JP3254854B2 - クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機 - Google Patents

クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機

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JP3254854B2
JP3254854B2 JP27717793A JP27717793A JP3254854B2 JP 3254854 B2 JP3254854 B2 JP 3254854B2 JP 27717793 A JP27717793 A JP 27717793A JP 27717793 A JP27717793 A JP 27717793A JP 3254854 B2 JP3254854 B2 JP 3254854B2
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pressure
chamber
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真広 川口
正法 園部
健 水藤
智彦 横野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吐出圧領域とクランク
室とを接続する圧力供給通路を介して吐出圧領域の圧力
をクランク室に供給すると共に、クランク室と吸入圧領
域とを接続する放圧通路を介してクランク室の圧力を吸
入圧領域に放出してクランク室内の調圧を行なうクラッ
チレス片側ピストン式可変容量圧縮機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】特開平3−37378号公報に開示され
る可変容量型揺動斜板式圧縮機では、外部駆動源と圧縮
機の回転軸との間の動力伝達の連結及び遮断を行なう電
磁クラッチを使用していない。電磁クラッチを無くせ
ば、特に車両搭載形態ではそのON−OFFのショック
による体感フィーリングの悪さの欠点を解消できると共
に、圧縮機全体の重量減、コスト減が可能となる。
【0003】このようなクラッチレス圧縮機では冷房不
要時の吐出容量の多少及び外部冷媒回路上の蒸発器にお
けるフロスト発生が問題になる。冷房不要の場合あるい
はフロスト発生のおそれがある場合には外部冷媒回路上
の冷媒循環を止めればよい。特開平3−37378号公
報の圧縮機では外部冷媒回路から吸入室への冷媒ガス流
入を止めることによって外部冷媒回路上の冷媒循環停止
を達成している 外部冷媒回路から圧縮機内の吸入室への冷媒ガス流入が
止められると、吸入室の圧力が低下し、吸入室の圧力に
感応する容量制御弁が全開する。この全開により吐出室
の吐出冷媒ガスがクランク室へ流入し、クランク室の圧
力が上昇する。又、吸入室の圧力低下のためにシリンダ
ボア内の吸入圧も低下する。そのため、クランク室内の
圧力とシリンダボア内の吸入圧との差が大きくなり、斜
板傾角が最小傾角へ移行して吐出容量が最低となる。吐
出容量が最低になれば圧縮機におけるトルクは最低とな
り、冷房不要時の動力損失が避けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】外部冷媒回路から圧縮
機内の吸入室への冷媒ガス流入を止めた状態ではシリン
ダボアから吐出室へ吐出された冷媒ガスがクランク室及
び吸入室を経由してシリンダボアに還流する。即ち、シ
リンダボア、吐出室、圧力供給通路、クランク室、放圧
通路、吸入室、シリンダボアを結ぶ循環経路に沿って圧
縮機内の冷媒ガスが循環し、圧縮機内の摺接部位が冷媒
ガスと共に流動する潤滑油によって潤滑される。しか
し、圧縮機内には新たな冷媒ガスの供給がないために圧
縮機内の熱を排出できず、しかも外部冷媒回路からのオ
イル戻りがないために潤滑油不足が生じる。そのため、
