JPH10141221A - 可変容量圧縮機 - Google Patents

可変容量圧縮機

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JPH10141221A
JPH10141221A JP8304977A JP30497796A JPH10141221A JP H10141221 A JPH10141221 A JP H10141221A JP 8304977 A JP8304977 A JP 8304977A JP 30497796 A JP30497796 A JP 30497796A JP H10141221 A JPH10141221 A JP H10141221A
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pressure
chamber
passage
suction
pressure chamber
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Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Masanori Sonobe
正法 園部
Takuya Okuno
卓也 奥野
Tetsuhiko Fukanuma
哲彦 深沼
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カムプレートの最小傾角状態で、外部冷媒回
路からの吸入通路の遮断を確保でき、製作コストを削減
できて、カムプレートの最小傾角位置の管理が容易な可
変容量圧縮機を提供する。 【解決手段】 ハウジング11の収容室27内に遮断体
28を移動可能に収容し、遮断体28の背面に圧力室8
5を区画形成する。収容室27の遮断体28に対して圧
力室85と反対側に、外部冷媒回路52からの吸入通路
32を開口させる。前記圧力室85の圧力を制御圧室1
5の圧力と連動するように変更して遮断体28を移動さ
せ、吸入通路32の開口部を開閉する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば車両空調
装置に使用される可変容量圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は、この種の可変容量圧縮機
として、例えば特開平8−159022号公報に記載の
構成を開示している。この可変容量圧縮機においては、
ハウジングの内部に制御圧室を兼ねるクランク室が形成
されるとともに、駆動シャフトが回転可能に支持されて
いる。前記ハウジングの一部を構成するシリンダブロッ
クに複数のシリンダボアが形成され、そのシリンダボア
内にはピストンが往復動可能に収容されている。
【0003】前記駆動シャフトの中央部には、カムプレ
ートとしての斜板が一体回転可能かつ傾動可能に挿着さ
れている。また、駆動シャフトの後端部には、スラスト
ベアリングを介して前記斜板の傾動に連動して移動され
る遮断体が挿嵌されている。前記ハウジングの一部を構
成するリヤハウジングには、その駆動シャフトの延長線
上に吸入通路が形成されている。この吸入通路の前端
は、前記遮断体を収容するシリンダブロックの収容室に
開口されている。
【0004】そして、前記斜板を収容するクランク室の
圧力とシリンダボア内の圧力との前記ピストンを介した
差が変更されると、その差に応じて斜板の傾角が変更さ
れて、吐出容量が制御されるようになっている。ここ
で、前記斜板が最小傾角側に傾動されると、その傾動が
スラストベアリングを介して遮断体に伝達される。斜板
が最小傾角位置に配置されたとき、遮断体が吸入通路の
開口部の周縁に当接して、吸入通路が閉止されるように
なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記の従来
構成においては、斜板の回転の遮断体への伝達を阻止す
るために、斜板と遮断体との間にスラストベアリングが
介装されている。また、斜板の傾動をスラストベアリン
グを介して遮断体に確実に伝達するために、斜板の後面
に略半球状の突起が形成されている。ここで、このスラ
ストベアリングを構成する各部材は、斜板の高速回転に
伴って相対転動しつつ、斜板の傾動により斜板と遮断体
との間に強く挟みつけられる。このような厳しい条件に
耐えるため、スラストベアリングに高い耐久性を確保す
る必要があって、圧縮機の製作コストの上昇につながっ
ていた。また、斜板の後面にも突起を形成する必要があ
って、圧縮機の製作コストの上昇につながっていた。し
かも、長期間の運転を経てスラストベアリングに摩耗さ
れたりすると、斜板の最小傾角位置にずれが生じるおそ
れがあった。
【0006】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
しては、カムプレートが最小傾角状態に配置された状態
で、外部冷媒回路からの吸入通路の遮断を確保でき、製
作コストを削減できて、カムプレートの最小傾角位置の
管理が容易な可変容量圧縮機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明では、ハウジングの内部にク
ランク室及び制御圧室を形成するとともに駆動シャフト
を回転可能に支持し、前記ハウジングの一部を構成する
シリンダブロックに複数のシリンダボアを形成し、その
シリンダボア内にはピストンを往復動可能に収容し、前
記駆動シャフトにカムプレートを一体回転可能かつ傾動
可能に挿着し、前記カムプレートを収容するクランク室
の圧力とシリンダボア内の圧力との前記ピストンを介し
た差を変更し、その差に応じてカムプレートの傾角を変
更して、吐出容量を制御するようにした可変容量圧縮機
において、外部冷媒回路から冷媒ガスを導入するための
吸入通路を開閉室を介して吸入領域に接続し、その開閉
室内には前記吸入通路を開閉する吸入通路開閉手段を設
けるとともに圧力室を区画し、その圧力室の圧力を変更
することにより前記吸入通路開閉手段が吸入通路を開閉
するようにしたものである。
【0008】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の可変容量圧縮機において、前記圧力室に吐出領域の
圧力を供給することにより前記吸入通路開閉手段が吸入
通路を閉鎖するようにしたものである。
【0009】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の可変容量圧縮機において、前記制御圧室と吐出領域
との間に給気通路を形成し、その給気通路の途中に制御
弁を設け、前記圧力室と吐出領域との間に圧力供給通路
を形成し、その圧力供給通路の途中には電磁弁を設け
て、前記制御弁により給気通路の通過断面積を調整して
前記制御圧室の圧力を変更し、前記電磁弁により圧力供
給通路を開閉して前記圧力室の圧力を変更し、制御圧室
の圧力と圧力室の圧力とが連動するようにしたものであ
る。
【0010】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の可変容量圧縮機において、前記圧力供給通路を前記
給気通路に接続したものである。請求項5に記載の発明
では、請求項1に記載の可変容量圧縮機において、前記
制御圧室と吸入領域との間に抽気通路を形成するととも
に、前記吐出領域と制御圧室との間に所定の絞り量を有
する給気通路を形成し、その抽気通路の途中に制御弁を
設け、前記圧力室と吸入領域との間に圧力抽出通路を形
成するとともに、前記吐出領域と圧力室との間に所定の
絞り量を有する圧力付与通路を形成し、その圧力抽出通
路の途中には電磁弁を設けて、前記制御弁により抽気通
路の通過断面積を調整して前記制御圧室の圧力を変更
し、前記電磁弁により圧力抽出通路を開閉して前記圧力
室の圧力を変更し、制御圧室の圧力と圧力室の圧力とが
連動するようにしたものである。
【0011】請求項6に記載の発明では、請求項5に記
載の可変容量圧縮機において、前記圧力抽出通路を前記
抽気通路に接続したものである。請求項7に記載の発明
では、請求項3〜6のいずれかに記載の可変容量圧縮機
において、前記制御弁は前記電磁弁を兼用するものであ
る。
【0012】請求項8に記載の発明では、請求項1〜7
