JPH10142147A - 窒素酸化物濃度測定装置 - Google Patents

窒素酸化物濃度測定装置

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JPH10142147A
JPH10142147A JP29644996A JP29644996A JPH10142147A JP H10142147 A JPH10142147 A JP H10142147A JP 29644996 A JP29644996 A JP 29644996A JP 29644996 A JP29644996 A JP 29644996A JP H10142147 A JPH10142147 A JP H10142147A
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absorption
light
wavelength
nitrogen oxide
sample gas
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JP29644996A
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English (en)
Inventor
Masazumi Taura
昌純 田浦
Kenji Muta
研二 牟田
Kimiyo Tokuda
君代 徳田
Koutarou Fujimura
皓太郎 藤村
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】試料ガス中の窒素酸化物濃度を簡易に測定可能
な窒素酸化物濃度測定装置を提供すること。 【解決手段】光源10からの光がマイケルソン干渉計2
0に入射されている。マイケルソン干渉計20は、ビー
ムスプリッタ21と可動鏡22と固定鏡23とから構成
されている。マイケルソン干渉計20から出射した光
が、鏡30を介して、吸収セル31に入射されている。
吸収セル31を透過した光が、光強度を検出する光検出
器32に入射されている。検出された信号が演算器33
に入力されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素酸化物濃度を
測定する窒素酸化物濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラ,ゴミ焼却炉,ガスタービン,デ
ィーゼル機関,或いはガソリン機関などの燃焼機関の制
御や排ガスの性状評価を行うためには、排ガス中の窒素
酸化物濃度を測定することが重要である。また、燃焼を
利用する装置や化学プラントなどの窒素酸化物を生成す
る可能性のある装置やその周辺、或いは地下駐車場、ト
ンネル、高速道路の料金所など窒素酸化物が滞留する可
能性高い場所でも窒素酸化物濃度の測定が行われる。
【0003】窒素酸化物は、NO,NO2 ,N2 O,N
3 ,N25 などの総称であるが、従来、各種装置の
排出源ではNO、また大気中では主にNO2 の濃度測定
が以下の方法で行われていた。 (1)化学分析法 窒素酸化物を含む試料ガスを発色試薬溶液に通気させ、
ある波長における発色を吸光光度法によって測定し、窒
素酸化物NOの濃度を算出する方法であり、亜鉛還元ナ
フチルエチレンジアミン吸光光度法(Zn−NEDA
法)、フェノルジスルフォン酸吸収光度法、ザルツマン
吸光光度法などがある。 (2)自動計測法 化学発光法:NOとオゾン(O3 )との化学反応により
生成された励起状態の二酸化窒素(NO2 )が、基底状
態に戻るときに発光する強度を測定することによってN
O濃度を求める。また、試料ガス中のNO2 はコンバー
タを通してNOに還元してから同様の測定を行い、NO
2 濃度を求める。
【0004】赤外線吸収法:波長5.3μm付近のNO
の赤外線吸収を利用し、この波長域での吸光度を測定し
て、NO濃度を測定する。また、波長6.2μm付近の
NO2 の赤外線吸収を利用し、この波長域での吸光度を
測定してNO2 濃度を測定する。
【0005】紫外線吸収法:波長195〜230nmの
NOの紫外線吸収を利用し、この波長域の吸光度を測定
して、NO濃度を測定する。また、波長350〜450
nmのNO2 の紫外線吸収を利用し、この波長域の吸光
度を測定して、NO2 濃度を測定する。
【0006】定電位電解法:電解液として硫酸を用い、
金,白金などの作用電極、マンガン,鉛などの対電極を
用いる電解層を検出器とし、ガス透過性隔膜を通して電
解液中に拡散したNOが約1Vの電位を与えられた作用
電極上で電解酸化を受けるときに生じる電解電流を取り
だして定量し、濃度を測定する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記化学分析法におい
ては、試料ガスの採取に熟練を有し、しかも発色が完了
するまで時間がかかるため、連続測定に適さないという
問題があった。また、上記方法によっては、NOを直接
測定することができないため、NO2に変換するなどの
