JPH10128858A - マンドレル被覆カバー及び同マンドレル被覆カバーを用いた繊維強化樹脂製管継手の製造方法 - Google Patents

マンドレル被覆カバー及び同マンドレル被覆カバーを用いた繊維強化樹脂製管継手の製造方法

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JPH10128858A
JPH10128858A JP8285243A JP28524396A JPH10128858A JP H10128858 A JPH10128858 A JP H10128858A JP 8285243 A JP8285243 A JP 8285243A JP 28524396 A JP28524396 A JP 28524396A JP H10128858 A JPH10128858 A JP H10128858A
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JP
Japan
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mandrel
resin
main pipe
branch pipe
curable resin
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JP8285243A
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English (en)
Inventor
Toshihide Nonaka
俊秀 野中
Hirohiko Yano
博彦 矢野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マンドレルの主管形成部と枝管形成部との交差
部に硬化性樹脂含浸強化繊維を充分且つ均一に巻き付け
ることによって、高強度を有する繊維強化樹脂製管継手
を高い生産性で製造する。 【解決手段】マンドレル1の外面を、主管形成部11と
枝管形成部13との交差部(三角部:従来技術では硬化
性樹脂含浸強化繊維の巻き付けが不可能な三角形状の部
分)またはその近傍の外面に突起25が突設されたマン
ドレル被覆カバー2で被覆し、枝管形成部13及び主管
形成部11を回転軸として回転させつつ、突起25で巻
き付け角度を変えながら、マンドレル被覆カバー2の上
から硬化性樹脂含浸強化繊維を巻き付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マンドレルの周り
に硬化性樹脂含浸強化繊維を巻き付けて繊維強化樹脂製
管継手を製造するために用いられるマンドレル被覆カバ
ー、及び同カバーを用いた繊維強化樹脂製管継手の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化樹脂製管継手を製造する
のに、フィラメントワインディング(FW法)が用いら
れることはよく知られている。その場合、例えばソケッ
トのように直線状の継手であればFW法を適用するのは
比較的容易である。
【0003】しかし、直線状でない分岐用チーズのよう
なT字形の継手(分岐用管継手)をFW法によって製造
する場合、特に枝管部形成部及び枝管部形成部と主管部
形成部との交差部に硬化性樹脂含浸強化繊維を均一に巻
き付け、耐圧強度のある分岐用管継手を高い生産性で得
るのは容易ではない。
【0004】そこで、特開平4−16327号公報に
は、高強度、高精度の分岐用管継手を生産性よく、且つ
安価に製造することを目的とした繊維強化樹脂製管継手
の製造方法及び製造装置が提案されている。この繊維強
化樹脂製管継手の製造方法は、型受け部材と枝管芯押し
部材と主管芯押し部材と可動架台とが備えられた製造装
置を用い、型受け部材の軸線上のマンドレルを支持する
位置に枝管芯押し部材と主管芯押し部材を切り換え支持
し、回転させることによって、組立て状態のマンドレル
の枝管部形成部及び主管部形成部に硬化性樹脂含浸強化
繊維を巻き付けるというものである。
【0005】しかし、上記特開平4−16327号公報
記載の繊維強化樹脂製管継手の製造方法によっても、マ
ンドレルの枝管部形成部と主管部形成部との交差部に硬
化性樹脂含浸強化繊維を均一に巻き付けることは困難
で、マンドレルの枝管部形成部と主管部形成部の交差部
には三角形状の巻き付け不可能部(「三角部」と称す
る:正しくは従来技術では三角形状の巻き付け不可能な
部分、以下同じ)ができ、図13の(A)あるいは
(B)に示すように、繊維強化樹脂製管継手Fの主管部
Gと枝管部Hの交差部にも、三角形状の補強不十分な部
分Kができる。その結果、管継手に高い圧力をかけた場
合にこの補強不十分な部分Kにウィーピングが発生した
り、この部分から管継手自体が破壊することがある。
【0006】そこで、管継手の主管部と枝管部の交差部
の強度を向上させることによってこのような事故を防止
しようと、前もってマンドレルの上記三角部に熱硬化性
樹脂含浸ガラスマット、熱硬化性樹脂含浸ガラスクロス
等をハンドレイアップ成形法により巻き付けて半硬化さ
せておくことが行われている。しかし、この方法は部分
