JPH10138732A - 車両用空調制御装置 - Google Patents

車両用空調制御装置

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JPH10138732A
JPH10138732A JP31885496A JP31885496A JPH10138732A JP H10138732 A JPH10138732 A JP H10138732A JP 31885496 A JP31885496 A JP 31885496A JP 31885496 A JP31885496 A JP 31885496A JP H10138732 A JPH10138732 A JP H10138732A
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JP
Japan
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temperature
air
conditioning
temperature sensor
vehicle
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Application number
JP31885496A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Haraguchi
達夫 原口
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過渡時と定常時とで適切に室内温度情報を収
集し、快適な温冷感を乗員に与えることができる車両用
空調制御装置を提供する。 【解決手段】 車室内上部の空気温度を検出する上部温
度センサと足元の空気温度を検出する下部温度センサと
を設け、車室内が温調過渡時である場合に、上部温度セ
ンサと下部温度センサのうち、乗員の温熱感との相関が
高い側の温度センサによって検出された温度を車室内温
度として用いる。車室内が温調定常時である場合には、
上部温度センサによって検出された温度を車室内温度と
して用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車室内温度を含
む環境情報をコントロールユニットに入力し、予め与え
られたプログラムにより空調機器を制御して車室内を温
調制御する車両用空調制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用空調制御装置は、車室内温
度を検出する室内温度センサをダッシュボード内に配置
するようにしたものが一般的であり、例えば、特開平1
−269646号公報や実公昭57−14087号公報
等にあっては、ダッシュボード内に設けられたアスピレ
ータの吸気通路上流側に室内温度センサを設け、アスピ
レータにて吸引される車室内の空気を常時室内温度セン
サの周囲に流動させることで室温を適切に検出し、この
検出結果を空調制御に利用するようにした点が開示され
ている。
【0003】また、特開昭55−143345号公報に
は、車室の上部と下部の温度をそれぞれ検出してコント
ロールユニットに入力し、コントロールユニットは予め
決められたプログラムに従って上部温度と下部温度との
重み付けを吹出モードに応じて異ならせて代表室温を合
成し、この合成値に基づいて空調機器を制御することで
車室内を温調制御するようにした車両用空調制御装置が
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、 ダッシ
ュボードに1つの温度センサを設置する構成では、車室
内の温度分布にばらつきがあっても、ダッシュボード近
辺の温度(乗員の腹部周辺の温度)で車室内温度が代表
されることとなるので、この温度で空調機器が制御され
ると空調初期の過渡時だけでなく定常時においても乗員
の温冷感にマッチした空調制御が必ずしも行えるとはい
えない。
【0005】例えば、冷房時のベントモード(上部吹
出)を考えると、冷房初期の過渡時にあっては、車室の
頭部周辺(図1のB位置)、腹部周辺(ダッシュボード
付近を示す図1のA位置)、脚部周辺(図1のC位置)
の温度が図5で示されるように変化する。即ち、頭部周
