JPH10138353A - 板状体又は成形体及びその製造法 - Google Patents

板状体又は成形体及びその製造法

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JPH10138353A
JPH10138353A JP8295320A JP29532096A JPH10138353A JP H10138353 A JPH10138353 A JP H10138353A JP 8295320 A JP8295320 A JP 8295320A JP 29532096 A JP29532096 A JP 29532096A JP H10138353 A JPH10138353 A JP H10138353A
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plate
fibers
resin
palm
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JP8295320A
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Masashi Hiraishi
将史 平石
Ryuji Fukuda
竜司 福田
Kazunari Iwamoto
和成 岩本
Kenji Kurimoto
健二 栗本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/04Reinforcing macromolecular compounds with loose or coherent fibrous material
    • C08J5/047Reinforcing macromolecular compounds with loose or coherent fibrous material with mixed fibrous material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のシージングボードは構造用面材として
用いる程の強度を有していないうえ、防水性にも劣るも
のであった。 【解決手段】 植物繊維単独あるいは植物繊維と無機繊
維を混合した繊維をイソシアネート系硬化剤を用いて圧
縮成形することにより特性の良好な繊維板が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、木質系ファイバ
ーボード類似の板状体及びこれを所定形状に成形してな
る成形体に関し、特に透湿性と強度の双方において優れ
た性能を発揮する板状体又は成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木造家屋で壁中にグラスウール等
の繊維系の断熱層を形成する場合に、室内の水蒸気を室
外へ逃すために、外壁と断熱層との間に通気層を形成
し、断熱層を透過した室内の水蒸気がこの通気層を通っ
て軒下から室外へ拡散するようにしていた。その場合
に、この通気層と断熱層を区画する防風層が必要とな
る。この防風層は、断熱層を保持する機能を発揮する
が、水蒸気を通気層へ容易に透過させ得るよう、透湿性
に優れたものでなければならない。
【0003】この防風層を形成するものとして、従来、
例えばポリエチレン製の不織布が使われてきたが、断熱
層にグラスウール等を使用すると、断熱層の膨張力に押
されてこの不織布が膨出変形し、通気層を狭め、時には
塞いでしまうという欠点があり、このことは特に寒冷地
においてグラスウール等を多量に詰め込んだときに起こ
り易い〔建築工事標準仕様書・同解説JASS24断熱
工事(日本建築学会編)参照〕。そこで、ファイバーボ
ードのなかでも比較的密度が小さく通気性を有する軟質
繊維板の一種であるシージングボードを断熱層の外側に
当て、その端辺を柱、間柱、梁、桁、又はブレース等の
構造材に固定することにより、ある程度の強度を有した
防風層を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のシ
ージングボードは、断熱層の膨張力には耐え得ても、そ
れ自体が構造用面材として機能するほどの強度は有して
いない。従って、シージングボード周辺の構造部分の強
度は、専らシージングボード以外の上記構造材に頼るし
かなかった。
【0005】また、従来の合板等の製造においてはユリ
ア樹脂やフェノール樹脂などホルマリン系樹脂が多く用
いられてきたが、合板製造時の他、施工後も残留ホルム
アルデヒドが放散されるため、近年の高い気密性を有す
る家屋においては大きな問題となっている。本発明はこ
のような点に着目してなされたものであり、その第一の
課題とするところは、樹脂との結合強度が人工繊維より
も優れている植物性天然繊維の使用を前提とし、そのな
かで、太い繊維間に大きな隙間が形成されるヤシ繊維を
集めて繊維同士を樹脂により確実に固定し、これに対し
て適度な引張強さ及び引張弾性率を有する麻繊維等の植
物性天然繊維からなる編織物、不織布又は竹等の薄片よ
りなるシート状物を樹脂で一体化して補強することによ
り、優れた透湿性と高い強度とを兼ね備えた板状体又は
成形体を提供することにある。
【0006】また、その第二の課題とするところは、繊
維同士の固定にイソシアナート系樹脂を用いることによ
り、放散するホルムアルデヒド量を大幅に低減した板状
体又は成形体を提供することにある。さらに、併せてそ
の製法も提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するため鋭意検討の結果、以下の発明に至った。
