JPH10136656A - 電力変換装置の起動方法 - Google Patents

電力変換装置の起動方法

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JPH10136656A
JPH10136656A JP8286380A JP28638096A JPH10136656A JP H10136656 A JPH10136656 A JP H10136656A JP 8286380 A JP8286380 A JP 8286380A JP 28638096 A JP28638096 A JP 28638096A JP H10136656 A JPH10136656 A JP H10136656A
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JP
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energy
capacitor
circuit
recovery
voltage
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JP8286380A
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Inventor
Taichiro Tsuchiya
多一郎 土谷
Hideo Okayama
秀夫 岡山
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素子破壊などを未然に防ぐことができる安全
で確実な起動方法を提供すること。 【解決手段】 この発明に係る電力変換装置の起動方法
は、電力変換装置の通常運転開始前に、スイッチング素
子1をスイッチングさせることによってアノードリアク
トル14とエネルギー回収回路15とで構成される閉ル
ープに電流を流しエネルギー回収回路15のコンデンサ
16にエネルギーを蓄積させるエネルギー蓄積過程と、
コンデンサ16に蓄積されたエネルギーをエネルギー回
生回路18によって直流電源部100に回生させるエネ
ルギー回生過程とを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自己消弧型半導
体スイッチング素子によって構成される電力変換装置の
起動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゲートターンオフサイリスタ(以下、G
TOと略す)に代表されるような高電圧、大電流用途に
適した自己消弧型半導体素子を用いた大容量電力変換装
置の開発が活発に行われている。また、超高電圧分野に
適用される電力変換装置では、複数個GTOを直列接続
してアームを構成している。
【0003】図23は1992年電気学会研究会資料S
PC−92−63「回路解析用のGTOサイリスタモデ
ルと直列接続時の分担電圧の検討」に示された従来の電
力変換装置を示す図である。図において、1a、1hは
自己消弧型半導体スイッチ素子であるGTO1a、GT
O1h、2a、2hはフリーホイールダイオード、3
a、3hはスナバコンデンサ4a、4h、及びスナバダ
イオード5a、5hからなるスナバ回路である。14
a、14bはアノードリアクトル、50a、50hはス
ナバ抵抗、51a、51bはリセット抵抗、52a、5
2bはリセットダイオードである。
【0004】まず、GTO1のオフ状態からターンオン
した場合の動作について説明する。GTO1がオフ状態
からターンオンすると、GTO1に電流が流れるように
なる。このとき、電流はアノードリアクトル14を介し
て流れることにより、GTOのターンオン時の電流上昇
率di/dtが抑制される。また、GTO1のオフ時に
スナバコンデンサ4に蓄積されていたエネルギーは、G
TO1がオン状態になることにより、スナバコンデンサ
4、スナバ抵抗50、GTO1から成る閉ループのスナ
バ抵抗50で消費される。
【0005】次に、GTO1のオン状態からターンオフ
した場合の動作について説明する。GTO1のオン時に
アノードリアクトル14に蓄積されていたエネルギー
は、GTO1がオフ状態になることにより、アノードリ
アクトル14、回収ダイオード17、リセット抵抗51
から成る閉ループのリセット抵抗51で消費される。ま
た、GTO1がオン状態からターンオフすると、GTO
1に電圧がかかるようになる。このとき、GTO1によ
って遮断された電流はスナバダイオード5、スナバコン
デンサ4から成る経路にバイパスされ、スナバコンデン
サ4が充電されるので、GTO1のターンオフ時の電圧
上昇率dv/dtが抑制される。
【0006】電力変換装置にGTOを使用する場合に
は、スイッチング時にGTOにかかるスイッチング責務
を抑制するためにアノードリアクトル及びスナバ回路を
接続する。このアノードリアクトル及びスナバ回路は、
GTOのターンオン時の電流上昇率di/dt、および
ターンオフ時の電圧上昇率dv/dtを抑制し、GTO
のスイッチング損失を低減する役割を有する。つまり、
GTO1のターンオン時には、アノードリアクトル14
によってGTO1にかかるdi/dtが抑制され、ター
ンオフ時には、スナバコンデンサ4によってGTO1に
かかるdv/dtが抑制される。そして、アノードリア
クトル14とスナバコンデンサ4に蓄積したエネルギー
は、それぞれリセット抵抗51とスナバ抵抗50で消費
して次のスイッチングに備えていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の大
容量の電力変換装置においては、スナバ抵抗やリセット
抵抗で消費するエネルギーが大きくなるため、変換効率
低下などの問題が発生する。この問題を解決するために
は、それらのエネルギーを直流電源側に回生することに
よって電力変換装置を高効率化する必要がある。そのエ
ネルギー回生方式の一つとして、アノードリアクトルや
スナバコンデンサに蓄積したエネルギーを一度回収コン
デンサに回収し、エネルギー回生回路によって回収コン
デンサに回収されたエネルギーを直流電源に回生するエ
ネルギー回生方式がある。ただし、このエネルギー回生
方式では、アノードリアクトルのリセット時間に関する
配慮が必要である。ここで、リセット時間は、アノード
リアクトルに流れていた電流が零アンペアになるまでの
時間のことである。
【0008】従来の大容量の電力変換装置のようにアノ
ードリアクトルを抵抗でリセットする場合には、そのリ
セット時間はアノードリアクトルのインダクタンス値と
リセット抵抗の抵抗値によって決まる。それに対して、
アノードリアクトルの蓄積したエネルギーを回収コンデ
ンサに回収する場合には、そのリセット時間は、回収コ
ンデンサの電圧に依存する。したがって、所定時間内に
アノードリアクトルをリセットすることができる回収コ
ンデンサ電圧が確保されていない状態でGTOをターン
オンした場合には、アノードリアクトルがリセットされ
ないのでGTOにかかるdi/dtを抑制することがで
きず、GTOが素子破壊に至る可能性がある。そのた
め、アノードリアクトルの蓄積したエネルギーを回収す
る回収コンデンサの電圧は、アノードリアクトルのリセ
ット時間を考慮して設定する必要がある。
【0009】また、GTOを駆動するために必要である
ゲートドライブ回路の電源は、従来は低圧側から絶縁変
圧器を介して供給していた。しかし、GTOを多数個直
列接続してアームを構成した電力変換装置の場合、低圧
側から絶縁変圧器を介してゲートドライブ回路の電源を
供給すると、非常に高耐圧の絶縁変圧器が多数個必要に
なるため、装置が大型化するとか高コスト化するといっ
た問題が発生する。そこで、ゲートドライブ回路の電源
を主回路側から供給する主回路給電方式が必要になる。
【0010】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたもので、アノードリアクトルやスナバコンデ
ンサに蓄積したエネルギーをエネルギー回生回路によっ
て直流電源に回生し、かつ主回路給電方式によってゲー
トドライブ回路の電源にエネルギーを供給する電力変換
装置に対して、電力変換装置の通常運転開始前にスイッ
チング素子をスイッチングさせることによりアノードリ
アクトルの蓄積したエネルギーを回収コンデンサに回収
し、この回収コンデンサの電圧を所定電圧にすることに
より、素子破壊などを未然に防ぐことができる安全で確
実な起動方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる電力変
換装置の起動方法は、直流電源部と、この直流電源部の
両極間に互いに直列に接続された自己消弧型のスイッチ
ング素子と、このスイッチング素子に逆並列接続された
ダイオードと、スイッチング素子に並列接続されたスナ
バコンデンサ及びスナバダイオードの直列体からなるス
ナバ回路と、直流電源部の両極間にスイッチング素子と
直列に接続されたアノードリアクトルと、このアノード
リアクトルの端子間に接続されたコンデンサ及びダイオ
ードの直列体からなるエネルギー回収回路と、コンデン
サと直流電源部との間に接続されコンデンサに蓄積され
たエネルギーを直流電源部に回生させるエネルギー回生
回路とを有する相を備えた電力変換装置を起動させる電
力変換装置の起動方法において、この電力変換装置の通
常運転開始前に、スイッチング素子をスイッチングさせ
ることによってアノードリアクトルとエネルギー回収回
路とで構成される閉ループに電流を流しエネルギー回収
回路のコンデンサにエネルギーを蓄積させるエネルギー
蓄積過程と、コンデンサに蓄積されたエネルギーをエネ
ルギー回生回路によって直流電源部に回生させるエネル
ギー回生過程とを含んでいる。
【0012】また、直流電源部と、この直流電源部の両
極間に互いに直列に接続された自己消弧型のスイッチン
グ素子と、このスイッチング素子に逆並列接続されたダ
イオードと、スイッチング素子に並列接続されたスナバ
