JPH10158929A - ポリエステル極細マルチフィラメントの溶融紡糸方法 - Google Patents

ポリエステル極細マルチフィラメントの溶融紡糸方法

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JPH10158929A
JPH10158929A JP32777196A JP32777196A JPH10158929A JP H10158929 A JPH10158929 A JP H10158929A JP 32777196 A JP32777196 A JP 32777196A JP 32777196 A JP32777196 A JP 32777196A JP H10158929 A JPH10158929 A JP H10158929A
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spinning
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oiling
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Toshishige Ezuka
利繁 江塚
Kenji Yamashita
賢司 山下
Michimasa Onishi
道昌 大西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紡糸引き取り後の単糸繊度が 0.7d以下で、
糸斑のないポリエステル極細マルチフィラメントを、糸
切れ等のトラブルもなく、高速で安定して生産すること
ができる溶融紡糸方法を提供する。 【解決手段】 紡糸引き取り後の単糸繊度が 0.7デニー
ル以下で、フィラメント数が 100〜300 のポリエステル
極細マルチフィラメントを溶融紡糸し、ローラ式オイリ
ング装置を用いて油剤を付与した後、引取速度2500〜40
00m/分で引き取る。その際、紡糸口金1の下方に配設
したローラ式オイリング装置のオイリングローラ3面の
走行糸条と接する接糸面の位置が、紡糸口金面から距離
H(mm)下方で、かつ紡糸口金の最外周の紡糸孔より
引いた鉛直線から口金の外周方向に向かって距離L(m
m)の位置にあり、500 ≦H≦1000、0<L≦0.03Hを
満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紡糸引き取り後の
単糸繊度が 0.7デニール(d)以下で、延伸後の繊度に
換算すると 0.2〜0.6 d程度となるポリエステル極細マ
ルチフィラメントを、高速紡糸で安定して連続的に製造
する溶融紡糸方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、ポリアミド等に代表され
る合成繊維のうち、単糸繊度が1d以下の極細繊維を製
造する方法としては、 (1)海島型複合繊維を製造し、複合繊維の海成分を溶
解除去する方法(特公昭48− 25362号公報) (2)接合型複合繊維を製造し、割繊する方法(特開昭
51−130317号公報) (3)通常の紡糸、延伸工程において、延伸倍率を高く
して延伸することによって、糸条を細化して極細繊維と
する方法(特開昭55− 26201号公報) (4)2500m/分以上の高速度で紡糸して、高度に配向
された極細繊維を得る方法(特開昭54− 30924号公報) 等が提案されている。
【0003】これらの方法のうち、(1)、(2)の方
法は、特殊な紡糸装置が必要となり、しかも、2種類以
上のポリマーを使用して溶解、割繊等の操作を行わなけ
ればならないため、コストが非常に高くなり、さらに、
糸斑のない均一な極細繊維を工業的に連続して製造する
ことが非常に困難であるという欠点がある。
【0004】(3)の方法では、単糸繊度が小さくなる
につれて繊度斑が大きくなったり、延伸中の糸条の切断
が多発したりして、単糸繊度 0.7d以下の極細繊維を得
ることが困難である。
【0005】これらに対し、(4)の高速紡糸法による
と、口金に穿孔された紡糸孔1孔当たりの吐出量が増大
することや、紡糸張力の増大に伴って口金下流の糸揺れ
が緩和されること、さらには、高い配向度等の効果によ
って繊度斑が小さくなり、比較的容易に極細繊維を得る
ことができる。しかしながら、単糸繊度が小さく、フィ
ラメント数が多くなるほど、紡出糸条に作用する空気抵
