JPH10149951A - 可変容量コンデンサ - Google Patents

可変容量コンデンサ

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JPH10149951A
JPH10149951A JP32083296A JP32083296A JPH10149951A JP H10149951 A JPH10149951 A JP H10149951A JP 32083296 A JP32083296 A JP 32083296A JP 32083296 A JP32083296 A JP 32083296A JP H10149951 A JPH10149951 A JP H10149951A
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JP
Japan
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electrode
substrate
movable
movable piece
facing
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JP32083296A
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English (en)
Inventor
Masaki Takeuchi
雅樹 竹内
Yukio Yoshino
幸夫 吉野
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電容量の高精度な可変制御が可能な可変容
量コンデンサを提供する。 【解決手段】 基板1に脚部2a,2bを互いに間隙を
介して形成し、各脚部2a,2bからそれぞれ梁部4
a,4bを伸長形成し共通の可動片5に連接する。梁部
4a,4bと可動片5は基板1と空隙10を介して対向
配設し、梁部4a,4bと可動片5の基板対向面に基準
電極8を形成する。基板1に各梁部4a,4bに対向す
る駆動電極6a,6bと、可動片5に対向する検出電極
7とを設ける。梁部4a,4bは基端側から可動片5に
向かうに従って梁の幅Dが狭くなっている。梁部4a,
4bを基板1側に撓み変形させることにより可動片5部
分の基準電極8と検出電極7間の間隔が可変し、可動片
5部分の基準電極8と検出電極7間の静電容量の可変制
御を精度良く行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電容量を可変する
ことが可能な可変容量コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】可変容量コンデンサとしては、バリコン
やバラクタダイオードが知られている。上記バリコン
は、周知のように、互いに対向する電極と、モーター等
の回動機構とを有し、上記回動機構によって互いに対向
する電極の対向面積を可変し、それら電極間の静電容量
を可変するものである。また、上記バラクタダイオード
は外部から印加される電圧の大きさにより寄生容量を可
変することができるものである。
【0003】このような可変容量コンデンサは発振回路
や変調回路等に組み込まれ、例えば、高周波信号が加え
られると、その可変容量コンデンサの静電容量の大きさ
に応じた出力電圧信号を出力するもので、可変容量コン
デンサを組み込む上記発振回路や変調回路等が所望の回
路出力を得ることができるように、その可変容量コンデ
ンサの静電容量(寄生容量)を可変設定して使用され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記バ
リコンは構造が複雑であるし、静電容量を可変するのに
必要不可欠な回動機構は小型化が困難であることから、
バリコンの小型化を図ることが難しいという問題があ
る。
【0005】また、前記バラクタダイオードは単一素子
で形成することが可能であることから、小型化が容易で
あるが、耐圧を高めるために内部抵抗rを大きくしなけ
ればならず、この内部抵抗rの増大により次のような問
題が生じる。
【0006】上記バラクタダイオードの出力電圧信号の
Q値は次式(1)に示すことができる。
【0007】Q=1/(2πfcr)・・・・・(1)
【0008】ただし、上式(1)に示すfはバラクタダ
イオードに加えられる高周波信号の周波数であり、cは
バラクタダイオードの寄生容量を示し、rはバラクタダ
イオードの内部抵抗を示している。
【0009】前記の如く、バラクタダイオードの耐圧を
向上させるために内部抵抗rを大きくすると、上式
(1)に示されるように、Q値が大幅に低下してしま
う。このため、出力電圧信号のキャリアノイズが大きく
なって出力電圧信号のSN比を悪化させてしまう。この
ように、バラクタダイオードの耐圧を向上させるために
内部抵抗rを大きくすると、バラクタダイオードの出力
性能が悪化するという問題が生じる。
【0010】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、小型化が容易で、静電容量
の可変制御を精度良く行うことが可能であり、しかも、
出力電圧信号のQ値の向上が図れて可変容量コンデンサ
の出力性能を高めることができる可変容量コンデンサを
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明は次のような構成をもって前記課題を解決す
る手段としている。すなわち、第1の発明は、基板と、
該基板に固定形成され互いに間隙を介して配設される複
数の脚部と、これら各脚部から伸長形成され前記基板と
間隙を介して対向配設される梁部と、これら各梁部の先
端側に共通に連接され前記基板と間隙を介して対向配設
される可動片と、この可動片の基板対向面と前記梁部の
基板対向面に形成される可動電極と、前記基板に形成さ
