり、4級アンモニウム塩
基を有する媒染剤を使用した場合であっても、アルキレ
ンオキサイド基を有する親水性ポリマー含有層中に添加
した場合には滲み防止効果が大きく低減されるだけでな
く耐光性の劣化も大きいことが判明した。
【0077】即ち、アルキレンオキサイド基を含有する
親水性ポリマー層より支持体側に、4級アンモニウム塩
基を有する媒染剤を含有させることにより初めて耐光性
の劣化を極小化してしかも経時滲みをより効率的に防止
することができる。
【0078】特に本発明の効果が大きいのは、インク記
録層中が実質的に空隙を有していない場合であり、イン
クの吸収が親水性バインダーの膨潤に主としてよってい
る場合である。空隙層が実質的に形成されたいる場合に
は耐光性が劣化し、本発明の効果が減じられやすい。
【0079】本発明の記録用紙で好ましく用いられる水
溶性染料に対する媒染剤は、下記一般式(L)で表され
る重合体である。
【0080】一般式(L) −(A)x−(B)y−(C)z− 式中、Aは4級アンモニウム基を有する共重合可能な単
量体から誘導される繰り返し単位を表し、Bは少なくと
も2個のエチレン性不飽和基を有する共重合可能な単量
体から誘導される繰り返し単位を表し、Cは少なくとも
A、B以外のエチレン性不飽和基を有する共重合可能な
単量体から誘導される繰り返し単位を表す。xは10〜
98モル%、yは0〜10モル%、zは0〜90モル%
である。一般式(L)において、Aは特に好ましくは、
下記一般式(LA1)、(LA2)または(LA3)で
表される。
【0081】
【化2】
【0082】一般式(LA1)において、R1は水素原
子または炭素原子数が1〜4のアルキル基を表す。J1
は2価の連結基を表し、置換または未置換のベンジル基
または−COQ−を表す。Qは炭素原子数が1〜20の
2価の連結基であり例えばアルキレン基、アリーレン
基、−O−R0−基、−NH−R0−基(R0はアルキレ
ン基、アリーレン基、アラルキル基など)を表す。R2
〜R4は炭素原子数1〜18のアルキル基または炭素原
子数が7〜18のアラルキル基を表し、これらのアルキ
ル基またはアラルキル基は置換基を有していても良い。
-は陰イオンを表し、例えばハロゲンイオン、アルキ
ルスルホン酸イオン、アリールスルホン酸イオン、酢酸
イオン等を表す。
【0083】一般式(LA2)において、J2は単なる
結合手または2価の連結基(アルキレン基、アリーレン
基、アラルキレン基等)を表す。R1は一般式(LA
1)のR1と同義である。R5、R6はそれぞれ独立に水
素原子、またはアルキル基またはアラルキル基を表す。
7はアルキル基またはアラルキル基を表す。X-は陰イ
オンを表す。
【0084】一般式(LA3)において、R1は一般式
(LA1)のR1と同義である。R8はアルキル基を表
し、X-は陰イオンを表す。J3は単なる結合手または2
価の連結基(それぞれ置換基を有していても良いアルキ
レン基、アリーレン基またはアラルキレン基等)を表
す。
【0085】一般式(L)のAで表される繰り返し単位
を形成する単量体の例を以下に示す。
【0086】
【化3】
【0087】
【化4】
【0088】一般式(L)において、Bで表される繰り
返し単位を形成する単量体の例としては、例えば、ジビ
ニルベンゼン、エチレングリコールジメタアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラ
メチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコ
ールジメタクリレート等が挙げられる。
【0089】一般式(L)において、Cで表される繰り
返し単位を形成する単量体の例としては、例えば、エチ
レン、1−ブテン、スチレン、アクリル酸、メタクリル
酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−
オクチルアクリレート、ベンジルアクリレート、アクリ
ルニトリル、マレンイ酸、酢酸ビニル、アクリルアミド
およびヒドロキメチルメタクリレート等が挙げられる。
【0090】次に一般式(L)で表される色素媒染剤の
具体例を表2に示す。但し、表中、A、B,Cはそれぞ
れ単量体で示した。
【0091】
【表2】
【0092】表2において、B−1〜B−2、C−1〜
C−8は以下の単量体を示す。
【0093】B−1:ジビニルベンゼン B−2:エチレングリコールジメタクリレート C−1:スチレン C−2:n−ブチルアクリレート C−3:t−ブチルアクリレート C−4:酢酸ビニル C−5:ヒドロキシメチルメタクリレート C−6:アクリルアミド C−7:ビニルピロリドン C−8:N−(2−アセチル−1,1−ジメチルエチ
ル)アクリルアミド 本発明の媒染剤の使用量は記録用紙1m2当たり、0.
