JPH10132742A - 酸素濃度測定用センサおよびその製造方法 - Google Patents

酸素濃度測定用センサおよびその製造方法

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JPH10132742A
JPH10132742A JP28863796A JP28863796A JPH10132742A JP H10132742 A JPH10132742 A JP H10132742A JP 28863796 A JP28863796 A JP 28863796A JP 28863796 A JP28863796 A JP 28863796A JP H10132742 A JPH10132742 A JP H10132742A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度が高く特性にばらつきのない酸素濃度測
定用センサおよびこのようなセンサを製品間のばらつき
なく製造する方法を提供する。 【解決手段】 酸素に対して特異的に反応し、励起光の
下で酸素量に応じた蛍光を発する多環式芳香族分子また
は複素環式芳香族分子の微細結晶を、1〜6重量%の濃
度で混合、溶解させた液状のポリマを、ガラス基板16の
上に設けた第1の枠型26の開口に注入し、硬化させて上
述した多環式芳香族分子または複素環式芳香族分子がほ
ぼ均一に分散した蛍光層17を形成する。第2の枠型27を
設け、その開口に酸素は透過する遮光材料を注入して遮
光層18を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素濃度を測定す
るためのセンサ、特に光励起により発する蛍光が酸素の
存在により消光する発光材料を用いる酸素濃度測定用セ
ンサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸素濃度を計測するセンサとしては、従
来より種々の型式のものが提案されている。例えば、酸
素の電子受容体としての性質を利用し、酸素透過膜を被
覆した電極により酸素の電気化学的還元の際に流れる電
流を検知したり、高温状態にあるセラミックの酸素濃淡
電池作用を利用したり酸素イオン伝導性を利用して酸素
を検知するものが利用されている。近年、光励起により
発する蛍光が酸素により消光される性質を利用した光に
よる酸素の検知が提案されている。このような酸素によ
る蛍光消光(クエンチイング)を利用した酸素濃度測定
用センサは、電磁気ノイズの影響を受けないこと、防爆
および耐腐食設計が容易なこと、計測時間が短くほぼリ
アルタイムでの酸素濃度の測定が可能なことなどの優れ
た特性を有している。例えば、特開平6-180287号公報に
は、蛍光試薬をシリコーンオイル中に混合し、その後架
橋、固定化して上述したような酸素センサ素子を製造す
る方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した蛍光消光型の
酸素濃度測定用センサの蛍光膜は、デカシクレン、ペリ
レン、テトラセン、ベンズアントラセンなどの多環式芳
香族分子または複素環式芳香族分子を、シリコーンポリ
マ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リエステル、イソプレンゴム、ブチルゴムなどの液状ポ
リマに均一に分散させて製作する必要がある。この場
合、出発材料として、例えばデカシクレンを使用する場
合、通常入手できるデカシクレンは微細結晶とはなって
おらず、直径が数百ミクロンの塊状となっている。ま
た、純度も十分に高くなく、不純物が含まれている。こ
のような事実によって従来の酸素濃度測定用センサは、
感度が低いとともに特性のばらつきが大きいという欠点
があった。さらに、デカシクレンをシリコーンオイル中
に均一に混合した後、所定の温度で加熱してゲル状の蛍
光層を製作することも提案されているが、この場合でも
感度が低いとともに特性にばらつきがあることを確かめ
た。
【0004】また、蛍光層の厚さおよび面積も特性に大
きく影響するので、一定の厚さおよび一定の形状に硬化
する必要があるが、例えばガラス基板上に塗布や散布な
どで被着する場合、一定の厚さや形状を維持することが
難しく、そのためにばらつきが生じる欠点があった。さ
らに、上述した酸素濃度測定用センサにおいては、蛍光
層の上に遮光層を設ける場合があるが、この遮光層の膜
厚のばらつきも特性のばらつきとなるが、従来のセンサ
では遮光層の膜厚を正確に均一にすることがむずかし
く、そのための特性のばらつきがあった。
【0005】したがって、本発明の目的は、感度が高く
特性のばらつきがない酸素濃度測定用センサおよびその
製造方法を提供しようとするものである。本発明の他の
目的は、所定の均一な膜厚を有するとともに所定の形状
を有する蛍光層を具える酸素濃度測定用センサおよびそ
の製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による酸素濃度測
