JPH10162348A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JPH10162348A
JPH10162348A JP8313482A JP31348296A JPH10162348A JP H10162348 A JPH10162348 A JP H10162348A JP 8313482 A JP8313482 A JP 8313482A JP 31348296 A JP31348296 A JP 31348296A JP H10162348 A JPH10162348 A JP H10162348A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
polyurethane resin
recording medium
binder
magnetic recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8313482A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Meguro
克彦 目黒
Yuichiro Murayama
裕一郎 村山
Hiroshi Hashimoto
博司 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP8313482A priority Critical patent/JPH10162348A/ja
Publication of JPH10162348A publication Critical patent/JPH10162348A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッド汚れがなく、走行耐久性、電磁変換特
性に優れた磁気記録媒体を得る。 【解決手段】 非磁性支持体上に少なくとも強磁性粉体
と結合剤とを含む磁性層を設けた磁気記録媒体におい
て、前記結合剤としてポリオール、イソシアネート化合
物、分子中に1個以上のエポキシ基と1個以上の水酸基
を含有する化合物を反応させて得られるポリウレタン樹
脂に−SO3M、−OSO3M(ここでMは水素、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩)から選ば
れる少なくとも1種の極性基を含有する化合物を反応さ
せたものである磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】強磁性微粉末と結合剤とを分
散させてなる磁性層を非磁性支持体上に設けた磁気記録
媒体において、極めて優れた電磁変換特性、走行耐久性
および高温高湿化下での保存性を持つ磁気記録媒体に関
し、特にヘッド汚れが生じない磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオ
テープあるいはフロッピーディスクなどとして広く用い
られている。磁気記録媒体は、強磁性粉末が結合剤(バ
インダ)中に分散された磁性層を非磁性支持体上に積層
している。磁気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久性
および走行性能などの諸特性において高いレベルにある
ことが必要とされる。すなわち、音楽録音再生用のオー
ディオテープにおいては、より高度の原音再生能力が要
求されている。また、ビデオテープについては、原画再
生能力が優れているなど電磁変換特性が優れていること
が要求されている。このような優れた電磁変換特性を有
すると同時に、磁気記録媒体は良好な走行耐久性を持つ
ことが要求されている。そして、良好な走行耐久性を得
るために、一般には研磨材および潤滑剤が磁性層中に添
加されている。
【0003】磁気記録媒体の使用機器において媒体と磁
気ヘッドが摺動接触するために、磁気記録媒体の結合剤
中の低分子成分が磁性層表面付近に浮上して磁気ヘッド
に付着する磁気ヘッド汚れが生じるという問題があっ
た。磁気ヘッド汚れは電磁変換特性の劣化の原因となっ
ている。とくに、高密度記録用の機器では、磁気ヘッド
回転数が上昇しており、デジタルビデオテープレコーダ
では、磁気ヘッドの回転数が9600回転/分と、アナ
ログビデオテープレコーダの民生用の1800回転/
分、業務用の5000回転/分に比べて格段に高速回転
数であり、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの摺動する速度
が大きくなり、また磁気ヘッドも薄膜ヘッド等のように
小型のものが用いられており、磁気記録媒体から生じる
成分による磁気ヘッド汚れの改善が求められている。
【0004】このような問題を改善する方法として、特
開昭58−168669号公報には、エポキシ基を開環
させOH基を導入したポリウレタン樹脂を使用した磁性
塗料が記載されているが、架橋性を向上させる目的でポ
リウレタン樹脂中に導入したエポキシ基を開環させてO
H基を導入したものであり、開環により生成したOH基
では充分な分散性を得ることはできなかった。
【0005】特開昭60−238306号公報には、エ
ポキシ基含有ポリ塩化ビニル、硫黄、リンを含む強酸の
塩を付加した樹脂が記載されているが、この方法で合成
された塩化ビニル系樹脂は良好な分散性が得られるが、
結合剤樹脂に対する極性基の結合に偏りがあり、極性基
が含まれない結合剤分子が多数存在するために、塗膜中
を滲む分子が多く存在しており、走行耐久性が不十分な
ものであった。
【0006】また、特公昭63−55549号公報に
は、エポキシ、SO3M 含有ポリウレタン樹脂に、アミ
ン類、カルボン酸類およびフェノール類の少なくとも1
種を反応させてOH基を導入したポリウレタン樹脂から
なる結合剤が記載されており、特開平8−104731
号公報には、特定の分子量を有する末端エポキシ基を有
するポリウレタン、特定の重合度の塩化ビニル系重合体
と、脂環式酸無水物および3級アミンからなる硬化性ポ
リウレタン樹脂組成物が記載されており、また、特開平
8−153320号公報には、末端エポキシ基とスルホ
ン酸基、カルボン酸基、または4級アンモニウム塩基を
含有する数平均分子量が特定の範囲のポリウレタン樹脂
からなる結合剤が記載されている。これらは、いずれも
結合剤分子中にエポキシ基および極性基を導入している
が、エポキシ基と極性基は別個にSO3M を有するジオ
ールを使用してSO3M 基を導入しているので、SO3
M を導入するための化合物は反応速度が他のジオール
と大きく異なるため結合剤樹脂に対する極性基の導入に
偏りが生じ、極性基が含まれない結合剤分子が多数存在
し分散性に劣るものであった。
【0007】また、特開昭54−157603号公報に
は、スルホン酸金属塩基を特定量有するポリウレタン樹
脂に、微粉末磁性粒子を均一に分散、含有させることが
記載されている。また、本出願人は、特願平7−370
09号として、短鎖ポリオール、長鎖ポリオール、イソ
シアネートからなるポリウレタンによって分散性を高め
ることを提案している。これらは、極性基導入のため極
性基含有化合物を使用してポリウレタン樹脂を合成して
いるため極性基の導入に偏りがあり極性基が含まれない
結合剤分子が多数存在し分散性に劣る。
【0008】また、従来の結合剤においては、極性基の
分布が不均一であり、結合剤全体の平均的な導入量が記
載されている範囲では、極性基を持たない結合剤分子が
相当量存在する。そのような極性基を含まない結合剤分
子は強磁性粉体あるいは非磁性粉体にほとんど吸着され
ることがないため分散性に劣るだけではなく、塗膜中を
移動し表面に滲み出てヘッドとの摺動でヘッド汚れの原
因となり目詰まり・出力低下等の原因となり信頼性を低
下させる。結果として均一に存在しているものに比べ、
分散性および未吸着樹脂の磁性層表面へのマイグレーシ
ョンにより走行耐久性が劣る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗布層の分
散性が高く、磁性層の表面平滑性、電磁変換特性に優
れ、ヘッド汚れ、目詰まり等を防止した走行耐久性に優
れ、高温、高湿下での保存性に優れ、走行前後での表面
バインダー量変化の少ない磁気記録媒体を提供すること
を課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
上に少なくとも強磁性粉体と結合剤とを含む磁性層を設
けた磁気記録媒体において、結合剤がポリオール、イソ
シアネート化合物、分子中に1個以上のエポキシ基と1
個以上の水酸基を含有する化合物を反応させて得られる
ポリウレタン樹脂に−SO3M、−OSO3M(ここでM
は水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウ
ム塩)から選ばれる少なくとも1種の極性基を含有する
