JPH10132824A - ヘモグロビンの安定化方法 - Google Patents

ヘモグロビンの安定化方法

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JPH10132824A
JPH10132824A JP30251796A JP30251796A JPH10132824A JP H10132824 A JPH10132824 A JP H10132824A JP 30251796 A JP30251796 A JP 30251796A JP 30251796 A JP30251796 A JP 30251796A JP H10132824 A JPH10132824 A JP H10132824A
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JP
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hemoglobin
haptoglobin
stabilizing
dispersion medium
serum
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JP30251796A
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Michio Okamura
道男 岡村
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Eiken Chemical Co Ltd
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Eiken Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ヘモグロビンを保護するための新た
な技術の提供を課題としている。 【解決手段】本発明は、ハプトグロビンと共存させるこ
とによるヘモグロビンの安定化方法である。本発明は、
この安定化方法を応用したヘモグロビンの測定方法や、
糞便を懸濁させるための分散媒を合わせて提供する。 【効果】本発明によれば、糞便懸濁液中等に存在するヘ
モグロビンを効果的に安定化することができる。本発明
は特にヘモグロビンの抗原性の保護効果に優れ、免疫学
的分析対象としてのヘモグロビンの安定化に有用な技術
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘモグロビンの安定化
方法に関するものである。具体的には、検出の対象とな
る試料中のヘモグロビンや、陽性対照として用いる標準
物質としてのヘモグロビンの安定化技術に関するもので
ある。尿や糞便などに含まれるヘモグロビンの検出は、
多くの疾患の診断に有用である。特に糞便中のヘモグロ
ビン(便潜血)の検出は、大腸癌をはじめとする消化器
系の疾患の診断における重要な情報である。古くから便
中のヘモグロビンに利用されていた化学的な発色反応に
基づく試験紙法に代わり、近年はヘモグロビンに対する
抗体を利用した免疫学的手法による検出方法が普及し、
食事制限を必要としない手軽な検査方法として定着して
いる。
【0002】
【従来技術の問題点】糞便等の試料中に含まれるヘモグ
ロビンを検出するには、検査施設まで試料を輸送する必
要が有る。糞便試料の輸送には、採便機構と糞便懸濁液
のろ過機構を備えた輸送容器[ 1]が利用されている。こ
の種の容器を利用することにより、糞便の定量的な採取
が可能となり、また簡単に糞便懸濁液をろ過することが
できる。糞便を採取した容器は、郵送等の手段で検査施
設に輸送される。
【0003】輸送中は糞便に含まれる細菌やその他の多
くの成分とヘモグロビンが共存する状態に有る。また一
般には温度の管理が困難なため、保存上は好ましくない
温度条件にさらされることも避けられない。したがって
輸送中のヘモグロビンは、常に変性・分解の可能性が有
る。輸送中のヘモグロビンの変性・分解は誤った診断結
果につながるので極力小さくすることが望まれる。
【0004】ヘモグロビンに限らず、蛋白物質の安定化
には他の蛋白や糖が用いられる。ヘモグロビンについて
も、蛋白としてウシ血清アルブミン(以下BSAと省略
する)、ウサギ血清アルブミン(以下RSAと省略す
る)、あるいは卵白アルブミン等が、また糖としてはシ
ョ糖等が安定化効果を示す[ 2]ことが知られている。ま
た動物血清の利用も報告されている[ 3]。しかしこれら
の一般的な安定剤は特に糞便懸濁液中でのヘモグロビン
安定化効果が小さく、十分な保存性能を期待できない。
糞便中には細菌や蛋白分解酵素のようなヘモグロビンの