抗が飛躍的に増大するため、紡糸張力が高くなり過ぎ、
ドラフト切れが生じたり、また、随伴流も増大し、糸揺
れが大きくなり、糸条の均一性が悪化するという問題が
ある。
【0006】これらの問題を解決して、高速紡糸で極細
繊維を製造するために、紡糸口金に穿孔される吐出孔の
配列を工夫したり、冷却後の糸条が走行中に受ける空気
抵抗をできるだけ抑え、紡糸張力が高くなり過ぎない工
夫や糸条の冷却速度を制御する工夫がなされており、こ
れらの方法によって紡糸引き取り後の単糸繊度が 0.5d
(延伸後の単糸繊度が 0.3〜0.4 d)程度の極細繊維の
製造が可能になった。
【0007】しかしながら、紡糸引き取り後の単糸繊度
が2〜3dの一般糸と比較すると、操業性の面におい
て、紡糸、巻取工程での糸切れ率が高く、また、巻き上
がったパッケージに単糸切れが生じていたり、たるみ糸
が混在することがあり、これに起因する後工程でのトラ
ブルも多発する等、未解決の問題が多い。
【0008】特開昭56−107006号公報には、これらの問
題を解決するものとして、2500m/分以上の高速度で溶
融紡糸し、単糸繊度 0.7d以下の極細マルチフィラメン
トを製造するに際し、ローラ式オイリング装置の下方
で、かつ紡糸口金面から2000mmの範囲に集束ガイドを複
数個設ける製造方法が記載されている。すなわち、この
ような位置に集束ガイドを複数個設けることによって、
糸条の集束性を高め、紡糸張力の低下を図ることを目的
とするものであるが、オイリングローラ下に集束ガイド
を複数個設けると、糸条とガイドの接触頻度が増えるた
めに単糸切れの原因となったり、逆に紡糸張力の上昇を
招く結果となり、また、操業管理も複雑なものとなると
いう問題があり、上記の問題点を十分に解決することが
できなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決し、紡糸引き取り後の単糸繊度が 0.7d以下
のポリエステル極細マルチフィラメントを糸切れ等のト
ラブルもなく、高速で安定して生産することができ、得
られる糸条は糸条間での糸斑もなく、さらに、良好な巻
姿のパッケージに巻き取ることができる溶融紡糸方法を
提供することを技術的な課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達
した。すなわち、本発明は、紡糸引き取り後の単糸繊度
が 0.7デニール以下で、フィラメント数が 100〜300 の
ポリエステル極細マルチフィラメントを溶融紡糸し、ロ
ーラ式オイリング装置を用いて油剤を付与した後、引取
速度2500〜4000m/分で引き取る方法において、紡糸口
金の下方に配設したローラ式オイリング装置のオイリン
グローラ面の走行糸条と接する接糸面の位置が、紡糸口
金面から距離H(mm)下方で、かつ紡糸口金の最外周
の紡糸孔より引いた鉛直線から口金の外周方向に向かっ
て距離L(mm)の位置になるようにすることを特徴と
するポリエステル極細マルチフィラメントの溶融紡糸方
法を要旨とするものである。ただし、500 ≦H≦1000
0<L≦0.03H
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を用いて詳細
に説明する。図1は、本発明の溶融紡糸方法の紡糸から
巻取までの一実施態様を示す概略工程図であり、図2
は、図1の紡糸口金、オイリングローラ、集束ガイドの
位置関係を示す概略説明図である。図3は、図1のオイ
リングローラ付近の一部拡大斜視図であり、図4は集束
ガイドの断面図、また、図5(A)、(B)は、本発明
の距離Lを満足しない場合の紡糸口金、オイリングロー
ラ、集束ガイドの位置関係を示す概略説明図である。
【0012】本発明は、紡糸後の糸条を2500〜4000m/
分の高速度で引き取り、引き取り後の単糸繊度が 0.7d
以下で、延伸後の繊度に換算すると 0.2〜0.6 d程度と
なるフィラメント数が 100〜300 のポリエステル極細マ
ルチフィラメントを溶融紡糸する方法に関するものであ
る。図1に示すように、溶融紡糸工程において、紡糸口
金1より吐出された糸条Yは、冷却装置2で冷却固化さ
れ、オイリングローラ3で油剤を付与された後、集束ガ
イド4で集束され、交絡処理装置5で交絡が付与され
る。そして、糸条Yは2段目のオイリングローラ6で再
び油剤を付与され、引取ローラ7A、7Bを介して巻取
装置8で巻き取られる。
【0013】本発明においては、引取ローラ7Aによる