のいずれかに記載の可変容量圧縮機において、前記吸入
通路開閉手段を前記シリンダブロックの軸孔の内周面と
駆動シャフトの外周面との間に配設し、前記軸孔をクラ
ンク室側の開口部の近傍において駆動シャフトに挿嵌し
たシール部材で閉止することにより前記圧力室を区画形
成し、前記シール部材と駆動シャフトとの間に冷媒ガス
の流通を許容する絞り隙間を設けたものである。
【0013】請求項9に記載の発明では、請求項1〜7
のいずれかに記載の可変容量圧縮機において、前記吸入
通路開閉手段及び圧力室を前記ハウジングの一部を構成
するリヤハウジングに設けたものである。
【0014】請求項10に記載の発明では、請求項1〜
9のいずれかに記載の可変容量圧縮機において、前記駆
動シャフト上に前記カムプレートの最小傾角位置を決定
するための最小傾角決定手段を固着したものである。
【0015】請求項11に記載の発明では、請求項1〜
10のいずれかに記載の可変容量圧縮機において、前記
駆動シャフトを外部駆動源に常時作動連結させたもので
ある。
【0016】従って、請求項1及び2に記載の可変容量
圧縮機においては、開閉室内に区画形成された圧力室の
圧力が変更されると、吸入通路開閉手段により外部冷媒
回路からの冷媒ガスの吸入通路が開閉される。このた
め、従来構成のようにカムプレートと遮断体とをスラス
トベアリングを介して連動させることなく、吸入通路の
開閉を行うことができる。そして、カムプレートと遮断
体との間のスラストベアリングを省略することができ
る。また、カムプレートの後面上にスラストベアリング
を押すための突起を設ける必要もなく、カムプレートの
加工が容易なものとなる。これらのため、可変容量圧縮
機の製作コストを低減することができる。しかも、カム
プレートに対して相対回転を生じるスラストベアリング
を当接させる必要がなく、カムプレートの回転時におけ
る駆動シャフトの引きずりトルクが低減される。
【0017】請求項3及び5に記載の可変容量圧縮機に
おいては、制御圧室と圧力室との圧力がほぼ連動して変
更されるようになっている。このため、カムプレートの
傾角と吸入通路開閉手段の開閉動作とが連動されて、カ
ムプレートが最小傾角位置に配置された状態における吸
入通路の遮断が確保される。
【0018】請求項4及び6に記載の可変容量圧縮機に
おいては、簡単な構成で制御圧室の圧力と圧力室の圧力
とを連動させることができる。請求項7に記載の可変容
量圧縮機においては、部品点数の増大を招くことなく、
制御圧室と圧力室との圧力の変更をほぼ自動的に連動さ
せることができる。
【0019】請求項8に記載の可変容量圧縮機において
は、シール部材と駆動シャフトとの間に冷媒ガスの流通
を許容される。このため、冷媒ガスに分散された潤滑油
によって、シール部材と駆動シャフトとの間の潤滑及び
冷却が容易に確保される。
【0020】請求項9に記載の可変容量圧縮機において
は、リヤハウジングは、シリンダブロック等に比較して
空間部が多く、吸入通路開閉手段及び圧力室の配置の自
由度が向上される。このため、例えば従来構成の遮断体
のように、駆動シャフトの周囲を含んで吸入通路開閉手
段を配置する場合に比べて、シリンダブロックをその径
方向に小型化することができて、ひいては圧縮機全体を
小型化することができる。
【0021】請求項10に記載の可変容量圧縮機におい
ては、カムプレートとその最小傾角決定手段とが、いず
れも駆動シャフトと一体回転されるため、最小傾角決定
手段が摩耗されにくいものとなる。このため、カムプレ
ートの最小傾角位置の管理が容易なものとなる。
【0022】請求項11に記載の可変容量圧縮機では、
カムプレートと遮断体とがスラストベアリングを介して
連接されておらず、これらの部材の相対回転による各部
材のスラスト方向の磨耗が抑制される。このため、長期
間にわたってカムプレートの最小傾角位置の容易に管理
することができて、カムプレートが最小傾角位置には位
置された状態での吸入通路の遮断を確保することができ
る。そして、冷房不要時においても駆動シャフトが常時
回転されるクラッチレス可変容量圧縮機に適用した場合
に、特に有効である。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下に、この発明の第1の実施形態
について、図1〜図3に基づいて説明する。
【0024】図1に示すように、ハウジングの一部を構
成するシリンダブロック11の前端には、同じくハウジ
ングの一部を構成するフロントハウジング12が接合さ
れている。シリンダブロック11の後端には、同じくハ
ウジングの一部を構成するリヤハウジング13がバルブ
プレート14を介して接合固定されている。制御圧室を
兼ねるクランク室15は、フロントハウジング12とシ
リンダブロック11との間に形成されている。
【0025】駆動シャフト16は、前記フロントハウジ
ング12の軸孔12aとシリンダブロック11の軸孔1
1bとの間に回転可能に架設支持されている。駆動シャ
フト16の前端は、クランク室15から外部へ突出して
おり、その突出端部にはプーリ17が止着されている。
プーリ17は、ベルト18を介して外部駆動源をなす車
両エンジン(図示略)に常時作動連結されている。つま
り、この第1の実施形態の可変容量圧縮機は、いわゆる
クラッチレスタイプの圧縮機となっている。また、プー
リ17は、アンギュラベアリング19を介してフロント
ハウジング12に支持されている。そして、プーリ17
に作用するアキシャル方向の荷重及びラジアル方向の荷
重が、アンギュラベアリング19を介してフロントハウ
ジング12で受け止められる。
【0026】駆動シャフト16の前端部とフロントハウ
ジング12との間には、リップシール20が介在されて
いる。このリップシール20は、クランク室15内の圧
力洩れを抑制する。
【0027】駆動シャフト16には、回転支持体21が
止着されているとともに、カムプレートとしての斜板2
2が駆動シャフト16の軸線方向へスライド可能かつ傾
動可能に支持されている。斜板22には、先端部が球状
をなす一対のガイドピン23が止着されている。前記回
転支持体21には、支持アーム24が突設されており、
その支持アーム24には一対のガイド孔25が形成され
ている。前記ガイドピン23は、ガイド孔25にスライ
ド可能に嵌入されている。
【0028】そして、支持アーム24と一対のガイドピ
ン23との連係により、斜板22が駆動シャフト16の
軸線方向へ傾動可能で、かつ駆動シャフト16と一体的
に回転可能となっている。斜板22の傾動は、ガイド孔
25とガイドピン23とのスライドガイド関係、駆動シ
ャフト16のスライド支持作用により案内される。斜板
22の半径中心部がシリンダブロック11側へ移動する
と、斜板22の傾角が減少する。
【0029】前記駆動シャフト16の斜板22に対して
後方側の外周上には、その斜板22の最小傾角を規制す
るための傾角規制クリップ16aが嵌着されている。ま
た、回転支持体21の後面には、斜板22の最大傾角を
規制するための傾角規制突部21aが形成されている。
【0030】傾角減少バネ26は、前記回転支持体21
と斜板22との間に介在されている。そして、この傾角
減少バネ26により、斜板22がシリンダブロック11
側に向かって、傾角を減少させる方向に付勢されてい
る。
【0031】シリンダブロック11の中心の軸孔11b
には、円筒状をなす吸入通路開閉手段としての遮断体2
8をスライド可能に嵌入収容する収容室27をなしてい
る。遮断体28は、大径部28aと小径部28bとから
なっている。遮断体28の大径部28aの内周面には、
ラジアルベアリング30が嵌入支持されている。このラ
ジアルベアリング30は、大径部28aの内周面に取り
付けられたサークリップ31によって、遮断体28の筒
内から抜け止めされている。そして、駆動シャフト16
の後端部は、ラジアルベアリング30にスライド可能に
嵌入され、そのラジアルベアリング30及び遮断体28
を介して収容室27の周面で支持される。
【0032】収容室27の後端内周面には環状溝27a
が形成され、その環状溝27aには、サークリップ27
bが着脱可能に止着されている。吸入通路開放バネ29
は、遮断体28の大径部28a及び小径部28b間の段
差とサークリップ27bとの間に介在されている。