定用センサは、微細結晶を構成し、酸素に対して特異的
に反応し、励起光の下で酸素量に応じた蛍光を発する多
環式芳香族分子または複素環式芳香族分子を、1〜6重
量%の濃度で酸素透過性を有するポリマにほぼ均一に分
散させた蛍光層を有することを特徴とするものである。
さらに、本発明による酸素濃度測定用センサは、酸素に
対して特異的に反応し、励起光の下で酸素量に応じた蛍
光を発する多環式芳香族分子または複素環式芳香族分子
の微細結晶を、1〜6重量%の濃度で酸素透過性を有す
る液状ポリマに混合、溶解し、所定の形状に硬化させた
蛍光層を有することを特徴とするものである。
【0007】このような本発明の酸素濃度測定用センサ
においては、微細結晶を構成し、酸素に対して特異的に
反応し、励起光の下で酸素量に応じた蛍光を発する多環
式芳香族分子または複素環式芳香族分子は、ポリマ中に
おいて完全に分子の状態で分散している場合や、殆ど分
子の状態で分散しているが微細結晶が部分的に析出して
いる場合や、全体に亘って微細結晶の状態で析出してい
る場合などが考えれるが、いずれの場合でも本発明の目
的を達成することができる。
【0008】上述したように本発明による酸素濃度測定
用センサにおいては、微細結晶を構成する多環式芳香族
分子または複素環式芳香族分子を1〜6重量%の濃度で
ポリマに分散させた蛍光層を設けるか、多環式芳香族分
子または複素環式芳香族分子の微細結晶を1〜6重量%
の濃度で液状ポリマに混合、溶解し、所定の形状に硬化
させた蛍光層を設けているが、これは後述するように、
多環式芳香族分子または複素環式芳香族分子またはこれ
らの微細結晶を1重量%よりも低い濃度で分散させた
り、6重量%よりも高い濃度で分散させると、蛍光反応
強度が低下し、実用的に十分に高い感度が得られないと
ともに安定した特性が得られないためである。また、多
環式芳香族分子または複素環式芳香族分子またはこれら
の微細結晶を2〜5重量%の濃度で分散させるのが特に
好適である。
【0009】上述した本発明による酸素濃度測定用セン
サのさらに好適な実施例においては、前記多環式芳香族
分子または複素環式芳香族分子の微細結晶を100 ミクロ
ン以下の微細結晶とする。このような微細結晶を用いる
ことによって上述した濃度範囲でポリマ中に容易にほぼ
均一に分散させることができる。
【0010】さらに本発明による酸素濃度測定用センサ
は、微細結晶を構成し、酸素に対して特異的に応答し、
酸素量に応じた蛍光を発する多環式芳香族分子または複
素環式芳香族分子を、酸素透過性を有するポリマにほぼ
均一に分散させた蛍光層を、基板上に載置した枠型の開
口内に充填して構成したことを特徴とするものである。
このような酸素濃度センサによれば、蛍光層の膜厚はワ
ッシャ状の枠型の肉厚によって決まり、平面形状は枠型
の開口の平面形状によって決まるため、所定の膜厚およ
び形状を有する蛍光層を正確にしかも容易に得ることが
でき、したがって特性のばらつきを抑えることができ
る。また、このような酸素濃度測定用センサの好適な実
施例においては、前記枠型の上に第2のワッシャ状の枠
型を載せ、その開口内に酸素透過性の遮光材料を充填す
る。この場合、前記第2の枠型の開口内に充填した遮光
材料中に、酸化反応を起こさず、酸やアルカリによる腐
食の起こらない材質の分散剤を均一に分散させることが
好適である。このような構成とすることにより、上述し
たところと同じ理由によって遮光層の膜厚および平面形
状を正確かつ容易に所定のものとすることができる。
【0011】さらに、本発明による酸素濃度測定用セン
サの製造方法は、多環式芳香族分子または複素環式芳香
族分子を溶剤を用いて溶解させた後に再結晶化する操作
を、2〜4種類の異なる溶剤を用いて繰り返し、多環式
芳香族分子または複素環式芳香族分子の微細結晶を得た
後、このようにして得られる1種類または複数種類の微
細結晶を酸素透過性のある液状ポリマ中に混合、溶解
し、重合して所定の形状に硬化させることを特徴とする
ものである。このような本発明による酸素濃度測定用セ
ンサの製造方法の好適な実施例においては、前記微細結
晶を液状ポリマ中に混合、溶解させる際に、定温、高真
空下で脱気、脱溶剤処理を行う。
【0012】また、本発明による酸素濃度測定用センサ
の製造方法の他の好適な実施例においては、前記多環式
芳香族分子または複素環式芳香族分子を、ポリマを硬化
させた状態において、1〜6重量%の濃度となるように
溶剤中に分散させる。また、この場合、前記多環式芳香
族分子または複素環式芳香族分子を溶剤を用いて溶解さ
せた後に再結晶化する操作を、100 ミクロン以下の微細
結晶が得られるまで繰り返すのが好適である。また、こ
のようにして得られる微細結晶の形状はほぼ揃ったもの
となる。
【0013】上述した本発明による酸素濃度測定用セン
サの製造方法のさらに他の好適な実施例においては、前
記多環式芳香族分子または複素環式芳香族分子の微細結
晶を混合、溶解させた液状ポリマを、基板上に載置した
枠型の開口内に流し込み、ワッシャ状の枠型の表面レベ