圧縮機内の摺接部位が過熱する。過熱は摺接部材の早期
劣化をもたらし、圧縮機の耐久性が低下する。
【0005】本発明は、外部冷媒回路から吸入室への冷
媒ガスの流入を徐々に絞る、あるいは増大する機構を用
いてクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機におけ
るトルク変動を抑制すると共に、圧縮機内の摺接部位の
早期劣化を防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
クランク室、吸入室、吐出室及びこれら各室を接続する
シリンダボアを区画形成し、シリンダボア内に片頭ピス
トンを往復直線運動可能に収容するハウジング内の回転
軸上に回転支持体を止着し、この回転支持体上に斜板を
傾動可能に支持し、クランク室内の圧力と吸入圧との片
頭ピストンを介した差により斜板の傾角を制御し、吐出
圧領域とクランク室とを接続する圧力供給通路を介して
吐出圧領域の圧力をクランク室に供給すると共に、この
圧力供給を吸入圧に感応する容量制御弁で制御し、クラ
ンク室と吸入圧領域とを接続する放圧通路を介してクラ
ンク室の圧力を吸入圧領域に放出してクランク室内の調
圧を行なうクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機
を対象とし、外部冷媒回路から前記吸入室へ冷媒ガスを
導入するための吸入通路を閉塞する閉位置と前記吸入通
路を開放する開位置とに切り換え可能に前記回転軸上に
遮断体をスライド可能かつ相対回転可能に支持し、前記
斜板の傾動の少なくとも一部に遮断体のスライドを連動
させ、前記遮断体が前記閉位置にあるときには斜板の傾
角を零ではない最小傾角に保持し、前記遮断体が前記閉
位置にあるときに前記吸入通路と前記吸入室とを絞り流
路で連通した。
【0007】
【作用】クランク室内の昇圧により斜板傾角が最小傾角
となる位置へ斜板が移行するに伴い、遮断体が斜板の移
行動作に連動して前記閉位置に移行する。遮断体が閉位
置へ接近するに伴い、外部冷媒回路から吸入室へ流入す
る冷媒ガスの通過断面積が徐々に絞られてゆく。この絞
り作用が外部冷媒回路から吸入室への冷媒ガス流入量の
減少を緩和する。従って、吸入室からシリンダボア内へ
の冷媒ガス吸入量もゆっくりと減少してゆき、吐出容量
が最低容量側へ急激変動することはない。その結果、圧
縮機におけるトルクが短時間で急激に変動することはな
い。
【0008】クランク室内の圧力低下により斜板傾角が
最小傾角から増大するに伴い、遮断体が斜板の移行動作
に連動して前記閉位置から開位置に移行する。遮断体が
閉位置から離間するに伴い、外部冷媒回路から吸入室へ
の冷媒ガスの通過断面積が徐々に拡大してゆく。この徐
々に行われる通過断面積拡大が外部冷媒回路から吸入室
への冷媒ガス流入量の増大を緩和する。従って、吸入室
からシリンダボア内への冷媒ガス吸入量もゆっくりと増
大してゆき、吐出容量が最大容量側へ急激変動すること
はない。その結果、圧縮機におけるトルクが短時間で急
激に変動することはない。
【0009】遮断体が閉位置にあるとき、吐出室の冷媒
ガスの一部は、圧力供給通路、クランク室、放圧通路、
吸入室、シリンダボアを経て吐出室に還流する。遮断体
が閉位置にあるときにも外部冷媒回路の冷媒ガスが絞り
流路を通って吸入室へ流入し、この一部が吐出室、圧力
供給通路、クランク室、放圧通路、吸入室、シリンダボ
アという循環経路に供給される。吐出室の冷媒ガスの一
部は外部冷媒回路へ流出する。即ち,外部冷媒回路の新
たな冷媒ガスが圧縮機内に供給されると共に、圧縮機内
の冷媒ガスの一部が外部冷媒回路へ流出し、圧縮機内の
摺接部位の冷却が行われる。又、外部冷媒回路から圧縮
機内へ流入する冷媒ガスと共に潤滑油が圧縮機内に供給
され、潤滑油不足が解消される。
【0010】外気の相対湿度が100%であれば外部冷
媒回路を冷媒が流れると蒸発器でフロストが発生する
