JP2863296B2 - ジペンタエリスリトールの製造方法 - Google Patents
ジペンタエリスリトールの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ジペンタエリスリトールの製造方法に関
し、詳しくは、酸触媒を用いたペンタエリスリトールの
脱水縮合反応により、ジペンタエリスリトール(以下、
D−PEと略記する)を合成する方法に関するものであ
る。
し、詳しくは、酸触媒を用いたペンタエリスリトールの
脱水縮合反応により、ジペンタエリスリトール(以下、
D−PEと略記する)を合成する方法に関するものであ
る。
[従来技術] D−PEはペンタエリスリトール(以下、PEと略記す
る)の合成反応の際、すなわちアルカリの存在下ホルム
アルデヒドとアセトアルデヒドとを反応させPEを生成さ
せる際に副生するものであり、これを分離精製すること
によって得ているのが一般的な方法である。この反応に
おいてD−PEの副生率を増大させるには、 (1)反応系への仕込みアセトアルデヒドに対するホル
ムアルデヒドのモル比を理論モル比である4より小さく
する。
る)の合成反応の際、すなわちアルカリの存在下ホルム
アルデヒドとアセトアルデヒドとを反応させPEを生成さ
せる際に副生するものであり、これを分離精製すること
によって得ているのが一般的な方法である。この反応に
おいてD−PEの副生率を増大させるには、 (1)反応系への仕込みアセトアルデヒドに対するホル
ムアルデヒドのモル比を理論モル比である4より小さく
する。
(2)ホルムアルデヒド、アセトアルデビド、およびア
ルカリ剤の濃度を高くして反応を行う。
ルカリ剤の濃度を高くして反応を行う。
(3)ホルムアルデヒド水溶液にPEを添加溶解せしめて
おいて反応を行う。
おいて反応を行う。
等の方法が提案され、しかし、(1)と(2)の方法は
PEとD−PEの合計収率が悪く、更に主生成物であるPEの
品質が悪いことからこれらの改良法として、 (4)ホルムアルデヒド、アルカリ、アセトアルデヒド
の一部を予め仕込んでおき、そこにホルムアルデヒド、
アルカリ、アセトアルデヒドを各々の理論モル比以上を
保って、且つ反応温度を50℃以下に保って同時に滴下
し、反応させる方法(特公平1−44689)が提案されて
いる。
PEとD−PEの合計収率が悪く、更に主生成物であるPEの
品質が悪いことからこれらの改良法として、 (4)ホルムアルデヒド、アルカリ、アセトアルデヒド
の一部を予め仕込んでおき、そこにホルムアルデヒド、
アルカリ、アセトアルデヒドを各々の理論モル比以上を
保って、且つ反応温度を50℃以下に保って同時に滴下
し、反応させる方法(特公平1−44689)が提案されて
いる。
又、PEを燐酸、硫酸などを用いてポリペンタエリスリ
トールを合成する方法も知られている。(USP 246204
7) しかしながら、上記のアセトアルデヒドとホルムアル
デヒドの反応によるD−PEの製造法には、なお次の問題
がある。
トールを合成する方法も知られている。(USP 246204
7) しかしながら、上記のアセトアルデヒドとホルムアル
デヒドの反応によるD−PEの製造法には、なお次の問題
がある。
副生する蟻酸ソーダ、ビスペンタエリスリトールモノ
ホルマール、過剰なホルムアルデヒドあるいはアセトア
ルデヒド・ホルムアルデヒドの自己縮合物等の不純物か
らPE、D−PEを分離回収せねばならず、精製工程が複雑
なものとなる。
ホルマール、過剰なホルムアルデヒドあるいはアセトア
ルデヒド・ホルムアルデヒドの自己縮合物等の不純物か
らPE、D−PEを分離回収せねばならず、精製工程が複雑
なものとなる。
D−PEの生産可能量はPEの生産量に依存し、PEの10〜
15%が限界であり、最近の需要増大に対応できない。
15%が限界であり、最近の需要増大に対応できない。
一方、PEから燐酸、硫酸等を用いてポリペンタエリス
リトール混合物を合成する公知の方法については、D−
PEを選択的に合成する手段は述べられていない。
リトール混合物を合成する公知の方法については、D−
PEを選択的に合成する手段は述べられていない。
本発明者等の知見によれば、酸触媒を用いてPEを脱水
