JP2000355829A - ポリエステル極細マルチフィラメントの製造方法 - Google Patents

ポリエステル極細マルチフィラメントの製造方法

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JP2000355829A
JP2000355829A JP11169694A JP16969499A JP2000355829A JP 2000355829 A JP2000355829 A JP 2000355829A JP 11169694 A JP11169694 A JP 11169694A JP 16969499 A JP16969499 A JP 16969499A JP 2000355829 A JP2000355829 A JP 2000355829A
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roller
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denier
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Toshishige Ezuka
利繁 江塚
Takahiro Sawada
貴大 沢田
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単糸繊度が1.0 デニール以下のポリエステル
繊維を均斉度よく、安定して連続的に製造するポリエス
テルマルチフィラメントの製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリエステルを溶融紡出し、1つの紡糸
口金1より紡出した糸条Yを、1分割糸条束あたりのフ
ィラメント数が50〜200となるように2〜4分割
し、それぞれの糸条束ごとに油剤を付与し、集束した
後、これらの糸条束を1つの交絡付与装置5に導入して
交絡を付与することによって1本の糸条束に集束した
後、引取ローラ7で引き取り、1つのパッケージに捲き
取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紡糸引き取り後の
単糸繊度が1.0 デニール以下となるポリエステル極細マ
ルチフィラメントを高速で安定して連続的に製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】単糸繊度が1.0 デニール以下のポリエス
テルマルチフィラメントは、風合いが優れているため、
天然皮革調の布帛やピーチスキン調の織物など幅広く用
いられている。このような極細マルチフィラメントの製
造方法としては、様々な方法が用いられているが、特殊
な紡糸装置を用いず、比較的簡単に製造する方法とし
て、特開昭54−30924号公報には、紡糸速度2500
m/分以上の高速度で紡糸し、単糸繊度1.0 デニール以
下の高配向化した極細繊維を得る方法が提案されてい
る。
【0003】この方法によると、口金に穿孔された紡糸
孔1孔あたりの吐出量が増大すること、紡糸張力がかか
ることによって糸揺れが緩和されること、さらには高い
配向度等の効果により、比較的簡単に極細マルチフィラ
メントを得ることができる。
【0004】しかしながら、単糸繊度が小さくなるほ
ど、またフィラメント数が多くなるほど紡出糸条に作用
する空気抵抗が飛躍的に増大するため、紡糸張力が高く
なりすぎてドラフト切れが生じたり、随伴流の発生が増
大し、糸揺れが大きくなって糸条の繊度斑が大きくな
り、均斉度が悪化するという問題があった。
【0005】また、溶融紡糸した糸条には、集束性や後
工程の通過性をよくするために油剤を付与するが、フィ
ラメント数が多い糸条を高速度で引き取る場合、油剤を
均一に付与することが困難となり、集束性も低下するた
めに、捲き取り後のパッケージにたるみ糸が混在した
り、引取ローラに単糸捲きが発生するという問題があ
る。
【0006】さらに、極細マルチフィラメントを加熱ロ
ーラで加熱し、一旦捲き取ることなく延伸する方法(紡
糸直接延伸法)においては、上記のように紡糸の段階で
繊度斑が生じたり、油剤の付着斑が生じていると、延伸
斑が発生し、延伸時に単糸切れが発生しやすく、捲取時
には糸切れが多くなって操業性が悪化する。また、得ら
れるパッケージは捲き姿が悪くなり、フィラメントの物
性も劣るという問題があった。
【0007】集束性や後工程の通過性をよくするための
油剤を均一に付与するために、オイリングノズルで集束
しながら油剤を付与した後、さらにオイリングローラで
油剤を付与する方法が提案されている(特開昭61-19810
号)。この方法では、単糸繊度が1デニールを超え、フ
ィラメント数の比較的少ない繊維に対しては効果がある
ものの、単糸繊度が1デニール以下でフィラメント数が
100 を超えるような極細マルチフィラメントを紡糸する
場合には、オイリングノズルにおいて油剤の付着斑が生
じやすいという問題があった。
【0008】そこで、特開昭60-199918 号公報には、紡
糸直接延伸法において、油剤濃度が3〜10%である低
