JPH1079324A - 容量可変素子 - Google Patents

容量可変素子

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JPH1079324A
JPH1079324A JP25384596A JP25384596A JPH1079324A JP H1079324 A JPH1079324 A JP H1079324A JP 25384596 A JP25384596 A JP 25384596A JP 25384596 A JP25384596 A JP 25384596A JP H1079324 A JPH1079324 A JP H1079324A
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electrode
cantilever
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drive
end side
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JP25384596A
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Masaki Takeuchi
雅樹 竹内
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G5/00Capacitors in which the capacitance is varied by mechanical means, e.g. by turning a shaft; Processes of their manufacture
    • H01G5/16Capacitors in which the capacitance is varied by mechanical means, e.g. by turning a shaft; Processes of their manufacture using variation of distance between electrodes
    • H01G5/18Capacitors in which the capacitance is varied by mechanical means, e.g. by turning a shaft; Processes of their manufacture using variation of distance between electrodes due to change in inclination, e.g. by flexing, by spiral wrapping

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化が可能で、低電圧で静電容量を可変す
ることができる容量可変素子を提供する。 【解決手段】 支持基板2に固定電極3を形成し、固定
電極3の上側に間隙を介して片持ち梁5を固定電極3に
対向させて形成する。片持ち梁5の固定電極対向面に可
動電極4を形成する。可動電極4と片持ち梁5は支持端
側から先端側に向かうに従って幅Dを狭くする。固定電
極3と可動電極4間に電圧を印加すると固定電極3と可
動電極4間にクーロン力が発生して片持ち梁5は撓み変
位し、固定電極3と可動電極4間の静電容量は可変す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電容量を可変す
ることが可能な容量可変素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】容量可変素子は、例えば、互いに空隙を
介して対向する2個の電極を有して構成され、これら電
極間の間隔や、それら電極が対向している部分の面積を
予め定めた手法により可変することで、電極間の静電容
量を可変することが可能なものである。
【0003】このような容量可変素子は、可変容量コン
デンサとして発振回路や変調回路等に組み込まれ、所望
の回路出力が得られるようにその可変容量コンデンサの
静電容量を可変設定して使用される。または、容量可変
素子の静電容量が小さくなると高周波の電流は容量可変
素子を介して流れることが非常に困難となり、反対に、
静電容量が大きくなると高周波の電流は流れ易くなると
いう容量可変素子の特性を利用し、容量可変素子は高周
波で回路駆動を行う高周波回路にスイッチ素子として組
み込まれ、静電容量を大きくすることにより容量可変素
子をスイッチオン状態にし、静電容量を小さくすること
により容量可変素子をスイッチオフ状態にするというよ
うに、スイッチ素子として使用される。
【0004】容量可変素子としては、バリコンや、図10
に示すような素子(特開平5−74655号公報参照)
が知られている。バリコンは、周知のように、モーター
等の回動機構を有し、この回動機構によって互いに対向
する電極の対向面積を可変し、その電極間の静電容量を
可変するものである。
【0005】また、図10に示す素子は、基板20の凹部底
面22に形成された固定電極23と、凹部21の開口部に掛け
渡して上記固定電極23に対向する可動電極24とを有し、
上記固定電極23と可動電極24に接続された電圧印加手段
25から固定電極23と可動電極24間に電圧を印加すること
によって、固定電極23と可動電極24間にクーロン力を作
用させ、同図の鎖線に示すように、可動電極24を撓み変
動させ固定電極23と可動電極24間の間隔を可変して固定
電極23と可動電極24間の静電容量を可変するものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記バ
リコンは、構造が複雑であるし、静電容量を可変するの
