JPH10122573A - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JPH10122573A
JPH10122573A JP27563696A JP27563696A JPH10122573A JP H10122573 A JPH10122573 A JP H10122573A JP 27563696 A JP27563696 A JP 27563696A JP 27563696 A JP27563696 A JP 27563696A JP H10122573 A JPH10122573 A JP H10122573A
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JP
Japan
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heating chamber
heated
frequency
heating
supply port
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Application number
JP27563696A
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English (en)
Inventor
Takayuki Hiramitsu
隆幸 平光
Masashi Osada
正史 長田
Takahiro Kanai
孝博 金井
Yoshiaki Koiwa
芳明 小岩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱室の内容積を小さくすることなく、任意
形状の被加熱物を均一に加熱できて、加熱むら及び解凍
むらを少なくできるようにする。 【解決手段】 加熱室1の壁面2dに、加熱室1の中心
下部に対向させ、加熱室底面との角度が45度以上にな
るように平面反射面51を設け、給電口4から送出され
る高周波30を加熱室1の中心下部へ反射させるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加熱物の加熱む
ら及び解凍むらを少なくすることのできる高周波加熱装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図17は従来の高周波加熱装置の構成を
示す正面断面図である。図において、1は加熱室であ
り、周壁となる金属板2a,2b,2c,2dと、後壁
となる金属板2e及び前壁となる開閉扉(図示せず)と
で構成される直方体を呈している。3は高周波の発生源
であるマグネトロン、4は加熱室1に高周波30を送出
させる給電口、5は被加熱物6を載置するテーブルであ
る。
【0003】次に、従来の高周波加熱装置の動作につい
て図17に基づき説明する。マグネトロン3で発生した
高周波30は給電口4に導かれ、そして加熱室1の金属
板2a,2b,2c,2dに入射や反射を繰り返しなが
らテーブル5の上に置かれた被加熱物6に照射すること
によって、被加熱物6を加熱する。
【0004】加熱室1は直方体からなり、かつ給電口4
から送出される高周波30は直進する割合が多いため、
大部分は給電口4の対面に位置する金属板2dに入射
し、金属板2dで反射された高周波30は金属板2aに
入射し、金属板2aで再度金属板2dに向けて反射され
る。このため、進行波と反射波で定在波が形成され、電
界の強い部分と弱い部分が生じる。これにより、電界の
強い部分では被加熱物6が強く加熱され、電界の弱い部
分では被加熱物6が殆ど加熱されない。したがって、被
加熱物6の加熱むら及び解凍むらが発生するという問題
が生じる。
【0005】このような問題を解決する第1の技術とし
て特開平6−196257号公報に開示されるものがあ
る。図18は同公報に開示されている高周波加熱装置を
示す正面断面図である。同公報のものは、加熱室1を構
成する天井板20と底板21の双方または一方を球面状
に形成し、マグネトロン3で発生して加熱室1内に導か
れて、加熱室1内の壁面などで反射、屈折を繰り返す高
周波30が、天井板20または底板21のいずれかに入
射すると、この天井板20または底板21で反射する高
周波30がテーブル5上に置かれた被加熱物6方向に向
かうようにして、高周波30が被加熱物6を照射するま
での反射、屈折の繰り返し回数を少なくできるように
し、これによって高周波30の減衰を少なくし、加熱効
率を高め、かつ加熱むら及び解凍むらを少なくできるよ
うにしている。
【0006】また、前述のような問題を解決する第2の
技術として特開平4−137391号公報に開示される
ものがある。図19は同公報に開示されている高周波加
熱装置を示す正面断面図である。同公報のものは、マイ
クロ波集束装置22の加熱室1の内部に、別体からなる
第1の反射体23と第2の反射体24を対向配置し、ビ
ーム状マイクロ波発生器3Aから発生した高周波30
を、入射口4Aからマイクロ波集束装置22の加熱室内
部に導いて、2つの反射体23,24の間で連続的に往
復反射させ、2つの反射体23,24の間に配置された
被加熱物6部分を通過させることにより、急速加熱を可
能にさせている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加熱室
1の天井板20および底板21を球面状に形成した前者
のものにあっては、加熱室1の内容積が必然的に小さく
なる。特に底板21が球面状の場合、テーブル5の設置
可能エリアが限定され、テーブル5上に置かれる被加熱
物6の大きさ又は形状が限定される。テーブル5の設置
可能エリアを広げるためには、テーブル5を球面状底板
21の円弧の内方に大きくズラせて設置する必要があ
り、この場合には加熱室1の内容積が一層小さくなるの
を避けられない。また加熱室1の内容積を確保するため
には、装置を外郭から大きくしなければならない。
【0008】また、加熱室1の内部に別体からなる2つ
もの反射体23,24を対向配置した後者のものは、加
熱室1の内容積が前者のものよりも更に小さくなるのを
避けられない。したがって、テーブル上に置かれる被加
熱物6の大きさ又は形状が前者のものよりも更に限定さ
れるばかりでなく、反射体を複数別体構成としている
分、コストアップにもなる。
【0009】いずれにしても、高周波加熱装置は被加熱
物を基本的に定在波中において加熱するものであるた