ルよりも上にある余分な液状ポリマを除去した後、硬化
させる。さらに、前記枠型の開口内の液状ポリマを硬化
させた後、第2のワッシャ状の枠型を前記枠型の上に載
せ、この第2の枠型の開口内に、酸化反応を起こさず、
酸やアルカリによる腐食の起こらない材質の分散剤を均
一に分散させた液状の遮光材料を流し込み、第2の枠型
の表面レベルよりも上にある余分な液状の遮光材料を除
去した後、硬化させるのが好適である。また、前記多環
式芳香族分子または複素環式芳香族分子の微細結晶を混
合、溶解させたポリマを硬化させた後、この微細結晶の
分解温度よりも低い温度で加熱するのも好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明を詳細
に説明する。図1は本発明による酸素濃度測定用センサ
の一実施例の全体の構成を示す線図である。センサプロ
ーブ11と測定回路、制御回路、表示部などを有する測定
装置12とが信号ケーブル13によって接続されている。セ
ンサプローブ11の先端にはセンサキャップ14があり、そ
の先端面には濃度を測定すべき酸素が通過するための開
口が形成されている。このセンサキャップ14はセンサプ
ローブ本体に螺着されており、これを取り外すとセンサ
チップが設けられている。
【0015】図2はセンサプローブ11の内部構造を示す
ものであり、センサチップ15はガラス基板16の上に設け
られた蛍光層17およびその上に形成された遮光層18が設
けられている。またセンサプローブ11の先端部には第1
の温度センサ19が配置されている。センサプローブ11の
基部の内部には、蛍光層17を励起する光を放射する半導
体光源素子として作用する発光ダイオード20および蛍光
層から発光される蛍光を受光する半導体受光素子として
作用するフォトダイオード21と、第2の温度センサ22
と、発光ダイオードを駆動する信号を発生したり、フォ
トダイオードの出力信号を処理したり温度補償を行った
りする信号処理回路23とが設けられている。この信号処
理回路23には第1および第2の温度センサ19および22、
発光ダイオード20、フォトダイオード21が接続されてい
るとともに信号ケーブル13を介して測定装置12に接続さ
れている。
【0016】さらに、発光ダイオード20から放射された
励起光を第1のファイバ束24を経てセンサチップ15へ導
くとともに蛍光層17から放射される蛍光を第2のファイ
バ束25を介してフォトダイオード21へ導くようにしてい
る。また、発光ダイオード20と第1のファイバ束24との
間には励起光を選択的に透過する第1のフィルタ26を設
けるとともにフォトダイオード21と第2のファイバ束25
との間には蛍光層で発生される蛍光を選択的に透過する
第2のフィルタ27を設ける。このように本実施例におい
ては、センサチップ15と発光部および受光部とをファイ
バ束で光学的に結合し、全体をセンサプローブ11内に一
体的に収納した構成としている。本例においては、発光
ダイオード20を紫外線を放射するものとし、第1のフィ
ルタ26はこの紫外線を選択的に透過するように、360 〜
410nm の通過帯域を有するものとする。また、この紫外
線励起光によって励起される蛍光層18から発せられる蛍
光は460 〜500nm の波長領域にあり、したがって第2の
フィルタ27は460〜500nm の通過帯域を有するものとす
る。
【0017】図3はセンサチップ15を含む先端部分の詳
細な構造を示すものである。上述したようにセンサチッ
プ15は、ガラス基板16上に蛍光層17を設け、さらにその
上に遮光層18を設けた構造としているが、蛍光層および
遮光層の膜厚および平面形状を所定のものとするため
に、ガラス基板の上に第1のワッシャ状の枠型28を載
せ、その開口内に蛍光層17を設けるとともに第2のワッ
シャ状の枠型29を第1の枠型の上に載せ、その開口内に
遮光層18を設けたものである。このように枠型を用いる
と、蛍光層17および遮光層18の膜厚はそれぞれ第1およ
び第2の枠型28および29の厚さによって規定されるとと
もに平面形状はこれらの枠型に形成した開口の平面形状
によって規定されるので、正確に所望の膜厚および平面
形状が得られることになり、したがって特性のばらつき
が有効に抑止されることになる。また、第1の枠型28は
酸素や酸、アルカリ、溶剤等に対する耐蝕性があるガラ
ス、プラスチック、ステンレスなどの金属等で形成し、
第2の枠型29は測定誤差を招く外光の影響を阻止するた
めに、遮光性があるとともに耐蝕性のある材質、例えば
ステンレス、チタン、テフロンなどで形成する。本例で
は、第1および第2のワッシャ28および29を共にステン
レスで形成する。
【0018】図3に示すように、第1および第2のファ
イバ束24、25の先端を保持金具30によって保持し、この
保持金具をスリーブ31内に挿入し、このスリーブの先端
の開口内にセンサチップ15をO−リング32を介して装填
し、さらにセンサキャップ14をスリーブ31の外周に螺合
してセンサチップ15を固定するようにする。第1および