すなわち本発明は、 [1]植物繊維単独又は植物繊維と他の有機及び/又は
無機繊維の混合繊維と、該繊維を結着しているイソシア
ネート系の硬化性組成物からなり、圧縮成形することに
より得られる板状体又は成形体に関する。 [2]植物繊維単独又は植物繊維と他の有機及び/又は
無機繊維の混合繊維の層の少なくとも1表面及び/又は
内部に植物性天然繊維からなる編織物、不織布又は竹繊
維等の薄片よりなるシート状物を配置した上記[1]記
載の板状体及び成形体に関する。 [3]植物繊維がヤシ繊維である上記[1]及び[2]
記載の板状体及び成形体に関する。 [4]植物繊維がアブラヤシ繊維である上記[1]及び
[2]記載の板状体及び成形体に関する。 [5]植物性天然繊維が麻である上記[2]〜[4]記
載の板状体及び成形体に関する。 [6]イソシアナート系の硬化性組成物が、炭素数8〜
28を有する脂肪族カルボン酸の金属塩と有機ポリイソ
シアネート化合物を必須成分とする組成物である上記
[1]〜[5]記載の板状体及び成形体に関する。 [7]イソシアナート系の硬化性組成物が、炭素数8〜
28を有する脂肪族カルボン酸の金属塩と有機ポリイソ
シアネート化合物、乳化剤を必須成分とし、乳化剤によ
り乳化させた水性の組成物であることを特徴とする上記
[1]〜[5]記載の板状体及び成形体に関する。 [8]有機ポリイソシアネート化合物がポリメチレンポ
リフェニルポリイソシアネートである上記[6]、
[7]記載の板状体及び成形体に関する。 [9]解繊した植物繊維単独又は植物繊維と他の繊維の
混合繊維から繊維マットを形成し、必要に応じて少なく
ともこの繊維マットの1表面及び/又は内部に植物性天
然繊維からなるシート状物を配置し、これらにイソシア
ナート系の硬化性組成物を付着させ、圧縮成形すること
により得られる上記[1]〜[8]記載の板状体及び成
形体の製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の板状体又は成形体は、ヤ
シ繊維単独又はヤシ繊維と他の有機及び/又は無機繊維
の混合繊維と、その繊維層の少なくとも1表面及び/又
は内部に配置した植物性天然繊維からなる編織物、不織
布又は竹繊維等の薄片よりなるシート状物、及び該繊維
を結着しているイソシアナート系樹脂からなり、圧縮成
形することにより得られ、特に透湿性と強度の双方にお
いて優れた性能を発揮する。
【0009】本発明で使用するヤシ繊維とは、ココヤ
シ、油ヤシ、サゴヤシ、ナツメヤシ、オウギヤシ、ニッ
パヤシ、サトウヤシ、クジャクヤシ、シュロ、トウジュ
ロ、クロツグ等のヤシ科の植物から採取される繊維状樹
皮、葉柄基部繊維、中果皮繊維等の繊維をいい、これに
は油ヤシの空果房を解繊して得られる繊維が含まれる。
また、複数種類のヤシ繊維を混合したものを含む。
【0010】ヤシ繊維は直径が約100〜600μmと
太いので、繊維マットを形成したとき、繊維充填密度に
もよるが繊維間に、例えば100μm〜5mm程度、好
ましくは200μm〜3mm程度の大きさの隙間が形成
される。従って、繊維マットの透湿性は極めて良い。こ
の繊維マットにイソシアナート系樹脂を付着させて圧縮
成形する際の樹脂量又は成形時の圧縮の程度により、得
られる板状体又は成形体の繊維間の隙間の大きさや隙間
の密度を種々に変化させることができる。そのことによ
り板状体又は成形体の透湿性のコントロールが出来る。
例えば、板状体又は成形体の隙間を1〜100μm程
度、通常5〜50μm程度とすることにより、通気性は
有するが雨は通さない良好な板状体又は成形体も製造す
ることが可能である。
【0011】さらに、ヤシ繊維は、直径が約100〜6
00μmと太く、長さが約5〜30cmと長く、屈曲し
ており繊維同士のからまりも大きいため、板状体又は成
形体は釘を打ちつけた場合の釘保持力に優れる。ヤシ繊
維としては油ヤシ繊維を使用することが好ましい。この
油ヤシ繊維は、油ヤシの空果房を解繊して得られるもの
である。油ヤシ繊維は他の種類のヤシ繊維に比して解繊
等に要する労力が少なく、そのために製造に要するエネ
ルギーが節減可能で、コスト的に安価になる。例えばコ
コヤシ繊維では、ヤシ殻を軟化させるために長期間水中
に浸漬した後、機械的に繊維状に解繊するために長期間
多大のエネルギーを必要とする。これに対して油ヤシで
は、もともと繊維状のままで集合体となっている空果房
を解繊するため、水中浸漬の必要はなく、解繊のために
要するエネルギーも非常に少なくて済む。又、油ヤシ繊
維はココヤシ繊維に比して発塵性が少なく、その取扱い
において作業環境の悪化が避けられ、好ましい。
【0012】この油ヤシ繊維は、解繊の前後には、油分
及び臭いを除去するために必要に応じて洗浄を行う。油
ヤシ繊維の単体は、剛性度が高く、断面径が100〜6
00μm程度であり、その毛足、すなわち長さも約5〜
30cm程度であり、これを解繊することにより、その
絡み合いも高度なものが期待できる。しかも、油ヤシの
果実からは油ヤシ油が搾取できるが、この果実を採取し
たあとに残る空果房には現在のところ特定の用途がな
く、通常は廃棄される運命にあるので、低コストで入手
できるという利点がある。
【0013】さらに、この繊維マットは必要により有機
又は無機繊維を混合しても良い。有機繊維としては天然
植物性繊維や合成繊維が挙げられる。ここで、天然植物
性繊維は、麻を解繊した麻繊維、若竹を解繊した竹繊
維、サトウキビ繊維、へちま繊維、パイナップル繊維、
バナナ繊維、コウリャン繊維、イナワラより得られる繊
維、木質繊維等が例示され、天然植物より得られる繊維
質であれば特に限定はない。合成繊維としてはポリエス
テル繊維、脂肪族又は芳香族ポリアミド繊維、アラミド
繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレ
ン繊維等のポリオレフィン繊維、ビニリデン繊維、ポリ
塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン、レーヨ
ン、キュプラ、アセテート等の繊維が例示される。無機
繊維としては、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、ボ
ロン繊維、窒化ケイ素繊維、炭化ケイ素繊維、チラノ繊
維などが例示される。またこれらは、単独で混合しても
良く、二種以上を同時に混合しても良い。
【0014】繊維マットに、例えば麻繊維、竹繊維等の
植物性天然繊維を混合した場合、ヤシ繊維の直径が約1
00〜600μmであるのに対して、麻繊維の直径が約
5〜30μm、竹繊維等の直径が10〜200μmと細
いため、麻繊維、竹繊維等の植物性天然繊維がヤシ繊維
の交差部分などに絡まり、ヤシ繊維同士の結合強度が高
まると考えられる。
【0015】繊維マットを形成するには、ニードルパン
チ等によりヤシ繊維を不織布様又は三次元編組織状に絡
み合わせる処理を行って剥離強度を上げ、さらに必要に
応じてプレス又は熱プレス等により繊維マットを緻密に
する。なお、この繊維マットの厚みは、通常5mm〜2
0mm程度にすると使い易いと云われるが、勿論これに
限定されることなく、用途に応じて任意に設定すればよ
い。さらに、この繊維マットの目付は、例えば0.5k
g/m2〜6kg/m2が例示される。またこの繊維マッ
トは用途により複数枚重ねて使用してもよい。
【0016】編織物は、例えば麻を解繊して得た麻繊維
を撚った麻糸を縦横に編んでなるクロスを含み、従っ
て、ジュートで形成したクロスであるジュートクロスを
含むものである。また、不織布は麻を解繊して得た麻繊
維を乾式でウエッブをつくり、天然ゴムのラテックス等
の接着剤で固め、乾燥仕上げし、形成する不織布及び湿
式抄造法により形成した薄物の不織布を含み、さらに木
質繊維を解繊し、湿式抄造法により形成される紙を含
む。また、シート状物は、竹材等から削り出した薄い帯
状の薄片を縦横に編んでなるもの(実際には織りに近
い)を含む。これらの編織物、不織布及びシート状物は
通気性を持ち、透湿性に優れる。編織物、不織布及びシ
ート状物に用いられる植物性天然繊維は、複数種類の植
物性天然繊維を混合したものを用いても良い。また、編
織物、不織布、シート状物を二種以上用いても良い。
【0017】編織物又はシート状物は、引張強さ及び引
張弾性率の高い麻繊維又は竹薄片等を編み又は織ってい
るため、それ自体が優れた引張強さ及び引張弾性率を示
す。また不織布は、麻等の編織物、竹等のシート状物に
比較すると強度は劣るため、編織物、シート状物が好ま
しいが、樹脂の保持材としての機能を持つ。この不織布
を形成する天然繊維にはナイロン、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエステル等の合成繊維を必要により混
合しても良い。
【0018】この編織物、不織布又はシート状物が樹脂
を介して繊維マットと強く接合するから、板状体又は成
形体の強度が高められる。すなわち、編織物、不織布又
はシート状物を繊維マットの表面、特に両表面に配置す
るといわゆるサンドイッチ効果が発揮され、板状体又は
成形体の曲げ強さ及び曲げ弾性率が高くなる。一方、編
織物、不織布又はシート状物を繊維マットの内部に配置
したときには、板状体又は成形体の引張強さ及び引張弾
性率、せん断強さ及びせん断弾性率、並びに平面内圧縮
強度及び平面内圧縮弾性率が高くなる。この平面内圧縮
強度は、平面応力状態で圧縮力を受けたときの強さを意
味している。さらに、編織物又はシート状物は、吸水、
吸湿時の寸法変化が小さいため、繊維マットの表面また
は内部に配置したときには板状体又は成形体の吸水、吸
湿時の寸法変化が小さくなり、吸水、吸湿時の強度低下
が小さくなる。
【0019】また、この編織布、不織布又はシート状物
の目付は10g/m2〜1500g/m2が強度と透湿
性、形状安定性等の観点から好ましい。さらに好ましく
は100g/m2〜600g/m2、より好ましくは1
50g/m2〜350g/m2である。目付が10g/m
2以下の場合は上述した曲げ強度や圧縮強度などの補強
効果が小さくなる。また、目付が1500g/m2以上
になると編織布、不織布、シート状物の変形に板状体、
成形体が引きずられて、成形後の反りやねじれが大きく
なる。
【0020】また特に本発明においては、編織物とし
て、麻繊維を用いたものが好ましい。ここで麻には綱麻
(黄麻)、***、アマ、マオ、及びアンバリアサ等のじ
ん皮繊維をとるものと、マニラアサ、サイザルアサ、ニ
ュージランドアサ、及びモーリシアスアサ等の組織繊維
をとるものとが含まれる。麻繊維とは、これらの麻から
得られる繊維をいう。綱麻(黄麻)の繊維はジュートと
呼ばれ、ここの麻繊維にはジュートが含まれる。
【0021】麻の編織物織組織の一例としては、平織、
綾織、朱子織、ナナコ織(正則、不規則を含む)等から
選ぶのが好ましく、この中でも平織、綾織が特に好まし
い。編組織としては平編み、ゴム編み等から選ばれる。
打込密度は織組織と糸番手の組合せにより選択される。
また、編織物、不織布又はシート状物の耐水性をより向
上させる必要がある場合には、編織物又はシート状物の
表面にシリコ−ン等の撥水剤を塗布するようにしてもよ
い。さらにヤシ繊維及び編織物、不織布又はシート状物
に難燃剤、着色剤、防腐剤、防蟻剤、防かび剤等を必要
により塗布しても良い。