前処理を必要とするという問題があった。
【0008】さらに、化学分析法と自動計測法の両方と
もに、他のガス・水分・煤塵等の共存により干渉を受け
るため、共存ガス・水分・煤塵などを除去、または補正
する必要があるという問題があった。また、一定の測定
精度を保証するためには、試料ガス温度と流量を一定に
する必要があるなどの問題点があった。
【0009】またさらに、従来の方法では、試料ガスを
一定量サンプリングする必要があるため、ボイラの炉内
や煙道、道路などでの直接測定が不可能であり、分布測
定が不可能であるという問題があった。
【0010】本発明の目的は、試料ガスのサンプリング
や前処理を必要とせず、共存ガスの干渉を受けずに、試
料ガス中の窒素酸化物濃度を迅速に測定することが可能
な窒素酸化物濃度測定装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の濃度測定装置
は、上記課題を解決するために以下のように構成されて
いる。 (1) 本発明の濃度測定装置(請求項1)は、近赤外
領域の光を試料ガスに対して照射する光源と、前記試料
ガスを透過した光から、窒素酸化物の吸収線より狭い分
解能で特定波長の窒素酸化物による光の吸収量を求める
手段と、求められた吸収量から該試料ガスの窒素酸化物
濃度を算出する濃度算出手段とを具備することを特徴と
する。
【0012】前記光源は、1.28〜1.86μmの近
赤外領域の波長を含む波長を発光することが望ましい。
また、例えば、フーリエ変換分光器を用いて波長毎の吸
収量を求めることが望ましい。 (2) 本発明の濃度測定装置(請求項2)は、窒素酸
化物により吸収される近赤外領域の波長で、窒素酸化物
の吸収線より狭いスペクトル幅の光を試料ガスに対して
照射するレーザと、このレーザの発振波長を掃引させる
手段と、前記試料ガスを透過した光の強度を検出する光
検出器と、この光検出器の検出信号に基づき前記レーザ
の発振波長に対応して特定波長毎に試料ガス中の窒素酸
化物による光の吸収量をそれぞれ求める位相敏感検波器
と、求められた特定波長毎の光吸収量から該試料ガスの
窒素酸化物濃度を演算する演算器とを具備してなること
を特徴とする。
【0013】前記光源は、1.28〜1.86μmの近
赤外領域の波長を発振可能であること望ましい。また、
前記光源は、波長可変半導体レーザであることが望まし
く、例えばInGaAs歪MQW・DFB半導体レーザ
である。
【0014】前記光源からの光には、変調が加えられ、
試料ガスを透過した光から変調用の信号を取りだして、
窒素酸化物による吸収を検出する。本発明の濃度測定装
置は、上記構成によって以下の作用・効果を有する。
【0015】一般に、分子の分子内振動は波長2.5〜
25μm(波数400〜4000cm-1)の赤外領域に
あり、赤外領域の波長の光を分子に照射すると、光が分
子に吸収され、分子は振動基底状態から振動励起状態に
励起される。この時吸収される光の量は分子数に比例す
るので、分子の濃度測定に利用することができる。実
際、赤外線吸収法は、赤外線の吸収量を利用したもので
ある。表1に、一酸化窒素,二酸化窒素及び一酸化二窒
素の基本振動数を示す。
【0016】
【表1】
【0017】ところで、波長0.8〜2.5μm(波数
4000〜12500cm-1)の近赤外領域は、分子振
動の基本音スペクトルと原子や分子の電子スペクトルと
の間に当たり、もともと透明な波長域であるが、分子内
振動の倍音、結合音に基づく吸収や、一部の原子や分子
の電子遷移に基づく吸収が現れる。従って、表1の振動
数に対して、 Σni νi (ni は整数) で示される波数付近にも吸収があることは理論的に予想
され、上記の近赤外領域に、吸収を観測できる可能性が
ある。
【0018】厳密には、分子振動の調和振動子からのず
れ(非調和振動)の分だけ離れた波長で、しかも、分子
が回転していることにより、多数の吸収線に***して観
測されるはずである。
【0019】従って、窒素酸化物の吸収波長が特定され
ていれば、近赤外領域の吸収を濃度測定に利用すること
ができる。ただし、近赤外領域の吸収は、基本音による
吸収より格段に弱いと予想され、実際、吸収が観測でき
ないほど弱い場合が多いので、測定に注意を有する。
【0020】また、上記近赤外領域での吸収を用いた濃
度測定では、CO,CO2 ,炭化水素或いは水分などの
共存ガスの干渉を受けにくい。さらに、吸収スペクトル
の吸収線幅より高い分解能で測定を行うと、目的とする
窒素酸化物の吸収線と他のガスによる吸収線とを完全に
識別することができ、共存ガスの除去や補正が不要とな
る。また、光の吸収は、光路中に存在するNOx の分子
数に比例するので、試料ガスの採取に熟練を要すること
がない。また、光吸収は、瞬時に起こるため、測定時間
が短くてすみ連続測定が可能となる。
【0021】さらに、試料ガス温度と流量を一定にする
必要がないため、試料ガスをサンプリングしなくても窒
素酸化物が存在すると思われる空間にレーザを照射し、
その空間の光吸収を測定することによって、窒素酸化物