コンデンサ及びスナバダイオードの直列体からなるスナ
バ回路と、直流電源部の両極間にスイッチング素子と直
列に接続されたアノードリアクトルと、このアノードリ
アクトルの端子間に接続されたコンデンサ及びダイオー
ドの直列体からなるエネルギー回収回路と、コンデンサ
と直流電源部との間に接続されコンデンサに蓄積された
エネルギーを直流電源部に回生させるエネルギー回生回
路と、スイッチング素子に並列に接続された初期充電抵
抗及び回収コンデンサの直列体と、回収コンデンサと直
流電源部との間に接続され回収コンデンサに回収された
エネルギーを直流電源部に回生させる回収エネルギー回
生回路及び回収コンデンサとスイッチング素子のゲート
との間に接続され回収コンデンサに回収されたエネルギ
ーをゲートに供給するゲートドライブ回路のいずれか一
方または両方とを有する相を備えた電力変換装置を起動
させる電力変換装置の起動方法において、この電力変換
装置の通常運転開始前に、初期充電抵抗を介して回収コ
ンデンサにエネルギーを蓄積させる過程と、回収コンデ
ンサに蓄積されたエネルギーを回収エネルギー回生回路
によって直流電源部に回生させる第1の回収エネルギー
回生過程及び回収コンデンサに回収されたエネルギーを
ゲートドライブ回路によってゲートに供給する第2の回
収エネルギー回生過程のいずれか一方または両方の回収
エネルギー回生過程と、回収エネルギー回生過程後に、
スイッチング素子をスイッチングさせることによってア
ノードリアクトルとエネルギー回収回路とで構成される
閉ループに電流を流しエネルギー回収回路のコンデンサ
にエネルギーを蓄積させるエネルギー蓄積過程と、コン
デンサに蓄積されたエネルギーをエネルギー回生回路に
よって直流電源部に回生させるエネルギー回生過程とを
含んでいる。
【0013】さらに、エネルギーを蓄積させる過程は、
電力変換装置の通常運転開始前に、初期充電抵抗を介し
て回収コンデンサにエネルギーを蓄積させると共にスナ
バコンデンサにエネルギーを蓄積させ、エネルギー蓄積
過程は、回収エネルギー回生過程後に、スイッチング素
子をスイッチングさせることによってアノードリアクト
ルとエネルギー回収回路とで構成される閉ループに電流
を流しエネルギー回収回路のコンデンサにエネルギーを
蓄積させると共にスナバコンデンサに蓄積されたエネル
ギーを回収コンデンサに蓄積させる過程である。
【0014】また、第1の回収エネルギー回生過程は、
回収エネルギー回生回路を駆動させるために回収コンデ
ンサのエネルギーを回収エネルギー回生回路に供給し
て、回収エネルギー回生回路の駆動電源を得た後、回収
コンデンサのエネルギーを回収エネルギー回生回路によ
って直流電源部に回生させる。さらに、第2の回収エネ
ルギー回生過程は、ゲートドライブ回路を駆動させるた
めに回収コンデンサのエネルギーをゲートドライブ回路
に供給して、ゲートドライブ回路の駆動電源を得た後、
回収コンデンサのエネルギーをゲートドライブ回路によ
ってゲートに供給する。
【0015】また、回収コンデンサの電圧は、回収エネ
ルギー回生回路の駆動電圧またはゲートドライブ回路の
駆動電圧以上、かつ回収エネルギー回生回路の回生動作
開始電圧以下にする。さらに、エネルギー回生過程は、
エネルギー回生回路を駆動させるためにコンデンサのエ
ネルギーをエネルギー回生回路に供給して、エネルギー
回生回路の駆動電源を得た後、コンデンサのエネルギー
をエネルギー回生回路によって直流電源部に回生させ
る。
【0016】また、コンデンサの電圧はエネルギー回生
回路の駆動電圧以上、かつエネルギー回生回路の回生動
作開始電圧以下にする。さらに、コンデンサの電圧はア
ノードリアクトルが所定時間内にリセットされる電圧以
上、かつエネルギー回生回路の回生動作開始電圧以下に
する。
【0017】また、エネルギー蓄積過程は、スイッチン
グ素子を駆動させるゲート信号の印加時間がアノードリ
アクトルがリセットされるまでの時間より長くなるよう
に設定する。さらに、エネルギー蓄積過程は、コンデン
サの電圧が所定電圧以下のときにコンデンサにエネルギ
ーを蓄積させる。
【0018】また、直流電源部に並列に接続された複数
の相を備えた電力変換装置を起動させる電力変換装置の
起動方法において、エネルギー蓄積過程は、電力変換装
置の複数の相から出力される出力線間電圧を零ボルトに
する。さらに、直流電源部に並列に接続された複数の相
を備えた電力変換装置を起動させる電力変換装置の起動
方法において、エネルギー蓄積過程は、電力変換装置の
複数の相から出力される出力線間電圧を電力変換装置の
出力端子に接続される電力系統負荷の線間電圧と等しく
する。さらにまた、電力変換装置の出力端子に接続され
る電力系統負荷の線間電圧に応じてスイッチング素子を
スイッチングさせる。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は本発明の実施の形態1の電力変換
装置を示す図で、スナバコンデンサ及びアノードリアク
トルに蓄積されたエネルギーを直流電源に回生する電力
変換装置の図である。図において、1a、1hは自己消
弧型半導体スイッチング素子(GTO1a、GTO1
h)、2a、2hはGTO1a、GTO1hに逆並列に
接続されるフリーホイールダイオード、3a、3hはG
TO1a、GTO1hに並列に接続されスナバコンデン
サ4a、4hとスナバダイオード5a、5hの直列回路
で構成されるスナバ回路、そして、6a、6hは回収コ
ンデンサ7a、7h、回収リアクトル8a、8h、およ
び回収ダイオード9a、9hで構成されスナバコンデン
サ4a、4hに蓄積されたエネルギーを回収コンデンサ
7a、7hに回収するエネルギー回収回路、10a、1
0hは起動時に回収コンデンサ7a、7hを初期充電す
る初期充電抵抗である。
【0020】11a、11hは回収コンデンサ7a、7
hに回収されたエネルギーを直流電源側100に回生す
るエネルギー回生回路、12a、12hはGTO1a、
GTO1hを駆動するためのゲートドライブ回路、13
a、13hはゲート制御回路(図示していない)からの
信号をゲートドライブ回路12a、12hに伝送する光
ファイバーである。そして、14a、14bはアノード
リアクトル、15a、15bは回収コンデンサ16a、
16b、回収ダイオード17a、17bで構成されアノ
ードリアクトル14a、14bのエネルギーを回収コン
デンサ16a、16bに回収するエネルギー回収回路、
18a、18bは回収コンデンサ16a、16bに回収
されたエネルギーを直流電源側100に回生するエネル
ギー回生回路である。また、19は出力端子である。
【0021】なお30b〜30gの内部構成は、30
a、30hと同じであるので説明を省略する。また、3
1aはGTOが4個直列接続されている上アーム、31
bはGTOが4個直列接続されている下アーム、40は
相である。
【0022】また、多数個のGTOを直列接続してアー
ムを構成した電力変換装置では、低電圧側から絶縁変圧
器などを介してゲートドライブ回路用の電源にエネルギ
ーを供給することが絶縁設計などの問題から非常に困難
である。このため、図1に示したようなゲートドライブ
回路用電源のエネルギーを主回路側から供給する、いわ
ゆる主回路給電方式を採用する必要がある。
【0023】なお、図1に示した例では、ゲートドライ
ブ回路12には、回収コンデンサ7に回収したエネルギ
ーの一部を給電している。
【0024】前述したように30a〜30hは同一な構
成であるので、上アーム31aがターンオンやターンオ
フ等の動作をするときの30a〜30dの各回路動作は
同じになる。また、下アーム31bの30e〜30hに
ついても、それらの各回路動作は全て同じである。した
がって、ここでは30aの部分に着目して、基本的な回
路動作を説明する。
【0025】最初に、GTO1aがオフ状態からターン
オンしたときの動作を説明する。GTO1aがターンオ
ンすると、スナバコンデンサ4aは図2(a)に示す経
路1で放電し、オフ時にスナバコンデンサ4aに蓄積さ
れていたエネルギーは回収リアクトル8aに移ると同時
に、回収コンデンサ7aに回収される。スナバコンデン
サ4aの放電が完了すると、スナバダイオード5aが導
通し、回収リアクトル8aに移されたエネルギーは図2
(b)に示す経路2で回収コンデンサ7aに回収され
る。つまり、GTO1aのターンオン動作によって、ス
ナバコンデンサ4aに蓄積されていたエネルギーを回収
コンデンサ7aに全て回収することができる。
【0026】次に、GTO1aがオン状態からターンオ
フしたときの動作を説明する。GTO1aがターンオフ
するとGTO1aを流れていた電流は、スナバコンデン
サ4aとスナバダイオード5aを通る図3(a)に示す
経路3にバイパスされ、スナバコンデンサ4aが充電さ
れる。このとき、スナバコンデンサ4aは定常オフ時の
分担電圧以上に過充電される。スナバコンデンサ4aの
過充電分は図3(b)に示す経路4で放電し、そのエネ
ルギーが回収リアクトル8aに移ると同時に、回収コン
デンサ7aに回収される。そして、スナバコンデンサ4
aの電圧が定常分担電圧になると、スナバダイオード5
aが導通し、回収リアクトル8aに移されたエネルギー
は図2(b)に示す経路2で回収コンデンサ7aに回収
される。つまり、GTO1aのターンオフ動作時には、
スナバコンデンサ4aの過充電分のエネルギーを回収コ
ンデンサ7aに回収することができる。
【0027】次に、GTO1aがオフ状態を維持してい
る場合について説明する。GTO1aがオフ状態を維持
している場合には、GTO1aのアノード・カソード間
電圧によって、図4(a)に示す経路5にて回収コンデ
ンサ7aが充電される。このように、初期充電抵抗10
aを接続して回収コンデンサ7aを充電させることによ
り、ゲートドライブ回路12aの電源にエネルギーを供
給することができ、最初のスイッチングでGTO1aに
与えるオンゲート電流を確保することができる。もし初
期充電抵抗10aが接続されていなければ、GTO1a
のスイッチング開始以前の回収コンデンサ7aの電圧は