濃度エマルジョンを、糸に対する水分付着量が10%以
上となるように付与した後加熱延伸することによって、
均一延伸を行う方法が提案されている。しかしながら、
この方法のように、糸に対する水分付着量を10%以上
にするためには、必然的に紡糸工程で多量のエマルジョ
ンを付与することになるため、スリットオイリング法で
は吐出量を多くし、また、ローラ式オイリング法ではロ
ーラ回転数を高くする必要がある。その結果、引き取り
後の単糸繊度が1.0 デニール以下の極細マルチフィラメ
ントを紡糸する場合には、油膜抵抗の影響により紡糸張
力が増大するため、繊度斑が生じたり、捲き取ったパッ
ケージに単糸切れが混在し、得られる布帛には染色斑が
生じ、品位が低下する。
【0009】また、従来、高速紡糸で極細繊維を製造す
る方法においては、紡糸口金に穿孔される吐出孔の配列
を工夫したり、冷却後の糸条が走行中に受ける空気抵抗
をできるだけ抑え、紡糸張力を抑える方法や、糸条の冷
却速度を制御する方法が採用されており、これらの方法
によって紡糸引取後の単糸繊度0.5 デニール(延伸後の
単糸繊度0.3 〜0.4 デニール)程度の極細繊維の製造が
可能になった。
【0010】しかしながら、これらの方法においても、
紡糸引き取り後の単糸繊度が2〜3デニールの一般糸と
比較すると、紡糸、捲取工程での糸切れ率が高く、捲き
上がったパッケージに単糸切れやたるみ糸が混在した
り、得られた糸条の均斉度が悪いという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した問
題点を解決し、高速紡糸法により、単糸繊度が1.0 デニ
ール以下のポリエステル極細マルチフィラメントを製造
する方法において、特殊な装置を必要とせず、冷却後の
糸条が走行中に受ける空気抵抗を抑え、かつ油剤を均一
に付与することができ、延伸工程においても単糸切れ、
延伸斑が生じることがなく、このため、たるみ糸がない
良好なパッケージに捲き取れ、均斉度の高い極細マルチ
フィラメントを操業性よく得ることができる製造方法を
提供することを技術的な課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を解決するために鋭意検討した結果、紡糸口金より
紡出した糸条を複数の糸条束に分割し、それぞれの糸条
束に油剤を付与しながら個々に集束した後、これら複数
の糸条束を、1つの交絡付与装置を用いて、1本の糸条
束に再度集束し直すことにより、上記課題を解決できる
ことを見出し、本発明に到達した。
【0013】すなわち、本発明は、次の(1)、(2)
を要旨とするものである。 (1)ポリエステルを溶融紡出し、引取速度2500〜
4000m/分で引き取り、フィラメント数が100〜
400、単糸繊度が1.0デニール以下のポリエステル
極細マルチフィラメントを得る方法であって、1つの紡
糸口金より紡出した糸条を、1分割糸条束あたりのフィ
ラメント数が50〜200となるように2〜4分割し、
それぞれの糸条束ごとに油剤を付与して集束した後、こ
れらの糸条束を1つの交絡付与装置に導入して交絡を付
与することによって、再度1本の糸条束に集束し、引取
ローラで引き取り、1つのパッケージに捲き取ることを
特徴とするポリエステル極細マルチフィラメントの製造
方法。 (2)引取ローラで引き取った後、連続して延伸、熱セ
ットを行い、単糸繊度が0.8デニール以下のポリエス
テル極細マルチフィラメントを得る、(1)記載のポリ
エステル極細マルチフィラメントの製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明におけるポリエステル繊維とは、主たる構
成がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフ
タレートが好ましく、その性質を本質的に変化させない
範囲内において、第3成分としてイソフタル酸、5-ナト
リウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸、プロピレ
ングリコール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール等のジオール類を共重合
したものでもよい。
【0015】さらに、本発明の効果を損なわない範囲で
あれば、これらのポリエステルに酸化防止剤、艶消剤、
安定剤、着色剤、難燃剤等を添加してもよい。
【0016】ポリエステルの重合度は、ポリエステルの
種類や、目的とする糸条の用途により適宜選定すればよ
いが、一般的にポリエチレンテレフタレートでは、極限
粘度〔η〕が0.55〜0.75のものが好ましい。
【0017】本発明で得られる繊維は、単一成分のポリ
エステルからなるものでも、複数成分のポリエステルか
らなるものでもよい。なお、複数成分の場合は、芯鞘、
サイドバイサイド、海島型等の複合繊維が挙げられる。
繊維の断面形状は、丸、三角、扁平等の異形状または、
中空であってもよい。
【0018】本発明の製造方法は、ポリエステルを溶融
紡出し、引取速度2500〜4000m/分で引き取
り、フィラメント数が100〜400、単糸繊度が1.