め、加熱室内の被加熱物に均等に高周波を照射させるこ
とは困難である。例えば徳利のように首の部分が括れて
いる形状の被加熱物の場合、均等に高周波が被加熱物に
照射されたとしても、必然的に首部が過加熱になるとい
う問題が依然として存在する。また被加熱物が例えば6
面体の場合、この被加熱物に均等に高周波が照射された
としても、実際には6面体被加熱物は、そのコーナ部に
おいては多方向から高周波が照射されるが、中心部はあ
る限定された方向からのみしか高周波の照射を受けな
い。したがって、中心部に比しコーナ部が過加熱になっ
てしまう。
【0010】要するに、被加熱物に均等に高周波を照射
しても、被加熱物を均一に加熱することはできず、被加
熱物を均一に加熱するためには、被加熱物の中心部に対
する高周波の照射量をある程度増やさなければならな
い。
【0011】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたもので、加熱室の内容積を小さくするこ
となく、任意形状の被加熱物を均一に加熱できて、加熱
むら及び解凍むらを少なくすることのできる高周波加熱
装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
高周波加熱装置は、被加熱物を収容する加熱室と、加熱
室に設けられ高周波を送出する給電口と、加熱室の壁面
に、加熱室の中心下部に対向させ、加熱室底面との角度
が45度以上になるように形成され、給電口から送出さ
れる高周波を加熱室の中心下部へ反射させる平面反射面
と、を備えたものである。
【0013】また、本発明の請求項2に係る高周波加熱
装置は、給電口の対面に位置する加熱室の壁面に平面反
射面を形成したものである。
【0014】また、本発明の請求項3に係る高周波加熱
装置は、被加熱物を収容する加熱室と、加熱室に設けら
れ高周波を送出する給電口と、加熱室の壁面に、加熱室
の中心下部に対向するように形成され、加熱室寸法の最
小値の1/4よりも大きい曲率半径を有し、給電口から
送出される高周波を加熱室の中心下部へ反射させる凹面
状の曲面反射面と、を備えたものである。
【0015】また、本発明の請求項4に係る高周波加熱
装置は、給電口の対面に位置する加熱室の壁面に曲面反
射面を形成したものである。
【0016】また、本発明の請求項5に係る高周波加熱
装置は、被加熱物を収容する加熱室と、加熱室に設けら
れ、高周波を送出する給電口と、加熱室に設けられ、被
加熱物が載置され回転するターンテーブルと、ターンテ
ーブルの回転位置を検出する回転位置検出手段と、ター
ンテーブルに載置される被加熱物の形状及び位置を検出
する形状・位置検出手段と、加熱室にターンテーブルに
対向するように設けられた平面反射板と、平面反射板と
ターンテーブルとの角度を変化させるように平面反射板
を駆動させる反射板駆動手段と、回転位置検出手段によ
り検出されたターンテーブルの回転位置、および形状・
位置検出手段により検出された被加熱物の形状・位置に
基づいて、反射板駆動手段により平面反射板の角度を変
化させ、給電口から送出した高周波を被加熱物へ反射さ
せる反射板角度制御手段と、を備えたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施形態1.図1は本発明の請求項1,2に係る高周波
加熱装置の第1例を示す正面断面図であり、図中、従来
の図17に相当する部分には同一符号を付してある。
【0018】図において、1は加熱室、3は高周波30
の発生源であるマグネトロン、4は加熱室1に高周波3
0を送出させる給電口、5は被加熱物6を載置するテー
ブルである。加熱室1は、金属板からなる壁面2a,2
b,2c,2dと、給電口4の対面に位置する壁面2d
の上部に形成されて上端側が給電口4側に傾斜する平面
反射板51と、後壁を形成する金属板からなる壁面2e
及び前壁となる開閉扉(図示せず)とから構成されてい
る。なお、平面反射板51は平面反射面を示し、その加
熱室底面に対する角度が45度以上に設定され、給電口
4から送出されて直進してきた高周波30成分を斜め下
方に反射させて、この反射波を被加熱物6の中心部付近
の領域に照射させる機能を有している。それ以外の構成
は従来の図17のものと同様である。
【0019】次に、本実施形態の高周波加熱装置の動作
について図1に基づき説明する。マグネトロン3で発生
した高周波30は給電口4へ導かれ、給電口4から加熱
室1内に送出される。加熱室1内に送出された高周波3
0成分は直進する割合が多いので、大部分の高周波30
成分が加熱室1を形成する平面反射板51に入射して、
平面反射板51で斜め下方へ反射され、テーブル5の上
に置かれた被加熱物6の中心部付近の領域に照射する。
更に加熱室1下部の高周波30成分は、テーブル5の上
に置かれた被加熱物6に直接照射され、あるいは給電口
4の対面に位置する垂直壁面2dと給電口4側の壁面2
aとの間で反射を繰り返すうちに被加熱物6に照射さ
れ、または垂直壁面2dと給電口4側の壁面2aとの間
で反射を繰り返すうちに平面反射板51に入射して、平
面反射板51で被加熱物6の中心部付近の領域に向けて
照射される。
【0020】すなわち、給電口4の対面に位置する壁面
2dの上部を、上端側が給電口4側に傾斜する平面反射
板51に形成することによって、加熱室1の形状を直方
体から崩し、定在波が形成されないようにして、電界の
強い部分と弱い部分が生じるのを防止している。そして
通常、被加熱物6の存在していない加熱室1上部の高周
波30成分はその向きを平面反射板51によって変えら
れ、テーブル5の上に置かれた被加熱物6の中心部付近
の領域に照射する。被加熱物6が図に示す如く縦長に置
かれている場合、このような被加熱物6は殆どが徳利か
それに類する液体収容容器であり、加熱の対象は下方に
位置する液体である。したがって平面反射板51によっ
て向きが変えられた高周波30成分は、被加熱物6が徳
利の場合、液体が収容されている下部に集中し、液体を
加熱する。更に加熱室1下部の反射波を含む高周波30
成分によっても被加熱物6の液体は加熱される。これに
よって、液体中に対流が発生し、液体が効率良く加熱さ
れるとともに、徳利の上方に位置する首部が過加熱にな
るのが防止される。
【0021】また、平面反射板51の加熱室底面に対す
る傾きを45度以上に設定して、給電口4から加熱室1
内に送出された大部分の高周波30成分を、平面反射板
51によって1回の反射でテーブル5上の被加熱物6の