辺の温度が最も早く下がり、次いで腹部周辺の温度が早
く下がり、脚部周辺の温度は最も遅く下がってくる。
【0006】このような過渡時での温度と乗員の温冷感
との相関関係を調べるために、多数の被験者から温冷感
に関する評価値を計測し、これを吹出モード別に被験者
間での値をYi =(Xi−X'i)/σi で規準化し、そ
の平均値を用いた相関係数によって評価すると、図6の
絶対値表記された相関係数(LH,MH)から判るよう
に、頭部周辺の温度が乗員の温冷感と最も相関が高く、
吹出空気が低速風量であれば、脚部周辺が次いで高くな
り、腹部周辺は最も相関が低くなる。また、中速風量で
あれば、頭部、腹部、脚部の順で相関が低くなる。いず
れにしても、乗員の温冷感は頭部周辺の温度と相関が最
も高い。尚、規準化に用いた式中、Yiは被験者iのX
iの規準化した値、Xiは被験者iの評価値、X'iは被
験者iの各条件における評価値の平均値、σi は被験者
iの各条件における評価値の標準偏差をそれぞれ示す。
また、図6で示される相関関係は、冷房、暖房に関係の
ない吹出モード別の相関を示している。
【0007】同様に、暖房時のフットモード(下部吹
出)にあっては、図5に示されるように、暖房初期で
は、脚部周辺の温度が最も早く上がり、次いで腹部周辺
の温度が早く上がり、頭部周辺の温度が最も遅く上がっ
てくる。この場合の過渡時での乗員の温冷感との相関関
係は、図6の実験結果から判るように、脚部周辺温度が
最も相関が高く、頭部周辺の温度が次いで高くなり、腹
部周辺の温度は最も相関が低くなる。
【0008】このため、ダッシュボード近辺の温度(腹
部周辺温度)を空調過渡時の制御に用いる場合ことは、
ともすれば乗員の温冷感との相関が最も低い箇所の温度
で制御することとなり、乗員の温冷感を度外視した制御
が行われてしまうものであった。
【0009】車室内温度、車室外温度、目標温度等の因
子から車室内温度を目標温度に収束させるための必要吹
出温度が演算されるオートエアコンにあっては、必要吹
出温度が高いほど暖房の要請が高いので吹出モードをフ
ットモードとし、低くなるにつれて、バイレベルモー
ド、ベントモードへと吹出モードを切り換える制御が行
われる(図7参照)。このため、自動空調制御での冷房
初期においてはベントモードとなり、暖房初期にはフッ
トモードとなるのが通常であるが、図5においては、冷
房初期に吹出モードがバイレベルモード、デフフットモ
ード、フットモードに設定される場合や、暖房初期に吹
出モードがベントモード、バイレベルモード、デフフッ
トモードに設定される場合の各箇所の温度変化も示され
ている。
【0010】結局、これらを総括すると、過渡時での相
関関係は、図8に示されるように、冷房、暖房を問わ
ず、ベントモードでは頭部周辺温度が乗員の温冷感と相
関が最も高くなり、フットモードでは、脚部周辺温度が
乗員の温冷感と相関が最も高くなることが判る。尚、図
8の過渡時におけるベントモードは、図6のLHに対応
させたものであるが、MHの場合においても、AとCの
相関の順序が入れ替わるだけで頭部周辺温度が乗員の温
冷感と相関が最も高くなることに変わりはない。また、
過渡時のフットモードは、LLに対応させたものである
が、MLで表しても、相関の順序に変わりはない。
【0011】また、空調が開始されてから十分時間が経
過した場合にあっても、冷房時を例にとると、図9
(a)に示されるように、ダッシュボードに温度センサ
が設置される従来の空調装置では、ラインAで示される
ように温度センサの検出温度が目標温度Tset に収束す
るよう制御されるが、吹出モードがベントモードとなっ
ていれば、頭部の温度は目標温度より低くなり、フット
モードとなっていれば、脚部が冷え過ぎとなる。
【0012】同様に、暖房時にあっても、図9(b)に
示されるように、吹出モードがベントモードになってい
れば、頭部の温度は目標温度より高くなり、フットモー
ドになっていれば、脚部が温め過ぎとなる。
【0013】このように、ダッシュボードの温度センサ
Aで制御した場合には、定常時にあっても頭部や脚部の
温度が目標温度から外れることに起因する不快感が存在
することを示している。
【0014】これに対して、後者の従来技術にあって
は、車室上部と下部の温度を検出している点で、車室温
度の上下温の差を考慮しているものであるが、上部吹出
