JPH10152349A - 紫外線吸収着色ガラス - Google Patents

紫外線吸収着色ガラス

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JPH10152349A
JPH10152349A JP30963896A JP30963896A JPH10152349A JP H10152349 A JPH10152349 A JP H10152349A JP 30963896 A JP30963896 A JP 30963896A JP 30963896 A JP30963896 A JP 30963896A JP H10152349 A JPH10152349 A JP H10152349A
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ultraviolet
film
silicone
chelate compound
absorbing
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JP30963896A
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Masahiro Hirugawa
雅浩 晝河
Noboru Murata
昇 村田
Haruki Kuramasu
春喜 倉増
Toshikazu Nagashima
敏和 長嶋
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/006Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with materials of composite character
    • C03C17/008Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with materials of composite character comprising a mixture of materials covered by two or more of the groups C03C17/02, C03C17/06, C03C17/22 and C03C17/28
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    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学特性を損なうことなく、透明で紫外線、
特にUVA を充分に遮蔽しつつ、耐候性を格段に高め、耐
摩耗性、耐擦傷性及び耐久性を有し、建築用窓材、自動
車用窓材等として単板で長期の使用ができるガラスを得
る。 【構成】 透明ガラス基板の表面に、蛍光増白剤および
紫外線吸収剤および金属キレ−ト化合物を溶解添加して
なるシリコ−ン系プライマ−コ−ティング溶液を塗布し
て加熱硬化した紫外線吸収着色膜およびさらに該着色膜
上にシリコーン系ハードコーティング溶液を塗布して被
覆成膜した保護膜とを成膜した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線吸収性の優
れた着色コーティング膜を有するガラスおよびこの膜を
耐摩耗性や耐薬品性など耐久性に優れた保護コーティン
グ膜で積層被覆した、より耐候性に優れた紫外線吸収着
色ガラスに関する。
【0002】本発明は、意匠性のある紫外線遮蔽フィル
タ−的部材として各種窓材、例えばビルや住宅や自動車
等車両、あるいは船舶や航空機、または種々のディスプ
レイ機器などの窓材として有用な紫外線吸収着色ガラス
を提供する。
【0003】
【従来の技術】従来からガラス基板等に紫外線吸収性を
付与する処理方法としては、例えばソ−ダライムシリカ
ガラス中に酸化鉄や酸化セリウムや酸化チタンなどの金
属酸化物を溶解添加したもの(例えば、特開平4-224133
号公報、特開平6-321577号公報)、あるいはガラス基板
にCVD 法やスパッタ法などの気相成膜法で酸化亜鉛や酸
化チタンや窒化ケイ素などの膜を形成したもの(例え
ば、特開平5-152213号公報、特公平4-44721 号公報)、
あるいはゾルゲル法などの液相成膜で酸化チタンや酸化
セリウムや酸化亜鉛などの膜を形成したもの(例えば、
特開平4-97103 号公報、特開平5-345638号公報)または
ゾルゲル法などの液相成膜で酸化チタンや酸化セリウム