に必要不可欠な回動機構は小型化が困難であることか
ら、バリコンの小型化を図るのが難しいという問題があ
る。また、図10に示す素子の可動電極24は両端が固定さ
れているので、可動電極24の中央部分を撓み変動させる
ためには高電圧を必要とするという問題がある。
【0007】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、簡単な構造で小型化が可能
であり、低電圧で静電容量を可変することができ、しか
も、精度良く、可変容量コンデンサやスイッチ素子とし
て機能することが可能な容量可変素子を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明は次のような構成をもって前記課題を解決す
るための手段としている。
【0009】すなわち、第1の発明は、支持基板と、該
支持基板に固定形成される固定電極と、上記支持基板に
片持ち梁形状で支持され上記固定電極に空隙を介して対
向配設される片持ち梁と、この片持ち梁の固定電極対向
面に固定電極に対向して形成される可動電極とを有し、
上記片持ち梁は、先端側の幅が支持端側の幅よりも狭く
なっている構成をもって前記課題を解決する手段として
いる。
【0010】第2の発明は、上記第1の発明を構成する
固定電極は第1と第2の固定電極に分離分割され、これ
ら第1と第2の固定電極は片持ち梁の支持端側から先端
側に向かう方向に間隙を介して支持基板に配列され、片
持ち梁の支持端側の固定電極は片持ち梁を撓み変動させ
るための駆動電極を成し、他方側の固定電極は可動電極
との間の静電容量を検出するための検出電極を成してい
る構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0011】第3の発明は、上記第1又は第2の発明を
構成する可動電極は第1と第2の可動電極に分離分割さ
れ、これら第1と第2の可動電極は片持ち梁の支持端側
から先端側に向かう方向に間隙を介して片持ち梁の固定
電極対向面に配列され、片持ち梁の支持端側の可動電極
は片持ち梁を撓み変動させるための駆動用の基準電極を
成し、他方側の可動電極は固定電極との間の静電容量を
検出するための検出用の基準電極を成している構成をも
って前記課題を解決する手段としている。
【0012】第4の発明は、上記第1又は第2又は第3
の発明を構成する片持ち梁は支持端側から先端側に向か
うに従って梁の幅が連続的又は段階的に狭くなっている
構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0013】第5の発明は、支持基板と、該支持基板に
固定形成される駆動電極と、この駆動電極と間隙を介し
て支持基板に配列形成される検出電極と、上記駆動電極
と検出電極の配列方向に駆動電極側を支持端側にして伸
長形成され上記駆動電極と検出電極に空隙を介して対向
配設される片持ち梁とを有し、上記片持ち梁は、上記駆
動電極に対向し先端側の幅が支持端側の幅よりも狭くな
っている幅変形梁部と、この幅変形梁部の先端側に連設
され前記検出電極に対向する検出部とにより形成され、
上記検出部は上記幅変形梁部の先端側に形成され、上記
幅変形梁部の駆動電極対向面には片持ち梁を撓み変動さ
せるための駆動用の基準電極が設けられ、上記検出部の
検出電極対向面には検出電極との間の静電容量を検出す
るための検出用の基準電極が設けられており、上記駆動
用と検出用の基準電極は間隙を介して分離形成されてい
る構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0014】第6の発明は、上記第5の発明を構成する
片持ち梁の幅変形梁部は支持端側から先端側に向かうに
従って梁の幅が連続的又は段階的に狭くなっている構成
をもって前記課題を解決する手段としている。
【0015】第7の発明は、上記第1〜第6の発明のう
ちの1つの発明を構成する1個以上の電極の表面上に電
極を保護する保護膜が形成されている構成をもって前記
課題を解決する手段としている。
【0016】上記構成の本発明において、例えば、固定
電極と可動電極間に電圧を印加すると、固定電極と可動
電極の間にクーロン力が作用し、このクーロン力によっ
て片持ち梁が撓み変形して固定電極と可動電極の間隔が
可変し、固定電極と可動電極の間の静電容量が可変す
る。
【0017】上記可動電極は片持ち梁に形成されている
ので、可動電極が両持ち梁に形成されている場合と比べ
て、小さなクーロン力、つまり、低電圧で、片持ち梁を
大きく撓み変動させることが可能である。しかも、片持
ち梁は支持端側よりも先端側の梁の幅が狭くなっている
ので、固定電極側から受ける梁先端側の撓み方向の力も
小さくなり、これにより、片持ち梁の先端側が過剰に撓
んで支持基板に接してしまい、容量素子(コンデンサ)
として機能することができないという虞れを回避する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態例
を図面に基づき説明する。
【0019】図1の(a)には第1の実施の形態例の容
量可変素子を示す斜視図が、図1の(b)には図1の
(a)に示す容量可変素子のX−X断面図がそれぞれ示
されている。この実施の形態例の容量可変素子は、前述
したような可変容量コンデンサやスイッチ素子として機
能することが可能なもので、支持基板2と、固定電極3
と、可動電極4と、片持ち梁5とを有して構成されてい
る。
【0020】図1の(a)と(b)に示すように、支持
基板2の上面に固定電極3が固定形成され、この固定電
極3の上側には該固定電極3に空隙11を介して対向する
片持ち梁5が支持基板2に支持されて設けられており、
この片持ち梁5の下面(固定電極対向面)には上記固定
電極3に対向する可動電極4が形成されている。