第2のファイバ束24, 25の外周には、シール、固定およ
び振動防止の作用を有する材質、例えばシリコーンポリ
マより成る充填材33を設ける。
【0019】本発明においては、センサチップ15の蛍光
層17を、微細結晶を構成し、酸素に対して特異的に反応
し、励起光の下で酸素量に応じた蛍光を発する多環式芳
香族分子または複素環式芳香族分子を、1〜6重量%の
濃度で酸素透過性を有するポリマにほぼ均一に分散させ
たものとするかまたは酸素に対して特異的に反応し、励
起光の下で酸素量に応じた蛍光を発する多環式芳香族分
子または複素環式芳香族分子の微細結晶を、1〜6重量
%の濃度で酸素透過性を有する液状ポリマに混合、溶解
させ、所定の形状に硬化させたものとする。本実施例に
おいては、デカシクレンの微細結晶をマトリックス形成
前の液状シリコーンポリマに3.5 重量%の割合で混合、
溶解し、重合剤を加えて硬化させてデカシクレン分子が
ほぼ均一に分散されたシリコーンポリマより成る蛍光層
17を構成した。すなわち、担体(マトリックス)として
作用するシリコーンポリマの重量に対するデカシクレン
の重量の割合を3.5%とする。本発明において、このよう
に多環式芳香族分子または複素環式芳香族分子の微細結
晶を、1〜6重量%の濃度で液状ポリマに混合、溶解し
た後、硬化させた構成とするのは、このような範囲の重
量%できわめて大きな蛍光反応強度が得られ、したがっ
て感度が著しく高くなるためである。
【0020】図4は、シリコーンポリマに対するデカシ
クレンの重量割合を変化させたときの蛍光反応強度の変
化を示すものであり、1〜6重量%とすることによって
30%を越える大きな蛍光反応強度が得られ、特に2〜5
重量%とすることによって蛍光反応強度を50% 以上とす
ることができ、特に感度の高いセンサチップが得られる
ことがわかる。従来の再結晶化していないデカシクレン
を酸素透過性の液状ポリマに混合させた場合には、デカ
シクレン結晶以外の不純物が混在しているとともに形状
や大きさの異なるデカシクレン結晶が偏在するため、感
度、安定性などの特性にばらつきが生じ、実用的なセン
サを得ることはできなかった。また、デカシクレンを溶
剤に溶かしてポリマに混合させることにより均一なセン
サを得ることは可能であるが、脱溶剤した後のデカシク
レンの濃度は結晶をそのまま分散させる場合に比べて著
しく低くなり、したがって感度が著しく低いものとな
り、蛍光反応強度はわずか2〜3%であり、実用に供す
るものではない。
【0021】本発明においてはさらに、上述したように
多環式芳香族分子または複素環式芳香族分子の微細結晶
を1〜6重量%の割合で液状ポリマに混合、溶解させる
ためには、100 ミクロン以下の微細結晶とするのが好適
であることを確かめた。例えば、デカシクレンをニトロ
ベンゼンを溶剤として溶解して再結晶化した場合には、
長さが20〜100 ミクロン程度で、直径が0.5 〜3 ミクロ
ン程度の結晶が得られ、デカシクレンをアニリンを溶剤
として溶解して再結晶化した場合には、長さが0.5 〜20
ミクロン程度で、直径が0.5 〜3 ミクロン程度の結晶が
得られた。このように結晶の形状や寸法は溶剤の種類に
よって異なるが、おおむね長さが100 ミクロン以下の微
細結晶が得られ、これを上述したように1〜6重量%の
割合で液状ポリマに混合、溶解させることにより感度が
高いセンサチップを得ることができた。
【0022】次に、上述したセンサチップを製造する方
法の実施例を説明する。先ず、デカシクレンの精製を行
なう。市販のデカシクレンをニトロベンゼンより成る溶
剤中に溶解し、215 ℃の温度で加熱しながらゆっくり攪
拌する。溶解後、底に沈んだ沈殿物を除去し、上澄み液
を冷却保持してデカシクレンの微細結晶を得た。また、
この上澄み液にニトロベンゼンとは異なる溶剤であるア
セトンを加えて溶解し、冷却保持してデカシクレンの微
細結晶を得た。このように種類の異なる溶剤を用いて溶
解処理を繰り返すと、溶解度の差によってさらに純粋な
デカシクレンの微細結晶を得ることができる。
【0023】次に、このようにして得られたデカシクレ
ンの微細結晶をシリコーンポリマ中に均一に分散させる
ために、上述したように精製したデカシクレンと液状の
シリコーンポリマとを容器に入れ、常温でゆっくり攪拌
して混合した。この場合、混合するデカシクレンの分量
は、完成したセンサチップにおいて、デカシクレンの混
合量が上述したように1〜6重量%となるように設定し
た。このようにデカシクレンを所定の割合で混合したシ
リコーンポリマを真空中で約15分間脱気した。次に、こ
のデカシクレンとシリコーンポリマとの混合物に重合剤
を、常温で攪拌しながら加え、真空中で約1時間脱気し
た。このようにしてデカシクレンの微細結晶をきわめて
均一に分散させることができるとともに真空中で脱気を
行ったので、シリコーンポリマ中の空気や残留溶剤を殆
ど脱気することができ、より安定した性能を有するセン
サチップを得ることができた。
【0024】上述したようにしてデカシクレンの微細結
晶を混合、溶解させた液状のシリコーンポリマを、図5A