や酸化亜鉛などの超微粒子を樹脂マトリックスに分散し
て膜形成したもの(例えば、特開平2-265976号公報、特
開平5-222338号公報)等がある。
【0004】これらはいずれも、無機系の紫外線吸収剤
を用いているため、長波長紫外線(UVA )吸収力が不充
分であり、バルクガラスや気相成膜品には多品種少量生
産に対応しにくいという弱点があり、気相成膜品や液相
成膜品には屈折率、膜厚差に起因する干渉着色を厳密に
制御しなければならないという弱点がある。また、ゾル
ゲル法のように高温焼成を必要とする方法では、曲げ板
への直接成膜は難しい。また、酸化亜鉛を用いる場合に
は耐湿性や耐薬品性に弱いので保護対策が必要となる。
【0005】これに対し、有機系の紫外線吸収剤を樹脂
マトリックスに溶解して膜を形成したものには、例えば
前記した特開平2-265976号公報などがあって、長波長紫
外線吸収力があり、耐熱性の関係から必然的に低温硬化
ができるので曲げ板や強化板への対応も容易であり、多
品種少量生産にも対応し易いものであるが、耐久性、耐
候性に信頼性がない。
【0006】前述したように、少量多品種生産に向か
ず、長波長紫外線吸収力も不充分なものであったり、耐
薬品性、耐湿性、耐擦傷性、耐久性あるいは耐候性に不
安があって劣るものであったりする従来技術を改善し、
有機系の紫外線吸収剤と蛍光増白剤を組み合わせること
で長波長紫外線吸収力をよりアップし、シリコ−ン系樹
脂を用いることで耐久性あるいは耐候性をよりアップせ
しめたガラスを本出願人は既に出願(例えば、特開平6-
145837号公報、特願平6-318625号)してきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最近、長波長紫外線吸
収力をよりアップした状態で、さらに過酷な環境のなか
で優れた耐候性を必要とするようなより厳しい用途にも
耐久性があって充分使用でき、少量多品種生産タイプで
ある紫外線吸収着色ガラスを安価で簡便に効率よく提供
することが望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のかかる
問題点に鑑みてなしたものであって、長波長紫外線吸収
力をよりアップした状態で維持しつつ、金属キレ−ト化
合物を併用すれば、淡い着色は伴うものの、微量の該金
属キレ−ト化合物で耐候性をより効果的に向上すること
ができる有用な紫外線吸収着色ガラスを安価で簡便に効
率よく提供するものである。
【0009】すなわち、本発明は、透明ガラス基板の表
面に、蛍光増白剤および紫外線吸収剤および金属キレ−
ト化合物を溶解添加してなるシリコ−ン系プライマ−コ
−ティング溶液を塗布して加熱硬化した紫外線吸収着色
膜およびさらに該紫外線吸収着色膜上にシリコーン系ハ
ードコーティング溶液を塗布して被覆成膜した保護膜と
を積層成膜したことを特徴とする紫外線吸収着色ガラ
ス、ならびに、前記シリコ−ン系プライマ−が、オルガ
ノポリシロキサン系の溶液であることを特徴とする上述
した紫外線吸収着色ガラス、また、前記金属キレ−ト化
合物が、少なくとも1種類以上の遷移金属キレ−ト化合
物であることを特徴とする上述した紫外線吸収着色ガラ
ス、さらに、前記シリコーン系ハードコーティング溶液
が、オルガノポリシロキサン系を主体とする溶液である
ことを特徴とする上述した紫外線吸収着色ガラスを提供
するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】ここで、前述したように、前記蛍
光増白剤としては、紫外領域で吸収し、可視領域で蛍光
を発し、シリコーン系プライマーコーティング溶液に溶
解添加が可能であって、かつ塗膜の加熱硬化時に熱変性
しなければどのようなものでもよいものであり、しかも
適度の耐熱性があり、吸収波長が紫外/可視領域境界
(400nm付近)にある例えば、UvitexーOB(チバガイギ
ー社製、2, 5ビス(5' ーターシャリブチルベンゾオキサ
ゾリル) チオフェン)、あるいはEBー501(三井東圧染料
社製)、さらにNikkafluor SB 、KB、EFS 、OB(日本化
学工業所製)などが挙げられる。
【0011】また、共存せしめる前記紫外線吸収剤とし
ては、例えばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、シアノアクリレート系あるいはサリシレート系ある
いはインドール系などが挙げられる。