変性・分解の原因となる多くの成分が存在し、蛋白や糖
のみではヘモグロビンを十分に保護できないのである。
更に動物血清では、精製された純粋な物質ではないため
に安定化効果にロット差を生じ易い。加えて、多くの成
分を含む動物血清中には、ヘモグロビンに対して変性作
用をもたらす成分が存在する可能性を否定できないの
で、望ましい安定化剤とは言い難い。またウシ血清でヘ
モグロビンの安定化を試みた報告[ 3]では、10−20
%v/vという多量の血清を加える必要が有った。高価な動
物血清を多量に必要とする安定化技術は、経済的には不
利である。
【0005】糞便懸濁液中のヘモグロビンを安定化する
技術としては、溶菌酵素の添加[ 4]、抗菌性化合物等の
利用[ 5][ 6]、動物ヘモグロビンの添加[ 7]、プロテア
ーゼ阻害物質の添加[ 8]、pHのコントロール[ 9]、鉄
プロトポルフィリン[10]の添加、トランスフェリン[11]
[15]やペルオキシダーゼ[12]のような鉄含有蛋白質、そ
してフッ化ナトリウム[14]の添加等が公知である。ある
いは複数成分の組合せ[13]も試みられた。これらは細菌
の影響を抑制したり、あるいはヘモグロビンと構造的に
類似する化合物によりヘモグロビンに対する影響を分散
させることでヘモグロビンの保護効果を示すものと考え
られる。しかし糞便中にはこれらの公知のヘモグロビン
安定化技術ではなお影響を抑制することのできないヘモ
グロビン変性・分解作用が存在する。したがって現在の
ヘモグロビン安定化技術には、未だに改善の余地が有
る。
【0006】この他にもエチレンジアミン4酢酸(以下
EDTAと省略する)によるヘモグロビン安定化効果が
知られている[16]。しかし本発明者による追試の結果、
EDTAでは糞便中のヘモグロビンに対して十分な安定
化作用を期待できないことが確認された。したがって保
存上はきわめて不利な条件である糞便中においては、E
DTAでヘモグロビンを安定化することができないとい
える。
【0007】これらのヘモグロビン安定化因子に加え、
本出願人は新たに遷移金属イオンの水溶性金属錯体のヘ
モグロビンの安定化作用を見出し特許出願している[1
7]。更に、糞便成分に対する抗体が、糞便中に存在する
血液蛋白の安定化に寄与することを利用した血液蛋白の
安定化技術についても特許出願した[18]。
【0008】ところで本発明でヘモグロビンの安定化剤
として利用するハプトグロビンは、魚類からほ乳類にい
たる幅広い動物が血液中に持つ物質である。ヒトでは血
清中に300−1900μg/ml存在し、電気泳動的には
α2−グロブリン分画に属する糖蛋白質である。ヒトの
場合、α鎖とβ鎖を2本ずつ備えた4量体構造を持ち、
糖はβ鎖に結合している。α鎖とβ鎖には遺伝的に異な
るいくつかのサブタイプが知られており、これらの組み
合せによってハプトグロビン1−1、2−1そして2−
2の存在が確認されている[19]。1mlの正常血清はハプ
トグロビンの量に応じておよそ0.4−1.6mgのヘモ
グロビンと結合する能力を持っている。
【0009】ハプトグロビンは、血液内でヘモグロビン
の回収を担っているものと考えられている。つまり、赤
血球から溶血などによって血液中に放出されたヘモグロ
ビンは、速やかにハプトグロビンと結合しハプトグロビ
ン−ヘモグロビン複合体(haptoglobin-hemoglobin com
plex、以下HHCと省略する)を形成する。一方、肝実
質細胞膜にはHHCを取り込む受容体が有り、肝臓でヘ
モグロビンが回収されるシステムになっている。HHC
は糸球体ではろ過されないが、遊離のヘモグロビンは腎
から直接***され腎臓障害の原因となることが知られて
いる。このようなしくみで通常の網内系細胞による赤血
球の代謝過程以外の場所で血中に放出されたヘモグロビ
ンの鉄やグロブリンが肝で回収され、同時に尿中への排
泄が防止されると考えられている。ヘモグロビンとハプ
トグロビンとの親和性を利用して、ヘモグロビンやその
誘導体を測定、あるいは分離した報告はあるが[20][21]
[22][23][24][25]、ヘモグロビンの保存安定性を改善す
るという特徴は知られていない。更にHHCを形成する
ことによってヘモグロビンのペルオキシダーゼ様活性が
増強することも知られているが、抗原性の維持との関連
は不明である。
【0010】また糞便中においてはハプトグロビンと複
合化した状態にあるヘモグロビンが、遊離の状態にある
ものに比べて保存上は有利であることも知られている[2
6]。この報告は、消化管出血の指標としてヘモグロビン
よりもHHCを選んだ方が糞便中における安定性の点で
有利であることを示すものである。したがって、ハプト
グロビンを生体外で添加することによって糞便採取後に
