JPH10132061A - 歯付プーリ及びそれを用いたベルト伝動装置 - Google Patents

歯付プーリ及びそれを用いたベルト伝動装置

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JPH10132061A
JPH10132061A JP28703096A JP28703096A JPH10132061A JP H10132061 A JPH10132061 A JP H10132061A JP 28703096 A JP28703096 A JP 28703096A JP 28703096 A JP28703096 A JP 28703096A JP H10132061 A JPH10132061 A JP H10132061A
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JP
Japan
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belt
flange
toothed
tooth
toothed pulley
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JP28703096A
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Inventor
Keiichiro Matsuo
圭一郎 松尾
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フランジ6,6を有する歯付プーリ1におい
て、歯付プーリ1に巻き掛けられて走行する歯付ベルト
10とフランジ6との接触面積を小さくし、そのような
接触により発生する擦れ音を低減できるようにする。 【解決手段】 両フランジ6,6における各溝部4の軸
方向両側に対応する部分に、該各溝部4に向かって開放
された断面U溝状の切除部7を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フランジを有する
歯付プーリ及びそれを用いたベルト伝動装置に関し、特
に歯付プーリのフランジと歯付ベルトとの接触により発
生する擦れ音の低減対策に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、歯付プーリは、図15に示すよ
うに、歯部a及び溝部bが周方向に交互に等間隔に設け
られてなっていて、通常では歯付ベルトとの組合せで用
いられる。つまり、図16に模式的に示すように、歯付
プーリAの歯部aが歯付ベルトBのベルト歯cと噛み合
って、例えば該プーリAの回転力をベルトBに伝達する
ことで、歯付ベルトBを走行させて物品を搬送したり、
他のプーリに動力を伝達したりする。
【0003】ところで、上記歯付ベルトBがプーリAと
噛み合いながら走行を始めると、そのベルトBには必ず
プーリA上をベルト幅方向(図16の左右方向)に片寄
ろうとするスラスト力が働く。したがって、そのままで
はプーリAからベルトBが逸脱することになるので、そ
れを回避するために、プーリAの軸方向両側外周にフラ
ンジd,d(同図には左側のフランジdのみ示してい
る)を設けておくようにするのが普通である。つまり、
両フランジd,dにおける各溝部bのベルト幅方向両側
に対応する部分により該各溝部bの溝側面e,eが形成
されるので、その各々の溝部bに進入した各ベルト歯c
の側面が上記溝側面eに当接して歯付ベルトBのベルト
幅方向の動きを規制でき、このことで、ベルトBの逸脱
を未然に防止できるようになる。また、上記両フランジ
d,dの外周内面には、各ベルト歯cが溝部bにスムー
ズに進入できるように、半径方向外方(同図の上方)に
向かって軸方向(同図の左右方向)の間隔が大きくなる
断面テーパ状の傾斜面f,fが設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の歯付プーリAのようにフランジd,dが設けられて
いると、各ベルト歯cと各々の歯部aとの噛合い始めや
噛合い終りのときに、各ベルト歯cの側面がフランジd
と擦れ、このことで、騒音が大きくなるという難点があ
る。例えば、各ベルト歯cが各々の溝部bに進入すると
きには、各ベルト歯cの側面がフランジdの傾斜面f及
び溝側面eに擦れながら進入していくことになり、その
