JPH10141426A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JPH10141426A
JPH10141426A JP30514696A JP30514696A JPH10141426A JP H10141426 A JPH10141426 A JP H10141426A JP 30514696 A JP30514696 A JP 30514696A JP 30514696 A JP30514696 A JP 30514696A JP H10141426 A JPH10141426 A JP H10141426A
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JP
Japan
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vibration
liquid chamber
pressure
receiving liquid
actuator
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JP30514696A
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Inventor
Hiroshi Kojima
宏 小島
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負圧を利用して防振装置の製造コストの低減
を図る。 【解決手段】 受圧液室46の下部側の隔壁を構成する
可動板54が隔壁板58と繋がり、隔壁板58及び可動
板54を一体的に上方に付勢するコイルスプリング74
が、隔壁板58の下側に形成される拡縮空気室72内に
配置される。拡縮空気室72は、連通管76及びパイプ
78を介して3ポート2位置切換弁82に連結される。
3ポート2位置切換弁82は、エンジンのインテークマ
ニホールド84と連通する接続パイプ86及び外気に連
通する外気連通パイプ88に接続され、3ポート2位置
切換弁82がこれらの間で切り換わる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は能動型制御により振
動を低減する防振装置に係り、特にエンジンマウント等
に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】車両である自動車のエンジンはエンジン
マウントである防振装置によって車体へ支持されてお
り、この防振装置がエンジン振動の車体への伝達を阻止
している。そして、このような防振装置の一例として、
図2に示すような能動型制御を行うアクティブマウント
が提案されていて、この図に基づき従来の防振装置を説
明する。
【0003】この図に示す防振装置は、弾性体228の
変形により内容積が変化する受圧液室245に、制限通
路247を介して副液室244が連通されている。さら
に、受圧液室245の下側に受圧液室245の隔壁とな
る板ばね224が取り付けられ、エンジンあるいは車体
にこの防振装置を取り付けるための取付部材212に板
ばね224を往復動させるアクチュエータである電磁石
250が取り付けられている。
【0004】そして、この板ばね224を往復動させる
際に、電磁石250から板ばね224側に加えられる磁
束の磁路を形成する必要から、鉄等で形成される重い強
磁性体230を板ばね224にねじ止めによって固定し
ていた。
【0005】従って、このような構造の防振装置におい
て、搭載されたエンジンが作動して振動が発生した場
合、弾性体228の変形及び液室244、245間を連
通する制限通路247内の液体の粘性抵抗等で振動を吸
収すると共に、電磁石250が発生する電磁力により板
ばね224を往復動させて、受圧液室245の液圧が上
昇しないようにし、高い周波数の振動が入力しても動ば
ね定数を上昇させずに振動を吸収している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のような
防振装置では、板ばね224を往復動する為にコストの
高い電磁石250を用い、また、製造に際して板ばね2
24に強磁性体230をねじ止めるために大きな労力を
要するので、結果として、防振装置の製造コストが上昇
する欠点を有していた。
【0007】また、駆動力を生じさせる為、電磁石25
0と強磁性体230との間のクリアランスを適正に保つ
必要があり、さらに、強磁性体230を板ばね224に
ねじ止める際に形成された取り付け孔226により板ば
ね224の強度が低下して、耐久性が低くなる虞があ
る。従って、板ばね224及び強磁性体230関係の構
造が精密で複雑となり防振装置が大型化し、結果として
防振装置の製造コストが一層上昇する欠点があった。
【0008】本発明は上記事実を考慮し、負圧を利用し
て製造コストの低減を図った防振装置を提供することが
目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の
