JPH10132031A - 歯付ベルト - Google Patents

歯付ベルト

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JPH10132031A
JPH10132031A JP28702596A JP28702596A JPH10132031A JP H10132031 A JPH10132031 A JP H10132031A JP 28702596 A JP28702596 A JP 28702596A JP 28702596 A JP28702596 A JP 28702596A JP H10132031 A JPH10132031 A JP H10132031A
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JP
Japan
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belt
tooth
toothed
side surfaces
flange
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JP28702596A
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Inventor
Keiichiro Matsuo
圭一郎 松尾
Michio Tanaka
通生 田中
Kyotaro Yanagi
京太郎 柳
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フランジ11を有する歯付プーリ10と組み
合わせて使用される歯付ベルト1において、ベルト側面
とフランジ11との接触面積を小さくし、さらには各歯
部3の側面をフランジ11に接触させないようにして、
擦れ音を低減できるようにする。 【解決手段】 各歯部3の両側面を、歯先に向かってベ
ルト幅方向寸法が漸次小さくなるよう傾斜する断面テー
パ状にカットする。その際に、各歯部3の側面の傾斜角
度αを、歯付プーリ10のフランジ傾斜面11aの傾斜
角度βよりも大きく設定する。また、各歯先3aの両側
の各カット幅wを、歯部高さhの30〜200%の範囲
に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力の伝達や物品
の搬送等に使用される歯付ベルトに関し、特に、歯付プ
ーリのフランジとの擦れにより発生する騒音の低減対策
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の歯付ベルトは、エンドレス状の
ベルト本体の内面側にベルト周長方向に等間隔に多数の
歯部が設けられてなっていて、一般には歯付プーリと組
み合わせて用いられる。つまり、図8に模式的に示すよ
うに、歯付ベルトAは、その各歯部aを歯付プーリBの
プーリ歯bと噛み合わせて、例えば該プーリBに走行駆
動されることで、物品を搬送したり他の歯付プーリに動
力を伝達したりする。
【0003】ところで、上記歯付ベルトAがプーリBと
噛み合いながら走行を始めると、このベルトAにはプー
リB上をベルト幅方向(同図の左右方向)に片寄ろうと
するスラスト力が必ず働くようになる。したがって、そ
のままではベルトAがプーリBから逸脱することになる
ので、それを回避するためにプーリBの両端にフランジ
c,c(同図には左側のフランジcのみ示している)を
取り付けておくようにするのが普通である。つまり、各
プーリ溝dのベルト幅方向両側に位置するフランジc,
cの各部分により該各プーリ溝dの溝側面e,eが形成
されるので、その各々のプーリ溝dに進入した各歯部a
の側面が上記溝側面eに当接して歯付ベルトAのベルト
幅方向の動きが規制されるようになる。また、上記両フ
ランジc,cの外周内面には、各歯部aがプーリ溝dに
スムーズに進入できるように、半径方向外方(同図の上
方)に向かって軸方向(同図の左右方向)の間隔が大き
くなる断面テーパ状の傾斜面f,fが設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の歯付ベルトでは、その各歯部aにおけるベルト断面
形状は矩形である。つまり、各歯部aのベルト幅方向寸
法(歯先幅)とベルト本体gのベルト幅方向寸法(ベル