引取速度を2500〜4000m/分とすることが必要であり、
2500m/分未満の低速度では、極細フィラメントとする
には延伸倍率を高くすることが必要になり、延伸斑が増
大したり、糸切れが発生し、延伸操業性が低下するか、
吐出量を小さくすることが必要となるため、繊度斑が増
大する。一方、4000m/分を超える高速度になると、空
気抵抗の増大により紡糸張力が増大し、操業性が極端に
悪化する。
【0014】また、本発明は、紡糸引き取り後の単糸繊
度が0.7 d以下の極細マルチフィラメントを製造するも
のであり、マルチフィラメントの単糸繊度の下限は特に
限定されるものではないが、安定して連続的に製造する
には、0.3 d以上とすることが好ましい。
【0015】そして、本発明においては、紡糸口金1よ
り吐出され、冷却装置2で冷却固化された糸条Yに油剤
を付与する際に、ローラ式オイリング装置を用い、この
オイリング装置のローラ面の糸条が接する接糸面の位置
を、紡糸口金面からの距離と口金の最外周の紡糸孔から
引いた鉛直線からの距離で規定する。
【0016】なお、溶融紡糸工程においては、図1に示
すようにローラ式オイリング装置を複数個設ける場合が
あるが、本発明でいうローラ式オイリング装置は、紡糸
口金に1番近い位置に配設されているローラ式オイリン
グ装置をいう。また、本発明のポリエステルマルチフィ
ラメントの溶融紡糸に使用される紡糸口金は、一般的に
用いられる、紡糸孔が複数の同心円上に配列されたもの
であって、最外周紡糸孔とは、紡糸口金の中心から最も
離れた同心円上に配列する紡糸孔群のことである。
【0017】図2に示すように、オイリング装置を設け
る位置は、オイリングローラ面の糸条に油剤を付与する
糸条接糸面の位置が、紡糸口金面から500 〜1000mm下
方で(500 ≦H≦1000)、かつ紡糸口金の最外周の紡糸
孔から引いた鉛直線より口金の外周方向に向かって距離
L(0<L≦0.03H)を満足する位置にあるようにする
ことが必要である。なお、オイリングローラ面の糸条接
糸面の位置を決定する点は、ローラ面で糸条が接する接
糸面のうち、糸条が離れ始める接点(以下、接糸点とい
う。)とする。また、オイリングローラの糸条の接糸面
を上記のような位置とすると同時に、オイリングローラ
直下の集束ガイド4も、接糸面の接糸点の鉛直線上に設
けることが好ましい。
【0018】Lが0.03Hを超えると、図5(A)に示す
ように、糸条が口金の外周方向に引っ張られ、糸条とオ
イリングローラの接糸長が長く、オイリングローラ表面
や油剤膜との摩擦抵抗が大きくなり、紡糸張力が増大
し、単糸切れが多発する。
【0019】一方、Lが0以下であると、オイリングロ
ーラの接糸面が口金の中心に近くなるが、このような位
置にオイリングローラを設けると、糸条の集束性が悪化
するため、図5(B)に示すように、集束ガイド4を接
糸点の鉛直線上よりもオイリングローラの中心部の鉛直
線上に近い位置に設けることが必要となり、これによっ
て紡糸張力が増大し、特に紡糸張力の影響が大きい極細
マルチフィラメントの溶融紡糸の場合、操業性が著しく
悪化する。
【0020】このように、本発明におけるポリエステル
極細マルチフィラメントの溶融紡糸方法では、オイリン
グローラの走行糸条との接糸面位置を紡糸口金の最外周
紡糸孔から引いた鉛直線よりも外側で、かつその距離を
紡糸口金面からの距離との関係で適切に選定した位置と
しているので、集束ガイドをオイリングローラの中心側
へ押し込まなくても、糸条全体に均一に油剤を付与する
ことができ、紡糸張力の増大を抑えることができる。
【0021】また、図3は、図1のオイリングローラ付
近の一部拡大斜視図であり、オイリングローラ3は矢印
に示す方向に回転しており、糸条Yは、ローラ面の接糸
面Xで接する。集束ガイド4は、オイリングローラ3の
直下で、接糸面Xの接糸点の鉛直線上に設けられてお
り、断面図は図4に示すようなものである。そして、集
束ガイドで集束された糸条Yは、交絡器5で交絡が施さ
れる。
【0022】集束ガイドとしては、図3、4に示すよう
な従来から公知の形状のものを用いることができるが、
集束性をより有効にするために、ガイドの幅Dを狭くす
ることが好ましい。また、ガイドの素材や粗度について
は、特に限定されるものではなく、アルミナ、ジルコニ
ア、チタニア等、糸道ガイドとして一般に用いられてい
るものを利用することができる。