零ボルトとなり、ゲートドライブ回路12aの電源にエ
ネルギーを供給することができない。つまり、電力変換
装置を起動させることができない。
【0028】以上のような回路動作で回収コンデンサ7
aに回収されたエネルギーは、その一部をゲートドライ
ブ回路12aの電源のエネルギーとして供給すると共
に、エネルギー回生回路11aによって直流電源側10
0に回生する。また、エネルギー回生回路11aについ
ても、図示していないが制御回路用やスイッチング素子
駆動用などの電源が必要である。しかし、この電源につ
いても、ゲートドライブ回路12aの電源と同様な理由
によって低圧側から供給することが困難であるため、通
常主回路給電を行う。つまり、回収コンデンサ7aに回
収されたエネルギー、すなわちスナバコンデンサ4aに
蓄積したエネルギーは、このエネルギー回生回路11a
の電源に供給することもできる。
【0029】図6は本発明の実施の形態1の電力変換装
置を示す図で、複数個のGTOを直列接続してアームを
構成した3相(U相、V相、W相)インバータである。
図において、40a〜40cは直流電源100に並列に
接続された相で、相40a〜相40cは図1に示した相
40と同一な回路構成である。19a〜19cは相40
a〜40cからの出力端子、41は直流電源100と並
列に接続された直流コンデンサ、そして、42は出力端
子19a〜19cに直接接続され電力変換装置を起動す
る以前には電圧を持っていないモータ等の負荷である。
【0030】本実施の形態における電力変換装置の初期
状態は、直流コンデンサ41、相40a〜40cのスナ
バコンデンサ4、回収コンデンサ7、16は充電されて
おらず、電圧は全て零ボルトであるとし、各GTOは全
てオフされているものとする。
【0031】図7は図6に示した電力変換装置の起動方
法のタイムチャートを示す図である。図において、Vt
h1は回収コンデンサ7がゲートドライブ回路12の電
源及びエネルギー回生回路11の電源にエネルギーを供
給することができる電圧、Vrg1はエネルギー回生回
路11の回生動作開始電圧、Vth2は回収コンデンサ
16がエネルギー回生回路18の電源にエネルギーを供
給することができる電圧、Vrg2はエネルギー回生回
路18の回生動作開始電圧である。
【0032】次に、図6に示した電力変換装置の起動方
法について説明する。まず、直流コンデンサ41を直流
電源側100から所定の直流電圧(Eボルトとする)ま
で初期充電する。通常運転開始前においては、全てのG
TO1はオフ状態であるので、直流コンデンサ41がE
ボルトまで充電されて定常状態になると、全てのスナバ
コンデンサ4は図4(b)に示した経路6にてE/8ボ
ルトまで充電される。そして、回収コンデンサ7は図4
(a)に示した経路5で徐々に充電され、図7に示した
ように初期充電開始からある時間経過後、ゲートドライ
ブ回路12の電源とエネルギー回生回路11の電源にエ
ネルギーを供給することができる電圧Vth1に達す
る。その後、さらに回収コンデンサ7は充電されてい
き、回生動作開始電圧Vrg1に達する。そして、その
後、エネルギー回生回路11で回収コンデンサ7に回収
したエネルギーを直流電源側100に回生する。ここ
で、回生動作開始電圧Vrg1はVth1以上に設定す
るものとする。このように、エネルギー回生回路11の
回生動作開始電圧Vrg1をVth1以上に設定するこ
とによって、ゲートドライブ回路12の電源とエネルギ
ー回生回路11の電源に供給するためのエネルギーを確
保しつつ、それ以上のエネルギーについては直流電源側
100に回生させることができる。
【0033】このようにして直流コンデンサ41の初期
充電を行うと、各相には図4(b)で示した経路6で電
流が流れ、スナバコンデンサ4がE/8ボルトまで充電
されるが、通常の電力変換装置では、この充電は数秒オ
ーダーの時定数で充電される。この充電時には図4
(b)に示した経路6を流れる電流は小さく、スナバコ
ンデンサ4の電圧がE/8ボルトに達した後に、図5
(a)に示した経路7に還流する電流値も小さくなる。
そのため、エネルギー回収後の回収コンデンサ16の電
圧はごく低い値となる。
【0034】また、GTO1がオフ状態を維持している
ときには、アノードリアクトル14には電圧が印加され
ないため、回収コンデンサ7で行っているような初期充
電を回収コンデンサ16で行うことは不可能で、エネル
ギー回生回路18の電源にエネルギーを供給することも
できない。このように、GTO1をスイッチングする以
前には、回収コンデンサ16を初期充電することが不可
能であるため、アノードリアクトル14のエネルギー回
生回路18の電源にエネルギーを供給することができな
い。
【0035】そこで、以下では通常運転を行う以前に回
収コンデンサ16にも初期充電ができ、エネルギー回生
回路18の電源にエネルギーを供給することができる電
力変換装置の起動方法を説明する。なお、ここで言う通
常運転とは、負荷であるモータ42を駆動する運転、つ
まりモータ42に電流が流れる運転のことである。図8
に示すように電力変換装置の相電圧が全て等しい場合に
は、線間電圧が全て零ボルトとなるので、負荷であるモ
ータ42に電流は流れない。したがって、図6に示した
ような電力変換装置では、図8に示したように線間電圧
が全て零ボルトになるようにGTO1をスイッチングを
するようにすると、モータ42に電流を流さずに回収コ
ンデンサ7、16を充電することができる。
【0036】次に、回収コンデンサ16の初期充電を行
うことができる電力変換装置の起動方法について説明す
る。はじめに、初期状態について説明する。回収コンデ
ンサ16の初期充電を行う以前には、直流コンデンサ4
1の初期充電が終了し、その電圧がEボルトで定常状態
になっており、また回収コンデンサ7も図4(a)に示
した経路5にて充電され、GTO1のゲートドライブ回
路12の電源とエネルギー回生回路11の電源にエネル
ギーを既に供給することができる状態、すなわちVth
1以上になっているものとする。さらに、各GTOは全
てオフされているものとする。以下で説明を行う回路動
作の初期状態としては、前述の状態を仮定する。また、
このような初期状態では回収コンデンサ16の電圧がご
く低い値であることは既に述べたが、ここでは説明を簡
単にするためにその電圧を零ボルトであると仮定する。
【0037】まず、図8に示したように、各相のGTO
1に全て同じゲート信号を与え、3相とも同じ相電圧に
なるようなスイッチングを行う。このとき、図9に示す
ように、時刻t=t1において上アーム31aのGTO
1をターンオンすると、上アーム31aのスナバコンデ
ンサ4はそれぞれ図2(a)に示した経路1で放電して
零ボルトになり、下アーム31bのスナバコンデンサ4
は図5(b)で示した経路8でE/4ボルトに充電され
る。ここで、スナバコンデンサ4の容量をCS(F)、
アノードリアクトル14のインダクタンスをLA(H)
とすると、この期間において図5(b)に示した経路8
に流れる電流は式(1)、そして、下アーム31bのス
ナバコンデンサ4の各電圧がE/4ボルトになるまでの
時間は式(2)で表される。
【0038】 E/2{(CS/4)/(2LA)}1/2 sinω1 (t−t1 ) ・・・(1) ここで、ω1 =1/{(CS/4)・2LA}1/2
【0039】π/(2ω1 )・・・(2)
【0040】下アーム31bのスナバコンデンサ4の各
電圧がE/4ボルトになると、アノードリアクトル14
を流れている電流は図5(a)に示した経路7に還流す
る。そして、回収コンデンサ16は、アノードリアクト
ル14の蓄積エネルギーを回収することによって充電さ
れる。このときの還流する電流の初期値は式(1)およ
び式(2)より、式(3)となる。なお、この期間はア
ノードリアクトル14の電流が零アンペアになると終了
する。
【0041】 E/2{(CS/4)/(2LA)}1/2 ・・・(3)
【0042】図5(a)に示した経路7を還流していた
電流が零アンペアになると、上アーム31aのGTO1
のターンオンに伴う一連の動作は終了する。そして、こ
のとき充電された回収コンデンサ16の電圧が、エネル
ギー回生回路18の電源にエネルギーを供給するために
必要な電圧Vth2に達していない場合には、図9に示
したように時刻t=t2で上アーム31aのGTO1を
ターンオフし、時刻t=t3で下アーム31bのGTO
1をターンオンする。図9に示したゲート信号におい
て、時間(t3−t2)は上下アームの短絡を防止する
ために予め設定された上下アーム短絡防止時間Tdであ
る。そして、図9によると、上アーム31aのGTO1
がターンオンした後、下アーム31bのGTO1がター
ンオンするまでの時間は(t3−t1)となる。ここ
で、時間(t3−t1)は、式(2)の時間にアノード
リアクトル14のリセット時間(以下で詳しく説明す
る)を加えた時間より必ず長く設定しておかなければな
らない。
【0043】ところで、前述した上アーム31aのGT
O1のターンオンに伴う一連の動作時間は、式(2)と
アノードリアクトル14のリセット時間を足した時間で
あり、これをT1とすると、例えば直流電圧E=120
00V、CS=6μF、LA=40μH、回収コンデン
サ16の電圧VCO=0Vとすると、T1≒332μs
となる。そして、この時間T1に対して時間(t3−t
1)は必ず長く設定しておかなければならない。先の例
において、もし(t3−t1)<T1(=332μs)
であれば、アノードリアクトル14がリセットしていな
い状態で下アーム31bのGTO1がターンオンするこ
とになる。従って、(t3−t1)>T1としなければ
ならない。
【0044】また、図9に示した時刻t=t3以降の動
作、すなわち下アーム31bのGTO1がターンオンし
た後の一連の動作についても、先程と同様に式を導出
し、その動作が終了するまでの時間を計算することが可
能である。したがって、図9に示された時間(t5−t
3)、(t7−t5)などについて、それぞれ異なる時
間を設定することもできる。しかし、先の例において