的とは云えハンドレイアップ成形法は手作業で積層作業
を行うために生産性が低くなる。加えて個人差により製
品にバラツキが出るために品質が安定しにくく、強度上
弱点となりやすい部分であるために、製品の信頼性が劣
るという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
従来の問題点を解消し、強度上の弱点となりやすいマン
ドレルの枝管部形成部と主管部形成部との交差部に、上
記のような三角部ができないように硬化性樹脂含浸強化
繊維を充分に且つ均一に巻き付けることによって、高強
度を有し且つ信頼性の高い繊維強化樹脂製分岐用管継手
を、高い生産性で製造することを目的としてなされたも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1記載の本発明マンドレル被覆カバーは、主
管部形成部と枝管部形成部とを有するマンドレルの周り
に硬化性樹脂含浸強化繊維を巻き付けて繊維強化樹脂製
管継手を製造するために用いられるマンドレル被覆カバ
ーであって、該被覆カバーには、マンドレルの主管部形
成部と枝管部形成部との交差部に硬化性樹脂含浸強化繊
維を巻き付けるときにできる三角形状の巻き付け不可能
部またはその近傍の外面に、硬化性樹脂含浸強化繊維を
引っ掛ける突起が設けられていることを特徴とする。
【0009】請求項2記載の本発明繊維強化樹脂製管継
手の製造方法は、主管部形成部と枝管部形成部よりなる
マンドレルに硬化性樹脂含浸強化繊維を巻き付け、樹脂
を硬化させて繊維強化樹脂層を形成した後、マンドレル
を脱型して繊維強化樹脂製管継手を製造する方法であっ
て、マンドレルの外面を請求項1記載のマンドレル被覆
カバーで被覆し、該被覆カバーの上から前記突起に硬化
性樹脂含浸強化繊維を引っ掛けて巻き付け角度を変えつ
つ、前記交差部の周りに硬化性樹脂含浸強化繊維を巻き
付けることを特徴とする。
【0010】本発明のマンドレル被覆カバーは、マンド
レルの外側から一体のまま被せることができるものが好
ましく、且つその内面をマンドレルの外面に密着して被
覆させることができるようにすることから、塩化ビニ
ル、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹
脂の射出成形、ブロー成形等によって形成されたものが
好適に使用される。
【0011】硬化性樹脂含浸強化繊維を引っ掛ける突起
は、前記説明の三角部からかなり隔たった部分に設けら
れていても、それに硬化性樹脂含浸強化繊維を引っ掛け
て巻き付け角度を変えることができ、ある程度補強効果
を向上することができるが、管継手の主管部及び枝管部
とも円周方向と軸方向の両方に高い強度が得られるよう
にするには適正な巻き付け角度(ヘリカル角)で硬化性
樹脂含浸強化繊維を巻き付ける必要がある。また、最も
補強を要する部分に特に厚く硬化性樹脂含浸強化繊維を
巻き付ける必要がある。このような理由から、突起は三
角形状の巻き付け不可能部またはその近傍に設けられて
いることが特に好ましい。
【0012】本発明に使用する強化繊維としては、特に
限定されるものではないが、ガラス繊維、炭素繊維等の
無機繊維、あるいはアラミド繊維、ポリエチレンテレフ
タレート繊維等の有機繊維等が挙げられ、これらの繊維
からなるロービング、クロステープ等が好適に用いられ
る。
【0013】硬化性樹脂含浸強化繊維は、上記強化繊維
に硬化性樹脂が含浸されたものであり、強化繊維100
重量部に対し、硬化性樹脂が50〜200重量部含浸さ
れているものが好ましい。
【0014】硬化性樹脂としては、従来公知の熱硬化性
樹脂及び光硬化性樹脂が使用され、熱硬化性樹脂である
不飽和ポリエステル樹脂あるいはエポキシ樹脂が好適に
使用される。
【0015】硬化性樹脂には、必要に応じて、アエロジ
ル、ガラスバルーン、炭酸カルシウム、タルク等の充填
剤が添加されてもよく、その添加量は硬化性樹脂100
重量部に対し、0.5〜50重量部が好ましい。
【0016】また、硬化性樹脂には、一般に硬化剤や硬
化促進剤が添加されるが、従来公知のものが使用されて
よく、熱硬化剤としては、例えば、メチルエチルケトン
パーオキサイド、ベンゾイルパーミキサイド等が挙げら
れ、硬化促進剤としては、例えは、ナフテン酸コバル
ト、ナフテン酸マンガン、ジメチルアニリン等が挙げら
れる。
【0017】(作用)請求項1記載の本発明マンドレル
被覆カバーは、マンドレルに被せてその外面を被覆する
ことにより、従来巻き付けが不可能であったマンドレル
の三角部またはその近傍の外面に、硬化性樹脂含浸強化
繊維を引っ掛けて方向転換させるための突起を容易に突
設することができる。
【0018】請求項2記載の本発明繊維強化樹脂製管継
手の製造方法は、請求項1記載のマンドレル被覆カバー
をマンドレルに被せてその外面を被覆し、従来巻き付け
が不可能であった三角部の外面に、硬化性樹脂含浸強化
繊維を引っ掛ける突起を突設し、マンドレル被覆カバー
の上からこの突起によって硬化性樹脂含浸強化繊維の巻
き付け角度を変えつつ硬化性樹脂含浸強化繊維を巻き付
けることにより、巻き残しの三角部を生じることなく、