化合物を反応させて得られたポリウレタン樹脂を含む磁
気記録媒体である。また、非磁性支持体上に、非磁性粉
体もしくは磁性粉体の少なくともいずれかと結合剤とを
含む下層塗布層とその上に少なくとも強磁性粉体と結合
剤とを含む上層磁性層を設けた複数の層を有する磁気記
録媒体において、前記下層非磁性層または上層磁性層の
少なくともいずれか一方の結合剤としてポリオール、イ
ソシアネート化合物、分子中に1個以上のエポキシ基と
1個以上の水酸基を含有する化合物を反応させて得られ
るポリウレタン樹脂に−SO3M、−OSO3M(ここで
Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニ
ウム塩)から選ばれる少なくとも1種の極性基を含有す
る化合物を反応させて成るポリウレタン樹脂と塩化ビニ
ル系樹脂を含む磁気記録媒体である。また、ポリウレタ
ン樹脂骨格が環状構造を有するジオールにアルキレンオ
キサイドを付加した分子量500〜5000のポリオー
ルをポリウレタン樹脂中に0〜50重量%含み、かつ環
状構造を有するジオールまたは環状構造を有するジオー
ルにアルキレンオキサイドを付加したジオールの少なく
ともいずれか一方であり分子量が200〜500である
短鎖ジオールを15〜50重量%含み、前記ジオールお
よびポリオールから由来するエーテル基をポリウレタン
樹脂全体に対して1〜6mmol/g含み、かつ該ポリ
ウレタン樹脂中に少なくとも一種の極性基を有するポリ
ウレタン樹脂であることを前記の磁気記録媒体である。
ポリウレタン樹脂に含まれる平均極性基含有量が3×1
-5〜30×10-5eq/gの範囲である前記の磁気記
録媒体である。
【0011】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は結合剤とし
て、エポキシ基含有ポリウレタンを合成後、エポキシ基
に極性基含有化合物を反応させ極性基を導入したポリウ
レタン樹脂を含むものである。極性基をすべての分子に
導入することで分散性および低分子成分のマイグレーシ
ョン防止に有利でとなるが、より均一に極性基を導入す
るために、あらかじめ極性基をモノマーに導入した後に
高分子を作製し、その後に極性基を導入すると均一に極
性基を分子中に導入することが可能であることをみいだ
したものである。
【0012】極性基をあからじめモノマー中に導入する
と疎水性が強くなり、高分子反応が進行しにくくなり、
分子中にエポキシ基を導入した高分子を作り、そのエポ
キシ基に極性基を導入することができるプロパンサルト
ンのようなサルトンを反応させることにより、均一に極
性基を分子中に導入できることを見いだしたものであ
る。
【0013】従来、磁気記録媒体の結合剤として良好な
力学強度および選ばれた溶剤における高い溶解度とを有
するポリウレタン樹脂および塩化ビニル系樹脂等がポリ
イソシアネートとともに使用されている。さらに、磁性
層に使用される強磁性粉体および下層塗布層を持つ磁気
記録媒体においては下層粉体の分散性を高記録密度化の
ためにさらに高める手段として上記ポリウレタン樹脂お
よび塩化ビニル系樹脂等の結合剤分子中に−SO3M、
−OSO3M、−PO(OM)2 、−COOM(ここで
Mは水素原子、アルカリ金属あるいはアンモニウム
塩)、4級アンモニウム塩基、アミノ基等の極性基を導
入することが提案されている。
【0014】また、保存性に関しては、磁性層および非
磁性層に使用される結合剤分子がすべて磁性粉体および
非磁性粉体に強固に吸着されたり、併用されるポリイソ
シアナートと反応し架橋・固定されるわけではなく、一
部は未架橋のまま磁性塗膜中に残留し、経時とともに、
特に、高温高湿の保存により磁性層表面に滲みだしてき
て摺動により走行時のヘッド、走行系の汚れの原因とな
る。このような滲みだしは磁性層の厚みに依存するが、
単層磁性層の場合のみならず非磁性粉体もしくは磁性粉
体の少なくともいずれか一方を含有した下層塗布層を使
用した2層以上の塗布層が形成されてなる磁気記録媒体
においても、上層磁性層が極めて薄い場合でも見られ
る。
【0015】これらは、従来公知の方法で得られた結合
剤で平均的に10×10-5eq/g−結合剤の極性基を
含有しているものでも、極性基の含まれていない結合剤
分子が高い割合で含まれていることに由来し、この極性
基の含有されていない結合剤分子は磁性粉体および非磁
性粉体に吸着されず、分散性を低下させると同時に保
存、特に高温高湿下の保存により磁性層表面に滲出し、
ヘッド汚れの原因となることがわかった。
【0016】本発明者らは非磁性支持体上に磁性層およ
び非磁性層の塗布層を形成させるときに使用する結合剤
樹脂の極性基の導入法に着目し、分散性、走行性、耐久
性、保存性等の電磁変換特性、実用特性に優れた磁気記
録媒体を製造することを鋭意研究した。
【0017】その結果、非磁性支持体上に、強磁性粉体
と結合剤とを含む磁性層を設けた磁気記録媒体もしく
は、非磁性粉体もしくは磁性粉体の少なくともいずれか
一方と結合剤とを含む下層塗布層とその上に少なくとも
強磁性粉体と結合剤とを含む上層磁性層を設けた少なく
とも二層以上の複数の層を有する磁気記録媒体におい
て、磁性層、もしくは下層塗布層または上層磁性層の少
なくともいずれか一方の結合剤としてポリオール、イソ
シアネート化合物および分子中に1個以上のエポキシ基
と1個以上の水酸基を含有する化合物を反応させて得ら
れるポリウレタン樹脂に−SO3M 、−OSO3M (こ
こでMは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
モニウム塩)から選ばれる少なくとも1種の極性基を含
有する化合物を付加反応させてなるポリウレタン樹脂を
使用することによって極性基が含まれない結合剤分子が
少なく分散性に優れ、さらに極性基を含まない結合剤分
子が少ないため塗膜中を移動し表面に滲み出ることが減
少し目詰まり、出力低下等の少ない信頼性の高い磁気記
録媒体が得られることを見いだしたものである。
【0018】本発明のポリウレタン樹脂には、ポリウレ
タン樹脂の骨格として環状構造を有するジオールにアル
キレンオキサイドを付加した分子量500〜5000の
ポリオールをポリウレタン樹脂中に0〜50重量%含
み、かつ環状構造を有するジオールまたは環状構造を有
するジオールにアルキレンオキサイドを付加したジオー
ルの少なくともいずれか一方であり分子量が200〜5
00である短鎖ジオールを15〜50重量%含み、前記
ジオールおよびポリオールから由来するエーテル基をポ
リウレタン樹脂全体に対して1〜6mmol/g含むポ
リウレタン樹脂が耐久性に優れ好ましいが、ポリエステ
ルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのポリ
ウレタンプレポリマーと鎖延長剤およびジイソシアネー
トとから製造したものでも良い。
【0019】本発明の結合剤のポリウレタン樹脂が、環
状構造を有する短鎖ジオールおよびエーテル基を含有す
る長鎖ジオールからなる場合には、環状構造を有する短
鎖ジオールのポリウレタン中の含有量は、20〜35重
量%が好ましく、20重量%以下では力学強度が低下
し、耐久性が低下する。35重量%以上では溶剤への溶
解性が低下し、分散性が低下する。また、塗膜が脆くな
りやすく耐久性も低下する。
【0020】具体的には、以下の短鎖ジオールを挙げる
ことができる。ビスフェノールA、水素化ビスフェノー
ルA、ビスフェノールS、ビスフェノールP及びこれら
のエチレンオキシド、プロピレンキシド付加物、シクロ
ヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ハイ
ドロキノン、ビス(2−ヒドロキシエチル)テトラブロ
モビスフェノールA、ビス(2−ヒドロキシエチル)テ
トラブロモビスフェノールS、ビス(2−ヒドロキシエ
チル)テトラメチルビスフェノールS、ビス(2−ヒド
ロキシエチル)ジフェニルビスフェノールS、ビス(2
−ヒドロキシエチル)ジフェニルビフェノール、ビス
(2−ヒドロキシエチル)チオジフェノール、ビス(2
−ヒドロキシエチル)ビスフェノールF、ビフェノー
ル、ビスフェノールフルオレン、ビスフェノールフルオ
レンジヒドロキシエチルエーテルが好ましい。
【0021】なかでも好ましいものは、ビスフェノール
A、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビス
フェノールP及びこれらのエチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド付加物、シクロヘキサンジメタノール、シク
ロヘキサンジオールなどの芳香族、脂環族を有するジオ
ールである。更に好ましくは、水素化ビスフェノールA
及びそのエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加物