が、地表面付近で相対湿度100パーセントの状態は殆
ど有り得ない。従って、絞り流路によって外部冷媒回路
における冷媒流量を絞り調整すればフロスト発生のおそ
れはない。
【0011】
【実施例】以下、本発明を具体化した第1実施例を図1
〜図7に基づいて説明する。図1に示すように圧縮機全
体のハウジングの一部となるシリンダブロック1の前端
にはフロントハウジング2が接合されている。シリンダ
ブロック1の後端にはリヤハウジング3がバルブプレー
ト4、弁形成プレート5A,5B及びリテーナ形成プレ
ート6を介して接合固定されている。フロントハウジン
グ2内には深溝玉軸受け部材7が取り付けられている。
深溝玉軸受け部材7には回転支持体8が支持されてお
り、回転支持体8には回転軸9が止着されている。深溝
玉軸受け部材7は回転軸9に作用するスラスト方向の荷
重及びラジアル方向の荷重の両方を回転支持体8を介し
て受け止める。
【0012】回転軸9の前端はクランク室2aからフロ
ントハウジング2を介して外部へ突出しており、この突
出端部にはプーリ10が螺着されている。プーリ10は
ベルト11を介して車両エンジンに作動連結されてい
る。回転軸9の前端部とフロントハウジング2との間に
はリップシール12が介在されている。リップシール1
2はクランク室2a内の圧力洩れを防止する。
【0013】回転軸9には球面状の斜板支持体14がス
ライド可能に支持されており、斜板支持体14には斜板
15が回転軸9の軸線方向へ傾動可能に支持されてい
る。斜板15には連結片16,17が止着されている。
図2に示すように連結片16,17には一対のガイドピ
ン18,19が止着されている。回転支持体8には支持
アーム8aが突設されている。支持アーム8aには支持
ピン20が回動可能かつ回転軸9に対して直角を成す方
向へ貫通支持されている。一対のガイドピン18,19
は支持ピン20の両端部にスライド可能に嵌入されてい
る。支持アーム8a上の支持ピン20と一対のガイドピ
ン18,19との連係により斜板15が斜板支持体14
を中心に回転軸9の軸線方向へ傾動可能かつ回転軸9と
一体的に回転可能である。斜板15の傾動は、支持ピン
20とガイドピン18,19とのスライドガイド関係、
斜板支持体14のスライド作用及び斜板支持体14の支
持作用により案内される。
【0014】図1、図4及び図5に示すようにシリンダ
ブロック1の中心部には収容孔13が回転軸9の軸線方
向に貫設されており、収容孔13内には筒状の遮断体2
1がスライド可能に収容されている。遮断体21は大径
部21aと小径部21bとからなり、大径部21aと小
径部21bとの段差部と収容孔13の内周面上のフラン
ジ部13aとの間には吸入通路開放ばね36が介在され
ている。吸入通路開放ばね36は遮断体21を斜板支持
体14側へ付勢している。
【0015】遮断体21の大径部21aには回転軸9の
後端部が挿入されている。回転軸9の後端部と大径部2
1aの内周面との間には深溝玉軸受け部材53が介在さ
れている。回転軸9の後端部は深溝玉軸受け部材53及
び遮断体21を介して収容孔13の内周面で支持され
る。深溝玉軸受け部材53の外輪53aは大径部21a
の内周面に止着されており、内輪53bは回転軸9の周
面をスライド可能である。図5に示すように回転軸9の
後端部の周面には段差部9aが形成されており、内輪5
3bが段差部9aにより斜板支持体14側への移動を規
制される。即ち、深溝玉軸受け部材53は段差部9aに
より斜板支持体14側への移動を阻止される。従って、
深溝玉軸受け部材53が段差部9aに当接することによ
って遮断体21が斜板支持体14側への移動を阻止され
る。
【0016】リヤハウジング3の中心部には吸入通路5
4が形成されている。吸入通路54は収容孔13に連通
しており、収容孔13側の吸入通路54の開口の周囲に
は位置決め面55が形成されている。遮断体21の小径
部21bの先端は位置決め面55に当接可能である。小