1〜10g、好ましくは0.2〜5g、特に好ましくは
0.5〜3gの範囲である。
【0094】上記媒染剤は好ましくは親水性バインダー
中に含有される。その様な親水性バインダーとしては従
来公知の種々の親水性バインダーを使用することができ
るが、特にアルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、ア
ミノ基不活性化ゼラチン等の各種ゼラチン、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシルエチルセルロール、カゼイ
ン、澱粉、デキストラン等の親水性ポリマーを使用する
ことができるが、該媒染剤含有層は本発明のアルキレン
オキサイド基を有する親水性ポリマーは実質的に含有し
ていないことが好ましい。ここで、実質的にとは、媒染
剤に対して20重量%以下の含有量を意味する。
【0095】上記アルキレンオキサイド基含有親水性ポ
リマー含有層および色素媒染剤含有層には上記以外の親
水性ポリマーを用いることができる。
【0096】その様な親水性ポリマーとしてはアルカリ
処理ゼラチン、酸処理ゼラチンまたはアミノ基不活性化
ゼラチン、ポリビニルピロリドン(平均分子量が約20
万以上が好ましい)、プルラン、ポリビニルアルコール
またはその誘導体(平均分子量が約2万以上が好まし
い)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリ
ル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラ
ギーナン、ι−カラギーナン、キサンテンガム、ローカ
ストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、プルラ
ン、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭6
2−245260号に記載のカルボキシル基やスルホン
酸基を有するビニルモノマ−の単独またはこれらのビニ
ルモノマーを繰り返して有する共重合体等のポリマーを
挙げることができる。これらの親水性バインダーは単独
で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
【0097】本発明の請求項5の発明においては、前記
アルキレンオキサイド基を有する親水性ポリマー含有層
がアルミナもしくはアルミナ水和物またはカチオン変性
コロイダルシリカの少なくとも1種を含有することが必
要である。
【0098】本発明に用いられるアルミナまたはアルミ
ナ水和物は、半径が3〜10nmを有する細孔容積の和
が0.2〜2ml/gである多孔質アルミナまたはその
含水物である。細孔容積の測定手段は、アルミナまたは
アルミナ水和物の乾燥固形分に対して公知の窒素吸着法
により測定することが出来る。
【0099】アルミナまたはアルミナ水和物は結晶性で
あっても、非晶質であっても良く、また、形状は不定形
粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状の物を使用す
ることが出来る。
【0100】本発明のカチオン性コロイダルシリカは、
アルミニウムイオン等の多価金属イオンの化合物または
有機カチオン性化合物をコロイダルシリカ表面や内部に
含有させることにより少なくともシリカ表面をカチオン
性に帯電させたものである。特に塩基性アルミニウムに
よりカチオン化されたコロイダルシリカが本発明では好
ましい。
【0101】上記コロイダルシリカは一般には5〜10
0nmの平均粒子サイズのものが好ましい。また、上位
アルミナまたはアルミナ水和物の使用量はアルキレンオ
キサイド基含有親水性ポリマー含有層の親水性バインダ
ーの総量に対して1〜100重量%、好ましくは5〜5
0重量%である。
【0102】上記アルミナもしくはアルミナ水和物また
はカチオン変性コロイダルシリカの少なくとも1種を含
有する層には上記以外の親水性ポリマーを用いることが
できる。
【0103】その様な親水性ポリマーとしてはアルカリ
処理ゼラチン、酸処理ゼラチンまたはアミノ基不活性化
ゼラチン、ポリビニルピロリドン(平均分子量が約20
万以上が好ましい)、プルラン、ポリビニルアルコール
またはその誘導体(平均分子量が約2万以上が好まし
い)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリ
ル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラ
ギーナン、ι−カラギーナン、キサンテンガム、ローカ
ストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、プルラ
ン、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭6
2−245260号に記載のカルボキシル基やスルホン
酸基を有するビニルモノマ−の単独またはこれらのビニ
ルモノマーを繰り返して有する共重合体等のポリマーを
挙げることができる。これらの親水性バインダーは単独
で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
【0104】本発明のインクジェット記録用紙のインク
受容性層側の任意の層中には、必要に応じて各種の添加
剤を含有させることが出来る。
【0105】例えば、特開昭57−74193号公報、
同57−87988号公報及び同62−261476号
公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192
号、同57−87989号公報、同60−72785号
公報、同61−146591号公報、特開平1−950
91号公報及び同3−13376号公報等に記載されて