【0012】また、金属キレ−ト化合物としては、例え
ばシリコ−ン系プライマ−コ−ティング溶液に溶解添加
が可能であれば何でもよいが、蛍光増白剤の消光にも役
立つ遷移金属キレ−トが好ましい。液の安定性も良好で
あって特に好ましいものとしては、第4周期のNi、Fe、
Mn、Co、Crなどキレ−ト化合物が挙げられる。
【0013】キレ−ト配位子としては、アセチルアセト
ン、テノイルトリフルオロアセトンなどのβ−ジケトン
類、シクロヘキシル酪酸などの脂肪族カルボン酸、オキ
シン類、ジチゾン類、クペロン類、α−ジオキシム類な
どが挙げられ、入手が容易でシリコ−ン系プライマ−コ
−ティング溶液への溶解性のよいアセチルアセトン、シ
クロヘキシル酪酸などが最も好ましい。
【0014】金属キレ−トの作用については、定かでな
いが、紫外線吸収剤とより安定なキレ−トを作り、新規
紫外線吸収剤としてその劣化を防止するのではないかと
推測される。
【0015】また、該蛍光増白剤と該紫外線吸収剤の使
用割合としては、重量比率で1:0.5 から1:10程度で
あり、より安定確実にするための好ましい範囲としては
1:3〜1:6程度であり、蛍光増白剤が多くなると蛍
光で透視性が悪化し、少な過ぎると所望のUVA 吸収力が
得られない。これらは総計としてプライマーコーティン
グ液の0.1 〜10重量%が好ましく、溶解性に余裕があっ
ても必要以上に添加するのは不経済となる。
【0016】次いで、金属キレ−トであるが溶解度と着
色許容度の限界を考慮すると、蛍光増白剤と紫外線吸収
剤添加済みのプライマ−コ−ティング液に100 重量部に
対して0.1 〜5重量部程度であり、好ましくは0.5 〜3
重量部程度であって耐候性を改善し着色も黄色系、緑色
系、褐色系の淡い色調程度であり、少なすぎると耐候性
の改善に効果がなく、多くなると着色がはげしくなり、
液の安定性も悪くなる。
【0017】さらにここで、シリコーン系プライマーに
ついては、上記した蛍光増白剤と紫外線吸収剤と金属キ
レ−トを充分溶解する必要があるため、溶解力があるシ
クロヘキサノンなどのケトン系溶剤やキシレンなどの芳
香族系溶剤とセロソルブなどのエ−テルアルコ−ル系溶
剤やブタノ−ルなどのアルコ−ル系溶剤が混合している
溶剤を使用するのが好ましい。
【0018】さらにまた、前記シリコーン系プライマ−
の樹脂成分としては例えば、オルガノシロキサンポリマ
ーのみからなるものや、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂等との共重合体
が挙げられ、必要に応じて耐熱性や耐摩耗性や密着性や
透明性の向上のため、例えば市販の塗料用シリコーンワ
ニスまたはシリコーン変性ワニス〔例えば東芝シリコー
ン(株)製あるいは信越化学工業(株)製〕やベルクリ
ーン〔日本油脂(株)製〕やOS-800〔大八化学(株)
製〕などを利用して濃度、粘度あるいは膜厚の関係によ
って調製すればよく、さらにシリカやアルミナなどの酸
化物超微粒子を添加するとよい。固形分濃度としては5
〜50wt%程度、、粘度としては2〜100cP 程度、プライ
マーによる紫外線吸収着色膜の膜厚としては0.5 〜10μ
程度が好ましく、また先に述べるがトップ膜層である保
護膜の膜厚としては1〜5μ程度が好ましいため、全膜
厚としては1.5 〜15μ程度が好ましいものとなる。
【0019】特に、例えばベルクリーン(シリコーン変
性アクリルポリマー)についての好ましい濃度(対シリ
コーン系プライマー溶液)は約10〜30wt%程度であり、
10wt%程度未満では塗膜が白化し易くなり、30wt%程度
を超えて多過ぎると密着性の悪化やクラックの発生が見
られるようになる。また例えば OS800(シリコーン系ポ
リマー)についての好ましい濃度は約5〜30wt%程度で
あり、5wt%程度未満と次第に少なくなると耐熱水性や
主に被覆するシリコーン系ハードコート膜に対しての密
着性に影響し、少な過ぎると密着の効果がなくなり、30
wt%程度を超えて多過ぎると白化し易くなる。
【0020】さらに例えばコロイダルシリカXBA (キシ
レン、n-ブタノール分散型シリカ超微粒子オルガノゾ
ル)についての好ましい濃度は約20〜50wt%程度であ
り、20wt%程度未満と次第に少なくなるとクラックの発
生が見られるようになり、50wt%程度を超えて多過ぎる
と白化し易くなるようになる。さらにまた例えば密着性
をより向上せしめるためのシランカップリング剤である
S510(エポキシシラン)についての添加量としては約0.