径部21bの先端が位置決め面55に当接することによ
り遮断体21が斜板支持体14から離間する方向への移
動を規制されると共に、吸入通路54と収容孔13との
連通が遮断される。
【0017】斜板支持体14と深い溝玉軸受け部材53
との間には伝達筒56が回転軸9上をスライド可能に介
在されている。伝達筒56の一端は斜板支持体14の端
面に当接可能であり、伝達筒56の他端は深溝玉軸受け
部材53の外輪53aに当接することなく内輪53bに
のみ当接可能である。
【0018】斜板支持体14が遮断体21側へ移動する
に伴い、遮断体21が伝達筒56に当接し、伝達筒56
を深溝玉軸受け部材53の内輪53bに押接する。深溝
玉軸受け部材53は回転軸9のラジアル方向のみならず
スラスト方向の荷重も受け止める。そのため、遮断体2
1は伝達筒56の押接作用により吸入通路開放ばね36
のばね力に抗して位置決め面55側へ付勢され、小径部
21bの先端が位置決め面55に当接する。従って、斜
板15の最小傾角は遮断体21の小径部21bの先端と
位置決め面55との当接によって規制される。斜板15
の最小傾角は0°よりも僅かに大きい。この最小傾角状
態は遮断体21が吸入通路54と収容孔13との連通を
遮断する閉位置に配置されたときにもたらされ、遮断体
21は前記閉位置とこの位置から離間した開位置とへ斜
板支持体14に連動して切り換え配置される。
【0019】斜板15の最大傾角は回転支持体8の傾角
規制突部8bと斜板15との当接によって規制される。
クランク室2aに接続するようにシリンダブロック1に
貫設されたシリンダボア1a内には片頭ピストン22が
収容されている。片頭ピストン22の首部22aには一
対のシュー23が嵌入されている。斜板15の周縁部は
両シュー23間に入り込み、斜板15の両面には両シュ
ー23の端面が接する。従って、斜板15の回転運動が
シュー23を介して片頭ピストン22の前後往復揺動に
変換され、片頭ピストン22がシリンダボア1a内を前
後動する。
【0020】図1及び図3に示すようにリヤハウジング
3内には吸入室3a及び吐出室3bが区画形成されてい
る。バルブプレート4上には吸入ポート4a及び吐出ポ
ート4bが形成されている。弁形成プレート5A上には
吸入弁5aが形成されており、弁形成プレート5B上に
は吐出弁5bが形成されている。吸入室3a内の冷媒ガ
スは片頭ピストン22の復動動作により吸入ポート4a
から吸入弁5aを押し退けてシリンダボア1a内へ流入
する。シリンダボア1a内へ流入した冷媒ガスは片頭ピ
ストン22の往動動作により吐出ポート4bから吐出弁
5bを押し退けて吐出室3bへ吐出される。吐出弁5b
はリテーナ形成プレート6上のリテーナ6aに当接して
開度規制される。
【0021】片頭ピストン22のストロークはクランク
室2a内の圧力とシリンダボア1a内の吸入圧との片頭
ピストン22を介した差圧に応じて変わる。即ち、圧縮
容量を左右する斜板15の傾角が変化する。クランク室
2a内の圧力はリヤハウジング3に取り付けられた容量
制御弁24により制御される。
【0022】吸入室3aは通口4cを介して収容孔13
に連通している。遮断体21が前記閉位置に配置される
と、吸入室3aは吸入通路54から遮断される。吸入通
路54は圧縮機内へ冷媒ガスを導入する入口であり、遮
断体21が吸入通路54から吸入室3aに到る通路上で
遮断する位置は吸入通路54の下流側である。
【0023】回転軸9内には通路59が形成されてい
る。通路59の入口59aはリップシール12の近傍で
クランク室2aに開口しており、通路59の出口59b
は筒状の遮断体21の内部に開口している。図1、図4
及び図5に示すように遮断体21の周面には放圧通口2
1dが貫設されており、フランジ部13aには通路13
bが切り欠き形成されている。図1に示すように斜板傾
角が最大傾角の場合には放圧通口21dは収容孔13と
遮断体21の内部とを連通する。図4に示すように斜板
