JPH10158417A - プリプレグ - Google Patents

プリプレグ

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JPH10158417A
JPH10158417A JP8333141A JP33314196A JPH10158417A JP H10158417 A JPH10158417 A JP H10158417A JP 8333141 A JP8333141 A JP 8333141A JP 33314196 A JP33314196 A JP 33314196A JP H10158417 A JPH10158417 A JP H10158417A
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JP
Japan
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prepreg
nonwoven fabric
resin
fibers
matrix resin
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JP8333141A
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English (en)
Inventor
Takeshi Naito
猛 内藤
Masato Ando
正人 安藤
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Teijin Ltd
Original Assignee
Toho Rayon Co Ltd
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Publication date
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マトリックス樹脂の優れた機械的特性及び熱
的特性を損ねることなく、靱性に優れ、かつ、耐熱性の
良好なプリプレグを提供すること。 【解決手段】 (A)長繊維からなる強化繊維、(B)
熱分解開始温度が300℃以上の有機繊維からなる不織
布及び(C)熱硬化マトリックス樹脂からなるプリプレ
グにおいて、(B)をプリプレグの表面に配置させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性に優れ、
衝撃時のクラック伝播を抑制する能力のある成形物を製
造するためのプリプレグ・成形物及びその成形方法に関
するものである。更に詳しくは、高強度炭素繊維などを
強化繊維とした場合に、マトリックス樹脂の優れた機械
的特性及び熱的特性を損ねることなく、靭性(タフネ
ス)が付与された成形物を得るためのプリプレグに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維
等を強化繊維として用いた複合材料は、その高い比強
度、比剛性を利用して、航空機等の構造材として多く用
いられてきている。
【0003】これらの複合材料は、強化材にマトリック
ス樹脂が含浸された中間製品であるプリプレグから、加
熱・加圧といった成形・加工工程を経て用いられる場合
が多い。
【0004】プリプレグにおけるマトリックス樹脂とし
ては、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂、ビスマレイミ
ド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等が
用いられ、また、最近ではポリエ−テルエ−テルケトン
といった熱可塑性樹脂も用いられるようになってきてい
る。いずれの樹脂を用いた場合も、複合材料は、その優
れた機械的特性、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、耐候
性が特徴となっている。
【0005】熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とした場