は、(t3−t1)=(t5−t3)=(t7−t5)
=・・・としておくと、パルス幅変調(PWM)にて電
力変換装置を運転する場合には、その変調率を零に設定
すれば図8に示すような信号を得ることができ、そのと
き(t3−t1)=(t5−t3)=(t7−t5)=
・・・となるので、ゲート制御回路などを構成する上で
簡単になる。
【0045】以後、回収コンデンサ16の電圧が、最低
でもエネルギー回生回路18の電源にエネルギーを供給
するために必要な電圧Vth2になるまで、図9に示し
たようなスイッチングを同様に繰り返す。以上のような
スイッチングを行うと、回収コンデンサ7にもエネルギ
ーが回収されるため、その電圧は上昇する。そこで、回
収コンデンサ7の電圧が、エネルギー回生回路11の回
生動作開始電圧Vrg1以上になった場合には、直流電
源側100にエネルギーを回生するようにする。そし
て、回収コンデンサ16の電圧が所定電圧Vth2以上
に充電された後に、電力変換装置における通常運転を開
始するようにする。
【0046】次に、アノードリアクトル14のリセット
時間について説明する。リセット時間とは、アノードリ
アクトル14に流れていた電流が図5(a)に示した経
路7を還流し、その電流が零アンペアになるまでの時間
である。このリセット時間は、以下で説明するように、
アノードリアクトル14の電流が還流する直前の回収コ
ンデンサ16の初期電圧に大きく依存する。まず、その
特性について説明する。
【0047】図5(a)に示した経路7で還流する直前
での時刻(t=tx)でのアノードリアクトル14の初
期電流をI1アンペア、アノードリアクトル14のイン
ダクタンスをLAヘンリー、回収コンデンサ16の初期
電圧をV1ボルト、回収コンデンサ16の容量をCOフ
ァラッドとすると、図5(a)に示した経路7に流れる
電流は式(4)、その電流が時刻(t=tx)から零ア
ンペアになる時刻(t=ty)までの時間(ty−t
x)は式(5)で表される。
【0048】 {I1 2 +(ω2 ・CO・V1 2 1/2 × sin{tan-1〔I1 /(ω2 ・CO・V1 )〕−ω2 (t−tx)} ・・・(4) ここで ω2 =1/(LA・CO)1/2
【0049】 (1/ω2 )tan-1{I1 /(ω2 ・CO・V1 )}・・・(5)
【0050】式(5)のアノードリアクトル14のリセ
ット時間(ty−tx)について、具体的な数値を与え
てその特性をグラフ化する。図10は、LA=40μ
H、CO=1000μF、I1=2000Aとした場合
における、リセット時間(ty−tx)の回収コンデン
サ16の初期電圧V1に対する依存性を示すグラフであ
る。図10に示したようにリセット時間(ty−tx)
は、回収コンデンサ16の初期電圧V1が高いほど短く
なることが分かる。また、式(5)からも明らかなよう
に、V1=0ボルトの場合には、リセット時間はI1に
は依存せず、LAおよびCOの値のみによって決まる。
そして、そのときのリセット時間が最大値をとることも
分かる。
【0051】本実施の形態では、回収コンデンサに蓄積
されたエネルギーをゲートドライブ回路及びエネルギー
回生回路の電源の両方に供給すると共に直流電源に回生
させているが、これは特に限定するものではなく一方の
電源のみにエネルギーを供給するようにしてもよい。ま
た、本実施の形態では、出力端子にモータを接続してい
るが、これは特にモータに限定するものではなく、電力
変換装置を起動する以前に電圧を持っていない負荷であ
ればよい。
【0052】以上のような手順に従えば、ゲートドライ
ブ回路12の電源やエネルギー回生回路11、18の電
源のエネルギーを確保した後に、通常運転を開始するこ
とができる。
【0053】実施の形態2.図11は本発明の実施の形
態2の電力変換装置の起動方法のタイムチャートを示す
図である。図において、Vth1は回収コンデンサ7が
ゲートドライブ回路12の電源及びエネルギー回生回路
11の電源にエネルギーを供給することができる電圧、
Vrg1はエネルギー回生回路11の回生動作開始電
圧、Vth2は回収コンデンサ16がエネルギー回生回
路18の電源にエネルギーを供給することができる電
圧、Vrg2はエネルギー回生回路18の回生動作開始
電圧、Vth3はVth2以上Vrg2以下の初期充電
電圧である。
【0054】図7に示した実施の形態1では、回収コン
デンサ16を、エネルギー回生回路18の電源にエネル
ギーを供給するために必要な電圧Vth2以上まで初期
充電している。それに対して、本実施の形態では、初期
充電電圧Vth3を以下で述べるような電圧値に設定さ
せることにより、所定時間内に確実にアノードリアクト
ル14をリセットすることができるようにする。
【0055】初期充電電圧Vth3の設定方法を説明す
る。アノードリアクトル14のリセット時間が回収コン
デンサ16の初期電圧に依存することは実施の形態1で
既に説明したが、これは通常運転時においても同様であ
る。そのため、通常運転時の回収コンデンサ16の電圧
は、想定されるいかなる状態においても、所定時間内に
確実にアノードリアクトル14をリセットすることがで
きる最低電圧Vth3以上を確保しておく必要がある。
【0056】例えば、PWMにて電力変換装置を運転
し、負荷であるモータを駆動する場合の通常運転時に
は、PWMの最小パルスが出力され、そのときに最大の
負荷電流をGTO1で遮断したときが、アノードリアク
トル14のリセット時間の制約に関して想定される最も
厳しい状態になる。しかし、このような状態においても
来るべきGTO1のターンオンまでには確実にアノード
リアクトル14をリセットしておく必要があるので、そ
の制約を満足することができるように、回収コンデンサ
16の最低電圧が初期充電電圧Vth3以上を常に確保
できるようにする必要がある。したがって、このような
場合には、回収コンデンサ16の初期充電電圧をこの初
期充電電圧Vth3以上に設定する。
【0057】また、電力変換装置を起動した後の通常運
転のパターンを考慮したときに、前述したような厳しい
状態が起動直後には想定されない場合には、通常運転開
始前に行う回収コンデンサ16の充電電圧の最低電圧と
して、前述した初期充電電圧Vth3よりも低い電圧を
設定させてもよい。
【0058】なお、回収コンデンサ16の初期充電電圧
Vth3をいかなる電圧に設定した場合においても、こ
の初期充電電圧Vth3がエネルギー回生回路18の電
源にエネルギーを供給するために必要な最低電圧Vth
2以上にはなるようにしておく必要がある。もし、この
ように設定されていない場合には、エネルギー回生回路
18の電源にエネルギーが確保されていない状態で電力
変換装置を起動することになるからである。
【0059】次に、図11に示したタイムチャートを説
明する。図11に示したように、エネルギー回生回路1
8の回生動作開始電圧Vrg2は前述の最低電圧Vth
3以上にしておき、回収コンデンサ16の電圧がVth
3になったときには、回収コンデンサ16の初期充電動
作を停止する。また、エネルギー回生回路18の電源に
エネルギーを供給するために必要な最低電圧Vth2
を、前述の最低電圧Vth3以下にしておけば、エネル
ギー回生回路18の電源に供給するためのエネルギーを
確保しつつ、それ以上のエネルギーについては直流電源
側に回生することができる。
【0060】実施の形態3.図12は本発明の実施の形
態3の電力変換装置を示す図である。図において40a
〜40cは直流電源100に並列に接続された相で、相
40a〜相40cは図1に示した相40と同一な回路構
成である。19a〜19cは相40a〜40cからの出
力端子、41は直流電源100と並列に接続された直流
コンデンサ、そして、42は出力端子19a〜19cに
遮断器43を介して接続された負荷であるモータであ
る。
【0061】上記本発明の実施の形態1では、モータな
どのような電力変換装置を起動する以前には電圧を持っ
ていない負荷が出力端子19に直接接続されている場合
の電力変換装置の起動方法について説明を行った。それ
に対して、本実施の形態では、図12に示したように出
力端子19と負荷との間に遮断器43が接続され、かつ
通常運転開始前にはこの遮断器43は開放されている場
合の電力変換装置の起動方法について説明する。なお、
本実施の形態では、通常運転開始前の遮断器43は開放
されているので、負荷はモータなどに限らず、電力変換
装置を起動する以前から電圧を持っている電力系統など
についても、回収コンデンサ7、16の初期充電方法は
同じとなる。
【0062】本実施の形態での初期状態を説明する。本
実施の形態の初期状態では、直流コンデンサ41は初期
充電が終了し、その電圧がEボルトで定常状態になって
いるものとし、回収コンデンサ7も図4(a)に示した
経路5にて充電され、GTO1のゲートドライブ回路1
2の電源とエネルギー回生回路11の電源にエネルギー
を既に供給することができる状態になっているものとす
る。そして、GTO1は全てオフされているものとす
る。また、この初期状態では回収コンデンサ16の電圧
がごく低い値であることは既に述べたが、ここでも説明
を簡単にするために、この電圧は零ボルトであると仮定
する。
【0063】本実施の形態では、遮断器43が開放され
ているので、電力変換装置の出力端子19にいかなる相
電圧を出力しても、負荷に電圧が印加されることはな
く、負荷電流も流れない。したがって、回収コンデンサ
16の初期充電を行うスイッチングについては、特に線
間電圧を零ボルトにする必要はなく、前述したアノード
リアクトル14のリセット時間にさえ注意をすればよ
い。
【0064】本実施の形態の電力変換装置の起動方法
は、GTO1に与えるゲート信号以外は実施の形態1と
同様であるので、その他の説明は省略する。図13は本
発明の実施の形態3のゲート信号を示す図で、図13
(a)は線間電圧が変化するゲート信号の例を示す図で
ある。ここで、回収コンデンサ16の初期充電を開始す
るタイミングとして、例えば図13(a)のゲート信号