取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結され
る第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の
取付部材との間に設けられる弾性体と、液体が充填され
且つ前記弾性体を隔壁の一部として振動発生時に拡縮す
る受圧液室と、前記受圧液室に制限通路を介して連結さ
れる副液室と、前記受圧液室の隔壁の他の一部を変位可
能に構成する可動部材と、前記可動部材を往復動させる
加振力を負圧により生じさせるアクチュエータと、前記
可動部材を往復動させるように前記アクチュエータを駆
動する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】請求項2による防振装置は、請求項1の防
振装置において、前記アクチュエータが、負圧を停止し
得る切換弁及び、前記可動部材を前記受圧液室側に常時
付勢する弾性部材を有し、負圧の状態で弾性部材が変形
されつつ前記可動部材が吸引されて前記受圧液室と逆側
に移動し、負圧を停止した状態で弾性部材の付勢力によ
り前記可動部材を前記受圧液室側に戻すように移動す
る、ことを特徴とする。
【0011】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。防振装置の第1の取付部材または第2の取付部
材の一方が振動発生部へ連結され、他方が振動受部へ連
結される。この防振装置に振動発生部から振動が入力さ
れると、弾性体が変形して受圧液室が拡縮する。この結
果、弾性体の内部摩擦に基づく抵抗によって振動が吸収
される他、受圧液室内の液体が制限通路を介して副液室
との間を行き来して減衰力が発生し、振動受部側に振動
が伝達され難くなる。
【0012】さらに、制限通路が目詰まり状態となるよ
うな振動が振動発生部側から入力された場合、加振力を
負圧により発生するアクチュエータが制御手段によって
制御されて駆動し、変位可能に支持されて受圧液室の隔
壁の一部を構成する可動部材がアクチュエータに負圧で
吸引されつつ往復動されて、受圧液室内の液圧の上昇を
抑える。
【0013】この結果、振動の周波数が上がって制限通
路が目詰まり状態となっても、可動部材が往復動して受
圧液室内の液圧の上昇を抑えるので、動ばね定数が上昇
することはなく、振動を確実に吸収して振動受部に伝達
される振動を小さくすることができる。
【0014】以上より、アクチュエータとして電磁石を
用いていないので、重い可動部材を電磁力で往復動する
必要がなく、例えば空気が通る配管を開閉するだけで、
可動部材を往復動できる。この為、製造コストが高くな
る原因の電磁石及び強磁性体を用いておらず、また防振
装置に大きな負荷が生じないので簡易な構造にでき、防
振装置の小型化が可能となり、結果として、低コストの
防振装置を提供することができる。
【0015】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1と同様な構成を有している
ので同様に作用を奏する。但し、本請求項は、負圧の状
態で弾性部材が変形されつつ可動部材が吸引されて受圧
液室と逆側に移動し、切換弁により切り換えらえて、負
圧を停止した状態で弾性部材の付勢力により可動部材を
受圧液室側に戻すように移動する構成とされる。
【0016】従って、アクチュエータが切換弁及び弾性
部材を有する簡易な構造となっているので、防振装置の
一層の低コスト化を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る防振装置の一
実施の形態を図1に示し、この図に基づき本実施の形態
を説明する。
【0018】図1に示すように、この防振装置本体10
には、第1の取付部材としてのカップ状をした下部取付
台12が備えられている。この下部取付台12の底面を
円板状の底板12Bが形成し、取付ボルト14がこの底
板12Bに立設されている。底板12Bの周囲には円筒
状の立壁部12Aが立設され、この立壁部12Aの上端
部に半径方向外方に延びるフランジ部12Cが形成され
ている。
【0019】本実施の形態では、この下部取付台12が
自動車の車体16へ載置され、前記取付ボルト14へナ
ット18が螺合されることによって下部取付台12が車
体16に固定されつつ連結されている。
【0020】一方、下部取付台12のフランジ部12C
の上部にはリング状の支持金具22が位置し、これらの
間に、一対のOリング24を介して、リング状であって
内周側寄りが屈曲されて形成された鋼製の連結リング5
2が挟着されている。
【0021】この連結リング52の内側には、円板状に
金属で形成された可動部材である可動板54が配置され
ており、円環状に形成されて可動板54と連結リング5
2との間を加硫接着して繋ぐゴム製の弾性支持部材56
が、可動板54を弾性変位可能に支持している。
【0022】この可動板54の下側には、中央部が一段