縮合させるとD−PEが生成するが、生成D−PEは逐次的
にトリペンタエリスリトール(以下、T−PEと略記す
る)、さらには高分子量のポリペンタエリスリロールに
変化する。あるいは分子内縮合物が生成したりしてこの
ままでは実用化できるものではない。そこで本発明者ら
は先に酸触媒の存在下、PEを温度200〜260℃の液相溶融
状態で縮合反応させ、PEの転化率が25%となる前に反応
液の温度を195℃以下に低下させ、PEの一部を結晶化せ
しめて、D−PEの濃度を高めた反応液を取り出す方法を
提案した。
縮合させるとD−PEが生成するが、生成D−PEは逐次的
にトリペンタエリスリトール(以下、T−PEと略記す
る)、さらには高分子量のポリペンタエリスリロールに
変化する。あるいは分子内縮合物が生成したりしてこの
ままでは実用化できるものではない。そこで本発明者ら
は先に酸触媒の存在下、PEを温度200〜260℃の液相溶融
状態で縮合反応させ、PEの転化率が25%となる前に反応
液の温度を195℃以下に低下させ、PEの一部を結晶化せ
しめて、D−PEの濃度を高めた反応液を取り出す方法を
提案した。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記の酸触媒の存在下、PEの縮合反応
によるD−PE製造法には、なお次の問題がある。PEを液
相溶融状態で反応させる為、必然的に反応温度は反応混
合物の融点以上となり、特に反応初期には240℃以上の
高温となる。反応の進行と共に、温度を下げることは可
能であるが、この初期の高温のためかT−PE以外の不純
物の副生が大きくなってしまう。反応後、未反応のPEの
一部を結晶化せしめ、D−PEの濃度を高めた反応液を取
り出す方法に於いては、PEとD−PEの共晶組成(D−PE
/PE=20/80)の融点185℃程度での濾過操作となる。こ
のような高温で、温度管理を厳密にして濾過を行うこと
はかなり難しく、濾過操作中にフィルターの目詰まりを
生じたり、あるいはD−PEの濃縮が不十分となりやす
い。又、生成D−PEの回収率も満足なものではなく、D
−PEの濃度も20%以上に高くすることは出来ない。
によるD−PE製造法には、なお次の問題がある。PEを液
相溶融状態で反応させる為、必然的に反応温度は反応混
合物の融点以上となり、特に反応初期には240℃以上の
高温となる。反応の進行と共に、温度を下げることは可
能であるが、この初期の高温のためかT−PE以外の不純
物の副生が大きくなってしまう。反応後、未反応のPEの
一部を結晶化せしめ、D−PEの濃度を高めた反応液を取
り出す方法に於いては、PEとD−PEの共晶組成(D−PE
/PE=20/80)の融点185℃程度での濾過操作となる。こ
のような高温で、温度管理を厳密にして濾過を行うこと
はかなり難しく、濾過操作中にフィルターの目詰まりを
生じたり、あるいはD−PEの濃縮が不十分となりやす
い。又、生成D−PEの回収率も満足なものではなく、D
−PEの濃度も20%以上に高くすることは出来ない。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、前記問題点を解決するため鋭意研究を
行い、酸触媒を用いてPEの脱水縮合反応を行うに際し、
D−PE生成の後逐次的に生成するT−PEの濃度が上昇す
る前に反応液温度を下げ、反応を停止させるとともにPE
の一部を結晶化させ、D−PEが濃縮された反応液を取り
出すという方法を極性溶剤の存在下に行えば、反応での
不純物副生が低減し、またD−PEが濃縮された反応液を
取り出す濾過操作が容易になるとともに、D−PEの濃縮
がより進むことを見いだし、本発明を完成させたもので
ある。
行い、酸触媒を用いてPEの脱水縮合反応を行うに際し、
D−PE生成の後逐次的に生成するT−PEの濃度が上昇す
る前に反応液温度を下げ、反応を停止させるとともにPE
の一部を結晶化させ、D−PEが濃縮された反応液を取り
出すという方法を極性溶剤の存在下に行えば、反応での
不純物副生が低減し、またD−PEが濃縮された反応液を
取り出す濾過操作が容易になるとともに、D−PEの濃縮
がより進むことを見いだし、本発明を完成させたもので
ある。
即ち、本発明のジペンタエリスリトールの製造方法