【0022】本発明で使用する炭素数8〜28を有する
脂肪族カルボン酸の金属塩としては、オクチル酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸、ベヘニン酸などの脂肪族カルボン酸の亜
鉛、鉄、アルミニウム、カルシウム、ジルコニウム、マ
グネシウム、バリウム塩が例示される。脂肪族カルボン
酸としては、モノ、ジ、トリ、いずれの官能基のもので
も使用できるが、中でも炭素数12〜22の直鎖脂肪族
のモノカルボン酸が好ましい。
【0023】本発明で使用する有機ポリイソシアネート
化合物は、イソシアネート化合物又はイソシアネート重
合物であり、例えばトリレンジイソシアネート(TD
I)、4,4‘−ジフェニルメタンイソシアネート(MD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、キシ
レンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシア
ネート(IPDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシ
アネート(ポリメリックMDI)などが挙げられる。この
中でも特にポリメリックMDIが好ましい。
【0024】本発明で使用する乳化剤としては、一般的
に使用されているものでよく、脂肪酸石鹸、ロジン酸石
鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスル
ホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩等のアニオン
性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオ
キシエチレンレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエ
チレンオキシプロピレンブロックコポリマー等の界面活
性剤が例示される。これらの界面活性剤は1種類単独で
も2種類以上組み合わせて使用しても良い。本発明で用
いる硬化性組成物は乳化剤により乳化されており、水中
乳化可能であるため、水で組成物を希釈するいことによ
り粘度調整等を容易に行うことができる。上記の成分を
混合乳化したイソシアナート系の硬化性組成物は硬化前
の状態が水溶液または水分散状態であり、この状態で、
繊維マット及び編織物、不織布、又はシート状物に付着
させる。水溶液または水分散状態であることによって、
天然繊維表面との親和性と浸透性が良好になり、接着性
及び耐水性に関し、有効な被膜を繊維表面に形成でき
る。
【0025】さらに、硬化前の樹脂の水溶液または水分
散液の樹脂成分の濃度は70wt%から15wt%が好まし
く、より好ましくは65wt%から20wt%である。濃度が
70wt%以上になると、通常粘度が高くなりすぎて、天
然繊維表面に樹脂が均一に広がりにくく、有効な被膜形
成が不十分で、繊維同士の接着が不十分となるととも
に、繊維への付着操作が困難になる。濃度が15wt%以
下になると、樹脂とともに大量の水分を同時に天然繊維
に付着させることになり、熱圧成形時に、水分の蒸発潜
熱により熱を奪われ、接着力が低下し、成形体の強度及
び湿潤状態での強度が低下するとともに、水による希釈
の効果が少なくなる。また、付着後、乾燥する場合に多
くのエネルギーを必要とするので好ましくない。
【0026】また、硬化前の樹脂水溶液または水分散液
の25℃での粘度は0.02〜100poiseが好まし
く、より好ましくは0.05〜10poiseである。25
℃での粘度が100poise以上になると、流動性が不十
分で、天然繊維表面に樹脂が均一に広がりにくく、有効
な被膜形成が不十分で、繊維同士の接着が不十分となる
とともに、繊維への付着操作が困難で、付着状態も不均
一になる。また、0.02poise以下になると流動性が
高すぎて、繊維マットに樹脂を付着する場合、樹脂液が
流れてしまい、付着効率が低下する。
【0027】樹脂の使用量は、板状体に要求される物性
によって異なるので一概に既定できないが、例えば繊維
マットと麻クロスを加えた繊維100重量部に対して5
〜100重量部、好ましくは5〜50重量部、更に好ま
しくは10〜30重量部が例示される。さらに、麻クロ
スへの樹脂の使用量を変えることで板状体の強度を変え
ることができる。すなわち、麻クロスへの樹脂の使用量
が多くなると板状体の強度を高くすることができる。例
えば、麻クロスへの樹脂の使用量は、麻クロス100重
量部に対して5〜500重量部、好ましくは5〜150
重量部が例示される。樹脂の使用量が5重量部より低い
場合は麻クロスの積層効果が発現されにくく、500重
量部以上の場合は増量効果が得られにくくなる。
【0028】本発明のイソシアナート系の硬化性組成物
には、必要に応じて可塑剤、充填剤、補強材、垂れ防止
剤、着色剤、老化防止剤、接着促進剤、硬化触媒、物性
調整剤などを配合しても良い。尚、接着付与剤として、
コンニャク、小麦粉、デンプン等を添加し得る。イソシ
アナート系の硬化性組成物をヤシ繊維等に付着する方法
には特に限定はない。ヤシ繊維の繊維マットには繊維間
に大きな隙間が形成されるので、噴霧または浸漬により
樹脂を供給すると、樹脂が上記隙間を介して全繊維に一
様に付着し、板状体又は成形体の強度分布が狭くなる。
【0029】本発明の板状体の厚さは、3〜25mmが
好ましく、9〜20mmがさらに好ましい。板状体の厚
みが3mm以下の場合は十分な曲げ強度が得られず、2
5mm以上になると使用用途上、壁厚を厚くすることが
考えられ、使用上現実的ではない。板状体の密度は0.