いる退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの
各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同5
9−52689号公報、同62−280069号公報、
同61−242871号公報および特開平4−2192
66号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン
酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ヂエチレングリコ
ール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、硬膜剤、帯電防止
剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることも
できる。
【0106】硬膜剤としては無機または有機の硬膜剤を
使用することが出来、例えばクロムみょうばん、ホルム
アルデヒド、グリオキサール、エポキシ系化合物、ビニ
ルスルホン系化合物、アクリロイル系化合物、s−トリ
アジン系化合物、N−メチロール系化合物、カルボジイ
ミド系化合物、およびエチレンイミノ系化合物等を使用
することが出来る。
【0107】本発明のインクジェット記録用紙における
インク記録面側の塗布固形分の量は特に制限はないが、
概ね5〜60g/m2が好ましく、10〜40g/m2
より好ましい。なお、記録画像形成後のカールの防止と
いう面からは、なるべく薄く形成するのが良い。
【0108】本発明でインクジェット記録用紙の支持体
としては、従来インクジェット用記録用紙の支持体とし
て公知のものを適宜使用できる。
【0109】透明支持体としては、例えば、ポリエステ
ル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアテセート系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロ
イド等の材料からなるフィルムや板、およびガラス板な
どを挙げられ、この中でもOHPとして使用されたとき
の輻射熱に耐える性質のものが好ましく、ポリエチレン
テレフタレートが特に好ましい。このような透明な支持
体の厚さとしては、約10〜200μmが好ましい。
【0110】また、透明である必要のない場合に用いる
支持体としては、例えば、一般の紙、合成紙、樹脂被覆
紙、布、木材、金属等からなるシートや板、および上記
の透光性支持体を公知の手段により不透明化処理したも
の等を挙げることができる。不透明の支持体としては、
基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレ
フィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるRCペ
ーパー)、ポリエチレンテレフタレートに白色顔料を添
加してなるいわゆるホワイトペットが好ましい。支持体
とインク受像層の接着強度を大きくする等の目的で、イ
ンク受容層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理
や下引処理等を行うことが好ましい。さらに、本発明の
記録シートは必ずしも無色である必要はなく、着色され
た記録シートであってもよい。
【0111】本発明の前記請求項1〜請求項5の発明に
係わるインクジェット記録用紙には前記した以外にも各
種の無機または有機の固体微粒子を皮膜中に空隙を形成
するために含有させることが出来る。
【0112】上記目的で用いられる無機微粒子しては、
インクジェットで公知の例えば、軽質炭酸カルシウム、
重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、ク
レー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化
チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、
ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、
珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリ
カ、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸
化マグネシウム等の白色無機顔料等を使用する事が出来
る。
【0113】その様な無機微粒子は、1次粒子のままで
バインダー中に均一に分散された状態で用いられること
も、また、2次凝集粒子を形成してバインダー中に分散
された状態で添加されても良い。
【0114】一方有機微粒子の例としては、ポリスチレ
ン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エス
テル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、また
はこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等
が挙げられる。
【0115】上記無機または有機微粒子は、1次粒子と
しては平均粒径が概ね、0.005〜2μm、好ましく
は0.007〜0.5μmのものが用いられる。また、
2次粒子としては、平均粒径が概ね0.02〜0.5μ
mのものが好ましく用いられる。
【0116】上記固体微粒子の添加量は、空隙容量、粒
子形状、バインダー比率により大きく変わり得るが、耐
光性の観点から、特に固体微粒子含有層のバインダーに
対して容量比好ましくは1.0以下、特に0.5以下で
あることが好ましい。
【0117】親水性層を支持体上に塗布する方法は公知
の方法から適宜選択して行うことが出来る。好ましい方
法は、ゼラチンやκ−カラギーナンの様なゾルゲル変換