傾角が最小傾角側にある場合には放圧通口21dは遮断
体21の内部と通口4cとを連通する。即ち、斜板傾角
が最大傾角の場合にはクランク室2aは通路59、遮断
体21内部、放圧通口21d、収容孔13及び通路13
bからなる放圧通路を介して吸入室3aに連通する。斜
板傾角が最小傾角側にある場合にはクランク室2aは通
路59、遮断体21内部及び放圧通口21dからなる放
圧通路を介して吸入室3aに連通する。いずれの場合に
もクランク室2aから吸入室3aへ流れる冷媒ガスは放
圧通口21dで絞り作用を受ける。
【0024】遮断体21の先端壁には絞り孔21cが貫
設されている。遮断体21が前記閉位置にある場合にも
絞り孔21cが吸入通路54と遮断体21内部とを連通
する。従って、遮断体21が前記閉位置にある場合にも
吸入通路54と吸入室3aとは絞り孔21c、遮断体2
1内部及び放圧通口21dを介して連通する。絞り孔2
1cの通過断面積は放圧通口21dの通過断面積よりも
小さくしてある。
【0025】図5〜図7に基づいて容量制御弁24の内
部構成を説明する。ソレノイド25を支持するボビン2
6の中空部にはガイド筒27が固定されており、ガイド
筒27内には固定鉄芯28が収容固定されている。ガイ
ド筒27内には可動鉄芯29が固定鉄芯28に対して接
離可能に収容されている。固定鉄芯28と可動鉄芯29
との間には弁開放強制ばね30が介在されている。可動
鉄芯29は弁開放強制ばね30のばね作用によって固定
鉄芯28から離間する方向へ付勢されている。
【0026】ボビン26にはバルブハウジング31が連
結部材32を介して結合固定されており、バルブハウジ
ング31内には球状の弁体33が収容されている。バル
ブハウジング31には吐出圧導入ポート31a、吸入圧
導入ポート31b及び制御ポート31cが設けられてい
る。吐出圧導入ポート31aは吐出圧導入通路34を介
して吐出室3bに連通している。吸入圧導入ポート31
bは吸入圧導入通路35を介して吸入通路54に連通し
ており、制御ポート31cは制御通路37を介してクラ
ンク室2aに連通している。制御通路37の出口は斜板
15の周縁部付近を指向している。
【0027】バルブハウジング31内のばね受け38と
弁体33との間には復帰ばね39及び弁支持座40が介
在されており、弁体33は弁孔31dを閉塞する方向へ
復帰ばね39のばね作用を受ける。
【0028】吸入圧導入ポート31bに通じる吸入圧検
出室43にはベローズ金具44が可動鉄芯29に固着し
た状態で収容されている。ベローズ金具44とばね受け
45とはベローズ46によって連結しており、ベローズ
金具44とばね受け45との間にはばね47が介在され
ている。ばね受け45には伝達ロッド48が止着されて
おり、その先端が弁体33に当接している。弁体33は
吸入圧検出室43内の吸入圧の変動に応じて弁孔31d
を開閉する。弁孔31dが閉塞されると吐出圧導入ポー
ト31aと制御ポート31cとの連通が遮断される。
【0029】吸入室3a内へ冷媒ガスを導入する吸入通
路54と、吐出室3bから冷媒ガスを排出する排出口1
cとは外部冷媒回路49で接続されている。外部冷媒回
路49上には凝縮器50、膨張弁51及び蒸発器52が
介在されている。膨張弁51は蒸発器52の出口側のガ
ス圧の変動に応じて冷媒流量を制御する。
【0030】ソレノイド25は制御コンピュータCの励
消磁制御を受ける。制御コンピュータCは空調装置作動
スイッチ57のONあるいはアクセルスイッチ58のO
FFによってソレノイド25を励磁し、空調装置作動ス
イッチ57のOFFあるいはアクセルスイッチ58のO
Nによってソレノイド25を消磁する。図1の状態では
ソレノイド25は励磁状態にある。ソレノイド25の励
磁状態では図5に示すように可動鉄芯29が弁開放強制
ばね30のばね作用に抗して固定鉄芯28に吸着してい
る。
【0031】ソレノイド25が励磁しているとき、ベロ
ーズ46が吸入通路54から吸入圧導入通路34を介し
