JPH10151105A - 内視鏡光学系 - Google Patents

内視鏡光学系

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JPH10151105A
JPH10151105A JP8313717A JP31371796A JPH10151105A JP H10151105 A JPH10151105 A JP H10151105A JP 8313717 A JP8313717 A JP 8313717A JP 31371796 A JP31371796 A JP 31371796A JP H10151105 A JPH10151105 A JP H10151105A
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JP
Japan
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prism
optical system
endoscope
optical path
refractive index
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JP8313717A
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English (en)
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Masahiro Chiba
政広 千葉
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CCDを内視鏡挿入部の長手方向に対し水平
に配置する場合において、内視鏡挿入部の細径化且つそ
の先端硬質部長の短縮化を図り、且つ正立した被写体像
が得られる内視鏡の光学系を提供する。 【解決手段】 本発明の内視鏡光学系は、負の屈折力を
有する前群Fと正の屈折力を有する後群Rとからなる対
物光学系Aと、フィルタFL,光路変換プリズムP1
補正プリズムP2 ,カバーガラスG及びCCD1からな
る撮像ユニットUとにより構成されている。特に、光路
変換プリズムP1 と補正プリズムP2 とは、これらの屈
折率nP よりも低い屈折率nC を有する接着剤2により
接合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内視鏡の先端部に配
置される光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、細長い挿入部を狭い管腔や体腔内
に挿入して臓器を観察する内視鏡が広く用いられてい
る。特に、容易に内視鏡による検査が行えるように、内
視鏡の先端部や接眼部に固体撮像素子(以下、CCDと
称す)を備えた固体撮像装置(映像信号回路)を配設
し、モニタを通して観察する電子内視鏡装置もよく用い
られるようになってきた。
【0003】ところで、電子内視鏡に限らず全て内視鏡
には、その細長の挿入部を狭い管腔や体腔内に挿入しな
ければならないので、挿入部の細径化が望まれている。
又、屈曲した部位に対しては挿入性の向上、更に医療内
視鏡にあっては患者へ与える苦痛の低減のため、挿入部
の先端の硬質部長を短縮することも望まれている。これ
らの要求に応えるために、特に電子内視鏡では、その先
端部又は接眼部に配設される固体撮像装置のより一層の
小型化、ひいてはCCDの小型化が必要となる。しか
し、CCDを小型化すると、画素サイズが小さくなりC
CDの感光部の面積も小さくなって、CCDイメージエ
リアに入射し得る被写体像を形成する光量が減少して信
号の出力レベルが次第に低下するという問題が発生す
る。かかる点でCCDの小型化には限界がある。
【0004】このような事情に鑑み、既存の大きなCC
Dを有効に用いて内視鏡挿入部の細径化を狙ったものに
は、例えば実公平4−42816号公報,特開昭63−
149620号公報等に開示されているように、内視鏡
挿入部の長手方向に対してCCDを水平若しくは斜めに