充分に且つ均一に硬化性樹脂含浸強化繊維を巻き付ける
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき
図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明に
使用するマンドレルの一例を示す正面図である。マンド
レル1は主管部形成部11、主管接続部形成部12、及
び枝管形成部13より構成されていて、主管部形成部1
1の一端部に主管接続部形成部12、及び主管部形成部
11に主管部形成部11の軸方向と直角方向に枝管部形
成部13を装着することにより、T字形の中空のマンド
レル1が形成されている。
【0020】主管部形成部11はポリエチレン等を用い
てブロー成形により成形された中空の成形品で、円筒状
部111の一端の外周面に主管接続用パッキング装着溝
を形成するための凸条112が周方向に沿って複数個設
けられ、凸条112が設けられた側の先端は密閉された
頭部113とされている。
【0021】主管接続部形成部12は同じくポリエチレ
ン等のブロー成形によって成形された中空の成形品で、
その一端の外周面には主管接続用パッキング装着溝を形
成するための凸条121が周方向に沿って複数個設けら
れ、先端は密閉された頭部122とされている。
【0022】枝管部形成部13も同じくポリエチレン等
のブロー成形によって成形された中空の成形品で、一端
の外周面には枝管接続用パッキング装着溝を形成するた
めの凸条131が周方向に沿って複数個設けられ、凸条
131が設けられた側の先端は密閉された頭部132と
されている。また頭部132の反対側の接合面133
は、主管部形成部11の円筒状部111に合致する鞍形
に形成されている。
【0023】主管部形成部11に主管接続部形成部12
及び枝管部形成部13を装着するには、図1に示すよう
に、主管部形成部11の円筒状部111と主管接続部形
成部12の円筒状部をホットメルト接着剤等により接着
し、円筒状部111の中央部に、その軸方向に対し直角
方向に、枝管部形成部13の接合面133を同じくホッ
トメルト接着剤等によって接着する。
【0024】なお、主管部形成部11に主管接続部形成
部12及び枝管部形成部13を装着する方法としては上
記の場合に限定されず、これら3部材を適宜嵌め合いに
し、脱型時に枝管部形成部12の軸方向に抜き取ること
ができるような構造としてもよい。
【0025】図2は本発明に使用するマンドレルの他の
一例を示す正面図である。マンドレル1aは主管部形成
部11a、枝管部形成部13aより構成されていて、主
管部形成部11aに主管部形成部11aの軸方向と直角
方向に枝管部形成部13aを接続することにより、T字
形の中空のマンドレル1aが形成されている。
【0026】主管部形成部11aはポリエチレン等を用
いてブロー成形により成形された中空の成形品であっ
て、円筒状部111aの両端外周面には、主管接続用パ
ッキング装着溝を形成するための凸条112aが周方向
に沿って複数個設けられ、凸条112aの設けられた先
端は密閉された頭部113aとされている。また、円筒
状部111aの中央部には、円筒状部111aの軸方向
と直角方向横方向に突出する枝管部形成部接続部114
が設けられている。
【0027】枝管部形成部13aはポリエチレン等を用
いてブロー成形により成形された中空の成形品であっ
て、基端部の端部には開口部133が設けられている。
そして、主管部形成部11aの枝管部形成部接続部11
4に開口部133を嵌合するようにして枝管部形成部1
3aを主管部形成部11aに装着することにより、マン
ドレル1aが形成される。
【0028】図3(A)は本発明マンドレル被覆カバー
の一例を示す斜視図、図3(B)はその使用態様を示す
正面図、(C)は使用態様を示す一部省略側面図であ
る。マンドレル被覆カバー2は硬質乃至半硬質の塩化ビ
ニル樹脂の射出成形により成形された薄肉殻状の成形体
で、本体部21は、主管部22と枝管部23を有するT
字形に形成されている。
【0029】また、本体部21の主管部22と枝管部2
3との交差部24の外面には、主管部22の軸線及び枝
管部23の軸線を含む平面に対し両側に、各1個の小さ
い円柱状の突起25が本体部21と一体に成形されて突
設されている。
【0030】図3に示すマンドレル被覆カバー2により
マンドレルを被覆する場合、図1に示すマンドレル1を
使用する。図3(B)、(C)に示すように、主管部2
2の内面にマンドレル1の主管部形成部11を挿通した
後、主管部形成部11に主管接続部形成部12および枝
管部形成部13を前記の方法により装着する。これによ
って本体部21の内面はマンドレル1の主管部形成部1
1と枝管部形成部11の交差部(三角部)の外面を被覆
することができる。
【0031】図4(A)は本発明マンドレル被覆カバー
の他の一例を示す斜視図、図4(B)はその使用態様を
示す正面図、(C)は使用態様を示す一部省略側面図で
ある。マンドレル被覆カバー2aは硬質乃至半硬質の塩
化ビニル樹脂の射出成形により成形された薄肉チーズ状
の成形体である。本体部21aは主管部22aの軸線と