2〜1.0g/cm3が好ましく、さらに0.3〜0.
7g/cm3が好ましく、最も好ましくは0.35〜
0.6g/cm3である。また板状体の目付は、例えば
板状体の厚さが9mmの場合、密度が0.2g/cm3
で目付1.8kg/m2となり、密度が1kg/m3では
目付9kg/m2となる。密度が0.2g/cm3以下の
場合は板状体の強度が十分でなく、1g/cm3以上で
は透湿性が低下し、板状体又は成形体重量が重くなるた
めハンドリングが悪くなる。
【0030】本発明の実施の形態を図面に基づいて説明
する。図1は第1の実施形態である板状体1を示す。こ
の板状体1は、必要により麻繊維、竹繊維等の植物性天
然繊維を混合したヤシ繊維からなる繊維マット2に樹脂
を付着し、圧縮成形することにより成形してなるもので
ある。図2は第2の実施形態の板状体3であり、繊維マ
ット2の両表面に、麻繊維からなる糸を縦横に織ってな
る麻クロス4を編織物としてそれぞれ配置し、これらに
樹脂を付着し、圧縮成形することにより成形してなる板
状体2である。
【0031】上記板状体1及び3の製法は、まず、ヤシ
繊維、また必要により麻繊維等を解繊し、単位断面径が
約5〜600μm、長さが約5〜30cm程度の繊維を
得る。また、解繊したヤシ繊維には、もっと断面径が太
い繊維や細い繊維、もっと長い繊維や短い繊維も含まれ
るがそのまま用いることができる。この際、ヤシ繊維は
自然長が5〜30cm程度であるので特に加工する必要
はないが、麻繊維は自然長がかなり長いので、適宜設定
寸法に切断して用いる。次に、解繊したヤシ繊維に、必
要により解繊した麻繊維、竹繊維等の植物性天然繊維を
混合して繊維マット2を形成する。この工程で使われる
機構は、例えば図3に示すようにベルトコンベヤ11の
上方に第1、第2・・・の複数のホッパ12,12・・
・をベルト進行方向に直列に設け、各ホッパ12の出口
付近に指向させてスプレーガン13をそれぞれ配置し、
ホッパ12の下流にベルトコンベヤ11を対向させて加
熱圧着ローラ14を設置したものである。各ホッパ12
にはヤシ繊維、麻繊維、竹繊維等を適宜比率で混合した
混合繊維を入れ、スプレーガン13,13・・・に樹脂
の水溶液または水分散液を加圧供給しておく。そして、
ベルトコンベヤ11の稼働と同時に各ホッパ12からベ
ルトコンベヤ11上に混合繊維を落下供給すると共に、
各スプレーガン13から混合繊維に向けて樹脂水溶液ま
たは水分散液を噴射供給することにより、ベルトコンベ
ヤ11上に、第1ホッパ12からの混合繊維により最下
の第1層を形成し、その上に第2ホッパ12からの混合
繊維により第2層を形成し、順次その上に繊維層を形成
してゆき、その後に加熱圧着ローラ14で加圧成形する
ことにより繊維マット2を形成する。勿論、繊維を混合
しないときには全てのホッパ12にヤシ繊維のみを供給
すればよいし、ホッパ12及びスプレーガン13を1つ
にしてもよい。また、スプレーガン13はホッパー12
の前方に配置しても良い。また、第1、第2・・・の複
数のホッパ12,12・・・に供給する繊維の特質(混
合比、繊維太さ、繊維長さ)を変えれば、各層を構成す
る繊維の特質を変えることができる。特に繊維マット2
の中心部に太いヤシ繊維を配し、両表面部に細いヤシ繊
維を配したものは、繊維マット2の表面側の繊維の接触
密度が高まる結果、これから成形される板状体は良好な
ものが得られる。
【0032】次いで、この繊維マット2の両面に麻クロ
ス4,4を配置し、これらに樹脂を付着させ、熱圧縮成
形する。この工程で使われる機構も、例えば図3に示す
ように、繊維マット2を前方へ引っ張りつつ、その上下
方から麻クロス4,4を連続供給すると共に、合流部分
にスプレーガン13をそれぞれ配置し、その下流に加熱
圧着ローラ15,15を対向設置したものである。スプ
レーガン13,13・・・には樹脂水溶液または水分散
液を加圧供給しておく。そして、ベルトコンベヤ15の
稼働と同時に、各スプレーガン13から樹脂水溶液また
は水分散液を噴射供給し、その後に加熱圧着ローラ1
5,15で加熱加圧成形することにより板状体を連続成
形する。
【0033】このように連続成形する製法の他に、1枚
ごとに成形する方法もある。その場合には、繊維マット
2に樹脂を付着させて型成形し、これに樹脂を介して麻
クロス4,4を貼り、熱プレス等により熱圧縮成形する
ものである。また、上記板状体1及び3は次のように1
枚ごとに成形しても良い。植物性天然繊維に樹脂を添加
して攪拌し、樹脂を付着させる。
【0034】次いで、図示しない型枠の底部に樹脂を塗
布した麻クロス4を敷設し、その上から上記繊維を充填
し、最後に麻クロス4を敷設する。これを、熱プレス等
で所定の厚さ及び所定の密度をもって成形し、板状物を
得る。また、上記実施形態では、繊維マット2の成形の
際に、解繊した植物性天然繊維をそのまま型枠内に充填
する場合について説明したが、繊維をクロスに織り込む