れ前記可動電極と間隙を介して対向配設される固定電極
とを有し、前記梁部は基端側よりも先端側の梁の幅が狭
く形成されている構成をもって前記課題を解決する手段
としている。
【0012】第2の発明は、上記第1の発明を構成する
固定電極は可動片の基板対向面に対向する可動片対向電
極と、梁部の基板対向面に対向する梁部対向電極とに分
離形成され、上記可動片対向電極は可動電極との間の静
電容量を検出するための検出電極と成し、上記梁部対向
電極は梁部を撓み変形させるための駆動電極と成してい
る構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0013】第3の発明は、上記第1又は第2の発明を
構成する可動電極は可動片の基板対向面に形成される可
動電極と、梁部の基板対向面に形成される可動電極とに
分離形成され、上記可動片の可動電極は固定電極との間
の静電容量を検出するための検出用の基準電極と成し、
前記梁部の可動電極は梁部を撓み変形させるための駆動
用の基準電極と成している構成をもって前記課題を解決
する手段としている。
【0014】第4の発明は、基板と、該基板に固定形成
され互いに間隙を介して配設される複数の脚部と、これ
ら各脚部から伸長形成され前記基板と間隙を介して対向
配設される梁部と、これら各梁部の先端側に共通に連接
され前記基板と間隙を介して対向配設される可動片と、
この可動片の基板対向面と前記梁部の基板対向面に形成
される可動電極と、前記基板に形成され前記可動電極と
間隙を介して対向配設される固定電極とを有し、前記可
動片は梁部の先端側の幅よりも張り出して幅広面に形成
されている構成をもって前記課題を解決する手段として
いる。
【0015】第5の発明は、上記第4の発明を構成する
梁部は基端側よりも先端側の梁の幅が狭く形成されてい
る構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0016】第6の発明は、上記第4又は第5の発明を
構成する固定電極は可動片の基板対向面に対向する可動
片対向電極と、梁部の基板対向面に対向する梁部対向電
極とに分離形成され、上記可動片対向電極は可動電極と
の間の静電容量を検出するための検出電極と成し、上記
梁部対向電極は梁部を撓み変形させるための駆動電極と
成している構成をもって前記課題を解決する手段として
いる。
【0017】第7の発明は、上記第4又は第5又は第6
の発明を構成する可動電極は可動片の基板対向面に形成
される可動電極と、梁部の基板対向面に形成される可動
電極とに分離形成され、上記可動片の可動電極は固定電
極との間の静電容量を検出するための検出用の基準電極
と成し、前記梁部の可動電極は梁部を撓み変形させるた
めの駆動用の基準電極と成している構成をもって前記課
題を解決する手段としている。
【0018】上記構成の発明において、例えば、可変容
量コンデンサの可動電極と固定電極がそれぞれ発振回路
や変調回路等の回路の予め定められた接続部分に接続さ
れて上記回路に組み込まれ、また、上記可動電極と固定
電極にはその可動電極と固定電極間にバイアス電圧を印
加するための電圧印加手段が接続される。上記電圧印加
手段から上記可動電極と固定電極間に直流のバイアス電
圧が印加されると、可動電極と固定電極間にクーロン力
が作用し、可動電極が固定電極に引き付けられて梁部が
基板側に撓み変形し可動片が基板側に変位する。この梁
部と可動片の基板側への変位により、可動電極と固定電
極間の間隔が可変して可動電極と固定電極間の静電容量
が可変する。
【0019】この状態で、外部から上記可動電極と固定
電極間に高周波信号が印加されると、上記可動電極と固
定電極間の静電容量の大きさに応じた出力電圧信号が外
部に出力される。
【0020】このように、可動電極と固定電極間の間隔
を可変することで可動電極と固定電極間の静電容量を可
変し、その可動電極と固定電極間の間隔の可変制御は精
度良く行うことが可能であることから、可動電極と固定
電極間の静電容量の可変制御が精度良く行われる。ま
た、上記発明の可変容量コンデンサは構造が簡単で、表
面マイクロマシニング技術を用いて製造可能であること
から、可変容量コンデンサの小型化を図るのが容易であ
る。
【0021】各梁部の幅を基端側よりも先端側が狭くな
るように構成したことにより、各梁部と固定電極の対向
面積が各梁部の基端側よりも先端側で減少するので、こ
の対向面積の減少に起因して、各梁部の基板対向面に形
成される可動電極と固定電極間に発生するクーロン力の
大きさを、対向面積の全域に渡り均一にすることができ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、この発明に係る実施形態
例を図面に基づき説明する。
【0023】図1の(a)には第1の実施形態例の可変
容量コンデンサが示され、図1の(b)には上記図1の
(a)に示す可変容量コンデンサのA−A部分の断面構
成が表されている。この実施形態例の可変容量コンデン
サは、基板1と、脚部2a,2bと、両持ち梁3と、梁
部対向電極である駆動電極6a,6bと、可動片対向電
極である検出電極7と、可動電極である基準電極8と、
引き出し電極11,12,13,14とを有して構成さ
れている。
【0024】図1の(a)と(b)に示すように、基板
1に脚部2aと脚部2bが互いに間隙を介して配設され
ており、それら脚部2a,2bに掛け渡して両持ち梁3
が基板面と空隙10を介して対向配設されている。この
両持ち梁3は両端の固定端側から中央領域に向かうに従
って梁の幅Dが連続的に狭くなっている。この両持ち梁
3の基板対向面には可動電極8が形成されており、この
基準電極8と空隙10を介して対向配設される駆動電極
6a,6bおよび検出電極7が基板1に形成されてい
る。
【0025】上記駆動電極6a,6bと検出電極7は互
いに間隙を介して両持ち梁3の伸長方向に配列形成され
ており、上記駆動電極6aは脚部2a寄り側に形成さ