枝管部23aの軸線を含む平面に沿って、枝管部23a
の壁の全長及び主管部22aの枝管部23a側の壁が縦
割りされており、枝管部23aと反対側の主管部22a
の壁は連続している。
【0032】また、本体部21aの主管部22aと枝管
部23aとの交差部24aの外面には、主管部22aの
軸線及び枝管部23aの軸線を含む平面に対し両側に、
複数個の針状の突起25aが、本体部21と一体に成形
されて突設されている。
【0033】図4に示すマンドレル被覆カバー2により
マンドレルを被覆する場合、図2に示すマンドレル1a
を使用する。縦割りされた本体部21aを図3(C)に
示すように押し開き、マンドレル1aの外面に被覆する
ことによって、本体部21aの内面はマンドレル1aの
主管部形成部11aと枝管部形成部12aの交差部(三
角部)の外面を被覆することができる。なお、この後、
本体部21aの外側を細いワイヤー、紐、粘着テープ等
によって縛り、縦割りの本体部21aが開かないように
してもよい。
【0034】図5は、本発明により分岐用管継手を製造
する場合に、マンドレルの周囲に硬化性樹脂含浸強化繊
維を巻き付けるために使用するフィードアイの作動を示
す説明図である。フィードアイ3は、マンドレル1の軸
に沿うX軸方向の移動作動、マンドレル1に近接離反す
るZ軸方向の移動作動および上下方向のY軸方向の移動
作動の三次元的移動作動と、マンドレル1の回転軸を含
む水平面上で回動するVで示される回動作動および硬化
性樹脂含浸強化繊維の繰り出し方向を回転軸として回転
するUで示される回転作動が可能とされている。
【0035】図6は本発明により分岐用管継手を製造す
る場合に使用する分岐用管継手の製造装置を示す正面
図、図7は右側面図である。分岐用管継手の製造装置4
は、型受け部材44と、主管芯押し部材42と、枝管芯
押し部材43と、可動架台46とを備えている。
【0036】型受け部材44は駆動側チャック41と軸
441よりなり、駆動側チャック41は軸44によりモ
ーターボックス47内のモーターに連絡され、回転可能
になされている。駆動側チャック41には主管部形成部
11の一端部の頭部113及び枝管部成形部12の頭部
132の外面形状に対応する凹部411が設けられ、凹
部411の内表面には微細孔が設けられていて、微細孔
を通して図示しない真空吸引装置により真空吸引が可能
とされている。
【0037】駆動側チャック41の外周には、複数個の
ピン412が周方向に沿って所定間隔をあけて一列に設
けられている。このピン412は硬化性樹脂含浸強化繊
維をヘリカル状に巻き付ける際に、繊維を滑らせること
なく巻付け角度の精度をよくするのに使用する。なお、
ピンは駆動側チャック41の軸方向に設けられていても
よい。
【0038】主管芯押し部材42の先端には、支持側チ
ャック421が周方向に回転可能に設けられている。支
持側チャック421は、主管部形成部11の他端部の頭
部122の外面形状に対応する凹部が設けられ、凹部の
内表面には微細孔が設けられ、微細孔を通して真空吸引
が可能とされている。支持側チャック421の外周に
は、複数個のピン422が周方向に沿って所定間隔をあ
けて一列に設けられている。支持側チャック421は、
シリンダー423に接続され、シリンダー423を伸縮
することにより、駆動側チャック41に対して接近させ
たり離したりすることができるようにされている。
【0039】枝管芯押し部材43の先端には、頂部が尖
った形状とされた枝管押し部431が周方向に回転可能
に設けられている。枝管押し部431は、シリンダー4
32に接続され、シリンダー432を伸縮することによ
り、駆動チャック41に対して接近させたり離したりす
ることができるようにされている。
【0040】主管芯押し部材42と枝管芯押し部材43
とは、図7に示すように、L字状の回動板451の先端
部にそれぞれ装着されている。L字状の回動板451は
その中央部が第1の固定架台45に、軸受け452によ
り軸着されている。又、L字状の回動板451にはアー
ム453の一端部が固定され、アーム453の他端部が
固定架台45に固定された第1のシリンダー454のア
ームの先端に回動自在に軸着されている。そして、第1
のシリンダー454を縮めると、図5に示す如く、主管
芯押し部材42が駆動側チャック41の軸線上の位置に
移動され、第1のシリンダー454を伸ばすと、図示し
ないが、L字状の回動板451が回動し、枝管芯押し部
材43が主管芯押し部材42と入れ替って、駆動側チャ
ック41の軸線上の位置に移動される機構とされてい
る。
【0041】図6に示すように、固定架台45には、第
2のシリンダー455が固定されており、第2のシリン
ダー455のアームの先端が可動架台46の連絡板46
1に連結されている。
【0042】可動架台46はモーターボックス47と固
定架台45との間に位置するように設けられている。可
動架台46は回転テーブル462と回転モーター464
と軸受け部材465よりなり、回転テーブル462は軸
463を介して回転モーター464に連結され、水平面
上を周方向に回転可能とされている。回転テーブル46
2上には軸受け部材465が設けられている。軸受け部