ト幅)とは互いに同じである。このために、各歯部aと
各々のプーリ歯bとの噛合い始めのときや噛合い終りの
ときに、各歯部aの側面がフランジcと擦れ、このこと
で、騒音が大きくなるという難点がある。例えば、歯付
ベルトAの各歯部aが各々のプーリ溝dに進入するとき
には、各歯部aの側面がフランジcの傾斜面f及び溝側
面eに擦れながら進入していくことになり、その際に擦
れ音が発生するのである。
【0005】尚、これに対しては、実開昭63−166
741号公報に記載されているように、ベルト側面の背
面側部分を斜めにカットし、そのカットした分だけベル
ト側面とフランジとの接触面積を小さくできるようにす
る技術が知られている。ところが、この対策によれば、
ベルト本体側の側面はフランジに接触しないようになる
が、今度は、各歯部の側面がフランジに圧接することに
なり、しかも、上記各歯部の側面がベルト周長方向に凹
凸状に不連続であるために、各歯部はその側面がフラン
ジに乗り上げ気味の状態でプーリ溝に進入していくこと
になる。したがって、上記のような対策では擦れ音の低
減という課題は解決されない。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、フランジを有する歯付プーリと組み
合わせて使用される歯付ベルトにおいて、各歯部の断面
形状に工夫を加えることで、ベルト側面とフランジとの
接触面積を小さくし、さらにはベルトの不連続部をフラ
ンジの傾斜面に接触させないようにして、擦れ音を低減
できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、歯先幅がベルト幅よりも小さくなる
ように各歯部の両側面をカットすることで、フランジの
溝側面に各歯部の側面を接触させないようにした。
【0008】具体的には、請求項1の発明では、エンド
レス状のベルト本体の内面側にベルト周長方向に等間隔
に複数の歯部が設けられた歯付ベルトが前提である。
【0009】そして、少なくとも上記各歯部の両側面を
含むベルト両側面を、歯先側のベルト幅方向寸法(歯先
幅)がベルト背面側のベルト幅方向寸法(ベルト幅)よ
りも小さくなるようカットされた形状に形成する。
【0010】上記の構成において、歯付プーリに巻き掛
けられた歯付ベルトが走行している状態で、歯付ベルト
の各歯部と該各歯部に対応する歯付プーリのプーリ歯と
が噛み合い始めるときには、歯付ベルトのベルト側面が
プーリのフランジ傾斜面及び溝側面に擦れながら、各歯
部は各々のプーリ溝に進入する。
【0011】このとき、上記ベルト側面は、歯先幅がベ
ルト幅よりも小さくなるようカットされた形状をなして
いるので、そのカット形状に応じて各歯部の両側面とフ
ランジ溝側面との接触面積は小さくなる。よって、ベル
ト側面から見て凹凸の不連続部をなしている各歯部の側
面とフランジとの接触が少なくなり、その分だけ擦れ音
は低減される。尚、上記に伴い、上記ベルト本体の側面
はフランジに、より接触するようになるが、この部分は
ベルト周長方向に連続であって、フランジとは巻き付き
部分が既に接触しているので、比較的スムーズに擦れな
がら進入する。
【0012】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、歯先側のベルト幅方向寸法がベルト背面側の
ベルト幅方向寸法よりも小さくなるようカットされた形
状に形成されているベルト両側面を、ベルト本体の両側
面を除く各歯部の両側面とする。
【0013】上記の構成において、各歯部が各々のプー
リ溝に進入したとき、該各歯部の側面とフランジ溝側面
との接触面積が小さいことから、ベルト本体の側面が歯
先上でフランジに当接するようになる。このとき、カッ
トされた形状に形成されているベルト両側面は、ベルト
本体の両側面を除く各歯部の両側面であるので、歯付ベ
ルトのプーリ上でのベルト幅方向の位置決めは、各歯部
側面がフランジ溝側面に当接することにより行われる従
来の場合と異なり、上記ベルト本体の側面が歯先上でフ
ランジに当接することで行われる。
【0014】請求項3の発明では、上記請求項1又は2
の発明において、ベルト両側面のカット部分の形状を、
歯先に向かってベルト幅方向寸法が漸次小さくなるよう
傾斜する断面テーパ状とする。
【0015】上記の構成において、歯付ベルトの各歯部