濃度の「その場観測」が可能であり、ボイラの炉内や煙
道、煙突出口や道路などでの直接測定が可能となり、空
間分布の測定も可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に図面
を参照して説明する。 (第1実施形態)図1は本発明の第1実施形態に係わる
窒素酸化物濃度測定装置の構成を示す模式図である。こ
の装置は、マイケルソン干渉計を利用したフーリエ変換
分光器によって、波長毎の吸収量の観測を行っている。
【0023】光源10からの光の光路上にマイケルソン
干渉計20が配置されている。マイケルソン干渉計20
は、ビームスプリッタ21と可動鏡22と固定鏡23と
から構成されている。マイケルソン干渉計20から出射
した光の光路上に、鏡30,吸収セル31が配置されて
いる。吸収セル31を透過した光の光路上に、光強度を
検出する光検出器32が配置されている。光検出器32
で検出された信号が演算器33に入力されている。
【0024】吸収セル31内には圧力計34によって所
定圧力で試料ガスが導入され、真空ポンプ35によって
排気が行われる。一般のフーリエ変換分光器では、光源
としてグローバ光源、若しくはタングステンランプが利
用されるが、本実施形態の装置では、これらに限定され
ず、広いスペクトル幅を有する半導体レーザも使用する
ことができる。分子の吸収を観測する場合には、光源の
輝度が高い方が有利であるので、半導体レーザを用いた
方が、特定の窒素酸化物を分析する場合には高感度で測
定することができる。
【0025】動作について説明する。光源10から出射
した光はマイケルソン干渉計20内のビームスプリッタ
21に入射する。ビームスプリッタ21では、光を透過
光と反射光に分ける。反射鏡は固定鏡23で反射されて
ビームスプリッタ21を通過する。また、透過光は、逐
次移動する可動鏡22で反射されビームスプリッタ21
に入射する。ビームスプリッタ21に戻った二つの光
は、重なり合って干渉してマイケルソン干渉計20から
出射する。干渉の結果、マイケルソン干渉計20から出
射した干渉光の強度は、光路差と波長の関数になる。
【0026】干渉光は、鏡30を介して、吸収セル31
に入射し、吸収セル31内の試料ガスを透過して、光検
出器32に入射する。光検出器32は光の強度を求め、
結果を演算器33に出力する。演算器33は、マイケル
ソン干渉計20内の可動鏡22の位置を逐次変えたとき
に得られる干渉パターンの変動成分(インタフェログラ
ム)に、フーリエ変換を施すことによって強度スペクト
ルを得る。そして、強度スペクトルから吸収スペクトル
を求め、特定の窒素酸化物による吸収波長の吸収から窒
素酸化物濃度を求める。
【0027】次に、この装置の吸収セル内に各窒素酸化
物を含むガスを充填した場合の吸収スペクトルを示す。 (1) 一酸化炭素:NO 一酸化炭素の分子内振動(伸縮振動)の基準振動は、1
904cm-1であり、波長0.8〜2.5μm(波数4
000〜12500cm-1)の近赤外領域には、この基
準振動の3〜6倍音による吸収があることが予想され
る。そこで、上記の構成で、タングステンランプを光源
として、波長分解能6pm(波数分解能0・019cm
-1)の条件で、光路長15mの吸収セルに、標準ガス
(濃度100%)を3Torr充填して、スペクトル測
定を行った。
【0028】図2(a)にこの波長領域のNOの吸収ス
ペクトルの一部を示す。波長1.787〜1.852μ
mの領域に3倍音のみが観測され、4〜6倍音は観測さ
れなかった。従って、この波長領域のNOの吸収の一
部、または全部を利用すると試料ガス中のNOの濃度を
測定することができる。 (2) 二酸化窒素:NO2 NO2 の分子内振動の基本振動は表1に示した通りであ
るが、波長0.8〜2.5μm(波数4000〜125
00cm-1)の近赤外領域にもこれらの倍音、或いは結
合音による吸収があることが予想される。
【0029】図1の装置の吸収セルにNO2 を含むガス
を導入し、精密な吸収スペクトルの測定を行った結果の
一部を図2(b)に示す。波長1.667〜1.684
μmの領域に結合振動2ν1 +2ν3 に帰属する吸収ス
ペクトルのみが観測されている。
【0030】従って、1.667〜1.684μmの波
長領域のNO2 の吸収線の一部、或いは全部を利用する
ことによって試料ガス中のNO2 の濃度を測定すること
ができる。 (3) 一酸化二窒素:N2 O N2 Oの基本振動は、表1に示すとおりであるが、波長
0.8〜2.5μm(波数4000〜12500c
-1)の近赤外領域にも、基本振動の倍音、或いは結合
音による吸収があることが理論的に予想される。
【0031】図1の装置の吸収セル内にN2 Oを含むガ
スを導入し、精密な吸収スペクトルの測定を行った結果
の一部を図2(c)に示す。N2 Oの近赤外光吸収測定
の結果、振動の結合音に基づく光吸収を以下の多数の波
長域で光吸収が観察された。
【0032】1.282〜1.294μm,1.515
〜1.541μm,1.562〜1.580μm,1.