材465は、先端に主管受け部465aが設けられた主
管用シリンダー465bと、先端部に枝管受け部465
cが設けられた枝管用シリンダー465dとから構成さ
れている。
【0043】駆動側チャック41と、支持側チャック4
21または枝管押し部431間にマンドレル1を支持し
て、その周りに硬化性樹脂含浸強化繊維を巻き付けると
きには、軸受け部材465の主管用シリンダー465b
及び枝管用シリンダー465dは縮められた状態とさ
れ、マンドレル1の駆動側チャック41の軸線を回転軸
とする回転、及びその周りに硬化性樹脂含浸強化繊維を
巻き付けるのに支障がないようにされる。
【0044】そして、マンドレル1の枝管部形成部12
を回転軸として回転させて、その周りに硬化性樹脂含浸
強化繊維を巻き付けた後に、主管部形成部11を回転軸
として回転させ、その周りに硬化性樹脂含浸強化繊維を
巻き付けるようなセット換えのときには、軸受け部材4
65の主管用シリンダー465b及び枝管用シリンダー
465dは伸ばされてマンドレル1を受けとめ、セット
換えを行う役割をはたす。
【0045】以下、図8を参照して、マンドレル1の枝
管部形成部13の周りに硬化性樹脂含浸強化繊維を巻き
付けた後、主管部形成部11の周りに回転させる状態に
セット換えする状態を例にとり説明する。図8は、図5
に示す装置を用いてマンドレルを枝管部形成部を回転軸
とする回転から、主管部形成部を回転軸とする回転へと
セット換えする状態を説明する正面図である。
【0046】まずマンドレル1の枝管部形成部13の周
りに硬化性樹脂含浸強化繊維が巻き付けられた状態で、
図8(A)に示すように枝管部形成部13の頭部132
を駆動側チャック41に固定し、主管部形成部11の枝
管部形成部13が連結された部分とは反対の部分に枝管
芯押し部材43の枝管押し部431を当接する。
【0047】この状態から、図8(B)に示すように
(図6参照)、軸受け部465の主管用シリンダー46
5b及び枝管用シリンダー465dは伸ばして、それぞ
れマンドレル1の主管部形成部11を主管受け部465
aで受けるとともに、その周りに硬化性樹脂含浸強化繊
維が巻き付けられた枝管部形成部13を枝管受け部46
5cで受けておいて、駆動側チャック41の真空吸引を
解除する。また、シリンダー432を縮め、枝管押し部
431を駆動側チャック41から後退させる。
【0048】そして、図8(C)に示すように(図6参
照)、第2のシリンダー455を縮めることにより、マ
ンドレル1を軸受け部465で受けた状態で可動架台3
6とともに駆動側チャック41から引っ張り出す。
【0049】次に、図8(D)に示すように(図6参
照)、ターンテーブル462を1/4周回転させて、マ
ンドレル1の主管部形成部11の一端部を駆動側チャッ
ク41の方に向ける。
【0050】次に、図8(E)に示すように(図6参
照)、第2のシリンダー455を伸ばし、可動架台36
を駆動側チャック41の方向に移動させて、主管部形成
部11の一端部の頭部113を駆動側チャック41に接
近させ、真空吸引して固定する。
【0051】同時に図7に示す第1のシリンダー432
を伸ばして、主管芯押し部材42を駆動側チャック41
の軸線上に位置させる。最後にシリンダー423を伸ば
してマンドレル1の主管部形成部11の頭部に支持側チ
ャック421を押しつけ、真空吸引して固定することに
より、マンドレル1の主管部形成部11を回転軸とする
回転が可能な状態として、一連のセット換えを終了す
る。
【0052】次に、本発明のマンドレル被覆カバーを用
いて、繊維強化樹脂製管継手を製造する方法の一例を、
図3、図9〜図12を参照しながら説明する。図9はマ
ンドレルの枝管部形成部の周りに熱硬化性樹脂含浸強化
繊維を巻き付ける状態を説明する正面図、図10はマン
ドレルの主管部形成部の周りに熱硬化性樹脂含浸強化繊
維を巻き付ける状態を説明する正面図、図11は樹脂を
硬化させて繊維強化樹脂層を形成する状態を示す正面
図、図12はマンドレルを脱型する状態を示す正面図で
ある。
【0053】まず図3に示す要領でマンドレル1の外面
にマンドレル被覆カバー2を被せ、マンドレル1の主管
部形成部11と枝管部形成部13の交差部(三角部)の
外面をマンドレル被覆カバー2で被覆する。この場合、
必要によりマンドレル1とマンドレル被覆カバー2同士
を粘着剤、粘着テープ、細いワイヤーあるいは紐等によ
り移動しないように固定してもよい。
【0054】次に、巻き付け第1工程として、図9に示
すように、外面をマンドレル被覆カバー2で被覆したマ
ンドレル1の枝管部形成部13を回転軸として回転させ
て、マンドレル被覆カバー2の上から枝管部形成部13
の周りに熱硬化性樹脂含浸強化繊維5を巻き付ける。
【0055】なお、マンドレル1に熱硬化性樹脂含浸強
化繊維5を巻き付けるに当たって、前記フィードアイ3
は、枝管部形成部13の軸に沿うX軸方向の移動作動お
よびVで示される回転作動の2軸の作動を行わせる他、
枝管部形成部13に近接離反するZ軸方向の移動作動、
上下方向のY軸方向の移動作動及びUで示される回動作
動を加えた5軸の作動を行わせるようにする。
【0056】まず、図9(A)に示すように、枝管部形