可能な親水性バインダーを含む塗布液を支持体上に塗設
して乾燥して得られる。この場合、親水性バインダー層
は2層以上有っても良く、この場合、2層以上を同時に
塗布することもでき、特に全ての親水性バインダー層を
1回の塗布で済ます同時塗布が好ましい。
【0118】例えば特開平6−64306号に記載され
ているようなゼラチン等ゾルゲル変換可能な親水性バイ
ンダー含有インク受容層を支持体上に塗布後、冷却して
ゲル状態にした後、コールドドライ法で乾燥する方法は
好ましい方法のひとつである。
【0119】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法ある
いは米国特許第2681294号公報記載のホッパーを
使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いら
れる。
【0120】この際、好ましくは乾燥時にはセットした
塗布液が再溶解しない状態までの条件で加熱することが
生産性の観点から好ましい。通常はセット後室温〜30
℃の範囲内である程度水分を蒸発させた後で40℃〜5
0℃に加熱して完全に乾燥させられる。
【0121】本発明で言う水性インクとは、下記着色剤
及び液媒体、その他の添加剤から成る記録液体である。
着色剤としてはインクジェットで公知の直接染料、酸性
染料、塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の
水溶性染料が使用できる。
【0122】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン
またはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6
−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリ
エタノールアミン等の多価アルコール類;エチレングリ
コールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル
(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類等が挙げられる。
【0123】これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセ
リン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエー
テル等は好ましいものである。
【0124】その他の水性インクの添加剤としては、例
えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、
表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆剤等が
挙げられる。
【0125】水性インク液は記録用紙に対する濡れ性を
良好にするために、20℃において、25〜60dyn
/cm、好ましくは30〜50dyn/cmの範囲内の
表面張力を有するのが好ましい。
【0126】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、
実施例中で「%」は特に断りのない限り絶乾重量%を示
し、添加量は各々インクジェット記録用紙1m2当たり
の量を示す。
【0127】実施例1 100g/m2の原紙両面をポリエチレンで被覆した紙
支持体(厚さ140μm、記録面側のポリエチレン層中
に7重量%のアナターゼ型二酸化チタン含有。記録面の
裏面側にバック層としてアルカリ処理ゼラチン5.2g
/m2、平均粒径が約13μmのシリカ粒子0.08g
/m2と硬膜剤を含有する層を有する)上の記録面側
に、下記の層構成の塗布液を同時塗布し記録用紙−Aを
作成した。
【0128】 〔記録用紙−A〕 フェニルカルバモイル化ゼラチン(*2) 6.5g ポリビニルアルコール(平均重合度500、ケン化度88%) 3.2g 界面活性剤−1 0.02g 界面活性剤−2 0.12g 硬膜剤(*1) 0.01g 硬膜剤(*1) 1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル フェニルカルバモイル化ゼラチン(*2) アミノ基封鎖率85% 一方、インクジェット記録用紙−Aにおいて、各層の層
構成を下記のように変更した記録用紙−Bおよび記録用
紙−Cを記録用紙−Aと同様にして作成した。
【0129】 〔記録用紙−B〕 フェニルカルバモイル化ゼラチン(*2) 6.5g ポリビニルアルコール(平均重合度500、ケン化度88%) 1.6g ポリエチレンオキサイド(平均分子量=約15万) 1.6g 界面活性剤−1 0.02g 界面活性剤−2 0.12g 硬膜剤(*1) 0.01g 〔記録用紙−C〕 フェニルカルバモイル化ゼラチン(*2) 6.5g ポリビニルアルコール(平均重合度500、ケン化度88%) 1.6g 例示親水性ポリマー:PAO−3 1.6g 界面活性剤−1 0.02g 界面活性剤−2 0.12g 硬膜剤(*1) 0.01g
【0130】
【化5】
【0131】次に、記録用紙−BおよびCについて、以
下の様に変更した試料を同様にして作成した。
【0132】記録用紙B1:記録用紙−Bでフェニルカ
ルバモイル化ゼラチンを酸処理ゼラチン(等電点=5.
8)に置き換えた記録用紙 記録用紙B2:記録用紙−Bでフェニルカルバモイル化
ゼラチンを酸処理ゼラチン(等電点=7.5)に置き換
えた記録用紙 記録用紙B3:記録用紙−Bでフェニルカルバモイル化
ゼラチンを酸処理ゼラチン(等電点=8.6)に置き換
えた記録用紙 記録用紙B4:記録用紙−Bでフェニルカルバモイル化
ゼラチンをアルカリ処理ゼラチンに置き換えた記録用
紙。
【0133】記録用紙C1:記録用紙−Bでフェニルカ
ルバモイル化ゼラチンを酸処理ゼラチン(等電点=5.