ことと共に、このクロスに樹脂を含浸させ、これを多層
に積層し、これを成形するようにしてもよい。これによ
り、透湿性を損なうことなく、大きな物理的強度を得る
ことができる。
【0035】また、樹脂はスプレーガン13等で噴霧す
ることにより繊維に付着させたが、繊維を樹脂に浸漬さ
せることにより付着させてもよい。尚、樹脂は、繊維マ
ット2の集束剤又はバインダーとして使用されると共
に、麻クロス自体への強度付与及び麻クロス4と繊維マ
ット2との結合剤、更には板状体全体の結合剤又は強度
付与のための構成剤として働く。
【0036】従って、上記第2実施形態の板状体3にお
いては、繊維マット2が麻繊維、竹繊維等の植物性天然
繊維を混合したヤシ繊維であり、麻クロス4が麻繊維で
形成されており、人工繊維等よりも表面の凹凸が大きい
ので、人工繊維に比して繊維同士のからみあい強度が大
きいと共に、いわゆるアンカー効果による樹脂との結合
強度に優れる。しかも、ヤシ繊維の直径が約100〜6
00μmであるのに対して、例えば麻繊維は直径が約5
〜30μmと細いため、麻繊維等の植物性天然繊維がヤ
シ繊維の交差部分などに絡まり、ヤシ繊維同士の結合強
度が高められる。また、竹繊維等は扁平な形状であり、
剛性があるためヤシ繊維と混合することで強度改善等の
意味を持つ。従って、この板状体により防風層を形成す
れば、高い強度により断熱層を安定して保持できるのは
勿論のこと、この板状体によって防風層周辺の構造部分
を補強することができる。
【0037】そして、ヤシ繊維は直径が約100〜60
0μmと太いので、繊維マット2としたときには、繊維
充填密度にもよるが繊維間に、例えば100μm〜5m
m程度の大きさの隙間が形成されることから、繊維マッ
ト2の透湿性は極めて良い。また、麻クロス4も編み目
が通気性をもつから、透湿性に優れる。従って、これら
の素材から得られる本発明の板状体は、樹脂の量、繊維
マット2、麻クロス4の使用量、圧縮成形時の圧縮率等
により、種々の強度と透湿性のものを得ることができ
る。よって、この板状体は優れた防風層として機能す
る。
【0038】なお、以上の実施形態では、ヤシ繊維に対
して必要により麻繊維、竹繊維等の植物性天然繊維を混
合して繊維マット2を形成したが、ヤシ繊維のみで繊維
マット2を形成してもよい。また、麻クロス4は、引張
強さ及び引張弾性率が適度に高い麻繊維等を編んでいる
ため、それ自体が優れた引張強さ及び引張弾性率を示
す。そして、この麻クロス4が樹脂を介して繊維マット
2と強く結合することにより、板状体の強度が高められ
る。すなわち、麻クロス4を繊維マット2の両面に配置
した場合には、いわゆるサンドイッチ効果が発揮されて
板状体の曲げ強さ及び曲げ弾性率が高くなる。さらに、
麻クロス4は、吸水、吸湿時の寸法変化が小さいので、
特に繊維マット2の両面に配置すると板状体又は成形体
の吸水、吸湿時の寸法変化、吸水、吸湿時の強度低下が
小さくなり好ましい。従って、板状体3が構造用面材と
して機能し、防風層周辺の構造部分を補強することがで
きる。
【0039】また、編織物、不織布又はシート状物4を
繊維マット2の両表面に配置したが、本発明は、編織
物、不織布又はシート状物4を繊維マット2の1表面に
のみ配置するもの、編織物、不織布又はシート状物4を
繊維マット2の内部に配置するもの、編織物、不織布又
はシート状物4を繊維マット2の両表面又は1表面並び
に内部に配置するもの、を含むものである。
【0040】さらに、編織物、不織布又はシート状物4
を繊維マット2の内部に配置する場合に、編織物、不織
布又はシート状物4を複数枚とし、編織物、不織布又は
シート状物4と繊維マット2のヤシ繊維等とを交互に重
ねて多層状に配置したものを含む。また、編織物、不織
布又はシート状物4を繊維マット2の内部に配置する場
合には、このように配置した状態でニードルパンチ等に
よる処理を行えば、繊維マット2と、編織物、不織布又
はシート状物4の繊維が良く絡み合って板状体又は成形
体の剥離強度が上がり、曲げ強さ及び曲げ弾性率が向上
する。
【0041】編織物、不織布又はシート状物4を繊維マ
ット2の内部に配置したときには、板状体の引張強さ及
び引張弾性率、せん断強さ及びせん断弾性率、並びに平
面内圧縮強度及び平面内圧縮弾性率が高くなるから、板
状体が構造用面材として機能し、防風層周辺の構造部分
を補強することができる。さらに、第2実施形態では麻
繊維から得た糸を織った編織物4のみを使用したが、竹
材等から削りだした薄片を編んだシート状物4との併用
など、編織物、不織布又はシート状物4を複数枚使用す
るときには、これらを適宜に組み合わせて使用してもよ
い。
【0042】また、以上の実施形態では、正面視が矩形
で一定厚さの板状体についてのみ説明したが、圧縮硬化
成形時に種々形状の型により所望の形状に成形した成形
体としてもよく、その場合においても上記板状体と同様