である。また、短鎖ジオールの分子量は、重量平均分子
量Mwが50〜500の範囲のものが好ましく、50未
満では塗膜がもろくなるので耐久性が低下する。また、
500以上では塗膜のガラス転移温度(Tg)が低下
し、軟らかくなるので耐久性が低下する。500以上で
は塗膜のTgが低下し、軟らかくなるので耐久性が低下
する。
【0022】エーテル基を含有する長鎖ジオールの含有
量は、25重量%〜45重量%が好ましい。さらには3
0重量%〜40重量%の範囲が好ましく、25重量%未
満では溶剤への溶解性が低下するので分散性が低下す
る。45重量%を越えると塗膜強度が低下するので耐久
性が低下する。
【0023】具体的には、以下の長鎖ジオールを挙げる
ことができる。ビスフェノールA、水素化ビスフェノー
ルA、ビスフェノールS、ビスフェノールPこれらのポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド付加物、
ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリテトラメチレングリコール、更に好ましくは、ビス
フェノールA、水素化ビスフェノールA等のエチレンオ
キシド、プロピレンオキシド付加物を挙げることができ
る。長鎖ジオールの分子量は、重量平均分子量Mwが5
00〜5000の範囲のものが好ましく、5000を超
えると塗膜のTgが低下し、軟らかくなるので耐久性が
低下する。
【0024】また、本発明の結合剤中のポリウレタン樹
脂が、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリ
オールなどのポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤から
なるポリウレタン樹脂である場合には、ポリエステルポ
リオールは、例えば、2価のアルコールと2塩基酸との
重縮合、ラクトン類、例えば、カプロラクトンの開環重
合などによって合成することができる。代表的な2価の
アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール等のグリコール類を例
示することができる。また、代表的な2塩基酸としては
アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
フタル酸、テレフタル酸等を例示することができる。ま
た、ポリカーボネートポリオールは、例えば、下記一般
式を有する多価アルコールと、 HO−R−OH
【0025】
【化1】
【0026】ホスゲン、クロルギ酸エステル、ジアルキ
ルカーボネートまたはジアリルカーボネートとの縮合、
またはエステル交換により合成される分子量300〜2
0000、水酸基価200〜300のポリカーボネート
ポリオールあるいは該ポリカーボネートポリオールと下
記一般式を有する2価カルボン酸 HOOC−R−COOH (ここで、Rは炭素原子数3〜6個のアルキレン基、
1,4−、1,3−もしくは1,2−フェニレン基、ま
たは1,4−、1,3−もしくは1,2−シクロヘキシ
レン基を表す。)との縮合により得られる分子量400
〜30000、水酸基価5〜300のポリカーボネート
ポリエステルポリオールである。上記ポリオールにその
他のポリオール、例えばポリエーテルポリオール、ポリ
エステルエーテルポリオールやポリエステルを上記ポリ
オールの90重量%まで配合して併用しても良い。
【0027】上記ポリオールと反応させてポリウレタン
を形成するために用いられるポリイソシアネートとして
は、特に制限はなく通常に使用されているものを用いる
ことができる。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4
−キシリレンジイソシアネートシクロヘキサンジイソシ
アネート、トルイジンジイソシアネート、2,4−トリ
レンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネ
ート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイ
ソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3−
ジメチルフェニレンジイソシアネート等を挙げることが
できる。
【0028】また、鎖延長剤としては、前記の多価アル
コール、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族
ポリアミン等を使用できる。本発明に使用されるOH基
を1個以上とエポキシ基を1個以上有する化合物として
は、2,3−エポキシ−1−プロパノール、3,4−エ
ポキシ−1−ブタノール、5,6−エポキシ−1−ヘキ
サノール、7,8−エポキシ−1−オクタノール等の末
端に水酸基とエポキシ基を1個づつ有する化合物、グリ
セリンのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパ
ンのジグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシ
ジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等
が水酸基1個と2個以上のエポキシ基を有する化合物と
して挙げられる。また、OH基を分子中に1個以上とエ
ポキシ基を1個以上有するエポキシ樹脂としては例えば
ビスフェノール型のエポキシ樹脂、ノボラック型のエポ
キシ樹脂等が挙げられる。前者のビスフェノール型の具
体例としてはエピコート828,834,1001,1
002,1003,1004,1007,1009(以
上シェル化学製)等を、後者のノボラック型の具体例と
してエピコート152,154、住友化学工業製スミエ
ポキシELPN−180,ESPN−180等のフェノ
ールノボラック系エポキシ樹脂、スミエポキシESCN
220L,220F220HH,ESMN−220L
等、日本化薬社製のEOCN−102,103,104
等のクレゾールノボラック系エポキシ樹脂等を挙げるこ
とができる。
【0029】本発明で使用される水酸基を2個以上とエ
ポキシ基を1個の有するポリオールとしてはエポキシ化
ポリブタジエンジオール、エポキシ化ポリペンタジエン
ジオール等のエポキシ化ポリジオレフィンジオール、ポ
リオールのポリグリシジルエーテル等を例示できる。エ
ポキシ化ポリジオレフィンジオールの具体例としては例
えばアデカBF−1000、LPH X−31,同X−
530,同X−2030,同X−2100,LPH−2
060(以上アデカア−ガスケミカル社製)、poly
bdR−45EPI(出光石油化学製)等を挙げるこ
とができ、またポリオールのポリグリシジルエーテルの
具体例としてはソルビトールポリグリシジルエーテル
(商品名デナコールEX−611、ナガセ化成社製)等
を挙げることができる。以上に記したエポキシ基を有す
る化合物およびその他のポリオール類、イソシアネート
類は反応開始時に一括して添加してもよいし、反応中に
分割しても投入しても良い。本発明の結合剤用の樹脂
は、以上のようにして得られたエポキシ基含有ポリウレ
タン樹脂に極性基を含む化合物を付加させることにより
得られる。本発明での極性基の付加反応は非水系および
水系いずれにおいても可能であるが、付加反応に用いる
極性基含有化合物の特性に応じて最適な製造方法を選択
すればよい。
【0030】本発明でエポキシ基含有ポリウレタン樹脂
に付加させる硫黄を含む強酸のアルカリ金属またはアン
モニウム塩の例としては、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム等の
亜硫酸塩類、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素アンモニウ
ム、硫酸水素カリウム等の硫酸水素塩類、これらの極性
基含有化合物は単独あるいは一種以上の併用において使
用することができる。
【0031】また、本発明においてはエポキシ樹脂硬化
用触媒の使用が可能である。触媒として使用される第3
級アミンの例としてはN,N’−ジメチルシクロヘキシ
ルアミン、ベンジルジメチルアミン等のモノアミン類、
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、
N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサン−1,6−
ジアミン等のジアミン類、N,N,N’,N’,N”,
N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,
N’,N’,N”,N”−ペンタメチルプロピレントリ
アミン等のトリアミン類、トリエチレンジアミン(1,
4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン、N,