れ、駆動電極6bは脚部2b寄り側に形成され、検出電
極7は両持ち梁3の中央領域に対向配設されている。こ
れら駆動電極6a,6bと検出電極7により固定電極が
構成される。
【0026】この実施形態例では、上記駆動電極6aと
空隙10を介して対向する両持ち梁3の部分が梁部4a
を構成し、駆動電極6bと空隙10を介して対向する両
持ち梁3の部分が梁部4bを構成し、検出電極7と空隙
10を介して対向する両持ち梁3の中央領域が可動片5
を構成している。
【0027】また、前記駆動電極6a,検出電極7,駆
動電極6b,基準電極8からそれぞれ引き出された引き
出し電極11,12,13,14が基板1に形成されて
いる。
【0028】なお、前記基板1は、ガラス、セラミック
ス等の絶縁体基板、あるいは、被覆膜(例えば、珪素酸
化物、珪素窒化物、樹脂)で被覆された珪素基板やヒ化
ガリウム基板や金属基板等で形成される。また、両持ち
梁3(梁部4a,4b,可動片5)は珪素酸化物、珪素
窒化物、珪素等により形成され、駆動電極6a,6bと
検出電極7と基準電極8と引き出し電極11,12,1
3,14は、アルミニウム、金、チタン、クロム、銀、
銅、パラジウム、白金、ニッケル、ニクロム等の金属
や、ボロン、砒素、リン、アンチモン等の不純物をドー
ピングした珪素等の半導体により形成される。
【0029】この実施形態例の可変容量コンデンサは上
記のように構成されており、この実施形態例の可変容量
コンデンサが発振回路や変調回路等に組み込まれる場合
には、例えば、前記引き出し電極12,14が予め定め
られた回路の接続部分にそれぞれ接続されると共に、引
き出し電極11,13,14には図示されていない電圧
印加手段が接続されることになる。
【0030】例えば、上記電圧印加手段から引き出し電
極11,13,14を介して駆動電極6a,6bと基準
電極8に電流が通電され、駆動電極6aと該駆動電極6
aに対向する梁部4a部分の基準電極8間、および、駆
動電極6bと該駆動電極6bに対向する梁部4b部分の
基準電極8間に直流のバイアス電圧が印加されると、駆
動電極6aと梁部4a部分の基準電極8間、駆動電極6
bと梁部4b部分の基準電極8間にクーロン力が作用す
る。
【0031】このクーロン力により梁部4a部分の基準
電極8が駆動電極6aに、かつ、梁部4b部分の基準電
極8が駆動電極6bにそれぞれ引き付けられ、梁部4
a,4bが共に基板1側に撓み変形する。この梁部4
a,4bの基板1側への撓み変形に伴って可動片5が基
板1側に変位し、検出電極7と該検出電極7に対向する
可動片5部分の基準電極8間の間隔が狭くなり、検出電
極7と可動片5部分の基準電極8間の静電容量は増加す
る。
【0032】一方、外部から引き出し電極14を介して
検出電極7と可動片5部分の基準電極8間に高周波信号
が印加されると、検出電極7と可動片5部分の基準電極
8間の静電容量の大きさに応じた出力電圧信号が引き出
し電極12を介して外部に出力される。
【0033】このように、この可変容量コンデンサはク
ーロン力を利用して梁部4a,4bを撓み変形させ、可
動片5を変位させて検出電極7と可動片5部分の基準電
極8間の間隔を可変し、検出電極7と可動片5部分の基
準電極8間の静電容量を可変することができるものであ
る。
【0034】以下に、上記構成の可変容量コンデンサの
製造手法の一例を図2に基づき簡単に説明する。図2で
は図1に示すA−A部分の断面が模式的に表されてい
る。
【0035】まず、基板1の表面に駆動電極6a,6b
と検出電極7と引き出し電極11,12,13を構成す
る導体の膜を蒸着やスパッタやCVDや印刷等の成膜形
成技術により形成する。その導体膜の上側に駆動電極6
a,6bと検出電極7と引き出し電極11,12,13
の形成領域を定めるレジストパターンをフォトリソグラ
フィ等の手法により形成する。そのレジストパターン部
分以外の導体膜をエッチング除去し、その後、上記レジ
ストパターンを除去して、図2の(a)に示すように、
駆動電極6a,6bと検出電極7と引き出し電極11,
12,13が基板1に形成される。
【0036】次に、基板1の予め定められた表面領域
に、図2の(b)に示すように、犠牲層(例えば、リン
ガラスやZnOの層)15を蒸着やスパッタやCVD等
により形成する。そして、その犠牲層15が形成された
基板1の上側に基準電極8と引き出し電極14を構成す
る導体の膜を蒸着やスパッタやCVDや印刷等の成膜形
成技術により形成する。その後、基準電極8と引き出し
電極14の形成領域を定めるレジストパターンをフォト
リソグラフィ等により形成し、然る後、上記レジストパ
ターン部分以外の余分な導体膜をエッチング除去する。
この余分な導体膜のエッチング除去の後、上記レジスト
パターンを除去し基準電極8と引き出し電極14が形成
される。
【0037】さらに、その導体膜の上側に、脚部2a,
2bと両持ち梁3を形成する脚部・梁形成膜を形成し、
その上側に、脚部2a,2bと両持ち梁3の形成領域を
定めるレジストパターンをフォトリソグラフィ等により
形成し、そのレジストパターン部分以外の余分な脚部・
梁形成膜をエッチング除去する。そして、上記レジスト
パターンを除去して、図2の(c)に示すように、脚部
2a,2bと両持ち梁3が形成される。
【0038】最後に、前記犠牲層15をエッチング除去
し、図2の(d)に示すように、基板1と両持ち梁3間
に空隙10が形成され、可変容量コンデンサが完成す
る。
【0039】この実施形態例によれば、基板1に脚部2
a,2bを設け、これら脚部2a,2bに掛け渡して両
持ち梁3を形成して、この両持ち梁3の基板対向面に基
準電極8を、この基準電極8に空隙10を介して対向配
設する駆動電極6a,6bと検出電極7を基板1にそれ
ぞれ設けて可変容量コンデンサを構成したので、その構
造は簡単で、しかも、表面マイクロマシニング技術によ
り製造することが可能であることから、可変容量コンデ