配置する方法がある。又、特開平5−288985号公
報に開示されているように、対物光学系の全長を短く構
成し内視鏡挿入部の先端硬質部の短縮を図ったものもあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記実
公平4−42816号公報に開示された方法では、内視
鏡挿入部の細径化は図れるが、CCDパッケージが内視
鏡挿入部の長手方向に横たわることになるため、先端硬
質部が長くなるという不具合が発生する。又、前記特開
昭63−149620号公報に開示された方法では、C
CDを内視鏡挿入部の長手方向に対し斜めに配置するこ
とにより、実公平4−42816号公報に開示された方
法よりも先端硬質部長を短縮することはできるが、CC
Dを水平に配置する場合と比べて内視鏡挿入部の細径化
を図る点では不利になる。更に、前記特開平5−288
985号公報に開示された方法では、CCDが内視鏡挿
入部の長手方向に対し垂直に配置されているため、内視
鏡挿入部の細径化は望めない。このように、前述した何
れの方法にも一長一短があり、CCDの更なる小型化が
実現されない以上、内視鏡挿入部の細径化及び先端硬質
部長の短縮化の双方を満足させることは不可能である。
【0006】現在の電子内視鏡は、主に、CCDが内視
鏡挿入部の長手方向に対し水平に配置された細径スコー
プと、垂直に配置された先端硬質部長短縮スコープとの
2種類がある。又、観察部位の違いにより、内視鏡挿入
部の細径化よりも先端硬質部長の短縮化が要求される場
合と、先端硬質部長の短縮化よりも挿入部の細径化が要
求される場合とに分かれる。そこで、使用者のニーズに
合わせて使い分けられるように、共通のCCD及び固体
撮像装置を用いて、内視鏡挿入部の先端硬質部に配置さ
れる光学系の構成を変更することにより、前述の問題の
解決を試みた。
【0007】しかしながら、細径スコープにおいて、モ
ニタ上に被写体の正立像が得られるように固体撮像装置
を構成した場合、例えば前記実公平4−42816号公
報に示されたものでは、光軸を内視鏡挿入部の長手方向
に対して垂直に曲げるために1回反射の三角プリズムを
用いているため、モニタ上に被写体像の左右方向が逆転
した裏像が表示されてしまうといった不具合が発生す
る。これを解決する手段としては、特開昭61−504
6号公報に開示されているように、CCDからの画像情
報を一旦固体撮像装置内に配設されたメモリに記憶さ
せ、このメモリからの前記画像情報を読み出す際に書き
込み時とは逆の方向から行い、この読み出し情報に基づ
いてモニタ上に水平走査を行って電気的に像を逆転させ
る方法がある。
【0008】しかし、この場合、固体撮像装置側にメモ
リ回路,逆読み出し回路,正立像と裏像との切替えスイ
ッチ若しくは内視鏡像が正立像になるか否かを判別する
スコープ検出(判別)機構等を設けなければならない。
このような機構はCCDが内視鏡挿入部の長手方向に対
し垂直に備えられたスコープのみを用いるユーザにとっ
ては不必要なものであり、固体撮像装置の共有化という
ことがかえって撮像装置の大型化やコスト増につながる
といった問題を生じる。そこで、電気的な像反転機構を
設けることよりも、スコープ内に配設される光学系によ
り正立像を形成する方が好ましい。光学的に正立像を形
成するためには、CCD受光面に至るまでの間の光学部
材による被写体像の反射回数が偶数となるように構成し
なければならない。
【0009】この点、特開昭63−149620号公報
に記載されている後群のプリズムは被写体像を2回反射
させることが可能であり、正立像を形成するのに都合の
よい構成となっているが、内視鏡挿入部の長手方向に対
しCCDを斜めに配置しなければならず、水平に配置す
る場合と比較して挿入部の細径化には不利となる。尚、
この場合、挿入部の先端硬質部が短くなるにつれて組立
性も悪くなるという問題を生じる。
【0010】又、三角プリズムに代えてダハプリズムを
用いた場合、CCD受光面に接するプリズムの射出面が
内視鏡挿入部の長手方向の光軸から内視鏡挿入部の側面