N’−ジメチルピペラジン、N−メチル,N’−(2−
ジメチルアミノ)エチルピペラジン、1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)ウンデカ−7−エン等の環状アミ
ン類、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミ
ン、ジメチルアミノエトキシエタノール等のエタノール
アミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等
のエーテルアミン等が挙げられる。また、イミダゾール
系触媒、テトラブチルアンモニウムビサルフェート、テ
トラブチルアンモニウムブロマイド、トリメチルラウリ
ルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモ
ニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、4フッ化ホ
ウ素酸類等が挙げられる。
【0032】本発明の上記付加反応は通常約30〜10
0℃、好ましくは40〜90℃で2〜24時間の間に行
なわれるが、あまり温度が高いと樹脂の劣化が起きる。
【0033】また、付加反応は、エポキシ基含有ポリウ
レタン樹脂を調整する際に、付加反応に必要な塩類や触
媒を重合系に存在させることにより重合と同時に進行さ
せることもできる。
【0034】本発明の上記開環反応においてはエポキシ
基を全部開環させるのが好ましいが、もちろん一部のエ
ポキシ基を残存させてもよく、エポキシ基を残すように
付加反応を行なって得られたものを用いた場合には、磁
性塗膜は残存するエポキシ基により優れた耐熱安定性を
発揮することができるので、信頼性に優れた、ヘッド腐
食を起こしにくい磁気記録媒体の製造が可能になる。ま
た、エポキシ基の反応性を利用してポリアミン化合物や
ポリカルボン酸化合物による塗膜の架橋が可能である。
通常エポキシ基に対してアミン類あるいはカルボン酸類
を約1倍等量以下、好ましくは約0.2〜1倍等量使用
するのが良い。
【0035】ポリウレタン樹脂中のエーテル基含有量
は、1mmol/g〜6mmol/gが好ましい。1m
mol/g未満では磁性体への吸着性が低下し、分散性
が低下する。また、6mmol/g以上では溶剤への溶
解性が低下し、分散性が低下する。
【0036】ポリウレタン樹脂中に含まれる平均極性基
含有量が3×10-5〜30×10-5eq/gの範囲であ
ることをが好ましく、3.5×10-5〜20×10-5
q/gであることがより好ましい。3×10-5eq/g
未満では分散性が不足し好ましくなく、また30×10
-5eq/gよりも多いと凝集が生じ結果的に分散が不充
分となり好ましくない。
【0037】ポリウレタン中のOH含有量は、OH基と
して分枝OH基を有することが硬化性、耐久性の面から
好ましく、1分子当たり2個〜40個が好ましく、さら
に好ましくは1分子当たり3個〜20個である。2個/
分子未満ではイソシアネート硬化剤との反応性が低下す
る為に塗膜強度が低下し、耐久性が低下する。40個/
分子以上では溶剤への溶解性が低下するので分散性が低
下する。
【0038】ポリウレタンの分子量は、5000〜10
0000が好ましい。更には10000〜50000が
好ましい。5000未満では得られる磁性塗膜が脆くな
り得られる磁性塗膜が脆くなるなど物理的強度が低下
し、磁気テープ等の耐久性にも影響を与える。1000
00を超えると溶剤への溶解性が低下し、分散性が低下
する。また、所定濃度における塗料粘度が高くなって作
業性が著しく悪くなり取扱が困難となる。
【0039】ポリウレタンのガラス転移温度(Tg)
は、50℃〜200℃が好ましい。より好ましくは80
℃〜150℃であり、更に好ましくは100℃〜130
℃である。50℃未満では高温での塗膜強度が低下する
ので耐久性、保存性が低下する。200℃を超えるとカ
レンダー成型性が低下し、電磁変換特性が低下する。
【0040】また、本発明の結合剤には、塩化ビニル系
樹脂を併用することができる。具体的には、塩化ビニル
を主モノマーとして他に酢酸ビニル、ビニルアルコー
ル、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩
化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタ
クリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、
ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテ
ル、ビニルスルホン酸、アクリルアミド、ヒドロキシエ
チルアクリレート、グリシジルアクリレートなどの共重
合体を用いることができる。
【0041】塩化ビニル単位は、57〜98重量%の範
囲が好ましい。57重量%未満では得られる樹脂の塗膜
の強度を低下させ、98重量%を超えると樹脂のケトン
類、エステル類等の有機溶剤への溶解性を妨げる。
【0042】ビニルアルコール単位は、2〜16重量%
の範囲が好ましい。2重量%未満では塗料を調整する際
のケトン類、エステル類等の有機溶剤への可溶性、非磁
性粉体、磁性粉体の分散性、本樹脂と併用されるイソシ
アネート化合物との反応性、他の樹脂との相溶性に対す
る効果が得られず、16重量%を超えると塗料の粘度が
高くなりすぎ、イソシアネート化合物を添加したときの
ポットライフが短くなり実用上不利となる。他のビニル
単位は、0〜26重量%の範囲が好ましい。この範囲を
超えると樹脂全体の力学物性・分散性などが低下する。
また、得られた塩化ビニル共重合体をケン化して酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等をビニルアルコール成分に
することができる。
【0043】平均重合度は、200〜800が好まし
い。更に好ましくは250〜700である。200未満
では得られる磁性塗膜が脆くなり、得られる磁性塗膜が
脆くなるなど物理的強度が低下し、磁気テープ等の耐久
性にも影響を与える。また、800を超えると所定濃度
における塗料粘度が高くなって作業性が著しく悪くなり
取扱が困難となる。
【0044】本発明における結合剤として、前述の極性
基含有塩化ビニル系樹脂および極性基含有ポリウレタン
樹脂とともに、さらにこれらの合計量の等量以下の量
で、その他の極性基を持つ結合剤を併用しても良い。併
用できるその他の樹脂としては特に制限はなく、従来磁
気記録媒体用の結合剤として使用されている公知の熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂およびこれらの混
合物を使用することができる。具体的には、熱可塑性樹
脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数
平均分子量が1000〜200000、好ましくは10
000〜100000、重合度が50〜1000程度の
ものである。
【0045】このようなものとしては、アクリル酸、ア
クリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、
ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセ
タール、ビニルエーテル等を構成単位として含む重合
体、共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂があ
る。 また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、
フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹
脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ
−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネート
プレポリマーの混合物等が挙げられる。
【0046】本発明の磁気記録媒体の非磁性下層に使用
される非磁性粉体は無機物質でも有機物質でもよい。ま
た、カーボンブラック等も使用できる。非磁性粉体は、
例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金
属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等が挙げられる。具
体的にはTiO2、TiOX、酸化セリウム、酸化スズ、
酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、Cr2
3、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミ
ナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダ
ム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、
窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO3
CaCO3、BaCO3、SrCO3、BaSO4、炭化珪
素、炭化チタン等が単独あるいは2種類以上の組み合わ
せで使用される。
【0047】好ましいのは、α−酸化鉄、酸化チタンで
あり、特に好ましいのはα−酸化鉄である。
【0048】また、これらの非磁性粉末をアルカリ性懸
濁液とし、例えば60〜200℃において加熱したり、
無機物で表面処理すること、あるいは両者を併用してp
Hを調整することができる。非磁性粉末のpHは、8〜
11の範囲が好ましい。pHが8未満では高温・高湿下
でのμ値が上昇し、走行性が劣化し、また表面バインダ
ー量の減少量が大きくなる。pHが11を超えると脂肪
酸の遊離量が減少するので摩擦係数が高くなり走行性が
劣化し、また表面バインダー量の減少量が大きくなる。
これらのpHは、JIS−A法で測定した。
【0049】これらの微粉末の粒子サイズは、0.01
〜2μmが好ましい。また、タップ密度は、0.05〜
2g/cm3 、好ましくは0.2〜1.5g/cm3
含水率は、0.1〜5%、好ましくは0.2〜3%であ
る。比表面積は、1〜100m2/g 、好ましくは5〜
50m2/g であり、さらに好ましくは、7〜40m2
/g である。DBP吸油量は5〜100ml/100
g、好ましくは10〜80ml/100gであり、さら
に好ましくは20〜60ml/100gである。比重
は、1〜12、好ましくは2〜8である。形状は、針
状、球状、さいころ状、板状のいずれでもよい。また、
微粉末は、表面をアルミナで処理をした酸化チタン粉末
のように、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウ
ム、スズ、アンチモン、亜鉛等の金属の酸化物で処理を
したものであってよい。表面を処理をする場合には、純
度は70重量%以上であれば、効果を得ることができ、
強熱減量が20重量%以下であることが好ましい。これ
らの、無機微粉末のモース硬度は4以上のものが好まし
い。
【0050】本発明に用いるカーボンブラックとして
は、ゴム用ファーネスブラック、ゴム用サーマルブラッ
ク、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いる
ことができる。カーボンブラックの比表面積は、100
〜500m2/g 、好ましくは150〜400m2/g
であり、DBP吸油量は、20〜400ml/100
g、好ましくは30〜200ml/100g、さらに好
ましくは10〜40ml/100gである。pHは、2
〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1
〜1g/cm3 が好ましい。
【0051】カーボンブラックを分散剤などで表面処理
したり、樹脂でグラフト化して使用してもよい。また、
カーボンブラックを非磁性塗料を添加する前にあらかじ
め結合剤で分散しても良い。これらのカーボンブラック
は、無機微粉末に対して50重量%を超えない範囲で使
用することができる。また、これらのカーボンブラック
は、単独、または組み合わせて使用することができる。
本発明において使用することができる非磁性有機微粉末
には、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン
樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料
粉末が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリ
エステル系樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、フッ素樹脂
粉末が挙げられ、特開昭62−18564号公報、同6
0−25582号公報に記載されている方法によって製
造することができる。
【0052】本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性
粉末は、強磁性酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化鉄又は
強磁性合金粉末でSBET 比表面積が40〜80m2
g、好ましくは50〜70m2 /gである。結晶子サイ
ズは12〜25nm、好ましくは13〜22nmであ
り、特に好ましくは14〜20nmである。長軸長は
0.05〜0.25μmであり、好ましくは0.07〜
0.2μmであり、特に好ましくは0.08〜0.15
μmである。強磁性金属粉末としてはFe、Ni、Fe
−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe等
が挙げられ、金属成分の20重量%以下の範囲内で、ア
ルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バ
ナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、イットリウ
ム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、金、錫、アン
チモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、
レニウム、銀、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセ
オジム、ネオジム、テルル、ビスマスを含む合金を挙げ
ることができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水
酸化物または酸化物を含むものなどであってもよい。こ
れらの強磁性粉末の製法は既に公知であり、本発明で用
いる強磁性粉末についても公知の方法に従って製造する
ことができる。強磁性粉末の形状に特に制限はないが、
通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状および板状のも
のなどが使用される。とくに針状の強磁性粉末を使用す
ることが好ましい。
【0053】上記の樹脂成分、硬化剤および強磁性粉末
を、通常磁性塗料の調製の際に使用されているメチルエ
チルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチ
ル等の溶剤と共に混練分散して磁性塗料とする。混練分
散は通常の方法に従って行うことができる。なお、磁性
塗料中には、上記成分以外に、α−Al23 、Cr2
3 等の研磨材、カーボンブラック等の帯電防止剤、脂肪
酸、脂肪酸エステル、シリコーンオイル等の潤滑剤、分
散材など通常使用されている添加剤あるいは充填剤を含
むものであってもよい。上層磁性層または下層非磁性層
の潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他はそ
れぞれ磁性層に関する公知技術が適用できる。
【0054】以上の材料により調製した上層磁性層用磁
性塗料、下層非磁性層用非磁性塗料を非磁性支持体上に
塗布して磁性層を形成する。本発明に用いることのでき
る非磁性支持体としては二軸延伸を行ったポリエチレン
ナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミ
ド、ポリベンズオキシダゾール等の公知のものが使用で
きる。好ましくはポリエチレンナフタレート、芳香族ポ
リアミドである。これらの非磁性支持体はあらかじめコ
ロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、などを
行っても良い。また本発明に用いることのできる非磁性
支持体は中心線平均表面粗さがカットオフ値0.25m
mにおいて0.1〜20nm、好ましくは1〜10nm
の範囲という優れた平滑性を有する表面であることが好
ましい。また、これらの非磁性支持体は中心線平均表面
粗さが小さいだけでなく1μ以上の粗大突起がないこと
が好ましい。
【0055】本発明の磁気記録媒体の製造方法は例え
ば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層塗料を好
ましくは磁性層の乾燥後の層厚が0.05〜5μmの範
囲内、より好ましくは0.07〜1μmになるように磁
性塗料、非磁性塗料を逐次あるいは同時に重層塗布す
る。具体的には、 (1)磁性層の塗布で一般的に適用されるグラビア、ロ