【0033】リヤハウジング13の中心部には、吸入領
域を構成する吸入通路32が形成されている。吸入通路
32は、遮断体28の移動経路となる駆動シャフト16
の延長線上にある。吸入通路32は収容室27の後端側
に開口されており、収容室27側の吸入通路32の開口
端の周囲には当接面33が形成されている。当接面33
は、バルブプレート14上である。遮断体28の小径部
28bの先端面は、当接面33に当接可能である。そし
て、小径部28bの先端面が当接面33に当接すること
により、遮断体28の後方への移動が規制される。
【0034】シリンダブロック11に貫設された複数の
シリンダボア11a内には、片頭タイプのピストン35
が収容されている。斜板22の回転運動は、一対のシュ
ー36を介して各ピストン35のシリンダボア11a内
における前後動に変換される。
【0035】リヤハウジング13内には、吸入領域を構
成する吸入室37及び吐出領域を構成する吐出室38が
それぞれ環状に区画形成されている。バルブプレート1
4上には、各シリンダボア11aに対応して吸入ポート
39及び吐出ポート40が形成され、これらの吸入ポー
ト39及び吐出ポート40と対応するように吸入弁41
及び吐出弁42が形成されている。吸入室37内の冷媒
ガスは、ピストン35の上死点位置から下死点位置への
復動動作により、吸入ポート39から吸入弁41を押し
退けてシリンダボア11a内へ流入する。シリンダボア
11a内へ流入した冷媒ガスは、ピストン35の下死点
位置から上死点位置への往動動作により、所定の圧力に
達するまで圧縮された後、吐出ポート40から吐出弁4
2を押し退けて吐出室38へ吐出される。吐出弁42
は、リテーナ43に当接して開度規制される。
【0036】回転支持体21とフロントハウジング12
との間には、スラストベアリング44が介在されてい
る。スラストベアリング44は、シリンダボア11aか
らピストン35、シュー36、斜板22及びガイドピン
23を介して回転支持体21に作用する圧縮反力を受け
止める。
【0037】吸入室37は、通口45を介して収容室2
7に連通している。そして、遮断体28が当接面33に
当接したとき、吸入通路32の前端が閉じられて、通口
45は吸入通路32から遮断される。つまり、収容室2
7は、開閉室を構成している。
【0038】駆動シャフト16内には、軸心通路46が
形成されている。軸心通路46の入口46aはリップシ
ール20付近でクランク室15に開口しており、軸心通
路46の出口46bは遮断体28の筒内に開口してい
る。遮断体28の周面には、所定の絞り量を有する放圧
通口47が貫設されている。放圧通口47は、遮断体2
8の筒内と収容室27とを連通している。
【0039】前記吐出室38とクランク室15とは、給
気通路48で接続されている。給気通路48の途中には
制御弁としての容量制御弁49が設けられており、この
容量制御弁49により給気通路48の通過断面積が調整
されるようになっている。また、前記吸入通路32と容
量制御弁49との間には、その容量制御弁49内に吸入
圧力Psを導くための検圧通路50が形成されている。
【0040】吸入室37へ冷媒ガスを導入する際の入口
となる吸入通路32と、吐出室38から冷媒ガスを排出
する吐出フランジ51とは、外部冷媒回路52で接続さ
れている。外部冷媒回路52中には、凝縮器53、膨張
弁54及び蒸発器55が介在されている。膨張弁54は
温度式自動膨張弁からなり、蒸発器55の出口側のガス
温度の変動に応じて冷媒流量を制御する。蒸発器55の
近傍には、温度センサ56が設置されている。温度セン
サ56は、蒸発器55における温度を検出し、この検出
温度情報が制御コンピュータ57に送られる。また、制
御コンピュータ57には、車両の車室内の温度を指定す
るための室温設定器58、室温センサ59、空調装置作
動スイッチ60及びエンジン回転数センサ61等が接続
されている。
【0041】制御コンピュータ57は、例えば室温設定
器58によって予め指定された室温、温度センサ56か
ら得られる検出温度、室温センサ59から得られる検出
温度、空調装置作動スイッチ60からのオンあるいはオ
フ信号、及び、エンジン回転数センサ61から得られる
エンジン回転数等の外部信号に基づいて、入力電流値を
駆動回路62に指令する。駆動回路62は、指令された
入力電流値を後述する容量制御弁49のソレノイド63
に対して出力する。その他の外部信号としては、例えば
室外温度センサからの信号があり、車両の環境に応じて
入力電流値は決定される。
【0042】前記容量制御弁49内の中央付近には弁室
66が区画形成され、その弁室66内に弁体67が収容
されている。弁室66には、弁体67と対向するように
弁孔68が開口されている。弁体67は、強制開放バネ
69により、弁孔68を開放する方向へ付勢されてい
る。また、この弁室66は、前記給気通路48を介して
リヤハウジング13内の吐出室38に連通されている。
【0043】容量制御弁49の一端側には感圧室71が
区画形成され、この感圧室71は前記検圧通路50を介
してリヤハウジング13の吸入通路32に連通されてい
る。感圧室71の内部には、その感圧室71内の圧力に
応じて伸縮可能なベローズ73が収容されている。この
ベローズ73の伸縮は、感圧ロッド75により前記弁体
67に伝達されるようになっている。また、感圧ロッド
75の弁体67側の部分は、弁孔68内の冷媒ガスの通
路を確保するために小径になっている。
【0044】弁室66と感圧室71との間にはポート7
6が形成されており、前記弁孔68がポート76及び給
気通路48を介してクランク室15に連通されている。
言い換えると、弁室66、弁孔68及びポート76は、
前記給気通路48の一部を構成している。
【0045】容量制御弁49の他端側には前記ソレノイ
ド63が設けられている。ソレノイド63の前記弁室6
6側には固定鉄心78が配設され、この固定鉄心78の
弁室66とは反対側にはソレノイド室79が区画形成さ
れている。このソレノイド室79内には可動鉄心80が
往復動可能に配置されており、可動鉄心80とソレノイ
ド室79の底面との間には、追従バネ81が介装されて
いる。なお、この追従バネ81は、前記強制開放バネ6
9よりも弾性係数が小さいものとなっている。
【0046】前記固定鉄心78及び可動鉄心80の外側
には、両鉄心78,80を跨ぐように円筒状のコイル8
2が配置されている。このコイル82は、前記制御コン
ピュータ57の指令により、駆動回路62から所定の電
流が供給あるいは遮断されて、励消磁されるようになっ
ている。
【0047】ソレノイドロッド83は前記強制開放バネ
69及び追従バネ81の付勢力によって可動鉄心80に
当接され、前記コイル82の励消磁に基づく可動鉄心8
0の往復動がソレノイドロッド83を介して弁体67に
伝達されるようになっている。
【0048】図1及び図3に示すように、前記シリンダ
ブロック11の収容室27の前端開口部の駆動シャフト
16の外周面と収容室27の内周面との間にシール部材
84が介装されている。そして、収容室27内におい
て、シール部材84と、遮断体28との間に圧力室85
が区画されている。この圧力室85は、圧力供給通路8
6を介して前記給気通路48の容量制御弁49の下流側
に接続されている。つまり、この圧縮機においては、給
気通路48の一部が圧力供給通路86を兼用しており、
容量制御弁49が圧力供給通路86を開閉する電磁弁を
兼用している。圧力室85は、シール部材84により区
画されクランク室15から独立して形成される。
【0049】前記シール部材84は環状をなし、金属芯
87と、その外表面を覆うゴム製のシール材88と、バ
ネ輪89とからなっている。シール部材84の外周面は
円筒面となっており、収容室27の内周面に密着して圧
力室85とクランク室15との間の冷媒ガスの流通が遮
断するようになっている。一方、シール部材84の内周
縁の屈曲縁部84bは、断面略V字状に形成されてい
る。その屈曲縁部84bの外周側の屈曲凹部84aには
バネ輪89が嵌合されており、そのバネ輪89の付勢力
によって屈曲縁部84bが軽く駆動シャフト16の外表
面に押し当てられるようになっている。ここで、屈曲縁
部84bと駆動シャフト16の外周面との間には、屈曲