成部13の頭部を装置4の駆動側チャック41に真空吸
引して固定する。そして、マンドレル1の中央部の枝管
部形成部13が装着された部分とは反対の部分に枝管芯
押し部材43の押付部431を押し付ける。そして、駆
動側チャック41により枝管部形成部13を回転軸とし
てマンドレル1を回転させ、フィードアイ3を用いて熱
硬化性樹脂含浸強化繊維5を、枝管部形成部13の凸条
の部分から基端部の周囲に巻き付ける。この際まずフー
プ巻きに巻き付け、次にヘリカル巻きに巻き付け、更に
再度フープ巻きに巻き付ける。
【0057】ヘリカル巻きする際、図9(A)に示すよ
うに、駆動側チャック41のピン412と主管部形成部
11との交差部(三角部)間をヘリカル巻きにする。こ
のとき、駆動側チャック41のピン412と主管部形成
部11の基端部間を往復するようにヘリカル巻きすると
ともに、主管部形成部11の枝管部形成部13が装着さ
れた部分とは反対の部分まで巻き付けるようにする。
【0058】更に図9(B)及び図9(C)に示すよう
に、硬化性樹脂含浸強化繊維をマンドレル被覆カバー2
の両側に突設されている突起25に引っかけ、突起25
で巻き付け方向(角度)をイからロ、ハからニ、ホから
ヘのように転換させて、主管部形成部11と枝管部形成
部13の交差部(三角部)に充分な回数巻き付けるよう
にする。これにより管継手の主管部と枝管部との交差部
が強化される(図9(D)参照)。
【0059】最後に、駆動側チャック41の回転を停止
し、駆動側チャック41のピン412の部分で、繊維を
切断する。
【0060】次に、巻き付け第2工程として、図7を参
照した上記の説明の如く、セット換えを行う。
【0061】巻き付け第3工程として、図9(D)に示
すように硬化性樹脂含浸強化繊維が巻き付けられたマン
ドレル1を、図10に示すように主管部形成部11を回
転軸として回転させ、主管部形成部11及び枝管部形成
部13との交差部(三角部)の周りに熱硬化性樹脂含浸
強化繊維を巻き付ける。
【0062】まず、図10(A)に示すように、マンド
レル1の主管部形成部11の一端部の頭部を駆動チャッ
ク41に真空吸引により固定し、他端部の頭部を支持チ
ャック42に真空吸引により固定する。
【0063】次に、駆動側チャック41を回転して、主
管部成形部11を回転軸として回転させ、フィードアイ
を用いて、複数本の熱硬化性樹脂含浸強化繊維を主管部
形成部11の周囲に巻き付ける。この際、まずフープ状
に巻き付け、次に図10(B)に示すようにヘリカル状
に巻き付け、更に、再度フープ状に巻き付ける。
【0064】ヘリカル状に巻き付ける際、図10(B)
に示すように、駆動側チャック41のピン412と支持
側チャック42のピン422間に巻き付けるようにして
行う。また、同時に駆動側チャック41のピン412と
枝管部形成部13の基端部間及び枝管部形成部13の基
端部と支持側チャック42のピン422間をターンさせ
るようにして巻き付けるようにして、主管部形成部11
と枝管部形成部13との交差部との周りに特に入念に巻
き付ける。
【0065】この際、図10(C)に示すように、硬化
性樹脂含浸強化繊維をマンドレル被覆カバーの両側に突
設されている突起25に引っかけ、突起25でトから
チ、リからヌ、ルからヲのように巻き付け方向(角度)
を転換するようにして主管部形成部11と枝管部形成部
13の交差部(三角部)に充分な回数巻き付けるように
することにより、成形品の主管部と枝管部との交差部が
更に強化される。
【0066】最後に駆動側チャック41の回転を停止
し、駆動側チャック41のピン412及び支持側チャッ
ク42のピン422の部分で繊維を切断する。そして、
装置4の駆動側チャック41及び支持側チャック42を
真空吸引を解除して外し、図10(D)に示すように、
外周全体にまんべんなく均一に硬化性樹脂含浸強化繊維
が巻き付けられたマンドレル1を取り出す。
【0067】第4工程として、図11に示すように、マ
ンドレル1の周りに巻き付けた硬化性樹脂含浸強化繊維
の硬化性樹脂を加熱炉内で電熱ヒーター6により加熱・
硬化させて、繊維強化樹脂層を形成する。
【0068】更に第5工程として、図12に示すよう
に、まず、マンドレル1の枝管部形成部13を押し潰す
ようにして脱型する。この際、主管接続部形成部11及
び枝管部形成部13と主管部成形部11の接続にホット
メルト接着剤が使用されていても、乾燥時の加熱により
溶融しているので、脱型には支障がない。次いで主管部
形成部11を押し潰すようにして脱型し、分岐用管継手
を得る。
【0069】(実施例1)次に、図3(A)に示すよう
な片側に各1個の突起25が突設されたマンドレル被覆
カバー2を用いて、主管部の口径100×枝管部の口径
100のFRPチーズを製造した実施例について述べ
る。
【0070】不飽和ポリエステル樹脂に、幅50mmの
ガラスロービングを浸漬し、60分間自然乾燥させて、
不飽和ポリエステル樹脂を60重量%含浸させた熱硬化
性樹脂含浸ガラスロービングを得た。
【0071】図1に示すマンドレル1及び図3(A)に
示すようなマンドレル被覆カバー2を用い、図3(B)
及び(C)に示す要領でマンドレル1の主管部形成部1