ヘモグロビンの安定化作用を期待できることは、なんら
開示されていない。また消化管における出血時に赤血球
内部に存在するヘモグロビンは、やがて溶血によって糞
便中に放出される。しかしそのときには既に血清中に存
在するハプトグロビンは高度に希釈された状態にあるた
めに、もはやヘモグロビンを十分に結合することはでき
ないものと推測される。
【0011】更にこの報告ではHHCの測定のためにハ
プトグロビンに対する抗体をヘモグロビンに体する抗体
と組み合せて利用している。これは、ヘモグロビン共存
下でHHCを特異的に測定するために必要な条件であ
る。また先に述べたようにHHCを測定対象としている
以上、このような組み合せを採用せざるを得ない。とこ
ろが、現在市販されている免疫学的な反応に基づく糞便
潜血の検出用試薬は、ヒト・ヘモグロビンに対する抗体
のみで構成されているため、このような測定系を構成す
ることはできない。言い換えれば、市販のヘモグロビン
に体する抗体を利用した試薬と、HHCとの反応性はま
ったく知られていない。これに対して本発明における糞
便潜血の検出は、あくまでもヘモグロビンを検出対象と
している。またこれを検出するために用いるのは、ヘモ
グロビンに対する抗体を利用した免疫学的測定用試薬で
ある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規なヘモ
グロビン保護物質の提供を第一の課題としている。特に
変性・分解作用の強い糞便成分と共存するヘモグロビン
を、効果的に安定化するための技術の提供が本発明の最
も大きな課題である。また本発明の第二の課題は、分析
用試料としてのヘモグロビンを安定化する技術の提供に
有る。具体的には、現在の主流であるヘモグロビンを認
識する抗体を利用した免疫学的な手法によるヘモグロビ
ンの検出方法において検出対象となるヘモグロビン安定
化技術の提供を課題としている。本発明の第三の課題
は、新しいヘモグロビン安定化剤を利用した、免疫学的
な分析を目的とする糞便試料懸濁用の分散媒や、これを
利用した測定技術を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハプトグロビ
ンを共存させることによるヘモグロビンの安定化方法、
ならびにこの安定化方法を適用した糞便試料懸濁用分散
媒である。加えて本発明は、生体試料中に含まれるヒト
・ヘモグロビンのヘモグロビンを認識する抗体による免
疫学的測定方法であって、ハプトグロビン存在下で保存
した生体試料を分析対象とする測定方法を提供する。
【0014】本発明におけるハプトグロビンは、測定対
象であるヘモグロビンと複合化してHHCを生成するも
のであれば特に限定されない。ヘモグロビンとハプトグ
ロビンの結合は、種特異性が小さいので幅広いハプトグ
ロビンを利用することができる。ヒト・ヘモグロビンを
測定対象としているときには、ヒトをはじめとして、ウ
マ、ブタ、サル、イヌ、ウサギ、ラット等に由来するハ
プトグロビンを利用できる。ハプトグロビンは必ずしも
高度に精製された状態のものを用いる必要はない。たと
えばハプトグロビンを高濃度で含む血清分画、あるいは
ハプトグロビンを含む血清そのものを利用することも可
能である。先に例示した動物では正常時においてもある
程度のハプトグロビンを血液に含んでいるので、血清の
ままで添加してもハプトグロビンによる安定化作用を期
待できる。たとえば、ウサギやラットでは2.5−3mg
/ml[27]、イヌでは1.4−1.5mg/ml[28][29]のハプ
トグロビンを含むことが知られている。血清のままでは
なくハプトグロビンを粗精製状態で用いる時には、ブタ
では50−65%硫安分画[30]がハプトグロビンを豊富
に含むことが知られており、またウマにおいても同様の
条件でハプトグロビンに富む分画を回収できるので、こ
の分画を透析して添加すれば良い。あるいは更にDEA
E−セルロースカラム等で精製することもできる。血清
やその分画によってハプトグロビンを非精製状態で用い
る時には、あらかじめハプトグロビンの濃度を測定して
添加量を制御するようにすると良い。他方ウシ、ヒツ
ジ、あるいはヤギ等の反芻動物では、正常な状態では血
清中にハプトグロビンがほとんど存在せず、炎症などに
ともなって急激に血清濃度が上昇することが報告されて
いる[31][32]。したがって、反芻動物の正常な血清を添
加することでハプトグロビンによる安定化は期待できな
い。これら反芻動物の血清を利用する時には、アジュバ
ントによる免疫操作、プロスタグランディンやIL6に
よる処理の後に採取した血清を利用すれば高濃度のハプ
トグロビンが存在する可能性が高く、本発明による安定
化作用を期待できる。
【0015】本発明のハプトグロビンは、必ずしも動物