縁部84bの中心に向かって縮小する楔状の隙間が形成
される。そして、駆動シャフト16の回転に伴って、ク
ランク室15及び圧力室85内の冷媒ガスに分散された
潤滑油が、楔状の隙間内に引き込まれるようになってい
る。
【0050】次に、この第1の実施形態の可変容量圧縮
機の動作について説明する。さて、空調装置作動スイッ
チ60がオン状態のもとで、室温センサ59から得られ
る検出温度が室温設定器58の設定温度以上である場合
には、制御コンピュータ57はソレノイド63のコイル
82の励磁を指令する。すると、コイル82に駆動回路
62を介して所定の電流が供給され、図1に示すよう
に、両鉄心78,80間には入力電流値に応じた吸引力
が生じる。この吸引力は、強制開放バネ69の付勢力に
抗して、弁開度が減少する方向の力としてソレノイドロ
ッド83を介して弁体67に伝達される。一方、ベロー
ズ73は、吸入通路32から検圧通路50を介して感圧
室71に導入される吸入圧力Psの変動に応じて変位す
る。そして、ソレノイド63の励磁状態においては、こ
のベローズ73の吸入圧力Psに応じた変位が、感圧ロ
ッド75を介して弁体67に伝えられる。従って、容量
制御弁49は、ソレノイド63からの付勢力、ベローズ
73からの付勢力及び強制開放バネ69の付勢力のバラ
ンスにより、弁開度が決定される。
【0051】冷房負荷が大きい場合には、例えば室温セ
ンサ59によって検出された温度と室温設定器58の設
定温度との差が大きくなる。制御コンピュータ57は、
検出温度と設定室温とに基づいて設定吸入圧を変更する
ように入力電流値を制御する。すなわち、制御コンピュ
ータ57は、駆動回路62に対して、検出温度が高いほ
ど入力電流値を大きくするように指令する。よって、固
定鉄心78と可動鉄心80との間の吸引力が強くなっ
て、弁体67の弁開度を小さくする方向への付勢力が増
大する。そして、より低い吸入圧力Psにて、弁体67
の開閉が行われる。従って、容量制御弁49は、電流値
が増大されることによって、より低い吸入圧力Psを保
持するように作動する。
【0052】弁体67の弁開度が小さくなれば、吐出室
38から給気通路48を経由してクランク室15へ流入
する冷媒ガス量が少なくなる。この一方で、クランク室
15内の冷媒ガスは、軸心通路46、遮断体28の内
部、放圧通口47、収容室27及び通口45を経由して
吸入室37へ流出している。このため、クランク室15
内の圧力Pcが低下する。また、冷房負荷が大きい状態
では、シリンダボア11a内の圧力も高くて、クランク
室15内の圧力Pcとシリンダボア11a内の圧力との
ピストン35を介した差が小さくなる。このため、斜板
22の傾角が大きくなる。
【0053】この状態では、吐出室38から給気通路4
8及び圧力供給通路86を経由して遮断体28の背面の
圧力室85へ流入する冷媒ガス量が少なくなる。この一
方で、圧力室85内の冷媒ガスは、ラジアルベアリング
30の隙間、遮断体28の内部、放圧通口47及び通口
45を経由して吸入室37へ流出している。このため、
圧力室85内は圧力が低い状態に保持されて、図3
(a)に示すように、吸入通路開放バネ29の付勢力に
よって遮断体28が前方側に配置され、遮断体28の先
端面とバルブプレート14上の当接面33とが離間した
状態となる。そして、吸入通路32の前端が開放され
て、吸入通路32が収容室27の内部及び通口45を介
して吸入室37に連通される。
【0054】そして、斜板22の回転によりシリンダボ
ア11a内のピストン35が往復動され、ピストン35
が上死点位置から下死点位置に向かう吸入行程におい
て、吸入弁41が開放されると、吸入室37内の冷媒ガ
スが吸入ポート39を介してシリンダボア11a内に導
かれる。このシリンダボア11a内への吸入に伴って、
外部冷媒回路52の蒸発器53から吸入通路32、収容
室27の内部及び通口45を介して吸入室37に冷媒ガ
スが導かれる。
【0055】ピストン35が下死点位置から上死点位置
に向かう圧縮・吐出行程において、シリンダボア11a
内の冷媒ガスは所定の圧力に達するまで圧縮された後、
吐出弁42を押し退けて吐出室38内に放出される。吐
出室38内の圧縮冷媒ガスは、図示しない吐出通路及び
吐出フランジ51を介して外部冷媒回路52の凝縮器5
3に供給される。
【0056】給気通路48における通過断面積が零、つ
まり容量制御弁49の弁体67が弁孔68を完全に閉止
した状態になると、吐出室38からクランク室15への
高圧冷媒ガスの供給は行われなくなる。そして、クラン
ク室15内の圧力Pcは、吸入室37内の圧力Psとほ
ぼ同一になり、斜板22の傾角は最大となる。斜板22
の最大傾角は、回転支持体21の傾角規制突部21aと
斜板22との当接によって規制され、吐出容量は最大と
なる。
【0057】逆に、冷房負荷が小さい場合には、例えば
室温センサ59によって検出された温度と室温設定器5
8の設定温度との差は小さくなる。制御コンピュータ5
7は、駆動回路62に対して、検出温度が低いほど入力
電流値を小さくするように指令する。このため、固定鉄
心78と可動鉄心80との間の吸引力が弱くなって、弁
体67の弁開度を小さくする方向への付勢力が減少す
る。そして、より高い吸入圧力Psにて、弁体67の開
閉が行われる。従って、容量制御弁49は、電流値が減
少されることによって、より高い吸入圧力Psを保持す
るように作動する。
【0058】弁体67の弁開度が大きくなれば、吐出室
38からクランク室15へ流入する冷媒ガス量が多くな
る。この一方で、放圧通口47が絞り通路となっている
ため、クランク室15から吸入室37へ流出する冷媒ガ
スの量はほぼ一定に保たれる。このため、クランク室1
5内の圧力Pcが上昇する。この冷房負荷が小さい状態
ではシリンダボア11a内の圧力が低いため、ピストン
35を介したクランク室15内の圧力Pcとシリンダボ
ア11a内の圧力との差が大きくなって、斜板22の傾
角が小さくなる。
【0059】冷房負荷がない状態に近づいてゆくと、蒸
発器55における温度がフロスト発生をもたらす温度に
近づくように低下してゆく。温度センサ56からの検出
温度が設定温度以下になると、制御コンピュータ57は
駆動回路62に対してソレノイド63のコイル82の消
磁を指令する。前記設定温度は、蒸発器55においてフ
ロストを発生しそうな状況を反映する。そして、コイル
82への電流の供給が停止されて、コイル82が消磁さ
れ、固定鉄心78と可動鉄心80との吸引力が消失す
る。
【0060】このため、図2に示すように、弁体67
は、強制開放バネ69の付勢力により、可動鉄心80及
びソレノイドロッド83を介して作用する追従バネ81
の付勢力に抗して図において下方に移動される。そし
て、弁体67が弁孔68を最大に開いた弁開度位置に移
行する。よって、吐出室38内の高圧冷媒ガスが給気通
路48を介してクランク室15へ多量に供給され、クラ
ンク室15内の圧力Pcが高くなる。このクランク室1
5内の圧力上昇によって、斜板22が最小傾角位置へ移
動される。
【0061】また、空調装置作動スイッチ60のオフ信
号に基づいて、制御コンピュータ57はコイル82の消
磁を指令し、この消磁によっても斜板22が最小傾角位
置に移動される。
【0062】このように、容量制御弁49の開閉動作
は、ソレノイド63のコイル82に対する入力電流値の
大小に応じて変わる。入力電流値が大きくなると低い吸
入圧力Psにて開閉が実行され、入力電流値が小さくな
ると高い吸入圧力Psにて開閉動作が行われる。圧縮機
は、設定された吸入圧力Psを維持するように、斜板2
2の傾角を変更して、その吐出容量を変更する。つま
り、容量制御弁49は、入力電流値を変えて吸入圧Ps
の設定値を変更する役割、及び、吸入圧力Psに関係な
く最小容量運転を行う役割を担っている。このような容
量制御弁49を具備することにより、圧縮機は冷凍回路
の冷凍能力を変更する役割を担っている。
【0063】図2に示すように、容量制御弁49の弁体
67の弁開度が大きくなった状態では、吐出室38から
給気通路48及び圧力供給通路86を経由して遮断体2
8の背面の圧力室85へ流入する冷媒ガス量が多くな
る。この一方で、放圧通口47が絞り通路となっている
ため、圧力室85から吸入室37へ流出する冷媒ガス量
はほぼ一定に保たれている。このため、圧力室85内の