合、良好な耐熱性、機械的特性に加え複合材料の衝撃特
性も優れていることが期待されているが、プリプレグと
しての取扱性、例えばドレ−プ性に乏しいために、現状
の成形加工技術では取り扱いにくい材料であり、複雑形
状物への適用が難しい状況にある。
【0006】一方、エポキシ樹脂系プリプレグのように
熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂に用いた場合、耐熱
性、機械的特性が良好であることが認められていたが、
反面、マトリックス樹脂の伸度が低く、脆いために複合
材料の靭性、耐衝撃性に劣ることが指摘され、その改善
が求められてきた。そこで、これらの複合材料に靭性、
耐衝撃性を付与させるため、種々の手法が提案されてい
る。
【0007】例えば、 (1)リプレグ用マトリックス樹脂を高靭性化し、複合材
料の耐衝撃性を向上させる技術として、特開昭58−1
20639号、同61−250021号、同62−36
421号、同62−57417号、特開平1−1046
25号の公報等で知られるように、マトリックス樹脂に
特定のエラストマ−成分、高分子量ゴム成分、熱可塑性
樹脂微粉末を配合し、複合材料の靭性(耐衝撃性)を高
めたプリプレグ組成物も開発されている。
【0008】(2)また、複合材料の積層間に異種材料を
挿入して、複合材料の衝撃特性を向上させる技術とし
て、特開昭60−63229号、同63−162733
号の公報に示されるようなインタ−リ−フ技術がある。
インタ−リ−フ材料としては、一般に厚さ0.03〜
0.06mmの可撓性に優れたエポキシ樹脂層を用いた
り、厚さ0.01〜0.05mmの例えば、ポリエ−テ
ルイミド、ポリエ−テルサルホン、ポリエ−テルエ−テ
ルケトンのフィルムといった熱可塑性樹脂フィルムを使
用している。
【0009】(3)また、複合材料用プリプレグの外表面
に繊維状の熱可塑性樹脂を配置させ、複合材料の靱性を
向上させる技術として、特開平4−292634号、同
4−292912号、同4−306238号、同4−3
25527号、同8−92392号の公報等が開示され
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の手法はいずれも多くの問題を抱えている。例えば、 (1)マトリックス樹脂に特定のエラストマ−成分、高分
子量ゴム成分を配合する手法では、複合材料の耐衝撃性
の改善効果が低かったり、マトリックス樹脂の粘度が著
しく上昇する等の問題を有している。
【0011】マトリックス樹脂に熱可塑性樹脂微粉末を
配合する手法では、耐衝撃性は向上するものの、空気雰
囲気下の暴露によりプリプレグのタックが経時的に変化
する(徐々に低下する)という問題があった。
【0012】(2)インタ−リ−フを用いる手法では、イ
ンタ−リ−フ材料に可撓性に優れたエポキシ樹脂、例え
ばエラストマ−成分の多いエポキシ樹脂層を用いた場
合、衝撃特性の向上を図るためにはエラストマ−成分を
多量配合することが必要であるが、そうすると、エラス
トマ−成分の種類や量により複合材料の耐熱性や機械的
特性の低下を招くことがあり、その種類や量に制限が加
えられるため、充分な効果を発揮できないことが多い。
【0013】また、複合材料の積層間に熱可塑性樹脂フ
ィルムを挿入した場合、複合材料の耐衝撃性を向上させ
る効果は認められているが、隣接した層と層との間が樹
脂フィルムにより完全に遮断されるため、プリプレグの
タックやマトリックス樹脂と熱可塑性樹脂フィルムとの
接着性に問題があり、コンポジットの靭性、特に歪エネ
ルギ−開放率(GIC)が低いという欠点を有してい
る。また積層間方向の樹脂フロ−が遮断されるため、不
均一な樹脂フロ−が起こり、成形物の変形を招いたり、
または、熱可塑性樹脂フィルムが比較的厚いために、マ
トリックス樹脂に対する熱可塑性樹脂フィルムの割合が
高くなり、それに伴う複合材料の性能(コンポジット性
能)の低下を引き起こす場合もあった。
【0014】(3)また、繊維状の熱可塑性樹脂を配置す
る手法では、一方向に引き揃えられた状態で繊維状の熱
可塑性樹脂をプリプレグの外表面に配置する手法が例示
されているが、この方法では、靱性を向上させるために