ンサの小型化を図るのが容易である。
【0040】また、この実施形態例では、固定電極を駆
動電極6a,6bと、検出電極7とに分離形成し、駆動
電極6a,6bをそれぞれ梁部4a,4bに対向配設し
たので、駆動電極6aと梁部4a部分の基準電極8間お
よび駆動電極6bと梁部4b部分の基準電極8間にクー
ロン力を作用させることにより、梁部4a,4bを撓み
変形させることができる。
【0041】上記梁部4a,4bの撓み変形に伴って可
動片5が基板側に変位し、この可動片5の変位量は梁部
4a,4bの撓み変形量(変位量)よりも多く、この実
施形態例では、その変位量が多い可動片5に対向する領
域に検出電極7を設けたので、低電圧で梁部4a,4b
を僅かに撓み変形させただけで、検出電極7と可動片5
部分の基準電極8間の間隔が大きく可変し検出電極7と
可動片5部分の基準電極8間の静電容量を大きく可変す
ることができる。
【0042】さらに、この実施形態例では、前記の如
く、両持ち梁3は、両端の固定端側から中央領域に向か
うに従って梁の幅が連続的に狭くなるように構成したの
で、次のような効果を奏することができる。
【0043】例えば、図3に示すように、両持ち梁3が
両端の固定端側から中央領域にかけて梁の幅が等しい、
すなわち、長方形状に形成した構成である場合に、上記
基準電極8と固定電極6a,6b間にバイアス電圧を印
加してクーロン力を発生させると、上記両持ち梁3の中
央領域(可動片5)が過剰に基板1側に変位して可動片
5部分の基準電極8が検出電極7に密着してしまうこと
があるが、この実施形態例では、次のような理由によっ
て上記問題を回避することが可能である。
【0044】上記図3に示す基準電極8と駆動電極6
a,6b間にバイアス電圧を印加したときに、駆動電極
6aと梁部4a部分の基準電極8間、駆動電極6bと梁
部4b部分の基準電極8間に下式(2)に従った大きさ
Fでクーロン力が発生し、このクーロン力により、両持
ち梁3の梁部4a,4bが基板1側に撓み変形し、この
梁部4a,4bの撓み変形に伴って両持ち梁3の可動片
5が必然的に基板1側に変位し、両持ち梁3と基板1の
間は両持ち梁3の固定端側から中央領域に向かうに従っ
て間隔が狭くなる。
【0045】 F=−q・(Vd/d)・S・・・・・(2)
【0046】ただし、上式(2)に示すqは予め定めら
れた単位電極面積当たりの電荷量を表し、Vdは電極間
に印加される電圧を表し、dは電極間の間隔を表し、S
は電極対向面積を表している。
【0047】図3に示す構成では、上式(2)に示す
q,Vd,Sは両持ち梁3の固定端側から中央領域にか
けて等しい状態であり、梁部4a,4bを撓み変形させ
たときには、前記の如く、両持ち梁3と基板1の間は両
持ち梁3の固定端側から中央領域に向かうに従って間隔
が狭くなるので、両持ち梁3の梁部4a,4b部分と駆
動電極6a,6bの各対向領域において基端側よりも先
端側の間隔が狭くなる。このため、両持ち梁3の梁部4
a,4b部分の基準電極8と駆動電極6a,6bとの間
に作用するクーロン力は、両持ち梁3の梁部4a,4b
部分と駆動電極6a,6bの各対向領域において基端側
よりも先端側で格段に大きくなり、両持ち梁3の可動片
5が過剰に基板1側に変位することになる。
【0048】したがって、例えば、基準電極8と駆動電
極6a,6b間にバイアス電圧を印加して両持ち梁3の
梁部4a,4bを僅かに撓み変形させただけで、両持ち
梁3の可動片5が過剰に基板1側に変位し、可動片5部
分の基準電極8が検出電極7に密着してしまう虞があ
る。
【0049】これに対して、この実施形態例では、前記
の如く、両持ち梁3は固定端側から中央領域に向かうに
従って梁の幅が狭くなっているので、梁部4a部分の基
準電極8と駆動電極6aの対向面積、梁部4b部分の基
準電極8と駆動電極6bの対向面積は両持ち梁3の固定
端側から中央領域に向かうに従って狭くなり、この対向
面積の減少に起因して梁部4a部分の基準電極8と駆動
電極6a間、梁部4b部分の基準電極8と駆動電極6b
間に発生するクーロン力の大きさを梁部4a部分の基準
電極8と駆動電極6a間、梁部4b部分の基準電極8と
駆動電極6b間の各対向領域の全領域に渡り均一にする
ことができ、両持ち梁3の可動片5部分に上記クーロン
力が過剰に作用して可動片5部分の基準電極8が検出電
極7に密着してしまうという問題を回避することができ
る。
【0050】また、可動片5部分の基準電極8と検出電
極7間の間隔の可変制御を精度良く行うことができ、可
動片5部分の基準電極8と検出電極7間の静電容量の高
精度な可変制御が可能となる。
【0051】また、前記図3に示す構成では、前記の如
く、梁部4a,4bを僅かに撓み変形させただけで可動
片5が過剰に基板1側に変位し可動片5部分の基準電極
8が検出電極7に密着してしまうことがあり、この場合
には、基準電極8と検出電極7間に印加するバイアス電
圧のレベルを高めても、基準電極8と検出電極7はショ
ート状態になってしまうので、基準電極8と検出電極7
間の静電容量を大きく可変することができない。
【0052】つまり、静電容量を可変制御するバイアス
電圧の制御電圧範囲が非常に狭く、静電容量の可変制御
が難しいという問題があるが、この実施形態例では、前
述したように、可動片5の過剰変位の問題を回避できる
ので、可動片5部分の基準電極8と検出電極7間の静電
容量を可変制御するバイアス電圧の可変領域を広くする
ことが可能である。このことから、静電容量の可変制御
を容易にすることができ、精度良く静電容量の可変制御
を行うことができる。
【0053】さらに、この実施形態例の可変容量コンデ
ンサは、構造が簡単であるし、表面マイクロマシニング
技術を用いて形成することができるので、小型化が容易
である。
【0054】さらに、前記の如く、両持ち梁3の固定端
側から中央領域に向かうに従って両持ち梁3の梁の幅D
が狭くなっているので、両持ち梁3が図3に示すように