と下部吹出とで重み付けを変えて合成信号を形成し、こ
れに基づいて空調装置を制御する構成となっているに過
ぎず、上述した空調過渡時と定常時の両方において、乗
員の温冷感にマッチした温調制御が必ずしも行えている
とはいえない。
【0015】即ち、過渡時では、吹出モード毎に重み付
けを変えて室内温度を決定することは、上述の結論(ベ
ントモードでは上部温度が温冷感と相関が高く、フット
モードでは下部温度が温冷感と相関が高い)に対応でき
るものと思われるが、定常時にあっては、図8に示され
るように、吹出モードに関係なく頭部周辺の温度と乗員
の温冷感との相関が最も高くなることが確認されてい
る。つまり、定常時にあっては、吹出モード毎に重み付
けを変えて室内温度を決定することで果たして乗員が快
適と感じる温調を実現できるか疑問が残る。
【0016】そこで、本発明においては、空調過渡時に
おいても、定常時においても、乗員が快適と感じる温調
制御を行うには、従来の車室内温度の検出形態と異なる
新たなやり方が必要となることから、過渡時と定常時と
で適切に室内温度情報を収集し、より快適な温冷感を乗
員に与えることができる車両用空調制御装置を提供する
ことを課題としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、 上述の如
く、空調過渡時においては、ベントモードであれば冷暖
房を問わず頭部周辺温度と乗員の温冷感との相関が高
く、フットモードであれば冷暖房を問わず脚部周辺温度
と温冷感との相関が高くなり、また、空調定常時(頭部
周辺温度と脚部周辺温度との差、頭部周辺温度と目標温
度との差、又は脚部周辺温度と目標温度との差が小さく
なる状態)においては、吹出モードに係わらず頭部周辺
温度と温冷感との相関が高くなるという知見に基づき、
本発明を完成するに至った。また、本発明者は、バイレ
ベルモードにおいて、頭部周辺温度と目標温度との差が
脚部周辺温度と目標温度との差より小さい場合には、脚
部周辺温度と温冷感との相関が高くなるという知見から
も本発明を構築するに至った。
【0018】即ち、 本発明にかかる車両用空調制御装置
は、乗員の下半身に空気を吹き出す下部吹出口と、乗員
の上半身に空気を吹き出す上部吹出口とを有し、車室内
温度を含む環境情報を制御ユニットに入力し、予め与え
られたプログラムにより前記環境情報に応じて吹出空気
温度を調節し、選択された前記吹出口から温調空気を車
室に供給するものに係り、車室上部の空気温度を検出す
る第1の温度センサと車室下部の空気温度を検出する第
2の温度センサと、車室内が空調過渡時にあるとみなす
条件にあるか空調定常時にあるとみなす条件にあるかを
判別する空調状態判別手段と、前記判別手段によって前
記空調過渡時にあると判別された場合に、前記第1及び
第2の温度センサのうち、乗員の温冷感との相関が高い
側の温度センサによって検出された温度を前記車室内温
度として用い、前記判別手段によって前記空調定常時で
あると判別された場合に、前記第1の温度センサによっ
て検出された温度を前記車室内温度として用いる温度情
報切替手段とを備えたことを特徴としている(請求項
1)
【0019】このような制御装置によって実現される制
御方法は、車室内が空調過渡時にあるとみなす条件にあ
るか空調定常時にあるとみなす条件にあるかを判別する
工程と、前記判別工程によって前記空調過渡時にあると
判別された場合に、前記第1及び第2の温度センサのう
ち、乗員の温冷感との相関が高い側の温度センサによっ
て検出された温度を前記車室内温度として用いる工程
と、前記判別工程によって前記空調定常時であると判別
された場合に、前記第1の温度センサによって検出され
た温度を前記車室内温度として用いる工程とを含むもの
であり、実際には、車室内が空調過渡時にあるとみなす
条件にあるか空調定常時にあるとみなす条件にあるかを
判別させ、空調過渡時にあると判別された場合に、前記
第1及び第2の温度センサのうち乗員の温冷感との相関
が高い側の温度センサによって検出された温度を入力
し、空調定常時であると判別された場合に、前記第1の
温度センサによって検出された温度を車室内温度として
入力するプログラムが記憶された媒体をコンピュータに
備えることによって実現される。
【0020】したがって、空調過渡時においては、第1