中心部付近の領域に照射できるようにしているので、高
周波30の減衰が少なくなり、加熱効率が向上し、被加
熱物6の加熱むら及び解凍むらを少なくすることができ
て、被加熱物6の均一加熱が可能となる。このため、加
熱時間の短縮化が図れ、電力消費量を抑えることができ
る。
【0022】以上のような作用、効果は、テーブル5の
設置の有無に関係なく得られる。このことは、以下の実
施形態2〜15についても同様である。
【0023】実施形態2.図2は本発明の請求項1に係
る高周波加熱装置の第1例を示す側面断面図であり、図
中、従来の図17に相当する部分には同一符号を付して
ある。
【0024】この実施形態の高周波加熱装置は、加熱室
1の前面開口を覆う開閉扉7の対面に位置する壁面2e
の上部に、上端側が開閉扉7側に傾斜する平面反射板5
2を形成している。なお、平面反射板52は平面反射面
を示し、平面反射板52の加熱室底面に対する角度は4
5度以上に設定されている。
【0025】平面反射板52は、加熱室1の形状を直方
体から崩し、定在波が形成されないようにして、電界の
強い部分と弱い部分が生じるのを防止する機能と、給電
口から送出されて反射、屈折により入射してきた高周波
成分を斜め下方に反射させて、この反射波を被加熱物6
の中心部付近の領域に照射させる機能と、を有してい
る。それ以外の構成は従来の図17のものと同様であ
る。
【0026】この実施形態の高周波加熱装置において
も、前述の第1実施形態と同様に平面反射板52によっ
て被加熱物6の中心部に対する高周波の照射量を増やす
ことができるので、被加熱物6を均一に加熱することが
できる。
【0027】実施形態3.図3は本発明の請求項1,2
に係る高周波加熱装置の第2例を示す上面断面図であ
り、図中、前述の第1及び第2実施形態(図1,図2)
に相当する部分には同一符号を付してある。
【0028】この実施形態の高周波加熱装置は、給電口
4の対面に位置する壁面2dの両側部に、両側端側が給
電口側に傾斜する平面反射板53,54を形成してい
る。なお、平面反射板53,54は平面反射面を示し、
各平面反射板53,54の給電口4に対する角度はそれ
ぞれ45度以下に設定されている。
【0029】平面反射板53,54は、加熱室1の形状
を直方体から崩し、定在波が形成されないようにして、
電界の強い部分と弱い部分が生じるのを防止する機能
と、給電口4から送出されて直進してきた高周波30成
分を1回の反射でその進行方向を被加熱物6の中心部付
近の領域に向けさせて照射させる機能を有している。な
お、壁面2dの上部には前述の第1実施形態(図1)で
説明した平面反射板51が設けられているが、ここでは
省略する。
【0030】この実施形態の高周波加熱装置において
は、上部の平面反射板51(図1)による被加熱物6の
中心部付近の領域への照射による効果と、平面反射板5
3,54による被加熱物6の中心部付近の領域への照射
による効果の相乗効果により、被加熱物6に対する高周
波30成分の照射量を更に増やすことができるので、加
熱効率が更に向上し、被加熱物6の加熱むら及び解凍む
らを少なくすることができて、被加熱物6の均一加熱を
短時間で達成することができる。
【0031】実施形態4.図4は本発明の請求項1に係
る高周波加熱装置の第2例を示す上面断面図であり、図
中、前述の第2実施形態(図2)に相当する部分には同
一符号を付してある。
【0032】この実施形態の高周波加熱装置は、開閉扉
7の対面に位置する壁面2eの両側部に、両側端側が開
閉扉側に傾斜する平面反射板55,56を形成してい
る。なお、各平面反射板55,56の開閉扉7に対する
角度はそれぞれ45度以下に設定されている。
【0033】平面反射板55,56は、加熱室1の形状
を直方体から崩し、定在波が形成されないようにして、
電界の強い部分と弱い部分が生じるのを防止する機能
と、給電口4から送出されて反射、屈折により入射して
きた高周波成分を被加熱物6の中心部付近の領域に向け
させて照射させる機能を有している。なお、壁面2eの
上部には前述の第2実施形態(図2)で説明した平面反
射板52が設けられているが、ここでは省略する。
【0034】この実施形態の高周波加熱装置において
も、前述の第3実施形態と同様に上部の平面反射板52
(図2)による被加熱物6の中心部付近の領域への照射
による効果と、平面反射板55,56による被加熱物6
の中心部付近の領域への照射による効果の相乗効果によ
り、被加熱物6に対する高周波成分の照射量を更に増や
すことができるので、加熱効率が更に向上し、被加熱物
6の加熱むら及び解凍むらを少なくすることができて、
被加熱物6の均一加熱を短時間で達成することができ
る。
【0035】実施形態5.図5は本発明の請求項3,4
に係る高周波加熱装置の第1例を示す正面断面図であ
り、図中、前述の第1実施形態(図1)に相当する部分
には同一符号を付してある。
【0036】この実施形態の高周波加熱装置は、給電口
4の対面に位置する壁面2dの上部に、加熱室1の中心
下部に対向するように凹面状の曲面反射板57を設けて
いる。なお、曲面反射板57は曲面反射面を示し、曲面
反射板57の曲率半径は、加熱室1寸法(間口、奥行、
高さ)の最小値の1/4より大きく設定されている。こ
こでは、曲率半径を300mmとした。
【0037】曲面反射板57は、給電口4から送出され
て直進してきた高周波30成分を縦方向で絞り込んで横
長のビームにして斜め下方に反射させ、この横長ビーム
状の反射波を被加熱物6の下部中心付近の領域に照射さ
せる機能を有している。それ以外の構成は前述の第1実
施形態のものと同様である。
【0038】この実施形態の高周波加熱装置において、
マグネトロン3で発生した高周波30は給電口4へ導か
れ、給電口4から加熱室1内に送出される。加熱室1内
に送出された高周波30成分は直進する割合が多いの
で、大部分の高周波30成分が加熱室1を形成する曲面
反射板57に入射して、曲面反射板57で縦方向が収束
された横長状のビームとなって斜め下方へ反射され、テ
ーブル5の上に置かれた被加熱物6の中心部付近の領域
に多量に照射する。更に加熱室1下部の高周波30成分
は、テーブル5の上に置かれた被加熱物6に直接照射さ
れ、あるいは給電口4の対面に位置する垂直壁面2dと
給電口4側の壁面2aとの間で反射を繰り返すうちに被
加熱物6に照射され、または垂直壁面2dと給電口4側
の壁面2aとの間で反射を繰り返すうちに平面反射板5