0デニール以下のポリエステル極細マルチフィラメント
を得る方法である。引取速度、すなわち紡糸速度が25
00m/分未満であると、吐出量が少なくなることによ
り、繊度斑が大きくなったり、ドラフト切れが発生す
る。さらに、引き取り後、連続して延伸、熱セットをす
る紡糸直接延伸法(第2発明)においては、紡糸速度が
2500m/分未満であると、延伸倍率を大きくする必
要があり、延伸性が低下し、糸切れが発生して操業性が
悪化する。一方、4000m/分を超える高速になる
と、空気抵抗の増大により紡糸張力が増加して糸切れが
多発し、操業性が悪化する。
【0019】本発明で得られるマルチフィラメントは、
フィラメント数は100〜400で、単糸繊度が1.0
デニール以下のものであるが、目的に応じて、この範囲
内で適宜選択すればよい。
【0020】次に、本発明を図面を用いて説明する。図
1は第1発明の、図2は第2発明のポリエステル極細繊
維の製造方法の一実施態様を示す概略工程図である。ま
ず、図1に示すように、第1発明の方法においては、1
つの紡糸口金1より紡出した糸条Yを冷却装置2で冷却
した後、1分割糸条束あたりのフィラメント数が50〜
200となるように2〜4分割し、それぞれの糸条束ご
とに油剤を付与して集束した後、これらの糸条束を1つ
の交絡付与装置5に導入して交絡を付与することによっ
て、1本の糸条束に再度集束した後、引取ローラ7A、
7Bで引き取り、1つのパッケージ8に捲き取る。
【0021】そして、第2発明は、第1発明の方法にお
いて引取ローラ7を加熱ローラとし、このローラで引き
取った後、連続して延伸、熱セットを行い、紡糸直接延
伸法により延伸後の単糸繊度が0.8デニール以下のポ
リエステル極細マルチフィラメントを得る方法である。
例えば、図2に示すように、図1における引取ローラ7
Bの代わりに、引取ローラ7よりも高速で回転する熱セ
ットローラ10を用いて、ローラ間で延伸、熱セットを
連続で行って、捲取装置でパッケージ8に捲き取る。
【0022】なお、本発明の方法は、1枚の紡糸口金か
ら紡出した糸条を1つのパッケージとして捲き取る際
に、紡糸後、油剤を付与する段階まで複数の糸条束に分
割し、引き取り時には1本の糸条として集束し直すもの
であって、複数に分割して紡糸した糸条を、それぞれ別
々のパッケージとして引き取るといった複数孔群紡糸法
とは、異なるものである。
【0023】紡糸性、延伸性ともに優れた極細マルチフ
ィラメントを得るためには、ノズル直下から冷却、油剤
付与工程にかけて、いかに紡糸張力を下げ、単糸切れや
繊度斑の少ない未延伸糸を紡糸するか、また紡糸された
糸を、いかに単糸切れや延伸斑なく延伸するかがポイン
トとなる。
【0024】まず、紡糸工程においては、一般に、マル
チフィラメントを構成する1糸条の単糸繊度が細く、フ
ィラメント数が多くなるほど、紡糸工程での随伴流の発
生量が著しく多くなり、走行糸条の糸揺れが大きくなっ
て糸条に繊度斑が生じたり、また、単糸間で密着が発生
したり、張力過多となってドラフト切れが生じて操業調
子が著しく低下するという問題がある。
【0025】そこで、本発明の方法では、ノズルから吐
出された糸条を複数の糸条束に分割することによって、
1糸条束あたりのフィラメント数を少なくし、随伴流の
発生量を低く抑えることができ、また、各糸条束間に空
間ができるために、発生した随伴流を下方へスムーズに
排出することが可能となり、上記した紡糸工程での糸揺
れの問題を軽減することができる。
【0026】また、1糸条のフィラメント数が多くなれ
ばなるほど、油剤の付着斑が発生しやすくなり、集束性
を損なって捲き取り後のパッケージにたるみ糸が混在す
るばかりか、紡糸直接延伸法においては延伸斑が発生
し、得られる糸条の染色性が低下したり、単糸切れが発
生して操業調子が低下するという問題がある。
【0027】本発明の方法では、紡糸口金より吐出され
た糸条を複数の糸条束に分割して油剤の付与を行ってい
るため、油剤の付着斑が少なくなり、集束性及び延伸性
を大幅に向上させることができる。
【0028】このとき、糸条束を分割した際の1分割糸
条束あたりのフィラメント数についは、50〜200 本とす
る必要がある。フィラメント数が50未満になると、1分
割糸条束あたりのトータル繊度が細くなるため、紡糸張
力や油剤付与時の抵抗に耐えられなくなり、切糸が発生