582〜1.601μm,1.665〜1.689μ
m,1.689〜1.712μm,1.763〜1.7
92μm これらの波長領域の吸収線の一部、或いは全部を利用す
ることによって試料ガス中のN2 Oの濃度を測定するこ
とができる。
【0033】従って、各窒素酸化物の吸収波長を特定
し、その波長での吸収量を測定することによって窒素酸
化物の濃度を測定することができる。 (第2実施形態)図3は本発明の第3実施形態に係わる
窒素酸化物濃度測定装置の構成を示す模式図である。第
1の発振器50で発生した波長掃引用のランプ波(0.
01〜10Hz)と、第2の発振器51で発生した変調
用のサイン波(1k〜10MHz)とが加算器52に入
力されている。加算器52は、入力されたランプ波とサ
イン波とを重畳し、重畳された信号がLD電源53に入
力されている。LD電源53からは入力された信号に対
応した電流が波長可変半導体レーザ(光源)54に注入
されている。波長可変半導体レーザ54には温調器55
が接続されたペルチェ素子56が設けられ、半導体レー
ザ54の温度調整が行われている。
【0034】半導体レーザ54から出射されたレーザ光
に光路上に、光を平行光にするコリメートレンズ60,
光アイソレータ61,2枚のアイリス62,2枚のミラ
ー63,64,ハーフミラー65が配置されている。ハ
ーフミラー65に入射したレーザ光は、レーザ光が透過
光と反射光とに分けられ、反射光は波長計66に入射
し、波長が測定される。また、透過光の光路上に、吸収
セル31が配置され、吸収セル31を透過したレーザ光
の光路上にフォトダイオード(光検出器)70が配置さ
れている。
【0035】フォトダイオード70の出力はプリアンプ
71に入力され、増幅されて位相敏感検波器72に出力
される。また、第2の発振器51から位相敏感検波器7
2にサイン波が出力されている。そして、位相敏感検波
器72は、プリアンプ71から入力された信号からLD
変調用のサイン波の位相と周波数が同期した成分だけを
取りだし、LDの波長に依存した信号、即ち分子の吸収
のみを検出する。そして、吸収量信号がディジタルオシ
ロ73,レコーダ74及びパソコン(演算器)75に出
力されている。
【0036】動作について説明する。第1の発振器50
は波長掃引用のランプ波を発生し、加算器52に出力す
る。また、第2の発振器51は変調用のサイン波を発生
し、加算器52と位相敏感検波器72に出力する。加算
器52は入力されたランプ波とサイン波とを重畳し、L
D電源53に出力する。LD電源53は入力された信号
に対応した電流を半導体レーザ54に注入し、半導体レ
ーザ54からレーザ光が発振する。レーザ光は、コリメ
ートレンズ60で平行光にされた後、光アイソレータ6
1,アイリス62,ミラー63,64を通して、吸収セ
ル31に入射する。なお、ミラー64と吸収セル31と
の間に設けられたハーフミラー65によってレーザ光の
一部が波長計66に入射し、レーザ光の波長の測定が行
われる。
【0037】そして、吸収セル31を透過したレーザ光
はフォトダイオード70に入射し、フォトダイオード7
0は電気信号に変換してプリアンプ71に出力する。プ
リアンプ71は信号を増幅して位相敏感検波器72に出
力する。
【0038】位相敏感検波器72は入力された信号から
変調用のサイン波の位相に同期した信号を取りだすこと
によって、半導体レーザ54からのレーザ光の波長に依
存した信号、即ち分子の吸収のみを取りだして、ディジ
タルオシロ73,レコーダ74及びパソコン75に出力
する。ディジタルオシロ73及びレコーダ74は吸収信
号の表示を行う。そして、パソコン75では、吸収波長
から分子の種類を特定し、吸収強度から窒素酸化物の濃
度を算出する。
【0039】この装置で測定した例を以下に示す。光路
長25cmの吸収セルに濃度3%のN2 Oガスを280
Torrの圧力で封入し、スペクトル幅が3pmのIn
GaAs歪MQW(量子井戸型)DFB(分布帰還型)