際に擦れ音が発生するのである。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その主な目的は、フランジを有する歯付プーリ及
びそれを用いたベルト伝動装置において、歯付プーリの
フランジ形状に工夫を加えることで、歯付プーリのフラ
ンジと歯付ベルトの各ベルト歯側面との接触面積を小さ
くし、もって、擦れ音を低減できるようにすることにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、歯付プーリの溝側面を形成するフラ
ンジ部分を切除することで、各ベルト歯側面と溝側面と
が互いに接触しないようにした。さらには、上記歯付ベ
ルトの各ベルト歯側面をカットすることで、各ベルト歯
側面と溝側面との非接触化をより確実なものにするとと
もに、各ベルト歯側面とフランジ傾斜面とが互いに接触
しないようにした。
【0007】具体的には、請求項1の発明では、歯部及
び溝部が周方向に交互にかつ等間隔に設けられてなるプ
ーリ本体と、このプーリ本体の軸方向両側外周に設けら
れた1対のフランジとを備えた歯付プーリが前提であ
る。
【0008】そして、上記両フランジにおける上記各溝
部の軸方向両側に対応する部分(溝側面を形成する部
分)に、該各溝部に向かって開放された切除部を設ける
ようにする。
【0009】上記の構成において、歯付プーリに巻き掛
けられた歯付ベルトが走行している状態で、歯付ベルト
の各ベルト歯と該各ベルト歯に対応する歯付プーリの歯
部とが噛み合い始めるときには、歯付ベルトのベルト側
面をプーリのフランジに擦らせながら各ベルト歯は各々
の溝部に進入する。
【0010】このとき、上記溝部の側面に、該溝部に向
かって開放された切除部があるので、この溝部に進入す
るベルト歯の側面とフランジとの接触面積は上記切除部
の分だけ小さくなる。よって、ベルト側面から見て凹凸
の不連続部をなしている各ベルト歯の側面とフランジ
(溝側面)との接触が少なくなり、その分だけ擦れ音は
低減される。
【0011】尚、上記に伴い、上記ベルト本体の側面は
フランジに、より接触するようになるが、この部分はベ
ルト周長方向に連続であってフランジとは巻き付き部分
が既に接触しているので、比較的スムーズに擦れながら
進入する。また、上記各ベルト歯の側面が溝側面に接触
しない分だけ、ベルト本体の側面が歯部の先端面上でフ
ランジに当接するようになるので、歯付ベルトのプーリ
上でのベルト幅方向の位置決めは、各ベルト歯側面が溝
側面に当接することにより行われる従来の場合と異な
り、上記ベルト本体の側面がフランジに当接することで
行われる。
【0012】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、各切除部を、両フランジにおける各溝部の軸
方向両側に対応する部分(溝側面)からフランジの外周
に亘る範囲に形成するようにする。
【0013】上記の構成において、歯付プーリと歯付ベ
ルトとの噛合い始めや噛合い終りのとき、各ベルト歯は
フランジに対しプーリの半径方向に移動する。つまり、
噛合い始めのときには半径方向内方に向かって、また噛
合い終りのときには半径方向外方に向かってそれぞれ移
動する。このとき、各切除部が、フランジ溝側面から該
フランジの外周に亘って半径方向外方に向かって延びる
ように形成されているので、上記請求項1の発明の場合
と同じく各ベルト歯側面と溝側面との接触面積が小さく
なることに加え、各ベルト歯側面とフランジ外周との接
触面積も小さくなる。よって、各ベルト歯側面とフラン
ジとの間の擦れ音はさらに低減される。また、上記切除
部が、フランジを半径方向外方に向かって延びるように
形成されることから、歯付プーリの作製時に、上記切除
部を有するフランジ部分の成形性が向上する。
【0014】請求項3の発明では、上記請求項2の発明
において、各切除部を、両フランジを軸方向に貫通する
ように形成する。つまり、極言すると、歯付プーリの各
歯部の歯先に対応するフランジ外周以外の部分は全て取
り除くこととする。
【0015】上記の構成において、各切除部は、フラン
ジ溝側面から該フランジの外周に亘って形成されている
状態で該フランジを軸方向に貫通しているので、この発
明においても、上記請求項2の発明の場合と同様に、擦
れ音がさらに低減されるとともに、歯付プーリの作製時
におけるフランジ部分の成形性が向上する。
