JPH10139745A - ジメチルホルムアミドの精製方法 - Google Patents
ジメチルホルムアミドの精製方法Info
- Publication number
- JPH10139745A JPH10139745A JP29374796A JP29374796A JPH10139745A JP H10139745 A JPH10139745 A JP H10139745A JP 29374796 A JP29374796 A JP 29374796A JP 29374796 A JP29374796 A JP 29374796A JP H10139745 A JPH10139745 A JP H10139745A
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- JP
- Japan
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- dimethylformamide
- formic acid
- methanol
- methyl formate
- heat treatment
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- Pending
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】高純度のジメチルホルムアミドを、簡単な操作
で得る方法を提供すること。 【解決手段】粗ジメチルホルムアミドからメタノ−ルの
大部分を留去した缶出分を加熱処理し、残余のメタノ−
ルと不純分蟻酸を反応させ、蟻酸メチルとして分離除去
する。
で得る方法を提供すること。 【解決手段】粗ジメチルホルムアミドからメタノ−ルの
大部分を留去した缶出分を加熱処理し、残余のメタノ−
ルと不純分蟻酸を反応させ、蟻酸メチルとして分離除去
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジメチルホルムアミド中
に含まれる不純分を分離回収し、高収率にて高純度のジ
メチルホルムアミドを製造する方法に関するものであ
る。更に詳しくは、ジメチルアミンと蟻酸メチルとから
製造された粗ジメチルホルムアミドの精製に際し、微量
に含まれる蟻酸を簡単な操作で分離回収する方法を提供
するものである。
に含まれる不純分を分離回収し、高収率にて高純度のジ
メチルホルムアミドを製造する方法に関するものであ
る。更に詳しくは、ジメチルアミンと蟻酸メチルとから
製造された粗ジメチルホルムアミドの精製に際し、微量
に含まれる蟻酸を簡単な操作で分離回収する方法を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】ジメチルホルムアミドはポリアクリロニ
トリル、ポリウレタン製造用の溶剤や医薬品等種々の有
機合成用の溶媒として使用され、工業的に極めて有用な
物質である。これらの用途においてはジメチルホルムア
ミドの加水分解生成物であるジメチルアミンと蟻酸の存
在が障害となる。特に、蟻酸は近年益々その含有量の低
いものが要求されつつある。
トリル、ポリウレタン製造用の溶剤や医薬品等種々の有
機合成用の溶媒として使用され、工業的に極めて有用な
物質である。これらの用途においてはジメチルホルムア
ミドの加水分解生成物であるジメチルアミンと蟻酸の存
在が障害となる。特に、蟻酸は近年益々その含有量の低
いものが要求されつつある。
【0003】蟻酸はジメチルホルムアミドと最高沸点共
沸を形成するため、通常の蒸留操作のみによって高純度
の製品を高収率で得ることは難しく、これまでにも以下
に示すような種々の蟻酸除去法が考案されている。 アルカリを添加する方法(特公昭42−12403
号、特公昭44−6802号、特開昭44−6802
号、特開昭52−151113号、特公平1−2705
8号) アルカリ金属のアルコラ−トを添加する方法(特公昭
54−1684号) アミン類を加える方法(特公昭48−7608号、特
公昭58−574219号) しかしながら、アルカリを加える方法は処理の過程で
ジメチルホルムアミドの分解ロスを生じると共に生成す
る塩の煩雑な固液分離操作を伴い好ましくない。また、
アルカリ金属のアルコラ−トを用いる方法も生成する
蟻酸塩の分離操作を省くことはできない。また、アミ
ン類を加える方法は高温高圧操作を含み、分離回収のた
めの操作に煩雑さを伴い、高い温度による変質反応も避
けがたい。等種々の欠点を有していた。
沸を形成するため、通常の蒸留操作のみによって高純度
の製品を高収率で得ることは難しく、これまでにも以下
に示すような種々の蟻酸除去法が考案されている。 アルカリを添加する方法(特公昭42−12403
号、特公昭44−6802号、特開昭44−6802
号、特開昭52−151113号、特公平1−2705