1と枝管部形成部13の交差部の外面をマンドレル被覆
カバー2で被覆した。
【0072】次いで図5に示すフィードアイ3、図6及
び図7に示す分岐用管継手の製造装置4を用い、図8乃
至図10に示す工程に従って、マンドレル被覆カバー2
で被覆したマンドレル1の上から、上記の熱硬化性樹脂
含浸ガラスクロスをフープ巻き及びヘリカル巻きに巻き
付けた。
【0073】枝管部形成部12及び主管部形成部11の
ヘリカル巻きについては、熱硬化性樹脂含浸ガラスクロ
スを駆動側チャック41のピン412と主管部形成部1
1の基端部間を往復するようにヘリカル巻きするととも
に、マンドレル被覆カバー2の両側に突設されている片
側各1個の突起25に引っかけ、突起25でヘリカル巻
き付け角度を約15°〜75°に変化させながら巻き残
しのないようにして巻き付けた。なお、熱硬化性樹脂含
浸ガラスクロスは、突起25が埋没して隠れてしまう厚
さまで巻き付けた。
【0074】巻き付け終了後、硬化炉6に入れ、図11
に示すように電熱ヒーター6により70℃で70分間加
熱して熱硬化性樹脂を硬化させ、室温まで放冷した。
【0075】次いで図12に示すように、マンドレルの
枝管部形成部13を押し潰すようにして脱型し、次いで
主管部形成部11及び主管接続部形成部12を押し潰す
ようにして脱型し、100×100のFRPチーズを得
た。
【0076】本実施例の製造方法によれば、同じマンド
レル1、フィードアイ3、製造装置4を用いて、主管部
形成部の中央部付近に熱硬化性樹脂含浸ガラスマットあ
るいは熱硬化性樹脂含浸ガラスクロスをハンドレイアッ
プ成形法により巻き付ける従来の製造方法に比べ、巻き
付けに要する時間は約14%の時間短縮となった。
【0077】また、得られた製品10個について静水圧
試験を行い、漏水及び破壊を生じない圧力(耐水圧)を
求めた結果、平均値は42kg/cm2 f、最大値と最
小値の差は3kg/cm2 fであった。これに対し上記
従来の製造方法で製造された製品は、平均値が40kg
/cm2 f、最大値と最小値の差が7kg/cm2 fで
あった。
【0078】(実施例2)図4(A)に示すような片側
に各21個の針状の突起25aが突設されたマンドレル
被覆カバー2aを用いて、主管部の口径200×枝管部
の口径150のFRPチーズを製造した実施例について
述べる。
【0079】実施例1と同じ不飽和ポリエステル樹脂
に、幅50mmのトリゴットテープ(ガラス繊維を編み
こんだ伸縮性のテープ)を浸漬し、60分間自然乾燥さ
せて、不飽和ポリエステル樹脂を60重量%含浸させた
熱硬化性樹脂含浸トリゴットテープを得た。また、同じ
不飽和ポリエステル樹脂に、幅70mmのテープ状にし
たガラスマットを浸漬し、60分間自然乾燥させて、不
飽和ポリエステル樹脂を60重量%含浸させた熱硬化性
樹脂含浸ガラスマットを得た。
【0080】図2に示すマンドレル1a及び図4(A)
に示すようなマンドレル被覆カバー2aを用い、図4
(B)及び(C)に示す要領でマンドレル1aの主管部
形成部11aと枝管部形成部13aの交差部の外面をマ
ンドレル被覆カバー2aで被覆した。
【0081】次いで図5に示すフィードアイ3、図6及
び図7に示す分岐用管継手の製造装置4を用い、まず、
枝管部形成部13a及び主管部形成部11aに、上記の
ようにして得られた熱硬化性樹脂含浸トリゴットテープ
をフープ巻きに巻き付けて、止水層を形成した。
【0082】次いでその上から、上記のようにして得ら
れた熱硬化性樹脂含浸ガラスマットを、実施例1と同じ
要領で、枝管部13a及び主管部11aをヘリカル巻き
に巻き付け、更に熱硬化性樹脂含浸ガラスマットをヘリ
カル巻きに巻き付けた。なお、熱硬化性樹脂含浸ガラス
クロスは、突起25aが埋没して隠れてしまう厚さまで
巻き付けた。
【0083】巻き付け終了後、実施例1と同様にして熱
硬化性樹脂を硬化、放冷、脱型して、200×150の
FRPチーズを得た。
【0084】本実施例についても、実施例1の場合と同
様に、製造に要する時間をハンドレイアップ成形法によ
り巻き付ける従来の製造方法と比較した結果、巻き付け
に要する時間は約13%の時間短縮となった。
【0085】また、得られた製品10個について静水圧
試験を行い、漏水及び破壊を生じない圧力(耐水圧)を
求めた結果、平均値は42kg/cm2 f、最大値と最
小値の差は3kg/cm2 fであった。これに対し上記
従来の製造方法で製造された製品は、平均値が39kg
/cm2 f、最大値と最小値の差は8kg/cm2 fで
あった。
【0086】
【効果】請求項1記載の本発明マンドレル被覆カバーは
上記のような構成とされていて、マンドレルに被せてそ
の外面を被覆することにより、マンドレルの主管部形成
部と枝管部形成部との交差部の、従来技術では硬化性樹
脂含浸強化繊維巻き付けが不可能な三角部に、硬化性樹
脂含浸強化繊維を引っ掛ける突起が容易に突設されるの
で、この突起に硬化性樹脂含浸強化繊維を引っ掛けて巻
き付け方向を転換させつつ、マンドレルに硬化性樹脂含
浸強化繊維を均一且つ充分に巻き付けることができる。
なお、マンドレルを脱型する際、マンドレル被覆カバー
