JP2972827B2 - 紫外線吸収透明体 - Google Patents

紫外線吸収透明体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線吸収性が優れた
コーティング膜で被覆した透明体に関するものである。
これらは紫外線遮蔽フィルター的部材として各種窓材、
例えばビルあるいは住宅、車両、船舶、航空機、さらに
は種々のディスプレイ機器などに有用な紫外線吸収透明
体である。
【0002】
【従来の技術とその問題点】従来から一般にガラス基板
等透明体に紫外線吸収性を付与する処理方法としては、
次の3種類にほぼ大別される。
【0003】先ず、(1) 透明体自体に紫外線吸収性化合
物を混入配合する方法。例えば、ガラス中に金属化合物
を溶融添加する各種ガラス組成物(例えば、特開昭52ー
47812 号公報)、あるいは樹脂フイルム中に紫外線吸収
剤を分散添加する各種樹脂フイルム(例えば、実開昭59
ー17925 号公報)等がある。次いで(2) 紫外線吸収性透
明膜を透明体表面に貼り合わせる方法。例えば、紫外線
吸収剤を含有するポリビニールブチラール中間膜等を介
して挟み込んだ合せガラス(例えば、特開昭56ー32352
号公報)等がある。さらに(3) 紫外線吸収性透明膜を透
明体表面に形成する方法。例えば、透明体である基材に
スパッタなどの気相成膜法(例えば、特開平4ー76083
号公報)あるいはゾルゲルなどの液相成膜法(例えば、
特開平4ー97103 号公報) による方法等があり、知られ
ている。
【0004】一方、最近樹脂基材において、増白作用を
有する分散型蛍光塗料、例えば2. 5ビス(5'ターシヤリ
ーブチルベンゾオキサゾリル)チオフエンなどを利用
し、高温高圧染色法あるいは常圧キヤリアー法で、紫外
線を少なくとも90%以上カットし、少なくとも80%以上
の可視光線透過率をもつ透明合成樹脂板を得る方法等が
知られている。(例えば、特開昭61ー126503号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】前述したように、例
えば前記特開昭52ー47812 号公報等あるいは前記実開昭
59ー17925 号公報等に記載のものは、いずれも少量多品
種生産には向かず、吸収波長が紫外/可視領域の境界
(例えば400nm 付近)に及ぶものは着色やフイルムのく
もり等を発現し易く、ことに無色にするにはひと工夫を
必要とするものであって、コントロールが必ずしも容易
であるとは言い難いものである。
【0006】また、前記特開昭56ー32352 号公報に記載
のものは、樹脂フイルム単独の場合より耐薬品性、耐擦
傷性、耐久性、着色あるいはくもりが改善されるもの
の、形状対応性が悪く、かなり厚くなって軽量化になり
難いものである。
【0007】さらに、前記特開平4ー76083 号公報ある
いは前記特開平4ー97103 号公報に記載のものは、分解
し易い有機化合物を多量に使用できず、無機化合物が吸
収ベースとなるため、紫外/可視領域の境界を着色がな
くシャープにカットできないということがあり、また成
膜のため約 200℃以上の高温焼成が必要なため強化ガラ
スなど一部の加工ガラスには適用できないということも
あり、従来の有機化合物系コーティング剤による方法
は、高温焼成が不要だが薄手で紫外/可視領域界を着色
なくシャープにカットするのは難しく、大量の紫外線吸
収剤を添加するため耐薬品性、耐擦傷性、耐久性などの
面で相当劣るものとなる。
【0008】さらにまた、前記特開昭61ー126503号公報
に記載のものは、紫外線吸収剤を用いることなく、紫外
線を吸収遮断し、透明度に優れるものとなるものの、こ
とに現実では蛍光が目立ち過ぎ、かつ実用上耐久性もか
なり劣るものである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る問題点に鑑みてなしたものであって、紫外/可視領域
境界を着色なくきわめてシャープにカットするため蛍光
増白剤のコーティング剤組成への適用をせしめつつ、種
々の基材、ことに透明基材表面に対して密着性が良好な
合成樹脂系プライマー、とくにアクリル系プライマーコ
ーティング溶液に溶解添加し、紫外線吸収剤を共存させ
ることにより蛍光を吸収し、蛍光が目立たないコーティ
ング膜を比較的低温で成膜でき、さらにこれをシリコー
ン系ハードコーティング膜で保護することで、ことに無