【0016】請求項4の発明では、上記請求項1〜3の
発明に係る歯付プーリと、この歯付プーリに巻き掛けら
れていて、エンドレス状のベルト本体の内面側にベルト
周長方向に等間隔に複数のベルト歯を有する歯付ベルト
との組合せからなるベルト伝動装置として、上記各ベル
ト歯の両側面を含むベルト両側面を、歯先側のベルト幅
方向寸法(歯先幅)がベルト背面側のベルト幅方向寸法
(ベルト幅)よりも小さくなるようカットされた形状に
形成することとする。
【0017】上記の構成において、歯付ベルトの各ベル
ト歯が歯付プーリの各々の溝部に進入するとき、そのベ
ルト側面は、歯先幅がベルト幅よりも小さくなるようカ
ットされた形状をなしているので、上記カット形状によ
っても、ベルト歯の側面とフランジとの接触面積は小さ
くなる。これにより、ベルト歯側面とフランジとの非接
触状態は、さらに確実化する。また、上記カット形状に
応じて、各ベルト歯側面とフランジ外周との接触面積も
小さくなるので、各ベルト歯側面とフランジとの擦れ音
はさらに低減する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。 (実施形態1)図1及び図2は、本発明の実施形態1に
係る歯付プーリ1を示しており、この歯付プーリ1は、
図1に仮想線で示すように、歯付ベルト10と組み合わ
せて使用される。
【0019】上記歯付プーリ1は、歯部3及び溝部4が
周方向に交互にかつ等間隔に設けられてなるプーリ本体
2と、このプーリ本体2の軸方向両側(図1の左右方
向)に回転一体に設けられた1対のフランジ部材5,5
とを有していて、各歯部3を歯付ベルト10の対応する
ベルト溝に進入させるとともに、各溝部4に歯付ベルト
10の対応するベルト歯10bを進入させることで該歯
付ベルト10との間で動力の伝達を行うようになされて
いる。そして、上記フランジ部材5,5の外周部分によ
り、プーリ本体2の軸方向両側外周に1対のフランジ
6,6が形成されている。また、上記各歯部3の歯先3
aよりも外周側に位置する両フランジ6,6の内側部分
は、半径方向外方(図1の上方)に向かって両フランジ
6,6間の間隔が大きくなる断面テーパ状の傾斜面6a
とされている。
【0020】そして、本実施形態では、上記両フランジ
6,6における上記各溝部4の軸方向両側に対応する部
分に、該各溝部4に向かって開放された切除部7がそれ
ぞれ設けられている。尚、図1及び図2では一方のフラ
ンジ6と該フランジ6に設けられた切除部7,7,…の
み示しており、他方のフランジ及び切除部については図
示を省略している。
【0021】具体的には、上記各切除部7は、両フラン
ジ6,6における各溝部4の溝側面を形成する部分の全
体に、該部分を略周方向に延びる断面U溝状に切除した
形状に形成されている。各切除部7の溝幅(プーリ1の
半径方向の寸法)は、溝部4の深さと略同じ寸法に設定
されている。また、各切除部7の周方向の両壁面は、各
溝部4の周方向両壁面と面一に設けられている。つま
り、各切除部7は、フランジ6の傾斜面6aを除く全て
の部分に設けられている。
【0022】次に、上記のように構成された歯付プーリ
1に歯付ベルト10が巻き付けられて走行する際に、各
ベルト歯10bが各々の溝部4に進入するときの各切除
部7の作動について説明する。上記歯付プーリ1に巻き
掛けられた歯付ベルト10が走行している状態で、その
ベルト10の各ベルト歯10bとプーリ1の各歯部3と
が噛み合い始めるときには、ベルト10の側面がフラン
ジ6の傾斜面6aに擦れながら、各ベルト歯10bを各
々の溝部4に進入させる。
【0023】このとき、上記各溝部4の側面に、該溝部
4に向かって開放された切除部7があるので、この溝部
4に進入するベルト歯10bの側面とフランジ6との接
触面積は上記切除部7の分だけ小さくなる。よって、ベ
ルト側面から見て凹凸の不連続部をなしている各ベルト
歯10bの側面とフランジ6の溝側面部分との接触がな
くなり、その分だけ擦れ音は低減される。
【0024】また、上記各ベルト歯10bの側面が溝側
面部分に接触しないことから、ベルト本体10aの側面
がプーリ1の歯部3の歯先3a上でフランジ6に当接す
るようになる。よって、歯付ベルト10のプーリ1上で
のベルト幅方向の位置決めは、従来では各ベルト歯の側
面がフランジに当接することにより行われるのと異な
り、上記ベルト本体10aの側面がフランジ6に当接す