方向に大きく離れる構成となる。CCDは極力スコープ
の中心軸上に配置することが好ましいため、ダハプリズ
ムを用いる場合には内視鏡挿入部の先端硬質部に配置さ
れる対物光学系のレンズ部分がスコープの中心軸よりも
挿入部側面側にずれることになり、レンズの外径も制約
されることになる。これでは明るい被写体像を形成する
のは無理である。
【0011】更に、4回以上の反射作用を備えたプリズ
ム構成を採用した場合は、バックフォーカスが極端に長
く、対物光学系の焦点距離も長くなる傾向にあるため、
観察視野角が狭くなってしまう。よって、この構成で
は、近年内視鏡において一度に広範囲を観察するために
強く広角化が要求されていることに逆行するものとな
り、相応しくない。
【0012】そこで、本発明は前述のような従来技術の
有する問題点に鑑みなされたものであり、特にCCDを
内視鏡挿入部の長手方向に対し水平に配置する場合にお
いて、内視鏡挿入部の細径化且つその先端硬質部長の短
縮化を図り、且つ正立した被写体像が得られる内視鏡の
光学系を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による内視鏡光学系は、内視鏡挿入部の長手
方向に対し水平に配置された固体撮像素子を有する内視
鏡光学系において、対物光学系と前記固体撮像素子との
間の光路中に、前記対物光学系の光軸に対し垂直な入射
面と前記固体撮像素子の受光面に対し斜めの射出面とを
有する光路変換プリズムと、この光路変換プリズムの射
出面にこのプリズムの屈折率より低い屈折率を有する接
着剤により接合された入射面と前記固体撮像素子の受光
面に平行な射出面とを有する補正プリズムと、が配設さ
れていることを特徴とする。尚、前記光路変換プリズム
と補正プリズムとの接合面に、前記接着剤の屈折率より
も低い屈折率を有する蒸着膜を形成してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施例に基づき本
発明を詳細に説明する。
【0015】第1実施例 図1は、本実施例にかかる光学系が内視鏡挿入部の先端
硬質部に配置された状態を示す図であり、光軸に沿う断
面を示している。本実施例の光学系は直視型の内視鏡に
用いられるものであり、対物光学系Aとその射出側に配
置された撮像ユニットUとにより構成されている。
【0016】対物光学系Aは、負の屈折力を有する前群
Fと正の屈折力を有する後群Rとからなる所謂レトロフ
ォーカス型の光学系として構成されている。よって、こ
の対物光学系Aのバックフォーカスは長く形成されるた
め、この部分に撮像ユニットUを配置することで本実施
例の光学系が配置される内視鏡の先端硬質部長の短縮化
が図れる。尚、この対物光学系Aの光軸は内視鏡挿入部
の長手方向と平行になっている。
【0017】一方、撮像ユニットUは、対物光学系A側
から順に配置された、フィルタFL,光路変換プリズム
1 及び補正プリズムP2 と、更にこの補正プリズムP
2 の射出側に配置されたカバーガラスG及びCCD1に
より構成されている。光路変換プリズムP1 及び補正プ
リズムP2 は同一の屈折率nP を有する材質からなって
いる。又、光路変換プリズムP1 と補正プリズムP2
は、前記nPよりも低い屈折率nC を有する接着剤2に
より接合されている。
【0018】又、フィルタFLには、所謂光学的ローパ
スフィルタや不要なスペクトル成分を除去する赤外光カ
ットフィルタ、色温度変換フィルタ等が用いられる。こ
のフィルタFLは、円柱若しくは円柱の一部(CCD1
が配置される側)をカットした形状に構成され、CCD
1の位置出しが行われた後に配置される光路変換プリズ
ムP1 の入射面aに接合される。更に、鏡筒10をフィ
ルタFLの外周に嵌合させて撮像ユニットUを固定する
ことにより、対物光学系Aの光軸と撮像ユニットUの光
軸とを容易に一致させることができ、組立性の向上も図
れる。
【0019】次に、図2に基づき撮像ユニットUのプリ
ズム構成を詳細に説明する。撮像ユニットUを構成する
光路変換プリズムP1 は、その入射面aが対物光学系A