て導入される吸入圧の変動に応じて変位し、この変位が
伝達ロッド48を介して弁体33に伝えられる。吸入圧
が高い(冷房負荷が大きい)場合には弁体33の弁開度
が小さくなる。クランク室2a内の冷媒ガスは絞り通路
1bを経由して吸入室3aへ流出している。従って、弁
体33の弁開度が小さくなれば吐出室3bから吐出圧導
入通路34、吐出圧導入ポート31a、弁孔31d、制
御ポート31c及び制御通路37という圧力供給通路を
経由してクランク室2aへ流入する冷媒ガス量が少なく
なる。そのため、クランク室2a内の圧力が低下する。
又、シリンダボア1a内の吸入圧も高いため、クランク
室2a内の圧力とシリンダボア1a内の吸入圧との差が
小さくなる。そのため、図1及び図5に示すように斜板
傾角が大きくなる。
【0032】逆に、吸入圧が低い(冷房負荷が小さい)
場合には弁体33の弁開度が大きくなり、吐出室3bか
らクランク室2aへ流入する冷媒ガス量が多くなる。そ
のため、クランク室2a内の圧力が上昇する。又、シリ
ンダボア1a内の吸入圧が低いため、クランク室2a内
の圧力とシリンダボア1a内の吸入圧との差が大きくな
る。そのため、斜板傾角が小さくなる。
【0033】吸入圧が非常に低い(冷房負荷がない)状
態になれば図6に示すように弁体33が最大開度位置に
近づく。又、空調装置作動スイッチ57のOFFあるい
はアクセルスイッチ58のONによってソレノイド25
が消磁すると、図7に示すように可動鉄芯29が弁開放
強制ばね30のばね作用によって固定鉄芯28から離間
し、弁体33が最大開度位置に移行する。図7に示すよ
うな最大開度状態あるいは図6に示すような最大開度に
近い状態では吐出室3bの冷媒ガスがクランク室2aへ
急激流入する。そのため、クランク室2a内の昇圧は迅
速であり、かつクランク室2a内の圧力は最高圧状態と
なり、斜板15の傾角は最小傾角側へ移行する。
【0034】斜板15の傾角が最小傾角側に移行するに
伴い、斜板支持体14が遮断体21側へ移動し、伝達筒
56に当接する。遮断体21側へ移動する斜板支持体1
4は伝達筒56を深溝玉軸受け部材53の内輪53bに
押接する。伝達筒56は斜板支持体14と内輪53bと
の間に挟みこまれるため、伝達筒56は回転軸9と共に
回転することになる。伝達筒56は深溝玉軸受け部材5
3に対して内輪53bにのみ当接しているため、回転軸
9、斜板支持体14、伝達筒56及び内輪53bは一体
的に回転し、斜板支持体14、伝達筒56及び内輪53
bの間で摺接は生じない。
【0035】伝達筒56が深溝玉軸受け部材53に押接
された状態で斜板支持体14がさらに遮断体21側へ移
動すると、遮断体21が位置決め面55側へ押されてゆ
き、遮断体21の小径部21bの先端が位置決め面55
へ接近してゆく。この接近動作により吸入通路54から
吸入室3aに到る間の冷媒ガス通過断面積が徐々に絞ら
れてゆく。この絞り作用が吸入通路54から吸入室3a
への冷媒ガス流入量を徐々に減らしてゆく。そのため、
吸入室3aからシリンダボア1a内へ吸入される冷媒ガ
ス量も徐々に減少してゆき、吐出容量が徐々に減少して
ゆく。その結果、吐出圧が徐々に低下してゆき、圧縮機
におけるトルクが短時間で大きく変動することはない。
【0036】遮断体21の小径部21bの先端が位置決
め面55に当接すると、吸入通路54は絞り孔21c、
遮断体21内部及び放圧通口21dを介して通口4cと
連通する。斜板最小傾角は0°ではないため、斜板傾角
が最小の状態においても吐出シリンダボア1aから吐出
室3bへの吐出は行われている。従って、外部冷媒回路
49の冷媒ガスは絞り孔21dで絞られて吸入室3aへ
流入し、冷媒ガスと共に流動する潤滑油も外部冷媒回路
49から圧縮機内へ還流する。
【0037】シリンダボア1aから吐出室3bへ吐出さ
れた冷媒ガスの一部は外部冷媒回路49へ流出し、一部
は吐出圧導入通路34、制御弁24内の通路及び制御通