は、酸触媒によりペンタエリスリトールを液相状態で縮
合反応させジペンタエリスリトールを合成するに際し、
極性溶剤の存在下に於いて反応を行い、ペンタエリスリ
トールの転化率が25%以上となる前に、反応液の温度を
低下させペンタエリスリトールの一部を結晶化させて、
ジペンタエリスリトールの濃度を高めた反応液を取り出
すことを特徴とするものである。
は、酸触媒によりペンタエリスリトールを液相状態で縮
合反応させジペンタエリスリトールを合成するに際し、
極性溶剤の存在下に於いて反応を行い、ペンタエリスリ
トールの転化率が25%以上となる前に、反応液の温度を
低下させペンタエリスリトールの一部を結晶化させて、
ジペンタエリスリトールの濃度を高めた反応液を取り出
すことを特徴とするものである。
本発明で用いられる極性溶剤とは、双極子モーメント
を持つ分子からなる溶媒をいい、その誘電率は常温で15
以上のものである。例えば、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、トリブチルフォスフェート、スル
ホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、水等
である。この内、沸点が高く酸に対し安定なスルホンラ
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンも好ましい
が、驚くべきことには水が反応に於いても、反応後のD
−PEを濃縮し回収する工程に於いても、優れていること
が判明した。
を持つ分子からなる溶媒をいい、その誘電率は常温で15
以上のものである。例えば、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、トリブチルフォスフェート、スル
ホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、水等
である。この内、沸点が高く酸に対し安定なスルホンラ
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンも好ましい
が、驚くべきことには水が反応に於いても、反応後のD
−PEを濃縮し回収する工程に於いても、優れていること
が判明した。
反応でのこれら極性溶剤の使用量は、反応液に対し5
〜70%程度であるが、10〜30%程度が更に好ましい。
〜70%程度であるが、10〜30%程度が更に好ましい。
本発明で用いられる酸触媒とはアルコールの脱水縮合
反応に通常触媒として用いられている物質をいい、触媒
講座第8巻278頁、表13・3にその例が挙げられてい
る。例えば、燐酸、硫酸等の鉱酸、金属硫酸塩、金属燐
酸塩などの無機塩、モンモリロナイト等の粘土鉱物であ
るが、特に燐酸、金属燐酸塩が好ましい。金属燐酸塩の
金属種としては、例えばAl、B、Fe、Cr、Ti、Cu、Ni、
Zn、Zr等である。
反応に通常触媒として用いられている物質をいい、触媒
講座第8巻278頁、表13・3にその例が挙げられてい
る。例えば、燐酸、硫酸等の鉱酸、金属硫酸塩、金属燐
酸塩などの無機塩、モンモリロナイト等の粘土鉱物であ
るが、特に燐酸、金属燐酸塩が好ましい。金属燐酸塩の
金属種としては、例えばAl、B、Fe、Cr、Ti、Cu、Ni、
Zn、Zr等である。
最適な触媒量は触媒の種類により異なるが、例えば燐
酸では反応液に対し0.01〜3%、好ましくは0.1〜2%
である。少ないと反応速度が小さく、多くなると不純物
の副生が増大する。
酸では反応液に対し0.01〜3%、好ましくは0.1〜2%
である。少ないと反応速度が小さく、多くなると不純物
の副生が増大する。
本反応はPEを液相状態で反応させるものであり反応下
においてPEはすべて液相となっていることが好ましい。
においてPEはすべて液相となっていることが好ましい。
本発明では、極性溶剤の存在下反応を行うことから、
PEがすべて液相溶解状態となる温度は用いる溶剤の種
類、量でかなり異なる。しかし、反応速度、並びに不純
物副生を考慮すると反応温度は180〜230℃程度が適当で
ある。
PEがすべて液相溶解状態となる温度は用いる溶剤の種
類、量でかなり異なる。しかし、反応速度、並びに不純