及び第2の温度センサのうち、乗員の温冷感との相関が
高い側の温度センサによって検出された温度信号が制御
ユニットに入力され、予め与えられたプログラムによっ
て吹出空気温度が調節され、この温調された空気が選択
された吹出口から車室へ供給される。
【0021】空調状態判別手段は、第1の温度センサと
第2の温度センサとによって検出されたそれぞれの温度
の差が所定値以上である場合に温調過渡時にあるとみな
し、前記所定値より小さい場合に空調定常時にあるとみ
なすようにしても(請求項2)、第1の温度センサ又は
第2の温度センサとによって検出された温度の変化率が
所定値以上である場合に空調過渡時にあるとみなし、前
記所定値より小さい場合に空調定常時にあるとみなすよ
うにしても(請求項3)、温調が開始されてから所定時
間経過するまでの間を空調過渡時にあるとみなし、前記
所定時間経過後を空調定常時にあるとみなすようにして
もよい(請求項4)。
【0022】さらに、車室内の目標温度を設定する温度
設定部を有し、前記第1の温度センサによって検出され
た温度と前記温度設定部によって設定された温度との
差、又は、前記第2の温度センサによって検出された温
度と前記温度設定部によって設定された温度との差が所
定値以上である場合に温調過渡時にあるとみなし、前記
所定値より小さい場合に温調定常時にあるとみなすよう
にしてもよい(請求項5)。
【0023】温度センサは、車室内の上部又は下部の温
度が実質的に検出できればよく、通常のサーミスタを用
いても、赤外線センサ、IC温度センサ、感温フェライ
ト等を用いてもよい。
【0024】前記第1及び第2の温度センサのうち、乗
員の温冷感との相関が高い側の温度センサによって検出
された温度を前記車室内温度として用いるとは、上部吹
出口と下部吹出口とがベントモードを形成する開度に設
定されている状態で前記空調状態判別手段によって空調
過渡時にあると判別されると、前記第1の温度センサに
よって検出された温度を前記車室内温度として用い、前
記上部吹出口と下部吹出口とがフットモードを形成する
開度に設定されている状態で前記空調状態判別手段によ
って空調過渡時にあると判別されると、前記第2の温度
センサによって検出された温度を前記車室内温度として
用いることであり(請求項6)、さらに、上部吹出口と
下部吹出口とがベントモード又はフットモード以外のモ
ードを形成する開度に設定されている場合に、前記空調
状態判別手段によって空調過渡時にあると判別される
と、前記第1の温度センサによって検出された温度と前
記目標温度との差が前記第2の温度センサによって検出
された温度と前記目標温度との差より小さい場合に前記
第2の温度センサによって検出された温度を前記車室内
温度として用い、大きい場合に前記第1の温度センサに
よって検出された温度を前記車室内温度として用いるこ
とをいう(請求項7)。
【0025】したがって、空調過渡時にベントモードで
あれば、冷暖、暖房に関わらず乗員の温冷感との相関が
高い第1の温度センサの出力が用いられ、その後、定常
時に移行しても第1の温度センサの出力が用いられる。
これに対して、空調過渡時にフットモードであれば、冷
暖、暖房に関わらず乗員の温冷感との相関が高い第2の
温度センサの出力が用いられ、その後、定常時に移行す
ると、相関の高い第1の温度センサの出力が用いられ
る。
【0026】また、空調過渡時がベントモード又はフッ
トモード以外のモードであれば、第1の温度センサによ
って検出された温度と目標温度との差が第2の温度セン
サによって検出された温度と目標温度との差より小さい
場合に第2の温度センサの出力が乗員の温冷感と相関が
高くなることからこの出力が用いられ、逆に大きい場合
には、第1の温度センサの出力が乗員の温冷感と相関が
高くなることからこの出力が用いられる。そして、定常
時に移行すると、相関の高い第1の温度センサの出力が
用いられる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により説明する。図1において、車両用空調制御装置
は、車両のダッシュボード1の内側に配置されているも
のを想定しており、空調ケース2の最上流側に内気導入
口3と外気導入口4とを有するインテーク切替装置5が
設けられ、内気と外気との導入割合がインテークドア6
によって調節されるようになっている。空調ダクト2に