5 〜20wt%程度を添加することが好ましく、0.5 重量%
程度未満と次第に少なくなると主にガラスに対しての密
着性に影響し少な過ぎると密着効果がなくなり、20重量
%程度を超えて多過ぎると不経済となる。
【0021】さらにまた、上述したように調製された前
記紫外線吸収性シリコーンプライマーは、均一膜厚とな
るように、例えばディッピング法、スプレー法、フロー
コート法、スピンコート法、ロールコート法あるいはス
クリ−ンやフレキソやグラビアやオフセット等の印刷法
などで塗布し被膜とし、例えば約80℃程度以上で約1時
間程度加熱乾燥するものであり、加熱不足であれば、シ
リコーン系ハードコート保護膜塗布時にプライマー成分
が溶出して例えばくもりあるいはクラック等を発現し易
く、耐熱水性も悪化し、また加熱が過多になると、焦げ
による着色や紫外線吸収性能の減少に至る。
【0022】さらに、塗布環境としては、例えば温度約
15〜25℃程度、湿度約40〜50RH%程度、さらにクリーン
度10,000以下程度が塗膜欠陥の防止の点で好ましい。塗
布性能を改善するため、フロー改良剤あるいはレオロジ
ーコントロール剤などを適宜添加してもよいことは言う
までもない。
【0023】さらに、前記シリコーン系プライマ−コ−
ティング溶液により形成した着色膜の保護膜として最も
適する前記シリコーン系ハードコーティング溶液として
は、テトラエトキシシラン加水分解物やコロイダルシリ
カなど高架橋密度のシロキサン結合が期待できるオルガ
ノポリシロキサン系であり、基本的にはメチルトリエト
キシシランなどの3官能性のオルガノアルコキシシラン
を加水分解して得られるシロキサンプレポリマーのアル
コール溶液をベースにしたものが好ましく、例えば本出
願人が既に出願した特開昭62-220531 号公報に記載の被
覆用組成物となるコロイダルシリカを含むものが好まし
く、さらにエポキシシラン成分を多く含んでいると接着
性や耐クラック性向上に役立つ。市販品では例えばトス
ガード510 〔東芝シリコーン(株)製〕あるいはSiコー
ト2〔大八化学(株)製〕などが挙げられる。
【0024】また、該シリコーン系ハードコーティング
溶液の被覆成膜については、均一膜厚となるような、例
えばディッピング法、スプレー法、フローコート法、ス
ピンコート法、ロールコート法あるいはスクリ−ンやフ
レキソやグラビアやオフセット等の印刷法などが利用で
き、膜厚としては約1.0 〜5.0 μ程度が好ましく、薄い
と表面保護強化の効果が少なくなり、厚いと加熱乾燥硬
化時にクラックを発現し易く、かつ経済的でなくなるも
のである。さらに加熱乾燥硬化には第1層に有機系の紫
外線吸収剤、蛍光増白剤および樹脂を含むため約100 ℃
程度以上約250℃程度以下の温度で処理する必要があ
り、好ましくは透明基板がガラス板状体等の場合は約13
0 〜230 ℃程度であり、約10〜60分間程度、好ましくは
約30分間前後程度の処理が表面硬度を高める上で好まし
い。
【0025】なお、塗布する際の環境としては、シリコ
ーン系プライマーと同様に例えば温度が約25℃程度の常
温で相対湿度が約20〜50%RH程度、好ましくは約40%RH
前後程度の空調された環境で行うことが好ましい。塗布
機能を改善するため、フロー改良剤あるいはレオロジー
コントロール剤などを適宜添加してもよいことは言うま
でもない。
【0026】さらにまた、前記透明ガラス基板として
は、好ましくは無機質のガラス例えばフロートガラスで
あり、ことに形状等に特に限定されるものではなく各種
形状に、また大きさあるいは構成のもの、例えば曲げ板
ガラスとしてはもちろん、各種強化ガラスや強度アップ
ガラス、平板や単板で使用できるとともに、複層ガラス
あるいは合せガラスとしても適用できることは言うまで
もない。
【0027】前述したとおり、本発明によれば、蛍光増