物副生を考慮すると反応温度は180〜230℃程度が適当で
ある。
このように、PEは酸触媒により脱水縮合反応が起こり
D−PEが生成する。しかし、いったん生成したD−PEか
ら、さらにはより高分子量のポリペンタエリスリトール
が生成し、これら一連の逐次的な副反応を防止すること
は本質的に難しい。この副反応の防止には、反応液中の
D−PE濃度を低くすることが最も効果的であり、従って
本発明ではPEの転化率が25%以上となる前に、反応液温
を下げ反応を停止する。
D−PEが生成する。しかし、いったん生成したD−PEか
ら、さらにはより高分子量のポリペンタエリスリトール
が生成し、これら一連の逐次的な副反応を防止すること
は本質的に難しい。この副反応の防止には、反応液中の
D−PE濃度を低くすることが最も効果的であり、従って
本発明ではPEの転化率が25%以上となる前に、反応液温
を下げ反応を停止する。
ここで、PEの転化率について述べる。商業的に通常入
手し得るPEはD−PEとビスペンタエリスリトールモノホ
ルマール(以下B−PEと略記する)を通常それぞれ3〜
6%程度含んでいて、B−PEは本反応により1分子のB
−PEから2分子のPEと1分子のホルマリンを発生すると
考えられる。従って本発明におけるPEの転化率は反応前
のPEモルとB−PE2倍モルとを合計したものに対する、
反応で消費されたPEモル数の比によって表されるから、 となる。
手し得るPEはD−PEとビスペンタエリスリトールモノホ
ルマール(以下B−PEと略記する)を通常それぞれ3〜
6%程度含んでいて、B−PEは本反応により1分子のB
−PEから2分子のPEと1分子のホルマリンを発生すると
考えられる。従って本発明におけるPEの転化率は反応前
のPEモルとB−PE2倍モルとを合計したものに対する、
反応で消費されたPEモル数の比によって表されるから、 となる。
本発明ではPEの転化率を小さくして反応液中のD−PE
の濃度を低くし、T−PE等の副生を抑えているが、この
ような低濃度の反応液よりD−PEを分離回収することは
困難であり、且つコストの増大を招く。よって本発明で
は反応後に反応液を冷却し、液温を低下させて、液中の
未反応PEの一部を結晶化せしめ、それを固液分離してD
−PEの濃度を高めた反応液を取り出すことにより、前記
の問題を解決することが出来たのである。
の濃度を低くし、T−PE等の副生を抑えているが、この
ような低濃度の反応液よりD−PEを分離回収することは
困難であり、且つコストの増大を招く。よって本発明で
は反応後に反応液を冷却し、液温を低下させて、液中の
未反応PEの一部を結晶化せしめ、それを固液分離してD
−PEの濃度を高めた反応液を取り出すことにより、前記
の問題を解決することが出来たのである。
本操作により、D−PE/PE類の重量比率が0.1程度の液
より0.25以上にD−PEを高めた反応液を回収することが
出来る。(PE類とは、PE、D−PE、T−PEとその他の生
成物の合計を示す)固液分離する際の最適な温度は反応
液の組成、使用する極性溶剤の種類、使用量などで大き
く異なるが40〜160℃程度である。本工程における極性
溶剤の最適使用量は、反応における最適量の10〜30%よ
り大きくする方がろ過の操作性の面から好ましく、全液
量に対し30〜70%程度がよい。
より0.25以上にD−PEを高めた反応液を回収することが
出来る。(PE類とは、PE、D−PE、T−PEとその他の生
成物の合計を示す)固液分離する際の最適な温度は反応
液の組成、使用する極性溶剤の種類、使用量などで大き
く異なるが40〜160℃程度である。本工程における極性
溶剤の最適使用量は、反応における最適量の10〜30%よ
り大きくする方がろ過の操作性の面から好ましく、全液
量に対し30〜70%程度がよい。
D−PEが濃縮された液を取り出す固液分離の方法とし
てはフィルターを用いるのが一般的である。反応器型式
は撹拌槽型回分式、管型流通式等が考えられ、何れの型
式も採用できるが、例えば反応器内部にフィルターを有
する撹拌槽型の反応器を用いれば固液分離の後固相のPE
は反応器内に残り、そのまま次の反応に供することが出
来る利点がある。