の光軸に対し垂直になるように配置される。この光路変
換プリズムP1 は、入射面aに対し垂直に入射した光束
を、その斜面bで全反射させ、更に上面cで反射させて
内視鏡挿入部の長手方向に対して垂直な方向に向け前記
斜面bを透過させるようになっている。撮像ユニットU
はこのように構成された光路変換プリズムP1 を有して
いることから、光路変換プリズムP1 に入射した被写体
からの光束を斜面b及び上面cによって2回反射させて
CCD1の受光面に結像させて正立像を得ることができ
る。又、光路変換プリズムP1 により光路を内視鏡挿入
部の長手方向に対し垂直方向に変換することができるた
め、本実施例の光学系が配置される内視鏡挿入部の先端
硬質部長を短縮することも可能になる。
【0020】ここで、光路変換プリズムP1 の各面a,
b,cにおいて、入射面aと斜面bとのなす角の大きさ
をθ1 、斜面bと上面cとのなす角の大きさをθ2 とす
るとき、スネルの公式により次に示す関係式が成立す
る。 θ1 ≧sin-1(nC /nP ) 但し、nC <nP ・・・・(1) θ2 =45° ・・・・(2)
【0021】条件式(1)は対物光学系Aの光軸と平行
に光路変換プリズムP1 の入射面aに入射した光が斜面
bで全反射するための条件を示しており、条件式(2)
は内視鏡挿入部の長手方向に対して水平に配置されたC
CD1の受光面へ光束を垂直に入射させるための条件を
示している。又、上面cで反射された光束が再び斜面b
を透過する際、この光束は斜面bの法線に対して(90
−θ1 )°傾いて入射するため、斜面bにおいて収差が
発生することになる。しかし、光路変換プリズムP1
斜面bと接合されている補正プリズムP2 の入射面dが
前記斜面bと平行になるようにすることで、入射面dに
おいて前記斜面bで発生する収差とは逆符号の収差を発
生させることができる。これにより、CCD1へ到達す
る光束にあっては、前記斜面b及び入射面dにおいて発
生する両収差が互いに打ち消し合って非常に小さくな
り、実用上問題は生じない。尚、補正プリズムP2 の射
出面eは光軸と垂直となっており、平行平板であるカバ
ーガラスGを介することにより、前記射出面eとCCD
1の受光面とは平行に保たれている。
【0022】又、図2中点線で示すように、光路変換プ
リズムP1 の内視鏡挿入部の側面側の有効外部分をカッ
トすることにより、光路変換プリズムP1 における挿入
部側面方向の高さを低く抑えることが可能になる。
【0023】図3は、対物光学系A側から見た光路変換
プリズムP1 の入射面aに沿う断面図である。前述した
光路変換プリズムP1 の有効外部分がカットされた面に
は面取りDが施されている。このように、光路変換プリ
ズムP1 の使用領域外の部分を切り取り、そこに面取り
Dを施すことにより、内視鏡挿入部の細径化が図れる。
加えて、この光路変換プリズムP1 を備えた本実施例の
光学系全体を内視鏡挿入部の光軸より挿入部側面側にレ
イアウトできるようになる。このため、その反対側に配
置されるライトガイドLのスペースを大きく取ることが
でき、太径のライトガイドの配設が可能となるため、明
るい観察画像が得られる。
【0024】第2実施例 本実施例は第1実施例の変形例である。図4は、本実施
例にかかる内視鏡光学系に用いられる撮像ユニットUの
プリズム構成を説明するための図である。本実施例の光
学系に用いられる撮像ユニットUでは、光路変換プリズ
ムP1 の斜面bに第1実施例で用いられる接着剤2の屈
折率nC よりも小さい屈折率を有する蒸着膜3を蒸着
し、この蒸着膜3と補正プリズムP2 とを前記接着剤2
により接合している。又、この光路変換プリズムP1
入射面aの光軸に対する関係及び斜面bと補正プリズム
2 の入射面dとの関係は、第1実施例の光学系と同様
に保たれている。このため、光路変換プリズムP1 の入
射面aと斜面bとのなす角θ 1 を第1実施例の光学系よ
りも更に小さくすることが可能になる。よって、本実施
例の光学系では、第1実施例のものよりも更に光路変換
プリズムP1 の各反射面での光の反射角を小さくするこ