は、多くの繊維状の熱可塑性樹脂をプリプレグの外表面
に配置しなければならない。その結果、プリプレグのタ
ック性が低下するという問題があった。
【0015】また、特開平4−325527号公報に例
示されている通り、充分な靱性改良効果を得るため、引
き揃えた繊維状の熱可塑性樹脂がプリプレグの中心部に
完全に埋没しないように留意して製造しなければならな
いという制約があった。更に、繊維状の熱可塑性樹脂を
使用すると、成形物が熱暴露された時、熱可塑性樹脂が
軟化して、マトリックス樹脂が本来持っていた優れた耐
熱性が損われるという問題があった。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の問題を解決する
為、鋭意研究した結果、以下の手法を用いることで、樹
脂の粘度、タック性等の取扱性、複合材料の靭性、耐衝
撃性、耐熱性、機械的特性を兼備した優れたプリプレグ
を見出し、本発明に至った。
【0017】即ち、本発明は、(A)長繊維からなる強
化繊維、(B)不織布及び(C)熱硬化性マトリックス
樹脂からなるプリプレグにおいて、(B)がプリプレグ
の表面に配置されていることを特徴とする。
【0018】更に、具体的には本発明は次の態様を含
む。すなわち本発明は、 1:(A)長繊維からなる強化繊維、(B)不織布及び
(C)熱硬化性マトリックス樹脂からなるプリプレグに
おいて、(B)がプリプレグの表面に配置されたプリプ
レグ。
【0019】2:(B)が、熱分解開始熱温度が300
℃以上の有機繊維からなる不織布であることを特徴とす
る上記1記載のプリプレグ。
【0020】3:(B)が(C)の硬化後において分離
した相を形成することを特徴とする上記1又2記載のプ
リプレグ。
【0021】4:(B)がポリパラフェニレンベンゾビ
スオキサゾ−ル繊維又は/及びポリベンズイミダゾール
繊維の不織布であることを特徴とする上記1乃至3記載
のプリプレグ。
【0022】5:(B)がポリパラフェニレンベンゾビ
スオキサゾ−ル繊維からなる不織布であり、(C)がビ
スマレイミド樹脂であることを特徴とする上記1乃至3
記載のプリプレグ。
【0023】6:(A)長繊維からなる強化繊維と
(B)不織布とを含み、硬化した(C)熱硬化性マトリ
ックス樹脂からなる成形物であって、(A)と(B)と
が互いに隣接して配置された層を含み、(B)と(C)
とが互いに分離した相を形成していることを特徴とする
耐衝撃性に優れ、衝撃時のクラック伝播を抑制する能力
を有する成形物。
【0024】7:(B)が熱分解開始熱温度が300℃
以上の有機繊維からなる不織布であり且つ(B)と
(C)とが互いに分離した相を形成していることを特徴
とする耐衝撃性に優れ、衝撃時のクラック伝播を抑制す
る能力を有する上記6記載の成形物。
【0025】8:(B)がポリパラフェニレンベンゾビ
スオキサゾ−ル繊維又は/及びポリベンズイミダゾール
繊維であり且つ(B)不織布と硬化した(C)とが互い
に分離した相を形成していることを特徴とする耐衝撃性
に優れ、衝撃時のクラック伝播を抑制する能力を有する
上記6記載の成形物。
【0026】9:(B)と(C)とがそれぞれポリパラ
フェニレンベンゾビスオキサゾ−ル繊維とビスマレイミ
ド樹脂であり且つ(B)と(C)とが互いに分離した相
を形成していることを特徴とする耐衝撃性に優れ、衝撃
時のクラック伝播を抑制する能力を有する上記6記載の
成形物。
【0027】10:(A)長繊維からなる強化繊維、
(B)不織布及び(C)熱硬化性マトリックス樹脂から
なるプリプレグであって、(B)がプリプレグの表面に
配置されているプリプレグを積層し成形物を製造するに
当たり、(A)長繊維からなる強化繊維の層と(B)不
織布の層とが隣接するように配置して積層し成形するこ
とを特徴とする、耐衝撃性に優れ、衝撃時のクラック伝
播を抑制する能力を有する上記6記載の成形物の製造
法。 11:(B)不織布が熱分解開始温度が300℃以上の
有機繊維からなる不織布であることを特徴とする、耐衝
撃性に優れ、衝撃時のクラック伝播を抑制する能力を有
する上記6記載の成形物の製造法。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる(A)長繊維