8)に置き換えた記録用紙 記録用紙C2:記録用紙−Bでフェニルカルバモイル化
ゼラチンを酸処理ゼラチン(等電点=7.5)に置き換
えた記録用紙 記録用紙C3:記録用紙−Bでフェニルカルバモイル化
ゼラチンを酸処理ゼラチン(等電点=8.6)に置き換
えた記録用紙 記録用紙C4:記録用紙−Bでフェニルカルバモイル化
ゼラチンをアルカリ処理ゼラチンに置き換えた記録用
紙。
【0134】得られた各々のインクジェット記録用紙に
ついて、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプ
リンターMJ−5100Cを用いてインクジェット記録
を行い以下の項目の評価を行った。
【0135】(1)インク吸収性:イエローおよびシア
ンのそれぞれ最大インク量の30%になるように均一に
吐出させて記録し、ベタ部の赤色反射濃度をマイクロデ
ンシトメーター(アパーチュア=200μmφ)を用い
て20点測定し、その濃度のバラツキの標準偏差を求め
平均反射濃度で割った値を求めた。
【0136】インク吸収性が良好な場合には画像にムラ
が無くこの値が小さくなるが、インク吸収性が低下する
とこのお互いのインク液滴同士が記録紙上で互いにビー
ディングを起こしてムラになりこの値が増加する。
【0137】(2)乾燥性:イエローとマゼンタの60
%印字部を印字後一定時間経過後、普通紙を重ねて放置
し、インクが普通紙に転写しなくなるまでの時間を求め
た。
【0138】(3)ドット直径:マゼンタインクの単一
ドットの直径を印字直後(I)、25℃相対湿度で30
日間保存した場合(II)、および、55℃、相対湿度8
0%で1日間保存した場合(III)について測定しドッ
トの拡がり度合いを調べた。
【0139】(4)耐光性:マゼンタベタ部印字試料を
Xeフェードメーターで光照射し、初期反射濃度の70
%に成る迄の時間を求めた。
【0140】得られた結果を表3に示す。
【0141】
【表3】
【0142】表3の結果から、ポリアルキレンオキサイ
ド系ポリマーを含有する記録用紙BおよびCは含有しな
い記録用紙Aに比べて、インク吸収性が改善されている
ものの乾燥性とドット径の高湿下で保存した場合の経時
滲みが顕著で有ることがわかる。これに対して、フェニ
ルカルバモイル化ゼラチンを酸処理ゼラチンに変更した
場合には、乾燥性と経時滲みが改善されていることがわ
かる。等電点が7以上である記録用紙B2,B3,C
2,およびC3が特に良好な滲み耐性が得られることが
わかる。一方、フェニルカルバモイル化ゼラチンを通常
のアルカリ処理ゼラチンに置き換えても本発明の効果は
得られない。
【0143】実施例2 実施例1で作成した記録用紙−Bおよび記録用紙−Cに
おいて、以下の塗布液に変更した以外は記録用紙−Bお
よびCと同様にして記録用紙B5〜B10、およびC5
〜C10を作成した。
【0144】記録用紙B5:記録用紙−Bで、6.5g
のフェニルカルバモイル化ゼラチンの内、0.5gをポ
リビニルピロリドン(平均分子量=約36万)に置き換
えた記録用紙 記録用紙B6:記録用紙−Bで、6.5gのフェニルカ
ルバモイル化ゼラチンの内、1.5gをポリビニルピロ
リドン(平均分子量=約36万)に置き換えた記録用紙 記録用紙B7:記録用紙−Bで、6.5gのフェニルカ
ルバモイル化ゼラチンの内、2.5gをポリビニルピロ
リドン(平均分子量=約36万)に置き換えた記録用紙 記録用紙B8:記録用紙−Bで、6.5gのフェニルカ
ルバモイル化ゼラチンの内、2.5gをポリビニルピロ
リドン(平均分子量=約4万)に置き換えた記録用紙 記録用紙B9:記録用紙−Bで、6.5gのフェニルカ
ルバモイル化ゼラチンの内、2.5gをコポリ(ビニル
ピロリドン−酢酸ビニル=70/30:モル比)(平均
分子量=約20万)に置き換えた記録用紙 記録用紙B10:記録用紙−Bで、6.5gのフェニル
カルバモイル化ゼラチンの内、0.9g分とポリビニル
アルコール1.6gの分をポリビニルピロリドン(平均
分子量=約36万)に置き換えた記録用紙 記録用紙C5:記録用紙−Cで、6.5gのフェニルカ
ルバモイル化ゼラチンの内、0.5gをポリビニルピロ
リドン(平均分子量=約36万)に置き換えた記録用紙 記録用紙C6:記録用紙−Cで、6.5gのフェニルカ
ルバモイル化ゼラチンの内、1.5gをポリビニルピロ
リドン(平均分子量=約36万)に置き換えた記録用紙 記録用紙C7:記録用紙−Cで、6.5gのフェニルカ
ルバモイル化ゼラチンの内、2.5gをポリビニルピロ