に示すようにガラス基板16の上に載せた第1の枠型28の
開口内に注入した。この場合、シリコーンポリマ35は枠
型の上面からはみ出るが、はみ出したシリコーンポリマ
を除去することにより図5Bに示すように膜厚が枠型28の
厚さに等しく、平面形状が枠型の開口の平面形状に等し
い蛍光層17が形成できた。このようにしてシリコーンポ
リマ35を整形した後、常温、真空中で1時間脱気した。
その後、120 ℃で約1時間加熱してシリコーンポリマ35
を硬化させた。さらに、本実施例においては、このよう
にして硬化させたシリコーンポリマを260 ℃の温度で約
10時間に亘って加熱して蛍光層17を作成した。このよう
な熱処理を施すことにより、シリコーンポリマと、その
中に分散されているデカシクレン分子との関係が安定化
し、感度が高くなるとともに品質のばらつきを減少させ
ることができた。この加熱の条件は、使用する発光物質
とポリマとの組み合わせによって異なるが、発光物質に
ダメージを与える温度よりもわずかに低い温度で加熱す
ることによって良好な結果が得られることを確かめた。
【0025】上述したようにしてデカシクレンの微細結
晶を液状のシリコーンポリマに混合、溶解した後、硬化
させて形成した蛍光層では、デカシクレンは完全な分子
の状態で蛍光層全体にほぼ均一に分散したものとなる
が、処理条件によっては殆どデカシクレン分子の形態で
分布しているが、デカシクレンの微細結晶が局部的に析
出したり、デカシクレンの微細結晶が蛍光層全体に亘っ
てほぼ均一に析出している場合もある。しかし、分子レ
ベルで見れば、どのような場合でも、デカシクレン分子
は蛍光層の全体に亘ってほぼ均一に分散したものとな
る。
【0026】上述した製造工程は本発明の一実施例であ
り、本発明はこのような実施例にのみ限定されるもので
はないことは勿論である。例えば、上述した実施例で
は、デカシクレンを精製するのに、異なる種類の溶剤を
用いて複数回の処理を行ったが、1回の精製処理でも良
い。さらに、この精製に使用する溶剤としては、上述し
たニトロベンゼンおよびアセトンのほかにアニリンなど
を用いることもできる。さらに、シリコーンポリマ中に
デカシクレンを混合、溶解し、重合させて硬化させた
後、260 ℃の温度で約10時間加熱したが、この加熱温度
は200 〜300 ℃の範囲内の温度とするのが好適であり、
また加熱時間は加熱温度等に応じて最適な時間を設定す
ることができる。すなわち、加熱時間は加熱温度とも関
係し、一般に加熱温度が低い場合には長時間の加熱を行
い、温度が高い場合には短い時間の加熱によっても感度
の増大が見られた。しかし、高温で加熱を行うと、セン
サ間のばらつきが大きくなる傾向があるので、低い温度
で長時間の加熱を行なうのが好適ある。
【0027】さらに、図5Cに示すように第1の枠型28の
上に第2の枠型29を載せ、その開口内に液状の遮光材料
35を流し込む。この遮光材料35は、外光が蛍光層17に入
射したり、ファイバ束25に入射して測定誤差を生じるの
を防止するものであり、光は透過しないが、酸素は透過
するものでなければならない。従来のセンサにおいて
は、この遮光層としてシリコーンポリマにグラファイト
や酸化鉄粉末を分散させたものが提案されているが、外
光を完全に遮光しようとすると酸素の透過性が大幅に阻
害され、蛍光反応が安定化するまでに数分から数十分と
いった長い時間が必要となり、実用性に欠ける欠点があ
った。また、紫外線で励起されるとグラファイトや酸化
鉄も励起され、測定データにばらつきが生じる欠点もあ
った。さらに、ポリマ中を透過してくる測定すべき酸素
が遮光性粒子と反応するため、感度が低下する欠点もあ
った。そこで本実施例においては、チタン金属粉末を分
散させた液状のシリコーンポリマを第2の枠型29の開口
内に注ぎ込み、第2の枠型の表面レベルよりも上にある
余分なシリコーンポリマを除去した後、冷却して硬化さ
せて図5Dに示すように遮光層18を形成した。このように
して遮光層18を形成することにより遮光層の膜厚および
平面形状を所定のものとすることができるとともに、蛍
光反応も迅速に安定し、センサ間のばらつきも抑えるこ
とができる。
【0028】次に上述した実施例の各種特性を説明する
とともに比較例との特性の差異を説明する。先ず、感度
特性について説明する。サンプルNo.1として、上述した
実施例のセンサチップとしてデカシクレンをアニリンに
溶解させ、沈殿物を除去した後、上澄み液にアセトンを
加えて再結晶化させ、アセトン、エタノールで洗浄・精
製した蛍光材料を液状シリコーンポリマ中に混合、溶解
し、重合して所定の形状に硬化させて0.10mmの膜厚の蛍
光層を作成したセンサチップを準備した。サンプルNo.2
としてデカシクレン粉末をそのままシリコーンポリマ中
に分散させて作ったセンサチップを準備し、サンプルN
o.3としてデカシクレンをアニリンに溶解したときに生
じる沈殿物を再結晶化して得られる蛍光材料を液状シリ
コーンポリマ中に混合、溶解し、硬化させたセンサチッ
プを準備した。これらのサンプルNo.2およびNo.3の蛍光