ることで行われる。
【0025】したがって、本実施形態によれば、両側1
対のフランジ6,6を有していて歯付ベルト10と組み
合わせて使用される歯付プーリ1において、両フランジ
6,6における各溝部4の溝側面に対応する部分に、該
溝部4に向かって開放された切除部7を設けるようにし
たので、その切除部7の分だけフランジ6とベルト歯1
0bの側面との接触面積を小さくすることができ、よっ
て、そのような接触による擦れ音を低減することができ
る。
【0026】尚、上記実施形態1では、各切除部7を断
面U溝状に形成しているが、その形状は特に限定されな
い。
【0027】また、上記実施形態1では、各切除部7
を、切除した形状に形成するとしているが、ここでいう
切除とは、従来のフランジに比べてボリューム的に減少
している意であり、文字通り切除することの他、結果的
に切除された形状に形成されていれば、その形成方法は
特に限定されるものではない。
【0028】さらに、上記実施形態1では、各フランジ
6を、プーリ本体2とは別体であるフランジ部材5の外
周部分で構成するようにしているが、プーリ本体2に一
体形成するようにしてもよい。
【0029】(実施形態2)図3〜図5は、本発明の実
施形態2に係る歯付プーリ1を示している、尚、上記実
施形態1の場合と同じ部分には同じ符号を付して示すこ
ととし、その説明は省略する。
【0030】本実施形態では、各切除部7は、両フラン
ジ6,6における各溝部4の軸方向両側に対応する部分
から各々のフランジ6の傾斜面6aに亘る範囲に扇状に
形成されている。
【0031】具体的には、上記切除部7は、各歯部3の
歯先3aの外周に位置するフランジ傾斜面6aだけが略
台形状に取り残された状態に形成されている。また、図
5に示すように、各溝部4の底面に接続する各々の切除
部7の壁面は、該底面と面一に設けられている。さら
に、歯付ベルト10のベルト側面に相対する各切除部7
の壁面は該ベルト側面と平行に設けられている。
【0032】次に、上記のように構成された歯付プーリ
1に歯付ベルト10が巻き付けられて走行する際の各切
除部7の作動について説明する。上記歯付プーリ1の各
溝部4に対し歯付ベルト10のベルト歯10bが進入す
るとき及び退出するときに、それぞれ各ベルト歯10b
はフランジ6に対しプーリ1の半径方向に移動する。こ
のとき、切除部7がフランジ6を半径方向外方に向かっ
て延びるように形成されているので、上記進入時及び退
出時においても、フランジ6に各ベルト歯10bの側面
が接触する面積は少なくなる。
【0033】したがって、本実施形態によれば、各切除
部7を、上記実施形態1の場合よりもフランジ6の傾斜
面6aに扇状に拡げるように形成したので、歯付ベルト
10の各ベルト歯10bの側面がフランジ傾斜面6aに
接触する面積を小さくすることができ、擦れ音をさらに
低減することができる。また、上記切除部7が、フラン
ジ6を半径方向外方に向かって延びるように形成される
ことから、歯付プーリ1の作製時に、上記切除部7を有
するフランジ部材5の成形性を向上させることができる
というメリットもある。
【0034】(実施形態3)図6〜図8は、本発明の実
施形態3に係る歯付プーリ1を示している。尚、本実施
形態においても、上記実施形態1及び2の場合と同じ部
分には同じ符号を付して示し、その説明は省略すること
とする。
【0035】本実施形態では、各切除部7は、各々のフ
ランジ6を軸方向に貫通するように形成されている。
【0036】具体的には、上記各切除部7は、実施形態
2の場合の切除部7をフランジ6を軸方向に貫通させた
状態に設けられている。つまり、各歯部3の歯先3aの
外周側に位置する傾斜面6aだけを残して、それ以外の
部分を全て除去した状態となっている。
【0037】したがって、本実施形態によっても、上記
実施形態2の場合と同じ効果を奏することができる。
【0038】(実施形態4)図9は、本発明の実施形態
4に係るベルト伝動装置の要部を模式的に示す。このベ
ルト伝動装置では、上記実施形態1の歯付プーリ1が用
いられており、このプーリ1に歯付ベルト10が走行可
能に巻き掛けられている。したがって、歯付プーリ1の
構成については同じ部分は同じ符号を付して示すことと
し、その説明は省略する。
【0039】上記歯付ベルト10は、図10に示すよう
に、エンドレス状に設けられたベルト本体10aと、こ