からなる強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド
繊維などの有機もしくは無機繊維の単独または2種類以
上の組合せである。特に本発明においては、引張強度4
00kgf/mm2 以上、引張弾性率29x103 kg
f/mm2 以上の、いわゆる高強度中弾性炭素繊維を用
いることが好ましい。繊維の形態としては、長繊維状モ
ノフィラメントあるいはこれらを束にしたものが使用さ
れる。
【0029】本発明における(B)不織布は、中でも熱
分解開始温度が300℃以上である有機繊維が好まし
い。例えば、メタ型アラミド繊維、パラ型アラミド繊
維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ−ル繊維等
の有機繊維からなる不織布である。ポリパラフェニレン
ベンゾビスオキサゾ−ル繊維の不織布は、耐熱性があ
り、かつ、靭性の付与効果が大きいので、特に好まし
い。
【0030】有機繊維として、繊維状の熱可塑性樹脂を
使用すると、成形物が熱暴露された時、熱可塑性樹脂が
軟化して、マトリックス樹脂が本来持っていた優れた耐
熱性が損われるので好ましくない。ここでいう熱可塑性
樹脂とは、岡村ら著「第2版高分子化学序論」化学同人
(1982)に定義されているように、加熱により流動
性をもち、冷却により固化するという可逆的性質を示す
樹脂であり、その流動性を利用して、型に押し込むなど
して形を与え、そのまま冷却して成形する樹脂である。
【0031】さらに詳しく説明すると、熱可塑性は、三
田監修「最新耐熱性高分子」総合技術センター(198
7)では、加熱により溶融可塑化し、流動することによ
り成形が可能になる性質と定義されており、有機繊維と
して、繊維状の熱可塑性樹脂を使用すると成形物の一部
が溶融可塑化するという不安定要因を抱えることになり
好ましくない。従って、明確な融点をもたない有機繊維
を用いることが好ましい。
【0032】また、本発明における(B)熱分解開始温
度が300℃以上の有機繊維からなる不織布は、(C)
熱硬化性マトリックス樹脂の硬化後において分離した相
を形成することが好ましい。即ち、(B)熱分解開始温
度が300℃以上の有機繊維からなる不織布は、(C)
熱硬化性マトリックス樹脂に埋没し、一体化はしている
が、明確な境界があり、不織布部分とマトリックス樹脂
部分が識別できることが好ましい。
【0033】この場合、不織布は繊維形状を留めていな
くてもよいが、配置した不織布の体積の90%以上がマ
トリックス樹脂と明確に相分離していることが好まし
い。分離した相を形成させるためには、不織布溶解能を
有しない熱硬化性マトリックス樹脂を選定することが好
ましい。不織布の目付は特に限定されないが、10〜5
0g/m2 が好ましい。その理由は10g/m2 未満で
は靭性の付与効果が不十分であり、50g/m2 を越え
ると、機械的特性が低下するからである。
【0034】本発明における(C)熱硬化性マトリック
ス樹脂は、特に限定されないが、ビスマレイミド樹脂、
アセチレン末端を有するポリイミド樹脂及びポリイソイ
ミド樹脂、ナジック酸末端を有するポリイミド樹脂等が
好ましく用いられる。プリプレグに占める樹脂組成物
(不織布は除く)の含有率は好ましくは20〜60重量
%、更に好ましくは25〜45重量%である。
【0035】本発明のプリプレグを図1、図2、図3に
示す。図1、図2に示されるように、本発明では、
(A)長繊維からなる強化繊維、(B)熱分解開始温度
が300℃以上の有機繊維からなる不織布及び(C)熱
硬化性マトリックス樹脂からなるプリプレグにおいて、
(B)をプリプレグ表面の片面(図1)あるいは両面
(図2)に配置する。
【0036】これら(A),(B),(C)からなるプ
リプレグは、一方向引き揃え、一方向織物、織物等の基
材の繊維間に未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含浸させた
ものである。
【0037】本発明のプリプレグの製造法は特に限定さ
れないが、例えば、ホットメルト法あるいは溶剤法によ