上部側に突出した金属製の隔壁板58が配置されてお
り、これら可動板54及び隔壁板58に溶接等でそれぞ
れ接合された連結棒60が可動板54と隔壁板58との
間を一体的に繋いでいる。この為、これら可動板54及
び隔壁板58は一体的に図1上、上下方向に往復動する
ことになる。
【0023】この隔壁板58の外周側と下部取付台12
の立壁部12Aの内周面に嵌合された嵌合金具62との
間には、円環状に形成されてこれらにそれぞれ加硫接着
されたゴム製の弾性膜部材64が配置されていて、この
弾性膜部材64が隔壁板58を弾性変位可能に支持して
いる。
【0024】従って、可動板54と隔壁板58との間の
空間には、弾性支持部材56により可動板54の上側の
空間との間が密閉される中間空気室66が形成され、下
部取付台12及び嵌合金具62に、これらを貫通して中
間空気室66内を大気圧とする貫通孔68が形成されて
いる。
【0025】また、隔壁板58と下部取付台12の底板
12Bとの間の空間には、弾性膜部材64により中間空
気室66との間が密閉される拡縮空気室72が、形成さ
れており、隔壁板58と下部取付台12の底板12Bと
の間には、連結棒60を介して繋がる隔壁板58及び可
動板54を一体的に上方に付勢する弾性部材であるコイ
ルスプリング74が配置されている。
【0026】さらに、拡縮空気室72の底面である下部
取付台12の底板12B及び車体16を連通するように
これらに差し込まれた連通管76の下端側に、パイプ7
8の一端側が接続されており、このパイプ78の他端側
が3ポート2位置切換弁82に連結されている。従っ
て、拡縮空気室72は、連通管76及びパイプ78を介
して3ポート2位置切換弁82に連結されることにな
る。
【0027】他方、可動板54の外周側であって可動板
54と同軸的な位置には、円筒状に形成された外筒金具
26が配設されている。この外筒金具26は、上側へ行
くにしたがって内外径が拡大された形状となっており、
外筒金具26の内周側にゴム製で環状に形成された本体
ゴムである弾性体28が加硫接着されている。そして、
弾性体28の一部は外筒金具26の内周下端近傍まで薄
肉状に延設されている。
【0028】外筒金具26の下端部には、半径方向外方
に延びるフランジ部26Aが設けられており、このフラ
ンジ部26Aの外周側が内側に絞られて、前記下部取付
台12のフランジ部12Cとの間で連結リング52及び
支持金具22をそれぞれ挟持しつつこれら外筒金具26
と下部取付台12とが相互に固着されている。
【0029】一方、弾性体28の中央にはカップ状に形
成された固着部30が配設されている。固着部30の上
端には外周側に拡がるフランジ部30Bが形成されてお
り、円筒部30Aの外周面からフランジ部30Bの一部
にかけて前記弾性体28の内周側が加硫接着されてい
る。
【0030】さらに、固着部30の上側には、略ハット
状に形成される第2の取付部材としての空気室形成部3
2が配設されており、空気室形成部32の下端に設けら
れたフランジ部32Aが固着部30のフランジ部30B
によりかしめられて空気室形成部32が固着部30に固
定されている。これら固着部30と空気室形成部32と
の間には、ゴム製の弾性膜であるダイヤフラム34が配
設されており、このダイヤフラム34の周縁部は前記固
着部30のフランジ部30Bと空気室形成部32のフラ
ンジ部32Aとの間に挟持されている。
【0031】また、空気室形成部32とダイヤフラム3
4との間の空間は空気室36とされており、内部は必要
に応じて外気と連通される。また、空気室形成部32の
上側軸芯部にはエンジンの取り付け用とされる取付ボル
ト38が立設されている。
【0032】この空気室形成部32には図示しないエン
ジンに取り付けられたエンジンブラケット40が載置さ
れており、このエンジンブラケット40を貫通した取付
ボルト38にナット42が螺合されることによって、空
気室形成部32がエンジンに固定されつつ連結されてい
る。
【0033】他方、固着部30とダイヤフラム34との
間の空間は副液室44とされており、固着部30と可動
板54との間の空間は、弾性体28及び可動板54をそ
れぞれ隔壁の一部とした受圧液室46とされている。
【0034】また、固着部30の内部には、下側が封止
された薄肉で円筒状の通路形成部材48が嵌合されて固
定されている。この通路形成部材48の下部外周側に
は、制限通路50を構成する凹部48Aが形成され、こ
の制限通路50の一端側が受圧液室46に繋がり、他端
側が副液室44に繋がっている。この為、制限通路50
が受圧液室46と副液室44とを連通している。
【0035】なお、これら受圧液室46、副液室44の
内部にはエチレングリコール等の液体が充填されてい
る。
【0036】一方、図1に示すように、前述の3ポート
2位置切換弁82は、図示しないエンジンのインテーク
マニホールド84と連通する接続パイプ86及び外気に
連通する外気連通パイプ88に、それぞれ接続されてい
る。
【0037】また、3ポート2位置切換弁82はソレノ
イドを内蔵したいわゆる電磁弁となっており、車両の運