が歯付プーリの対応するプーリ溝に進入するとき、ベル
ト両側面は、歯先に向かってベルト幅方向寸法が小さく
なる断面テーパ状をなしているので、各歯部両側面とフ
ランジ溝側面との接触は回避される。さらに、各歯部の
側面のフランジ傾斜面への接触がスムーズになり、これ
らのことから、各歯部の側面とフランジとの接触に起因
して発生する擦れ音は、さらに低減される。
【0016】請求項4の発明では、上記請求項3の発明
において、ベルト両側面のテーパ面の傾斜角度を、歯付
プーリのフランジ傾斜面の傾斜角度よりも大きく設定す
ることとする。
【0017】上記の構成において、ベルト本体の側面を
フランジ傾斜面に摺接させながら各歯部がプーリ溝に進
入するとき、ベルト両側面のテーパ面の傾斜角度が歯付
プーリのフランジ傾斜面の傾斜角度よりも大きいので、
上記各歯部の側面がフランジ傾斜面に接触することは回
避される。よって、各歯部の側面は、フランジの溝側面
に加えて傾斜面にも接触しなくなり、各歯部の側面とフ
ランジとの接触による擦れ音は発生しなくなる。
【0018】請求項5の発明では、上記請求項2の発明
において、ベルト両側面のカット部分の歯先両側の各カ
ット幅を、歯部高さの30%以上に設定する。
【0019】上記の構成において、歯付ベルトの各歯部
が歯付プーリの対応するプーリ溝に進入したとき、各歯
部両側面のカット部分の歯先両側の各カット幅が歯部高
さの30%以上であるので、上記カット幅が歯部高さの
30%未満である場合にはそのカット部分の側面がスラ
スト力により未だフランジ溝側面に接触する可能性があ
るのと異なり、そのカット部分の側面がフランジ溝側面
に接触する事態は回避される。
【0020】請求項6の発明では、上記請求項5の発明
において、各歯部両側面のカット部分の歯先両側の各カ
ット幅を、歯部高さの200%以下に設定する。
【0021】上記の構成において、歯付ベルトの各歯部
がプーリ溝に進入したとき、各歯部の歯先片側のカット
幅が歯部高さの200%以下であるので、上記カット幅
が歯部高さの200%を超える場合に生じる伝動能力の
低下や歯飛び、寿命低下等の不具合は起き難くなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を図
面に基づいて説明する。 (実施形態1)図1及び図2は、本発明の実施形態1に
係る歯付ベルト1の全体構成を示しており、この歯付ベ
ルト1は、エンドレス状に設けられた断面矩形状のベル
ト本体2と、このベルト本体2の内面側(同各図の下面
側)にベルト周長方向(図2の左右方向)に等間隔に配
置された多数の歯部3,3,…とを備えている。
【0023】上記ベルト本体2は、背ゴム層4と、この
背ゴム層4のベルト内面側に略ベルト周長方向に延びか
つベルト幅方向に等間隔に並ぶスパイラル状に埋設され
た心体5とを有する。一方、上記各歯部3は、ベルト本
体2の背ゴム層4と一体に設けられた歯ゴム層6からな
っている。また、歯面側には、帆布7が一体に設けられ
ている。上記背ゴム層4及び歯ゴム層6の材質について
は、CR、水素添加NBRや、ウレタン等が挙げられる
が、特に限定されない。また、心体5の材質について
は、ガラス、スチール、アラミド等が一例として挙げら
れるが、これも特に限定されるものではない。さらに、
帆布7の材質についても、ナイロン、アラミド等、特に
は限定されない。
【0024】そして、本実施形態では、上記各歯部3の
両側面は、図1に示すように、歯先3a側のベルト幅方
向寸法W1 (歯先幅)がベルト背面側(同図の上面側)
のベルト幅方向寸法W0 (ベルト幅)よりも小さく(W
1 <W0 )なるようカットされた形状に形成されてい
る。具体的には、各歯部3の両側面のカット部分の形状
は、歯先3aに向かってベルト幅方向寸法が漸次小さく
なるよう傾斜する断面テーパ状とされている。
【0025】詳しく説明すると、上記各歯部3の両側面
は、心体5のベルト内面側の部分から歯先3aに向かっ
てそれぞれ所定の傾斜角度αでカットされている。その
際に、上記傾斜角度α(例えば、α=46°)は、図1
に仮想線で示す歯付プーリ10のフランジ傾斜面11a
の傾斜角度β(例えば、β=10°)よりも大きく(α
>β)設定されている。
【0026】また、上記各歯部3両側面のカット部分に
おける歯先3a両側の各カット幅w(例えば、w=2.