パルスの立ち上がりを利用する場合を想定する。そのタ
イミングとしては時刻t1〜t6が考えられるが、この
うち時刻t3で初期充電を開始したとする。全てのGT
O1は、回収コンデンサ16の初期充電を行う直前に
は、オフ状態を維持しているので、実際に各GTO1に
与えられるゲート信号は図13(b)に示したようなゲ
ート信号になる。この場合には、図中の(t4−t3)
時間内にW相のアノードリアクトル14がリセットされ
ていれば、他の相のアノードリアクトル14については
リセット時間の問題はないことが分かる。
【0065】次に、図13(a)に示した時刻t4で初
期充電を開始したとすると、実際に各GTO1に与えら
れるゲート信号は図13(c)のようになるので、V相
の上アームのGTO1に与えるゲート信号のパルス幅が
特に短くなることが分かる。そして、図中の(t5−t
4)時間内にアノードリアクトル14がリセットされて
いないとき、すなわち(t5−t4)<T1(T1は実
施の形態1において定義されたものとする)であるとき
には、V相の下アームのGTO1にはターンオン時に高
いdi/dtがかかる可能性がある。したがって、この
ようなタイミングで、回収コンデンサ16の初期充電動
作を開始しないようにしなければならない。
【0066】また、回収コンデンサ16の初期充電を開
始するタイミングとして、ゲート信号パルスの立ち上が
りを利用しないことも可能であるが、その場合において
も、GTO1がターンオンしたときに、アノードリアク
トル14が必ずリセットされていることが必要である。
【0067】実施の形態1では、線間電圧が零ボルトに
なるようなゲート信号を用いて回収コンデンサ16を初
期充電しているので、各相の回収コンデンサ16の電圧
は同時刻において全て等しくなる。しかし、図13に示
したようなゲート信号を用いて回収コンデンサ16を初
期充電する場合には、各相の回収コンデンサ16の電圧
が同時刻において等しくならないので注意する必要があ
る。つまり、ある時刻においてある相の回収コンデンサ
16が所定電圧に達した場合でも、その時刻に他の相の
回収コンデンサ16が所定電圧に達しているとは限らな
い。そのため、ある相の回収コンデンサ16の電圧のみ
を計測し、それを基準として電力変換装置を起動する
と、他相のエネルギー回生回路18の電源にエネルギー
が供給されていなかったり、通常運転時におけるアノー
ドリアクトル14のリセット時間の制約が満足されない
などの問題が発生する可能性がある。したがって、図1
3に示したようなゲート信号を用いて回収コンデンサ1
6を初期充電する場合には、全アームの回収コンデンサ
16の電圧を計測し、全ての回収コンデンサ16の電圧
が所定電圧以上になった時点で通常運転を開始させるよ
うにする。
【0068】なお、出力端子19が遮断器43によって
負荷側から開放されている場合にも、実施の形態1で示
したように、線間電圧が零ボルトになるゲート信号でG
TO1をスイッチングさせ、回収コンデンサ16を初期
充電させてもよい。また、その場合においても、アノー
ドリアクトル14のリセット時間を考慮したゲート信号
を準備する必要があることは言うまでもない。
【0069】本実施の形態では、出力端子19が遮断器
43によって負荷側から開放されている場合には、図1
3に示したように線間電圧が零ボルトにならないような
ゲート信号でGTO1をスイッチングさせることによっ
て、回収コンデンサ16を初期充電することができる。
なお、図13に示したのようなゲート信号は、PWMで
運転される電力変換装置では通常のゲート制御回路から
容易に得られるもで、回収コンデンサ16の初期充電用
に特別なゲート制御回路などを準備する必要はなく、電
力変換装置の構成が複雑化するのを防ぐことができる。
【0070】実施の形態4.図14は本発明の実施の形
態4の電力変換装置を示す図である。図において40a
〜40cは直流電源100に並列に接続された相で、相
40a〜相40cは図1に示した相40と同一な回路構
成である。19a〜19cは相40a〜相40cからの
出力端子、41は直流電源100と並列に接続された直
流コンデンサ、そして、44は出力端子19a〜19c
に遮断器43を介して接続された負荷である電力系統で
ある。
【0071】上記実施の形態1、2では、電力変換装置
に接続される負荷が、モータなどのように電力変換装置
を起動する以前には電圧を持っていない電力変換装置の
起動方法について説明した。これに対して本実施の形態
では、図14に示したように電力変換装置に接続される
負荷が電力系統、つまり電力変換装置を起動する以前に
電圧を持っている場合の電力変換装置の起動方法につい
て説明する。
【0072】図14に示した電力変換装置では、直流コ
ンデンサ41を初期充電した後、回収コンデンサ16の
電圧が零ボルトの状態で遮断器43を投入する場合に
は、負荷である電力系統44に電力変換装置を接続した
状態で回収コンデンサ16を初期充電しなければならな
い。
【0073】はじめに、図14に示した電力変換装置の
初期状態について説明する。まず、全てのGTO1はオ
フ状態で、遮断器43は開放されているものとする。そ
して、直流コンデンサ41は直流電源側100から所定
の直流電圧Eボルトまで充電され定常状態になっている
ものとする。このとき、全てのGTO1はオフ状態にあ
るので、全てのスナバコンデンサ4の電圧はE/8ボル
トとなる。そして、回収コンデンサ7は図4(a)に示
した経路5にて充電され、GTO1のゲートドライブ回
路12の電源とエネルギー回生回路11の電源にエネル
ギーを供給することができる状態になっているものとす
る。なお、少なくとも直流コンデンサ41の初期充電が
終了するまでは、遮断器43は開放されているものとす
る。この状態から遮断器43を投入し、電力変換装置と
負荷である電力系統44を接続する。
【0074】遮断器43を投入すると、電力変換装置の
線間電圧は系統側の線間電圧に支配されるため、スナバ
コンデンサ4の電圧は系統電圧に同期して変化する。ス
ナバコンデンサ4の電圧が変化すると、回収コンデンサ
7にはエネルギーが回収されるため回収コンデンサ7は
充電されるが、回収コンデンサ16はほとんど充電され
ない。この理由を次に説明する。
【0075】前述したように電力変換装置の線間電圧は
系統側の線間電圧に支配されるので、スナバコンデンサ
4の電圧は系統周波数で変動する。ここで、系統周波数
を60Hz、アノードリアクトルのインダクタンスを4
0μHとすると、そのインピーダンスは2×π×60H
z×40μH≒0.015Ωとなる。したがって、例え
スナバコンデンサ4の電圧変動時に100Aの電流が流
れたとしても、回収コンデンサ16の電圧は1.5Vま
でしか上昇しないことになる。また、系統周波数でスナ
バコンデンサ4の電圧が変動する際に、100Aの電流
が流れることは通常あり得ず、回収コンデンサ16の電
圧はほぼ零ボルトのままであると考えることができる。
【0076】このように、遮断器43を投入し、電力変
換装置と電力系統44を接続しただけでは、回収コンデ
ンサ16を初期充電することができない。そこで、本実
施の形態では、電力変換装置の出力電圧と系統電圧とを
完全に対向させるように電力変換装置のGTO1をスイ
ッチングすることにより、電力系統44に対して電力の
供給や消費を行わないように回収コンデンサ16を充電
する。このようにGTO1をスイッチングするには、電
力変換装置の出力電圧と系統電圧とが全く同じ電圧にな
るように電力変換装置を制御すればよい。例えばPWM
を用いて電力変換装置を運転する場合には、系統電圧と
同じ出力電圧となるような変調率を設定すればよい。図
15は本発明の実施の形態4のPWMの一例を示す図で
ある。図15に示したPWMの変調率は、電力変換装置
の出力電圧が系統電圧と対向するように設定されている
とする。また、PWMのキャリア周波数は通常運転時と
同じであるとする。
【0077】次に、図14に示した電力変換装置の起動
方法を説明する。ここで、回収コンデンサ16の初期充
電を開始するタイミングとしては、実施の形態3と同様
にゲート信号パルスの立ち上がりを利用する場合を想定
する。この場合には、以下の注意が必要である。
【0078】まず、図15に示した時刻t1のタイミン
グで回収コンデンサ16の初期充電を開始した場合を考
える。図16(a)は図15に示したPWMの時刻t1
近傍の拡大図で、図16(b)は時刻t1で回収コンデ
ンサ16の初期充電を開始した場合、実際に各GTOに
与えられるゲート信号の図である。図16(b)に示し
たようなゲート信号が各相に与えられた場合には、V相
において(t2−t1)時間内にアノードリアクトル1
4がリセットできないと、時刻t2でターンオンしたV
相における上アームのGTO1には、高いdi/dtが
かかる可能性がある。したがって、このようなタイミン
グでは、回収コンデンサ16の初期充電を開始させない
ようにする必要がある。
【0079】次に、図16(b)に示したゲート信号の
タイミングと異なる時刻t3のタイミングで回収コンデ
ンサ16の初期充電を開始した場合を考える。図17
(a)は図15に示したPWMの時刻t3近傍の拡大図
で、図17(b)は時刻t3で回収コンデンサ16の初
期充電を開始した場合、実際に各GTOに与えられるゲ
ート信号の図である。図17(b)に示したようなゲー
ト信号が各相に与えられる場合には、最初のターンオン
動作から次のターンオン動作までの時間(t4−t
3)、(t5−t3)、(t6−t3)の中で最小とな
るのは、回収コンデンサ16の初期充電開始タイミング
に利用したU相の時間(t4−t3)である。そして、
この時間はU相における上アームのGTO1のターンオ
ン動作に伴う一連の動作時間、すなわちU相において下
アームのスナバコンデンサ4がE/4ボルトまで充電
し、アノードリアクトル14がリセットするまでの時間
より長くなければならない。
【0080】また、電力変換装置の出力端子19を電力
系統44に接続している場合には、前述したようにスナ
バコンデンサ4の電圧は系統電圧に同期して変化してい