半導体レーザを1.7657〜1.7669μmの波長
範囲で掃引したところ、図4に示すように、1.765
9197,1.765810μmに強い吸収を観測する
ことができた。
【0040】半導体レーザの発振波長に10kHzの正
弦波の変調をかけ、その2倍の周波数(20kHz)で
位相検波しているので、吸収は二次微分となっており、
信号強度が高くなっているピークが吸収の中心である。
【0041】本発明は上記実施形態に限定されるもので
はない。例えば、第1実施形態において、フーリエ変換
分光器を用いて吸収スペクトルを得ているが、吸収セル
を透過した光をパスフィルターで特定波長の光を通過さ
せて吸収量を測定して窒素酸化物の濃度を求めても良
い。
【0042】上記実施形態では、試料ガスを吸収セルに
封入していたが、吸収セルに封入する必要はなく、直接
窒素酸化物濃度を測定することができる。その他、本発
明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施するこ
とが可能である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明の窒素酸化物
測定装置によれば、近赤外領域の光吸収強度を用いるこ
とによって、共存ガスの干渉を受けることがない。また
サンプリング,前処理を必要とせず、且つ測定時間が短
いので連続して窒素酸化物濃度を測定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係わる窒素酸化物濃度測定装置
の構成を示す模式図。
【図2】窒素酸化物の近赤外領域の光吸収スペクトルを
示す特性図。
【図3】第2実施形態に係わる窒素酸化物濃度測定装置
の構成を示す模式図。
【図4】図3の装置で測定したN2Oの光吸収スペクト
ルを示す特性図。
【符号の説明】
10 光源 20 マイケルソン干渉計 21 ビームスプリッタ 22 可動鏡 23 固定鏡 30 鏡 31 吸収セル 32 光検出器 33 演算器 34 圧力計 35 真空ポンプ 50 第1の発振器 51 第2の発振器 52 加算器 53 LD電源 54 可変波長半導体レーザ 55 温調器 56 ペルチェ素子 60 コリメートレンズ 61 光アイソレータ 62 アイリス 63,64 ミラー 65 ハーフミラー 66 波長計 70 フォトダイオード(光検出器,PD) 71 プリアンプ 72 位相敏感検波器 73 ディジタルオシロ 74 レコーダ 75 パソコン(演算器)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤村 皓太郎 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】近赤外領域の光を試料ガスに対して照射す
    る光源と、 前記試料ガスを透過した光から、窒素酸化物の吸収線よ
    り狭い分解能で特定波長の窒素酸化物による光の吸収量
    を求める手段と、求められた吸収量から該試料ガスの窒
    素酸化物濃度を算出する濃度算出手段とを具備すること
    を特徴とする窒素酸化物濃度測定装置。
  2. 【請求項2】窒素酸化物により吸収される近赤外領域の
    波長で、窒素酸化物の吸収線より狭いスペクトル幅の光
    を試料ガスに対して照射するレーザと、 このレーザの発振波長を掃引させる手段と、 前記試料ガスを透過した光の強度を検出する光検出器
    と、 この光検出器の検出信号に基づき前記レーザの発振波長
    に対応して特定波長毎に試料ガス中の窒素酸化物による
    光の吸収量をそれぞれ求める位相敏感検波器と、 求められた特定波長毎の光吸収量から該試料ガスの窒素
    酸化物濃度を演算する演算器とを具備してなることを特
    徴とする窒素酸化物濃度測定装置。
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