層の膜厚も0.10mmとした。これらのサンプルを温度25
℃、窒素雰囲気(酸素濃度0%)中において2時間以上
経過後に測定した信号強度と、空気中(酸素濃度20.9%)
で測定した信号強度との差を求めた結果を表1に示す。
【0029】
【表1】 この表1から、本発明によるサンプルNo.1の感度は、サ
ンプルNo2 に比べて25倍以上も高いことがわかる。
【0030】次に長期安定性についての試験を行った結
果を示す。測定条件としては、上述したサンプルNo.1〜
No.3を空気中で温度20℃に保ち、信号強度の時間的変
化、すなわちドリフトを測定した。その結果を表2示
す。
【0031】
【表2】
【0032】このグラフから本発明による実施例である
サンプルNo.1では、長期間に亘って感度の変動はきわめ
て少なく、サンプルNo.2と比べると約40〜50倍の長期安
定性が得られることがわかる。さらに、サンプルNo.3
は、表1からわかるように感度そのものは大きいが、大
きなドリフトを示し安定性がないことがわかる。
【0033】次に、蛍光材料の微細結晶を高真空下で加
熱して脱気しながら液状シリコーンポリマ中に混合さ
せ、さらに脱気、硬化させた本発明の上述した実施例に
基づくセンサチップをサンプルNo.4として準備した。一
方、市販のデカシクレンをそのまま脱気することなくシ
リコーンポリマ中に混合させたサンプルNo.5を準備し
た。これらのサンプルNo.4およびNo.5を、20℃の温度で
一定時間放置し、信号強度の変動を調べた結果を表3に
示す。
【0034】
【表3】
【0035】この表から分かるように、本発明によるサ
ンプルNo.4はサンプルNo.5に比べて非常に長期安定性が
高いものであった。この試験のデータを図6および図7
に示す。図6はサンプルNo.4の測定データを示すもので
あり、本発明に係るサンプルNo.4では、131 時間に亘っ
て安定な測定信号が出力されている。また、図7はサン
プルNo.5の測定データを示すものであり、僅か2時間半
の間に測定出力が大きく変動していることがわかる。
【0036】次に蛍光材を硬化させた後の加熱による効
果について説明する。上述した本発明の実施例のよう
に、デカシクレンを溶剤で溶解させ、その上澄み液を冷
却してデカシクレンの微細結晶を精製し、これを加熱し
た液状シリコーンポリマ中に混合、溶解させ、枠型の開
口内に注入した後、冷却して蛍光層を形成したサンプル
を複数作成し、加熱を行なう前のサンプルについて窒素
に曝したときの信号強度と、空気中に曝したときの信号
強度との差である感度のばらつきを調べるとともにそれ
ぞれ異なる条件で加熱したときの8個のサンプルの感度
のばらつきを調べた結果を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】この表から分かるように、加熱を行わない
場合には、感度は非常に低いとともにばらつきも大きい
が、加熱を行なうことによって感度が高くなり、加熱時
間を長くすることによって感度が増大することがわか
る。また、加熱温度を上げることによって短時間で感度
の増大が見られるが、サンプル間での感度のばらつきが
大きくなる傾向があるとともに300 ℃で1時間加熱を行
うとシリコーンポリマが一部分破壊されてしまうので、
相対的に低い温度で長時間の加熱を行なうのが良いこと
がわかった。
【0039】図2に示すように上述した実施例において
は、センサチップ15の近傍に第1の温度センサ19を配置
するとともに発光ダイオード20およびフォトダイオード
21の近傍に第2の温度センサ22を配置し、これら温度セ
ンサからの信号を信号処理回路23へ供給して温度ドリフ
トを補償するようにしている。したがって、温度変化に
対して安定に動作することになり、測定精度を向上する
ことができる。特に、発光ダイオード20とフォトダイオ
ード21は同じ構体に配置したので、これらの半導体素子
の温度環境はほぼ同じとなり、温度補償を一層正確に行
なうことができる。
【0040】図8は信号処理回路23および測定装置12の
構成を示すブロック図である。センサチップ15と発光ダ
イオード20およびフォトダイオード21との間はファイバ
束24および25で光学的に連結されており、第1の温度セ
ンサ19は信号処理回路23に設けた温度変換回路部23a に
接続され、その出力信号は信号ケーブル13を介して測定
装置12へ供給されるように構成されている。また、発光
ダイオード20は発光回路部23に接続され、フォトダイオ
ード21は受光回路部23c に接続されている。第2の温度
センサ22は発光回路部23b および受光回路部23c に接続
され、温度に応じた駆動信号を発光ダイオード20へ供給
するとともにフォトダイオード21からの出力信号の増幅
レベルを温度に応じて制御するように構成されている。
これにより発光ダイオード20からは温度変化に左右され
ることなく常に一定の強度の励起光が放射されるととも
にフォトダイオード21の出力信号のレベルが温度によっ
て変動する場合にも、受光回路部23c からの測定信号出