リドン(平均分子量=約36万)に置き換えた記録用紙 記録用紙C8:記録用紙−Cで、6.5gのフェニルカ
ルバモイル化ゼラチンの内、2.5gをポリビニルピロ
リドン(平均分子量=約4万)に置き換えた記録用紙 記録用紙C9:記録用紙−Cで、6.5gのフェニルカ
ルバモイル化ゼラチンの内、2.5gをコポリ(ビニル
ピロリドン−酢酸ビニル=70/30:モル比)(平均
分子量=約20万)に置き換えた記録用紙 記録用紙C10:記録用紙−Cで、6.5gのフェニル
カルバモイル化ゼラチンの内、0.9g分とポリビニル
アルコール1.6gの分をポリビニルピロリドン(平均
分子量=約36万)に置き換えた記録用紙 得られた試料を実施例1に記載の方法で評価した。結果
を表4に示す。
【0145】
【表4】
【0146】表4の結果から、ビニルピロリドン系ポリ
マーを添加した場合には、アルキレンオキサイド系ポリ
マーによる経時滲みや乾燥性が改善されることが分か
る。
【0147】実施例3 実施例1で作成した記録用紙−Bおよび記録用紙−Cに
おいて、以下の塗布液に変更した以外は記録用紙−Bお
よびCと同様にして記録用紙B11〜B15、およびC
11〜C15を作成した。
【0148】記録用紙B11:記録用紙−Bで、6.5
gのフェニルカルバモイル化ゼラチンの内、0.2gを
カチオン変性ポリビニルアルコール(平均重合度=約5
00、ケン化度=89%、カチオン変性含有率0.5モ
ル%)に置き換えた記録用紙 記録用紙B12:記録用紙−Bで、6.5gのフェニル
カルバモイル化ゼラチンの内、1.0gをカチオン変性
ポリビニルアルコール(平均重合度=約1000、ケン
化度=89%、カチオン変性含有率0.5モル%)に置
き換えた記録用紙 記録用紙B13:記録用紙−Bで、6.5gのフェニル
カルバモイル化ゼラチンの内、2.0gをカチオン変性
ポリビニルアルコール(平均重合度=約1000、カチ
オン変性含有率0.5モル%)に置き換えた記録用紙 記録用紙B14:記録用紙−Bで、6.5gのフェニル
カルバモイル化ゼラチンの内、4.0gをカチオン変性
ポリビニルアルコール(平均重合度=約500)に置き
換えた記録用紙 記録用紙B15:記録用紙−Bで、ポリビニルアルコー
ルの1.6g分をカチオン変性ポリビニルアルコール
(平均重合度=約1000、カチオン変性含有率0.5
モル%)1.6gに置き換えた記録用紙 記録用紙C11:記録用紙−Cで、6.5gのフェニル
カルバモイル化ゼラチンの内、0.2gをカチオン変性
ポリビニルアルコール(平均重合度=約500、ケン化
度=89%、カチオン変性含有率0.5モル%)に置き
換えた記録用紙 記録用紙C12:記録用紙−Cで、6.5gのフェニル
カルバモイル化ゼラチンの内、1.0gをカチオン変性
ポリビニルアルコール(平均重合度=約1000、ケン
化度=89%、カチオン変性含有率0.5モル%)に置
き換えた記録用紙 記録用紙C13:記録用紙−Cで、6.5gのフェニル
カルバモイル化ゼラチンの内、2.0gをカチオン変性
ポリビニルアルコール(平均重合度=約1000、カチ
オン変性含有率0.5モル%)に置き換えた記録用紙 記録用紙C14:記録用紙−Cで、6.5gのフェニル
カルバモイル化ゼラチンの内、4.0gをカチオン変性
ポリビニルアルコール(平均重合度=約500)に置き
換えた記録用紙 記録用紙C15:記録用紙−Cで、ポリビニルアルコー
ルの1.6g分をカチオン変性ポリビニルアルコール
(平均重合度=約1000、カチオン変性含有率0.5
モル%)1.6gに置き換えた記録用紙 得られた試料を実施例1に記載の方法で評価した。結果
を表5に示す。
【0149】
【表5】
【0150】以上の結果から、カチオン変性ポリビニル
アルコールをアルキレンオキサイド基を有する親水性ポ
リマーに対して0.2〜2倍含有する本発明の記録用紙
B12、B13、B15、C12,C13およびC15
は良好なインク吸収性を維持しつつしかも乾燥性・ドッ
トの滲みが良好であることがわかる。
【0151】実施例4 実施例1で作成した記録用紙−Bおよび記録用紙−Cに
おいて、以下の塗布液に変更した以外は記録用紙−Bお
よびCと同様にして記録用紙B16〜B19、およびC
16〜C19を作成した。
【0152】記録用紙B16:記録用紙−Bで、カチオ
ン変性コロイダルシリカ(平均粒径=約0.07μm)
を1.5g含有する記録用紙 記録用紙B17:記録用紙−Bで、カチオン変性コロイ
ダルシリカ(平均粒径=約0.07μm)を3.5g含
有する記録用紙 記録用紙B18:記録用紙−Bで、未変性のコロイダル