着色透明で400nm 付近で紫外線をシャープに遮蔽すると
ともに、外装用としても使用可能な耐薬品性、耐擦傷性
ならびに耐久性に優れた、有用な紫外線吸収透明体を提
供するものである。
【0010】すなわち、本発明は、透明基材の表面に、
蛍光増白剤および紫外線吸収剤を溶解添加してなる合成
樹脂系プライマーコーティング溶液を塗布して加熱硬化
し紫外線吸収性薄膜を形成した後、シロキサンプレポリ
マーが有機溶剤に溶解されてなるシリゴーン系ハードコ
ーティング溶液を塗布して加熱硬化し保護薄膜を形成す
ることで順次被覆して成ることを特徴とする紫外線吸収
透明体。
【0011】ならびに、前記合成樹脂系プライマーコー
ティング溶液が、アクリル系プライマーコーティング溶
液であることを特徴とする上述した紫外線吸収透明体を
それぞれ提供するものである。
【0012】ここで、前述したように、前記蛍光増白剤
としては、紫外領域で吸収し、可視領域で蛍光を発し、
合成樹脂系プライマー、ことにアクリル系プライマーコ
ーティング剤に溶融添加が可能であって、かつ塗膜が比
較的低温の加熱硬化で変性しなければどのようなもので
もよいものであり、しかも適度の耐熱性があり、吸収波
長が紫外/可視領域境界(例えば、400nm 付近)にある
例えば、UvitexーOB(チバガイギー社製、2, 5ビス(5'
ーターシャリブチルベンゾオキサゾリル) チオフェ
ン)、あるいはEBー501(三井東圧染料社製)などが挙げ
られる。
【0013】また、共存せしめる前記紫外線吸収剤とし
ては、例えばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、シアノアクリレート系あるいはサリシレート系など
が挙げられる。
【0014】該蛍光増白剤と該紫外線吸収剤の使用割合
としては、モル比率で1:0.5 から1:3.0 程度、好ま
しくは1:1程度であり、蛍光増白剤が多くなると蛍光
で透視性が悪化し、少な過ぎると所望の紫外線吸収力が
得られない。
【0015】さらにここで、合成樹脂プライマー、こと
にアクリルプライマーについては、上記した蛍光増白剤
と該紫外線吸収剤を充分溶解する必要があるため、エチ
ルセロソルブなどのエーテルアルコール系溶剤にジアセ
トンアルコールなどのケトンアルコール系溶剤やケト
ン、エーテルあるいは芳香族系溶剤を組み合わせて透明
基材を侵さないように配慮した混合溶剤を用いるとよ
い。ことに透明基板がガラス板状体等の場合には、溶解
力があるシクロヘキサノンなどのケトン系溶剤が好まし
い。
【0016】さらにまた、前記合成樹脂としては例え
ば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂あ
るいはポリエステル系樹脂等であり、なかでも前記アク
リル系樹脂としては市販の例えば、アクリルBRレジン
(三菱レイヨン製)などを利用して濃度、粘度あるいは
膜厚の関係によって調製すればよく、樹脂分濃度として
は1〜15wt%程度、蛍光増白剤と紫外線吸収剤の合計濃
度としては0.5 〜2wt%程度、粘度としては10〜500cP
程度、さらに膜厚としては1〜10μ程度が好ましいもの
である。
【0017】なお、透明基材がガラス製の場合には、密
着性をより向上せしめるために、シランカップリング剤
の利用がよく、例えばOS808A(大八化学製アクリル変性
シリコーン)などを樹脂分濃度の1/4〜1/2程度添
加するのが好ましい。少な過ぎると効果がなく、多過ぎ
ると不経済となる。
【0018】さらにまた、上述したように調製された前
記紫外線吸収性合成樹脂プライマー、ことに前記紫外線
吸収性アクリルプライマーは、均一膜厚となるように、
例えばディッピング法、スプレー法、フローコート法あ
るいは印刷法等で塗布し被膜とし、例えば約80℃程度以
上で約1時間程度加熱乾燥するものであり、加熱不足で
あれば、シリコーン系ハードコートである保護膜にプラ
イマー成分が溶出して例えばくもりあるいはクラック等
を発現し易く、また加熱が過多になると、シリコーン系
ハードコートである保護膜の密着性が悪化することにな
る。
【0019】また、前記シリコーン系ハードコーティン
グ溶液としては、基本的にはオルガノアルコキシシラン
を加水分解して得られるシロキサンプレポリマーのアル
コール溶液をベースとしたものが好ましく、例えば本出
願人が既に提案した特開昭62ー220531号公報に記載の被