1に入射して、平面反射板51で被加熱物6の下部中心
付近の領域に向けて照射される。
【0039】すなわち、給電口4の対面に位置する壁面
2dの上部を曲面反射板57に形成することによって、
加熱室1の形状を直方体から崩し、定在波が形成されな
いようにして、電界の強い部分と弱い部分が生じるのを
防止している。そして通常、被加熱物6の存在していな
い加熱室1上部の高周波30成分はその向きを曲面反射
板57によって変えられ、テーブル5の上に置かれた被
加熱物6の下部中心付近の領域に照射する。したがっ
て、加熱効率が良く、かつ加熱むら及び解凍むらが少な
くなる。
【0040】また、曲面反射板57の曲率半径を加熱室
1寸法の最小値の1/4より大きく設定して、給電口4
から加熱室1内に送出された大部分の高周波30成分
を、曲面反射板57によって1回の反射でテーブル5上
の被加熱物6の下部中心付近の領域に照射できるように
しているので、高周波30の減衰が少なくなり、加熱効
率が向上し、被加熱物6の加熱むら及び解凍むらを少な
くすることができて、被加熱物6の均一加熱が可能とな
る。このため、加熱時間の短縮化が図れ、電力消費量を
抑えることができる。
【0041】
【表1】
【0042】表1はこの実施形態の高周波加熱装置によ
る被加熱物(ここではビーカと徳利を用いた)の上下加
熱ムラの実験データを従来例と比較して示したものであ
る。なお、ここでは出力はいずれも500W、この実施
形態に係る曲面反射板57の曲率半径は300mmとし
た。
【0043】表1から明らかなように、この実施形態の
高周波加熱装置の場合は、給電口4から加熱室1内に送
出された大部分の高周波30成分を、曲面反射板57に
よって1回の反射でテーブル5上の被加熱物の下部中心
付近の領域に横長状のビームの状態で多量に照射できる
ため、徳利のような上が括れている形状の被加熱物の場
合は、括れている場所に高周波30の反射波が照射され
ず、徳利の下部中心付近に集中的に照射される。この結
果、効率的に内部の液体が加熱されて対流が発生し、均
一加熱が行われる。このため、上下加熱ムラ(温度差)
が3.2℃と小さくなっている。
【0044】これに対し、従来例では、均等に高周波が
被加熱物に照射されていたとしても、首部が過加熱にな
り、上下加熱ムラ(温度差)が35.8℃と非常に大き
くなっている。
【0045】また、ビ−カのようにストレートの縦長形
状の被加熱物の場合でも、この実施形態の高周波加熱装
置では、給電口4から加熱室1内に送出された大部分の
高周波30成分がビ−カの下部中心付近に集中的に照射
されるため、効率的に内部の液体が加熱されて対流が発
生し、均一加熱が行われる。このため、上下加熱ムラ
(温度差)が3.9℃と小さくなっている。しかし、従
来例では均等に高周波が被加熱物に照射されていたとし
ても、上下加熱ムラ(温度差)が5.8℃と大きくなっ
ている。
【0046】このように、この実施形態の高周波加熱装
置においては、大部分の高周波30成分を、曲面反射板
57によって1回の反射でテーブル5上の被加熱物の下
部中心付近の領域に横長状のビームの状態で多量に照射
できるので、内部の液体を効率的に対流で均一に加熱す
ることができ、被加熱物の加熱むら及び解凍むらをより
一層少なくすることができる。
【0047】実施形態6.図6は本発明の請求項3に係
る高周波加熱装置の第1例を示す側面断面図であり、図
中、前述の第2実施形態(図2)に相当する部分には同
一符号を付してある。
【0048】この実施形態の高周波加熱装置は、加熱室
1の前面開口を覆う開閉扉7の対面に位置する壁面2e
の上部に、開閉扉面に対して凹面状となるように曲面反
射板58を設けている。なお、曲面反射板58は曲面反
射面を示し、曲面反射板58の曲率半径は、加熱室1寸
法(間口、奥行、高さ)の最小値の1/4より大きく設
定されている。ここでは、曲率半径を300mmとした。
【0049】曲面反射板58は、加熱室1の形状を直方
体から崩し、定在波が形成されないようにして、電界の
強い部分と弱い部分が生じるのを防止する機能と、給電
口から送出されて反射、屈折により入射してきた高周波
成分を縦方向で絞り込んで横長のビームにして斜め下方
に反射させ、この反射波を被加熱物6の下部中心付近の
領域に照射させる機能と、を有している。それ以外の構
成は前述の第2実施形態のものと同様である。
【0050】この実施形態の高周波加熱装置において
も、前述の第5実施形態と同様に曲面反射板58によっ
て被加熱物6の下部中心付近の領域に横長状のビームの
状態で多量に照射できるので、被加熱物6の中心部に対
する高周波の照射量を増やすことができ、被加熱物6を
均一に加熱することができる。
【0051】実施形態7.図7は本発明の請求項3,4
に係る高周波加熱装置の第2例を示す上面断面図であ
り、図中、前述の第5実施形態(図5)に相当する部分
には同一符号を付してある。
【0052】この実施形態の高周波加熱装置は、給電口
4の対面に位置する壁面の全域を、加熱室1の中心下部
に対向するように凹面状となる球面形状をしている曲面
反射板61に形成している。曲面反射板61は曲面反射
面を示し、その曲率半径が加熱室1寸法(間口、奥行、
高さ)の最小値の1/4より大きく設定されているとと
もに、その図示しない上端側を給電口4側に若干傾かせ
て設定され、下方へ球面収差が発生するようにしてい
る。それ以外の構成は前述の第5実施形態のものと同様
である。
【0053】この実施形態の高周波加熱装置において、
マグネトロン3で発生した高周波30は給電口4へ導か
れ、給電口4から加熱室1内に送出される。加熱室1内
に送出された高周波30成分は直進する割合が多いの
で、テーブル5の上に置かれた被加熱物6に直接照射さ
れるものを除く加熱室1上部や直進方向左右の殆どの高
周波30成分が給電口4の対面に位置する壁面すなわち
曲面反射板61に入射して、曲面反射板61で反射され
る。曲面反射板61は下方へ球面収差が発生するように
上端側を給電口4側に若干傾かせて設置されているの
で、反射波は収束されながら球面収差の効果により、テ
ーブル5の上に置かれた被加熱物6の下部中心に向けて
多量に照射される。
【0054】すなわち、給電口4の対面に位置する壁面
を、曲面反射板61に形成することによって、加熱室1
の形状を直方体から崩し、定在波が形成されないように
して、電界の強い部分と弱い部分が生じるのを防止して
いる。そして通常、被加熱物6の存在していない加熱室
1上部や直進方向左右の高周波30成分はその向きを曲