てはフィルターを用いるのが一般的である。反応器型式
は撹拌槽型回分式、管型流通式等が考えられ、何れの型
式も採用できるが、例えば反応器内部にフィルターを有
する撹拌槽型の反応器を用いれば固液分離の後固相のPE
は反応器内に残り、そのまま次の反応に供することが出
来る利点がある。
かくしてPEの転化率約13%、反応液中のPE類に対する
D−PE濃度が約10重量%、T−PE濃度が約1重量%の反
応液から、D−PEが約25重量%以上に濃縮された液を得
ることが出来る。こうして得られたD−PEは分別晶析法
等の一般的な分離手段により分離精製して製品となり、
未反応のPEは再び反応器に循環して原料として使用する
ことが出来る。
D−PE濃度が約10重量%、T−PE濃度が約1重量%の反
応液から、D−PEが約25重量%以上に濃縮された液を得
ることが出来る。こうして得られたD−PEは分別晶析法
等の一般的な分離手段により分離精製して製品となり、
未反応のPEは再び反応器に循環して原料として使用する
ことが出来る。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例1 ステンレス鋼製の内容積1、温度計、圧力計、加熱
・撹拌装置、並びに底部にステンレス鋼製5μmメッシ
ュフィルターと液抜き出し口を装備した反応器に原料ペ
ンタエリスリトールを400g、および水を100g仕込んだ。
この原料の組成は、PE91.4重量%(以下、組成は重量%
で表示する)、D−PE3.8%、B−PE4.0%、T−PE0.2
%であった。N2雰囲気下220℃に昇温し、そこに85%燐
酸3.0gを加えて、220℃で140分反応させた。この間、圧
力は8kg/cm2Gを示した。
・撹拌装置、並びに底部にステンレス鋼製5μmメッシ
ュフィルターと液抜き出し口を装備した反応器に原料ペ
ンタエリスリトールを400g、および水を100g仕込んだ。
この原料の組成は、PE91.4重量%(以下、組成は重量%
で表示する)、D−PE3.8%、B−PE4.0%、T−PE0.2
%であった。N2雰囲気下220℃に昇温し、そこに85%燐
酸3.0gを加えて、220℃で140分反応させた。この間、圧
力は8kg/cm2Gを示した。
反応後、反応液の一部を取り出して分析したところ、
PE65.3%、D−PE10.1%、T−PE1.3%、その他の生成
物2.7%であった。B−PEは検出されなかった。
PE65.3%、D−PE10.1%、T−PE1.3%、その他の生成
物2.7%であった。B−PEは検出されなかった。
これより、本反応の成績は転化率13.8%、D−PEの選
択率72.3%であった。次いで、該反応器に水300gをポン
プを用いて1時間で送り、且つ液温を60℃とした。こう
して未反応のPEの一部を結晶化させ液相部を底部のフィ
ルターを通して抜き出した結果、PE18.7%、D−PE8.4
%、T−PE0.9%、その他の生成物2.6%の組成の液を51
8g得た。
択率72.3%であった。次いで、該反応器に水300gをポン
プを用いて1時間で送り、且つ液温を60℃とした。こう
して未反応のPEの一部を結晶化させ液相部を底部のフィ
ルターを通して抜き出した結果、PE18.7%、D−PE8.4
%、T−PE0.9%、その他の生成物2.6%の組成の液を51
8g得た。
これにより、D−PEの回収率は86%、D−PE/PE類の
比率は28%であった。
比率は28%であった。
実施例2 水に代えてスルフォランとした以外は、実施例1と同
様に反応操作を行った。反応終了後、反応液の一部を取
り出して分析したところPE63.4%、D−PE10.8%、T−
PE1.4%、その他の生成物3.4%であった。B−PEは検出
されなかった。
様に反応操作を行った。反応終了後、反応液の一部を取
り出して分析したところPE63.4%、D−PE10.8%、T−
PE1.4%、その他の生成物3.4%であった。B−PEは検出
されなかった。
これより、本反応の成績は転化率16.3%、D−PEの選
択率67.2%であった。次いで該反応器にスルホラン300g
をポンプを用いて1時間送り、且つ液温を150℃とし
た。こうして未反応のPEの一部を結晶化させ、液相部を
底部のフィルターを通して抜き出した結果、PE17.9%、