力のレベルは常に一定となるように構成されている。
【0041】測定装置12には、MPU, ROM, RAM, D-I/Oを
有するCPU 部12a と、このCPU 部とセンサプローブ11と
の間で信号のやり取りを行なう入出力部12b と、DC安定
化電源部12c と、操作スイッチ12d と、液晶ディスプレ
イ12e とが設けられている。上述した構成の回路の動作
は本発明の要部とは関係がないので簡単に説明する。発
光ダイオード20はパルス変調方式で駆動し、そのデュー
ティ比を1:10〜1:50と大きく採る。このようにパルス変
調方式を採用すると、蛍光層17へ紫外線を照射する時間
は大幅に短くなり、したがって紫外線照射による蛍光層
の劣化を抑えることができ、センサ寿命を延ばすことが
できる。さらに、紫外線を蛍光層に照射する時間が短く
なるので、外光の影響を受ける時間も短くなり、測定誤
差が低減することになる。
【0042】本発明は上述した実施例にのみ限定される
ものではなく、幾多の変更や変形が可能である。例え
ば、上述した実施例では蛍光物質としてデカシクレンを
用いたが、ペリレン、テトラセン、ベンズアントラセン
などの芳香族分子を用いることができ、これらは紫外線
で励起されることによって可視域の蛍光を発するもので
ある。また、上述した実施例では蛍光物質を分散させる
ための担体(マトリックス)としてシリコーンポリマを
用いたが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリエステル、イソプレンゴム、ブチルゴムなどの
他のポリマを用いることもできる。
【0043】さらに、上述した実施例ではセンサチップ
の構造としてガラス基板の上に枠型を載せ、その開口内
に蛍光物質の微細結晶を混合、溶解した液状のポリマを
流し込み、重合して硬化させたものとしたが、例えば図
9に示すように、ガラス基板41の表面にエッチングによ
り凹部42を形成し、この凹部内に液状のポリマを流し込
み、重合して硬化させて蛍光層43を形成した構造とする
こともできる。この場合には外光の影響を除くために、
ガラス基板41の表面に金属などの遮光膜44を、例えば蒸
着により形成する。また、上述した実施例ではセンサプ
ローブの先端にセンサチップを設けるとともに内部に光
源および受光器を設け、これらの素子とセンサチップと
の間をそれぞれファイバ束で連結する構造としたが、セ
ンサチップと光源および受光器とを別個のハウジングに
収納し、これらの間を可撓性を有するファイバ束で連結
するように構成することもできる。特にこのような構造
とする場合には、光源および受光器を半導体素子で構成
する必要はなく、例えば光源としてハロゲンランプを用
い、受光器としてフォトマルを用いることもできる。
【0044】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、感度が
高く、長期安定性に優れ、ばらつきが少ない酸素濃度測
定用センサが得られるとともにこのような酸素濃度測定
用センサを製造する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による酸素濃度測定用センサの
一実施例の全体の構成を示す図である。
【図2】図2は、同じくそのセンサプローブの構造を示
す線図的な断面図である。
【図3】図3は、同じくそのセンサチップの含む先端部
の構造を示す断面図である。
【図4】図4は、蛍光層中の蛍光材料の重量%と蛍光反
応強度との関係を示すグラフである。
【図5】図5A〜5Dは、本発明による酸素濃度測定用
センサのセンサチップの製造工程を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明による酸素濃度測定用センサの
実施例の出力信号の温度ドリフトを示すグラフである。
【図7】図7は、比較例の出力信号の温度ドリフトを示
すグラフである。
【図8】図8は、本発明による酸素濃度測定用センサの
一実施例の電気回路部分の構成を示すブロック図であ
る。
【図9】図9は、本発明による酸素濃度測定用センサの
センサチップの変形例の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
11 センサプローブ 12 測定装置 13 信号ケーブル 14 センサキャ
ップ 15 センサチップ 16 ガラス基板 17 蛍光層 18 遮光層 19 温度センサ 20 発光ダイオ
ード 21 フォトダイオード 22 温度センサ 23 信号処理回路 24, 25 ファイ
バ束 26, 27 フィルタ 28, 29 枠型 30 保持金具 31 スリーブ 32 O−リング 33 充填材 41 ガラス基板 42 凹部 43 シリコーンポリマ 44 金属膜

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細結晶を構成し、酸素に対して特異的に
    反応し、励起光の下で酸素量に応じた蛍光を発する多環
    式芳香族分子または複素環式芳香族分子を、1〜6重量