面反射板61によって変えられ、テーブル5の上に置か
れた被加熱物6の下部中心に照射する。したがって、加
熱効率が一層良くなり、かつ加熱むら及び解凍むらが少
なくなる。
【0055】また、曲面反射板61の曲率半径を加熱室
1寸法の最小値の1/4より大きく設定して、給電口4
から加熱室1内に送出された大部分の高周波30成分
を、曲面反射板61によって1回の反射でテーブル5上
の被加熱物6の下部中心に照射できるようにしているの
で、高周波30の減衰が少なくなり、加熱効率が一層向
上し、被加熱物6の加熱むら及び解凍むらを少なくする
ことができて、被加熱物6の均一加熱が可能となる。こ
のため、加熱時間の一層の短縮化が図れ、電力消費量を
抑えることができる。
【0056】実施形態8.図8は本発明の請求項3に係
る高周波加熱装置の第2例を示す上面断面図であり、図
中、前述の第6実施形態(図6)に相当する部分には同
一符号を付してある。
【0057】この実施形態の高周波加熱装置は、加熱室
1の前面開口を覆う開閉扉7の対面に位置する壁面の全
域を、開閉扉面に対して凹面状となる球面形状をしてい
る曲面反射板62に形成している。曲面反射板62は曲
面反射面を示し、その曲率半径が加熱室1寸法(間口、
奥行、高さ)の最小値の1/4より大きく設定されてい
るとともに、その図示しない上端側を開閉扉7側に若干
傾かせて設定され、下方へ球面収差が発生するようにし
ている。それ以外の構成は前述の第6実施形態のものと
同様である。
【0058】この実施形態の高周波加熱装置において
も、前述の第7実施形態と同様に反射波を収束させなが
ら曲面反射板62の球面収差の効果により、被加熱物6
の下部中心に向けて多量に照射できるので、被加熱物6
の中心部に対する高周波の照射量を増やすことができ、
被加熱物6を均一に加熱することができる。
【0059】実施形態9.図9は本発明の請求項3,4
に係る高周波加熱装置の第3例を示す正面断面図であ
り、図中、前述の第5実施形態(図5)に相当する部分
には同一符号を付してある。
【0060】この実施形態の高周波加熱装置は、給電口
4の対面に位置する壁面2dの上部に設けた曲面反射板
57の上下方向の中間位置と下部位置に、オーブン皿8
の一側を段階的に支持する溝状の支持部9a,9bを奥
行方向に延出させて形成するとともに、壁面2dの垂直
面部の上下方向の上部位置と中間位置に、奥行方向に延
出するオーブン皿用の支持レール9c,9dを設けてい
る。このうち垂直面部の上方に位置する支持レール9c
は、曲面反射板57の下方に位置する溝の深さが浅い支
持部9bの溝下縁に沿って設置され、支持部9bからオ
ーブン皿8が脱落するのを防止する機能を有している。
【0061】また、給電口4側の壁面2aにも、壁面2
d側の各支持部9a,9b及び支持レール9dに対応す
る高さ位置に、オーブン皿8の他側を段階的に支持する
奥行方向の支持レール9e,9f,9gが設けられてお
り、オーブン皿8は、これら左右の支持部や支持レール
に支持案内されて加熱室1内に設置されるようになって
いる。
【0062】この実施形態の高周波加熱装置において
は、曲面反射板57にオーブン皿8を支持する支持部9
a,9bを設けたことにより、曲面反射板57によって
高周波による加熱効率が向上したレンジに、更にオーブ
ン調理機能を付加することができる。
【0063】なお、ここでは曲面反射板57にオーブン
皿8の支持部9a,9bを設けたものを例に挙げて説明
したが、これを前述の第1実施形態(図1)で説明した
平面反射板51にも設けることができることは言うまで
もなく、この場合でも同等の作用効果を奏する。
【0064】実施形態10.図10は本発明の請求項
3,4に係る高周波加熱装置の第4例を示す正面断面図
であり、図中、前述の第5実施形態(図5)に相当する
部分には同一符号を付してある。
【0065】この実施形態の高周波加熱装置は、給電口
4の対面に位置する壁面2dの上部に設けた曲面反射板
57に投光用の多数の穴57aを設けるとともに、その
裏に庫内灯10を設置したものである。それ以外の構成
は前述の第5実施形態のものと同様である。
【0066】この実施形態の高周波加熱装置において
は、給電口4の対面に位置する壁面2dの上部に設けた
曲面反射板57によって、曲面反射板57の裏面側に広
いスペースが生じる。このスペースに庫内灯10を設置
することで、スペースの有効利用が図れ、かつ加熱室1
内における投光角度が従来より広がり、明るい加熱室1
を得ることができる。
【0067】なお、ここでは曲面反射板57の裏面側に
庫内灯10を設置したものを例に挙げて説明したが、こ
れを前述の第1実施形態(図1)で説明した平面反射板
51の裏面側にも設けることができることは言うまでも
なく、この場合でも同等の作用効果を奏する。
【0068】実施形態11.図11は本発明の請求項3
に係る高周波加熱装置の第3例を示す側面断面図であ
り、図中、前述の第6実施形態(図6)に相当する部分
には同一符号を付してある。
【0069】この実施形態の高周波加熱装置は、開閉扉
7の対面に位置する壁面2eの上部に設けた曲面反射板
58に投光用の多数の穴58aを設けるとともに、その
裏に庫内灯10を設置したものである。それ以外の構成
は前述の第6実施形態のものと同様である。
【0070】この実施形態の高周波加熱装置において
も、開閉扉7の対面に位置する壁面2eの上部に設けた
曲面反射板58によって、曲面反射板58の裏面側に広
いスペースが生じる。このスペースに庫内灯10を設置
することで、スペースの有効利用が図れ、かつ加熱室1
内における投光角度が従来より広がり、明るい加熱室1
内を得ることができる
【0071】なお、ここでは曲面反射板58の裏面側に
庫内灯10を設置したものを例に挙げて説明したが、こ
れを前述の第2実施形態(図2)で説明した平面反射板
52の裏面側にも設けることができることは言うまでも
なく、この場合でも同等の作用効果を奏する。
【0072】実施形態12.図12は本発明の請求項5
に係る高周波加熱装置の第1例を示す正面断面図であ
り、図中、従来の図17に相当する部分には同一符号を
付してある。
【0073】この実施形態の高周波加熱装置は、給電口
4の対面に位置する壁面2d寄りに、加熱室1の頂面を
形成する壁面2bから垂下する揺動可能な平面反射板6
3を配置するとともに、平面反射板63を左右にスイン
グさせるための反射板駆動手段64を設け、反射板駆動