圧力が上昇して、図3(b)に示すように、吸入通路開
放バネ29の付勢力に抗して遮断体28がリヤ側に移動
される。そして、容量制御弁49における給気通路48
の通過断面積が最大になって、圧力室85内の圧力がさ
らに上昇すると、遮断体28の先端面とバルブプレート
14上の当接面33とが当接した状態となる。これによ
り、吸入通路32の前端が閉止されて、吸入通路32と
吸入室37とが遮断される。
【0064】ここで、クランク室15内の圧力Pcと、
圧力室85内の圧力とはほぼ連動するため、遮断体28
が吸入通路32を閉止した状態は、斜板22が最小傾角
位置に配置された状態と対応している。
【0065】この斜板22の最小傾角は0°ではないた
め、最小傾角状態においても、斜板22の回転に伴って
ピストン35が最小ストロークで往復動されており、シ
リンダボア11aから吐出室38への冷媒ガスの吐出は
行われている。シリンダボア11aから吐出室38へ吐
出された冷媒ガスは、給気通路48を通ってクランク室
15へ、また圧力供給通路86を通って圧力室85へ流
入する。クランク室15内の冷媒ガスは軸心通路46を
通って遮断体28の内部へ流入し、圧力室85内の冷媒
ガスはラジアルベアリング30の隙間を通って遮断体2
8内部に流入する。遮断体28の内部で合流された冷媒
ガスは、放圧通口47、収容室27及び通口45を通っ
て吸入室37へ流入する。そして、吸入室37内の冷媒
ガスは、シリンダボア11a内へ吸入されて、再度吐出
室38へ吐出される。
【0066】すなわち、最小傾角状態では、吐出領域で
ある吐出室38、給気通路48、クランク室15、軸心
通路46、遮断体28の内部、放圧通口47、収容室2
7、通口45、吸入領域である吸入室37、シリンダボ
ア11aを経由する第1の循環通路、及び、給気通路4
8から圧力供給通路86、圧力室85、ラジアルベアリ
ング30の隙間、遮断体28の内部を経由する第2の循
環通路が、圧縮機内に形成される。そして、吐出室3
8、クランク室15、圧力室85及び吸入室37の間で
は、圧力差が生じている。従って、冷媒ガスが前記循環
通路を循環し、冷媒ガスとともに流動する潤滑油が圧縮
機内の各摺動部を潤滑する。
【0067】空調装置作動スイッチ60がオン状態にあ
って、斜板22が最小傾角位置にある状態で、車室内の
温度が上昇して冷房負荷が増大すると、室温センサ59
によって検出された温度が室温設定器58の設定温度を
越える。制御コンピュータ57は、この検出温度変移に
基づいて、ソレノイド63の励磁を指令する。ソレノイ
ド63のコイル82の励磁により、給気通路48が閉じ
られ、クランク室15の圧力Pcが軸心通路46及び放
圧通口47を介した放圧に基づいて減圧してゆく。この
減圧により、クランク室15の圧力Pcとシリンダボア
11a内の圧力とのピストン35を介した差が小さくな
って、斜板22の傾角が図2の最小傾角状態から増大す
る。
【0068】また、図2及び図3(b)に示すように、
圧力室85内の圧力は、ラジアルベアリング30の隙
間、放圧通口47及び通口45を介した吸入室37への
放圧に基づいて減圧してゆく。この減圧により、吸入通
路開放バネ29が図2の縮小状態から伸長する。そし
て、遮断体28が当接面33から離間して、吸入通路3
2における通過断面積が緩慢に増大してゆき、吸入通路
32から吸入室37への冷媒ガス流入量は徐々に増えて
いく。従って、吸入室37からシリンダボア11a内へ
吸入される冷媒ガス量も徐々に増大してゆき、吐出容量
が徐々に増大してゆく。そのため、吐出圧力Pdが徐々
に増大してゆき、圧縮機における負荷トルクが短時間で
大きく変動することはない。その結果、最小吐出容量か
ら最大吐出容量に到る間の可変容量圧縮機における負荷
トルクの変動が緩慢になり、負荷トルクの変動による衝
撃が緩和される。
【0069】外部駆動源をなす車両エンジンが停止すれ
ば、圧縮機の運転も停止、つまり斜板22の回転も停止
し、容量制御弁49のソレノイド63のコイル82への
通電も停止される。このため、コイル82が消磁され
て、給気通路48が開放され、斜板22の傾角は最小と
なるとともに、遮断体28は当接面33に当接する。
【0070】以上のように構成されたこの第1の実施形
態によれば、以下の効果を奏する。 (a) この第1実施形態の可変容量圧縮機において
は、収容室27内に圧力室85が区画形成され、その圧
力室85の圧力が変更されることにより、遮断体28が
外部冷媒回路52からの冷媒ガスの吸入通路32を開閉
するようになっている。このため、斜板22と遮断体2
8とを、従来構成のようにスラストベアリングを介して
連動させることなく、吸入通路32の開閉を行うことが
できて、スラストベアリングを省略することができる。
また、斜板22の後面上にスラストベアリングを押すた
めの突起を設ける必要もなく、斜板22の加工が容易な
ものとなる。従って部品点数を削減できるとともに、斜
板22の加工コストを低減できて、可変容量圧縮機の製
作コストを低減することができる。
【0071】しかも、斜板22に対して相対回転を生じ
るスラストベアリングを当接させる必要がなく、斜板2
2の回転時における駆動シャフト16の引きずりトルク
が低減される。このため、斜板22の回転を安定したも
のとすることができる。
【0072】(b) この第1の実施形態の可変容量圧
縮機においては、容量制御弁49による給気通路48の
通過断面積の調整によって、吐出室38からクランク室
15への高圧の吐出冷媒ガスの供給量が調整されて、ク
ランク室15の圧力が変更される。また、その給気通路
49は圧力供給通路85にも接続されており、給気通路
48の通過断面積の調整によって、吐出室38から圧力
室85への高圧の吐出冷媒ガスの供給量が調整されるよ
うになっている。つまり、クランク室15内の圧力Pc
と圧力室85の圧力とがほぼ連動して変更されるように
なっている。このため、斜板22の傾角と遮断体28の
開閉動作とが連動されて、斜板22が最小傾角位置に配
置された状態で吸入通路33の遮断を確保することがで
きる。このような構成は、冷房不要時においても駆動シ
ャフト16が回転されるクラッチレス可変容量圧縮機の
構成として好適である。
【0073】しかも、圧力供給通路86が給気通路48
に接続されているため、簡単な構成でクランク室15内
の圧力Pcと圧力室85内の圧力とを連動させることが
できる。
【0074】また、クランク室15及び圧力室85に直
接、高圧の圧縮冷媒ガスが導かれるため、クランク室1
5及び圧力室85内の圧力を急速に上昇させることがで
きる。従って、斜板22の最小傾角位置への傾動及び遮
断体28の閉位置への移動を迅速に行うことができて、
例えば加速時等、必要に応じて冷房の停止を迅速に行う
ことができる。
【0075】(c) この第1の実施形態の可変容量圧
縮機においては、容量制御弁49が、クランク室15内
の圧力Pcを変更するための制御弁の役割と、圧力室8
5内の圧力を変更するため電磁弁の役割とを果たしてい
る。従って、部品点数の増大を招くことなく、クランク
室15と圧力室85との圧力の変更をほぼ自動的に連動
させることができる。
【0076】(d) この第1の実施形態の可変容量圧
縮機においては、駆動シャフト16上に固着された傾角
規制クリップ16aと斜板22との当接により、斜板2
2の最小傾角が決定されている。ここで、従来構成で
は、斜板22と、例えば遮断体によりなる斜板22の最
小傾角決定手段との間に相対回転が生じる。これに対し
て、前記傾角規制クリップ16a及び斜板22は、いず
れも駆動シャフト16と一体回転される。従って、傾角
規制クリップ16a及び斜板22が磨耗しにくいものと
なって、斜板22の最小傾角位置の管理を容易なものと
することができる。
【0077】(e) この第1の実施形態の可変容量圧
縮機においては、斜板22と遮断体28とがスラストベ
アリングを介して連接されておらず、これらの部材の相
対回転によるスラスト方向の磨耗が抑制される。このた
め、長期間にわたって吸入通路32の遮断を確保した
り、斜板22の最小傾角位置の管理を容易にしたりする
ことができる。このため、駆動シャフト16が車両エン
ジン等の外部駆動源に常時作動連結され、冷房不要時に
おいても駆動シャフト16が常時回転されるクラッチレ