るので、ターンオンする側のアームのスナバコンデンサ
4の電圧は、回収コンデンサ16の初期充電を開始する
タイミングによって異なる。そのため、あるタイミング
において回収コンデンサ16の初期充電を開始した場
合、例えば上アームのGTO1がターンオンしたとする
と、下アームのスナバコンデンサ4がE/4ボルトまで
充電し、アノードリアクトル14がリセットするまでの
時間についても、そのタイミングにおける下アームのス
ナバコンデンサ4の電圧によって異なる。
【0081】回収コンデンサ16の初期充電を開始した
ときのGTO1のターンオン動作に伴う一連の動作時間
が最も長くなるのは、スナバコンデンサ4が零ボルトか
らE/4ボルトまで充電され、その後アノードリアクト
ル14がリセットする場合である。この最長時間をT2
とすると、図14に示した電力変換装置では、時間T2
は式(6)により求まる。したがって、例えば図15に
示した時刻t3のようなタイミングを利用して初期充電
させるときには、(t4−t3)>T2の場合にのみ、
回収コンデンサ16の初期充電を開始するように予め設
定すれば、他相については、(t6−t3)>(t5−
t3)>(t4−t3)>T2であるので、次のターン
オン動作までには必ずアノードリアクトル14はリセッ
トされていることになる。
【0082】 {π/(2ω1 )}+{π/(2ω2 )}・・・(6)
【0083】いま、図15に示した時刻t1のタイミン
グではなく、時刻t3のようなタイミング、例えば図1
5に示した時刻t7のタイミングで回収コンデンサ16
の初期充電開始タイミングを設定したとする。その場合
には、t7からV相では現在設定されている変調率での
最小幅パルスが出力される。このような場合において
も、V相の次のターンオン動作である上アームにおける
GTO1のターンオンまでの時間T3については、T3
>T2の関係が成立していなければならない。逆に、先
に述べたような初期充電開始タイミングが設定されてい
る場合に、最小幅パルスが出力されるタイミングで回収
コンデンサ16の初期充電を開始することが可能であれ
ば、他のタイミングにおいても開始可能であると言え
る。
【0084】なお、PWMでは、変調率に対して出力さ
れる最小幅パルスを予め計算しておくことができる。ま
た、上下アーム短絡防止時間Tdも予め決まっているの
で、これらからT3を求めることが可能である。つま
り、変調率に対するT3を予め求めておくことが可能で
ある。
【0085】ここで、PWMの変調率に対するT3の特
性の一例を説明する。図18はPWMの変調率に対する
T3の特性の一例を示す図である。ここでは、PWMの
キャリア周波数を450Hz、Tdを40μsとした。
【0086】系統電圧が高いときにはPWMの変調率が
大きくなるので、図18に示したようにT3は短くな
る。また、前述したように、T3<T2になると、次の
GTO1のターンオンまでにアノードリアクトル14を
リセットできない場合がある。つまり、この例では、変
調率が0.8以上になるような系統電圧のときには、回
収コンデンサ16の初期充電を開始することができない
ことが分かる。そして、このような特性を予め把握して
おけば、回収コンデンサ16の初期充電の開始が可能な
系統電圧の最大値、すなわちPWMの変調率の最大値を
設定することができる。
【0087】ところで、先の例では系統電圧が高く、P
WMの変調率が大きいときには、T3<T2となるタイ
ミングでは、回収コンデンサ16の初期充電を開始しな
いようにしていた。しかし、そのような変調率である場
合にも、T2以上を確保できるタイミングが他に存在す
れば、そのタイミングから回収コンデンサ16の初期充
電を開始することができる。
【0088】具体的には、図15に示した時刻t7にお
けるタイミングではT3<T2となるため、回収コンデ
ンサ16の初期充電を開始することができない場合にお
いても、時刻t8におけるタイミングからであれば初期
充電を開始することが可能な場合がある。ただし、この
ときには、時刻t8におけるタイミングについても、回
収コンデンサ16初期充電を開始することができる変調
率の最大値を把握しておく必要がある。
【0089】また、以上の説明では、PWMのキャリア
周波数は通常運転時と同じであるとしていたが、同じ変
調率でキャリア周波数を低くすると、前述の時間T3は
長くなる。したがって、回収コンデンサ16の初期充電
時のキャリア周波数が通常運転時と同じ場合には、初期
充電を開始することができなかったタイミングについて
も、キャリア周波数が低い場合には開始することができ
ることもある。つまり、回収コンデンサ16の初期充電
時のみ、PWMのキャリア周波数を低くすれば、変調率
が高い場合にも初期充電を開始することができる。
【0090】以上のような方法に従って回収コンデンサ
16を所定電圧まで初期充電した後、電力系統44に対
して電力の供給や消費を行う通常運転に切り換える。
【0091】ここで説明した方法に従えば、系統側に影
響を与えずに回収コンデンサ16を初期充電することが
でき、電力変換装置を安全で確実に起動することができ
る。
【0092】実施の形態5.図19は本発明の実施の形
態5の電力変換装置の起動方法のタイムチャートを示す
図である。図において、Vth1は回収コンデンサ7が
ゲートドライブ回路12の電源及びエネルギー回生回路
11の電源にエネルギーを供給することができる電圧、
Vrg1はエネルギー回生回路11の回生動作開始電
圧、Vth2は回収コンデンサ16がエネルギー回生回
路18の電源を供給することができる電圧、Vrg2は
エネルギー回生回路18の回生動作開始電圧、Vth3
はVth2以上Vrg2以下の初期充電電圧である。
【0093】上記実施の形態1〜4では、直流コンデン
サ41の電圧が零ボルトの状態からの電力変換装置の起
動方法について説明した。それに対して、本実施の形態
では先に説明した方法に従って起動し、その後通常運転
を行った電力変換装置を一度停止させ、ある時間の後、
再度通常運転を行う場合を考える。なお、本実施の形態
では、直流コンデンサ41の電圧は常に一定に保たれて
いると仮定する。
【0094】通常運転を行っている状態から通常運転を
停止させると、通常運転時におけるGTO1のスイッチ
ングに伴う回収コンデンサ7、16へのエネルギーの供
給がなくなる。しかし、この場合にでも回収コンデンサ
7からゲートドライブ回路12とエネルギー回生回路1
1の電源に、また回収コンデンサ16からエネルギー回
生回路18の電源に無負荷電力を供給し続けるので、そ
れぞれの回収コンデンサの電圧は低下する。ただし、直
流コンデンサ41の電圧は常にEボルトを保っているの
で、回収コンデンサ7は図4(a)に示した経路5にて
充電される。このため、回収コンデンサ7の電圧は、前
述の無負荷電力と図4(a)に示した経路5にて供給さ
れる電力が等しくなるところで一定値になる。しかし、
回収コンデンサ16には電力が供給されないために回収
コンデンサ16の電圧は徐々に低下し、この電圧がVt
h2以下になるとエネルギー回生回路18の制御回路が
停止する。
【0095】このような状態から通常運転を再開するた
めには、まず回収コンデンサ16の初期充電を行い、エ
ネルギー回生回路18の制御回路を動作させるために必
要な電圧値Vth2を確保し、さらにアノードリアクト
ル14のリセット時間の制約によって決まる電圧値Vt
h3を確保する必要がある。そのため、通常運転の再開
指令が出されると、まず回収コンデンサ16の初期充電
を行い、その後に通常運転を行うことになる。したがっ
て、指令と同時に通常運転を再開することができない。
【0096】そこで、本実施の形態では図19のタイム
チャートに示したように、通常運転を停止している期間
において、回収コンデンサ16の電圧がVth3以下に
なった場合には、上記実施の形態1〜4で説明したよう
な初期充電を行う。こうすることによって、電力変換装
置は、常に通常運転を再開できる状態を保つことができ
るので、いつでも指令と同時に通常運転を再開すること
ができる。
【0097】本実施の形態では、遮断器43を投入した
状態で初期充電させる方法を説明したが、遮断器43を
開放したままで、回収コンデンサ16を所定電圧まで充
電することができる場合には、実施の形態3で説明した
ような回収コンデンサ16の初期充電方法を適用すれば
よい。
【0098】実施の形態6.上記実施の形態1〜5で
は、図1に示した回路構成の電力変換装置の起動方法を
説明した。しかし、アノードリアクトル14の蓄積エネ
ルギーを回収コンデンサ16に回収し、エネルギー回生
回路18によって直流電源側100に回生する電力変換
装置であれば、GTOを直列接続していない場合につい
ても、回収コンデンサ16の初期充電方法は基本的に同
じである。したがって、以上で説明した電力変換装置の
起動方法を、他の回路構成の電力変換装置に適用するこ
とは可能である。
【0099】図20は本発明の実施の形態6の電力変換
装置を示す図で、スナバコンデンサ及びアノードリアク
トルに蓄積されたエネルギーを直流電源に回生する電力
変換装置の図である。図において、1a、1hは自己消
弧型半導体スイッチング素子(GTO1a、GTO1
h)、2a、2hは、GTO1a、GTO1hに逆並列
に接続されるフリーホイールダイオード、3a、3hは
GTO1a、GTO1hに並列に接続されスナバコンデ
ンサ4a、4hとスナバダイオード5a、5hの直列回
路で構成されるスナバ回路、10a、10hは初期充電
抵抗、12a、12hはGTO1a、GTO1hを駆動
するためのゲートドライブ回路、14a、14bはアノ
ードリアクトルである。
【0100】21a、21hは給電コンデンサ、22
a、22bは回収コンデンサ、23a、23hは回収ダ
イオード、24a、24bは回収コンデンサ22a、2
2bに回収されたエネルギーを直流電源側100に回生
するエネルギー回生回路である。また、25a、25h
は共振コンデンサ、26a、26hは共振リアクトル、
27a、27h及び28a、28hはダイオードであ