手段64の加熱室底面に対する角度を反射板制御装置に
よって、披加熱物6の形状、載置位置によって変化させ
るようにしたものである。
【0074】これを更に詳述すると、反射板駆動手段6
4は、平面反射板63の基端が固定された軸部材65
と、軸部材65にギヤ機構、ベルト機構またはリンク機
構等からなる動力伝達機構66を介して連結されたスイ
ング用モータ(図示せず)とから構成されている。
【0075】反射板制御装置は、被加熱物6が載置され
かつモータ91により回転させられるターンテーブル5
Aの回転位置を検出する回転位置検出手段92と、加熱
室1内に臨ませてその上部設置したカメラ93からの撮
像情報に基づいてターンテーブル5Aに載置されている
被加熱物6の輪郭の形状およびターンテーブル5A上の
位置を検出する形状・位置検出手段94と、回転位置検
出手段92により検出されたターンテーブル5Aの回転
位置情報、及び形状・位置検出手段94により検出され
た被加熱物6の形状・位置情報に基づいて、反射板駆動
手段64により平面反射板63の角度を変化させ、給電
口4から送出した高周波を被加熱物6へ反射させる反射
板角度制御手段95とから構成され、これら各手段は高
周波加熱装置の制御部内に設けられている。なお、ここ
では撮像情報を得る手段としてカメラ93を例に挙げた
が、それ以外に電解強度センサ等の採用も可能である。
それ以外の構成は従来の図17のものと同様である。
【0076】次に、この実施形態の高周波加熱装置の動
作を、被加熱物に徳利を用いた場合を例に挙げて説明す
る。まず、カメラ93により徳利を撮影し、徳利および
ターンテーブル5Aの画像データを形状・位置検出手段
94に入力する。形状・位置検出手段94では、この画
像データを分析し、ターンテーブル5A上の徳利の形状
および位置を検出する。
【0077】一方、ターンテーブル5Aを回転駆動する
モータ91の回転信号を回転位置検出手段92に入力す
る。回転位置検出手段92では、この回転信号に基づい
てターンテーブル5Aの回転位置を検出する。
【0078】次いで、ターンテーブル5A上の徳利の形
状及び位置を示すデータと、ターンテーブル5Aの回転
位置を示すデータを用いて、平面反射板63により反射
される電磁波が徳利の下部に集中するように、平面反射
板63の角度を設定する。すなわち、反射板角度制御手
段95が前記2つのデータを用いて、平面反射板63が
徳利下部と対向するための平面反射板63の最適角度を
検出し、この検出した角度になるように、反射板駆動手
段64によりスイング用モータを駆動させ、平面反射板
63の基端の軸部材65支点として左右に揺動させる。
ここで、徳利がターンテーブル5Aの中央からずれた位
置に載置された場合であっても、反射板角度制御手段9
5がターンテーブル5Aの回転に伴う徳利の位置の変化
を逐次検出し、徳利下部に平面反射板63が対向するよ
うに反射板駆動手段64により、平面反射板63を揺動
制御する。
【0079】このように、給電口4から直進してきた大
部分の高周波成分が、平面反射板63によって1回の反
射で被加熱物6の中心部付近の領域へ照射される。そし
て、被加熱物6の位置に応じて平面反射板63の傾きが
変化し、これによって常に被加熱物6の中心部付近の領
域へ高周波を集中的に照射させることができる。このた
め、加熱効率が向上し、加熱むら及び解凍むらを少なく
できて、被加熱物6を均一に加熱することができる。
【0080】実施形態13.図13は本発明の請求項5
に係る高周波加熱装置の第2例を示す側面断面図であ
り、図中、前述の第12実施形態(図12)に相当する
部分には同一符号を付してある。
【0081】この実施形態の高周波加熱装置は、開閉扉
7対面に位置する壁面2e寄りに、加熱室1の頂面を形
成する壁面2bから垂下する揺動可能な平面反射板68
を配置するとともに、平面反射板68を前後にスイング
させるための反射板駆動手段64を設け、反射板駆動手
段64の加熱室底面に対する角度を反射板制御装置によ
って、披加熱物6の形状、載置位置によって変化させる
ようにしたものである。
【0082】反射板駆動手段64は、前述の第12実施
形態で説明したと同様に平面反射板68の基端が固定さ
れた軸部材65と、軸部材65にギヤ機構、ベルト機構
またはリンク機構等からなる動力伝達機構66を介して
連結されたスイング用モータ(図示せず)とから構成さ
れている。
【0083】また、反射板制御装置も、前述の第12実
施形態で説明したと同様に被加熱物6が載置されかつモ
ータ91により回転させられるターンテーブル5Aの回
転位置を検出する回転位置検出手段92と、加熱室1内
に臨ませてその上部設置したカメラ93からの撮像情報
に基づいてターンテーブル5Aに載置されている被加熱
物6の輪郭の形状およびターンテーブル5A上の位置を
検出する形状・位置検出手段94と、回転位置検出手段
92により検出されたターンテーブル5Aの回転位置情
報、及び形状・位置検出手段94により検出された被加
熱物6の形状・位置情報に基づいて、反射板駆動手段6
4により平面反射板63の角度を変化させ、給電口4か
ら送出した高周波を被加熱物6へ反射させる反射板角度
制御手段95とから構成され、これら各手段が高周波加
熱装置の制御部内に設けられている。それ以外の構成は
前述の第12実施形態のものと同様である。
【0084】この実施形態の高周波加熱装置において
も、前述の第12実施形態と同様に平面反射板68によ
って、被加熱物6の中心部付近の領域への高周波の照射
量を増やすことができる。このため、加熱効率が向上
し、加熱むら及び解凍むらを少なくできて、被加熱物6
を均一に加熱することができる。
【0085】実施形態14.図14は本発明の請求項5
に係る高周波加熱装置の第3例を示す正面断面図、図1
5はその曲率変更機構の要部を示す斜視図であり、各図
中、前述の第12実施形態(図12)に相当する部分に
は同一符号を付してある。
【0086】この実施形態の高周波加熱装置は、給電口
4の対面に位置する壁面2d寄りに、凹面状の球面反射
板71を、加熱室下部中心に臨ませて配置するととも
に、球面反射板71の曲率を、運転時間の経過とともに
変化させる曲率変更機構72を設けたものである。
【0087】球面反射板71は、一辺が加熱室1の頂面
を形成する壁面2bに所定角度をもって固定された平板
状の基体73と、基体73の中央部に形成した孔の周り
にヒンジ74により結合されて基体裏面側に配置され、
シャッタのようにそれぞれが部分的に積層された複数の