シリカ(平均粒径=約0.08μm)を含有3.5g含有する
記録用紙 記録用紙B19:記録用紙−Bで、アルミナゾルを2.5
g含有する記録用紙 記録用紙C16:記録用紙−Cで、カチオン変性コロイ
ダルシリカ(平均粒径=約0.07μm)を1.5g含有する
記録用紙 記録用紙C17:記録用紙−Cで、カチオン変性コロイ
ダルシリカ(平均粒径=約0.07μm)を3.5g含有する
記録用紙 記録用紙C18:記録用紙−Cで、未変性のコロイダル
シリカ(平均粒径=約0.08μm)を3.5g含有する記録
用紙 記録用紙C19:記録用紙−Cで、アルミナゾルを2.5
g含有する記録用紙 得られた試料を実施例−1に記載の方法で評価した。結
果を表6に示す。
【0153】
【表6】
【0154】以上の結果から、カチオン変性コロイダル
シリカまたはアルミナゾルを含有する記録用紙は乾燥性
は改良はされていないが、インクの滲みに対しては改良
効果が認められた。
【0155】実施例5 実施例1で作成した記録用紙−Bおよび記録用紙−Cに
おいて、以下の塗布液に変更した以外は記録用紙−Bお
よびCと同様にして記録用紙B20〜B23、およびC
20〜C23を作成した。
【0156】 記録用紙B20:記録用紙−Bで、下記の下層を設けた記録用紙 〔下層層構成〕 酸処理ゼラチン(等電点=8.6) 1.0g 界面活性剤−3 0.02g 色素媒染剤:L−2 1.0g 記録用紙B21:記録用紙−Bの上に下記の上層を設けた記録用紙 〔上層層構成〕 酸処理ゼラチン(等電点=8.6) 1.0g 界面活性剤−3 0.02g 色素媒染剤:L−2 1.0g 記録用紙B22:記録用紙−Bで媒染剤L−2を1.0g含有させた記録用紙 記録用紙B23:記録用紙B20で、色素媒染剤を下記の比較媒染剤−1に変更 した記録用紙 記録用紙C20:記録用紙−Cで、下記の下層を設けた記録用紙 〔下層層構成〕 酸処理ゼラチン(等電点=8.6) 1.0g 界面活性剤−3 0.02g 色素媒染剤:L−4 1.0g 記録用紙C21:記録用紙−Cの上に下記の上層を設けた記録用紙 〔上層層構成〕 酸処理ゼラチン(等電点=8.6) 1.0g 界面活性剤−3 0.02g 色素媒染剤:L−4 1.0g 記録用紙C22:記録用紙−Cで色素媒染剤L−4を1.0g含有させた記録用 紙 記録用紙C23:記録用紙C20で、色素媒染剤を下記の比較媒染剤−1に変更 した記録用紙
【0157】
【化6】
【0158】得られた試料を実施例1に記載の方法で評
価した。結果を表7に示す。
【0159】
【表7】
【0160】以上の結果から、本発明の媒染剤をアルキ
レンオキサイド基を有する親水性ポリマーの下層に塗設
した記録用紙B20およびC21はインク吸収性や耐光
性をを損なわずにドットの滲みを効果的に改良している
ことがわかる。
【0161】これに対して、媒染剤層を上層に塗設した
記録用紙は滲みに対しては有効であるもののインク吸収
性がやや低下し、耐光性も大きく劣化する。
【0162】また、本発明外の比較媒染剤−1を本発明
の媒染剤と同様に使用した場合、滲みの改良に対しては
有効でないことがわかる。
【0163】比較例 実施例1で作成した記録用紙−Bにおいて、平均分子量
15万のポリエチレンオキサイドを平均分子量が500
0のポリエチレングリコールに変更した記録用紙−Dお
よびポリエチレンオキサイド(平均分子量=100万)
に変更した記録用紙−Eを作成した。但し、平均分子量
=100万のポリエチレンオキサイドでは塗布液の粘度
上昇が激しく、実質的に添加し得たのは0.4gであっ
た。
【0164】この塗布液を用いて記録用紙を作成し実施
例1の記録用紙Bと同様に評価したが、インク吸収性は
実質的に改良されなかった。
【0165】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用紙の構成
を用いれば、高い光沢性とインク吸収性を維持しつつ滲
みを防止すると共に耐光性に悪影響が小さいインクジェ
ット記録用紙が得られる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、繰り返し単位として、少な
    くともアルキレンオキサイド基を有し、かつ、平均分子
    量が2万〜50万の親水性ポリマーを含有する親水性バ
    インダー層を有するインクジェット記録用紙において、
    該親水性バインダー層が該アルキレンオキサイド基を有
    する親水性ポリマーに対して0.5倍以上のビニルピロ
    リドンの単独重合体および/または共重合体を含有する