は、モータ7によって回転する送風機8が前記導入口に
臨むように設けられ、送風機8の回転によって導入口か
ら空気を吸引し、下流側へ圧送するようになっている。
【0028】送風機8の下流側には、エバポレータ9が
配され、このエバポレータ9は、図示しないコンプレッ
サ、コンデンサ、リキッドタンク、エクスパンションバ
ルブ等と共に配管結合されて冷房サイクルを構成してお
り、コンプレッサの稼動によりエバポレータ9へ冷媒を
供給してこのエバポレータ9を通過する空気を冷却する
ようになっている。
【0029】エバポレータ9の下流側には、エンジン冷
却水を熱源とするヒータコア10が配置されており、こ
のヒータコア10の手前にエアミックスドア11が配さ
れている。エバポレータ9を通過した空気は、このエア
ミックスドア11によってヒータコア10を通過する空
気とこれをバイパスする空気との割合が調節されるよう
になっている。
【0030】そして、エバポレータ9及びヒータコア1
0によって温調された空気は、 空調ダクト2の最下流側
に設けられたモードドア12a,12bによって開閉さ
れる吹出口(デフ吹出口13a、ベント吹出口13b、
フット吹出口13c)から車室14へ送風されるように
なっている。ここで、乗員の上半身へ空気を供給するベ
ント吹出口13bが乗員の上半身へ空気を供給する上部
吹出口17aに、足元へ空気を供給するフット吹出口1
3cが乗員の足元へ空気を供給する下部吹出口17bに
それぞれ連通している。
【0031】上述した各空調機器は、コントロールユニ
ット15からの制御信号によって駆動制御されるように
なっており、このコントロールユニット15は、CP
U、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータや
信号の入出力ポート等を備え、予め与えられた所定のプ
ログラムに基づいて各種入力信号を制御信号に変換し、
各空調機器を制御するようになっている。
【0032】即ち、車室上部の温度(Tr1)を検出する
上部温度センサB、車室下部の温度(Tr2)を検出する
下部温度センサC、外気温(Ta)を検出する外気温度
センサD、車室内の目標温度(Tset )を設定する温度
設定器16等の信号をコントロールユニット15に入力
し、ここで入力された各種信号に基づいて必要吹出温度
Toを演算し、目標温度(Tset )に車室内温度が収束
するよう各種ドア6、11、12a、12bや送風機8
等を駆動制御するようになっている。ここで、上部温度
センサBは、天井等の乗員の頭部に近い位置に配置さ
れ、下部温度センサCは、ダッシュパネル下方のフット
吹出口13c近傍に配置すればよい。
【0033】図2にコントロールユニット15によって
各空調機器を制御する動作例、特に目標吹出温度を演算
するまでの過程がフローチャートとして示され、コント
ロールユニット15は、空調装置の稼働後にこの処理ル
ーチンに入り、車室上部温度(Tr1)、下部温度(Tr
2)、外気温(Ta)、目標温度(Tset )等の各種情
報を入力する(ステップ50)。
【0034】この各種入力情報は、オートエアコンの各
オート制御で用いられることとなるが、目標吹出温度を
演算する工程では、上部温度と目標温度との差(|Tr1
−Tset |)、及び下部温度と目標温度との差(|Tr2
−Tset |)を演算すると共に、上部温度と下部温度と
の差(|Tr1−Tr2|)を演算する(ステップ52、5
4)。
【0035】上部温度と目標温度との差(|Tr1−Tse
t |)又は下部温度と目標温度との差(|Tr2−Tset
|)が大きい場合には、車室内温度が目標温度に十分に
収束していない空調初期の過渡時であると言えることか
ら、所定値αを境に前記差がこれより大きい場合には過
渡時と判別し、α以下であればさらに上部温度と下部温
度との差(|Tr1−Tr2|)によって空調過渡時である
か定常時であるかを判別する(ステップ56)。
【0036】上部温度と下部温度との差が小さい場合に
は、車室内温度が目標温度に収束した空調定常時である
と言えることから、所定値βを境に|Tr1−Tr2|がこ
れ以下であれば定常状態となったとみなし、βより大き
ければ、依然として過渡状態にあると判別する(ステッ
プ58)。
【0037】過渡時と判別された場合には、現在の吹出