0mm)は、歯部高さh(例えば、h=1.9mm)の
30〜200%の範囲(0.30×h≦w≦2.00×
h)に設定されている。
【0027】次に、上記のように構成された歯付ベルト
1を歯付プーリ10に巻き掛けて走行させたときの各歯
部3の作動について、図3を参照しながら説明する。歯
付プーリ10に巻き掛けられた歯付ベルト1が走行して
いる状態で、ベルト1の各歯部3と該各歯部3に対応す
る各々のプーリ歯12との噛み合い始めのときには、ベ
ルト1の側面がフランジ傾斜面11aに擦れながら、各
歯部3を各々のプーリ溝13に進入させていく。
【0028】このとき、上記各歯部3の両側面がテーパ
状にカットされており、しかもそのテーパ面の傾斜角度
αがフランジ傾斜面11aの傾斜角度βよりも大きいの
で、各歯部3は、その両側面がフランジ11の傾斜面1
1a及び溝側面11bに接触せず、カットされていない
ベルト本体2の側面が傾斜面11aと接触する状態で進
入する。よって、ベルト側面から見て凹凸の不連続部を
なしている歯部3,3,…の各側面とフランジ11の傾
斜面11a及び溝側面11bとの接触がなくなり、その
分だけ擦れ音は低減される。
【0029】さらに、上記各歯部3の歯先3aの側にお
ける各カット幅wが、歯部高さhの30〜200%の範
囲に設定されているので、上記カット幅wが歯部高さh
の30%未満である場合には、そのカット部分がフラン
ジ溝側面11bと接触する可能性が残る一方、200%
を超える場合には、伝動能力の低下や歯飛び、寿命低下
等の不具合が発生するのに対し、そのような不具合を招
くことなく、各歯部3の側面のフランジ溝側面11bに
対する非接触状態は確実なものとなる。
【0030】また、上記各歯部3の側面がフランジ溝側
面11aに接触しないことから、ベルト本体2の側面が
歯先3a上でフランジ11に当接するようになる。この
とき、カットされた形状に形成されているベルト両側面
は、ベルト本体2の両側面を除く各歯部3の両側面であ
るので、歯付ベルト1のプーリ10上でのベルト幅方向
の位置決めは、各歯部側面がフランジ溝側面に当接する
ことにより行われる従来の場合と異なり、上記ベルト本
体2の側面が歯先3a上でフランジ11に当接すること
で行われる。
【0031】したがって、本実施形態によれば、歯付ベ
ルト1の各歯部3の両側面を、歯先幅W1 がベルト幅W
0 よりも小さくなる断面テーパ状にカットし、そのテー
パ面の傾斜角度αを歯付プーリ10のフランジ傾斜面1
1aの傾斜角度βよりも大きく設定するようにしたの
で、各歯部3がプーリ溝13に進入するときに、各歯部
3の側面がフランジ11の傾斜面11a及び溝側面11
bに擦れるのを回避することができ、その分だけ歯付ベ
ルト1と歯付プーリ10との間で生じる騒音を低減する
ことができる。
【0032】さらに、上記各歯先3aの両側の各カット
幅wを、歯高さの30〜200%の範囲に設定するよう
にしたので、上記カットに伴う不具合の発生を招くこと
なく、該カットによるフランジ11との非接触効果を確
実化することができる。
【0033】また、ベルト両側面のうちの上記各歯部3
の両側面のみをカットするようにしたので、ベルト本体
2の側面をフランジ11に当接させることで、ベルト1
の歯付プーリ10上でのベルト幅方向の位置決めを行う
ことができる。
【0034】尚、上記実施形態1では、各歯部3の両側
面のみをカットするようにしているが、ベルト本体2の
一部ないし全部を含むベルト両側面をカットするように
してもよい。
【0035】また、上記実施形態1では、歯付ベルト1
の各歯部3の両側面をカットするとしているが、ここで
いうカットとは、従来の歯付ベルトにおけるベルト両側
面に比べてボリューム的に減少している意であり、カッ
ターによるカッティングや研削盤による研削等のように
文字通りカットすることの他、プレス焼きによる整形等
のように結果的にカットされた形状に形成してもよく、
その形成方法は特に限定されない。
【0036】(実施形態2)図4は、本発明の実施形態
2に係る歯付ベルト1の構成を示している。尚、上記実
施形態1の場合と同じ部分には同じ符号を付して示して
おり、その説明は省略する。
【0037】本実施形態では、歯付ベルト1の各歯部3
の両側面のカット部分は、多角的にカットされている。
具体的には、上記各歯部3の両側面は、ベルト本体2の
両側面よりもベルト幅方向内方に該両側面と平行な状態
に設けられており、その歯先3a側の各カット幅wは、
実施形態1の場合と同じく、歯部高さhの30〜200
%の範囲(0.30×h≦w≦2.00×h)に設定さ
れている。また、実施形態1の場合の傾斜角度に相当す
るカット角度αも、歯付プーリ10のフランジ傾斜面1
1aの傾斜角度βよりも大きく(α>β)設定されてい
る。
【0038】したがって、本実施形態によっても、上記
実施形態1の場合と同じ効果を奏することができる。