路37という圧力供給通路を通ってクランク室2aへ流
入する。クランク室2a内の冷媒ガスは通路59を通っ
て吸入室3aへ流入し、吸入室3a内の冷媒ガスはシリ
ンダボア1a内へ吸入されて吐出室3bへ吐出される。
即ち、斜板傾角が最小状態では、吐出室3b、吐出圧導
入通路34、制御弁24内の通路、制御通路37、クラ
ンク室2a、通路59、吸入室3a、シリンダボア1a
という循環通路が圧縮機内にできており、吐出室3b、
クランク室2a及び吸入室3aの間では圧力差が生じて
いる。
【0038】外部冷媒回路49から絞り通路21cを経
由して吸入室3aに流入した冷媒ガスはシリンダボア1
aに吸入されて吐出室3bへ吐出される。従って、外部
冷媒回路49から圧縮機内へ流入した冷媒ガスの一部は
前記循環経路へも流入する。従って、片頭ピストン22
とシリンダボア1aとの間の摺接部位のみならずクラン
ク室2a内における斜板15とシュー23との間の摺接
部位、深溝玉軸受け部材7、回転軸9と斜板支持体14
との間の摺接部位等に過熱が防止される。又、外部冷媒
回路49からの潤滑油の還流により潤滑油不足も解消さ
れる。従って、圧縮機内の摺接部位の早期劣化が防止さ
れる。
【0039】地表面近くでは相対湿度が100%になる
ことは殆ど有り得ないため、外部冷媒回路49を流れる
冷媒流量が少量であれば蒸発器52におけるフロスト発
生は起こらない。絞り孔21cはこの冷媒流量を規定す
るものであり、絞り孔21cの通過断面積を適正設定す
ることにより斜板傾角最小状態においてもフロスト発生
のおそれなく外部冷媒回路49内で冷媒を流すことがで
きる。従って、圧縮機の耐久性能を向上することができ
る。
【0040】図6の状態から冷房負荷が増大して吸入圧
が上昇した場合、この吸入圧の上昇は吸入通路54から
吸入圧検出室43へ波及する。従って、ベローズ46が
縮小変位し、弁体33が弁孔31dを閉塞する。あるい
は図7の状態から空調装置作動スイッチ57がON又は
アクセルスイッチ58がONすると、ソレノイド25が
励磁し、可動鉄芯29が固定鉄芯28に吸入される。従
って、ベローズ46は吸入通路54から吸入圧検出室4
3へ波及している吸入圧によって縮小変位し、弁体33
が弁孔31dを閉塞する。
【0041】吐出室3b、クランク室2a及び吸入室3
aの間では圧力差がある。そのため、弁体33が弁孔3
1dを閉塞すると、クランク室2a内の圧力が低下し、
斜板傾角が最小傾角から増大する。この傾角増大によっ
て斜板支持体14が遮断体21から離間する方向へ移動
するが、遮断体21は吸入通路開放ばね36のばね力に
よって斜板支持体14の移動に追随し、小径部21bの
先端が位置決め面55から離間する。この離間動作によ
り吸入通路54から吸入室3aに到る間の冷媒ガス通過
断面積が徐々に拡大してゆく。この徐々に行われる通過
断面積拡大が吸入通路54から吸入室3aへの冷媒ガス
流入量を徐々に増やしてゆく。そのため、吸入室3aか
らシリンダボア1a内へ吸入される冷媒ガス量も徐々に
増大してゆき、吐出容量が徐々に増大してゆく。その結
果、吐出圧が徐々に増大してゆき、圧縮機におけるトル
クが短時間で大きく変動することはない。
【0042】本発明は勿論前記実施例にのみ限定される
ものではなく、例えば図8に示すように遮断体21の先
端面に絞り溝21eを切り欠き形成し、遮断体21が前
記閉位置にあるときには吸入通路54と通口4cとが絞
り溝21eを介して連通するようにしてもよい。
【0043】あるいは図9に示すように吸入室3aと吸
入通路54とを隔てる壁に絞り孔41を貫設してもよ
い。図10に示すように吸入室3aと吸入通路54とを
隔てる壁に焼結金属製あるいはセラミックス製の多孔質
材料からなる絞り壁42を設けてもよい。
【0044】さらに本発明では、図11に示すように遮
断体21Aの先端側の外周面をテーパ周面21fとし、
斜板傾角が最小のときにも収容孔13Aの周面と遮断体
21Aの周面との間にクリアランス60が生じるように