【0021】上記片持ち梁5は、図1の(a)に示すよ
うに、支持端側から先端側に向かうに従って梁の幅Dが
連続的に狭くなっている。この片持ち梁5の形状と同様
に、可動電極4も片持ち梁5の支持端側から先端側に向
かうに従って幅が狭くなっている。
【0022】また、支持基板2の上面には、前記固定電
極3に連接されて片持ち梁5の先端側の外へ引き出し形
成された固定側引き出し電極7と、可動電極4に連接さ
れて片持ち梁5の支持端側の外へ引き出し形成された可
動側引き出し電極8とが形成されている。
【0023】上記固定側引き出し電極7と可動側引き出
し電極8には固定電極3と可動電極4間に電圧を印加し
てクーロン力を作用させるための駆動電圧信号を外部か
ら導く入側のリード導体(図示せず)がそれぞれ接続さ
れると共に、固定電極3と可動電極4間の静電容量に対
応する検出電圧信号を外部へ導く出側のリード導体(図
示せず)がそれぞれ接続されて、図1に示す容量可変素
子は予め定められた回路に組み込まれ、可変容量コンデ
ンサ又はスイッチ素子として機能する。
【0024】なお、支持基板2は、ガラスやセラミック
ス等の絶縁基板や、被覆膜(例えば、珪素酸化膜、珪素
窒化膜、樹脂膜等)で被覆された珪素、ヒ化ガリウム、
ゲルマニウム等の半導体基板や、被覆膜で被覆された金
属基板等により形成され、上記固定電極3と可動電極4
と固定側引き出し電極7と可動側引き出し電極8は、ア
ルミニウム、金、チタン、クロム、銀、銅、パラジウ
ム、白金、ニッケル、ニクロム等の金属や、ボロン、砒
素、リン、アンチモン等の不純物をドーピングした珪素
等の半導体により形成され、片持ち梁5は、珪素酸化
物、珪素窒化物、珪素等により形成されている。
【0025】この実施の形態例の容量可変素子は上記の
ように構成されており、例えば、可変容量コンデンサと
して発振回路や変調回路等の回路に組み込まれた場合に
は、固定電極3と可動電極4間の静電容量が上記組み込
んだ回路に適合する予め定められた静電容量となるよう
に駆動電圧信号を前記入側のリード導体を介して固定電
極3と可動電極4に印加し、固定電極3と可動電極4間
にクーロン力を作用させ、このクーロン力によって片持
ち梁5を撓み変動させて固定電極3と可動電極4間の間
隔を変動させ、固定電極3と可動電極4間の静電容量を
上記回路に適合する静電容量に可変設定し、この静電容
量に対応した検出電圧信号が前記出側のリード導体を介
して出力される。
【0026】また、スイッチ素子として高周波回路等に
組み込まれた場合には、予め定まるスイッチオンの静電
容量以上の静電容量となるように駆動電圧信号を前記入
側のリード導体を介して固定電極3と可動電極4に印加
し固定電極3と可動電極4間の静電容量を上記スイッチ
オンの静電容量以上にすることにより、容量可変素子は
スイッチオン状態となって静電容量に対応する検出電圧
信号(電流)が前記出側のリード導体を介して外部へ流
れ出るようになり、それ以外のときには容量可変素子は
スイッチオフ状態となり、検出電圧信号は出力されな
い。このように、前記構成の容量可変素子はスイッチ素
子として使用される。
【0027】上記のように、固定電極3は、可動電極4
との間にクーロン力を作用させて片持ち梁5を撓み変動
させるための駆動電極の機能と、可動電極4との間の静
電容量を検出するための検出電極の機能とを兼用し、ま
た、可動電極4は、固定電極3との間にクーロン力を作
用させて片持ち梁を撓み変動させるための駆動用の基準
電極の機能と、固定電極3との間の静電容量を検出する
ための検出用の基準電極の機能とを兼用している。
【0028】以下に、上記構成の容量可変素子の製造方
法の一例を図2に基づき簡単に説明する。まず、支持基
板2の上面全面に、蒸着やスパッタやCVDや印刷等の
成膜技術を用いて、電極材料の膜を形成し、その膜の上
面に固定電極3と固定側引き出し電極7を形成するため
のレジストパターンをフォトリソグラフィ等により形成
する。その後、上記レジストパターンが形成されている
部分以外の上記電極材料の膜をエッチング等により除去
する。そして、上記レジストパターンを除去して、図2
の(a)に示すように、支持基板2の上面に固定電極3
と該固定電極3に連接した固定側引き出し電極7を形成
する。
【0029】次に、図2の(b)に示すように、上記固
定電極3の上面に該固定電極3を覆う犠牲層(例えば、
珪素酸化物、リンガラス、ZnO)10を蒸着やスパッタ
やCVD等により形成する。そして、図2の(c)に示
すように、固定電極3の対向領域の位置となるように犠
牲層10の上面に可動電極4を、また、支持基板2の上面
に可動電極4から右側領域へ引き出して可動側引き出し
電極8をそれぞれ蒸着やスパッタやCVD等を用いて形
成する。
【0030】然る後、蒸着やスパッタやCVD等によ
り、可動電極4と可動側引き出し電極8の上側に片持ち
梁5を形成する材料の膜を形成し、その上側に片持ち梁
5の形成位置を規定するレジストパターンをフォトリソ
グラフィ等により形成する。そして、レジストパターン
以外の部分の上記片持ち梁5の材料膜をエッチング除去
し、その後、上記レジストパターンを除去して、図2の
(d)に示すように、片持ち梁5を形成する。
【0031】最後に、前記犠牲層10をエッチング除去
し、図2の(e)に示すように、固定電極3と可動電極
4の間に空隙11を形成して容量可変素子が完成する。
【0032】この実施の形態例によれば、可動電極4は
片持ち梁5に形成されているので、両持ち梁に形成され
ている場合と比べて、固定電極3と可動電極4間に小さ
なクーロン力を作用させるだけで、つまり、低電圧で片
持ち梁5を撓み変動させることが可能である。このこと
から、低電圧で固定電極3と可動電極4間の間隔を可変
することができ、固定電極3と可動電極4間の静電容量
を可変することができる。
【0033】また、この実施の形態例の容量可変素子は