とが可能となり、内視鏡の先端硬質部長を短縮すること
ができる。
【0025】ところで、もともと光学部材に用いられる
接着剤が有する屈折率は1.5〜1.6前後であり、例
えば前記各プリズムP1 ,P2 の屈折率nP を1.8、
接着剤2の屈折率nC を1.56とすると、前記θ1
大きさは60°以上に設定しなければならない。これに
対し、本実施例において、光路変換プリズムP1 の斜面
bに蒸着される蒸着膜3に、例えば反射防止コート等に
用いられるフッ化マグネシウム(MgF 2 )の金属膜を
用いれば、MgF2 コートの屈折率nC ’は1.38で
あるので、前記θ1 の大きさは50°以上であればよ
い。よって、この光路変換プリズムP1 を内視鏡に搭載
した場合、斜面bで反射される光束が大きく内視鏡手前
側(図の右側)に向くことはなく、結果的に内視鏡の先
端硬質部長を短縮することができる。
【0026】尚、本実施例では、各プリズムP1 ,P2
の屈折率nP を1.8として前記θ 1 の大きさを求めて
いるが、nP の値を更に大きくすればθ1 の値をより小
さく設定することができる。又、蒸着膜3の材質を選択
することで蒸着膜3の屈折率nC ’を小さく設定し、こ
れによりθ1 の値を更に小さくすることも可能である。
但し、ここで注意すべきことは、蒸着膜3の膜厚を1μ
m以上にする必要があることである。なぜなら、その膜
厚が1μmに満たない場合、光束が斜面bで全反射せず
に透過してしまい、光量のロスにつながるためである。
【0027】第3実施例 図5は、本実施例にかかる光学系が内視鏡挿入部の先端
部に配置された状態を示す図であり、光軸に沿う断面を
示している。本実施例の光学系に用いられる撮像ユニッ
トUでは、カバーガラスGの上面G 1 が光路変換プリズ
ムP1 の入射面aと斜面bとが交わる位置gよりも内視
鏡の長手方向に沿う光軸側に位置するように構成されて
いる。この他の構成は第1実施例の光学系と同様であ
る。このように、本実施例の光学系では、カバーガラス
Gの上面G1 を、光路変換プリズムP1 の入射面aと斜
面bとが交わる位置gより内視鏡挿入部の長手方向に沿
う光軸側に位置させることで、前記光軸とCCD1の受
光面との距離を更に短くすることができ、更なる内視鏡
挿入部の細径化が図れる。
【0028】更に、補正プリズムP2 の射出面eを直接
CCD1の受光面に接合すれば、カバーガラスGの厚み
分だけ更にCCD1の受光面を前記光軸側に移動させる
ことができ、更なる内視鏡挿入部の細径化が実現され
る。但し、CCD1の受光面に感度向上のためのマイク
ロレンズアレイが設けられている場合には、補正プリズ
ムP2 の射出面eを直接CCD1の受光面に貼り付ける
と、接着剤がレンズ面に流れ込み、マイクロレンズアレ
イの集光効果が得られなくなるため、注意が必要であ
る。
【0029】そこで、このような不具合を避けるために
は、図6に示すように、補正プリズムP2 の射出面eの
有効範囲外に蒸着膜4を前記マイクロレンズアレイより
も厚く形成すればよい。この蒸着膜4は、補正プリズム
2 とCCD1との間に空気層を設けるためのスペーサ
の役割を果たすものである。又、蒸着膜4の素材として
は、SiO2 ,SiO,Al2 3 等が数μ〜数十μm
の厚さで蒸着させ易いために適しているが、勿論これら
に限定されるものではない。又、蒸着の代わりに塗料を
補正プリズムP2 に付着させてもよい。但し、リン青銅
板等の金属薄板をスペーサにすることも考えられるが、
この場合、補正プリズムP2 ,CCD1双方に接着固定
しなければならず、特に補正プリズムP2 側に接着する
際接着剤が有効範囲内に流れ込む虞があるうえ、作業性
も著しく悪化することになるため、適当であるとは云え
ない。
【0030】第4実施例 本実施例は第2実施例の変形例である。図7は、本実施
例にかかる内視鏡光学系に用いられる撮像ユニットUの
プリズム構成を説明するための図である。本実施例の光
学系に用いられる撮像ユニットUでは、第2実施例に示
した光路変換プリズムP1 の斜面bに形成された蒸着膜
3を挟み込むように更に蒸着膜3a,3bが形成されて