【0023】本発明におけるポリエステルとは、主にエ
チレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とするポ
リエステルをいうが、その性質を本質的に変えない範囲
で、第3成分として、例えば、イソフタル酸、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール等のジオール類を共重
合したコポリエステルでもよく、また、これらのポリエ
ステルに艶消し剤、安定剤、着色剤、難燃剤、表面改良
剤等を添加したものでもよい。
【0024】また、フィラメントは、単一成分のポリエ
ステルで構成しても、複数成分のポリエステルを用い
て、サイドバイサイド構造や芯鞘構造等のものとしても
よく、断面形状は、丸断面に限定されず、三角断面等の
異形断面や中空断面でもよい。
【0025】さらに、本発明において、ローラ式オイリ
ング装置で糸条に付与する油剤としては、一般的に使用
されている紡糸油剤で、プロピレンオキシドとエチレン
オキシドとの共重合体を主成分とし、これに脂肪酸エス
テル、非イオン界面活性剤、制電剤等を配合した紡糸油
剤や、鉱物油と脂肪酸エステルを主成分とし、これに非
イオン界面活性剤、制電剤等を配合した紡糸油剤が好適
に用いられる。
【0026】また、これらの油剤の濃度は2〜8%程度
にすることが好ましい。油剤の濃度が2%未満では、溶
液粘度が低く、表面張力が低すぎて、オイリングローラ
上で油膜斑が発生しやすくなる。一方、8%を超える場
合は、逆に表面張力が高くなりすぎるので、オイリング
ローラの回転数を低速にする必要があり、糸条との液体
摩擦が大きくなり、単糸切れ等が発生し、操業性が悪化
しやすい。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例は、図1に示す工程にしたがって紡
糸、延伸巻取を行い、また、例中における各評価や測定
は次のように行った。 (1)紡糸張力 ROTHSCHILD社のELECTRONIC TENSIOMETER R−3192を使
用し、糸条交絡処理装置5の下方20cmのところで測定し
た値を示す。 (2)紡糸糸切れ回数 16錘を用いて溶融紡糸を行い、1日当たりの紡糸糸切れ
回数により、次の4段階で評価した。 2回未満:◎、 2〜3回:○、 4〜5回:△、 6
回以上:× (3)パッケージの欠点率 16錘を用いた溶融紡糸を10日間行い、得られたパッケー
ジの総数のうち、不良パッケージの生じた数の割合で表
し、次式で算出されたパッケージ欠点率の値より、次の
4段階で評価した。 パッケージ欠点率(%)=(不良パッケージ数/総パッ
ケージ数)×100 1%未満:◎、 1〜2%未満:○、 2〜4%未満:
△、 4%以上:× (4)ウースター斑U(%) 糸条を ZELLWEGER USTER社のUSTER TESTER UT−1を
使用し、糸速度25m/分、チャート速度5cm/分で測定
し、得られた値より、次の4段階で評価した。 1%未満:◎、 1〜2%未満:○、 2〜3%未満:
△、 3%以上:×
【0028】実施例1〜9、比較例1〜3 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て20℃で測定した極限粘度〔η〕が0.68で、艶消し剤と
して二酸化チタンを0.40重量%含有したポリエチレンテ
レフタレートを用い、紡糸口金1(直径0.15mmの紡糸孔
300個を各列に60個ずつ5列の同心円上に配列したもの
であって、最外周の紡糸孔は直径70mmの円周上に配列さ
れている。)より吐出量60.0g/分で吐出して紡糸し、
図3に示すような方向に回転しながら油剤を付与するオ
イリングローラ3を用いて油剤を付与した。そして、集
束ガイド4で糸条を集束し、交絡付与装置5で交絡を付
与し、オイリングローラ3と同様の方向に回転しながら
油剤を付与するオイリングローラ6を用いてさらに油剤
を付与した。この糸条を引取ローラ7Aの速度を3500m
/分として引き取り、速度3500m/分の引取ローラ7B
を介して、巻取装置8で速度3450m/分で巻き取り、単
糸繊度0.5 dの極細マルチフィラメント糸を得た。この
ような溶融紡糸工程において、オイリングローラ3の接
糸面の位置を示す距離H及び距離Lが表1に示すような
値となるように、オイリングローラ3の位置を種々変更
して行った。なお、集束ガイド4は、接糸面の接糸点の