のベルト本体10aの内面側(同図の下面側)にベルト
周長方向(同図の左右方向)に等間隔に設けられた多数
の歯部10b,10b,…とを備えている。
【0040】上記ベルト本体10aは、背ゴム層11
と、この背ゴム層11のベルト内面側に略ベルト周長方
向に延びかつベルト幅方向に等間隔に並ぶスパイラル状
に埋設された心体12とを有する。一方、上記各ベルト
歯10bは、ベルト本体10aの背ゴム層11と一体に
設けられた歯ゴム層13からなっている。また、歯面側
には、帆布14が一体に設けられている。上記背ゴム層
11及び歯ゴム層13の材質については、CR、水素添
加NBRや、ウレタン等が挙げられるが、特に限定され
ない。また、心体12の材質については、ガラス、スチ
ール、アラミド等が一例として挙げられるが、これも特
に限定されるものではない。さらに、帆布13の材質に
ついても、ナイロン、アラミド等、特には限定されな
い。
【0041】そして、本実施形態では、上記各ベルト歯
10bの両側面は、図11に示したように、歯先側(同
図の下面側)のベルト幅方向寸法W1 (歯先幅)がベル
ト背面側(同図の上面側)のベルト幅方向寸法W0 (ベ
ルト幅)よりも小さく(W1<W0 )なるようカットさ
れた形状に形成されている。具体的には、各ベルト歯1
0bの両側面のカット部分の形状は、歯先に向かってベ
ルト幅方向寸法が漸次小さくなるよう傾斜する断面テー
パ状とされている。
【0042】詳しく説明すると、上記各ベルト歯10b
の両側面は、心体12のベルト内面側の部分から歯先に
向かってそれぞれ所定の傾斜角度αでカットされてい
る。その際に、上記傾斜角度α(例えば、α=46°)
は、歯付プーリ1のフランジ傾斜面6aの傾斜角度β
(例えば、β=10°)よりも大きく(α>β)設定さ
れている。
【0043】また、上記各ベルト歯10bの両側面のカ
ット部分における歯先両側の各カット幅w(例えば、w
=2.0mm)は、ベルト歯高さh(例えば、h=1.
9mm)の200%以内の範囲(w≦2.00×h)に
設定されている。
【0044】次に、上記のように構成されたベルト伝動
装置における噛合い始めのときの作動について説明す
る。歯付プーリ1に巻き掛けられた歯付ベルト10が走
行している状態で、ベルト10の各ベルト歯10bと該
各ベルト歯10bに対応する歯付プーリ1の各々の歯部
3との噛合い始めのときには、ベルト10の側面がフラ
ンジ傾斜面6aに擦れながら、各ベルト歯10bを歯付
プーリ1の各々の溝部4に進入させる。
【0045】このとき、上記各ベルト歯10bの両側面
がテーパ状にカットされており、しかもそのテーパ面の
傾斜角度αがフランジ傾斜面6aの傾斜角度βよりも大
きいので、各ベルト歯10bは、その両側面がフランジ
6の傾斜面6aに接触せず、カットされていないベルト
本体10aの側面がフランジ傾斜面6aと接触する状態
で進入する。よって、ベルト側面から見て凹凸の不連続
部をなしているベルト歯10b,10b,…の各側面
と、フランジ6の傾斜面6aとの接触がなくなった分だ
け、擦れ音はさらに低減される。
【0046】その際に、上記各ベルト歯10bの歯先の
側における各カット幅wが、ベルト歯高さhの200%
以下の範囲に設定されているので、上記カット幅wが2
00%を超える場合には、伝動能力の低下や歯飛び、寿
命低下等の不具合が発生するのに対し、そのような不具
合を招くことはない。
【0047】したがって、本実施形態によれば、上記実
施形態1による効果を得ることができる上に、歯付ベル
ト10の各ベルト歯10bの両側面を、歯先幅W1 がベ
ルト幅W0 よりも小さくなる断面テーパ状にカットし、
そのテーパ面の傾斜角度αを歯付プーリ1のフランジ傾
斜面6aの傾斜角度βよりも大きく設定するようにした
ので、各ベルト歯10bが歯付プーリ1の溝部4に進入
するときに、各ベルト歯10bの側面がフランジ傾斜面
6aに擦れるのを回避することができ、その分だけ歯付
ベルト10と歯付プーリ1との間で生じる騒音をさらに
低減することができる。
【0048】さらに、上記各ベルト歯10bの歯先の両
側の各カット幅wを、ベルト歯高さhの200%以下に
設定するようにしたので、上記カットに伴う不具合の発
生を未然に防止することができる。
【0049】また、ベルト両側面のうちの上記各ベルト
歯10bの両側面のみをカットするようにしたので、上
記実施形態1の場合と同じく、ベルト本体10bの側面