覆用組成物のようなコロイダルシリカを含むものが耐擦
傷性にも優れより好ましい。なお市販品では例えば、ト
スガード510(東芝シリコーン製)あるいはSiコート2
(大八化学製)などが利用できる。
【0020】さらに、塗布環境としては、例えば温度約
15〜25℃程度、湿度約40〜50RH%程度、さらにクリーン
度10,000以下程度が塗膜欠陥の防止の点で好ましい。ま
た塗布法としては、前記紫外線吸収性合成樹脂プライマ
ー、ことに紫外線吸収性アクリルプライマーと同様に、
均一膜厚となるような、例えばディッピング法、スプレ
ー法、フローコート法あるいは印刷法などが利用でき
る。膜厚としては約2〜5μ程度が好ましく、薄いと表
面保護膜効果がなくなり、厚いと加熱乾燥硬化時にクラ
ックを発現し易くなるものである。さらに加熱乾燥硬化
には約80℃程度以上の温度がよく、ことに透明基板がガ
ラス板状体等の場合は約 150℃程度で、約2時間程度の
処理が表面硬度を高める上で好ましい。
【0021】なお、上記した紫外線吸収性アクリル系プ
ライマーあるいはシリコーン系ハードコーティング溶液
の塗布性能を改善するため、フロー改良剤あるいはレオ
ロジーコントロール剤などを適宜添加してもよいことは
言うまでもない。
【0022】さらにまた、前記透明基材としては、例え
ば約80℃程度以上の耐熱性を有するものであればよいも
のであり、好ましくは無機ガラス、あるいはPC、PMMA、
PETなどの樹脂ガラスなどであり、無機質または有機質
を問わず、ことに形状等に特に限定されるものではなく
各種形状に、また大きさあるいは構成のもの、例えば曲
げ板ガラスとしてはもちろん、各種強化ガラスや強度ア
ップガラス、平板や単板で使用できるとともに、複層ガ
ラスあるいは合せガラスとしても適用できることは言う
までもない。
【0023】
【作用】前述したとおり、本発明によれば、蛍光増白剤
と紫外線吸収剤とを共存せしめるプライマー溶液とす
る、特異な構成でなる紫外線遮蔽性に優れるコーティン
グ膜ならびに充分な保護膜で被覆した透明体であるの
で、蛍光増白剤の蛍光を紫外線吸収剤で吸収させ目立た
ない被膜として比較的低温で成膜でき、しかもその表面
がハードコートとなり、ことに400nm 付近において紫外
/可視領域の境界を透明で着色することなくきわめてシ
ャープにカットすることができ、密着性、耐薬品性、耐
擦傷性あるいは耐久性に優れた、外装用としても使用可
能な、有用な紫外線遮蔽ウィンドウ等になり得る透明な
紫外線吸収透明体を、簡単なコーティング処理によって
容易にかつ安価に得ることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0025】(紫外線吸収性アクリル系プライマーの調
製)〔ガラス塗布用〕 攪拌機および循環器つきの1000ml丸底フラスコに溶媒と
なるシクロヘキサノン305g、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル221gをはり込み、常温で攪拌しながらア
クリルBRー88レジン(三菱レイヨン製)32.5g 投入す
る。さらに攪拌を続けながら蛍光増白剤UVITEXーOB(チ
バガイギー製)3.25g 、紫外線吸収剤TINUVIN327(チバ
ガイギー製)3.25g を添加し、オイルバスで約30分程度
かけて約95℃程度に昇温後、約30分程度保持して完全に
溶解させる。次いで加温を止め、常温まで低下してから
アクリル変成シリコーン樹脂OSー808Aを65g 添加し攪拌
溶解してガラス塗布用の紫外線吸収性アクリル系プライ
マーを得た。
【0026】該紫外線吸収性アクリル系プライマー溶液
は、透明で固形分約9%程度、粘度約250cP (25℃) 程
度であった。 (紫外線吸収性アクリル系プライマーの調製)〔樹脂塗
布用〕 攪拌機および循環器つきの1000ml丸底フラスコに溶媒と
なるシクロヘキサノン58.5g 、ジアセトンアルコール15
0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル390gをは
り込み、常温で攪拌しながらアクリルBRー85レジン(三
菱レイヨン製)45.5g 投入する。さらに攪拌を続けなが
ら蛍光増白剤UVITEXーOB(チバガイギー製)3.25g 、紫
外線吸収剤TINUVIN327(チバガイギー製)3.25g を添加
し、オイルバスで約30分程度かけて約95℃程度に昇温