る。なお30b〜30dの内部構成は30a、30e〜
30gの内部構成は30hと同じであるので説明を省略
する。また、31aは30a〜30dから構成されたG
TOが4個直列接続されている上アーム、31bは30
e〜30hから構成されたGTOが4個直列接続されて
いる下アームである。
【0101】図20に示した電力変換装置では、上アー
ム31aのスナバコンデンサ4の蓄積エネルギーとアノ
ードリアクトル14aの蓄積エネルギーは回収コンデン
サ22aに回収され、下アーム31bのスナバコンデン
サ4の蓄積エネルギーとアノードリアクトル14bの蓄
積エネルギーは回収コンデンサ22bに回収される。つ
まり、図1に示した電力変換装置において回収コンデン
サ16aと上アーム31aの回収コンデンサ7とに分割
して回収していたエネルギーは、図20に示した電力変
換装置では一括して回収コンデンサ22aに回収され
る。また、図1に示した電力変換装置における回収リア
クトル8の役割は、図20に示した電力変換装置ではア
ノードリアクトル14が担っている。
【0102】また、図20に示した電力変換装置では、
ゲートドライブ回路12の電源のエネルギーは給電コン
デンサ21より供給している。図1に示した電力変換装
置では、回収コンデンサ7に回収されるスナバコンデン
サ4の蓄積エネルギーの一部をゲートドライブ回路12
の電源用に供給している。これに対して図20に示した
電力変換装置では、ゲートドライブ回路12の電源用に
スナバコンデンサ4の蓄積エネルギーを利用せず、コン
デンサ25や共振リアクトル26などで給電コンデンサ
21にエネルギーを供給している。
【0103】回路動作については詳述しないが、図1に
示した電力変換装置における図2(a)に示した経路1
に対応する図20に示した電力変換装置の電流経路は図
21(a)に示した経路9である。ただし、先に述べた
ように図20に示した電力変換装置では上アーム31a
のスナバコンデンサ4の蓄積エネルギーは一括して回収
コンデンサ22aに回収されるので、上アーム31aの
GTOのターンオンに伴う上アーム31aスナバコンデ
ンサ4の放電経路は図21(b)に示した経路10とな
る。以下、図2(b)、図5(a)に示した経路2、経
路7には図22(a)に示した経路11が対応する。つ
まり、アノードリアクトル14の蓄積エネルギー回収動
作と電流リセット時間に関しては、図1と図20に示し
た電力変換装置は等価であることが分かる。
【0104】また、GTOがスイッチングを開始する以
前にゲートドライブ回路12の電源に供給するエネルギ
ーについては、図1に示した電力変換装置では図4
(a)に示した経路5を流れる電流で確保していた。こ
れに対して、図20に示した電力変換装置では図22
(b)に示した経路12を流れる電流で確保している。
つまり、直流コンデンサを零ボルトから所定の直流電圧
まで充電したときの、ゲートドライブ回路の電源供給に
関しても、図1と図20に示した電力変換装置は等価で
あることが分かる。
【0105】以上のことから、上記実施の形態1〜5で
説明した電力変換装置の起動方法を、図1以外の電力変
換装置に適用することができる。
【0106】
【発明の効果】請求項1の発明に係る電力変換装置の起
動方法は、通常運転を開始する以前にコンデンサを所定
電圧に初期充電することができると同時に、コンデンサ
に余剰に蓄積されたエネルギーを直流電源部に回生する
ことができる。
【0107】請求項2の発明に係る電力変換装置の起動
方法は、通常運転を開始する以前に初期充電抵抗を介し
て回収コンデンサを所定電圧に初期充電することができ
る。また、回収コンデンサに余剰に蓄積されたエネルギ
ーは直流電源部に回生するか、もしくはゲートドライブ
回路によって自己消弧型のスイッチング素子のゲートに
供給することができる(併用も可能)。
【0108】請求項3の発明に係る電力変換装置の起動
方法は、コンデンサに回収されたアノードリアクトルの
エネルギーは直流電源部に回生し、回収コンデンサに回
収されたスナバコンデンサのエネルギーは直流電源部に
回生するか、もしくはゲートドライブ回路によって自己
消弧型のスイッチング素子のゲートに供給することがで
きる(併用も可能)。
【0109】請求項4の発明に係る電力変換装置の起動
方法は、回収コンデンサに蓄積されたエネルギーの一部
を回収エネルギー回生回路の駆動電源として供給すると
共に、それ以降回収コンデンサに過剰に蓄積されたエネ
ルギーを直流電源部に回生することができる。
【0110】請求項5の発明に係る電力変換装置の起動
方法は、回収コンデンサに蓄積されたエネルギーの一部
をゲートドライブ回路の駆動電源として供給すると共
に、それ以降回収コンデンサに過剰に蓄積されたエネル
ギーを自己消弧型のスイッチング素子のゲートに供給す
ることができる。
【0111】請求項6の発明に係る電力変換装置の起動
方法は、回収エネルギー回生回路の駆動電源またはゲー
トドライブ回路の駆動電源を確保すると同時に、それ以
降回収コンデンサに過剰に蓄積されたエネルギーは直流
電源部に回生することができる。
【0112】請求項7の発明に係る電力変換装置の起動
方法は、コンデンサに蓄積されたエネルギーの一部をエ
ネルギー回生回路の駆動電源として供給すると共に、そ
れ以降コンデンサに過剰に蓄積されたエネルギーを直流
電源部に回生することができる。
【0113】請求項8の発明に係る電力変換装置の起動
方法は、エネルギー回生回路の駆動電源を確保すると同
時に、それ以降コンデンサに過剰に蓄積されたエネルギ
ーは直流電源部に回生することができる。
【0114】請求項9の発明に係る電力変換装置の起動
方法は、コンデンサの電圧を、電力変換装置を通常運転
するときに想定されるいかなる状態においても、アノー
ドリアクトルを所定時間内にリセットすることができる
電圧以上にすることができる。したがって、通常運転を
開始した直後に、アノードリアクトルのリセット時間に
関して最も厳しい状態になった場合にも、確実にアノー
ドリアクトルはリセットされるので、自己消弧型のスイ
ッチング素子にかかるdi/dtは設計値どおりに抑制
され、自己消弧型のスイッチング素子を安全に駆動する
ことができる。
【0115】請求項10の発明に係る電力変換装置の起
動方法は、自己消弧型のスイッチング素子がターンオン
するまでに、アノードリアクトルをリセットしておくこ
とができる。したがって、ターンオン時、自己消弧型の
スイッチング素子にかかるdi/dtは設計値どおりに
抑制され、自己消弧型のスイッチングを安全に駆動する
ことができる。
【0116】請求項11の発明に係る電力変換装置の起
動方法は、コンデンサの電圧を常に所定電圧以上に保っ
ておくことができる。したがって、いかなるタイミング
においても、直ちに通常運転を開始することができる。
【0117】請求項12の発明に係る電力変換装置の起
動方法は、電力変換装置と負荷との間で電力の供給や消
費を行わず、つまり負荷に影響を与えることなくコンデ
ンサ及び回収コンデンサのいずれか一方または両方を所
定電圧に初期充電することができる。
【0118】請求項13の発明に係る電力変換装置の起
動方法は、電力変換装置と負荷との間で電力の供給や消
費を行わず、つまり負荷に影響を与えることなくコンデ
ンサ及び回収コンデンサのいずれか一方または両方を所
定電圧に初期充電することができる。
【0119】請求項14の発明に係る電力変換装置の起
動方法は、電力系統負荷の線間電圧と電力変換装置の出
力線間電圧とが等しくなるように自己消弧型のスイッチ
ング素子をスイッチングさせるので、電力変換装置と電
力系統負荷との間で電力の供給や消費を行わず、つまり
負荷である電力系統に影響を与えることなくコンデンサ
及び回収コンデンサのいずれか一方または両方を所定電
圧に初期充電することができる。また、自己消弧型のス
イッチング素子をスイッチングさせると、ターンオンし
た際に高いdi/dtがかかるなどして素子が破壊する
可能性があるときには、初期充電を開始しないようにす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の電力変換装置の回路
構成図。
【図2】 図1に示した電力変換装置の動作を説明する
ための図。
【図3】 図1に示した電力変換装置の動作を説明する
ための図。
【図4】 図1に示した電力変換装置の動作を説明する
ための図。
【図5】 図1に示した電力変換装置の動作を説明する
ための図。
【図6】 本発明の実施の形態1の電力変換装置を示す
図。
【図7】 図6に示した電力変換装置の起動方法を示す
タイムチャート図。
【図8】 図6に示した電力変換装置の線間電圧が零ボ
ルトになる相電圧を示す図。
【図9】 図6に示した電力変換装置のゲート信号を示
す図。
【図10】 回収コンデンサの初期電圧に対するアノー
ドリアクトルのリセット時間の特性を示す図。
【図11】 本発明の実施の形態2の電力変換装置の起
動方法を示すタイムチャート図。
【図12】 本発明の実施の形態3の電力変換装置を示
す図。
【図13】 図12に示した電力変換装置のゲート信号
を示す図。
【図14】 本発明の実施の形態4の電力変換装置を示
す図。
【図15】 図14に示した電力変換装置のゲート信号
を示す図。
【図16】 図15で示したゲート信号の拡大図。
【図17】 図15で示したゲート信号の拡大図。
【図18】 PWMの変調率に対するT3時間の特性を
示す図。
【図19】 本発明の実施の形態5の電力変換装置の起
動方法を示すタイムチャート図。
【図20】 本発明の実施の形態6の電力変換装置の回
路構成図。
【図21】 図20に示した電力変換装置の動作を説明
するための図。
【図22】 図20に示した電力変換装置の動作を説明
するための図。
【図23】 従来の電力変換装置を示す図。
【符号の説明】
1 自己消弧型半導体素子 2 フリーホイ
ールダイオード 3 スナバ回路 4 スナバコン
デンサ 5 スナバダイオード 6 エネルギー
回収回路 7 回収コンデンサ 8 回収リアク
トル 9 回収ダイオード 10 初期充電