構造が簡単であることから、小型化を図ることが容易で
ある。さらに、その製造工程は簡単であるので、製造コ
ストを抑えることが可能である。
【0034】ところで、図8に示すように、可動電極4
と片持ち梁5を支持端側から先端側にかけて等幅状態で
形成すると、固定電極3と可動電極4に駆動電圧信号を
印加したときに、片持ち梁5の先端側が支持基板2側に
過剰に撓む。
【0035】それというのは、固定電極3と可動電極4
間に電圧を印加したときに、片持ち梁5の支持端側に発
生するクーロン力によって、片持ち梁5の支持端側が支
持基板2側に変動し、この片持ち梁5の支持端側の変動
に伴って片持ち梁5の先端側が必然的に撓み変動し、支
持基板2と片持ち梁5間の間隔(固定電極3と可動電極
4間の間隔)は片持ち梁5の支持端側よりも先端側が狭
くなる。片持ち梁5の先端側にも支持基板2側に引き寄
せるクーロン力が次式(1)に従った大きさFで作用す
るので、片持ち梁5の先端側がさらに撓み変動すること
になる。
【0036】 F=−q・(Vd /d)・S・・・・・(1)
【0037】ただし、上記式(1)に示すqは予め定め
られた単位電極面積当たりの電荷量を表し、Vd は電極
間に印加される電圧を表し、dは電極間の間隔を表し、
Sは電極対向面積を表している。
【0038】図8に示すような等幅の片持ち梁5(可動
電極4)においては、上式(1)に示すq,Vd ,Sは
支持端側と先端側で等しい状態にあり、dは支持端側よ
りも先端側が狭いので、支持基板2と片持ち梁5間(固
定電極3と可動電極4間)のクーロン力の大きさFは、
上式(1)から分かるように、片持ち梁5の支持端側よ
りも先端側の方が格段に大きくなって、片持ち梁5の先
端側は過剰に撓み変動することになる。
【0039】このため、例えば、固定電極3と可動電極
4に駆動電圧信号を印加して片持ち梁5の支持端側を僅
かに支持基板2側に撓み変動させただけで片持ち梁5の
先端側が過剰に撓んで片持ち梁5の先端側(可動電極4
の先端側)が固定電極3に接してしまう場合が多々あ
る。このような場合には、固定電極3と可動電極4はシ
ョート状態であるので、駆動電圧信号の電圧レベルを高
めても、固定電極3と可動電極4間の静電容量を大きく
する方向に可変することはできない。つまり、静電容量
を可変制御する駆動電圧信号の制御電圧範囲が非常に狭
く、静電容量の可変制御が難しいという問題がある。
【0040】これに対して、この実施の形態例では、可
動電極4と片持ち梁5は幅Dが支持端側から先端側に向
かうに従って狭くなっているので、固定電極3と可動電
極4の対向面積Sが片持ち梁5の支持端側よりも先端側
が小さくなることから、片持ち梁5の支持端側の撓み変
動に伴って先端側も撓んだときに、上記対向面積Sの減
少に起因して固定電極3と可動電極4間に作用するクー
ロン力の大きさFが片持ち梁5の支持端側よりも先端側
が格段に大きくなるのを防止することができるし、上記
クーロン力の大きさFを片持ち梁5の支持端側から先端
側にかけて均一にすることも可能となり、片持ち梁5の
先端側が過剰に撓むのを防止できる。
【0041】したがって、図8に示す等幅の片持ち梁5
を有する容量可変素子よりも、固定電極3と可動電極4
間の静電容量を可変制御する制御電圧範囲を広くするこ
とが可能となるし、静電容量の可変制御を容易にするこ
とができ、精度良く静電容量の可変制御を行うことがで
きる。
【0042】また、この実施の形態例では、上記の如
く、片持ち梁5は幅Dが支持端側から先端側に向かうに
従って狭くなっているので、図8に示すような等幅の片
持ち梁5に比べて、上記幅Dの条件以外が等しい状態で
あれば、この実施の形態例に示した片持ち梁5の共振周
波数は等幅の片持ち梁5の共振周波数よりも高くなる。
このように共振周波数が高くなると、片持ち梁5の共振
周波数は振動ノイズの周波数から掛け離れることになる
ので、この片持ち梁5の共振周波数に対応した周波数を
有する容量可変素子の出力信号(検出電圧信号)に振動
ノイズが乗らなくなり、容量可変素子の出力信号のSN
比を向上させることが可能である。
【0043】以下に、第2の実施の形態例を説明する。
この実施の形態例が前記第1の実施の形態例と異なる特
徴的なことは、図3に示すように、固定電極3を第1の
固定電極である検出電極3aと第2の固定電極である駆
動電極3bとに分離分割したことであり、片持ち梁5の
より少ない撓み変動で静電容量を大きく可変することが
可能な構成とした。それ以外の構成は前記第1の実施の
形態例と同様であり、その重複説明は省略する。
【0044】この実施の形態例では、片持ち梁5をクー
ロン力を利用して撓み変動させたときに、その撓み変動
量が、片持ち梁5の支持端側から先端側にかけての全領
域の平均値よりも、片持ち梁5の支持端側よりも先端側
の方が大きいことに着目し、片持ち梁5の先端側の静電
容量だけを検出するようにした。そうすることによっ
て、片持ち梁5の少ない撓み変動で、より大きな静電容
量の変動量を得ることが可能となる。
【0045】この実施の形態例では、固定電極3は可動
電極対向領域となる位置に、検出電極3aと駆動電極3
bに分けて構成されており、これら検出電極3aと駆動
電極3bは、支持基板2の上面に片持ち梁5の支持端側
から先端側に向かう方向に駆動電極3bを支持端側にし
て配列形成されており、検出電極3aと駆動電極3bの
間には間隙が設けられ、検出電極3aと駆動電極3bが
直接的に導通しないようになっている。
【0046】なお、図3には図示されていないが、支持
基板2の上面には検出電極3aと駆動電極3bからそれ
ぞれ外側へ引き出された固定側引き出し電極が形成され
ており、検出電極3a側の固定側引き出し電極には前述
した検出電圧信号を外部へ出力するための出側のリード
導体が接続され、駆動電極3b側の固定側引き出し電極