転状況及び3ポート2位置切換弁82の切り換えのタイ
ミングを判断すると共に、12ボルトの電圧を任意のタ
イミングで印加し得るスイッチング制御が可能な制御装
置92に、この3ポート2位置切換弁82が接続されて
いる。この為、3ポート2位置切換弁82と繋がる拡縮
空気室72内への気体の給配の切り換えが、制御装置9
2からの3ポート2位置切換弁82への電圧の印加によ
って、制御されることになる。
【0038】さらに、車両の運転状況を判断すると共に
3ポート2位置切換弁82の切り換えのタイミングを判
断する為のセンサとして、車体16の振動を検出し得る
振動センサ94が、車体16に取り付けられており、制
御装置92に検出した振動の信号を送り込むように、こ
の振動センサ94が制御装置92に接続されている。
【0039】以上より、振動センサ94からの信号に基
づき制御装置92が、3ポート2位置切換弁82への通
電及び通電の停止の制御をし、これに伴って拡縮空気室
72内の気圧が変動して、隔壁板58及び可動板54が
矢印のように、上下動することになる。
【0040】具体的には、3ポート2位置切換弁82へ
通電されている状態では、インテークマニホールド84
による負圧が遮断されて、拡縮空気室72が大気側に連
通されて拡縮空気室72内は大気圧となる。このため、
拡縮空気室72の隔壁となる隔壁板58及び可動板54
がコイルスプリング74により一体的に押し上げられる
ことになる。
【0041】また、3ポート2位置切換弁82への通電
が停止されている状態では、大気側との連通が遮断され
て、拡縮空気室72はインテークマニホールド84と連
通し、拡縮空気室72内はインテークマニホールド84
によって負圧とされる。そして、拡縮空気室72内が負
圧とされると、コイルスプリング74の付勢力に抗して
拡縮空気室72の体積が縮小するように、隔壁板58及
び可動板54が一体的に下降することになる。
【0042】つまり、隔壁板58、拡縮空気室72、コ
イルスプリング74及び3ポート2位置切換弁82等に
より、可動板54を往復動させる加振力を負圧により生
じさせるアクチュエータ70が構成され、また、制御装
置92及び振動センサ94が制御手段を構成することと
なり、この振動センサ94からの信号に基づき制御装置
92が、アクチュエータ70の駆動を制御することにな
る。
【0043】尚ここで、制御装置92は、15Hzまでの
振動の帯域ではアクチュエータ70を駆動せず、15〜
50Hzの振動の帯域で、入力された振動と同位相或いは
位相をずらしてアクチュエータ70を駆動するように、
アクチュエータ70の駆動を制御する。
【0044】次に本実施の形態の作用を説明する。図示
しない車両のエンジンを始動すると、インテークマニホ
ールド84内が負圧となる。
【0045】これに伴って、エンジンの振動が防振装置
本体10に入力されると、振動は空気室形成部32及び
固着部30を介して弾性体28へ伝わり、これによって
弾性体28が弾性変形して受圧液室46が拡縮する。こ
の結果、弾性体28の内部摩擦に基づく抵抗によって振
動が吸収される他、受圧液室46内の液体が制限通路5
0を介して副液室44との間を行き来し、液体が制限通
路50内で共振することによって大きな減衰力が発生す
る。これにより、エンジン振動の内の特に車両が走行す
るのに伴って発生する低周波数域の振動であるシェイク
振動が吸収されて、車体16側に振動が伝達され難くな
る。
【0046】尚この際、例えば15Hz未満のシェイク振
動が入力されていることを振動センサ94が検出して、
制御装置92によってアチュエータ70の駆動は停止さ
れる。
【0047】一方、車両が停止した状態などには、シェ
イク振動より振動の周波数が高くて制限通路50が目詰
まり状態となる例えば15〜50Hzのアイドル振動域の
振動が入力される。この場合、振動センサ94がこれを
検出して加振力を負圧により発生するアクチュエータ7
0が、制御装置92によって制御されて駆動する。この
結果、受圧液室46の隔壁の一部を構成する可動板54
が、入力された振動と同位相或いは位相をずらしてアク
チュエータ70により往復動されて、受圧液室46内の
液圧の上昇を抑えることができる。
【0048】すなわち、振動の周波数が上がって制限通
路50の中を液体が流れなくなるような例えば15〜5
0Hzの高い周波数の振動が入力されて、制限通路50が
目詰まり状態となっても、防振装置本体10がアクティ
ブ制御される結果、可動板54がアクチュエータ70に
負圧で断続的に吸引されて往復動し、受圧液室46内の
液圧の上昇を抑えることになる。この為、アイドル振動
域の動ばね定数が上昇することはなく、アイドル振動域
の振動を確実に吸収して低減し、車体16側に伝達され
る振動を小さくすることができる。
【0049】具体的には、エンジンブラケット40が下
降し、受圧液室46が縮小して液圧が上昇するように弾
性体28が変形されると、制御装置92により3ポート
2位置切換弁82が切り換えられて拡縮空気室72とイ