血液に由来するものでなくとも良い。すなわち、天然の
ハプトグロビンのアミノ酸配列、あるいはヘモグロビン
の安定化効果を失わない範囲で、あるいはまた安定化作
用を増強するように変異を与えたアミノ酸配列をコード
する遺伝子を発現させることによって得られる組み換え
体を利用してもよい。微生物で発現したものはヘモグロ
ビンとの結合能力を示さないことがあるので、昆虫細胞
[33]や動物細胞を宿主として得た組み換え体が有利であ
る。組み換え体を用いるときにも、血清由来のものと同
じように必ずしも高度に精製したものである必要はな
く、たとえば形質転換した細胞の培養上清や細胞破壊物
を添加することによっても精製品と同じようなヘモグロ
ビン安定化効果を期待できる。
【0016】本発明のヘモグロビン安定化方法は、生体
試料中に存在する分析対象としてのヘモグロビンを安定
化するために有用である。特にヘモグロビンを認識する
抗体を用いた免疫学的手法によるヘモグロビンの測定方
法において、測定対象となるヘモグロビンの抗原性を高
度に安定化する。ヘモグロビンを検出すべき生体試料に
は、糞便や尿が知られている。糞便中のヘモグロビンは
消化器における出血の指標となり、一方尿にヘモグロビ
ンを検出するときには尿路における出血が疑われる。特
に糞便中のヘモグロビンは、食事に由来するヘモグロビ
ンと識別するために高度な特異性を備えた免疫学的手法
が利用されることが一般的になってきており、その抗原
性を安定に維持する必要性が高い。
【0017】本発明の安定化方法を、糞便試料に存在す
るヘモグロビンに応用する場合には、糞便を懸濁させる
分散媒にハプトグロビンを添加しておくと良い。通常の
糞便中のヘモグロビンの検出にあたっては、糞便を適当
な分散媒に懸濁させ必要に応じてろ過して免疫学的な分
析用試料とする。このときに用いる分散媒にハプトグロ
ビンを添加しておくのが有利である。分散媒におけるハ
プトグロビンの濃度は、予想されるヘモグロビンの全量
を確実に結合することができる濃度とする。具体的に
は、糞便の添加量がたとえば5mgと想定すると、一般的
な糞便中ヘモグロビンのカットオフ値が10ng/mg糞便
であるから、少なくとも50ngのヘモグロビンを結合し
うる量でハプトグロビンを用いる。たとえば市販のヒト
血漿から精製したハプトグロビンであれば、1mgのハプ
トグロビンが0.5−0.9mgのヘモグロビンを結合す
る。したがってこの条件では、少なくとも50ng、望ま
しくは0.5μg以上がハプトグロビンの使用量とな
る。必要量のハプトグロビンは、分散媒に溶解された状
態で利用される。
【0018】他方、先に説明したように、現在は糞便の
採取・輸送・懸濁・ろ過を一つの容器で実施できる簡便
な輸送用容器が実用化されている。この種の容器には、
出荷時に分散媒が充填されており被検者が自身で糞便を
採取し、容器を検査施設に郵送すれば良いようになって
いる。一般には被検者はこのような作業に不慣れなた
め、糞便の採取量を厳密に制御できないケースを想定し
なければならない。また輸送中にハプトグロビンのヘモ
グロビン保護作用が多少低下しても問題の無いように、
過剰量で用いるのが望ましい。分散媒中でヘモグロビン
を速やかにハプトグロビンを接触させるためにも、過剰
量で用いるのが望ましい条件である。したがって、たと
えばウマのハプトグロビンをヒトのヘモグロビンの安定
化のために用いるケースを想定すると、設計時に想定し
た糞便採取量1mg便に対して、0.05−10μg、よ
り好ましくは0.1−2μgの範囲でハプトグロビンを
加えるようにすると良い。正常なウマの血清が1−2mg
/mlのハプトグロビンを含むとして血清の添加量を計算
すると、分散媒1mlあたりおよそ0.1−20μl
(0.01−2%v/v)、望ましくは0.5−10μl
(0.05−1%v/v)の血清を添加すれば良いことにな
る。
【0019】本発明の保護剤であるハプトグロビンの
他、分散媒には公知の成分を添加することができる。た
とえば、ヘモグロビンの保存に有利なpHを与える緩衝
剤、微生物の不必要な繁殖を防ぐための抗菌剤、あるい
はこれまでに知られている多くのヘモグロビン保護成分
の添加も有効である。なぜなら、本発明の保護剤である
ハプトグロビンは、公知の保護成分とは異なった作用機
序でヘモグロビンを安定化しているものと推測されるの
で、公知の安定化剤と組み合せることによりヘモグロビ
ン保護作用の増強が期待できるためである。たとえば次
のような成分の保護効果が公知である。ヘモグロビンの
安定化作用を持つ不活性蛋白として、ヒト、ウシ、ウサ
ギ、ウマ、ヒツジ、あるいはヤギ等に由来する血清アル
ブミン、あるいは卵白に由来するアルブミン等を示すこ