ール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置によ
り、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のうちに特
公平1-46186号公報、特開昭60-238179号
公報、特開平2-265672号公報等に開示されてい
るような支持体加圧型エクストルージョン塗布装置によ
り、上層を塗布する。 (2)特開昭63-88080号公報、特開平2-179
71号公報、特開平2-265672号公報に開示され
ているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗
布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。 (3)特開平2-174965号公報に開示されている
ようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗
布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
【0056】本発明で用いる非磁性支持体の磁性層が塗
布されていない面にバックコート層(バッキング層)が
設けられていてもよい。バックコート層は、非磁性支持
体の磁性塗料が塗布されていない面に、研磨材、帯電防
止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散したバ
ックコート層形成塗料を塗布して設けられた層である。
粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使
用することができ、また結合剤としてはニトロセルロー
ス、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン
等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することが
できる。なお、非磁性支持体の磁性層形成面およびバッ
クコート層形成面に接着剤層が設けられいてもよい。
【0057】塗布された磁性塗料の塗布層は、磁性層塗
布液の塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を
施した後に乾燥される。このようにして乾燥された後、
塗布層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、
たとえばスーパーカレンダーロールなどが利用される。
表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去
によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充
填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体
を得ることができる。カレンダー処理ロールとしてはエ
ポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等
の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロー
ルで処理することもできる。
【0058】本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平
均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜
4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れ
た平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法
として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合
剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施す
ことにより行われる。カレンダー処理条件としては、カ
レンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好まし
くは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜10
0℃の範囲であり、圧力は100〜500kg/cmの
範囲であり、好ましくは200〜450kg/cmの範
囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cmの
範囲の条件で作動させることによって行われることが好
ましい。得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用し
て所望の大きさに裁断して使用することができる。
【0059】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に
説明する。実施例中の「部」の表示は「重量部」を示
す。なお、結合剤樹脂の分子量はゲルパーミエイション
クロマトグラフィ(GPC)で標準ポリスチレンの分子
量に換算した分子量を示し、ポリウレタン樹脂のOH含
量は、JIS K0070の試験方法により求めたOH
価及びGPCを用いて求めた分子量から一分子あたりの
OH基数で示した。
【0060】製造例A(短鎖ジオール+長鎖ジオール+
エポキシ基含有化合物+ジイソシアネート系ポリウレタ
ン樹脂の合成例) 還流式冷却器、攪拌機を具備し、予め窒素置換した反応
容器に水素化ビスフェノールA(新日本理化製リカビノ
ールHB)170部、ビスフェノールAのポリプロピレ
ンオキシド付加物(平均分子量1000)220部、エ
ポキシ化ポリブタジエンジオール(旭電化製LPH−2
060)80部、ジメチルアセトアミド2410部にて
窒素気流下で60℃で溶解した。次いで触媒として、ジ
−n−ジブチルスズジラウレートを使用した原料の総量
に対して60ppm加え15分間溶解した。更にフェニ
ルメタンジイソシアネート250部、トリメチロールプ
ロパン3部を加え60℃にて8時間加熱反応し、過硫酸
ナトリウム6部を添加し90℃にて3時間加熱反応しポ
リウレタン樹脂Aを得た。得られたポリウレタン樹脂A
は重量平均分子量2.5万、極性基(−SO3M)含有
量6.1×10-5eq/g、平均OH基含量は3個/1
分子であった。
【0061】エポキシ化ポリブタジエンジオールの添加
量を変えた以外は同様の製造法により表1に示したポリ
ウレタン樹脂C〜Dを得た。
【0062】製造例B(エポキシ基含有ポリエステルポ
リオール+ジイソシアネート系ポリウレタンの合成例) (1)ポリエステルポリオールの合成 温度計、還流式冷却器、攪拌機を具備し、予め窒素置換
した反応容器中にジメチルテレフタレート776部、エ
ポキシ化ポリブタジエンジオール(旭電化製LPHX−
2030)850部、エチレングリコール434部、ネ
オペンチルグリコール728部、酢酸亜鉛0.66部、
酢酸ナトリウム0.08部を加え140〜220℃で3
時間エステル交換反応を行った。ついでセバシン酸12
12部を加え210〜230℃で2時間反応させた後、
反応系を30分間かけて20mmHgまで減圧し、さら
に5〜20mmHg、230℃で30分間重縮合反応を
行いポリエステルポリオールbが得られた。
【0063】(2)ポリウレタン樹脂Bの合成 温度計、還流式冷却器、攪拌機を具備し、予め窒素置換
した反応容器中にジメチルアセトアミド3570部、上
記のポリエステルポリオールbの1000部、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート75部、ジブチルチンジラウ
レート1.2部を加え、70〜90℃で8時間反応さ
せ、さらに過硫酸ナトリウム6部を添加し90℃にて3
時間加熱反応しポリウレタン樹脂Bを得た。得られたポ
リウレタン樹脂Bは重量平均分子量3.0万、極性基
(−SO3M)含有量6.0×10-5eq/g、平均O
H基含量は3.6個/1分子であった。
【0064】比較製造例E(短鎖+長鎖+ジイソシアネ
ート系ポリウレタンの合成例) 還流式冷却器、攪拌機を具備し、予め窒素置換した反応
容器に水素化ビスフェノールA(新日本理化製リカビノ
ールHB)138部、ビスフェノールAのポリプロピレ
ンオキシド付加物(平均分子量1000)228部、ス
ルホソフタル酸エチレンオキシド付加物14部、ジメチ
ルアセトアミド2010部にて窒素気流下で60℃で溶
解した。次いで触媒として、ジ−n−ジブチルスズジラ
ウレートを使用した原料の総量に対して60ppm加え
更に15分間溶解した。更にフェニルメタンジイソシア
ネート220部、トリメチロールプロパン4部を加え9
0℃にて4時間加熱反応し、ポリウレタン樹脂Eを得
た。得られたポリウレタン樹脂Eは重量平均分子量2.