には駆動電圧信号を外部から導き入れるための入側のリ
ード導体が接続される。
【0047】この実施の形態例の容量可変素子は上記の
ように構成されており、駆動電極3bと可動電極4に駆
動電圧信号を印加して駆動電極3bと可動電極4間にク
ーロン力を発生させ、このクーロン力により片持ち梁5
の支持端側を撓み変動させることによって、片持ち梁5
の先端側をも撓み変動させる。この片持ち梁5の先端側
の検出電極3aと可動電極4間の静電容量に対応した検
出電圧信号が固定側引き出し電極を介して外部へ出力さ
れることになる。
【0048】この実施の形態例によれば、前記第1の実
施の形態例同様の優れた効果を奏することができる上
に、固定電極3を検出電極3aと駆動電極3bに分離分
割し、駆動電極3bを片持ち梁5の支持端側の支持基板
2上に形成したので、駆動電極3bと可動電極4間のク
ーロン力を利用して片持ち梁5の支持端側を撓み変動さ
せることにより、片持ち梁5の先端側を支持端側よりも
大きく撓み変動させることができる。このように大きく
撓み変動する片持ち梁5の先端側の支持基板2上に検出
電極3aを形成したので、片持ち梁5の先端側の静電容
量だけを検出することができ、この片持ち梁5の先端側
の検出電極3aと可動電極4間の静電容量の可変量は、
前記第1の実施の形態例に示した固定電極3と可動電極
4間の静電容量の可変量と比べて、片持ち梁5全体の撓
み変動量が同じであれば、上記第1の実施の形態例のも
のよりも大きくなり、片持ち梁5全体の撓み変動量に対
する検出静電容量の可変率は前記第1の実施の形態例よ
りも大きくすることが可能である。
【0049】また、この実施の形態例では、前記の如
く、固定電極3を検出電極3aと駆動電極3bに分離分
割したので、片持ち梁5を撓み変動させるためのクーロ
ン力を片持ち梁5の支持端側だけに発生させることが可
能となり、前述したように、クーロン力に起因して片持
ち梁5の先端側が過剰に撓んで支持基板2に接してしま
うという問題を回避することができ、前記第1の実施の
形態例同様に、静電容量を可変制御するための電圧の制
御範囲を広くすることができ、静電容量の可変制御が容
易となり、精度良く静電容量の可変制御を行うことがで
きる。
【0050】以下、第3の実施の形態例を説明する。こ
の実施の形態例が前記第1の実施の形態例と異なる特徴
的なことは、図4に示すように、可動電極4を第1の可
動電極である検出基準電極4aと第2の可動電極である
駆動基準電極4bに分離分割したことであり、前記第2
の実施の形態例同様に、片持ち梁5のより少ない撓み変
動で静電容量を大きく可変することができる構成とし
た。それ以外の構成は前記第1の実施の形態例と同様で
あり、その重複説明は省略する。
【0051】上記の如く、この実施の形態例では、可動
電極4は検出基準電極4aと駆動基準電極4bにより分
離分割されており、検出基準電極4aと駆動基準電極4
bは片持ち梁5の下面における固定電極対向領域に片持
ち梁5の支持端側から先端側に向かう方向に駆動基準電
極4bを支持端側にして配列形成され、検出基準電極4
aと駆動基準電極4bの間には間隙が設けられて検出基
準電極4aと駆動基準電極4bが直接的に導通しないよ
うになっている。
【0052】なお、図4には図示されていないが、検出
基準電極4aには端子部が設けられ、この端子部を介し
て検出基準電極4aは固定電極3との間の静電容量に対
応する検出電圧信号を外部へ導き出すための出側のリー
ド導体と接続され、また、駆動基準電極4bは可動側引
き出し電極8を介して固定電極3との間に電圧を印加し
てクーロン力を発生させるための駆動電圧信号を外部か
ら導き入れる入側のリード導体と接続される。
【0053】この実施の形態例においては、固定電極3
と駆動基準電極4b間に片持ち梁5を撓み変動させるた
めのクーロン力を発生させて、このクーロン力によって
片持ち梁5を撓み変動させ、この片持ち梁の撓み変動に
より固定電極3と検出基準電極4b間の静電容量が可変
する。この固定電極3と検出基準電極4b間の静電容量
に対応した検出電圧信号が検出出力される。
【0054】この実施の形態例によれば、前記第1の実
施の形態例同様の優れた効果を奏することができるのは
もちろんのこと、可動電極4が検出基準電極4aと駆動
基準電極4bに分離分割され、検出基準電極4aは片持
ち梁5の先端側に、駆動基準電極4bは片持ち梁5の支
持端側にそれぞれ形成されたので、片持ち梁5の先端側
の固定電極3と検出基準電極4a間の静電容量だけを検
出することができるようになり、前記第2の実施の形態
例同様の優れた効果を奏することができる。また、前記
第2の実施の形態例同様に、片持ち梁5を撓み変動させ
るためのクーロン力を片持ち梁5の支持端側だけに発生
させることが可能であり、片持ち梁5の先端側が過剰に
撓み変動するのを防止することができ、静電容量を可変
制御するための電圧の可変制御範囲を広くすることがで
きる。
【0055】以下に、第4の実施の形態例を説明する。
この実施の形態例において特徴的なことは、図5に示す
ように、固定電極3を、前記第2の実施の形態例に示し
たように、検出電極3aと駆動電極3bに分離分割し、
また、前記第3の実施の形態例に示したように、可動電
極4を検出基準電極4aと駆動基準電極4bに分離分割
したことであり、片持ち梁5を撓み変動させるための駆
動電圧信号と、静電容量に対応する検出電圧信号とを完
全に分離して検出電圧信号のSN比を向上させる構成と
した。それ以外の構成は前記各実施の形態例同様であ
り、その重複説明は省略する。
【0056】固定電極3と可動電極4のどちらか一方あ
るいは両方が駆動用と検出用を兼用している構成では、
検出電圧信号に駆動電圧信号のノイズが乗る場合が生
じ、その駆動電圧信号のノイズが大きいと、検出電圧信
号のSN比が悪化する虞れが生じる。この実施の形態例