モードがベントモードか、フットモードか、それ以外の
モード(バイレベルモード等)かを判定し(ステップ6
0、62)、ベントモードであると判定された場合に
は、頭部周辺の温度が乗員の温冷感と相関が高くなるこ
とから、上部温度センサBからの温度(Tr1)をもって
車室内温度とし、以後の空調制御を行う。即ち、必要吹
出温度ToをTo=f(Tr1,Ta,Tset ,・・・)
として演算し、Tr1が目標温度Tset に収束するよう各
種ドア6、11、12a、12bや送風機8等を駆動制
御する(ステップ64)。
【0038】これに対して、過渡時にフットモードであ
ると判定された場合には、脚部周辺の温度が乗員の温冷
感と相関が高くなることから、下部温度センサCからの
温度(Tr2)をもって車室内温度とし、以後の空調制御
を行う。即ち、必要吹出温度ToをTo=f(Tr2,T
a,Tset ,・・・)として演算し、Tr2が目標温度T
set に収束するよう各種ドア6、11、12a、12b
や送風機8等を駆動制御する(ステップ66)。
【0039】また、吹出モードがバイレベルモード等の
ベントモードやフットモード以外のモードであると判定
された場合には、以下のように処理される。先ず、バイ
レベルモードの過渡時にあっては、上部温度と目標温度
との差(|Tr1−Tset |)が下部温度と目標温度との
差(|Tr2−Tset |)より小さければ下部温度と乗員
の温冷感との相関が高くなり、逆であれば、上部温度と
乗員の温冷感との相関が高くなることが判っているか
ら、ステップ68へ進み、|Tr1−Tset |<|Tr2−
Tset |であると判定されれば、下部温度センサCから
の温度(Tr2)をもって車室内温度とし、逆であれば、
上部温度センサBからの温度(Tr1)をもって車室内温
度とする。
【0040】これにより、過渡時では、吹出モードに応
じて乗員の温冷感と相関の高い部分の温度によって車室
が温調され、その部分の温度が目標温度に向かって収束
されていくので、快適な温冷感を乗員に与えることがで
きる。
【0041】空調が進んで、それぞれの吹出モードで選
択された温度センサの出力が目標温度に収束し、ステッ
プ58で|Tr1−Tr2|がβ以下となる定常時になる
と、吹出モードがバイレベルモードに切り替わり(ステ
ップ70)、定常時において乗員の温冷感と最も相関が
高くなる上部温度との関係で以後の制御が行われる。即
ち、必要吹出温度ToをTo=f(Tr1,Ta,Tset
,・・・)として演算し、Tr1が目標温度Tset への
収束を維持するように各種ドア6、11、12a、12
bや送風機8等を駆動制御する。
【0042】上記構成において、過渡時にベントモード
に設定されている場合には、定常時に至るとバイレベル
モードとなるが、この場合には、過渡時、定常時に関わ
らず上部温度Tr1を車室内温度として空調制御する。ま
た、過渡時にフットモードに設定されていれば、この過
渡時では下部温度Tr2を車室内温度として空調制御され
るが、定常時になると、吹出モードがバイレベルモード
に切り替わると共に、使用される温度センサも上部温度
センサBに切り替わり、上部温度Tr1を車室内温度とし
て空調制御される。
【0043】そして過渡時がバイレベルモードであれ
ば、この過渡時では乗員の温冷感との相関の高い側の温
度が車室内温度として空調制御に用いられ、定常時に移
行した時点で、吹出モードの切り換えはないが、上部温
度Tr1によってのみ空調制御されることとなる。
【0044】したがって、過渡時のみならず定常時にお
いても、乗員の温冷感と最も相関が高くなる部分の温度
を参照しつつ空調制御が行われるので、乗員の温冷感を
常時損なうことがなくなる。
【0045】また、定常時には、過渡時がいかなる吹出
モードに設定されていてもバイレベルモードに設定され
るので、吹出モードが切り換えられることによって乗員
の温冷感が変わると目標温度等の変更操作が行われうる
が、上記構成においては、温度センサが適切に切り換え
られることによって乗員の温冷感が損なわれないため、
目標温度等の変更操作は不要となり、乗員の空調装置を
制御する煩わしさを低減することができる。
【0046】尚、上述の構成例では、過渡時と定常時と
の判別を温度のファクタを利用して行うようにしたが、
温度と時間、あるいは時間のみのファクタをもって判別