等幅である場合よりも両持ち梁3の共振周波数が高くな
る。このように共振周波数が高くなると、両持ち梁3の
共振周波数は振動ノイズの周波数から掛け離れることに
なり、この両持ち梁3の共振周波数に対応した周波数を
有する可変容量コンデンサの出力電圧信号に振動ノイズ
が乗らなくなり、可変容量コンデンサの出力電圧信号の
SN比を向上させることが可能である。
【0055】さらに、可動片5を梁部4a,4bの複数
本の梁部により支持しているので、可動片5と基板1間
の間隔を可動片5と基板1の対向領域の全領域に渡り、
ほぼ均一にすることが可能であり、可動片5部分の基準
電極8と検出電極7間の間隔の制御が容易で、可動片5
部分の基準電極8と検出電極7間の静電容量の可変制御
を精度良く行うことができる。
【0056】さらに、外部から印加された高周波信号が
可動片5部分の基準電極8と検出電極7間の静電容量に
対応する出力電圧信号として外部に出力されるまでの信
号の通電経路の電気抵抗はその信号の通電経路の長さに
応じて大きくなるが、この実施形態例では、上記信号の
通電経路の長さは短く、通電経路の電気抵抗が小さい。
このことにより、出力電圧信号のQ値を格段に向上させ
ることができる。さらに、この出力電圧信号のQ値の向
上に起因して出力電圧信号の周波数が安定すると共に、
出力電圧信号のキャリアノイズを低減することができ
る。
【0057】なお、この実施形態例では、引き出し電極
14を介して高周波信号を可動片5部分の基準電極8と
検出電極7間に印加し、可動片5部分の基準電極8と検
出電極7間の静電容量に対応する出力電圧信号を引き出
し電極12から外部へ出力していたが、引き出し電極1
2を介して高周波信号を可動片5部分の基準電極8と検
出電極7間に印加し、出力電圧信号を引き出し電極14
を介して外部へ出力するようにしてもよい。
【0058】また、この実施形態例では、両持ち梁3は
梁の幅が固定端側から中央領域に向かうに従って連続的
に狭くなっていたが、図4に示すように、両持ち梁3の
梁の幅を固定端側から中央領域に向かうに従って段階的
に狭くしてもよい。
【0059】さらに、この実施形態例では、固定電極は
駆動電極6a,6bと検出電極7に分離形成されていた
が、基準電極8に対向配設し駆動電極6a,6bと検出
電極7の機能を兼用する固定電極を設けてもよい。
【0060】この場合には、上記固定電極と基準電極8
の対向領域の全領域に渡り両持ち梁3を撓み変形させる
クーロン力が作用することになるが、両持ち梁3の梁の
幅が固定端側から中央領域に向かうに従って狭くなって
いることから、前記固定電極と基準電極8の対向面積が
両持ち梁3の固定端側から中央領域に向かうに従って狭
くなり、この固定電極と基準電極8の対向面積の減少に
起因して前記クーロン力を固定電極と基準電極8の対向
領域の全領域に渡り均一にすることが可能で、両持ち梁
3の中央領域の過剰撓み変形の問題を回避することがで
きる。
【0061】さらに、上記可変容量コンデンサを製造す
る場合に、例えば、基板1に駆動電極6a,6b等を構
成する導体の膜を形成し、その導体膜の上側に駆動電極
6a,6b等の形成領域を定めるレジストパターンを形
成してレジストパターン以外の余分な導体膜を取り除
き、その後、レジストパターンを取り除いて駆動電極6
a,6b等が完成するという如く、型抜き手法により可
変容量コンデンサの各構成要素が製造されたが、例え
ば、基板1に駆動電極6a,6b等の形成領域を規制す
るマスクパターンを形成し、そのマスクパターンが形成
された基板1の上側に駆動電極6a,6b等を構成する
導体の膜を形成し、その後、上記マスクパターンを取り
除いて駆動電極6a,6b等が完成するというような型
取り手法により可変容量コンデンサの各構成要素を製造
してもよい。
【0062】以下に、第2の実施形態例を説明する。こ
の実施形態例において特徴的なことは、図5に示すよう
に、各梁部4a,4bの先端側に共通に連接される可動
片5を梁部4a,4bの先端側の幅Dよりも張り出した
幅広面に形成したことである。それ以外の構成は前記第
1の実施形態例と同様であり、前記第1の実施形態例と
同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略
する。
【0063】この実施形態例では、各梁部4a,4bの
先端側に共通に連接される可動片5は梁部4a,4bの
先端側の幅Dよりも張り出して幅広面に形成されてお
り、上記梁部4a,4bと可動片5の基板対向面には、
前記第1の実施形態例同様に、基準電極8が形成され
る。上記可動片5部分の基準電極8に対向配設される領
域には検出電極7が対向配設され、梁部4a,4b部分
の基準電極8に対向する領域には駆動電極6a,6bが
対向配設される。
【0064】また、各梁部4a,4bの基端側(脚部
側)から先端側に至る梁の長さは等しくなるように形成
されており、このように、梁部4a,4bの梁の長さを
等しくすることにより、梁部4a,4bを撓み変形させ
たときに、可動片5の基板対向面が基板1と平行状態を
保ちながら可動片5を変位させることができ、可動片5
部分の基準電極8と検出電極7間の静電容量の可変制御
を精度良く行うことができる。
【0065】この実施形態例によれば、前記第1の実施
形態例同様の効果を奏することができるうえに、可動片
5が幅広面に形成されているので、前記第1の実施形態
例に比べて、可動片5部分の基準電極8と検出電極7の
対向面積を広くすることができる。このことから、可変
容量コンデンサを組み込む回路に適合する静電容量が得
られるように、可動片5部分の基準電極8と検出電極7
の対向面積を大小自在に可変設定でき、所望の静電容量
を簡単に得ることができる。
【0066】その上、上記の如く、可動片5部分の基準
電極8と検出電極7間の静電容量を大きくできるので、
出力電圧信号の電圧レベルを高めることができて出力電
圧信号のSN比をより向上させることができる。