は分岐用管継手の中に埋め殺しの状態で残るが、強度
上、外観上、及び流体力学上は全く支障がなく、むしろ
分岐用管継手の強度上の弱点である主管部と枝管部の交
差部の内面が被覆されることによって、分岐用管継手の
止水性が向上する。
【0087】請求項2記載の本発明繊維強化樹脂製管継
手の製造方法は、上記のような構成とされていて、マン
ドレルの枝管部形成部と主管部形成部との交差部の、従
来技術では硬化性樹脂含浸強化繊維を巻き付けることが
不可能な三角部にマンドレル被覆カバーを被せることに
よって、硬化性樹脂含浸強化繊維を引っ掛ける突起を突
設し、この突起によって巻き付け方向を転換しつつ硬化
性樹脂含浸強化繊維を巻き付けるので、マンドレルの枝
管部形成部と主管部形成部との交差部に巻き残しの三角
部を生じることなく、充分に且つ均一に硬化性樹脂含浸
強化繊維を巻き付けることができ、交差部が充分に補強
される。また、これによって従来のようにハンドレイア
ップで硬化性樹脂含浸強化繊維を巻き付ける必要がなく
なる。その結果、高強度で信頼性の高い主管部と枝管部
を有する繊維強化樹脂製管継手を、生産性よく製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するマンドレルの一例を示す正面
図。
【図2】本発明に使用するマンドレルの他の一例を示す
正面図。
【図3】(A)は本発明のマンドレル被覆カバーの一例
を示す斜視図、(B)は使用態様を示す正面図、(C)
は使用態様を示す一部省略側面図。
【図4】(A)は本発明のマンドレル被覆カバーの他の
一例を示す斜視図、(B)は使用態様を示す正面図、
(C)は使用態様を示す一部省略側面図。
【図5】本発明に使用するフィードアイの作動を示す説
明図。
【図6】本発明に使用する繊維強化樹脂製管継手製造装
置の一例を示す正面図。
【図7】図6に示す繊維強化樹脂製管継手装置の右側面
図。
【図8】図6に示す装置を用いてマンドレルを枝管部形
成部を回転軸とする回転から、主管部形成部を回転軸と
する回転へとセット換えする状態を説明する正面図。
【図9】マンドレルの枝管部形成部の周りに熱硬化性樹
脂含浸強化繊維を巻き付ける状態を説明する正面図。
【図10】マンドレルの主管部形成部の周りに熱硬化性
樹脂含浸強化繊維を巻き付ける状態を説明する正面図。
【図11】樹脂を硬化させて繊維強化樹脂層を形成する
状態を示す正面図。
【図12】マンドレルを脱型する状態を示す正面図。
【図13】従来技術により製造された繊維強化樹脂製管
継手の例を示す模式図で、(A)はチーズ、(B)はク
ロス。
【符号の説明】
1,1a マンドレル 11,11a 主管部形成部 13,13a 枝管部形成部 2,2a マンドレル被覆カバー 21,21a 本体部 22,22a 主管部 23,23a 枝管部 24,24a 交差部 25,25a 突起 3 フィードアイ 4 分岐用管継手の製造装置 5 熱硬化性樹脂含浸強化繊維 6 電熱ヒーター K 従来技術による管継手の補強不十分
な部分

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主管部形成部と枝管部形成部とを有する
    マンドレルの周りに硬化性樹脂含浸強化繊維を巻き付け
    て繊維強化樹脂製管継手を製造するために用いられるマ
    ンドレル被覆カバーであって、該被覆カバーには、マン
    ドレルの主管部形成部と枝管部形成部との交差部に硬化
    性樹脂含浸強化繊維を巻き付けるときにできる三角形状
    の巻き付け不可能部またはその近傍の外面に、硬化性樹
    脂含浸強化繊維を引っ掛ける突起が設けられていること
    を特徴とするマンドレル被覆カバー。
  2. 【請求項2】 主管部形成部と枝管部形成部よりなるマ
    ンドレルに硬化性樹脂含浸強化繊維を巻き付け、樹脂を
    硬化させて繊維強化樹脂層を形成した後、マンドレルを
    脱型して繊維強化樹脂製管継手を製造する方法であっ
    て、マンドレルの外面を請求項1記載のマンドレル被覆
    カバーで被覆し、該被覆カバーの上から前記突起に硬化
    性樹脂含浸強化繊維を引っ掛けて巻き付け角度を変えつ
    つ、前記交差部の周りに硬化性樹脂含浸強化繊維を巻き
    付けることを特徴とする繊維強化樹脂製管継手の製造方
    法。
JP8285243A 1996-10-28 1996-10-28 マンドレル被覆カバー及び同マンドレル被覆カバーを用いた繊維強化樹脂製管継手の製造方法 Pending JPH10128858A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009137062A (ja) * 2007-12-04 2009-06-25 Toyota Motor Corp 繊維強化樹脂部材の製造方法
JP2010005831A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Murata Mach Ltd フィラメントワインディング装置

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