白剤と紫外線吸収剤と金属キレ−ト化合物とを共存せし
めるシリコーンプライマー溶液とする特異な構成よりな
る紫外線遮蔽性に優れる淡い着色コーティング膜の表面
に、表面硬度に優れたシリコーン系ハードコート膜を保
護膜として形成した積層膜であるので、蛍光増白剤の蛍
光も目立たない被膜として比較的低温で成膜でき、紫外
線吸収性に優れ、可視領域まで吸収の影響が多少及ぶも
のの、UVA を含む紫外線を格段に遮蔽することができ、
しかもクラック等欠陥の発現もなく鉛筆硬度が9Hないし
はそれ以上と硬くなり、密着性、耐薬品性、耐擦傷性あ
るいは耐久性に優れ、膜強度や平滑性も向上し、長期的
な耐候性をも格段に向上せしめ、淡い着色を伴うものの
視野確保が充分にでき、居住性を格段に高め、ビルや住
宅、車両あるいは各種の窓材等単板や外装用としての使
用はもちろん可能であり、ことに自動車用窓ガラスのフ
ロントガラス、リアガラスおよび昇降するサイドドアガ
ラス、サンルーフガラス、船舶や航空機の窓材などのよ
り過酷な使用条件と環境のなかでも長期的な使用が可能
となる等、さらには可視光の反射によるギラツキ感や電
波の反射による電波シールド性もない有用な紫外線遮蔽
ウィンドウ等になし得た透明な紫外線吸収着色ガラス
を、簡単なコーティング処理によって容易に効率よくか
つ安価に得ることができ、提供するものである。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0029】(紫外線吸収シリコーン系プライマーの調
製)ヘキサノン10.1gに常温で攪拌しながらシランカッ
プリング剤として S510 (チッソ社製)を10.0g添加
し、その後オルガノコロイダルシリカXBA (日産化学社
製)を37.3gならびに蛍光増白剤としてUVITEX−OB(チ
バガイギー製)を0.7g、紫外線吸収剤としてTINUVIN90
0(チバガイギー製)を2.8 g、さらにベルクリーンNo1
000(日本油脂社製)を15.8g添加し、さらにOS-800
〔大八化学(株)製〕を23.3g添加することにより紫外
線吸収シリコーン系プライマーを得た。さらに、該紫外
線吸収シリコーン系プライマー100 重量部に対して各種
キレ−トを表1に示す割合で添加することにより着色し
た紫外線吸収シリコーン系プライマーを得た。
【0030】(シリコーン系ハードコーティング溶液の
調製)攪拌機付きの500ml 丸底フラスコにメチルトリエ
トキシシラン 100gとテトラエトキシシラン43g、3-グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン18gをはり込
み、無水フタル酸0.45g添加、湯浴で約40℃程度に加温
し溶解させ、その後オルガノコロイダルシリカ溶液であ
るIPA-ST〔日産化学(株)製、平均粒径約15μm程度、S
iO2含有量約20%程度〕143 gを添加し、水98gを少し
ずつ添加し約40℃程度で約2日間程度反応を行い、GPC
〔トーソー(株)製、ULC802A )による数平均分子量約
1000程度で固形分を約28wt%程度の組成物を得た。
【0031】これに163 gのイソプロピルアルコールを
添加し、固形分約20wt%程度の組成物を得た。該組成物
に硬化触媒としてジシアンジアミドを約 0.1部程度添加
してシリコーン系ハードコーティング溶液を得た。
【0032】 (性能評価法) 紫外線吸収性:分光光度計で吸収スペクトルパターンを測定。(例えば日立ー U4000型) 蛍光性: 屋外の自然太陽光下で目視観察。(気になる発光、くもりがな い。) 耐摩耗性: JIS R 3221に準拠、摩耗輪CSー10F 、荷重 500g、1000回転後 の△H(ヘーズ)値(%)。
【0033】 表面硬度: 鉛筆硬度。 密着性: JIS K5400 に準拠、碁盤目(1mm口)テープ剥離残数を/100 で表示。