ス可変容量圧縮機の構成として、特に好適である。
【0078】(第2の実施形態)つぎに、この発明の第
2の実施形態について、前記第1の実施形態と異なる部
分を中心に説明する。
【0079】この第2の実施形態においては、図4及び
図5に示すように、シリンダブロック11の前側の中心
には軸孔11bが形成され、後側の中心には遮断体28
を嵌入収容する収容室27がそれぞれ独立して形成され
ている。駆動シャフト16の後端部は、軸孔11b内に
挿入され、ラジアルベアリング30を介して軸孔11b
の周面に支持されている。圧力室85は、収容室27内
において遮断体28の前方側に区画形成されており、連
通孔101を介して軸孔11bに接続されている。圧力
室85は、制御圧室を兼ねるクランク室15とは独立し
て形成される。
【0080】クランク室15と吸入室37とは、抽気通
路102で接続されている。この抽気通路102は、軸
心通路46、軸孔11a内、連通孔101、圧力室85
及び圧力抽出通路103よりなっている。つまり、圧力
抽出通路103は抽気通路102に接続されるととも
に、その抽気通路102の一部を兼用している。圧力抽
出通路103の途中には、制御弁と電磁弁とを兼ねる容
量制御弁105が設けられている。また、吐出室38と
クランク室15とはバルブプレート14及びシリンダブ
ロック11に形成された給気通路104で接続され、そ
の給気通路104の途中には絞り部104aが設けられ
ている。そして、吐出領域である吐出室38と圧力室8
5とを連通する圧力付与通路は、給気通路104、軸心
通路46及び連通口101により形成される。
【0081】前記容量制御弁105の一端側には弁室1
06が区画形成されており、この弁室106内に弁体1
07が収容されている。容量制御弁105の他端側には
ソレノイド63が設けられている。
【0082】前記弁室106には、弁体107と対向す
るように弁孔108が開口されている。また、弁体10
7は、強制閉止バネ109により、弁孔108を閉止す
る方向へ付勢されている。また、この弁室106は、前
記抽気通路102を介してリヤハウジング13内の吸入
室37に連通されている。
【0083】容量制御弁105の弁室106とソレノイ
ド63との間には、ポート110が形成されている。前
記弁孔108は、そのポート110及び圧力抽出通路1
03を介して圧力室85に連通され、さらに抽気通路1
02を介してクランク室15に連通されている。言い換
えると、弁室106、弁孔108及びポート110は、
前記圧力抽出通路103の一部を構成している。
【0084】そして、この第2の実施形態の容量制御弁
105は、図4に示すように、ソレノイド63のコイル
82が励磁されたときには、弁体107が弁孔108を
開放する位置に配置されるようになっている。一方、図
5に示すように、コイル82が消磁されたときには、弁
体107が弁孔108を閉止する位置に配置されるよう
になっている。つまり、この第2の実施形態の容量制御
弁105は、前記第1の実施形態の容量制御弁49とは
逆の動作をするようになっている。
【0085】次に、この第2の実施形態の可変容量圧縮
機の動作について説明する。図4に示すように、クラン
ク室15には、吐出室38から給気通路104を介して
常時所定量の圧縮冷媒ガスが供給されている。ここで、
冷房負荷が大きい場合には、制御コンピュータ57の励
磁指令に基づいて、ソレノイド63のコイル82が励磁
され、弁体107が弁孔108を開放する位置に配置さ
れる。つまり、抽気通路102が開放された状態とな
る。これにより、クランク室15内の冷媒ガスは、抽気
通路102を通って吸入室37に流出し、クランク室1
5内の圧力Pcの上昇が回避される。このため、クラン
ク室15内の圧力Pcと、シリンダボア11a内の圧力
とのピストン35を介した差が小さくなって、斜板22
が最大傾角位置に配置される。
【0086】この状態では、圧力室85内の冷媒ガス
も、圧力抽出通路103を通って吸入室37に流出し、
圧力室85内の圧力の上昇も回避される。このため、吸
入通路開放バネ29の付勢力によって遮断体28が前方
側に配置されて、遮断体28の先端面とバルブプレート
14上の当接面33とが離間した状態となる。そして、
吸入通路32の前端が開放されて、吸入通路32が収容
室27の内部及び通口45を介して吸入室37に連通さ
れる。
【0087】一方、冷房負荷が小さい場合には、図5に
示すように、制御コンピュータ57の消磁指令に基づい
て、ソレノイド63のコイル82が消磁されて、弁体1
07が弁孔108を閉止する位置に配置される。つま
り、抽気通路102が遮断された状態となる。これによ
り、クランク室15内の冷媒ガスは、抽気通路102を
通って吸入室37に流出されなくなる。そして、クラン
ク室15内の圧力Pcが、給気通路104を介して吐出
室38から供給される高圧の圧縮冷媒ガスにより徐々に
高められる。このため、クランク室15内の圧力Pc
と、シリンダボア11a内の圧力とのピストン35を介
した差が大きくなって、斜板22が最小傾角位置側に移
動される。
【0088】この状態では、圧力室85内の冷媒ガス
も、圧力抽出通路103を通って吸入室37に流出され
なくなり、圧力室85内の圧力も徐々に高められる。こ
のため、吸入通路開放バネ29の付勢力に抗して遮断体
28が後方側に移動される。そして、さらに圧力室85
内の圧力が高められると、遮断体28の先端面とバルブ
プレート14上の当接面33とが当接した状態となっ
て、吸入通路32の前端が閉止され、吸入通路32と吸
入室37とが遮断される。
【0089】そして、この最小傾角状態では、吐出領域
である吐出室38、給気通路104、クランク室15、
軸心通路46、連通孔101、圧力室85、圧力抽出通
路103、吸入領域である吸入室37、シリンダボア1
1aを経由する循環通路が、圧縮機内に形成される。
【0090】以上のように構成されたこの第2の実施形
態によれば、前記第1の実施形態に記載の(a)、
(c)〜(e)項の効果に加えて、以下の効果を奏す
る。 (f) この第2の実施形態の可変容量圧縮機において
は、容量制御弁105による抽気通路102の通過断面
積の調整によって、クランク室15から吸入室37への
冷媒ガスの抽出量が調整されて、クランク室15内の圧
力Pcが変更される。また、その抽気通路102の途中
に圧力室85が形成されており、抽気通路102の通過
断面積の調整によって、圧力室85から吸入室37への
冷媒ガスの抽出量が調整されるようになっている。つま
り、クランク室15内の圧力Pcと圧力室85の圧力と
がほぼ連動して変更されるようになっている。このた
め、斜板22の傾角と遮断体28の開閉動作とが連動さ
れて、斜板22が最小傾角位置に配置された状態で吸入
通路32の遮断を確保することができる。このような構
成は、冷房不要時においても駆動シャフト16が回転さ
れるクラッチレス可変容量圧縮機の構成として好適であ
る。
【0091】しかも、圧力抽出通路103が抽気通路1
02の一部を兼用し、その圧力抽出通路103中に容量
制御弁105が設けられているため、簡単な構成でクラ
ンク室15内の圧力Pcと圧力室85内の圧力とを連動
させることができる。
【0092】また、容量制御弁105が抽気通路102
を遮断した状態で、クランク室15の圧力Pc及び圧力
室85の圧力が徐々に高められる。このため、圧縮機内
の各摺動部、特にクランク室15内の冷媒ガスの漏れを
抑制するリップシール20に対する圧力変動の負荷を低
減することができて、ひいては圧縮機の耐久性を向上す
ることができる。
【0093】(g) この第2の実施形態の可変容量圧
縮機においては、駆動シャフト16の後端が遮断体28
の内部に挿入されておらず、駆動シャフト16と遮断体
28とがそれぞれ独立して配置されている。このため、
シリンダブロック11及び遮断体28の径を小さくする
ことが可能となり、シリンダブロック11の小型化を図
ることができて、ひいては圧縮機全体を小型化すること
ができる。
【0094】(第3の実施形態)つぎに、この発明の第
3の実施形態について、前記第1の実施形態と異なる部
分を中心に説明する。
【0095】この第3の実施形態においては、図6及び
図7に示すように、シリンダブロック11の前側の中心