【0067】なお、この実施形態例では、梁部4a,4
bは基端側から先端側に向かうに従って梁の幅Dが連続
的に狭くなっていたが、図6に示すように、梁部4a,
4bの梁の幅を段階的に狭くしてもよい。また、可動片
5の形状は方形状であったが、図7の(a)や(b)に
示すように、円形状であってもよいし、三角形や、五角
形以上の多角形等、方形状以外の形状に形成してもよ
い。
【0068】以下に、第3の実施形態例を説明する。こ
の実施形態例において特徴的なことは、図9や図10や
図11に示すように、可動片5を3本以上の梁部4(図
9や図10や図11に示す例では4本の梁部4a,4
b,4c,4d)で支持する構成としたことである。そ
れ以外の構成は前記各実施形態例同様であり、前記各実
施形態例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複
説明は省略する。
【0069】この実施形態例では、基板1に3本以上の
脚部が互いに間隙を介して形成され、これら各脚部から
梁部4が上記複数の脚部により囲まれる領域の中央部に
向けてそれぞれ伸長形成され、これら各梁部4の先端側
には共通の可動片5が連接されている。上記梁部4と可
動片5は基板1と空隙10を介して対向配設されてい
る。また、上記各梁部4は基端側から先端側に至る梁の
長さが等しくなるように形成されている。
【0070】上記各梁部4と可動片5の基板対向面には
基準電極8が形成されており、基板1には上記各梁部4
の基板対向面と空隙10を介してそれぞれ対向配設する
駆動電極6と、上記可動片5の基板対向面と空隙10を
介して対向配設する検出電極7とが形成されている。ま
た、上記各駆動電極6と検出電極7と基準電極8からそ
れぞれ引き出された引き出し電極(図示せず)が基板1
に形成される。
【0071】この実施形態例の可変容量コンデンサは上
記のように構成されており、上記検出電極7の引き出し
電極と基準電極8の引き出し電極を発振回路や変調回路
等の回路の予め定められた接続部分に接続することで可
変容量コンデンサを上記回路に組み込むと共に、上記各
駆動電極6の引き出し電極と基準電極8の引き出し電極
を電圧印加手段に接続し、この電圧印加手段から各梁部
4部分の基準電極8と駆動電極6間に直流のバイアス電
圧を印加すると、それら電極間にクーロン力が作用し、
各梁部4部分の基準電極8が駆動電極6側に引き付けら
れ、各梁部4が基板側に撓み変形する。
【0072】この各梁部4の撓み変形に伴って可動片5
が基板側に変位し、可動片5部分の基準電極8と検出電
極7間の間隔が可変し、可動片5部分の基準電極8と検
出電極7間の静電容量を可変することができる。
【0073】この実施形態例によれば、前記各実施形態
例同様の効果を奏することができる上に、可動片5を3
本以上の梁部4により支持する構成にしたので、振動に
起因した可動片5のぶれを格段に小さくすることができ
る。また、梁部4を撓み変形させたときに、可動片5の
基板対向面は基板面と平行状態を保ったまま基板側に変
位することができ、可動片5の基板対向面と基板面との
対向領域の全領域に渡り上記可動片5と基板1間の間隔
をより均一化することができる。
【0074】このことから、可動片5部分の基準電極8
と検出電極7間の間隔の可変制御をより精度良く行うこ
とができるようになり、可動片5部分の基準電極8と検
出電極7間の静電容量の可変制御の精度をより向上させ
ることができる。
【0075】なお、前記図9や図10や図11に示す例
では、可動片5を4本の梁部4で支持していたが、図1
3の(a)や(b)に示すように、3本の梁部4で可動
片5を支持してもよいし、5本以上の梁部4で可動片5
を支持してもよい。
【0076】以下に、第4の実施形態例を説明する。こ
の第4の実施形態例において特徴的なことは、図14に
示すように、基準電極8を梁部4(4a,4b)部分の
基準電極8(8a,8b)と可動片5部分の基準電極8
(17)とに分離形成したことである。それ以外の構成
は、前記各実施形態例と同様であり、この実施形態例で
は前記各実施形態例と同一名称部分には同一符号を付
し、その重複説明は省略する。
【0077】この実施形態例では、前記の如く、基準電
極8は梁部4部分の基準電極8(8a,8b)と、可動
片5部分の基準電極8(17)とに分離形成され、上記
梁部4部分の基準電極8(8a,8b)は駆動電極6と
空隙10を介して対向配設され、駆動電極6との間にク
ーロン力を作用させて梁部4を撓み変形させるための駆
動用の基準電極と成している。
【0078】上記可動部5部分の基準電極8(17)は
検出電極7と空隙10を介して対向配設され、検出電極
7との間の静電容量を検出するための検出用の基準電極
と成している。上記駆動用の基準電極(8a,8b)と
検出用の基準電極17は間隙を介して設けられており、
絶縁された状態である。
【0079】上記各駆動用の基準電極(8a,8b)か
らそれぞれ引き出された引き出し電極が基板1に形成さ
れ、また、前記検出用の基準電極17には端子部が設け
られており、この端子部には検出用の基準電極17に外
部から高周波信号を加える、あるいは、検出用の基準電
極17から出力電圧信号を出力するためのリード導体が
接続される。
【0080】この実施形態例の可変容量コンデンサは上
記のように構成されており、上記各駆動用の基準電極
(8a,8b)と各駆動電極6からそれぞれ引き出され
た各引き出し電極を電圧印加手段に接続して上記各駆動
用の基準電極(8a,8b)と駆動電極6間にバイアス
電圧を印加することで、各駆動用の基準電極(8a,8
b)と駆動電極6間にクーロン力を作用させ、このクー
ロン力により梁部4を撓み変形させて検出電極7と検出
用の基準電極17間の間隔を可変させることができ、検
出電極7と検出用の基準電極17間の静電容量を可変す
ることができる。
【0081】そして、例えば、検出電極7から引き出さ
れた引き出し電極を介して外部から検出電極7と検出用