の作用及び効果を得ることができる。本発明のボードの
用途については、前述した住宅外壁の通気層形成に用い
る防風層としての用途があるが、これに限定される物で
はない。例えば、住宅内装材、内装下地材、屋根下地
材、天井材、床材、床下地材、畳床、建築用構造材断熱
材、吸音材、遮音材、衝撃吸収材、緩衝材、胴縁等建材
として合板、集成材、パーティクルボードなどが用いら
れている建材用途のすべてに利用できる。さらに、コン
クリート型枠用材、パレット、包装材用途、自動車等車
両内装材、内装下地材、外装材等としても用いることが
できる。
【0043】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
る。 [実施例1]解繊した油ヤシ繊維を用いて、ニードルパ
ンチにより繊維を交絡させ、繊維マットを作製した。イ
ソシアナート系樹脂UR−4000(三井東圧化学製)
と水をミキサーで混合し、樹脂固形分40wt%の水性エ
マルジョンを調製した。この樹脂の水性エマルジョンを
目付1.36kg/m2の上記油ヤシマットの両面にス
プレー法により噴霧塗布し、ヤシ繊維100重量部に対
して固形分で10重量部のイソシアナート系樹脂を付着
させた。樹脂を付着させた油ヤシ繊維マット三枚を積層
し、プレス機により165℃−10分の条件で加熱プレ
スすることにより、厚さ9.0mmの板状体が得られ
た。
【0044】得られた板状体は、以下の評価項目及び方
法で評価した。成形時の臭いは、プレス中及び熱板開放
直後に板状体から放散される臭いにより評価し、以下の
ように表した。○:刺激臭等なし、△:刺激臭あり、
×:著しい刺激臭あり。曲げ強さ測定は、JIS A 5905
繊維板の測定法により行った。湿潤時曲げ強さ試験は、
JIS A 5905 繊維板の湿潤時曲げ強さA試験により行っ
た。透湿度は JIS Z 0208 防湿包装材料の透湿度試験
方法に準じて測定した。これらの評価結果は表1に示し
た。 [実施例2]実施例1と同様にして、目付1.50kg
/m2のヤシ繊維マットを用い、樹脂濃度40wt%のイソ
シアナート系樹脂の水性エマルジョンをヤシ繊維100
重量部に対して樹脂固形分で10重量部になるように付
着させた。このヤシマットを三枚積層し、加熱プレスし
て9mm厚の板状体を得た。得られた板状体は、実施例
1と同様に評価し、評価結果は表1に示した。 [比較例1]ユリア樹脂U−755(三井東圧化学製)
を水で希釈し、樹脂固形分40wt%の水性エマルジョン
を調製した。実施例1と同様にして、目付1.30kg
/m 2のヤシ繊維マットに、上で調製したユリア樹脂溶
液をヤシ繊維100重量部に対して樹脂固形分で15重
量部になるように付着させた。このヤシマットを三枚積
層し、165℃−10分の条件で加熱プレスして9mm
厚の板状体を得た。加熱プレス中に刺激臭があり、熱板
開放直後に刺激臭及び目を刺激するガスが板状体から大
量に放散した。得られた板状体は、実施例1と同様に評
価し、評価結果は表1に示した。 [比較例2]比較例1と同様に、目付1.50kg/m2
のヤシ繊維マットにユリア樹脂をヤシ繊維100重量部
に対して樹脂固形分で10重量部になるように付着さ
せ、このマットを3枚積層し、加熱プレスして9mm厚の
板状体を得た。加熱プレス中に刺激臭があり、熱板開放
直後に刺激臭及び目を刺激するガスが板状体から放散し
た。得られた板状体は、実施例1と同様に評価し、評価
結果は表1に示した。
【0045】表1中実施例1と比較例1の比較より、ユリ
ア樹脂15重量部塗布したときと同等の物性がイソシア
ナート系樹脂では塗布量10重量部で達成できることが
わかった。さらに実施例2と比較例2との比較より、同
じ塗布量であっても曲げ強度、湿潤時曲げ強度ともユリ
ア樹脂よりもイソシアナート系樹脂を用いた方が高い物
性を発現することがわかった。
【0046】また、合板に一般的に用いられているユリ
ア樹脂の代わりにイソシアナート系樹脂を用いることに
より、製造時の刺激臭の発生を大幅に抑制することがで
きた。 [実施例3]目付1.71kg/m2のヤシ繊維マット
に、樹脂濃度40wt%のイソシアナート系樹脂の水性エ
マルジョンをヤシ繊維100重量部に対して樹脂固形分
で10重量部になるようにスプレー法により付着させ
た。次に目付け0.32kg/m2のジュートクロス2
枚にも同様にイソシアナート系樹脂をジュートクロス1
00重量部に対し樹脂固形分で10重量部になるように
付着させた。続いて、ジュートクロス1枚、油ヤシ繊維
マット2枚、ジュートクロス1枚の順に積層し、プレス
機により165℃−10分の条件で加熱プレスし、厚さ
9.0mmの板状体を得た。得られた板状体を実施例1
と同様に評価した結果、曲げ強度は15.2N/m
2、湿潤時曲げ強度は5.1N/mm2、透湿度は64
g/(m2・Hr)であった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明により