いる。特に、本実施例では、蒸着膜3a,3bの材質の
屈折率と、前記蒸着膜3の屈折率nC ’及びプリズムP
1 ,P2 の屈折率nP との関係は以下の条件式を満足し
ていることが好ましい。 nC ’<蒸着膜3a,3bの材質の屈折率<nP ・・・・(3)
【0031】対物光学系Aの射出瞳位置が結像面、即ち
CCD1の受光面に近い場合には、CCD1の周辺部へ
の入射光線の入射角が大きくなる。又、対物光学系Aの
光軸に平行な光束が光路変換プリズムP1 を透過し補正
プリズムP2 へ入射する際、その光束は斜面b(若しく
は入射面d)に対し斜めになっていることから、各光線
の斜面bへの入射角は入射位置毎に大きく異なることに
なる。このため、光路変換プリズムP1 の斜面bと補正
プリズムP2 の入射面dとの間でフレネル反射の分光特
性が異なり、補正プリズムP2 を透過する光線に対して
その光軸に沿う方向で色ムラが発生する。特に、内視鏡
のライトガイドに接続される光源に蛍光ランプやメタル
ハライドランプが用いられる場合には、この光源から発
せられる光は輝線スペクトルを有し干渉性の高い(コヒ
ーレントな)ものであるため、被写体により反射され内
視鏡の光学系に入射した際、色ムラの発生が顕著とな
る。
【0032】そこで、本実施例では、条件式(3)を満
足する屈折率を有する蒸着膜3a,3bを形成し、プリ
ズムP1 ,P2 と蒸着膜3との境界線で発生するフレネ
ル反射の反射率を低下させ、色ムラの発生レベルを抑制
している。更に、補正プリズムP2 の入射面dに施され
る接着剤2の屈折率nC もフレネル反射に影響を与える
ことから、特に蒸着膜3a,3bの材質を双方同じにし
なければならないわけではない。又、接着剤2の屈折率
C が nC ’<nC <1.5 ・・・・(4) であれば、接着剤2と蒸着膜3との境界面で発生するフ
レネル反射は少ないため、蒸着膜3bは省略しても実用
上問題はない。
【0033】このように、本発明による内視鏡光学系
は、CCDが内視鏡の長手方向に水平に配置された内視
鏡において、内視鏡挿入部の細径化及びその先端硬質部
長の短縮化を図ることができる。
【0034】更に、図8に示すように、本発明の内視鏡
光学系を組み込んだ内視鏡11aは、他に像正立機構を
用いることなく、自ずから正立した被写体像を形成でき
ることから、CCDが内視鏡挿入部の長手方向に対して
垂直に配置された従来の内視鏡11bにのみ用いること
が可能であった、像正立機構を有しない撮像装置12と
共に用いることができる。尚、撮像装置12には、撮像
装置12から出力された信号を画像表示するためのモニ
タ13、及び照明光を撮像装置12へ送るための光源装
置14が接続されている。ここでは、撮像装置12,モ
ニタ13及び光源装置14が夫々個別に示されている
が、これらを一体化することも可能である。又、任意に
使用されるその他の付加装置(送気,送水器等)は省略
してある。
【0035】以上説明したように、本発明による内視鏡
光学系は特許請求の範囲に記載された特徴と合わせ、以
下の(1)〜(8)に示すような特徴も備えている。
【0036】(1)上記CCDカバーガラスの補正プリ
ズム側の面は、上記光路変換プリズムの射出面下端より
も上記対物光学系の光軸側に位置していることを特徴と
する請求項1又は2に記載の内視鏡光学系。
【0037】(2)上記補正プリズムの射出面は上記C
CDの受光面に直接接合されていることを特徴とする請
求項1,2又は上記(1)の何れかに記載の内視鏡光学
系。
【0038】(3)上記補正プリズムの射出面の有効範
囲外に蒸着膜を形成し、上記CCDの受光面との間に空
気層を設けたことを特徴とする上記(2)に記載の内視
鏡光学系。
【0039】(4)上記接着剤の屈折率より低い屈折率
を有する蒸着膜が形成された上記光路変換プリズムと補
正プリズムとの接合面において、上記蒸着膜を多層膜に
構成したことを特徴とする請求項1乃至2又は上記
(1)乃至(3)の何れかに記載の内視鏡光学系。
【0040】(5)上記光路変換プリズム又は補正プリ
ズムの一部には、内視鏡挿入部の内径に合わせた面取り