するようにしてもよい。例えば、図3に示されるよう
に、前記ステップ54に代えて上部温度の変化率、又は
下部温度の変化率を演算し(ステップ72)、この変化
率が大きい場合には車室内が目標温度に収束する初期の
状態であり、小さい場合にはほぼ収束した状態であると
みることができるから、前記変化率が所定値γより大き
い場合を過渡状態とみなし、小さい場合を定常状態とみ
なす判定を前記ステップ58の判定に代替させるように
してもよい(ステップ74)。
【0047】あるいは、図4で示されるように、タイマ
をスタートさせて空調装置の稼働時からの計時を行い
(ステップ76)、稼働時からの時間が長いほど車室内
が目標温度に収束しているはずであるから、タイマが所
定時間δを境にしてこれより短い場合を過渡状態とみな
し、長い場合を定常状態とみなす判定を前記ステップ5
8の判定に代替させるようにしてもよい(ステップ7
8)。
【0048】これらの制御形態にあっても、温度のみを
ファクタとする制御と同様の作用効果が得られることは
いうまでもないが、時間のみをファクタとする制御の場
合には、車室内初期温度や吹出モード等によっては過渡
状態から定常状態への適切な切り換え時間が異なること
から、車室内初期温度や吹出モード等に応じて予め実験
等で決められた時間δを割り当てることが望ましい。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
空調過渡時に第1及び第2の温度センサのうち、乗員の
温冷感との相関が高い側の温度センサによって検出され
た温度信号が空調制御に用いられ、空調定常時であると
判別された場合に、第1の温度センサによって検出され
た温度信号が空調制御に利用されるので、過渡時も定常
時も乗員の温冷感と相関が高い温度信号で車室内が温調
されることとなり、何時も適切に室内温度情報を収集し
て従来よりも快適な温冷感を乗員に与えることができ
る。
【0050】また、第1及び第2の2つの温度センサで
空調過渡時と定常時に対応できるので、車室上部と下部
に温度センサが設けられている従来のハード構成であれ
ば、制御ユニットのプログラムを変更すことのみで対応
でき、また、通常のオートエアコンでは少なくとも1つ
の温度センサを備えているので、温度センサを追加する
にしても1つ追加するだけで済み、ローコストで快適感
の向上が図れる。
【0051】また、乗員の温冷感との相関が高い側の温
度センサが自動的に選択されて用いられるので、わざわ
ざ空調過渡時から定常時への移行時に、或いは、吹出モ
ードを切り換える度に乗員の感覚と実際の温調とがずれ
て空調装置の手動による設定変更を余儀なくされること
が少なくなる。この結果、熱負荷に見合った適切な温調
制御を実現でき、省エネを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用空調制御装置
のハード構成例を示す図である。
【図2】図2は、図1に示すコントロールユニットの制
御作動例を示すフローチャートである。
【図3】及び
【図4】図3及び図4は、図1で示すコントロールユニ
ットの他の制御作動例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、冷房時と暖房時のそれぞれについて、
吹出モード別に空調過渡時の温度変化の概略を示した特
性線図である。
【図6】図6は、腹部周辺温度、頭部周辺温度、脚部周
辺温度と乗員の温冷感との相関関係を示す実験データで
ある。
【図7】図7は、オートエアコンの吹出モードと必要吹
出温度との関係を示す特性線図である。
【図8】図8は、腹部周辺温度A、頭部周辺温度B、脚
部周辺温度Cと乗員の温冷感との相関関係の概略を空調
過渡時と定常時のそれぞれについて吹出モード別に示し
たグラフである。
【図9】図9は、腹部周辺温度Aを目標温度(25°
C)に収束させた場合の頭部周辺温度B及び脚部周辺温
度Cの目標温度からのずれを示す特性線図である。
【符号の説明】
15 コントロールユニット 16 温度設定器 17a 上部吹出口 17b 下部吹出口 B 上部温度センサ C 下部温度センサ D 外気温度センサ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員の下半身に空気を吹き出す下部吹出