後、約30分程度保持して完全に溶解させて樹脂塗布用の
紫外線吸収性アクリル系プライマーを得た。
【0027】該紫外線吸収性アクリル系プライマー溶液
は、透明で固形分約8%程度、粘度約35cP(25℃) 程度
であった。 (シリコーン系ハードコーティング溶液の調製)攪拌機
および循環器つきの 500ml丸底フラスコにメチルトリエ
トキシシラン100gと3ーグリシドキシプロピルトリメト
キシシラン10g をはり込み、無水フタル酸0.04g を添
加、湯浴で約40℃程度に加温し溶解させ、その後、弱塩
基性コロイダルシリカ水溶液スノーテックスC(日産化
学製、平均粒径約15μm程度、SiO2含有量約20%程度)
100gを添加し、約40℃程度で約5日程度反応を行い、GP
C (トーソー製、ULC802A )による数平均分子量約1100
程度、固形分約29%程度の組成物を得た。これに145gの
イソプロピルアルコールを添加し、分画分子量1000の限
外濾過器(日本ミリポア製)で濃縮し、GPC による数平
均分子量約1200程度、固形分約20%の組成物を得た。該
組成物に硬化触媒としてジシアンジアミドを約0.1 部程
度添加してシリコーン系ハードコーティング溶液を得
た。
【0028】(性能評価法) 紫外線吸収性:紫外/可視分光光度計で吸収スペクトル
パターンを測定。 蛍光性: 屋外の自然太陽光下で目視観察。(気に
なる発光、くもりがない。) 表面硬度: ASTM D1044に準拠、摩耗輪CSー10F 、50
0 回転後の△H(ヘーズ)値(%)。
【0029】密着性: JIS K5400 に準拠、碁盤目
(1mm口)テープ剥離残数を/100で表示。 耐薬品性: 酸 ----25wt% H2SO4 点滴テス
トで24hr。
【0030】塩基---- 5wt% NaOH 点滴テスト
で4hr。 溶剤----100 %エタノール 点滴テストで4hr。 耐候性: JIS D0205 に準拠、サンシャインカーボ
ンウェザーメーターで目視異常(膜クラック、剥離、顕
著な黄変)がみられるまでの時間。
【0031】実施例1 大きさ約300mm x300mm 、厚さ約3mm のクリア・フロー
トガラス基板を中性洗剤、水すすぎ、アルコールで順次
洗浄し、乾燥した後、アセトンで払拭し被膜用ガラス基
板とした。
【0032】該被覆用ガラス基板の片面をフイルムマス
キングし、上記した調製済のガラス塗布用紫外線吸収性
アクリル系プライマー溶液に浸漬し、約0.1cm /sec 程
度のスピードで引き上げ、約120 ℃程度で約0.5 時間程
度乾燥し、膜厚約5μ程度の紫外線吸収膜を形成した。
【0033】次いで、該紫外線吸収膜付ガラス基板を上
記した調製済のシリコーン系ハードコーティング溶液に
浸漬し、約1cm/sec 程度のスピードで引き上げ、約12
0 ℃程度で約0.5 時間程度、約150 ℃程度で約0.5 時間
程度乾燥硬化し、膜厚約3μ程度の保護膜を形成した。
【0034】得られた紫外線吸収透明体である紫外線遮
蔽ガラス基板を上記した性能評価法に従って評価した。
その結果、図1に示すように、波長400nm 以下では透過
率5%以下で紫外線を遮蔽するものであって、ことに40
0nm 付近において紫外/可視領域の境界を着色なく充分
な透視性できわめてシャープにカットでき、気になる発
光発現ならびにくもりもなく防げ、表面硬度もテーバテ
スト後のヘーズ値(△H)が5と耐擦傷性も優れ、耐候
性も1000時間以上で目視異常がなく、耐薬品性も異常な
く、優れた耐久性を有する紫外線吸収透明体であった。
【0035】実施例2 実施例1と同様なガラス基板に、実施例1と同様なプラ
イマー溶液を用い、かつ同様な成膜で、同様の約5μ程
度の紫外線吸収膜を形成した。
【0036】次いで、該紫外線吸収膜付ガラス基板を市
販のシリコーン系ハードコーティング溶液であるトスガ
ート510 (東芝シリコーン製)に浸漬し、約1cm/sec
のスピードで引き上げ、約120 ℃で約3時間程度乾燥硬
化し、膜厚約3μ程度の保護膜を形成した。
【0037】得られた紫外線吸収透明体である紫外線遮
蔽ガラス基板を実施例1と同様に評価した。実施例1と
同様に所期の優れた紫外線吸収透明体であった。実施例3 厚さ約50μのPET フイルムを、上記した樹脂塗布用紫外
線吸収性アクリル系プライマー溶液に浸漬し、約0.1cm
/sec 程度のスピードで引き上げ、約120 ℃程度で約0.