とができる。リジンやヒスチジン等のアミノ酸にもヘモ
グロビンの保護作用が認められる。抗菌性物質として
は、溶菌酵素[ 4]、アジ化物、安息香酸エチル、ペニシ
リン、ファンギソン[ 5]、ストレプトマイシン、あるい
はセファマイシン他非ペニシリン系の一連の抗生物質[
6]等が公知である。トリプシンインヒビターやα2マク
ログロブリンのようなプロテアーゼ抑制物質がヘモグロ
ビンを安定化することも知られている[ 8]。フッ化ナト
リウム[14]、あるいはFeIIIEDTA錯体のような遷
移金属イオンの水溶性金属錯体[17]でも、ヘモグロビン
の安定化作用が報告されている。更にイオン強度を調節
する塩類等を加えることができる。また分析やヘモグロ
ビンの安定化を妨害しない範囲で、消臭剤、香料、ある
いは色素等を併用することも可能である。更に保存状態
を確認できるようにpH指示薬を組み合せたり、便の添
加の有無や量を確認できるように正常な糞便に存在する
成分の指示薬を加えておくこともできる。たとえば、ビ
リルビンと反応して変色するジアゾニウム化合物を加え
ておけば、必要量の糞便が採取されたかどうかを肉眼的
に認識することができる。本発明に基づくヘモグロビン
安定化用の溶液について、具体的な組成の例を次に示
す。 ハプトグロビン(ウマ血清として):0.05−0.5
%v/v FeIIIEDTA:1〜10mM HEPES緩衝液(pH7.4):10〜500mM BSA:0.1〜5% NaN3:0.1〜1%
【0020】また分散媒のpHは、ヘモグロビンを安定
に保持できる範囲に設定する。極端な酸やアルカリ条件
下ではヘモグロビンの安定性を損なう恐れが有り、また
ハプトグロビンによる保護作用を得にくくなるため、中
性域のpHが望ましい。具体的には5〜10、好ましく
は6〜8程度のpHとするとよい。pHの維持のために
は適当な緩衝剤を利用することができる。たとえば、ヒ
ドロキシエチルピペラジン−2−エタンスルホン酸(N-
2-Hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethanesulfonic acid
、HEPESと省略する)や、ピペラジン−ビス(2
−エタンスルホン酸)(Piperazine-N、N'-bis(2-ethan
esulfonic acid)、PIPESと省略する)等のGOO
D緩衝剤は、ヘモグロビンの構造を最も安定化すると思
われるpH(6〜8)を与えると同時に、免疫反応によ
ってヘモグロビンを検出する時の反応用緩衝液としても
利用されているものであり特に好ましい緩衝剤として挙
げられる。この他、リン酸緩衝液、Tris緩衝液、グ
リシン緩衝液等を利用することもできる。
【0021】本発明のヘモグロビンの安定化方法は、糞
便潜血の検出を目的とする糞便試料中のヘモグロビンの
安定化に利用することができる。特に抗原構造の保護が
要求される免疫学的な分析対象としてのヘモグロビンに
ついて、その抗原性の維持に有用である。
【0022】本発明は、前記ヘモグロビン安定化技術を
応用したヘモグロビンの免疫学的測定方法を提供する。
免疫学的な測定方法としては、ラテックス凝集反応法、
金コロイド凝集反応法、イムノクロマトグラフ法、ある
いはELISA法等を挙げることができる。いずれの測
定方法においても、ヘモグロビン含有試料にハプトグロ
ビンを共存させることによって、保存中の抗原活性は保
護され測定値の低下が抑制される。本発明の免疫学的測
定方法のうち、ラテックスや金コロイドのような粒子状
担体を利用した凝集反応法においては、ポリクローナル
抗体とモノクローナル抗体の組み合せが有利である。実
施例に示すように、ハプトグロビンの添加によって、ラ
テックス凝集反応法による測定値は一時的に無添加の場
合に比べてわずかに低下することがある。このときモノ
クローナル抗体を利用することによって、ハプトグロビ
ン添加直後に測定値が一時的に低下する現象を抑制する
ことができる。モノクローナル抗体はポリクローナル抗
体と混合した状態で粒子担体に固定するか、あるいはモ
ノクローナル抗体のみを固定した粒子状担体を混合する
と良い。
【0023】またモノクローナル抗体のみで凝集反応系
を構成することも可能である。モノクローナル抗体のみ
で凝集反応を行うには、ヘモグロビン上の異なるエピト
ープを認識するものを複数種組み合せるのが有利であ
る。ヘモグロビンはα鎖とβ鎖が2つづつ会合した4量
体構造を持っており、原理的には1種類のモノクローナ
ル抗体であっても凝集する。しかし、ヘモグロビンは溶
液中ではαβという2量体構造と4量体構造との平衡状
態にあるので、単一のモノクローナル抗体ではその全て
と反応することができない。また単一のモノクローナル
抗体ではターゲットとなるエピトープが変性を受けると