8号) アルカリ金属のアルコラ−トを添加する方法(特公昭
54−1684号) アミン類を加える方法(特公昭48−7608号、特
公昭58−574219号) しかしながら、アルカリを加える方法は処理の過程で
ジメチルホルムアミドの分解ロスを生じると共に生成す
る塩の煩雑な固液分離操作を伴い好ましくない。また、
アルカリ金属のアルコラ−トを用いる方法も生成する
蟻酸塩の分離操作を省くことはできない。また、アミ
ン類を加える方法は高温高圧操作を含み、分離回収のた
めの操作に煩雑さを伴い、高い温度による変質反応も避
けがたい。等種々の欠点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術によれば、煩
雑な操作を有し、ジメチルホルムアミドの熱変質による
ロスを伴うなど、満足すべきものではない。本発明はか
かる従来技術の欠点を解決し、高純度のジメチルホルム
アミドを簡単な操作によって生産しうる方法を提供する
ために成されたものである。
雑な操作を有し、ジメチルホルムアミドの熱変質による
ロスを伴うなど、満足すべきものではない。本発明はか
かる従来技術の欠点を解決し、高純度のジメチルホルム
アミドを簡単な操作によって生産しうる方法を提供する
ために成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高純度の
ジメチルホルムアミドを得るため鋭意研究を進め、簡単
な操作によって蟻酸を分離回収できる方法を見出し、本
発明を成すに至った。
ジメチルホルムアミドを得るため鋭意研究を進め、簡単
な操作によって蟻酸を分離回収できる方法を見出し、本
発明を成すに至った。
【0006】ジメチルアミンと蟻酸メチルとから製造さ
れた粗ジメチルホルムアミドには、少量の未反応原料お
よび副生する等モルのメタノ−ルと微量の蟻酸を有す
る。この粗ジメチルホルムアミドからメタノ−ルの大部
分を留去した缶出分を加熱処理し、残余のメタノ−ルと
蟻酸を反応させ、蟻酸メチルとして分離除去する。
れた粗ジメチルホルムアミドには、少量の未反応原料お
よび副生する等モルのメタノ−ルと微量の蟻酸を有す
る。この粗ジメチルホルムアミドからメタノ−ルの大部
分を留去した缶出分を加熱処理し、残余のメタノ−ルと
蟻酸を反応させ、蟻酸メチルとして分離除去する。
【0007】
【発明の実施の形態】詳しくは、ジメチルアミンと蟻酸
メチルとから製造された粗ジメチルホルムアミドからメ
タノ−ルの大部分を蒸留分離し、メタノ−ル濃度2〜1
0%、好ましくは2〜7%のジメチルホルムアミド留分
を得る。このジメチルホルムアミド留分を100〜15
0℃、好ましくは110〜150℃において、5〜18
0分間、好ましくは15〜60分間加熱処理し、蟻酸分
とメタノ−ルを反応させ、蟻酸メチルとして分離除去
し、実質的に蟻酸を含まないジメチルホルムアミドが製
造出来る。
メチルとから製造された粗ジメチルホルムアミドからメ
タノ−ルの大部分を蒸留分離し、メタノ−ル濃度2〜1
0%、好ましくは2〜7%のジメチルホルムアミド留分
を得る。このジメチルホルムアミド留分を100〜15
0℃、好ましくは110〜150℃において、5〜18
0分間、好ましくは15〜60分間加熱処理し、蟻酸分
とメタノ−ルを反応させ、蟻酸メチルとして分離除去
し、実質的に蟻酸を含まないジメチルホルムアミドが製
造出来る。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、新たな成分を添加する
ことなく、簡単な処理を行うだけで、実質的に蟻酸を含
まない高純度ジメチルホルムアミドを製造することが出
来る。これにより、従来技術による蟻酸除去法に於ける
欠点を回避し、低コストで高純度のジメチルホルムアミ
ドを製造することができる。
ことなく、簡単な処理を行うだけで、実質的に蟻酸を含
まない高純度ジメチルホルムアミドを製造することが出
来る。これにより、従来技術による蟻酸除去法に於ける
欠点を回避し、低コストで高純度のジメチルホルムアミ
ドを製造することができる。
【0009】
【実施例】以下実施例により、本発明をさらに具体的に
説明する。
説明する。
【0010】実施例1 ジメチルアミンと蟻酸メチルとから製造されたジメチル
ホルムアミド合成液から、メタノ−ルの大部分を蒸留分
離してメタノ−ル濃度2.5%である粗ジメチルホルム
アミドを得た。この粗ジメチルホルムアミド150g
を、水冷還流冷却器を付した300ml三つ口フラスコ
に採取し、145℃にて60分間加熱処理した。加熱処
理後の残留物をイオンクロマト分析した結果、蟻酸分は
加熱前の7ppmから1ppm以下に減少した。
ホルムアミド合成液から、メタノ−ルの大部分を蒸留分
離してメタノ−ル濃度2.5%である粗ジメチルホルム
アミドを得た。この粗ジメチルホルムアミド150g
を、水冷還流冷却器を付した300ml三つ口フラスコ
に採取し、145℃にて60分間加熱処理した。加熱処