5万、極性基(−SO3M)含有量6.1×10-5eq
/g、平均OH基含有量は3個/1分子であった。
【0065】比較製造例F(ポリエステルポリウレタン
の合成例) (1)ポリエステルポリオールの合成 温度計、還流式冷却器、攪拌機を具備し、予め窒素置換
した反応容器中にジメチルテレフタレート743部、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル50部、エチ
レングリコール434部、ネオペンチルグリコール72
8部、酢酸亜鉛0.66部、酢酸ナトリウム0.08部
を加え140〜220℃で3時間エステル交換反応を行
った。ついでセバシン酸1212部を加え210〜23
0℃で2時間反応させた後、反応系を30分間かけて2
0mmHgまで減圧し、さらに5〜20mmHg、23
0℃で30分間重縮合反応を行いポリエステルポリオー
ルgが得られた。
【0066】(2)ポリウレタン樹脂Fの合成 温度計、還流式冷却器、攪拌機を具備し、予め窒素置換
した反応容器中にジメチルアセトアミド3580部、前
記のポリエステルポリオールg1000部、ジフェニル
メタンジイソシアネート75部、ジブチルチンジラウレ
ート1.2部を加え、70〜90℃で8時間反応させポ
リウレタン樹脂Fを得た。得られたポリウレタン樹脂F
は重量平均分子量3.0万、極性基(−SO3M)含有
量6.3×10-5eq/g、平均OH基含有量は3.6
個/分子であった。
【0067】
【表1】
【0068】表1における吸着量および非吸着樹脂極性
基量は以下の方法によって測定した。 得られたポリウ
レタン樹脂をシクロヘキサノンに固形分濃度5%になる
ように溶解し、溶液200部に対してα−酸化鉄50部
を加えサンドミルで120分間分散し、その後分散液を
遠心分離装置を用いて5000rpmで60分間処理
し、α−酸化鉄を分離した。次いで、上澄み液を約2g
精秤し140℃で4時間真空乾燥し、上澄み中の固形分
を求め初期濃度との差を吸着した樹脂量とし、使用した
α−酸化鉄1gあたりの吸着量を求めた。また、上澄み
中樹脂中の硫黄の量を蛍光X線で測定し非吸着樹脂極性
基量とした。
【0069】実施例1 (磁性塗料液の調整) 強磁性合金粉末 100部 (組成:Fe/Zn/Ni=92/4/4、Hc:2000Oe、結晶子サ イズ:15nm、BET比表面積:59m2/g、長軸径:0.12μm、針状 比:7、σs:140emu/g ポリウレタン樹脂A 10部 塩化ビニル系樹脂 (MR110:日本ゼオン製) 8部 α−Al23(粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ 40nm) 2部 シクロヘキサノン 110部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 上記磁性塗料組成物について、各成分をオープンニーダ
ーで60分間混練した後、サンドミルで120分間分散
した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイオシア
ネート化合物(日本ポリウレタン製コロネート304
1)を6部加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1
μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁
性塗料液を調製した。
【0070】厚さ10μmのポリエチレンナフタレート
支持体上に得られた非磁性塗料を乾燥後の厚さが3.0
μmになるように塗布し、磁性層が未乾燥の状態で30
00ガウスの磁石で磁場配向を行ない、さらに乾燥後、
金属ロールのみから構成される7段のカレンダーで速度
100m/分、線圧300kg/cm、温度90℃で表
面平滑化処理を行なった後、70℃で24時間加熱硬化
処理を行い、6.35mm幅に裁断し、磁気テープを作
製した。
【0071】実施例2〜4 磁性塗料組成物で使用するポリウレタン樹脂を製造例B
〜Dのポリウレタン樹脂に変更して、実施例1と同様の
方法で実施例2〜4の磁気テープを作製した。
【0072】実施例5 (上層磁性塗料液の調整) 強磁性合金粉末 100部 (組成:Fe/Zn/Ni=92/4/4、Hc:2000Oe、結晶子サ イズ:15nm、BET比表面積:59m2/g、長軸径:0.12μm、針状 比:7、σs:140emu/g) ポリウレタン樹脂A 10部 塩化ビニル系樹脂 (MR110:日本ゼオン製) 8部 α−Al23(粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ 40nm) 2部 シクロヘキサノン 110部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 (下層用非磁性塗料液の調整) 非磁性無機質粉体 85部 (α−酸化鉄、長軸径:0.12μm、針状比:7、BET表面積 55m 2 /g、pH6.5) ポリウレタン樹脂A 10部 塩化ビニル系樹脂(MR110:日本ゼオン製) 8部 シクロヘキサノン 140部 メチルエチルケトン 170部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 上記上層用磁性塗料組成物および下層用非磁性塗料組成
物のそれぞれについて、各成分をオープンニーダーで6
0分間混練した後、サンドミルで120分間分散した。
得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート
化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を
6部加え、さらに20分間攪拌混合した後、1μmの平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料お
よび非磁性塗料を調製した。
【0073】厚さ10μmのポリエチレンナフタレート
支持体上に得られた非磁性塗料を乾燥後の厚さが2.5
μmになるように塗布し、さらにその直後に磁性塗料を
乾燥後の厚さが0.5μmになるように同時重層塗布
し、両層が未乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場
配向を行ない、さらに乾燥後、金属ロールのみから構成
される7段のカレンダーで速度100m/分、線圧30
0kg/cm、温度90℃で表面平滑化処理を行なった
後、70℃で24時間加熱硬化処理を行い、6.35m
m幅に裁断し、磁気テープを作製した。
【0074】実施例6〜8 下層非磁性塗料組成物および上層磁性塗料組成物で使用
するポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂B〜Dに変更
して、実施例5と同様の方法で実施例6〜8の磁気テー
プを作製した。
【0075】比較例1〜2 磁性塗料組成物で使用するポリウレタン樹脂をポリウレ
タン樹脂E〜Fに変更して、実施例1と同様の方法で比
較例1〜2の磁気テープを作製した。
【0076】比較例3〜4 上層磁性塗料組成物および下層非磁性層で使用するポリ
ウレタン樹脂をポリウレタン樹脂E〜Fに変更して、実
施例5と同様の方法で比較例3〜4の磁気テープを作製
した。
【0077】以上の実施例および比較例で得られた磁気
テープを下記の測定方法によって測定し、その結果を表
4に示す。表2に実施例・比較例で作製した磁気テープ
を示す。
【0078】
【表2】
【0079】註)表中のアルファベットは製造例のポリ
ウレタン樹脂の記号に対応する。以上の実施例および比
較例で得られた磁気テープを下記の測定方法によって測
定し、その結果を表3に示す。 (測定方法) 表面粗さRa:デジタルオプチカルプロフィメ−タ−
(WYKO製)を用いたる光干渉法により、カットオフ
0.25mmの条件で中心線平均粗さをRaとした。 電磁変換特性:試料テープにドラムテスターを用いて
記録波長0.5μm、ヘッド速度10m/秒の条件で記
録し再生した。実施例1のテープとの相対的な再生出力
を評価した。
【0080】繰り返し走行性(出力低下・ヘッド汚れ
・表面バインダー量変化)60分長のテープを松下電器
製DVC−VTR(NV−BJ1)を用いて40℃80
%RH環境下で100回連続繰り返し走行させ、ビデオ
ヘッドの汚れを観察し、またビデオ出力を連続して再生
し、1回目の出力を0dBとして出力低下を測定した。
ビデオヘッド汚れは以下の評価点数によって評価をし
た。 5.汚れないもの。 4.ヘッドのテ−プ出口側のショルダ−部に少し汚れが
あるもの。 3.ヘッドのテ−プ出口側のショルダ−部に汚れが認め
られる。 2.更にヘッド部にも汚れが見られるもの。 1.ヘッドに汚れが全面に見られ、記録再生が不可能に
なるもの。 表面バインダー量変化は走行前後のテープを磁性層表層
に存在する潤滑剤等を除くため、n−ヘキサンを用いて
室温で30分間抽出し、φ社製ESCA測定装置(PH
I−5400MC)を用いて400W(15kV)、M
gアノードで10分間測定しNについてはFeの2P3
/2のピークに対するNの1Sのピーク強度比を、Cl
については同じくFeの2P3/2のピークに対するC
lの1Sのピーク強度比を求めた。