反応できなくなってしまうので、複数種のモノクローナ
ル抗体を組み合せて用いるのは確率的にも有利である。
もっとも無添加の場合にはヘモグロビンの測定値が経時
的に低下していくのに対して、ハプトグロビンを添加し
ておけば保存中の測定値の低下を防止できるので、数時
間後には無添加よりも測定値は高くなる。したがって、
ハプトグロビン添加直後に測定値が低下する現象そのも
のは事実上は大きな問題とならない。
【0024】他方イムノクロマトグラフ法やELISA
法においてモノクローナル抗体を利用する時には、ヘモ
グロビンがハプトグロビンと結合した時にマスクされな
い部分を認識する抗体を選ぶようにすると良い。このよ
うな抗体は、HHCを抗原としてスクリーニングすれば
容易に選択することができる。
【0025】
【作用】本発明におけるハプトグロビンは、保存期間中
におけるヘモグロビンの測定値低下を効果的に抑制する
作用を持つ。特に変性・分解作用成分を多く含み、また
保存条件の管理が困難な糞便懸濁液中のヘモグロビンに
対しても十分な保護作用を示す。ハプトグロビンがどの
ような作用機序によってヘモグロビンを保護するのかは
不明である。ハプトグロビンがヘモグロビンと特異的に
強く結合する物質であることから、ヘモグロビンとその
抗体との免疫学的な反応に対して妨害的に作用すること
が予想されるが、実際には抗原活性の維持というまった
く予想外の作用をもたらす。またハプトグロビンがプロ
テアーゼ阻害活性や抗菌活性を持つことが報告されてい
る[34]。しかし実施例でも確認しているとおり、ハプト
グロビンによる安定化作用は公知のプロテアーゼ阻害物
質や抗菌剤とは比較にならないほど大きく、このような
生理活性で安定化機序を説明することもできない。また
ウシ胎児血清をヘモグロビンの安定化に用いた報告[ 3]
では、10−20%v/vという極めて高い濃度で添加した
ときにはじめてヘモグロビンの安定化作用が確認されて
いる。この現象は、ウシ等の反芻動物が正常時にハプト
グロビンをほとんど含まない事実[32]によって説明する
ことができる。本発明では、ハプトグロビンを血清(ウ
マ)のまま添加するとしてもこのような多量の添加は必
要ではないことから、動物血清において確認されたヘモ
グロビンの安定化作用とは違う作用を持つものと推測さ
れる。また本発明者の得た知見によれば、ハプトグロビ
ンは好ましい態様にあっては動物血清の使用を報告した
先行技術よりもはるかに高い安定化効果を示すことか
ら、やはり違った安定化作用を持つものと思われる。
【0026】
【発明の効果】本発明のヘモグロビン安定化技術では、
ヘモグロビンに対して強い変性・分解作用を持つ糞便成
分との共存下においても保護作用を得ることができる。
したがって、糞便潜血の分析を目的とする試料に含まれ
るヘモグロビンの安定化に有用である。特に抗原構造の
保護が要求される免疫学的な分析対象としてのヘモグロ
ビンについて、その抗原性の維持に貢献する。本発明に
よって糞便試料中のヘモグロビンが効果的に安定化さ
れ、ヘモグロビンの変性・分解による偽陰性結果の防止
を期待することができる。本発明に必要なハプトグロビ
ンは、安価であり、たとえば特殊な酵素や抗生物質のよ
うな高価な物質に比べて経済的に有利である。またハプ
トグロビンが少量で高い安定化効果を示すことからも、
やはり経済的に有利な安定化技術と言うことができる。
【0027】更に本発明によってハプトグロビンが安定
化効果を持つことが明らかとなったので、動物血清を安
定化剤として利用する時にもその効果の大きさを予測す
ることができ、安定した製品供給が可能である。これに
対して公知技術である動物血清を安定化剤に利用する
と、ロット差に起因する安定化作用の変動を予測するこ
とはできない。続いて実施例に基づいて本発明を更に詳
細に説明する。
【0028】
【実施例】
1.ハプトグロビンによるヘモグロビンの安定化 人工的に調製したヘモグロビンを含む糞便試料をヒト・
ハプトグロビン(0.625−10μg/ml)を含む分散
媒(50mMのHEPES緩衝液、pH7.4、0.1%
BSA含有)に懸濁し、室温で保存したときの測定値の
変化を観察した。ヒト・ハプトグロビンは、ヒトの血清
から精製したハプトグロビン(サブタイプが混合状態に
有るもの、SIGMA製)を用意した。比較対照とし
て、以下のような安定化剤を含む分散媒を用意し、測定
値の違いを比較した。これらの安定化剤は、先行技術に
おいて安定化作用を期待できる化合物として報告されて
いるものである。
【0029】分散媒の組成:HEPES緩衝液(50m
M、pH7.4、0.1%BSA含有)のみ +ウシ血清(0.625−1%v/v) +α1−アンチトリプシン(以下α1ATと省略、0.