り製造することができる。ホットメルト法を適用する場
合は、まず、調合した熱硬化性樹脂組成物をフィルムコ
−タ−等で樹脂フィルムにする。次いで、樹脂フィルム
上に長繊維からなる強化繊維と不織布を供給し、プレ−
ト、ロ−ラ−等で加熱・加圧し、プリプレグとする。
【0038】また、溶剤法を適用する場合は、不織布を
溶解しない溶剤を使用して樹脂溶液を作製し、強化繊維
と不織布を樹脂溶液に供給して、乾燥した後、プリプレ
グとする。
【0039】本発明のプリプレグを用いて成形された成
形物では、(A)長繊維からなる強化繊維と、(B)有
機繊維からなる不織布とが互いに隣接するように配置さ
れた積層構成とされる。具体的には、本発明のプリプレ
グの積層構成は、(B)をプリプレグ表面の両面に配置
し、2枚以上積層する場合は、特に制約はない。(B)
をプリプレグ表面の片面に配置し、2枚積層する場合
は、プリプレグの1枚目の不織布層に2枚目の炭素繊維
層を貼り合わせて、2枚のプリプレグの層間に不織布層
が配置されるように積層する。
【0040】あるいは、プリプレグの1枚目の不織布層
に2枚目の不織布層を貼り合わせて、2枚のプリプレグ
の層間に不織布層が配置されるように積層してもよい。
【0041】(B)をプリプレグ表面の片面に配置し、
2枚以上、例えば、3枚積層する場合は、図3に示すよ
うにプリプレグの層間に必ず(B)層が配置されるよう
に積層する。
【0042】また、本発明のプリプレグは、一方向に積
層しても良いし、疑似等方性を有するように、例えば、
(+45O/0O/45O/90O4S というように積層
しても良い。
【0043】また、プリプレグを3層以上積層する場
合、特にクラックの入りやすい部分にのみ本発明のプリ
プレグを積層し、それ以外の部分には、(B)の配置さ
れていないプリプレグを積層しても良い。例えば、積層
板が0Ox5層/90Ox1層/0Ox5層で構成されて
いる場合は、中央部の0O層/90O層/0O層の3層の
みに本発明のプリプレグを積層しても良い。
【0044】以上のようにして積層された後、マトリッ
クス樹脂の硬化温度にて、通常の成形方法に準じて成形
し、成形物とされる。
【0045】
【発明の効果】本発明により得られたプリプレグは、優
れた機械的特性及び熱的特性と靭性、耐衝撃性が兼備さ
れた成形物が得られるプリプレグであり、しかも此のプ
リプレグを用いて成形された成形物は、発生したクラッ
クを伝播させにくい特性を有するため、航空機構造材
料、宇宙構造物材料等へ好適に使用される。
【0046】
【実施例1】下記の組成よりなる樹脂組成物を用い、フ
ィルムコ−タ−にて樹脂フィルムを作製した。つぎにホ
ットメルト法にて、一方向に均一に配列させた炭素繊維
の片表面に不織布を供給し、100℃のホットロ−ラ−
に通し、未硬化の熱硬化性樹脂を繊維間及び不織布に含
浸させ、成形物中間体(プリプレグ)を作製した。
【0047】1)ビスマレイミド樹脂(シェル社製、Co
mpimide 796)−60重量部 2)4,4'−ヒ゛ス(o-フ゜ロヘ゜ニルフェノキシ)ヘ゛ンソ゛フェノン(シェル社
製、Compimide TM-123)−40重量部
用いた炭素繊維(CF)は、ベス
ファイトIM−600(東邦レ−ヨン社製、引張強度5
80kgf/mm2 、引張弾性率29x103 kgf /mm2 )で
ある。
【0048】また、不織布は熱分解開始温度が650℃
のポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ−ル繊維から
なる不織布(日本バイリ−ン社製:略称PBO不織布)
を用いた。
【0049】プリプレグのCF目付は150g/m2
PBO不織布の目付は25g/m2、プリプレグ全体の
樹脂含有率は32重量%(PBO不織布を除く)であっ
た。得られたプリプレグは、良好なタック、ドレ−プ性
を有していた。
【0050】このプリプレグ20枚をプリプレグの層間
に必ずPBO不織布層が配置されるように一方向に積層
し、オ−トクレ−ブ成形により昇温速度2℃/分、18
0℃で2時間の硬化条件で硬化した。その後、210℃
で9時間、250℃で10時間アフタ−キュアして(昇