    口と、乗員の上半身に空気を吹き出す上部吹出口とを有
    し、車室内温度を含む環境情報を制御ユニットに入力
    し、予め与えられたプログラムにより前記環境情報に応
    じて吹出空気温度を調節し、選択された前記吹出口から
    温調空気を車室に供給するようにした車両用空調装置に
    おいて、 車室上部の空気温度を検出する第1の温度センサと車室
    下部の空気温度を検出する第2の温度センサと、 車室内が空調過渡時にあるとみなす条件にあるか空調定
    常時にあるとみなす条件にあるかを判別する空調状態判
    別手段と、 前記判別手段によって前記空調過渡時にあると判別され
    た場合に、前記第1及び第2の温度センサのうち、乗員
    の温冷感との相関が高い側の温度センサによって検出さ
    れた温度を前記車室内温度として用い、前記判別手段に
    よって前記空調定常時であると判別された場合に、前記
    第1の温度センサによって検出された温度を前記車室内
    温度として用いる温度情報切替手段とを備えたことを特
    徴とする車両用空調制御装置。
  2. 【請求項2】 前記空調状態判別手段は、前記第1の温
    度センサと前記第2の温度センサとによって検出された
    それぞれの温度の差が所定値以上である場合に空調過渡
    時にあるとみなし、前記所定値より小さい場合に空調定
    常時にあるとみなす請求項1記載の車両用空調制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記空調状態判別手段は、前記第1の温
    度センサ又は第2の温度センサとによって検出された温
    度の変化率が所定値以上である場合に空調過渡時にある
    とみなし、前記所定値より小さい場合に空調定常時にあ
    るとみなす請求項1記載の車両用空調制御装置。
  4. 【請求項4】 前記空調状態判別手段は、温調制御が開
    始されてから所定時間経過するまでの間を空調過渡時に
    あるとみなし、前記所定時間経過後を空調定常時にある
    とみなす請求項1記載の車両用空調制御装置。
  5. 【請求項5】 車室内の目標温度を設定する温度設定部
    を有し、前記第1の温度センサによって検出された温度
    と前記温度設定部によって設定された温度との差、又
    は、前記第2の温度センサによって検出された温度と前
    記温度設定部によって設定された温度との差が所定値以
    上である場合に温調過渡時にあるとみなし、前記所定値
    より小さい場合に温調定常時にあるとみなす請求項1記
    載の車両用空調制御装置。
  6. 【請求項6】 前記上部吹出口と下部吹出口とがベント
    モードを形成する開度に設定されている状態で前記空調
    状態判別手段によって空調過渡時にあると判別される
    と、前記第1の温度センサによって検出された温度を前
    記車室内温度として用い、前記上部吹出口と下部吹出口
    とがフットモードを形成する開度に設定されている状態
    で前記空調状態判別手段によって空調過渡時にあると判
    別されると、前記第2の温度センサによって検出された
    温度を前記車室内温度として用いる請求項1記載の車両
    用空調制御装置。
  7. 【請求項7】 車室内の目標温度を設定する温度設定部
    を有し、前記上部吹出口と下部吹出口とがベントモード
    又はフットモード以外のモードを形成する開度に設定さ
    れている場合に、前記空調状態判別手段によって空調過
    渡時にあると判別されると、前記第1の温度センサによ
    って検出された温度と前記目標温度との差が前記第2の
    温度センサによって検出された温度と前記目標温度との
    差より小さい場合に前記第2の温度センサによって検出
    された温度を前記車室内温度として用い、大きい場合に
    前記第1の温度センサによって検出された温度を前記車
    室内温度として用いる請求項6記載の車両用空調制御装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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