D−PE8.7%、T−PE1.3%、その他の生成物3.4%の組
成の液を524g得た。
択率67.2%であった。次いで該反応器にスルホラン300g
をポンプを用いて1時間送り、且つ液温を150℃とし
た。こうして未反応のPEの一部を結晶化させ、液相部を
底部のフィルターを通して抜き出した結果、PE17.9%、
D−PE8.7%、T−PE1.3%、その他の生成物3.4%の組
成の液を524g得た。
これより、D−PEの回収率は84%、D−PE/PE類の比
率は28%であった。
率は28%であった。
比較例1 反応時間を200分、反応温度を230℃とした以外は実施
例2と同様に反応して、PE52.2%、D−PE12.3%、T−
PE5.0%、その他の生成物9.3%の組成の反応液を得た。
例2と同様に反応して、PE52.2%、D−PE12.3%、T−
PE5.0%、その他の生成物9.3%の組成の反応液を得た。
本反応の成績は、転化率31.1%、D−PEの選択率42.2
%であった。
%であった。
比較例2 原料のペンタエリスリトールを500g、溶剤は添加しな
いで、85%燐酸量を3gとして、反応温度を最初240℃で1
5分反応させた後、230℃に下げて1時間反応させた。結
果はPE80.7%、D−PE11.4%、T−PE1.3%その他の生
成物5.4%の反応液を得た。
いで、85%燐酸量を3gとして、反応温度を最初240℃で1
5分反応させた後、230℃に下げて1時間反応させた。結
果はPE80.7%、D−PE11.4%、T−PE1.3%その他の生
成物5.4%の反応液を得た。
本反応の成績は、転化率14.8%、D−PE選択率は58.3
%であった。該反応液を、188℃に降温し、液相を抜き
出した結果、PE65.4%、D−PE19.5%、T−PE2.6%、
その他の生成物11.4%の組成の液160gを得た。D−PEの
回収率は55%であった。
%であった。該反応液を、188℃に降温し、液相を抜き
出した結果、PE65.4%、D−PE19.5%、T−PE2.6%、
その他の生成物11.4%の組成の液160gを得た。D−PEの
回収率は55%であった。
実施例3 触媒として燐酸に代え燐酸Tiを10g使用した以外は、
実施例1と同様に反応操作を行った。反応終了後、反応
液の一部を取り出して分析したところ、PE66.7%、D−
PE9.2%、T−PE1.0%、その他の生成物2.4%であっ
た。B−PEは検出されなかった。
実施例1と同様に反応操作を行った。反応終了後、反応
液の一部を取り出して分析したところ、PE66.7%、D−
PE9.2%、T−PE1.0%、その他の生成物2.4%であっ
た。B−PEは検出されなかった。
これより、本反応の成績は転化率12.5%、D−PEの選
択率69.1%であった。次いで反応器に水300gをポンプを
用いて1時間で送り、且つ液温を60℃とした。こうして
未反応のPEの一部を結晶化させ、液相部を底部のフィル
ターを通して抜き出した結果、PE19.7%、D−PE7.8
%、T−PE1.0%、その他の生成物2.0%の組成の液を48
3g得た。
択率69.1%であった。次いで反応器に水300gをポンプを
用いて1時間で送り、且つ液温を60℃とした。こうして
未反応のPEの一部を結晶化させ、液相部を底部のフィル
ターを通して抜き出した結果、PE19.7%、D−PE7.8
%、T−PE1.0%、その他の生成物2.0%の組成の液を48
3g得た。
これより、D−PEの回収率は82%、D−PE/PE類の比
率は25%であった。
率は25%であった。
[発明の効果] 本発明の方法によれば、従来副生的にしか生産できな
かったジペンタエリスリトールを主体的に効率よく生産
する事が出来、トリペンタエリスリトールその他不純物
の濃度が低く精製も容易であり、高品質の製品を得るこ
とが出来て、工業的に極めて有利である。
かったジペンタエリスリトールを主体的に効率よく生産
する事が出来、トリペンタエリスリトールその他不純物
の濃度が低く精製も容易であり、高品質の製品を得るこ