温速度2℃/分)、成形板を作製した。
【0051】この成形板より試験片を切り出し、歪エネ
ルギ−開放率(GIC)をNASARP1092に準拠
して測定した。また、このプリプレグ14枚をプリプレ
グの層間に必ずPBO不織布層が配置されるように一方
向に積層し、同条件で成形後、層間せん断強度(ILS
S)及びガラス転移温度(Tg)をそれぞれASTM
D2344、ASTM D3418に準拠して測定し
た。
【0052】また、このプリプレグの1枚目の不織布層
に2枚目の炭素繊維層を貼り合わせて、2枚のプリプレ
グの層間にPBO不織布層が配置されるように一方向に
積層し、同条件で成形後、T型剥離強さをJIS K 6
854に準拠して積層した。
【0053】Tgは310℃、GICは790J/m
2 、T型剥離強さは17.4N/25mm幅、ILSS
は12.0kgf/mm2 であった。
【0054】
【実施例2】実施例1に示したPBO不織布の目付を1
0g/m2 とし、実施例1と同様の手順を繰り返した。
得られたプリプレグは、良好なタック、ドレ−プ性を有
していた。このプリプレグを実施例1と同様に硬化した
成形物のTgは312℃ 、GICは762J/m2
T型剥離強さは10.2N/25mm幅、ILSSは1
3.5kgf/mm2 であった。
【0055】
【実施例3】実施例1に示したPBO不織布の目付を4
5g/m2 とし、実施例1と同様の手順を繰り返した。
得られたプリプレグは、良好なタック、ドレ−プ性を有
していた。このプリプレグを実施例1と同様に硬化した
成形物のTgは313℃ 、GICは885J/m2
T型剥離強さは19.2N/25mm幅、ILSSは
9.5kgf/ mm2 であった。
【0056】
【比較例1】不織布を加えず、実施例1と同様の手順に
よりプリプレグを作製した。得られたプリプレグのCF
目付は150g/m2 、樹脂含有量は32%であリ、良
好なタック、ドレ−プ性を有していた。このプリプレグ
を実施例1と同様に硬化した。この成形物のTgは31
0℃、GICは115J/m2 、T型剥離強さは2.2
N/25mm幅、ILSSは13.0kgf/mm2
あった。
【0057】測定結果を表1にまとめて示すが、実施例
1〜4は比較例1と比較すると、耐熱性(Tg)、機械
的特性(ILSS)が同等の優れたレベルを保持してい
ながら、靭性(GIC)、接着性(T型剥離強さ)が良
好であることが明らかとなった。
【0058】
【表1】
【比較例2】熱分解開始温度が260℃のポリエステル
繊維からなる不織布を用いて、実施例1と同様の手順に
よりプリプレグを作製したが、ビスマレイミド樹脂の2
50℃x10時間のアフタ−キュア中に成形板が剥離
し、試験片を得ることができなかった。
【0059】
【発明の効果】本発明により得られたプリプレグは、優
れた機械的特性及び熱的特性と靭性、耐衝撃性が兼備さ
れたものであり、しかも発生したクラックを伝播させに
くい特性を有するため、航空機構造材料、宇宙構造物材
料等へ好適に使用される。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリプレグの一例の斜視図である。
【図2】本発明のプリプレグの一例の斜視図である。
【図3】本発明のプリプレグの一例の斜視図である。
【符号の説明】
1不織布層 2炭素繊維層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)長繊維からなる強化繊維、(B)不
    織布及び(C)熱硬化性マトリックス樹脂からなるプリ
    プレグにおいて、(B)がプリプレグの表面に配置され
    たプリプレグ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の(B)が(C)の硬化後に
    おいて分離した相を形成するプリプレグ。
  3. 【請求項3】請求項1記載の(B)がポリパラフェニレ
    ンベンゾビスオキサゾ−ル繊維又は/及びポリベンズイ
    ミダゾール繊維の不織布であることを特徴とするプリプ
    レグ。
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