625−10μg/ml) +トランスフェリン(0.625−10μg/ml) +α2−マクログロブリン(以下α2Mと省略、0.6
25−10μg/ml)
【0030】試料の調製:ヒト血液を精製水と混合して
溶血後遠心分離により固形分を除き、凍結保存したもの
をヒト・ヘモグロビンとして用いた。シアンメトヘモグ
ロビン法で濃度を測定し、ヘモグロビンA0濃度が30
0μg/mlとなるように希釈した。このヘモグロビンを更
に10倍に希釈して添加用のヘモグロビン溶液とした。
このヘモグロビン溶液(30μg/ml)を、最終的なヘモ
グロビン濃度が1000ng/mlとなるように、新鮮なヒ
ト正常便(あらかじめヘモグロビンが検出感度以下であ
ることを確認したもの)を採取した分散媒(2ml)入り
の採便容器に添加した。採便容器にはろ過機構を備えた
市販の容器(栄研化学製)を利用した。この採便容器
は、孔を設けることで内部の液体をろ過して取り出すこ
とができる機構を採便機構と組み合わせたもので、糞便
採取用の棒で糞便を採取して容器に装着すれば擦りきり
機構によって採便を定量的に採取することができる。実
験に使った容器ではおよそ10mgの糞便を採取するよう
に設計されている。
【0031】ヘモグロビンの測定:採便容器の指示書に
したがって容器の滴下部分に孔を開け、容器を圧搾して
糞便懸濁液を滴下しろ過液を得た。市販のヘモグロビン
測定試薬OC−ヘモディアオートII‘栄研’(栄研化学
製)を用い、ろ過液50μlに試薬を300μl加えて3
7℃で3分間反応させた。この間の免疫学的凝集反応に
基づく585nmにおける吸光度変化量よりヘモグロビン
濃度を決定した。なお標準としては、試薬に添付のヒト
溶血液(1000ng/mlヒト・ヘモグロビン含有HEP
ES緩衝液)を用いた。
【0032】各保存条件の代表的な結果を表1に示す。
表中の数字は、保存後の測定値を実験開始時の測定値
(約1000ng/ml)を100とする%で示したものであ
る。この結果より、ハプトグロビンが高度なヘモグロビ
ン安定化作用を持つことが明らかである。一方、ヘモグ
ロビンに対してなんらかの安定化作用を持つとされてい
る一連の化合物では、いずれもHEPES緩衝液のみの
場合とほとんど同じ測定値しか得られなかった。つま
り、この条件では緩衝剤のみの保存性能と変わらないと
言うことができる。なおハプトグロビンをヘモグロビン
不存在下単独で同じ試薬と反応させても測定値は0とな
ることは予め確認している。すなわち測定に用いたヘモ
グロビンに対する抗体は、ハプトグロビンと免疫学的に
交差しない。したがって以上の結果は、ハプトグロビン
の添加によってヘモグロビンの抗原活性が保護されたこ
とによるものであると結論した。
【0033】
【表1】
【0034】2.ハプトグロビンの由来と使用濃度 ハプトグロビンとして、ウマ、ブタ、およびイヌ、そし
て反芻動物であるウシとヤギの血清を用い、表2に示し
た濃度で分散媒に添加して1と同じ操作によってヘモグ
ロビンの測定値に与える影響を観察した。結果は表2に
まとめた。表2から明らかなように、ウマ、ブタ、およ
びイヌの血清では優れたヘモグロビン安定化作用を確認
した。これら正常時にある程度のハプトグロビン濃度を
持つ動物種では、ヒト・ヘモグロビンの安定化作用が大
きいと言える。一方反芻動物であるウシやヤギの血清で
は、ヒト・ヘモグロビンの安定化作用が小さいことがわ
かった。またこの結果は、過去にウシ血清でヘモグロビ
ンの安定化を試みた報告[ 3]で10−20%v/vという多
量の血清が添加されていた事実とも一致する。すなわ
ち、正常なウシの血清中ハプトグロビン濃度が非常に低
いので、血清蛋白を多量に加えることによってしか安定
化作用を期待できないものと推測できる。
【0035】
【表2】
【0036】3.ハプトグロビンとモノクローナル抗体
の組み合せ ヒト・ハプトグロビンを利用してヘモグロビンを保存し
たときに観察される一時的な測定値の低下が、モノクロ
ーナル抗体を利用したラテックス凝集反応用試薬により
防止できることを確認した。ラテックス凝集反応用試薬
は、次のようにして調製した。すなわち公知の方法[35]
によって得た抗ヒト・ヘモグロビンA0モノローナル抗
体を、ポリスチレンラテックス(平均粒径0.1μm)
に37℃で1時間物理吸着させ、最終的にラテックス濃
度0.4%となるように分散媒(1%BSAを含む10mM
のHEPES緩衝液pH7.4)に懸濁させてモノクロ
ーナル抗体感作ラテックス凝集反応用試薬(以下モノク
ローナル抗体感作乳液と呼ぶ)を得た。モノクローナル
抗体は、マウス腹水から精製したもので、ヒト・ヘモグ
ロビンA0のα鎖を認識するマウス・モノクローナル抗
体と、4量体構造を認識するモノクローナル抗体を組み
合わせて用い、別々にラテックスへ吸着させた後に等量
を混合した。得られたモノクローナル抗体感作乳液を、
市販のポリクローナル抗体によるヘモグロビンのラテッ
クス凝集反応用試薬であるOC−ヘモディアオートII
‘栄研’と等量混合して、モノクローナル抗体を混合し
たラテックス凝集反応用試薬とした。他方、糞便懸濁液
は、ヒト・ハプトグロビンを0.625−2.5μg/ml
とする他は1と同じ条件で調製し、1と同じ方法に基づ
いてヘモグロビン濃度を測定した。結果は表3に示し
た。
【0037】糞便を緩衝液のみに分散させた場合(BaseB