が施されていることを特徴とする請求項1乃至2又は上
記(1)乃至(4)の何れかに記載の内視鏡光学系。
【0041】(6)上記対物光学系と光路変換プリズム
との間の光路中には略円柱形の光学部材が配置されてい
ることを特徴とする請求項1乃至2又は上記(1)乃至
(5)の何れかに記載の内視鏡光学系。
【0042】(7)上記略円柱形の光学部材は上記光路
変換プリズムの入射面に接合され、その光学部材の外周
は上記対物光学系の鏡筒と嵌合されていることを特徴と
する上記(6)に記載の内視鏡光学系。
【0043】(8)上記略円柱形の光学部材は色温度変
換フィルタ若しくは光学的ローパスフィルタ又はそれら
双方の作用を備えたフィルタであることを特徴とする上
記(6)又は(7)に記載の内視鏡光学系。
【0044】
【発明の効果】上述のように、本発明の内視鏡光学系に
よれば、CCDを内視鏡挿入部の長手方向に対して水平
に配置する場合において、内視鏡挿入部の細径化及びそ
の先端硬質部長の短縮化が図れる。更に、本発明の光学
系では、他に像の調整機構を用いずとも正立した被写体
像が得られることから、従来の像正立機能を有しない撮
像装置と共に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例にかかる内視鏡光学系の構成を示す
光軸に沿う断面図である。
【図2】第1実施例の光学系に用いられる撮像ユニット
のプリズム構成を説明するための図である。
【図3】対物光学系A側から見た光路変換プリズムP1
の入射面aに沿う断面図である。
【図4】第2実施例の光学系に用いられる撮像ユニット
のプリズム構成を説明するための図である。
【図5】第3実施例にかかる内視鏡光学系の構成を示す
光軸に沿う断面図である。
【図6】第3実施例の光学系に用いられる撮像ユニット
のプリズム構成を説明するための図である。
【図7】第4実施例の光学系に用いられる撮像ユニット
のプリズム構成を説明するための図である。
【図8】本発明による内視鏡光学系が組み込まれた内視
鏡の使用態様を説明するための図である。
【符号の説明】
1 CCD(固体撮像素子) 2 接着剤 3,3a,3b,4 蒸着膜 10 鏡筒 11a 本発明の内視鏡光学系が組み込まれた
内視鏡 11b 従来の内視鏡 12 撮像装置 13 モニタ 14 光源装置 A 対物光学系 F 前群 FL フィルタ G カバーガラス L ライトガイド P1 光路変換プリズム P2 補正プリズム R 後群 U 撮像ユニット a,d 入射面 b 斜面 c 上面 e 射出面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内視鏡挿入部の長手方向に対し水平に配
    置されている固体撮像素子を有する内視鏡光学系におい
    て、 対物光学系と前記固体撮像素子との間の光路中に、前記
    対物光学系の光軸に対し垂直な入射面と前記固体撮像素
    子の受光面に対し斜めの射出面とを有する光路変換プリ
    ズムと、該光路変換プリズムの射出面に該光路変換プリ
    ズムの屈折率より低い屈折率を有する接着剤により接合
    された入射面と前記固体撮像素子の受光面に平行な射出
    面とを有する補正プリズムと、が配設されていることを
    特徴とする内視鏡光学系。
  2. 【請求項2】 前記光路変換プリズムと補正プリズムと
    の接合面に、前記接着剤の屈折率よりも低い屈折率を有
    する蒸着膜が形成されていることを特徴とする請求項1
    に記載の内視鏡光学系。
JP8313717A 1996-11-25 1996-11-25 内視鏡光学系 Withdrawn JPH10151105A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005525896A (ja) * 2002-05-16 2005-09-02 シー2キュア インコーポレイティド 小型カメラヘッド
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