は上記問題発生の虞れを確実に回避する構成にした。
【0057】上記の如く、固定電極3は検出電極3aと
駆動電極3bに分離形成され、可動電極4は検出基準電
極4aと駆動基準電極4bに分離形成され、上記検出電
極3aと検出基準電極4a、駆動電極3bと駆動基準電
極4bはそれぞれ対向している。
【0058】この実施の形態例では、駆動電極3bと駆
動基準電極4b間にクーロン力を発生させて片持ち梁5
を撓み変動させ、検出電極3aと検出基準電極4b間の
静電容量に対応する検出電圧信号を出力する。
【0059】この実施の形態例によれば、前記各実施の
形態例同様の優れた効果を奏することができる上に、固
定電極3と可動電極4を共に駆動用と検出用に分離形成
したので、片持ち梁5を駆動させるための駆動電圧信号
と静電容量に対応した検出電圧信号とを完全に分離した
経路で流すことが可能となり、検出電圧信号に駆動電圧
信号のノイズが乗ることはなく、上記検出電圧信号のS
N比をより向上させることができる。
【0060】以下、第5の実施の形態例を説明する。こ
の実施の形態例において特徴的なことは、図6の(a)
に示すように、片持ち梁5が、支持端側から先端側に向
かうに従って幅Dが狭くなっている幅変形梁部12と、こ
の幅変形梁部12の先端側に連設され幅変形梁部12の先端
側の幅よりも張り出して幅広面に形成されている検出部
13とにより形成されていることであり、図6の(a)
と、この図6の(a)に示すY−Y断面図が表されてい
る図6の(b)とに示すように、幅変形梁部12の支持基
板対向面には駆動基準電極4bが、検出部13の支持基板
対向面には検出基準電極4aがそれぞれ形成され、支持
基板2の上面には、上記検出基準電極4aに対向する検
出電極3aと、上記駆動基準電極4bに対向する駆動電
極3bとが形成されている。上記以外の構成は前記各実
施の形態例同様であり、その重複説明は省略する。
【0061】ところで、可動電極4と片持ち梁5が支持
端側から先端側に向かうに従って幅Dが狭くなるように
形成されることによって、片持ち梁5の先端側では固定
電極3と可動電極4の対向面積は狭くなる。その対向面
積が狭くなった分、固定電極3と可動電極4間の静電容
量が小さくなる。
【0062】そこで、この実施の形態例では、前記の如
く、幅変形梁部12の先端側に幅広面の検出部13を連設
し、この検出部13に検出基準電極4aを形成し、支持基
板2の上面に上記検出基準電極4aに対向する検出電極
3aを形成して、検出電極3aと検出基準電極4aの対
向面積を、前記各実施の形態例に示したものよりも、広
くすることが可能な構成とした。このようにすることに
よって、容量可変素子を組み込む回路に適合した静電容
量が得られるように検出電極3aと検出基準電極4aの
対向面積を広くすることができ、所望の静電容量を得る
ことができるように静電容量を大小自在に可変設定する
ことが可能になると共に、検出電圧信号の電圧レベルを
高めることができる。
【0063】この実施の形態例では、前記第4の実施の
形態例同様に、固定電極3は検出電極3aと駆動電極3
bに分離分割され、可動電極4は検出基準電極4aと駆
動基準電極4bに分離分割されており、前記第4の実施
の形態例同様に、駆動電極3bと駆動基準電極4b間に
クーロン力を発生させ、このクーロン力によって片持ち
梁5を撓み変動させ、検出電極3aと検出基準電極4b
間の静電容量を検出出力する。
【0064】この実施の形態例によれば、前記第4の実
施の形態例同様に固定電極3と可動電極4をそれぞれ駆
動用と検出用に分離分割したので、片持ち梁5の撓み変
動量に対する検出静電容量の可変率を高めることができ
るし、駆動用の電圧信号と検出用の電圧信号の導通経路
を完全に分離することが可能であることから、検出用の
電圧信号のノイズを低減させることができる。その上、
この実施の形態例では、検出電極3aと検出基準電極4
aの対向面積を、前記各実施の形態例に示した構成のも
のよりも、広くすることが可能であるので、検出電極3
aと検出基準電極4aの対向面積を広くして検出電極3
aと検出基準電極4a間の静電容量を大きくすることが
でき、このことにより、検出電圧信号の電圧レベルを高
めることができて検出電圧信号のSN比をさらに向上さ
せることができる。
【0065】また、この実施の形態例では、駆動基準電
極4bと幅変形梁部12は片持ち梁5の支持端側から先端
側に向かうに従って幅Dが狭くなっているので、駆動電
極3bと駆動基準電極4bの対向面積は、支持端側より
も先端側が狭くなっており、前記第1の実施の形態例で
述べたように、駆動電極3bと駆動基準電極4b間に作
用するクーロン力を支持端側から先端側にかけて均等に
することが可能となり、先端側が大きく撓み過ぎて検出
基準電極4aが検出電極3aに接してしまうために静電
容量の可変電圧制御範囲が非常に狭くなるという前記問
題を防止することができる。
【0066】さらに、上記の如く、幅変形梁部12の先端
側に該幅変形梁部12の先端側よりも張り出した幅広面の
検出部13を連設したので、前記各実施の形態例の構成の
ものよりも、図6の(a)に示す検出電極3aと検出基
準電極4aの対向面積を広くすることが可能となる。こ
のことから、容量可変素子を組み込む回路に適合させて
静電容量を大小自在に可変設定することが容易となる。
もちろん、幅広面の検出部13を設けて検出電極3aと検
出基準電極4aの対向面積を広くしなくても、所望の静
電容量を得ることができる場合には、幅広面の検出部13
を設けなくてもよい。
【0067】なお、この発明は前記各実施の形態例に限
定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。
例えば、上記各実施の形態例では、可動電極4(検出基
準電極4a、駆動基準電極4b)は片持ち梁5の下面に