【0034】 耐熱水性: 沸騰水(100 ℃)約2時間後の外観および密着性。 耐薬品性: 耐酸性---------1N HCl 浸漬テストで24hr。 耐アルカリ性---1N NaOH 浸漬テストで 4hr。
【0035】 耐溶剤性-------100%エタノール 浸漬テストで24hr。 耐候性: JIS D0205 に準拠、サンシャインカーボンウェザーメーターで 目視異常(膜クラック、剥離、顕著な黄変)がみられるまでの 時間。(但し、ガラス面照射) 紫外線吸収性能(ISO9050 準拠)Tuv (%)、可視光線透過率 Tv(%)、日射透過率Ts(%)の変化についても調査。
【0036】実施例1 大きさ約300mm x300mm 、厚さ約3.5mm のクリア・フロ
ートガラス基板を中性洗剤、水すすぎ、アルコールで順
次洗浄し、乾燥した後、アセトンで払拭し被膜用ガラス
基板とした。
【0037】約25℃、約40%RHの空調されたクリーンル
ーム内で、該被覆用ガラス基板の片面をフイルムマスキ
ングし、表1に示すように、金属キレ−トとしてNi- ア
セチルアセトネ−トを1重量部添加した前記調製済の着
色した紫外線吸収シリコーン系プライマー溶液に浸漬
し、約1cm /sec 程度のスピードで引き上げ、約175 ℃
程度で約1時間程度乾燥硬化し、膜厚約6μ程度の紫外
線吸収着色膜を形成した。
【0038】次いで、該紫外線吸収着色膜付ガラス基板
のガラス面をフイルムマスキングして上記した調製済の
シリコーン系ハードコート溶液に浸漬し、前記膜面のみ
に塗布後、約10分間程度風乾し、続いて約175 ℃の熱風
循環乾燥器に約1時間程度入れ硬化し、約3μのシリカ
系保護膜を得た。該膜は有色透明のクラックのない良好
なものであった。なお遠赤外線炉での乾燥処理の際には
約200 ℃程度で約15分間程度で硬化できた。
【0039】得られた紫外線吸収着色ガラスを上記した
性能評価法に従って評価した。その結果、分光光度曲線
で透過率(%)を図1に、また外観と光学特性を表1に
示すように、可視光線透過率が85.8%と透明で淡い黄色
な色調とやや着色しているものの、UVA をほぼ100 %遮
蔽するもので紫外線透過率Tuv も0.8 %と1%以下であ
り、表面硬度も9H以上の鉛筆硬度であって硬く、テーバ
ーテスト後のヘーズ値(△H)が4.2 と耐擦傷性も充分
に優れ、耐候性試験(SWM:1000Hr)を表2に示すよう
に、耐候性も1000時間以上で目視異常がなく、紫外線吸
収性能の低下も0.8 %から1.3 %と僅かであって過酷な
環境のなかで長期的な耐候性も充分にあり、密着性、耐
熱水性、耐薬品性も異常なく、屋外使用に耐える優れた
耐久性を有する紫外線吸収着色ガラスを得た。
【0040】実施例2〜5 実施例1と同様なガラス基板に、表1に示すような各種
金属キレ−トと添加量でなる前記調製済の着色した紫外
線吸収シリコーン系プライマー溶液を用い、かつ実施例
1と同様な成膜で、膜厚約6〜7μ程度の紫外線吸収着
色膜を形成した。
【0041】次いで、該紫外線吸収着色膜付ガラス基板
のガラス面をフイルムマスキングして上記した調製済の
シリコーン系ハードコート溶液に浸漬し、前記膜面のみ
に塗布し、約10分間程度風乾し、約175 ℃の熱風循環乾
燥器に約1時間程度入れて硬化し、約3μ程度のシリカ
系保護膜を得た。
【0042】得られた紫外線吸収着色ガラスを実施例1
と同様に評価した。その結果、表1および2(実施例2
のみ図1)に示すように、着色の色調はそれぞれ異なる
が、例えばテーバーテスト後のヘーズ値(△H)が実施
例2は4.6、実施例3は4.5 、実施例4は4.3 、実施例
5は4.2 と耐擦傷性は充分に優れ、耐候性試験(SWM:10
00Hr)を表2に示すように、耐候性も1000時間以上で目