鉛直線上に設けた。このときの紡糸張力、紡糸糸切れ回
数、パッケージの欠点率、ウースター斑の結果を表1に
示す
【0029】比較例4〜6 オイリングローラ3の接糸面の位置を、Lが0の位置、
すなわち、オイリングローラの接糸面の位置が紡糸口金
の最外周の紡糸孔の鉛直線上で、Hが600 (比較例
4)、800 (比較例5)、1000(比較例6)mmの位置
とした以外は、実施例1と同様に行った。このとき、糸
条に油剤を付与するために、図5(B)に示すように、
集束ガイド4をオイリングローラの接糸面の接糸点の鉛
直線上よりもオイリングローラの中心部の鉛直線上に近
い位置に設けた。このときの紡糸張力、紡糸糸切れ回
数、パッケージの欠点率、ウースター斑の結果を表1に
示す
【0030】
【表1】
【0031】表1より明らかなように、実施例1〜9に
おいては、オイリングローラの接糸面の位置が適切であ
ったため、紡糸張力も適当であり、紡糸糸切れ回数も少
なく、高速で安定して生産することができ、得られた糸
条は糸条間での糸斑もなく、良好な巻姿のパッケージに
巻き取ることができた。一方、比較例1〜3は、オイリ
ングローラ3の接糸面の位置が、Lが0.03Hを超えるも
のであったため、ローラ表面や油剤膜との摩擦抵抗が大
きくなり、紡糸糸切れが多発し、また、比較例4〜6
は、オイリングローラ3の接糸面の位置を、Lが0の位
置としたため、集束ガイド4をオイリングローラの接糸
面より糸条が離れ始める点の鉛直線上よりもオイリング
ローラの中心部の鉛直線上に近い位置に設けることが必
要となり、紡糸張力が高くなり、紡糸糸切れが多発し、
これらの比較例1〜6で得られた糸条は糸条間での糸斑
があり、たるみ糸や単糸切れの発生したパッケージが生
じた。
【0032】
【発明の効果】本発明のポリエステル極細マルチフィラ
メントの溶融紡糸方法によれば、ポリエステル極細マル
チフィラメントを溶融紡糸し、引取速度2500〜4000m/
分で引き取る方法において、紡糸糸切れ回数も少なく、
高速で安定して生産することができ、得られる糸条は糸
条間での糸斑もなく、良好な巻姿のパッケージに巻き取
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融紡糸方法の紡糸から巻取までの一
実施態様を示す概略工程図である。
【図2】図1の紡糸口金からオイリングローラ、集束ガ
イドまでの位置関係を示す概略説明図である。
【図3】図1のオイリングローラ付近の一部拡大斜視図
である。
【図4】図3における集束ガイドの断面図である。
【図5】(A)、(B)は、本発明の距離Lを満足しな
い場合の紡糸口金、オイリングローラ、集束ガイドの位
置関係を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 紡糸口金 2 冷却装置 3 オイリングローラ 4 集束ガイド 5 交絡処理装置 6 オイリングローラ 7 引取ローラ 8 巻取機 Y 糸条

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡糸引き取り後の単糸繊度が 0.7デニー
    ル以下で、フィラメント数が 100〜300 のポリエステル
    極細マルチフィラメントを溶融紡糸し、ローラ式オイリ
    ング装置を用いて油剤を付与した後、引取速度2500〜40
    00m/分で引き取る方法において、紡糸口金の下方に配
    設したローラ式オイリング装置のオイリングローラ面の
    走行糸条と接する接糸面の位置が、紡糸口金面から距離
    H(mm)下方で、かつ紡糸口金の最外周の紡糸孔より
    引いた鉛直線から口金の外周方向に向かって距離L(m
    m)の位置になるようにすることを特徴とするポリエス
    テル極細マルチフィラメントの溶融紡糸方法。ただし、
    500 ≦H≦1000 0<L≦0.03H
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106551423A (zh) * 2016-12-02 2017-04-05 武汉纺织大学 一种负离子熔喷超细纤维香烟滤嘴材料及其制备方法
CN106723333A (zh) * 2016-12-02 2017-05-31 武汉纺织大学 一种驻极超细纤维香烟滤嘴材料及其制备方法

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