形成されていたが、固定電極対向面である片持ち梁5の
上面に形成してもよい。
【0068】また、上記各実施の形態例では、全ての電
極の表面が露出形成されていたが、それら電極のうちの
1個以上の電極の表面に保護膜を形成するようにしても
よい。この場合には、保護膜によって電極を保護するこ
とができる。
【0069】さらに、上記第1と第2の実施の形態例で
は、片持ち梁5は珪素酸化物等の導電性が低い物質によ
り形成されていたが、アルミニウム、金、チタン、クロ
ム等の金属により形成し、片持ち梁自体を可動電極とし
て機能させるようにしてもよい。この場合には、前記各
実施の形態例に示した可動電極4の製造工程を省略する
ことができるので、製造工程の簡略化を図ることができ
る。さらに、片持ち梁5は、珪素酸化物、珪素窒化物、
珪素、アルミニウム、金、チタン、クロム等の様々な材
料のうちのいくつかを積層して形成するようにしてもよ
い。
【0070】さらに、上記各実施の形態例では、クーロ
ン力を利用して片持ち梁5を撓み変動させていたが、圧
電素子や磁力を用いて片持ち梁5を撓み変動させるよう
にしてもよい。例えば、圧電を利用する場合には、図9
に示すように、片持ち梁5の上面に、第1の圧電駆動電
極14と圧電素子15と第2の圧電駆動電極16を順に積層形
成する。上記第1と第2の圧電駆動電極14,15に電圧を
印加すると、この電圧の大きさに応じて圧電素子15が伸
縮変化し、この圧電素子15の伸縮変化に伴って片持ち梁
5が撓み変動し、固定電極3と可動電極4間の間隔が変
化する。この電極間の間隔の変化によって固定電極3と
可動電極4間の静電容量が変化する。この固定電極3と
可動電極4間の静電容量が検出出力される。
【0071】さらに、上記第5の実施の形態例では、検
出部13の幅広面は方形状であったが、円形や、三角形
や、五角以上の多角形等、方形状以外の形状に形成して
もよい。
【0072】さらに、上記第1〜第4の実施の形態例で
は、片持ち梁5の面は台形状に形成されていたが、図7
の(a)に示すように三角形状にしてもよい。また、上
記第1〜第4の実施の形態例に示す片持ち梁5や、第5
の実施の形態例に示す片持ち梁5の幅変形梁部12は、幅
Dが支持端側から先端側に向かうに従って連続的に狭く
なっていたが、図7の(b)に示すように、支持端側か
ら先端側に向かうに従って幅Dを段階的に狭くしてもよ
い。
【0073】さらに、上記各実施の形態例では高周波交
流回路に組み込む例を示したが、直流回路に組み込んで
もよい。ただ、スイッチ素子として直流回路に組み込ま
れる場合には、例えば、可動電極4が固定電極3に接す
るとスイッチオン状態となり、それ以外のときはスイッ
チオフ状態になる。
【0074】
【発明の効果】この発明によれば、片持ち梁を用いてい
るので、両持ち梁を用いる場合に比べて、低電圧で片持
ち梁を撓み変動させることが容易となり、この片持ち梁
には固定電極(検出電極、駆動電極)に対向する可動電
極(検出用の基準電極、駆動用の基準電極)が形成され
ていることから、片持ち梁の撓み変動に伴って可動電極
と固定電極の間の間隔が変動し、低電圧で可動電極と固
定電極の間の静電容量を可変することができる。また、
この発明の容量可変素子は構造が簡単であることから、
小型化を図ることが容易であるし、簡単な製造手法によ
り製造できるので、製造コストを抑えることができる。
【0075】さらに、この発明の容量可変素子が高周波
回路に組み込まれて使用される場合に、片持ち梁の共振
周波数は、梁の幅以外の条件が同じであれば、支持端側
から先端側にかけて等幅な状態の片持ち梁よりもこの発
明のように支持端側よりも先端側の梁の幅が狭くなって
いる片持ち梁の方が高いので、この発明における片持ち
梁の共振周波数は振動ノイズの周波数からより高い方向
にずれることになり、このことにより、この片持ち梁の
共振周波数に対応した周波数を有する容量可変素子の出
力信号に振動ノイズが乗らなくなり、容量可変素子の出
力信号のSN比を向上させることができる。
【0076】また、片持ち梁の幅を支持端側よりも先端
側を狭くして、可動電極の幅も支持端側よりも先端側を
狭くすることによって、クーロン力によって片持ち梁が
撓み変動したときに、片持ち梁の先端側にクーロン力が
強く作用して片持ち梁の先端側が過剰に撓んでしまうと
いう問題を回避することが可能となる。このことから、
静電容量を可変制御するための電圧レベルの可変制御範
囲を拡大することができ、静電容量の可変制御が容易と
なり、精度良く静電容量の可変制御を行うことができ
る。
【0077】固定電極あるいは可動電極のどちらか一方
を検出用と駆動用に分離分割し、駆動用を片持ち梁の支
持端側に、検出用を片持ち梁の先端側にそれぞれ配設し
たものにあっては、片持ち梁の支持端側の変動に伴って
必然的に片持ち梁の先端側を撓み変動させ、この片持ち
梁の先端側の電極間の静電容量だけを検出出力すること
になるので、片持ち梁の支持端側を僅かに変動させるだ
けで検出する静電容量を大きく可変することができる。
【0078】また、片持ち梁を撓み変動させるためのク
ーロン力を片持ち梁の支持端側だけに発生させることが
できることから、片持ち梁の先端側に上記クーロン力が
強く作用して過剰に撓むということはなく、静電容量を
可変制御するための電圧レベル可変範囲を拡大すること
ができ、静電容量の可変制御が容易となる。
【0079】さらに、固定電極と可動電極を共に検出用
と駆動用に分離分割した場合には、片持ち梁を撓み変動
させるための駆動電圧信号と、静電容量の検出電圧信号
とを完全に分かれた経路で流すことができるので、検出
電圧信号のノイズを低減させることができ、検出電圧信
号のSN比を向上させることができる。
【0080】片持ち梁が幅変形梁部と該幅変形梁部の先
端側に形成された検出部とにより形成されているものに