した実施例も可能である。トルク変動の緩和はテーパ周
面21fと収容孔13Aの周面との間の絞り作用によっ
て達成される。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、斜板の傾
動の少なくとも一部に遮断体のスライドを連動させ、前
記遮断体が前記閉位置にあるときには斜板の傾角を零で
はない最小傾角に保持するようにしたので、吐出圧の急
激な変動を防止してトルク変動を抑制し得るという優れ
た効果を奏する。又、遮断体が閉位置にあるときにも吸
入通路と前記吸入室とを絞り流路で連通したので、フロ
スト発生のおそれなく圧縮機内の摺接部位の早期劣化を
防止し得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を具体化した実施例の圧縮機全体の側
断面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 図1のB−B線断面図である。
【図4】 斜板傾角が最小状態にある圧縮機全体の側断
面図である。
【図5】 遮断体が開位置にある要部拡大断面図であ
る。
【図6】 遮断体が閉位置にある要部拡大断面図であ
る。
【図7】 遮断体が閉位置にあり、ソレノイドが消磁状
態にある要部拡大断面図である。
【図8】 別例を示す要部拡大断面図である。
【図9】 別例を示す要部拡大断面図である。
【図10】別例を示す要部拡大断面図である。
【図11】別例を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
2a…クランク室、3a…吸入室、3b…吐出室、9…
回転軸、14…斜板支持体、15…斜板、21…遮断
体、21c…絞り流路となる絞り孔、55…遮断体によ
って遮断される位置となる位置決め面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横野 智彦 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 27/08 F04B 27/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クランク室、吸入室、吐出室及びこれら各
    室を接続するシリンダボアを区画形成し、シリンダボア
    内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウジ
    ング内の回転軸上に回転支持体を止着し、この回転支持
    体上に斜板を傾動可能に支持し、クランク室内の圧力と
    吸入圧との片頭ピストンを介した差により斜板の傾角を
    制御し、吐出圧領域とクランク室とを接続する圧力供給
    通路を介して吐出圧領域の圧力をクランク室に供給する
    と共に、この圧力供給を吸入圧に感応する容量制御弁で
    制御し、クランク室と吸入圧領域とを接続する放圧通路
    を介してクランク室の圧力を吸入圧領域に放出してクラ
    ンク室内の調圧を行なうクラッチレス片側ピストン式可
    変容量圧縮機において、 外部冷媒回路から前記吸入室へ冷媒ガスを導入するため
    の吸入通路を閉塞する閉位置と前記吸入通路を開放する
    開位置とに切り換え可能に前記回転軸上に遮断体をスラ
    イド可能かつ相対回転可能に支持し、前記斜板の傾動の
    少なくとも一部に遮断体のスライドを連動させ、前記遮
    断体が前記閉位置にあるときには斜板の傾角を零ではな
    い最小傾角に保持し、前記遮断体が前記閉位置にあると
    きに前記吸入通路と前記吸入室とを絞り流路で連通した
    クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機。
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