視異常がなく、紫外線吸収性能の低下も実施例2が0.7
%から3.2 %、実施例3が1.1 %から3.6 %、実施例4
が2.0 %から8.5 %、実施例5が1.4 %から8.9 %と10
%以下にとどまって過酷な環境のなかで長期的な耐候性
もあり、他の評価も実施例1と同様な結果となり、実施
例1と同様に所期の優れた紫外線吸収着色ガラスであっ
た。
【0043】比較例1 表1に示すように、金属キレ−トを添加しないで調製し
た紫外線吸収シリコーン系プライマーを用いた以外は実
施例1と同様にして紫外線吸収ガラス基板を得た。
【0044】得られた該紫外線吸収ガラス基板について
は、図1および表1に示すように、外観上は透明である
が、紫外に近い可視領域を遮断するものの、表2に示す
ように、耐候性試験では約1000時間程度でTuv が約13%
程度も増加する変化をし、長期の屋外使用には適しない
ものであり、到底所期の紫外線吸収着色ガラスとは言い
難いものであった。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】以上前述したように、本発明によれば、
光学特性を損なうことなく、透明でしかも紫外線を遮
蔽、ことにUVA をほぼ完全に遮蔽することができ、耐候
性を格段に向上し、淡い着色を有するものの居住性を格
段に向上し、密着性、耐薬品性、耐擦傷性あるいは耐久
性に優れるものをさらに高め、ビルあるいは住宅、車両
等の窓材など単板や外装用としても使用可能なことはも
ちろん、特に自動車窓ガラス等の過酷な使用条件や環境
においても、長期的に使用できることとなる等、種々の
分野に広く採用できる有用な紫外線吸収着色ガラスを簡
便にかつ安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1および2の紫外線吸収着色ガ
ラス(曲線1、2)、比較例1の紫外線吸収ガラス(曲
線3)ならびに通常のガラス基板(フロートガラス3mm
厚、曲線4)の透過率(%)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E06B 9/24 E06B 9/24 Z (72)発明者 長嶋 敏和 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明ガラス基板の表面に、蛍光増白剤お
    よび紫外線吸収剤および金属キレ−ト化合物を溶解添加
    してなるシリコ−ン系プライマ−コ−ティング溶液を塗
    布して加熱硬化した紫外線吸収着色膜を有することを特
    徴とする紫外線吸収着色ガラス。
  2. 【請求項2】 透明ガラス基板の表面に、蛍光増白剤お
    よび紫外線吸収剤および金属キレ−ト化合物を溶解添加
    してなるシリコ−ン系プライマ−コ−ティング溶液を塗
    布して加熱硬化した紫外線吸収着色膜と、該紫外線吸収
    着色膜上にシリコーン系ハードコーティング溶液を塗布
    して被覆成膜した保護膜とを積層成膜したことを特徴と
    する請求項1記載の紫外線吸収着色ガラス。
  3. 【請求項3】 前記シリコ−ン系プライマ−が、オルガ
    ノポリシロキサン系の溶液であることを特徴とする請求
    項1乃至2記載の紫外線吸収着色ガラス。
  4. 【請求項4】 前記金属キレ−ト化合物が、少なくとも
    1種類以上の遷移金属キレ−ト化合物であることを特徴
    とする請求項1乃至3記載の紫外線吸収着色ガラス。
  5. 【請求項5】 前記シリコーン系ハードコーティング溶
    液が、オルガノポリシロキサン系を主体とする溶液であ
    ることを特徴とする請求項1乃至4記載の紫外線吸収着
    色ガラス。
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