    ことを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 支持体上に、繰り返し単位として、少な
    くともアルキレンオキサイド基を有し、かつ、平均分子
    量が2万〜50万の親水性ポリマーを含有する親水性バ
    インダー層を有するインクジェット記録用紙において、
    該親水性バインダー層が酸処理ゼラチンを含有すること
    を特徴とするインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】 支持体上に、繰り返し単位として、少な
    くともアルキレンオキサイド基を有し、かつ、平均分子
    量が2万〜50万の親水性ポリマーを含有する親水性バ
    インダー層を有するインクジェット記録用紙において、
    該親水性バインダー層が該アルキレンオキサイド基を有
    する親水性ポリマーに対して0.2〜2倍のカチオン変
    性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とするイ
    ンクジェット記録用紙。
  4. 【請求項4】 支持体上に、繰り返し単位として、少な
    くともアルキレンオキサイド基を有し、かつ、平均分子
    量が2万〜50万の親水性ポリマーを含有する親水性バ
    インダー層を有するインクジェット記録用紙において、
    該親水性バインダー層より支持体に近い側に4級アンモ
    ニウム塩基を有するポリマー色素媒染剤を含有する層を
    有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
  5. 【請求項5】 支持体上に、繰り返し単位として、少な
    くともアルキレンオキサイド基を有し、かつ、平均分子
    量が2万〜50万の親水性ポリマーを含有する親水性バ
    インダー層を有するインクジェット記録用紙において、
    該親水性バイダー層がアルミナもしくはアルミナ水和物
    またはカチオン変性コロイダルシリカの少なくとも1種
    を含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
  6. 【請求項6】 前記アルキレンオキサイド基を少なくと
    も有する親水性ポリマーが、平均分子量が2万〜50万
    のポリエチレンオキサイドであることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項記載のインクジェット記録用
    紙。
  7. 【請求項7】 前記アルキレンオキサイド基を少なくと
    も有する親水性ポリマーが、アルキレンオキサイド基を
    側鎖に有するモノマーの単独重合体または共重合体であ
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の
    インクジェット記録用紙。
  8. 【請求項8】 前記アルキレンオキサイド基を少なくと
    も有する親水性ポリマーが、活性水素基を2〜4個有す
    る化合物にエチレンオキサイドおよび/またはアルキレ
    ンオキサイド(但しアルキレンオキサイドの炭素原子数
    は3〜8である)を付加して得られるポリヒドロキシル
    化合物に、多価カルボン酸、多価カルボン酸の酸無水
    物、多価カルボン酸の低級アルキルエステル、ジイソシ
    アネート化合物、ジハロゲン化脂肪族化合物、ビスハロ
    ゲン化カルボニル化合物、およびポリエポキシ化合物か
    ら選ばれる少なくとも1種の化合物を反応させて得られ
    る重量平均分子量が2万〜30万の親水性ポリマーであ
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の
    インクジェット記録用紙。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002520424A (ja) * 1998-07-09 2002-07-09 ダブリュー・アール・グレース・アンド・カンパニー−コーン インキ受理性コーティングに適した配合物
JP2015039827A (ja) * 2013-08-21 2015-03-02 花王株式会社 インクジェット記録媒体

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