する。一方、200 本を超える場合は、依然として随伴流
の発生量が多く、油剤の付着斑も発生しやすいものとな
る。
【0029】糸条の全分割数は2〜4分割とする。分割
数が5以上となると、設備的な面から設計に無理が生じ
たり、随伴流のスムーズな排出ができなくなったり、分
割した糸条束間で糸飛びが生じやすく安定した紡糸がで
きなくなる。
【0030】また、糸条を3、4分割する場合は、紡糸
口金に穿孔される紡糸孔を同心円上に配列し、円周方向
に均等な単糸数となるように分割することが好ましく、
これによって、随伴流を紡糸口金の中心に対して鉛直方
向にスムーズに排出することができ、より安定した紡糸
を行うことができる。
【0031】さらに、糸条を分割する際には、1糸条束
あたりのフィラメント数を均等にすることが好ましい。
1糸条束あたりのフィラメント数が異なっても、本発明
の効果を奏することができるが、極端にフィラメント数
が異なると、随伴流の発生に偏りが生じて糸揺れが大き
くなったり、油剤の付着斑が生じる可能性がある。
【0032】本発明に用いられる油剤付与の手段として
は、図1、2に示すようなオイリングローラ3を用いた
ローラ式のオイリング法以外に、スリットノズル式や噴
霧式のオイリング法なども好適に用いることができる。
【0033】そして、糸条の分割手段としては、油剤付
与装置の下方に分割数に応じた数の集束ガイド4を設け
る方法が好適に用いられる。ただし、油剤の付与と集束
の両機能をもつスリットオイリングノズルを糸条の分割
数に応じて設ける場合、集束ガイド4はなくてもよい。
【0034】また、糸条を分割する際の集束ガイド間の
距離は、銘柄に応じて任意に選択すればよいが、10mm
以上とすることが好ましい。集束ガイド間の距離が10
mm未満となると、分割した糸条間で糸飛びが発生し、毛
羽等が発生して操業性を損うことがある。
【0035】さらに、集束ガイド4を用いる場合、取付
位置は油剤付与装置の下方であれば任意の位置に取り付
けることができるが、油剤付与装置から離れ過ぎると、
油剤との接糸幅が広くなり、擦過抵抗や紡糸張力過多と
なって、毛羽、切糸等の操業性が悪化したり、染色品位
が低下する要因となる。このため、集束ガイド4を取り
付ける位置は、油剤付与装置の下部から300mm以内と
することが好ましい。
【0036】交絡を付与した後、引取ローラ7で引き取
るまでの間でさらに油剤を付与してもよく、このときも
油剤付与手段は特に限定されるものでないが、図1、2
に示すようにオイリングローラ6を設けることが好まし
い。
【0037】そして、第2発明である紡糸直接延伸法の
場合、引取ローラ7で引き取った後、連続して延伸、熱
セットを行うが、このときは、図2に示すように、引取
ローラ7と熱セットローラ10を加熱ローラとし、この
ローラ間で引き取ることによって延伸、熱セットを行う
ことが好ましい。
【0038】このとき、引取ローラ7の温度は60〜90℃
にすることが好ましい。温度が60℃未満であると、延伸
前に糸条に与える熱量が不足し、延伸斑が発生しやすく
なる。一方、90℃を超える場合は、糸条に与える熱量が
過多となって単糸切れが発生しやすくなる。
【0039】また、熱セットローラ10の温度は、得よ
うとする物性に応じて適宜選択すればよいが、一般的な
衣料糸の場合、100 〜150 ℃とすることが好ましい。
【0040】なお、引取ローラ7と熱セットローラ10
ともに延伸性を考慮し、セパレートローラを有するロー
ラとし、ローラ表面の温度の均一性を保つために保温ボ
ックス11をローラの周囲に設けることが好ましい。
【0041】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例中における各評価は以下のように行
った。 〔操業調子〕16錘を用いて24時間の操業を行い、この間
の紡糸から捲き取りまでの糸切れ回数により次の4段階
で評価した。 0〜1回 ・・・ ◎ 2回 ・・・ ○ 3回 ・・・ △ 4回以上 ・・・ × 〔均斉度〕ZELLWEGER USTER 社のUSTER TESTER UT-1 を
使用し、糸速度25m/分、チャート速度5cm /分で得ら
れた糸条のウースター斑Uを測定し、測定値により次の
4段階で評価した。 1%未満 ・・・ ◎ 1%〜2%未満 ・・・ ○ 2%〜3%未満 ・・・ △ 3%以上 ・・・ × 〔染色斑〕実施例1〜5、比較例1〜4については、得