【0039】(実施形態3)図5は、本発明の実施形態
3に係る歯付ベルト1の構成を示している。尚、上記実
施形態1の場合と同じ部分には同じ符号を付して示して
おり、その説明は省略する。
【0040】本実施形態では、歯付ベルト1の各歯部3
の両側面は、上記実施形態2の場合とは異なり、曲線的
にカットされている。
【0041】具体的には、上記各歯部3の両側面は、凹
字状に陥入した断面円弧状に形成されている。その歯先
3a側での各カット幅wは、実施形態1及び2の場合と
同じく、歯高さhの30〜200%の範囲(0.30×
h≦w≦2.00×h)に設定されている。また、カッ
ト角度α(実施形態1の傾斜角度に相当)も、歯付プー
リ10のフランジ傾斜面11aの傾斜角度βよりも大き
く(α>β)設定されている。
【0042】したがって、本実施形態によっても、上記
実施形態1の場合と同じ効果を奏することができる。
【0043】尚、上記実施形態3では、各歯部3の両側
面を凹字状に形成しているが、凸字状に形成するように
してもよい。
【0044】(具体例)ここで、上記実施形態1に係る
歯付ベルトを発明例として行った騒音実験について説明
する。また、比較のために、各歯部におけるベルト断面
が矩形状をなす従来の歯付ベルトを比較例として用い、
この比較例についても同じ実験を行った。尚、両者共に
ベルトの種類は、JIS K 6372で定められてい
るL形とした。
【0045】上記実験には、図6に示すように、各々、
歯数が20でその歯高さhがh=1.9mmでありかつ
フランジ傾斜面の傾斜角度βがβ=10°である2つの
歯付プーリ20,21を備えたベルト伝動装置を用い、
それら両プーリ20,21間に歯付ベルト22を巻き掛
けて走行させ、歯付ベルト22が駆動側の歯付プーリ2
0に導入される位置23での騒音を測定して行った。そ
の際に、発明例では、各歯部の両側面の各カット角度α
は、α=46°(>β=10°)とした。また、各歯部
の歯先でのベルト幅方向のカット幅wは、w=2.0m
m(=1.9mm×略105%)とした。
【0046】以上の結果を、図7に示す。尚、同図で
は、比較例の場合の騒音レベルを100とする指数表示
で騒音レベルを示している。この図7から判るように、
発明例では、比較例の場合の95%に騒音レベルが低下
していた。これは、発明例の場合には、各歯部の側面と
フランジの傾斜面及び溝側面との間の接触がなく、した
がって、そのような接触により生じる擦れ音が低減した
ことによるものと判断できる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、エンドレス状のベルト本体の内面側にベルト周
長方向に等間隔に複数の歯部が設けられた歯付ベルトに
おいて、少なくとも上記各歯部の両側面を含むベルト両
側面を、歯先幅がベルト幅よりも小さくなるようカット
された形状に形成するようにしたので、上記各歯部と歯
付プーリのプーリ歯との噛合い始めのときや噛合い終わ
りのときに、各歯部の側面とフランジ溝側面との接触面
積を小さくすることができ、その分だけ擦れ音を低減す
ることができる。
【0048】請求項2の発明によれば、上記ベルト本体
の両側面を除く各歯部の両側面をカット形状に形成する
ようにしたので、上記ベルト本体の側面を歯先上でフラ
ンジに当接させて歯付ベルトのプーリ上でのベルト幅方
向の位置決めを適正に行うことができる。
【0049】請求項3の発明によれば、上記ベルト両側
面のカット形状を、歯先に向かってベルト幅方向寸法が
漸次小さくなるよう傾斜する断面テーパ状としたので、
各歯部の側面がフランジ溝側面に接触するのを回避する
ことができるとともに、それら各歯部側面のフランジ傾
斜面への接触をスムーズにさせることができ、よって、
各歯部側面とフランジとの接触によって発生する擦れ音
を、さらに低減することができる。
【0050】請求項4の発明によれば、上記ベルト両側
面のテーパ面の傾斜角度を、歯付プーリのフランジ傾斜
面の傾斜角度よりも大きく設定するようにしたので、各
歯部側面がフランジ傾斜面に接触するのを回避すること
ができ、よって、各歯部側面とフランジとの接触による
擦れ音の発生を回避することができ、ベルト走行時の騒
音低減に大きく寄与することができる。
【0051】請求項5の発明によれば、上記各歯部両側
面のカット部分の歯先両側の各カット幅を、歯部高さの
30%以上に設定するようにしたので、上記カットによ
るフランジ溝側面との非接触効果を確実化することがで
きる。
【0052】請求項6の発明によれば、上記カット幅
を、歯部高さの200%以下に設定するようにしたの
で、上記カットに伴う伝動能力の低下や歯飛び、寿命低
下等の不具合の発生を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I線拡大断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る歯付ベルトの構成を