【0081】保存性は磁気テープを60℃90%RHに
1週間テープを保存しその前後の摩擦係数の変化を以下
の評価点数によって評価をした。 5.μ値変動が見られないもの。 4.μ値上昇が0.05未満であるもの。 3.μ値上昇が0.05〜0.1であるもの。 2.μ値上昇が0.1より大であるもの。 1.貼り付きが生じるもの。
【0082】
【表3】
【0083】
【発明の効果】本発明は、磁性粉体の分散性に優れてい
るだけではなく、下層非磁性層においても非磁性粉体の
分散性に優れているため上層磁性層の表面平滑性・電磁
変換特性に優れた磁気記録媒体が得られ、同時に結合剤
成分が磁性粉体および非磁性粉体に対して高い吸着性を
有するため磁性層表面に未吸着の結合剤成分が滲み出す
ことが防止されヘッド、汚れ、目詰まり等が生じない走
行耐久性に優れた磁気記録媒体が得られる。特に、高温
・高湿下での保存性に優れ、走行前後での表面バインダ
ー量変化の少ない磁気記録媒体が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に少なくとも強磁性粉体
    と結合剤とを含む磁性層を設けた磁気記録媒体におい
    て、結合剤がポリオール、イソシアネート化合物、分子
    中に1個以上のエポキシ基と1個以上の水酸基を含有す
    る化合物を反応させて得られるポリウレタン樹脂に−S
    3M、−OSO3M(ここでMは水素、アルカリ金属、
    アルカリ土類金属、アンモニウム塩)から選ばれる少な
    くとも1種の極性基を含有する化合物を反応させて得ら
    れたポリウレタン樹脂を含むことを特徴とする磁気記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 ポリウレタン樹脂に含まれる平均極性基
    含有量が3×10-5〜30×10-5eq/gの範囲であ
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記ポリウレタン樹脂骨格が環状構造を
    有するジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子
    量500〜5000のポリオールをポリウレタン樹脂中
    に0〜50重量%含み、かつ環状構造を有するジオール
    または環状構造を有するジオールにアルキレンオキサイ
    ドを付加したジオールの少なくともいずれか一方であり
    分子量が200〜500である短鎖ジオールを15〜5
    0重量%含み、前記ジオールおよびポリオールから由来
    するエーテル基をポリウレタン樹脂全体に対して1〜6
    mmol/g含み、かつ該ポリウレタン樹脂中に少なく
    とも一種の極性基を有するポリウレタン樹脂であること
    を特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 非磁性支持体上に、非磁性粉体もしくは
    磁性粉体の少なくともいずれかと結合剤とを含む下層塗
    布層とその上に少なくとも強磁性粉体と結合剤とを含む
    上層磁性層を設けた複数の層を有する磁気記録媒体にお
    いて、前記下層非磁性層または上層磁性層の少なくとも
    いずれか一方の結合剤としてポリオール、イソシアネー
    ト化合物、分子中に1個以上のエポキシ基と1個以上の
    水酸基を含有する化合物を反応させて得られるポリウレ
    タン樹脂に−SO3M、−OSO3M(ここでMは水素、
    アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩)か
    ら選ばれる少なくとも1種の極性基を含有する化合物を
    反応させて成るポリウレタン樹脂と塩化ビニル系樹脂を
    含むことを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 ポリウレタン樹脂に含まれる平均極性基
    含有量が3×10-5〜30×10-5eq/gの範囲であ
    ることを特徴とする請求項4記載の磁気記録媒体。
JP8313482A 1996-11-25 1996-11-25 磁気記録媒体 Pending JPH10162348A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8313482A JPH10162348A (ja) 1996-11-25 1996-11-25 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8313482A JPH10162348A (ja) 1996-11-25 1996-11-25 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10162348A true JPH10162348A (ja) 1998-06-19

Family

ID=18041845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8313482A Pending JPH10162348A (ja) 1996-11-25 1996-11-25 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10162348A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001134921A (ja) * 1999-11-05 2001-05-18 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気記録媒体
US10266637B2 (en) * 2014-06-03 2019-04-23 Nippon Steel Chemical & Material Co., Ltd. Polyurethane-modified epoxy resin, method for producing same, epoxy resin composition and cured product

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001134921A (ja) * 1999-11-05 2001-05-18 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気記録媒体
US10266637B2 (en) * 2014-06-03 2019-04-23 Nippon Steel Chemical & Material Co., Ltd. Polyurethane-modified epoxy resin, method for producing same, epoxy resin composition and cured product

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4503198A (en) Electron radiation curable resin
KR0156576B1 (ko) 분말의 결합제 및 이를 사용한 자기 기록매체
JPH08293115A (ja) 磁気記録媒体用結合剤および磁気記録媒体
US5747157A (en) Magnetic recording medium
JPH10162348A (ja) 磁気記録媒体
US7348079B2 (en) Magnetic recording medium
US5030481A (en) Process of producing magnetic recording medium
US20080187783A1 (en) Magnetic recording medium
JPH10320746A (ja) 磁気記録媒体
JP3638366B2 (ja) 磁気記録媒体
JP4045492B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH09305953A (ja) 磁気記録媒体
JPH1196539A (ja) 磁気記録媒体
JP2005032365A (ja) 磁気記録媒体
JP2004362714A (ja) 磁気記録媒体
JP3638379B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3841367B2 (ja) 磁気記録媒体
US5473042A (en) Materials suitable as crosslinkable binder components
JP2661179B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH10320747A (ja) 磁気記録媒体
JPH10208232A (ja) 磁気記録媒体
JP2003123222A (ja) 磁気記録媒体
JP2004280975A (ja) 磁気記録媒体
JP2005149622A (ja) 磁気記録媒体
US20080187784A1 (en) Magnetic recording medium