球面形成片75とから構成されている。
【0088】曲率変更機構72は、各ヒンジ74に装着
され、一端が基体73の裏面に、他端が球面形成片75
の背面に、結合されて、それぞれが対応する球面形成片
75を常時背面側(曲率を小さくする方向)に付勢する
複数のねじりばね76と、各球面形成片75の背面に形
成された紐ガイド77と、これら紐ガイド77により脱
落が防止されて球面反射板71の背面に巻回され、一端
が基体73の裏面側に結合されるとともに、他端が基体
73の裏面に設けたリング部材78を通して加熱室1の
上面に延出してボビン79に巻回された紐81と、ボビ
ン79を回転駆動することによって球面反射板71の曲
率を変化させるモータ82と、紐81のリング部材78
とボビン79との間に装着されてリング部材78と係合
可能なストッパリング83とから構成され、モータ82
は図示しない操作パネルにより(披加熱物の形状、特徴
によって)使用者が設定する運転モードに応じて、運転
時間の経過とともに球面反射板71の曲率を変化させる
機能を有し、またストッパリング83は球面反射板71
の曲率を、通常は給電口4から直進してきた高周波成分
をテーブル5の上に置かれた被加熱物6の下部中心に向
けて反射させ得る曲率(以下、基準曲率という)に保持
させる機能を有している。なお、リング部材78の紐8
1が摺動する内面には低摩擦材が塗布され、紐81がス
ムーズにスライドできるようになっているが、これをピ
ンチローラに置き換えてもよい。それ以外の構成は前述
の第12実施形態のものと同様である。
【0089】この実施形態の高周波加熱装置において、
操作パネルにより使用者が運転モードを設定し、スター
トキーを押すと、マグネトロン3で高周波が発生し、給
電口4に導かれ、給電口4から加熱室1内に送出され
る。加熱室1内に送出された高周波成分は直進する割合
が多いので、大部分の高周波成分が球面反射板71に入
射する。球面反射板71は、通常はストッパリング83
により基準曲率に保持されている状態にあるため、運転
開始当初は給電口4から直進してきた高周波成分は、球
面反射板71によってテーブル5の上に置かれた被加熱
物6の下部中心に向けて反射させられる。
【0090】使用者が設定した運転モードが、例えば手
動モードで加熱時間が2分間に設定されている場合、被
加熱物6の下部中心への照射を1分間とし、1分経過す
るとモータ82が作動し、ボビン79により紐81を巻
き取っていき、これにより各球面形成片75をそれぞれ
のねじりばね76の付勢力に抗して表面側(曲率を大き
くする方向)に揺動させて、その焦点距離を長くし、被
加熱物6に対する高周波成分の照射領域が拡大するよう
に変化させる。そして設定された加熱時間(2分間)が
経過すると、ねじりばね76の付勢力によってボビン7
9から紐81が繰り出され、ストッパリング83がリン
グ部材78と係合することにより紐81の繰り出しが停
止し、球面反射板71がその曲率を基準曲率に保持され
る。
【0091】このように、給電口4から直進してきた大
部分の高周波成分が、球面反射板71によって1回の反
射で被加熱物6の下部中心に照射される。そして、運転
時間の経過とともに球面反射板71の曲率が変化し、こ
れによって被加熱物6に高周波を集中的に照射させる場
所が変化(拡大)し、被加熱物6の全域に高周波成分を
隈無く照射させる。したがって、被加熱物6の中心部に
対する高周波の照射量を増やしながら被加熱物6の全域
に対しても1回の反射で高周波成分を隈無く照射させる
ことができる。このため、加熱効率が向上し、加熱むら
及び解凍むらを少なくできて、被加熱物6を均一に加熱
することができる。
【0092】実施形態15.図16は本発明の請求項5
に係る高周波加熱装置の第4例を示す側面断面図であ
り、図中、前述の第14実施形態(図14,図15)に
相当する部分には同一符号を付してある。
【0093】この実施形態の高周波加熱装置は、開閉扉
7の対面に位置する壁面2e寄りに、開閉扉面に対して
凹面状となる球面反射板84を、加熱室下部中心に臨ま
せて配置するとともに、球面反射板84の曲率を、運転
時間の経過とともに変化させる曲率変更機構72を設け
たものである。なお、球面反射板84および曲率変更機
構72の構成は前述の第14実施形態で説明したものと
同様であるので詳細については省略し、説明に当たって
は前述の図15を参照するものとする。
【0094】この実施形態の高周波加熱装置において
も、前述の第14実施形態と同様に球面反射板84によ
って、被加熱物6の中心部に対する高周波の照射量を増
やしながら被加熱物6の全域に対しても高周波成分を隈
無く照射させることができる。このため、加熱効率が向
上し、加熱むら及び解凍むらを少なくできて、被加熱物
6を均一に加熱することができる。
【0095】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の発明によ
れば、加熱室の壁面に、加熱室の中心下部に対向させ
て、加熱室底面との角度が45度以上になるように平面
反射面を形成し、給電口から送出される高周波を加熱室
の中心下部へ反射させるようにしたので、平面反射面に
よって被加熱物の中心部付近の領域に照射することがで
きる。このため、高周波の減衰が少なくなり、加熱効率
が向上し、被加熱物の加熱むら及び解凍むらを少なくす
ることができて、被加熱物の均一加熱が可能となる。更
に加熱時間の短縮化が図れ、電力消費量を抑えることが
できる。
【0096】また、請求項2の発明によれば、給電口の
対面に位置する加熱室の壁面に平面反射面を形成したの
で、平面反射面による高周波の反射効率が向上し、被加
熱物の中心部付近の領域に対しより効率良く照射するこ
とができる。
【0097】また、請求項3の発明によれば、加熱室の
壁面に、加熱室の中心下部に対向するように、加熱室寸
法の最小値の1/4よりも大きい曲率半径を有する凹面
状の曲面反射面を設け、給電口から送出される高周波を
加熱室の中心下部へ反射させるようにしたので、曲面反
射面によって被加熱物の下部中心付近の領域に集中的に
照射させることができる。このため、加熱効率が良く、
かつ被加熱物の加熱むら及び解凍むらを少なくすること
ができ、被加熱物を均一に加熱することができる。
【0098】また、請求項4の発明によれば、給電口の
対面に位置する加熱室の壁面に曲面反射面を形成したの
で、曲面反射面による高周波の反射効率が向上し、被加
熱物の中心部付近の領域に対しより効率良く集中するこ