あっては、検出用の基準電極と検出電極との対向面積を
拡大することができる。この結果、検出用の基準電極と
検出電極間の静電容量を大きくすることが可能となり、
容量可変素子を組み込む回路に適合する所望の静電容量
を得ることが容易となる。また、静電容量に対応する検
出電圧信号の電圧レベルを高めることができるので、検
出電圧信号のSN比をより向上させることができる。
【0081】片持ち梁の幅を支持端側から先端側に向か
うに従って連続的又は段階的に狭くした発明や、片持ち
梁の幅変形梁部の幅を支持端側から先端側に向かうに従
って連続的又は段階的に狭くした発明にあっては、片持
ち梁の共振周波数が振動ノイズの周波数からより一層高
い方向にずれることになるので、容量可変素子の出力信
号のSN比をより向上させることが可能である。また、
固定電極と可動電極間に作用するクーロン力の大きさを
片持ち梁の支持端側から先端側にかけて均一にすること
も容易となり、より精度良く静電容量の可変制御を行う
ことができる。
【0082】電極に保護膜を形成したものにあっては、
電極の表面上に保護膜が形成されているので、電極の表
面を保護膜によって保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態例を示す説明図である。
【図2】図1に示す容量可変素子の製造手法の一例を示
す説明図である。
【図3】第2の実施の形態例を示す説明図である。
【図4】第3の実施の形態例を示す説明図である。
【図5】第4の実施の形態例を示す説明図である。
【図6】第5の実施の形態例を示す説明図である。
【図7】片持ち梁のその他の形状例を示す説明図であ
る。
【図8】等幅状の片持ち梁の一例を示す説明図である。
【図9】その他の実施の形態例を示す説明図である。
【図10】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
2 支持基板 3 固定電極 3a 検出電極 3b 駆動電極 4 可動電極 4a 検出基準電極 4b 駆動基準電極 11 空隙 12 幅変形梁部 13 検出部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板と、該支持基板に固定形成され
    る固定電極と、上記支持基板に片持ち梁形状で支持され
    上記固定電極に空隙を介して対向配設される片持ち梁
    と、この片持ち梁の固定電極対向面に固定電極に対向し
    て形成される可動電極とを有し、上記片持ち梁は、先端
    側の幅が支持端側の幅よりも狭くなっていることを特徴
    とする容量可変素子。
  2. 【請求項2】 固定電極は第1と第2の固定電極に分離
    分割され、これら第1と第2の固定電極は片持ち梁の支
    持端側から先端側に向かう方向に間隙を介して支持基板
    に配列され、片持ち梁の支持端側の固定電極は片持ち梁
    を撓み変動させるための駆動電極を成し、他方側の固定
    電極は可動電極との間の静電容量を検出するための検出
    電極を成している構成としたことを特徴とする請求項1
    記載の容量可変素子。
  3. 【請求項3】 可動電極は第1と第2の可動電極に分離
    分割され、これら第1と第2の可動電極は片持ち梁の支
    持端側から先端側に向かう方向に間隙を介して片持ち梁
    の固定電極対向面に配列され、片持ち梁の支持端側の可
    動電極は片持ち梁を撓み変動させるための駆動用の基準
    電極を成し、他方側の可動電極は固定電極との間の静電
    容量を検出するための検出用の基準電極を成している構
    成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    容量可変素子。
  4. 【請求項4】 片持ち梁は支持端側から先端側に向かう
    に従って梁の幅が連続的又は段階的に狭くなっているこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載
    の容量可変素子。
  5. 【請求項5】 支持基板と、該支持基板に固定形成され
    る駆動電極と、この駆動電極と間隙を介して支持基板に
    配列形成される検出電極と、上記駆動電極と検出電極の
    配列方向に駆動電極側を支持端側にして伸長形成され上
    記駆動電極と検出電極に空隙を介して対向配設される片
    持ち梁とを有し、上記片持ち梁は、上記駆動電極に対向
    し先端側の幅が支持端側の幅よりも狭くなっている幅変
    形梁部と、この幅変形梁部の先端側に連設され前記検出
    電極に対向する検出部とにより形成され、上記検出部は
    上記幅変形梁部の先端側に形成され、上記幅変形梁部の
    駆動電極対向面には片持ち梁を撓み変動させるための駆
    動用の基準電極が設けられ、上記検出部の検出電極対向
    面には検出電極との間の静電容量を検出するための検出
    用の基準電極が設けられており、上記駆動用と検出用の
    基準電極は間隙を介して分離形成されている構成とした
    ことを特徴とする容量可変素子。
  6. 【請求項6】 片持ち梁の幅変形梁部は支持端側から先
    端側に向かうに従って梁の幅が連続的又は段階的に狭く
    なっていることを特徴とする請求項5記載の容量可変素
    子。
  7. 【請求項7】 1個以上の電極の表面上に電極を保護す
    る保護膜が形成されている構成としたことを特徴とする
    請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請
    求項5又は請求項6記載の容量可変素子。
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