の基準電極17間に高周波信号が印加されると、検出電
極7と検出用の基準電極17間の静電容量に対応する出
力電圧信号が前記検出用の基準電極17の端子部から外
部に出力される。
【0082】この実施形態例によれば、前記各実施形態
例同様の効果を奏することができる上に、基準電極8を
駆動用の基準電極と検出用の基準電極に分離形成したの
で、駆動用の基準電極(8a,8b)と駆動電極6間に
印加される直流のバイアス電圧と、検出電極7と検出用
の基準電極17間の静電容量に対応する出力電圧信号と
を分離することができる。このことから、直流バイアス
電圧のノイズが出力電圧信号に重畳されることがなくな
り、出力電圧信号のノイズのより一層の低減を図ること
ができる。
【0083】なお、この発明は上記各実施形態例に限定
されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例
えば、上記各実施形態例では、梁部4と可動片5を構成
する絶縁体基板に導体膜を形成して基準電極8を構成し
ていたが、上記梁部4と可動片5を導体により形成し、
梁部4と可動片5自体が基準電極8として機能する構成
としてもよい。また、梁部4と可動片5は、珪素酸化
物、珪素窒化物、珪素、アルミニウム、金、チタン、ク
ロム等の様々な材料のうち、いくつかを積層して形成す
るようにしてもよい。
【0084】さらに、梁部4と可動片5の形状は、上記
各実施形態例に限定されるものではなく、例えば、図8
や図12に示すような形状に形成してもよく、様々な形
状を採り得る。
【0085】さらに、上記各実施形態例では、駆動電極
6や検出電極7や基準電極8等の電極面は露出形成され
ていたが、それら電極のうち、1個以上の電極面に保護
膜を形成するようにしてもよい。この場合には、上記保
護膜により電極面を保護することができる。さらに、上
記各実施形態例では、クーロン力を利用して梁部4を撓
み変形させていたが、圧電素子や磁力等を用いて梁部4
を撓み変形するようにしてもよい。
【0086】
【発明の効果】この発明によれば、基板に形成される脚
部と、これら各脚部から伸長形成される梁部と、これら
各梁部の先端側に共通に連接される可動部とを設け、上
記各梁部と可動片の基板対向面に可動電極を形成し、上
記各梁部と可動片に対向配設される固定電極を基板に形
成する構成としたので、梁部を撓み変形させることによ
り可動電極と固定電極間の間隔が可変し、その可動電極
と固定電極間の静電容量を可変することができる。
【0087】その可動電極と固定電極間に外部から高周
波信号が印加されて上記可動電極と固定電極間の静電容
量の大きさに応じた出力電圧信号が外部に出力されるま
での信号の出力経路の電気抵抗は小さく、このことによ
り、出力電圧信号のQ値の向上を図ることができる。ま
た、この出力電圧信号のQ値の向上に伴って出力電圧信
号のキャリアノイズを削減することができ、出力電圧信
号のSN比を向上させることが可能であり、可変容量コ
ンデンサの出力性能の信頼性を高めることができる。
【0088】さらに、この発明の可変容量コンデンサは
構造が簡単であるし、表面マイクロマシニング技術によ
り製造することが可能であることから、可変容量コンデ
ンサの小型化が容易である。
【0089】さらに、梁部の梁の幅が梁部の基端側より
も先端側が狭くなるように構成されているので、梁部が
基端側から先端側にかけて等幅である場合よりも、梁部
の共振周波数が高くなり、その梁部の共振周波数は振動
ノイズの周波数からより一層掛け離れることになるの
で、梁部の共振周波数に対応する周波数を有する出力電
圧信号に振動ノイズが乗らなくなり、出力電圧信号のS
N比を向上させることができる。
【0090】また、可動電極と固定電極間にクーロン力
を作用させて梁部を撓み変形させ、可動電極と固定電極
間の間隔を可変して可動電極と固定電極間の静電容量を
可変する場合には、上記のように梁の幅を梁部の基端側
よりも先端側を狭くすることにより、梁部部分の可動電
極と固定電極が対向する対向面積を梁部の基端側よりも
先端側を狭くすることが可能であり、この対向面積の減
少により、梁部部分の可動電極と固定電極間にクーロン
力を作用させたときに、その電極間の対向領域の全領域
に渡り上記クーロン力の大きさを均一にすることができ
る。
【0091】このことから、上記クーロン力により梁部
の先端側(可動片)が過剰に変位して基板に密着し可動
電極と固定電極がショート状態になってしまうのを回避
することができる。また、上記のように、可動電極が固
定電極に密着する問題を回避することができるので、可
動電極と固定電極間の静電容量を可変制御するためのバ
イアス電圧レベルの可変範囲を拡大することができ、静
電容量の可変制御が容易となるうえに、より精度良く静
電容量を可変制御することができる。
【0092】可動片が梁部の先端側の幅よりも張り出し
て幅広面に形成されているものにあっては、クーロン力
により梁部の先端側(可動片)が過剰に変位して基板に
密着し可動電極と固定電極がショート状態になってしま
うことを回避することができると共に、可動片部分の可
動電極と固定電極が対向する対向面積を拡大することが
でき、このことにより、可動片部分の可動電極と固定電
極の対向面積を大小自在に可変設定でき、可変容量コン
デンサを組み込む回路に適応する所望の静電容量を得る
ことが容易となる。
【0093】また、上記の如く、可動片部分の可動電極
と固定電極の対向面積を拡大することができることによ
り、可動片部分の可動電極と固定電極間の静電容量を大
きくすることができることから、出力電圧信号の電圧レ
ベルを高めることができるので、出力電圧信号のSN比
をより一層向上させることができる。
【0094】固定電極を可動片対向電極と梁部対向電極
に分離形成したものや、可動電極を可動片部分の可動電
極と梁部部分の可動電極に分離形成したものにあって
は、可動電極と固定電極間にクーロン力を作用させて梁