樹脂との結合強度が人工繊維よりも優れている植物性天
然繊維の使用を前提とし、そのなかで、太い繊維間に大
きな隙間が形成されるヤシ繊維を集めて繊維同士を樹脂
により確実に固定し、これに対して適度な引張強さ及び
引張弾性率を有する麻繊維等の植物性天然繊維からなる
編織物、不織布又は竹等の薄片よりなるシート状物を樹
脂で一体化して補強することにより、優れた透湿性と高
い強度とを兼ね備えた板状体又は成形体を提供すること
ができた。
【0049】また、繊維同士の固定にイソシアナート系
の硬化性組成物を用いることにより、一般に合板に用い
られているユリア樹脂等のアミノ樹脂に比べ、放散する
ホルムアルデヒド量を大幅に低減した板状体又は成形体
を提供できた。さらに、同程度の強度を発現するのに必
要な樹脂使用量をユリア樹脂等に比べ少量に抑えること
ができた。
【0050】さらに、本発明の板状体又は成形体に好適
な製法を提案することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の板状体の斜視図
【図2】 第2の実施形態の板状体の断面図
【図3】 繊維マットの製法および板状体の製法を示す
説明図、
【符号の説明】
1 第1実施形態の板状体 2 繊維マット 3 第2実施形態の板状体 4 麻クロス(編織物)、不織布、シート状物

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物繊維単独又は植物繊維と他の有機及
    び/又は無機繊維の混合繊維と、該繊維を結着している
    イソシアネート系の硬化性組成物からなり、圧縮成形す
    ることにより得られる板状体又は成形体。
  2. 【請求項2】 植物繊維単独又は植物繊維と他の有機及
    び/又は無機繊維の混合繊維の層の少なくとも1表面及
    び/又は内部に植物性天然繊維からなる編織物、不織布
    又は竹繊維等の薄片よりなるシート状物を配置した請求
    項1記載の板状体及び成形体。
  3. 【請求項3】 植物繊維がヤシ繊維である請求項1及び
    2記載の板状体及び成形体。
  4. 【請求項4】 植物繊維がアブラヤシ繊維である請求項
    1及び2記載の板状体及び成形体。
  5. 【請求項5】 植物性天然繊維が麻である請求項2、
    3、4記載の板状体及び成形体。
  6. 【請求項6】 イソシアナート系の硬化性組成物が、炭
    素数8〜28を有する脂肪族カルボン酸の金属塩と有機
    ポリイソシアネート化合物を必須成分とする組成物であ
    る請求項1、2、3、4、5記載の板状体及び成形体。
  7. 【請求項7】 イソシアナート系の硬化性組成物が、炭
    素数8〜28を有する脂肪族カルボン酸の金属塩と有機
    ポリイソシアネート化合物、乳化剤を必須成分とし、乳
    化剤により乳化させた水性の組成物であることを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5記載の板状体及び成形
    体。
  8. 【請求項8】 有機ポリイソシアネート化合物がポリメ
    チレンポリフェニルポリイソシアネートである請求項
    6、7記載の板状体及び成形体。
  9. 【請求項9】 解繊したヤシ繊維単独又はヤシ繊維と他
    の繊維の混合繊維から繊維マットを形成し、必要に応じ
    て少なくともこの繊維マットの1表面及び/又は内部に
    植物性天然繊維からなるシート状物を配置し、これらに
    イソシアナート系の硬化性組成物を付着させ、圧縮成形
    することにより得られる請求項1〜8記載の板状体及び
    成形体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009084370A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Mitsubishi Motors Corp ウレタン樹脂成形体
JP2011528750A (ja) * 2008-07-21 2011-11-24 ティン ウォング,テック ホルムアルデヒドを含まない成形品及び関連部品の製造方法
JP2015107646A (ja) * 2013-12-05 2015-06-11 韓一理化株式会社 天然繊維高分子複合体及び自動車内装材用の環境にやさしい軽量基材
US10322435B2 (en) 2016-06-07 2019-06-18 Hyundai Motor Company Natural composite material multilayer structure and method of manufacturing the same

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