    %の濃度で酸素透過性を有するポリマにほぼ均一に分散
    させた蛍光層を有することを特徴とする酸素濃度測定用
    センサ。
  2. 【請求項2】酸素に対して特異的に反応し、励起光の下
    で酸素量に応じた蛍光を発する多環式芳香族分子または
    複素環式芳香族分子の微細結晶を、1〜6重量%の濃度
    で酸素透過性を有する液状ポリマに混合、溶解し、所定
    の形状に硬化させた蛍光層を有することを特徴とする酸
    素濃度測定用センサ。
  3. 【請求項3】前記多環式芳香族分子または複素環式芳香
    族分子を100 ミクロン以下の微細結晶としたことを特徴
    とする請求項1または2に記載の酸素濃度測定用セン
    サ。
  4. 【請求項4】微細結晶を形成し、酸素に対して特異的に
    応答し、酸素量に応じた蛍光を発する多環式芳香族分子
    または複素環式芳香族分子を、酸素透過性を有するポリ
    マにほぼ均一に分散させた蛍光層を、基板上に載置した
    枠型の開口内に充填して構成したことを特徴とする酸素
    濃度測定用センサ。
  5. 【請求項5】前記枠型の上に第2の枠型を載せ、その開
    口内に酸素透過性を有する遮光材料を充填したことを特
    徴とする請求項4に記載の酸素濃度測定用センサ。
  6. 【請求項6】前記第2の枠型の開口内に充填した遮光材
    料中に、酸化反応を起こさず、酸やアルカリによる腐食
    の起こらない材質の分散剤を均一に分散させたことを特
    徴とする請求項5に記載の酸素濃度測定用センサ。
  7. 【請求項7】前記蛍光層を、多環式芳香族分子または複
    素環式芳香族分子の微細結晶を、1〜6重量%の濃度で
    酸素透過性を有する液状ポリマに混合、溶解し、所定の
    形状に硬化させて構成したことを特徴とする請求項4、
    5および6のいずれかに記載の酸素濃度測定用センサ。
  8. 【請求項8】前記多環式芳香族分子または複素環式芳香
    族分子の微細結晶を100 ミクロン以下としたことを特徴
    とする請求項4〜7のいずれかに記載の酸素濃度測定用
    センサ。
  9. 【請求項9】酸素濃度測定用センサを製造するに当た
    り、多環式芳香族分子または複素環式芳香族分子を溶剤
    を用いて溶解させた後に再結晶化する操作を、2〜4種
    類の異なる溶剤を用いて繰り返し、多環式芳香族分子ま
    たは複素環式芳香族分子の微細結晶を得た後、このよう
    にして得られた1種類または複数種類の微細結晶を酸素
    透過性のある液状ポリマ中に混合、溶解し、重合して所
    定の形状に硬化させることを特徴とする酸素濃度センサ
    の製造方法。
  10. 【請求項10】前記微細結晶を混合、溶解させた液状ポ
    リマを、定温、高真空下で脱気、脱溶剤処理を行いつ
    つ、所定の形状に硬化させることを特徴とする請求項9
    に記載の酸素濃度センサの製造方法。
  11. 【請求項11】前記多環式芳香族分子または複素環式芳
    香族分子の微細結晶を、ポリマを硬化させた状態におい
    て、1〜6重量%の濃度となるように液状ポリマ中に混
    合、溶解させることを特徴とする請求項9および10の
    いずれかに記載の酸素濃度センサの製造方法。
  12. 【請求項12】前記多環式芳香族分子または複素環式芳
    香族分子を溶剤を用いて溶解させた後に再結晶化する操
    作を、100 μm 以下の微細結晶が得られるまで繰り返す
    ことを特徴とする請求項11に記載の酸素濃度センサの
    製造方法。
  13. 【請求項13】前記多環式芳香族分子または複素環式芳
    香族分子の微細結晶を混合、溶解させた液状ポリマを、
    基板上に載置した枠型の開口内に流し込み、枠型の表面
    レベルよりも上にある余分な液状ポリマを除去した後、
    硬化させることを特徴とする請求項9〜12のいずれか
    に記載の酸素濃度測定用センサの製造方法。
  14. 【請求項14】前記枠型の開口内の液状ポリマを硬化さ
    せた後、第2の枠型を前記枠型の上に載せ、この第2の
    枠型の開口内に、酸化反応を起こさず、酸やアルカリに
    よる腐食の起こらない材質の分散剤を均一に分散させた
    液状の遮光材料を流し込み、第2の枠型の表面レベルよ
    りも上にある余分な遮光材料を除去した後、硬化させる
    ことを特徴とする請求項13に記載の酸素濃度測定用セ
    ンサの製造方法。
  15. 【請求項15】前記多環式芳香族分子または複素環式芳
    香族分子の微細結晶を混合、溶解させた液状ポリマを硬
    化させた後、この微細結晶の分解温度よりも低い温度で
    加熱することを特徴とする請求項9〜14のいずれかに
    記載の酸素濃度測定用センサの製造方法。
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