とが出来て、工業的に極めて有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−261736(JP,A) 特開 平4−208242(JP,A) 特開 昭57−139028(JP,A) 特表 平6−501470(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 43/13,41/09,41/40
Claims (1)
- 【請求項1】酸触媒によりペンタエリスリトールを液相
状態で縮合反応させジペンタエリスリトールを合成する
に際し、極性溶剤の存在下に於いて反応を行い、ペンタ
エリスリトールの転化率が25%以上となる前に、反応液
の温度を低下させペンタエリスリトールの一部を結晶化
させて、ジペンタエリスリトールの濃度を高めた反応液
を取り出すことを特徴とするジペンタエリスリトールの
製造方法。
Priority Applications (7)
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---|---|---|---|
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KR1019910701062A KR950001677B1 (ko) | 1990-01-09 | 1991-01-08 | 디펜타에리트리톨의 제조방법 |
DE69111914T DE69111914T2 (de) | 1990-01-09 | 1991-01-08 | Verfahren zur herstellung von dipentaerythritol. |
PCT/JP1991/000004 WO1991010633A1 (en) | 1990-01-09 | 1991-01-08 | Process for producing dipentaerythritol |
US07/741,518 US5254749A (en) | 1990-01-09 | 1991-01-08 | Process for producing dipentaerythritol |
TW080100373A TW264467B (ja) | 1990-01-09 | 1991-01-17 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2268461A JP2863296B2 (ja) | 1990-10-08 | 1990-10-08 | ジペンタエリスリトールの製造方法 |
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---|---|
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JP2863296B2 true JP2863296B2 (ja) | 1999-03-03 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2863296B2 (ja) |
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JPH0616585A (ja) * | 1992-07-01 | 1994-01-25 | Mitsui Toatsu Chem Inc | ジペンタエリスリトールの製造方法 |
JP3368958B2 (ja) * | 1993-12-14 | 2003-01-20 | 三井化学株式会社 | ジペンタエリスリトールの製造方法 |
JP3368957B2 (ja) * | 1993-12-14 | 2003-01-20 | 三井化学株式会社 | ジペンタエリスリトールの製造方法 |
JP6919279B2 (ja) * | 2017-03-31 | 2021-08-18 | 日油株式会社 | トナー用ワックス組成物 |
-
1990
- 1990-10-08 JP JP2268461A patent/JP2863296B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH04145040A (ja) | 1992-05-19 |
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