には軸孔11bが形成されている。駆動シャフト16の
後端部は、軸孔11b内に挿入され、ラジアルベアリン
グ30を介して軸孔11bの周面に支持されている。リ
ヤハウジング13の中心には収容室27が区画形成さ
れ、その収容室27には遮断体28がスライド可能に嵌
入収容されている。
【0096】この収容室27の後端には吸入通路32が
開口され、また中央の周面上には吸入室37に接続する
複数の通口111が開口されている。この通口111
は、遮断体28が前方側の開位置と後方側の閉位置とに
切り換え配置されることによって開閉されるようになっ
ている。遮断体28の後端の段差部28cと収容室27
の後端の段差部27cとの間には、吸入通路開放バネ2
9が介装されている。
【0097】収容室27において、遮断体28の前端面
とバルブプレート14との間には圧力室85が区画形成
されている。この圧力室85は、バルブプレート14及
びシリンダブロック11の後端面に形成された圧力供給
通路86を介して給気通路48に接続されている。ま
た、リヤハウジング13の前端面には所定の絞り量を有
する第1放圧通路112が刻設されており、この第1放
圧通路112を介して圧力室85と吸入室37とが連通
されている。圧力室85は、制御圧室を兼ねるクランク
室15とは独立して形成される。
【0098】前記軸孔11bは、シリンダブロック11
及びバルブプレート14に形成された第2放圧通路11
3を介して吸入室37に連通されている。この第2放圧
通路113は、所定の絞り量を有する絞り通路となって
いる。
【0099】次に、この第3の実施形態の可変容量圧縮
機の動作について説明する。図6に示すように、冷房負
荷が大きく、容量制御弁49の弁体67の開度が小さい
状態では、吐出室38から給気通路48を経由してクラ
ンク室15へ流入する冷媒ガス量が少なくなる。この一
方で、クランク室15内の冷媒ガスは、軸心通路46あ
るいはラジアルベアリング30の隙間、軸孔11bの内
部、及び、第2放圧通路113を経由して吸入室37へ
流出している。このため、クランク室15内の圧力Pc
の上昇が抑制される。また、冷房負荷が大きい状態で
は、シリンダボア11a内の圧力も高くて、クランク室
15内の圧力Pcとシリンダボア11a内の圧力とのピ
ストン35を介した差が小さくなる。このため、斜板2
2の傾角が大きくなる。
【0100】この状態では、吐出室38から給気通路4
8及び圧力供給通路86を経由して遮断体28の背面の
圧力室85へ流入する冷媒ガス量が少なくなる。この一
方で、圧力室85内の冷媒ガスは、第1放圧通路112
を経由して吸入室37へ流出している。このため、圧力
室85内は圧力が低い状態に保持されて、吸入通路開放
バネ29の付勢力によって遮断体28が前方側の開位置
に配置され、吸入通路32が収容室27の内部及び通口
111を介して吸入室37に連通される。
【0101】一方、図7に示すように、冷房負荷が小さ
く、容量制御弁49の弁体67の開度が大きい状態で
は、吐出室38から給気通路48を経由してクランク室
15へ流入する冷媒ガス量が多くなる。この一方で、前
記第2放圧通路113が絞り通路となっているため、ク
ランク室15内から吸入室37に流出する冷媒ガス量
は、ほぼ一定に保たれる。このため、クランク室15内
の圧力Pcが上昇し、クランク室15内の圧力Pcとシ
リンダボア11a内の圧力とのピストン35を介した差
が大きくなる。このため、斜板22の傾角が小さくな
る。
【0102】この状態では、吐出室38から給気通路4
8及び圧力供給通路86を経由して遮断体28の背面の
圧力室85へ流入する冷媒ガス量も多くなる。この一方
で、第1放圧通路112が絞り通路となっているため、
圧力室85から吸入室37に流出する冷媒ガス量は、ほ
ぼ一定に保たれる。このため、圧力室85内の圧力が上
昇し、遮断体28が吸入通路開放バネ29の付勢力に抗
して後方側に移動される。そして、容量制御弁49にお
ける給気通路48の通過断面積が最大になると、圧力室
85の圧力がさらに高められて、遮断体28は通口11
1の開口部に対応する最後方の閉位置に配置される。こ
れにより、通口111が遮断体28により閉止されて、
吸入通路32と吸入室37とが遮断される。
【0103】この最小傾角状態では、吐出領域である吐
出室38、給気通路48、クランク室15、軸心通路4
6あるいはラジアルベアリング30の隙間、軸孔11b
の内部、第2放圧通路103、吸入領域である吸入室3
7、シリンダボア11aを経由する循環通路が、圧縮機
内に形成される。
【0104】以上のように構成されたこの第3の実施形
態によれば、前記第1の実施形態の(a)〜(e)項及
び前記第2の実施形態に記載の(g)項に記載の効果に
加えて、以下の効果を奏する。
【0105】(h) この第3の実施形態の可変容量圧
縮機においては、吸入通路32を開閉する遮断体28及
び圧力室85がリヤハウジング13に設けられている。
ここで、リヤハウジング13は、シリンダブロック11
等に比較して空間部が多く、遮断体28及び圧力室85
の配置の自由度が向上される。このため、例えば従来構
成の遮断体のように、駆動シャフト16の周囲を含んで
遮断体28を配置する場合に比べて、シリンダブロック
11をその径方向に小型化することができて、ひいては
圧縮機全体を小型化することができる。
【0106】なお、この発明は以下のように変更して具
体化することもできる。 (1) 前記第1の実施形態において、例えばシール部
材84のバネ輪89の付勢力を調節したり、屈曲縁部8
4b上にクランク室15と圧力室85との間を連通する
細溝を形成したりして絞り隙間を設け、屈曲縁部84b
と駆動シャフト16の外周面との間の絞り隙間に、冷媒
ガスの流通を許容するようにすること。
【0107】このように構成した場合、絞り隙間を介し
てクランク室15から圧力室85に流入する冷媒ガスに
分散された潤滑油により、同対向面間の潤滑及び冷却を
一層確実に行うことができる。
【0108】(2) この発明をクラッチ付きの可変容
量圧縮機において具体化すること。このように構成した
場合、例えば空調装置作動スイッチ60がオフ状態のと
きのみクラッチを切り、空調装置作動スイッチ60がオ
ン状態のときにはクラッチレス可変容量圧縮機と同様の
動作を行うようにすれば、クラッチの断続回数を激減す
ることができ、走行フィーリングを向上できる。
【0109】(3) 前記第1及び第3の実施形態にお
いて、容量制御弁49に代えて前記第2の実施形態の容
量制御弁105を採用し、それに応じて吸入室37、ク
ランク室15、圧力室85、吐出室38間の通路構成を
変更すること。
【0110】(4) 前記第2の実施形態において、容
量制御弁105に代えて前記第1の実施形態の容量制御
弁49を採用し、それに応じて吸入室37、クランク室
15、圧力室85、吐出室38間の通路構成を変更する
こと。
【0111】(5) 前記第2の実施形態において、給
気通路104を省略し、ピストン35の往復動に伴っ
て、ピストン35とシリンダボア11aとの間の隙間か
らクランク室15内に流入するブローバイガスを利用し
てクランク室15内の圧力Pc及び圧力室85内の圧力
を上昇させること。
【0112】(6) 前記各実施形態において、給気通
路48と圧力供給通路86とを、あるいは抽気通路10
2と圧力抽出通路103とを接続あるいは兼用せずそれ
ぞれ独立して設けて、圧力供給通路86あるいは圧力抽
出通路103の途中に電磁弁を配設して、圧力室85の
圧力を変更するようにすること。
【0113】(7) 前記各実施形態において、制御圧
室をクランク室15とは独立して設け、その制御圧室の
圧力を変更することにより斜板22を収容するクランク
室15内の圧力Pcとシリンダボア11a内の圧力との
ピストン35を介した差を変更し、その差に応じて斜板
22の傾角を変更するようにすること。
【0114】これらのように構成しても、前記各実施形
態と同様の効果を奏することができる。
【0115】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば
以下の優れた効果を奏する。請求項1及び2に記載の発
明によれば、従来構成のようにカムプレートと遮断体と
をスラストベアリングを介して連動させることなく、吸