理後の残留物をイオンクロマト分析した結果、蟻酸分は
加熱前の7ppmから1ppm以下に減少した。
【0011】実施例2 加熱時間を180分間とした他は実施例1と同様な操作
を行った。加熱処理後の残留物中の蟻酸分は、1ppm
であった。
を行った。加熱処理後の残留物中の蟻酸分は、1ppm
であった。
【0012】実施例3 加熱時間を15分間とした他は実施例1と同様な操作を
行った。加熱処理後のの残留物中の蟻酸分は、検出され
なかった。
行った。加熱処理後のの残留物中の蟻酸分は、検出され
なかった。
【0013】実施例4 メタノ−ルを蒸留分離した後の残存メタノ−ル濃度が
3.0%である粗ジメチルホルムアミドを用いて、14
2℃で加熱処理した他は実施例1と同様な操作を行っ
た。加熱処理後の残留物中の蟻酸分は、検出されなかっ
た。
3.0%である粗ジメチルホルムアミドを用いて、14
2℃で加熱処理した他は実施例1と同様な操作を行っ
た。加熱処理後の残留物中の蟻酸分は、検出されなかっ
た。
【0014】比較例1 メタノ−ルを蒸留分離した後の残存メタノ−ル濃度が
0.5%である粗ジメチルホルムアミドを用いて、15
0℃で加熱処理した他は実施例1と同様な操作を行っ
た。加熱処理後の残留物中の蟻酸分は、4ppmであっ
た。
0.5%である粗ジメチルホルムアミドを用いて、15
0℃で加熱処理した他は実施例1と同様な操作を行っ
た。加熱処理後の残留物中の蟻酸分は、4ppmであっ
た。
【0015】比較例2 メタノ−ルを蒸留分離せず、30%のメタノ−ルを含有
する粗ジメチルホルムアミドを用いて、84℃で加熱処
理した他は、実施例1と同様な操作を行った。加熱処理
後の残留物中の蟻酸分の減少はなかった。
する粗ジメチルホルムアミドを用いて、84℃で加熱処
理した他は、実施例1と同様な操作を行った。加熱処理
後の残留物中の蟻酸分の減少はなかった。
【0016】比較例3 オ−トクレ−ブを用いた密閉容器で0.16MPaの圧
力下加熱処理温度を163℃とした他は、実施例1と同
様な操作を行った。加熱処理後の液中の蟻酸分は、3p
pmであった。
力下加熱処理温度を163℃とした他は、実施例1と同
様な操作を行った。加熱処理後の液中の蟻酸分は、3p
pmであった。
Claims (4)
- 【請求項1】蟻酸を含むジメチルホルムアミドをメタノ
ールの存在下に加熱して、蟻酸を蟻酸メチルに転化する
ことを特徴とするジメチルホルムアミドの精製方法。 - 【請求項2】ジメチルホルムアミドがジメチルアミンと
蟻酸メチルとから製造されたものである請求項1記載の
方法。 - 【請求項3】ジメチルホルムアミド中のメタノ−ルの存
在量が1〜10重量%である請求項1または2記載の方
法。 - 【請求項4】加熱温度が100〜160℃、加熱時間が
5〜180分間である請求項1、2または3記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29374796A JPH10139745A (ja) | 1996-11-06 | 1996-11-06 | ジメチルホルムアミドの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29374796A JPH10139745A (ja) | 1996-11-06 | 1996-11-06 | ジメチルホルムアミドの精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10139745A true JPH10139745A (ja) | 1998-05-26 |
Family
ID=17798721
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29374796A Pending JPH10139745A (ja) | 1996-11-06 | 1996-11-06 | ジメチルホルムアミドの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10139745A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106831471A (zh) * | 2017-01-20 | 2017-06-13 | 福州大学 | 一种脱除少量醋酸或甲酸并精制dmf的方法 |
-
1996
- 1996-11-06 JP JP29374796A patent/JPH10139745A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106831471A (zh) * | 2017-01-20 | 2017-06-13 | 福州大学 | 一种脱除少量醋酸或甲酸并精制dmf的方法 |
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