とができる。
【0099】また、請求項5の発明によれば、被加熱物
が載置され回転するターンテーブルの回転位置を検出す
る回転位置検出手段と、ターンテーブルに載置される被
加熱物の形状及び位置を検出する形状・位置検出手段
と、加熱室にターンテーブルに対向するように設けられ
た平面反射板と、平面反射板とターンテーブルとの角度
を変化させるように平面反射板を駆動させる反射板駆動
手段と、回転位置検出手段により検出されたターンテー
ブルの回転位置、および形状・位置検出手段により検出
された被加熱物の形状・位置に基づいて、反射板駆動手
段により平面反射板の角度を変化させ、給電口から送出
した高周波を被加熱物へ反射させる反射板角度制御手段
とを設けたので、被加熱物の位置に応じて平面反射板の
傾きを変化させることができる。そして、この揺動可能
な平面反射板によって常に被加熱物の中心部付近の領域
へ高周波を集中的に照射させることができ、加熱効率が
向上し、加熱むら及び解凍むらを少なくできて、被加熱
物を均一に加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る高周波加熱装置
を示す正面断面図である。
【図2】 本発明の第2実施形態に係る高周波加熱装置
を示す側面断面図である。
【図3】 本発明の第3実施形態に係る高周波加熱装置
を示す上面断面図である。
【図4】 本発明の第4実施形態に係る高周波加熱装置
を示す上面断面図である。
【図5】 本発明の第5実施形態に係る高周波加熱装置
を示す正面断面図である。
【図6】 本発明の第6実施形態に係る高周波加熱装置
を示す側面断面図である。
【図7】 本発明の第7実施形態に係る高周波加熱装置
を示す上面断面図である。
【図8】 本発明の第8実施形態に係る高周波加熱装置
を示す上面断面図である。
【図9】 本発明の第9実施形態に係る高周波加熱装置
を示す正面断面図である。
【図10】 本発明の第10実施形態に係る高周波加熱
装置を示す正面断面図である。
【図11】 本発明の第11実施形態に係る高周波加熱
装置を示す側面断面図である。
【図12】 本発明の第12実施形態に係る高周波加熱
装置を示す正面断面図である。
【図13】 本発明の第13実施形態に係る高周波加熱
装置を示す側面断面図である。
【図14】 本発明の第14実施形態に係る高周波加熱
装置を示す正面断面図である。
【図15】 第14実施形態に係る高周波加熱装置の曲
率変更機構の要部を示す斜視図である。
【図16】 本発明の第15実施形態に係る高周波加熱
装置を示す側面断面図である。
【図17】 従来の高周波加熱装置の一例を示す正面断
面図である。
【図18】 従来の高周波加熱装置の他の例を示す正面
断面図である。
【図19】 従来の高周波加熱装置の更に他の例を示す
正面断面図である。
【符号の説明】
1 加熱室、2d 給電口対面の壁面(加熱室の壁
面)、2e 開閉扉対面の壁面(加熱室の壁面)、3
マグネトロン、4 給電口、5A ターンテーブル、6
被加熱物、30 高周波、51,52 平面反射板
(平面反射面)、57,58,61,62 曲面反射板
(曲面反射面)、63,68 揺動可能な平面反射板、
64 反射板駆動手段、91 モータ、92 回転位置
検出手段、94形状・位置検出手段、95 反射板角度
制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金井 孝博 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地1 三菱電機ホーム機器株式会社内 (72)発明者 小岩 芳明 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地1 三菱電機ホーム機器株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱物を収容する加熱室と、 該加熱室に設けられ高周波を送出する給電口と、 該加熱室の壁面に、該加熱室の中心下部に対向させ、該
    加熱室底面との角度が45度以上になるように形成さ
    れ、該給電口から送出される高周波を該加熱室の中心下
    部へ反射させる平面反射面と、を備えたことを特徴とす
    る高周波加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記給電口の対面に位置する前記加熱室
    の壁面に前記平面反射面を形成したことを特徴とする請
    求項1記載の高周波加熱装置。
  3. 【請求項3】 被加熱物を収容する加熱室と、 該加熱室に設けられ高周波を送出する給電口と、 該加熱室の壁面に、該加熱室の中心下部に対向するよう
    に形成され、該加熱室寸法の最小値の1/4よりも大き
    い曲率半径を有し、該給電口から送出される高周波を該
    加熱室の中心下部へ反射させる凹面状の曲面反射面と、
    を備えたことを特徴とする高周波加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記給電口の対面に位置する前記加熱室
    の壁面に前記曲面反射面を形成したことを特徴とする請
    求項3記載の高周波加熱装置。
  5. 【請求項5】 被加熱物を収容する加熱室と、 該加熱室に設けられ、高周波を送出する給電口と、 該加熱室に設けられ、被加熱物が載置され回転するター
    ンテーブルと、 該ターンテーブルの回転位置を検出する回転位置検出手
    段と、 該ターンテーブルに載置される被加熱物の形状及び位置
    を検出する形状・位置検出手段と、 該加熱室に該ターンテーブルに対向するように設けられ
    た平面反射板と、 この平面反射板と該ターンテーブルとの角度を変化させ
    るように該平面反射板を駆動させる反射板駆動手段と、 該回転位置検出手段により検出された該ターンテーブル
    の回転位置、および該形状・位置検出手段により検出さ
    れた被加熱物の形状・位置に基づいて、該反射板駆動手
    段により該平面反射板の角度を変化させ、該給電口から
    送出した高周波を被加熱物へ反射させる反射板角度制御
    手段と、を備えたことを特徴とする高周波加熱装置。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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