入通路の開閉を行うことができる。従って、スラストベ
アリングを省略することができる。また、カムプレート
の後面上にスラストベアリングを押すための突起を設け
る必要もなく、カムプレートの加工が容易なものとな
る。これらのため、可変容量圧縮機の製作コストを低減
することができる。しかも、カムプレートの回転時にお
ける駆動シャフトの引きずりトルクが低減されて、カム
プレートの回転を安定したものとすることができる。
【0116】請求項3及び5に記載の発明によれば、制
御圧室と圧力室との圧力がほぼ連動して変更され、カム
プレートの傾角と吸入通路開閉手段の開閉動作とが連動
される。従って、カムプレートが最小傾角位置に配置さ
れた状態での吸入通路の遮断を確保することができる。
【0117】請求項4及び6に記載の発明によれば、簡
単な構成で制御圧室の圧力と圧力室の圧力とを連動させ
ることができる。請求項7に記載の発明によれば、部品
点数の増大を招くことなく、制御圧室と圧力室との圧力
の変更をほぼ自動的に連動させることができる。
【0118】請求項8に記載の発明によれば、シール部
材と駆動シャフトとの間の絞り隙間を流通する冷媒ガス
に分散された潤滑油によって、それらの間の潤滑及び冷
却を容易に確保することができる。
【0119】請求項9に記載の発明によれば、シリンダ
ブロックをその径方向に小型化することができて、ひい
ては圧縮機全体を小型化することができる。請求項10
に記載の発明によれば、最小傾角決定手段が摩耗されに
くいものとなって、カムプレートの最小傾角位置の管理
を容易に行うことができる。
【0120】請求項11に記載の発明によれば、長期間
にわたる吸入通路の遮断及びカムプレートの最小傾角位
置の容易な管理を確保することができて、クラッチレス
可変容量圧縮機の構成として特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の可変容量圧縮機の最大傾角
状態を示す断面図。
【図2】 図1の可変容量圧縮機の最小傾角状態を示す
断面図。
【図3】 (a)は図1の、(b)は図2の要部を示す
拡大部分断面図。
【図4】 第2の実施形態の可変容量圧縮機の最大傾角
状態を示す断面図。
【図5】 図4の可変容量圧縮機の最小傾角状態を示す
断面図。
【図6】 第3の実施形態の可変容量圧縮機の最大傾角
状態を示す断面図。
【図7】 図6の可変容量圧縮機の最小傾角状態を示す
断面図。
【符号の説明】
11…ハウジングの一部を構成するシリンダブロック、
11a…シリンダボア、11b…軸孔、12…ハウジン
グの一部を構成するフロントハウジング、13…ハウジ
ングの一部を構成するリヤハウジング、15…制御圧室
を兼ねるクランク室、16…駆動シャフト、16a…最
小傾角決定手段としての傾角規制クリップ、22…カム
プレートとしての斜板、27…開閉室を構成する収容
室、28…吸入通路開閉手段としての遮断体、32…吸
入通路、35…ピストン、37…吸入領域を構成する吸
入室、38…吐出領域を構成する吐出室、48…給気通
路、49、105…制御弁と電磁弁とを兼ねる容量制御
弁、52…外部冷媒回路、84…シール部材、85…圧
力室、86…圧力供給通路、102…抽気通路、103
…圧力抽出通路、104…圧力付与通路の一部を兼ねる
給気通路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深沼 哲彦 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングの内部にクランク室及び制御
    圧室を形成するとともに駆動シャフトを回転可能に支持
    し、前記ハウジングの一部を構成するシリンダブロック
    に複数のシリンダボアを形成し、そのシリンダボア内に
    はピストンを往復動可能に収容し、前記駆動シャフトに
    カムプレートを一体回転可能かつ傾動可能に挿着し、前
    記制御圧室の圧力を変更することにより前記カムプレー
    トを収容するクランク室の圧力とシリンダボア内の圧力
    との前記ピストンを介した差を変更し、その差に応じて
    カムプレートの傾角を変更して、吐出容量を制御するよ
    うにした可変容量圧縮機において、 外部冷媒回路から冷媒ガスを導入するための吸入通路を
    開閉室を介して吸入領域に接続し、その開閉室内には前
    記吸入通路を開閉する吸入通路開閉手段を設けるととも
    に圧力室を区画し、その圧力室の圧力を変更することに
    より前記吸入通路開閉手段が吸入通路を開閉するように
    した可変容量圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記圧力室に吐出領域の圧力を供給する
    ことにより前記吸入通路開閉手段が吸入通路を閉鎖する
    ようにした請求項1に記載の可変容量圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記制御圧室と吐出領域との間に給気通
    路を形成し、その給気通路の途中に制御弁を設け、前記
    圧力室と吐出領域との間に圧力供給通路を形成し、その
    圧力供給通路の途中には電磁弁を設けて、前記制御弁に
    より給気通路の通過断面積を調整して前記制御圧室の圧
    力を変更し、前記電磁弁により圧力供給通路を開閉して
    前記圧力室の圧力を変更し、制御圧室の圧力と圧力室の
    圧力とが連動するようにした請求項2に記載の可変容量
    圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記圧力供給通路を前記給気通路に接続
    した請求項3に記載の可変容量圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記制御圧室と吸入領域との間に抽気通
    路を形成するとともに、前記吐出領域と制御圧室との間
    に所定の絞り量を有する給気通路を形成し、その抽気通
    路の途中に制御弁を設け、前記圧力室と吸入領域との間
    に圧力抽出通路を形成するとともに、前記吐出領域と圧
    力室との間に所定の絞り量を有する圧力付与通路を形成
    し、前記圧力抽出通路の途中には電磁弁を設けて、前記
    制御弁により抽気通路の通過断面積を調整して前記制御
    圧室の圧力を変更し、前記電磁弁により圧力抽出通路を
    開閉して前記圧力室の圧力を変更し、制御圧室の圧力と
    圧力室の圧力とが連動するようにした請求項1に記載の
    可変容量圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記圧力抽出通路を前記抽気通路に接続
    した請求項5に記載の可変容量圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記制御弁は、前記電磁弁を兼用する請
    求項3〜6のいずれかに記載の可変容量圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記吸入通路開閉手段を前記シリンダブ
    ロックの軸孔の内周面と駆動シャフトの外周面との間に
    配設し、前記軸孔をクランク室側の開口部の近傍におい
    て駆動シャフトに挿嵌したシール部材で閉止することに
    より前記圧力室を区画形成し、前記シール部材と駆動シ
    ャフトとの間に冷媒ガスの流通を許容する絞り隙間を設
    けた請求項1〜7のいずれかに記載の可変容量圧縮機。
  9. 【請求項9】 前記吸入通路開閉手段及び圧力室を前記
    ハウジングの一部を構成するリヤハウジングに設けた請
    求項1〜7のいずれかに記載の可変容量圧縮機。
  10. 【請求項10】 前記駆動シャフト上に前記カムプレー
    トの最小傾角位置を決定するための最小傾角決定手段を
    固着した請求項1〜9のいずれかに記載の可変容量圧縮
    機。
  11. 【請求項11】 前記駆動シャフトを外部駆動源に常時
    作動連結させた請求項1〜10のいずれかに記載の可変
    容量圧縮機。
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