5 時間程度乾燥し、膜厚約5μ程度の紫外線吸収膜を形
成した。
【0038】次いで、該紫外線吸収膜付フイルムを上記
した調製済のシリコーン系ハードコーティング溶液に浸
漬し、約1cm/sec 程度のスピードで引き上げ、約120
℃程度で約0.5 時間程度、約150 ℃程度で約0.5 時間程
度乾燥硬化し、膜厚約3μ程度の保護膜を形成した。
【0039】得られた紫外線吸収透明体である紫外線遮
蔽フイルムを実施例1と同様に評価した。実施例1と同
様に所期の優れた紫外線吸収透明体であった。比較例1 蛍光増白剤UVITEXーOB(チバガイギー製)を添加せずに
調製した紫外線吸収性アクリル系プライマーを用いた以
外は実施例1と同様にして紫外線吸収性ガラス基板を得
た。
【0040】得られた該紫外線吸収性ガラス基板につい
ては、外観上は室内側および屋外側ともにほぼ無着色で
透明であるものの、図1に示すように、波長400nm 付近
ではほとんど紫外線カットができていなく、紫外/可視
領域の境界も必ずしも充分シャープではなく、到底所期
の紫外線吸収透明体とは言い難いものであった。
【0041】比較例2 紫外線吸収剤TINUVIN327(チバガイギー製)を添加せず
に調製した紫外線吸収性アクリル系プライマーを用いた
以外は実施例1と同様にして紫外線吸収性ガラス基板を
得た。
【0042】得られた該紫外線吸収性ガラス基板につい
ては、外観上は室内では無着色でやや青色蛍光を感じる
程度のものであり、屋外の太陽光のもとでは青白色のく
もりが発現しかなり目立つものであって、しかも波長40
0nm 付近のカットが不完全であり、到底所期の紫外線吸
収透明体とは言い難いものであった。
【0043】比較例3 アクリル変性シリコーンOSー808Aを添加せずに調製した
紫外線吸収性プライマーを用いた以外は実施例1と同様
にして紫外線吸収性ガラス基板を得た。
【0044】得られた該紫外線吸収性ガラス基板につい
ては、外観上は室内側および屋外側ともにほぼ無着色で
透明であるものの、コーティング膜の耐熱水テスト後の
密着性が不良であり、到底所期の紫外線吸収透明体とは
言い難いものであった。
【0045】
【発明の効果】以上前述したように、本発明によれば、
光学特性を損なうことなく、無着色でかつ透明でしかも
紫外線を遮蔽、ことに400nm 付近において紫外/可視領
域の境界をきわめてシャープに紫外線を遮蔽することが
でき、密着性、耐薬品性、耐擦傷性あるいは耐久性に優
れ、外装用としても使用可能となり、ビルあるいは住
宅、車両等、種々の分野に広く採用できる有用な紫外線
吸収透明体を容易にかつ安価に提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の紫外線吸収透明体、通常の
ガラス基板および比較例1の紫外線吸収性ガラス基板に
おける、紫外/可視分光曲線での透過率を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材の表面に、蛍光増白剤および紫
    外線吸収剤を溶解添加してなる合成樹脂系プライマーコ
    ーティング溶液を塗布して加熱硬化し紫外線吸収性薄膜
    を形成した後、シロキサンプレポリマーが有機溶剤に溶
    解されてなるシリコーン系ハードコーティング溶液を塗
    布して加熱硬化し保護薄膜を形成するようにしたことを
    特徴とする紫外線吸収透明体。
  2. 【請求項2】 前記合成樹脂系プライマーコーティング
    溶液が、アクリル系プライマーコーティング溶液である
    ことを特徴とする請求項1記載の紫外線吸収透明体。
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