示す縦断側面図である。
【図3】歯付ベルトの歯部が歯付プーリのプーリ溝に進
入する状態を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態2に係る歯付ベルトの構成を
示す図1相当図である。
【図5】本発明の実施形態3に係る歯付ベルトの構成を
示す図1相当図である。
【図6】具体例における騒音測定実験の要領を示す概略
図である。
【図7】測定結果を示す騒音レベル特性図である。
【図8】従来の歯付ベルトの歯部が歯付プーリのプーリ
溝に進入する状態を模式的に示す図3相当図である。
【符号の説明】
1 歯付ベルト 2 ベルト本体 3 歯部 3a 歯先 10 歯付プーリ 11 フランジ 11a 傾斜面 α (歯部側面の)傾斜角度 β (フランジ傾斜面の)傾斜角度 W1 歯先幅(歯先側のベルト幅方向寸法) W0 ベルト幅(ベルト背面側のベルト幅方向寸法) w カット幅 h 歯部高さ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンドレス状のベルト本体の内面側にベ
    ルト周長方向に等間隔に複数の歯部が設けられた歯付ベ
    ルトにおいて、 少なくとも上記各歯部の両側面を含むベルト両側面は、
    歯先側のベルト幅方向寸法がベルト背面側のベルト幅方
    向寸法よりも小さくなるようカットされた形状に形成さ
    れていることを特徴とする歯付ベルト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の歯付ベルトにおいて、 歯先側のベルト幅方向寸法がベルト背面側のベルト幅方
    向寸法よりも小さくなるようカットされた形状に形成さ
    れているベルト両側面は、ベルト本体の両側面を除く各
    歯部の両側面であることを特徴とする歯付ベルト。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の歯付ベルトにおい
    て、 ベルト両側面のカット部分の形状は、歯先に向かってベ
    ルト幅方向寸法が漸次小さくなるよう傾斜する断面テー
    パ状であることを特徴とする歯付ベルト。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の歯付ベルトにおいて、 ベルト両側面のテーパ面の傾斜角度は、歯付プーリのフ
    ランジ傾斜面の傾斜角度よりも大きく設定されているこ
    とを特徴とする歯付ベルト。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の歯付ベルトにおいて、 各歯部両側面のカット部分の歯先両側の各カット幅は、
    歯部高さの30%以上に設定されていることを特徴とす
    る歯付ベルト。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の歯付ベルトにおいて、 各歯部両側面のカット部分の歯先両側の各カット幅は、
    歯部高さの200%以下に設定されていることを特徴と
    する歯付ベルト。
JP28702596A 1996-10-29 1996-10-29 歯付ベルト Withdrawn JPH10132031A (ja)

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JP28702596A JPH10132031A (ja) 1996-10-29 1996-10-29 歯付ベルト

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JP2010001959A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Bando Chem Ind Ltd 低発塵ベルト
US9291237B2 (en) 2007-06-20 2016-03-22 Mitsuboshi Belting Ltd. Toothed power transmission belt
US10716912B2 (en) 2015-03-31 2020-07-21 Fisher & Paykel Healthcare Limited User interface and system for supplying gases to an airway
US11324908B2 (en) 2016-08-11 2022-05-10 Fisher & Paykel Healthcare Limited Collapsible conduit, patient interface and headgear connector

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