uffer)には、ポリクローナル抗体(poly)のみでもモノク
ローナル抗体を組み合せたもの(mono)とほぼ同じ測定値
となっている。これに対してハプトグロビンを加えた場
合には、ポリクローナル抗体のみで得た測定値が低く出
る傾向が見られる。そして測定値の低下は、モノクロー
ナル抗体を組み合せることで防止することが可能であ
る。更にここで注目すべき点は、24時間後の測定値で
ある。一時的に測定値の低下したポリクローナル抗体の
みによるもの(poly)でも、24時間後には無添加の場合
よりも高い測定値を得ており、結果的にはハプトグロビ
ンのヘモグロビン安定化効果の恩恵を受けられることが
明らかである。
【0038】
【表3】
【0039】引用文献 [ 1] 実公平5−17652 [ 2] 特開昭63−243756 [ 3] 特開平4−145366 [ 4] 特公平5−69466 [ 5] 特開昭63−271160 [ 6] 特開平7−72154 [ 7] 特開平2−296149 [ 8] 特開平3−279859 [ 9] 特開平5−281226 [10] 特開平5−281227 [11] 特開平8−29429 [12] 特開平8−29430 [13] 特開平6−281654 [14] 特開平7−191026 [15] 特開平8−262020 [16] 特開平2−221859 [17] 特開平7−229902 [18] 特願平7−302051 [19] 家畜生化研報 No.30, 23-30, 1993 [20] 特公昭61−13184 [21] 特公昭61−13185 [22] 特公平1−53748 [23] 特開平5−172809 [24] 特開平5−322888 [25] 特開平5−322889 [26] 医学のあゆみ Vol.146, No.3, pp185-186 ;1988 [27] Biochim. Biophys.,Acta.97,262-269,1965 [28] Biochim. Biophys.,Acta.175,220-222,1969 [29] Biochim. Biophys, Acta.175,271-281,1969 [30] Can. J. Biochem.,49,141-147,1971 [31] Research in Veterinary Science 46,118-124,198
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New York),1985 [35] 特開平5−249109

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハプトグロビンを共存させることによるヘ
    モグロビンの安定化方法
  2. 【請求項2】ヘモグロビンが糞便懸濁液中に存在してお
    り、この懸濁液の分散媒がハプトグロビンを含んでいる
    請求項1のヘモグロビンの安定化方法
  3. 【請求項3】ハプトグロビンの分散媒中における濃度が
    0.5−10μg/mlである請求項2のヘモグロビンの安
    定化方法
  4. 【請求項4】ヘモグロビンが尿中に存在しており、尿に
    ハプトグロビンを加えることによる請求項1のヘモグロ
    ビンの安定化方法
  5. 【請求項5】ヘモグロビンが、ヘモグロビンを認識する
    抗体を利用した免疫学的な手法によって分析される分析
    対象成分であり、その抗原活性を安定化する請求項1の
    ヘモグロビンの安定化方法
  6. 【請求項6】ヘモグロビンがヒト・ヘモグロビンである
    請求項1のヘモグロビンの安定化方法
  7. 【請求項7】ハプトグロビンが、動物血清、動物血液、
    またはこれら血液材料のハプトグロビン含有分画として
    添加される請求項1のヘモグロビンの安定化方法
  8. 【請求項8】血液材料が、ウマ、ブタ、イヌ、ウサギ、
    およびラットから選択される動物種に由来するものであ
    る請求項7のヘモグロビンの安定化方法
  9. 【請求項9】ヘモグロビンの存在を試験すべき糞便試料
    を懸濁させるための分散媒であって、予めハプトグロビ
    ンを添加した分散媒
  10. 【請求項10】懸濁すべき糞便1mg当たり、0.1−2
    μgのハプトグロビンを添加した請求項9の分散媒
  11. 【請求項11】生体試料中に含まれるヒト・ヘモグロビ
    ンの、ヘモグロビンを認識する抗体を利用した免疫学的
    測定方法であって、ハプトグロビンの共存下で保存され
    た生体試料を分析対象とする測定方法
  12. 【請求項12】抗体としてヒト・ヘモグロビンを認識す
    るモノクローナル抗体を用いる請求項11の測定方法
  13. 【請求項13】免疫学的測定方法が、ヒト・ヘモグロビ
    ンを認識する抗体を結合した不溶性担体粒子の免疫学的
    な凝集に基づくものである請求項11の測定方法
  14. 【請求項14】ヒト・ヘモグロビンを認識するモノクロ
    ーナル抗体を結合した不溶性担体粒子と、ヒト・ヘモグ
    ロビンを認識するポリクローナル抗体を結合した不溶性
    担体粒子の混合物を用いる請求項13の測定方法
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