ンテークマニホールド84とが連通して、拡縮空気室7
2内が負圧の状態とされる。これに伴って、コイルスプ
リング74が変形されつつ可動板54が吸引されて受圧
液室46と逆側の下側に移動して液圧の上昇を防止す
る。
【0050】また、エンジンブラケット40が上昇し、
受圧液室46が拡大して液圧が低下するように弾性体2
8が変形されると、制御装置92により3ポート2位置
切換弁82が切り換えらえて、拡縮空気室72と大気側
とが連通して、拡縮空気室72内が負圧を停止した状態
である大気圧の状態とされる。これに伴って、コイルス
プリング74の付勢力により可動板54が受圧液室46
側である上側に戻すように移動して液圧の低下を防止す
る。
【0051】以上より、本実施の形態の防振装置本体1
0は、シェイク振動からアイドル振動までの広範囲な周
波数にわたる振動を確実に吸収することができる。
【0052】また、本実施の形態の防振装置は、アクチ
ュエータとしてボイスコイル、電磁石等を用いていない
ので、重い可動部材を電磁力で往復動する必要がなく、
例えば空気が通る配管の途中に切換弁を配置してこれを
切り換えるだけで、可動板54である可動部材を往復動
できる。この為、製造コストが高くなる原因の電磁石及
び強磁性体を用いておらず、また防振装置に大きな負荷
が生じないので簡易な構造にできて防振装置の小型化が
可能となり、結果として、低コストの防振装置を提供す
ることができる。
【0053】また、アクチュエータ70が切換弁82及
びコイルスプリング74を有する簡易な構造となってい
るので、防振装置の一層の低コスト化を図ることができ
る。
【0054】なお、上記実施の形態では、アクチュエー
タを有する下部取付台12を車体側に取り付けるような
構造としたが、この逆に下部取付台12をエンジン側に
取り付けるような構造としてもよい。つまり、アクチュ
エータは第1の取付部材あるいは第2の取付部材のいず
れの側に位置してもよい。
【0055】また、上記実施の形態では、可動部材であ
る可動板54と別部材で隔壁板58を形成したが、これ
らを同一の部材で形成しても良い。
【0056】一方、上記実施の形態では、車体16の振
動を検出し得る振動センサ94で、3ポート2位置切換
弁82の切り換えのタイミング等を判断したが、エンジ
ン回転周波数をエンジン自体から検出することにより、
車両の運転状況及び切換弁の切り換えのタイミングを判
断しても良い。
【0057】さらに、上記実施の形態において、自動車
のエンジンの防振を目的としたが、本発明の防振装置は
例えば自動車のボディの防振を目的とすることとしても
よく、また、自動車以外の他の用途にも用いられること
はいうまでもない。一方、弾性体等の形状、寸法なども
実施の形態のものに限定されるものではない。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明の防振装置に
よれば、負圧を利用して製造コストの低減が図れるとい
う優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る防振装置の断面図
である。
【図2】従来技術に係る防振装置の断面図である。
【符号の説明】
10 防振装置本体 12 下部取付台(第1の取付部材) 28 弾性体 32 空気室形成部(第2の取付部材) 44 副液室 46 受圧液室 50 制限通路 54 可動板(可動部材) 70 アクチュエータ 74 コイルスプリング(弾性部材) 82 3ポート2位置切換弁(切換弁) 92 制御装置(制御手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付
    部材と、 前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に設け
    られる弾性体と、 液体が充填され且つ前記弾性体を隔壁の一部として振動
    発生時に拡縮する受圧液室と、 前記受圧液室に制限通路を介して連結される副液室と、 前記受圧液室の隔壁の他の一部を変位可能に構成する可
    動部材と、 前記可動部材を往復動させる加振力を負圧により生じさ
    せるアクチュエータと、 前記可動部材を往復動させるように前記アクチュエータ
    を駆動する制御手段と、 を備えたことを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 前記アクチュエータが、負圧を停止し得
    る切換弁及び、前記可動部材を前記受圧液室側に常時付
    勢する弾性部材を有し、 負圧の状態で弾性部材が変形されつつ前記可動部材が吸
    引されて前記受圧液室と逆側に移動し、 負圧を停止した状態で弾性部材の付勢力により前記可動
    部材を前記受圧液室側に戻すように移動する、 ことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
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