抵抗 11 エネルギー回生回路 12 ゲート
ドライブ回路 13 光ファイバ 14 アノー
ドリアクトル 15 エネルギー回収回路 16 回収コ
ンデンサ 17 回収ダイオード 18 エネル
ギー回生回路 19 出力端子 21 給電コンデンサ 22 回収コ
ンデンサ 23 回収ダイオード 24 エネル
ギー回生回路 25 共振コンデンサ 26 共振リ
アクトル 27 ダイオード 28 ダイオ
ード 31a 上アーム 31b 下アー
ム 40 相 41 直流コ
ンデンサ 42 モータ 43 遮断器 44 電力系統 50 スナバ抵抗 51 リセッ
ト抵抗 52 リセットダイオード

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源部と、前記直流電源部の両極間
    に互いに直列に接続された自己消弧型のスイッチング素
    子と、前記スイッチング素子に逆並列接続されたダイオ
    ードと、前記スイッチング素子に並列接続されたスナバ
    コンデンサ及びスナバダイオードの直列体からなるスナ
    バ回路と、前記直流電源部の両極間に前記スイッチング
    素子と直列に接続されたアノードリアクトルと、前記ア
    ノードリアクトルの端子間に接続されたコンデンサ及び
    ダイオードの直列体からなるエネルギー回収回路と、前
    記コンデンサと前記直流電源部との間に接続され前記コ
    ンデンサに蓄積されたエネルギーを前記直流電源部に回
    生させるエネルギー回生回路とを有する相を備えた電力
    変換装置を起動させる電力変換装置の起動方法におい
    て、 前記電力変換装置の通常運転開始前に、前記スイッチン
    グ素子をスイッチングさせることによって前記アノード
    リアクトルと前記エネルギー回収回路とで構成される閉
    ループに電流を流し前記エネルギー回収回路のコンデン
    サにエネルギーを蓄積させるエネルギー蓄積過程と、前
    記コンデンサに蓄積されたエネルギーを前記エネルギー
    回生回路によって前記直流電源部に回生させるエネルギ
    ー回生過程とを含むことを特徴とする電力変換装置の起
    動方法。
  2. 【請求項2】 直流電源部と、前記直流電源部の両極間
    に互いに直列に接続された自己消弧型のスイッチング素
    子と、前記スイッチング素子に逆並列接続されたダイオ
    ードと、前記スイッチング素子に並列接続されたスナバ
    コンデンサ及びスナバダイオードの直列体からなるスナ
    バ回路と、前記直流電源部の両極間に前記スイッチング
    素子と直列に接続されたアノードリアクトルと、前記ア
    ノードリアクトルの端子間に接続されたコンデンサ及び
    ダイオードの直列体からなるエネルギー回収回路と、前
    記コンデンサと前記直流電源部との間に接続され前記コ
    ンデンサに蓄積されたエネルギーを前記直流電源部に回
    生させるエネルギー回生回路と、前記スイッチング素子
    に並列に接続された初期充電抵抗及び回収コンデンサの
    直列体と、前記回収コンデンサと直流電源部との間に接
    続され前記回収コンデンサに回収されたエネルギーを前
    記直流電源部に回生させる回収エネルギー回生回路及び
    前記回収コンデンサと前記スイッチング素子のゲートと
    の間に接続され前記回収コンデンサに回収されたエネル
    ギーを前記ゲートに供給するゲートドライブ回路のいず
    れか一方または両方とを有する相を備えた電力変換装置
    を起動させる電力変換装置の起動方法において、 前記電力変換装置の通常運転開始前に、前記初期充電抵
    抗を介して前記回収コンデンサにエネルギーを蓄積させ
    る過程と、前記回収コンデンサに蓄積されたエネルギー
    を回収エネルギー回生回路によって直流電源部に回生さ
    せる第1の回収エネルギー回生過程及び前記回収コンデ
    ンサに回収されたエネルギーをゲートドライブ回路によ
    ってゲートに供給する第2の回収エネルギー回生過程の
    いずれか一方または両方の回収エネルギー回生過程と、
    前記回収エネルギー回生過程後に、前記スイッチング素
    子をスイッチングさせることによって前記アノードリア
    クトルとエネルギー回収回路とで構成される閉ループに
    電流を流し前記エネルギー回収回路のコンデンサにエネ
    ルギーを蓄積させるエネルギー蓄積過程と、前記コンデ
    ンサに蓄積されたエネルギーをエネルギー回生回路によ
    って前記直流電源部に回生させるエネルギー回生過程と
    を含むことを特徴とする電力変換装置の起動方法。
  3. 【請求項3】 エネルギーを蓄積させる過程は、電力変
    換装置の通常運転開始前に、初期充電抵抗を介して回収
    コンデンサにエネルギーを蓄積させると共にスナバコン
    デンサにエネルギーを蓄積させ、エネルギー蓄積過程
    は、回収エネルギー回生過程後に、スイッチング素子を
    スイッチングさせることによってアノードリアクトルと
    エネルギー回収回路とで構成される閉ループに電流を流
    し前記エネルギー回収回路のコンデンサにエネルギーを
    蓄積させると共に前記スナバコンデンサに蓄積されたエ
    ネルギーを前記回収コンデンサに蓄積させる過程である
    ことを特徴とする請求項2記載の電力変換装置の起動方
    法。
  4. 【請求項4】 第1の回収エネルギー回生過程は、回収
    エネルギー回生回路を駆動させるために回収コンデンサ
    のエネルギーを前記回収エネルギー回生回路に供給し
    て、前記回収エネルギー回生回路の駆動電源を得た後、
    前記回収コンデンサのエネルギーを前記回収エネルギー
    回生回路によって直流電源部に回生させることを特徴と
    する請求項2または請求項3記載の電力変換装置の起動
    方法。
  5. 【請求項5】 第2の回収エネルギー回生過程は、ゲー
    トドライブ回路を駆動させるために回収コンデンサのエ
    ネルギーを前記ゲートドライブ回路に供給して、前記ゲ
    ートドライブ回路の駆動電源を得た後、前記回収コンデ
    ンサのエネルギーを前記ゲートドライブ回路によってゲ
    ートに供給することを特徴とする請求項2〜4にいずれ
    か1項記載の電力変換装置の起動方法。
  6. 【請求項6】 回収コンデンサの電圧は、回収エネルギ
    ー回生回路の駆動電圧またはゲートドライブ回路の駆動
    電圧以上、かつ前記回収エネルギー回生回路の回生動作
    開始電圧以下にすることを特徴とする請求項2〜5のい
    ずれか1項記載の電力変換装置の起動方法。
  7. 【請求項7】 エネルギー回生過程は、エネルギー回生
    回路を駆動させるためにコンデンサのエネルギーを前記
    エネルギー回生回路に供給して、前記エネルギー回生回
    路の駆動電源を得た後、前記コンデンサのエネルギーを
    前記エネルギー回生回路によって直流電源部に回生させ
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の
    電力変換装置の起動方法。
  8. 【請求項8】 コンデンサの電圧はエネルギー回生回路
    の駆動電圧以上、かつ前記エネルギー回生回路の回生動
    作開始電圧以下にすることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれか1項記載の電力変換装置の起動方法。
  9. 【請求項9】 コンデンサの電圧はアノードリアクトル
    が所定時間内にリセットされる電圧以上、かつエネルギ
    ー回生回路の回生動作開始電圧以下にすることを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか1項記載の電力変換装置の
    起動方法。
  10. 【請求項10】 エネルギー蓄積過程は、スイッチング
    素子を駆動させるゲート信号の印加時間がアノードリア
    クトルがリセットされるまでの時間より長くなるように
    設定することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項
    記載の電力変換装置の起動方法。
  11. 【請求項11】 エネルギー蓄積過程は、コンデンサの
    電圧が所定電圧以下のときに前記コンデンサにエネルギ
    ーを蓄積させることを特徴とする請求項1〜10のいず
    れか1項記載の電力変換装置の起動方法。
  12. 【請求項12】 直流電源部に並列に接続された複数の
    相を備えた請求項1または請求項2記載の電力変換装置
    を起動させる電力変換装置の起動方法において、 エネルギー蓄積過程は、前記電力変換装置の複数の相か
    ら出力される出力線間電圧を零ボルトにすることを特徴
    とする請求項1〜11のいずれか1項記載の電力変換装
    置の起動方法。
  13. 【請求項13】 直流電源部に並列に接続された複数の
    相を備えた請求項1または請求項2記載の電力変換装置
    を起動させる電力変換装置の起動方法において、 エネルギー蓄積過程は、前記電力変換装置の複数の相か
    ら出力される出力線間電圧を前記電力変換装置の出力端
    子に接続される電力系統負荷の線間電圧と等しくするこ
    とを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の電
    力変換装置の起動方法。
  14. 【請求項14】 電力変換装置の出力端子に接続される
    電力系統負荷の線間電圧に応じてスイッチング素子をス
    イッチングさせることを特徴とする請求項13記載の電
    力変換装置の起動方法。
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