をフランジ6に当接させてベルト10の歯付プーリ1上
でのベルト幅方向の位置決めを行うことができる。
【0050】尚、上記実施形態4では、歯付ベルト10
の各ベルト歯10bの両側面のみをカットするようにし
ているが、ベルト本体10aの一部ないし全部を含むベ
ルト両側面をカットするようにしてもよい。
【0051】また、上記実施形態4では、歯付ベルト1
0の各ベルト歯10bの両側面を断面テーパ状にカット
するようにしているが、カット断面が多角的になるよう
にカットしてもよいし、又は曲線的になるようにしても
よい。
【0052】さらに、上記実施形態4では、歯付ベルト
10の各ベルト歯10bの両側面をカットするとしてい
るが、ここでいうカットとは、従来の歯付ベルトにおけ
るベルト両側面に比べてボリューム的に減少している意
であり、カッターによるカッティングや研削盤による研
削等のように文字通りカットすることの他、プレス焼き
による整形等のように結果的にカットされた形状に形成
してもよく、その形成方法は特に限定されない。
【0053】(実施形態5)図11は、本発明の実施形
態5に係るベルト伝動装置の要部を模式的に示してお
り、このベルト伝動装置では、上記実施形態2の歯付プ
ーリ1が用いられており、このプーリ1に上記実施形態
4の歯付ベルト10が走行可能に巻き掛けられている。
【0054】したがって、本実施形態によれば、上記実
施形態2の場合と同じ効果を奏することができる他、上
記実施形態4の場合と同様の効果を得ることができる。
【0055】(実施形態6)図12は、本発明の実施形
態6に係るベルト伝動装置の要部を模式的に示してお
り、このベルト伝動装置では、上記実施形態3の歯付プ
ーリ1に、実施形態5の場合と同じく上記実施形態4の
歯付ベルト10が走行可能に巻き付けられている。
【0056】したがって、本実施形態によれば、上記実
施形態3の場合と同じ効果を奏することができる他、上
記実施形態4の場合と同様の効果を得ることができる。
【0057】−実験例− ここで、上記実施形態3の歯付プーリを発明例として用
い、これに従来の歯付ベルトを巻き掛けて走行させたと
きの騒音を測定するために行った実験について説明す
る。尚、歯付プーリは、JIS B 1856に定めら
れているL形でかつ歯数が20であるものを2つ用意し
た。
【0058】そして、両歯付プーリ間に歯付ベルトを巻
き掛け、一方の歯付プーリを回転駆動して歯付ベルトが
歯付プーリに導入される部分における騒音レベルを測定
した。一方、比較のために、従来の歯付プーリ(図15
及び図16参照)を比較例として用い、上記発明例の場
合と同じ実験を行った。上記発明例の測定結果を、図1
3に、また比較例の測定結果を図14にそれぞれ示す。
【0059】先ず、比較例の実験結果を調べると、図1
4に一点鎖線の円で囲まれた部分では、短時間のうちに
上下変動の大きい多数の波形が見られる。この部分が、
歯付プーリのフランジと歯付ベルトの側面とが接触する
ことで発生する擦れ音である。これに対し、発明例の場
合には、そのような波形は見られない。これらのことか
ら、発明例では、歯付プーリのフランジとベルト側面と
の接触が大幅に低減されていることが判る。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、歯部及び溝部が周方向に交互にかつ等間隔に設
けられてなるプーリ本体と、該プーリ本体の軸方向両側
外周に設けられた1対のフランジとを備えた歯付プーリ
において、上記両フランジにおける上記各溝部の軸方向
両側に対応する部分に、該各溝部に向かって開放された
切除部を設けるようにしたので、その切除部の分だけ溝
部の側面と各ベルト歯側面との接触面積を小さくするこ
とができ、よって、フランジと各ベルト歯側面との接触
により発生する擦れ音を低減することができる。
【0061】請求項2の発明によれば、上記各切除部
を、両フランジにおける各溝部の軸方向両側に対応する
部分からその外周に亘る範囲に形成するようにしたの
で、擦れ音をさらに低減することができる上に、上記切
除部がフランジを半径方向外方に向かって延びるように
形成されることから、歯付プーリの作製時におけるフラ
ンジ部分の成形性を向上させることができる。
【0062】請求項3の発明によれば、上記各切除部
を、両フランジを軸方向に貫通して形成するようにした
ので、上記請求項2の発明の場合と同じ効果を奏するこ