られた未延伸糸を、引取ローラ(80℃)と延伸ローラ
(非加熱)との間にヒータプレート(120℃)を設け
た装置で1.4倍に延伸、熱セットし、速度800mで
捲き取った。実施例6については、得られた糸条(延伸
糸)をそのまま用いた。これらの延伸糸を筒編地とし、
この筒編地を分散染料(Terasil NavyBlue)3%、温度
100 ℃、染色時間1時間の条件で染色し、染色編地の染
斑を肉眼で判定して、均一なものを○、濃淡差のあるも
のを×と評価した。 〔毛羽〕上記の染色斑と同様に、実施例1〜5、比較例
1〜4で得られた未延伸糸には延伸を施し、実施例6で
得られた延伸糸はそのまま用い、日本マイヤー社製の高
速部分整経機(DSJ 21-21-OPW )を使用し、経本数80
本、整経糸長1600000 mで整経を行い、この時、整経機
に取り付けられた春日電機社製の光電管式毛羽検知器
(F8-040型)を用いて、整経される糸条の単糸切れと毛
羽数をカウントし、両者の数により次の4段階で評価し
た。 0ヶ ・・・ ◎ 1〜4ヶ ・・・ ○ 5〜9ヶ ・・・ △ 10ヶ以上 ・・・ ×
【0042】実施例1 極限粘度〔η〕(フェノールと四塩化エタンとの等重合
混合物を溶媒として20℃で測定した)が0.68で、艶消剤
として酸化チタンを0.40重量%含有するポリエチレンテ
レフタレートを、紡糸孔を300 個有する紡糸口金から、
吐出量49.0g/分で紡出し、図1に示す工程に従って、引
取速度(引取ローラ7Aの速度)3000m/分で引き取
り、トータル繊度150 デニール、単糸繊度0.5 デニー
ル、フィラメント数300 の糸条を捲き取った。この時、
紡糸口金より紡出した300 本のフィラメントを、オイリ
ングローラ下の集束ガイドで150 本づつ2分割し、それ
ぞれを別々の糸条束として油剤の付与を行った後、これ
らの糸条を交絡付与装置で再度1本の糸条として交絡を
付与しながら集束させた。
【0043】実施例2、3 紡糸口金より紡出した300 本のフィラメントを100 本づ
つ3分割(実施例2)、75本づつ4分割(実施例3)し
て油剤を付与した以外は、実施例1と同様に行った。
【0044】実施例4 紡糸口金の紡糸孔数を144 個、吐出量を32.5g/分に変更
し、紡糸口金より紡出した144 本のフィラメントを72本
づつ2分割して油剤を付与した以外は、実施例1と同様
の方法で行い、トータル繊度100 デニール、単糸繊度0.
7 デニール、フィラメント数144 の糸条を捲き取った。
【0045】実施例5 紡糸口金の紡糸孔数を360 個、吐出量を58.0g/分に変更
し、紡糸口金より紡出した360 本のフィラメントを180
本づつ2分割して油剤を付与した以外は、実施例1と同
様の方法で行い、トータル繊度180 デニール、単糸繊度
0.5 デニール、フィラメント数360 の糸条を捲き取っ
た。
【0046】実施例6 図2に示す紡糸工程に従い、紡糸孔を300 個有する紡糸
口金を用い、吐出量49.0g/分で紡出し、引取速度(引取
ローラ7速度)3000m/分で引き取り、熱セットローラ1
0の速度を4300m/分として、延伸、熱セットを行い、ト
ータル繊度108デニール、単糸繊度0.4 デニール、フィ
ラメント数300 の延伸糸パッケージを捲き取った。この
時、実施例1と同様に、紡糸口金より紡出した300 本の
フィラメントを、オイリングローラ3下の集束ガイドで
150 本づつ2分割し、それぞれを別々の糸条束として油
剤付与を行った後、交絡付与装置でこれらの糸条を再度
1本の糸条として交絡を付与しながら集束した。また、
この時の引取ローラ7、熱セットローラ10の設定温度
は、それぞれ80℃、120 ℃とした。
【0047】比較例1 図1に示す紡糸工程において、集束ガイド4を1つとし
て、紡出糸条を複数に分割せずに油剤付与を行った以外
は、実施例1と同様の方法で行った。
【0048】比較例2 紡糸口金より紡出した300 本のフィラメントを60本づつ
5分割して油剤を付与した以外は、実施例1と同様の方
法で行った。
【0049】比較例3 紡糸口金の紡糸孔数を72個、吐出量を16.0g/分に変更
し、紡糸口金より紡出した72本のフィラメントを36本づ
つ2分割して油剤を付与した以外は、実施例1と同様の
方法で行い、トータル繊度50デニール、単糸繊度0.7 デ
ニール、フィラメント数72の糸条を捲き取った。