部を撓み変形させる場合に、可動片の変位量は梁部の撓
み変形量(変位量)よりも多く、この可動片部分に対向
する領域に検出電極が存在することになり、低電圧で梁
部を僅かに撓み変形させただけで、検出電極と可動片部
分の基準電極間の間隔が大きく可変し、検出電極と可動
片部分の基準電極間の静電容量を大きく可変することが
できる。
【0095】固定電極を可動片対向電極と梁部対向電極
に分離形成し、かつ、可動電極を可動片部分の可動電極
と梁部部分の可動電極に分離形成したものにあっては、
梁部を撓み変形させるために可変容量コンデンサに加え
られるバイアス電圧と、静電容量の大きさに対応する出
力電圧信号とが重なり合うことがなく、上記バイアス電
圧のノイズが出力電圧信号に重畳するのを防止すること
ができ、出力電圧信号のSN比をさらに向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態例の可変容量コンデンサを示す
説明図である。
【図2】図1の可変容量コンデンサの製造手法の一例を
示す説明図である。
【図3】等幅の両持ち梁の一例を示す説明図である。
【図4】梁部のその他の形状例を示す説明図である。
【図5】第2の実施形態例の可変容量コンデンサを示す
説明図である。
【図6】梁部のさらにその他の形状例を示す説明図であ
る。
【図7】可動片のその他の形状例を示す説明図である。
【図8】可動片のさらにその他の形状例を示す説明図で
ある。
【図9】第3の実施形態例を示す説明図である。
【図10】梁部が4本設けられた可変容量コンデンサの
実施形態例を示す説明図である。
【図11】さらに梁部が4本設けられた可変容量コンデ
ンサの実施形態例を示す説明図である。
【図12】梁部と可動片のその他の形状例を示す説明図
である。
【図13】梁部が3本設けられた可変容量コンデンサの
実施形態例を示す説明図である。
【図14】第4の実施形態例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2a,2b 脚部 4,4a,4b,4c,4d 梁部 5 可動片 6,6a,6b,6c,6d 駆動電極 7 検出電極 8,8a,8b 基準電極 17 検出用の基準電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板に固定形成され互いに間
    隙を介して配設される複数の脚部と、これら各脚部から
    伸長形成され前記基板と間隙を介して対向配設される梁
    部と、これら各梁部の先端側に共通に連接され前記基板
    と間隙を介して対向配設される可動片と、この可動片の
    基板対向面と前記梁部の基板対向面に形成される可動電
    極と、前記基板に形成され前記可動電極と間隙を介して
    対向配設される固定電極とを有し、前記梁部は基端側よ
    りも先端側の梁の幅が狭く形成されている構成としたこ
    とを特徴とする可変容量コンデンサ。
  2. 【請求項2】 固定電極は可動片の基板対向面に対向す
    る可動片対向電極と、梁部の基板対向面に対向する梁部
    対向電極とに分離形成され、上記可動片対向電極は可動
    電極との間の静電容量を検出するための検出電極と成
    し、上記梁部対向電極は梁部を撓み変形させるための駆
    動電極と成している構成としたことを特徴とする請求項
    1記載の可変容量コンデンサ。
  3. 【請求項3】 可動電極は可動片の基板対向面に形成さ
    れる可動電極と、梁部の基板対向面に形成される可動電
    極とに分離形成され、上記可動片の可動電極は固定電極
    との間の静電容量を検出するための検出用の基準電極と
    成し、前記梁部の可動電極は梁部を撓み変形させるため
    の駆動用の基準電極と成している構成としたことを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の可変容量コンデン
    サ。
  4. 【請求項4】 基板と、該基板に固定形成され互いに間
    隙を介して配設される複数の脚部と、これら各脚部から
    伸長形成され前記基板と間隙を介して対向配設される梁
    部と、これら各梁部の先端側に共通に連接され前記基板
    と間隙を介して対向配設される可動片と、この可動片の
    基板対向面と前記梁部の基板対向面に形成される可動電
    極と、前記基板に形成され前記可動電極と間隙を介して
    対向配設される固定電極とを有し、前記可動片は梁部の
    先端側の幅よりも張り出して幅広面に形成されている構
    成としたことを特徴とする可変容量コンデンサ。
  5. 【請求項5】 梁部は基端側よりも先端側の梁の幅が狭
    く形成されている構成としたことを特徴とする請求項4
    記載の可変容量コンデンサ。
  6. 【請求項6】 固定電極は可動片の基板対向面に対向す
    る可動片対向電極と、梁部の基板対向面に対向する梁部
    対向電極とに分離形成され、上記可動片対向電極は可動
    電極との間の静電容量を検出するための検出電極と成
    し、上記梁部対向電極は梁部を撓み変形させるための駆
    動電極と成している構成としたことを特徴とする請求項
    4又は請求項5記載の可変容量コンデンサ。
  7. 【請求項7】 可動電極は可動片の基板対向面に形成さ
    れる可動電極と、梁部の基板対向面に形成される可動電
    極とに分離形成され、上記可動片の可動電極は固定電極
    との間の静電容量を検出するための検出用の基準電極と
    成し、前記梁部の可動電極は梁部を撓み変形させるため
    の駆動用の基準電極と成している構成としたことを特徴
    とする請求項4又は請求項5又は請求項6記載の可変容
    量コンデンサ。
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