とができる。
【0063】請求項4の発明によれば、上記歯付プーリ
と、該歯付プーリに巻き掛けられ、エンドレス状のベル
ト本体の内面側にベルト周長方向に等間隔に複数のベル
ト歯を有する歯付ベルトとの組合せからなるベルト伝動
装置として、上記各ベルト歯の両側面を含むベルト本体
両側面を、歯先側のベルト幅方向寸法がベルト背面側の
ベルト幅方向寸法よりも小さくなるようカットされた形
状に形成するようにしたので、ベルト歯側面とフランジ
との非接触化をさらに確実なものにすることができるの
みならず、上記カット形状に応じて各ベルト歯側面とフ
ランジ傾斜面との接触面積を小さくすることができるの
で、各ベルト歯側面とフランジとの擦れ音のさらなる低
減化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I線拡大断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る歯付プーリを示す縦
断面図である。
【図3】本発明の実施形態2に係る歯付プーリを示す図
2相当図である。
【図4】歯付プーリの要部を拡大して示す斜視図であ
る。
【図5】図3のV−V線拡大断面図である。
【図6】本発明の実施形態3に係る歯付プーリを示す図
2相当図である。
【図7】歯付プーリの要部を拡大して示す図4相当図で
ある。
【図8】図6のVIII−VIII線拡大断面図である。
【図9】本発明の実施形態4に係るベルト伝動装置の要
部を模式的に示す図1相当図である。
【図10】歯付ベルトの構成を示す縦断側面図である。
【図11】本発明の実施形態5に係るベルト伝動装置の
要部を模式的に示す図1相当図である。
【図12】本発明の実施形態6に係るベルト伝動装置の
要部を模式的に示す図1相当図である。
【図13】実験例における発明例の騒音結果を示す波形
図である。
【図14】実験例における比較例の騒音結果を示す図9
相当図である。
【図15】従来の歯付プーリを示す図2相当図である。
【図16】図15のXVI −XVI 線拡大断面図である。
【符号の説明】
1 歯付プーリ 2 プーリ本体 3 歯部 4 溝部 6 フランジ 6a 傾斜面 6 切除部 10 歯付ベルト 10a ベルト本体 10b ベルト歯 W1 歯先幅(歯先側のベルト幅方向寸法) W0 ベルト幅(ベルト背面側のベルト幅方向寸法) w カット幅

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯部及び溝部が周方向に交互にかつ等間
    隔に設けられてなるプーリ本体と、該プーリ本体の軸方
    向両側外周に設けられた1対のフランジとを備えた歯付
    プーリにおいて、 上記両フランジにおける上記各溝部の軸方向両側に対応
    する部分に、該各溝部に向かって開放された切除部が設
    けられていることを特徴とする歯付プーリ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の歯付プーリにおいて、 各切除部は、両フランジにおける各溝部の軸方向両側に
    対応する部分からフランジの外周に亘る範囲に形成され
    ていることを特徴とする歯付プーリ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の歯付プーリにおいて、 各切除部は、両フランジを軸方向に貫通して形成されて
    いることを特徴とする歯付プーリ。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の歯付プーリ
    と、該歯付プーリに巻き掛けられ、エンドレス状のベル
    ト本体の内面側にベルト周長方向に等間隔に複数のベル
    ト歯を有する歯付ベルトとの組合せからなるベルト伝動
    装置であって、 上記各ベルト歯の両側面を含むベルト両側面は、歯先側
    のベルト幅方向寸法がベルト背面側のベルト幅方向寸法
    よりも小さくなるようカットされた形状に形成されてい
    ることを特徴とするベルト伝動装置。
JP28703096A 1996-10-29 1996-10-29 歯付プーリ及びそれを用いたベルト伝動装置 Withdrawn JPH10132061A (ja)

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