【0050】比較例4 紡糸口金の紡糸孔数を432 個、吐出量を70.5g/分に変更
し、紡糸口金より紡出した432 本のフィラメントを216
本づつ2分割して油剤を付与した以外は、実施例1と同
様の方法で行い、トータル繊度220 デニール、単糸繊度
0.5 デニール、フィラメント数432 の糸条を捲き取っ
た。
【0051】実施例1〜6、比較例1〜4で得られた糸
条の均斉度、染色性、パッケージの毛羽、操業調子につ
いての評価を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1に示すように、実施例1〜6では、均
斉度、染色性が良好でパッケージの毛羽のないマルチフ
ィラメントを操業調子よく得ることができた。一方、比
較例1では、フィラメント数300 本の糸条を複数に分割
せずに油剤付与を行ったため、比較例4では1分割あた
りのフィラメント数が200 本を超えたため、随伴流の発
生量が多くなり、糸揺れにより繊度斑が生じ、さらには
密着やドラフト切れが多発し、油剤付着斑も生じ、これ
に起因する単糸切れ、毛羽が多発し、操業調子が悪かっ
た。また、比較例2では、紡糸口金より紡出した糸条を
5分割したため、分割した糸条間で糸飛びが発生し、安
定した紡糸ができず、捲き取ることができなかった。比
較例3では、1分割あたりのフィラメント数を50本以下
にしたため、1分割あたりのトータル繊度が低くなり、
引き取り応力や、ガイド類との擦過抵抗に耐えられなく
なり、紡糸糸切れ、毛羽が多発した。
【0054】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、高速紡糸法
により、単糸繊度が1.0 デニール以下のポリエステル極
細マルチフィラメントを、特殊な装置を必要とせず、冷
却後の糸条が走行中に受ける空気抵抗を抑え、かつ油剤
を均一に付与することができ、延伸工程においても単糸
切れ、延伸斑が生じることがなく、このため、たるみ糸
がない良好なパッケージに捲き取れ、均斉度の高い極細
マルチフィラメントを操業性よく得ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明のポリエステル極細マルチフィラメン
トの製造方法の一実施態様を示す概略工程図である。
【図2】第2発明のポリエステル極細マルチフィラメン
トの製造方法の一実施態様を示す概略工程図である。
【符号の説明】
1 紡糸口金 2 冷却装置 3 オイリングローラ 4 集束ガイド 5 交絡付与装置 6 オイリングローラ 7 引取ローラ 8 捲取装置 10 熱セットローラ 11 保温ボックス Y 糸条

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルを溶融紡出し、引取速度2
    500〜4000m/分で引き取り、フィラメント数が
    100〜400、単糸繊度が1.0デニール以下のポリ
    エステル極細マルチフィラメントを得る方法であって、
    1つの紡糸口金より紡出した糸条を、1分割糸条束あた
    りのフィラメント数が50〜200となるように2〜4
    分割し、それぞれの糸条束ごとに油剤を付与して集束し
    た後、これらの糸条束を1つの交絡付与装置に導入して
    交絡を付与することによって、再度1本の糸条束に集束
    し、引取ローラで引き取り、1つのパッケージに捲き取
    ることを特徴とするポリエステル極細マルチフィラメン
    トの製造方法。
  2. 【請求項2】 引取ローラで引き取った後、連続して延
    伸、熱セットを行い、単糸繊度が0.8デニール以下の
    ポリエステル極細マルチフィラメントを得る、請求項1
    記載のポリエステル極細マルチフィラメントの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104988590A (zh) * 2015-07-06 2015-10-21 桑建军 一种用于细旦长丝纤维的纺丝设备及纺丝方法
WO2020196277A1 (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 東レ株式会社 アクリロニトリル系繊維束の製造方法

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