JPH10121176A - フランジ成形性の優れたdi缶胴用アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents

フランジ成形性の優れたdi缶胴用アルミニウム合金板およびその製造方法

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JPH10121176A
JPH10121176A JP27796296A JP27796296A JPH10121176A JP H10121176 A JPH10121176 A JP H10121176A JP 27796296 A JP27796296 A JP 27796296A JP 27796296 A JP27796296 A JP 27796296A JP H10121176 A JPH10121176 A JP H10121176A
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Satoru Shoji
了 東海林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクラップの配合比率を高めてSiとZnの
含有量が高くなっても良好なフランジ成形性を維持でき
るDI缶胴用アルミニウム合金板を提供する。 【解決手段】 Mg0.7〜1.3wt%、Mn0.8
〜1.3wt%、Fe0.3〜0.7wt%、Si0.
1〜0.5wt%、Zn0.5wt%以下、Ti0.0
05〜0.1wt%を単独で、もしくはB0.0001
〜0.1wt%と組み合わせて含有し、必要に応じC
u、Crのうち1種又は2種をそれぞれ0.3wt%以
下含有し、不純物としてのアルカリ金属元素が1ppm
以下に規制され、残部がAlとその他の不可避不純物か
らなることを特徴とするフランジ成形性の優れたDI缶
胴用アルミニウム合金板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フランジ成形性に
優れ、スクラップの配合比率を高めることができるDI
缶胴用アルミニウム合金板およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金板に深絞り成形としご
き成形を順次施して缶胴とする2ピースアルミニウムD
I缶胴はビールや炭酸飲料などの容器として従来から広
く用いられている。このような用途の缶胴材としては、
JIS−3004アルミニウム合金硬質板が良好な成形
性と強度を有するため専ら使用されている。アルミニウ
ムDI缶胴の成形工程は、0.28〜0.37mm程度
の厚さの前記JIS−3004アルミニウム合金硬質板
をDI成形(カッピング成形⇒リドロー成形⇒3段連続
のしごき成形)してストレート缶(このストレート缶の
側壁部の厚さは約100〜110μm、後にネッキング
及びフランジ成形を受ける側壁先端部分の板厚は約15
0〜180μmとやや厚く設定されている)を得、その
後トリミング(縁切り)、脱脂洗浄、化成処理、内外面
塗装、焼き付け加熱を順次施した後、ネッキング成形し
て開口部の径を縮小し、最後に缶蓋との巻き締めをし易
くするためのフランジ成形(口拡げ成形)を行う。その
後、飲料などの内容物を充填した後、エンド(蓋)を二
重巻き締め加工して密閉する。このJIS−3004ア
ルミニウム合金板は、鋳造、面削、均質化処理、熱間圧
延、冷間圧延という一連の工程で製造される。更に必要
に応じ、冷間圧延の後で仕上げ焼鈍、脱脂洗浄、カッピ
ング用潤滑油塗布が施される。また強度調整のため、冷
間圧延に先立ちまたは冷間圧延の途中に、中間焼鈍が施
されるのが通例である。
【0003】ところで、近年、アルミニウム缶の経済性
をより向上させるために使用材料の薄肉化と使用済缶ス
クラップ(UBC、Used Beverage Ca
n)の缶胴用材料への再生利用を更に徹底しようとする
機運が高まりつつある。缶胴用材料の薄肉化は、缶種に
よって異なるが、最も多く使用されている 350ml缶を
例に挙げれば、当初の0.4mmから0.28mmへと
推移し、更なる薄肉化への開発が精力的に進められてい
る。このような薄肉化に伴って、缶成形上の問題にも変
化が起きてきている。即ち、従来の課題であったDI成
形工程での耳率の低減と破胴の防止は、最近の成形技術
の進歩と缶用材料の改善とによりほぼ解決されている。
しかし、更なる薄肉化の進行によりDI成形後のネッキ
ングと、これに続くフランジ加工と缶蓋の巻き締め工程
での缶端開口部の微小割れが新たな課題として浮上して
きた。中でも缶端開口部の微小割れ防止については、そ
の解決が強く望まれている。また、使用済缶スクラップ
(UBC)の再生使用率(再生率)は数年前は高々数%
であったが、最近は、社会的機運の高まりもあって、2
0〜40%にもなってきている。またUBC以外の他用
途に使用された種々の低純度スクラップも缶材に再生使
用してコスト低減を図りたいとする要望が高まってきて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにス
クラップ使用率が高まるにつれて缶胴材の純度が低下
し、成形性が低下するという問題が生じた。具体的には
スクラップに由来するSiとZnが増加し、缶胴のフラ
ンジ割れ発生比率が増加するという問題である。Siは
従来は0.1〜0.2wt%であったものが現在は0.
22〜0.30wt%に、Znは従来0.02wt%程
度であったものが現在は0.05〜0.1wt%にそれ
ぞれ増加し、今後も更に増加する傾向にある。これに伴
い、フランジ成形(口拡げ成形)や、その後のエンド
(蓋)との二重巻き締め加工時に割れが発生し、内容物
が漏れるという不具合を生じることが判明した。
【0005】このようなことから、本発明者らは鋭意研
究を行い、アルミニウム合金板中の不純物のアルカリ金
属元素がフランジ成形性に甚だ悪い影響を及ぼすことを
知見し、このアルカリ金属元素を厳密に規制することに
よりSiとZnの含有量が高くなっても良好なフランジ
成形性を維持できることを見出した。従来より、Na等
のアルカリ金属元素は、缶用材料の主要成分であるMg
地金から混入し易く、これら元素が微量でも含まれると
鋳造や熱間圧延などの熱間加工で割れが生じ易くなるこ
とが知られており、その含有量は通常数十ppm、更に
は10ppm以下に規制されている。しかし、アルカリ
金属元素が、過酷な冷間・温間成形性に及ぼす影響につ
いては、未だ確かな知見が得られていない。例えば、特
開平6−271968号公報および特開平6−2719
69号公報には、NaやKは10ppm以下であれば、
DI成形性に支障のないことが示唆されているが具体的
な例証は挙げられていない。またフランジ成形性への影
響については些かも触れられていない。本発明者等は、
材料の再生利用で含有元素が微量変化したときの成形
性、特にフランジ成形性に及ぼすアルカリ金属元素の影
響について研究を行う中で新たな知見を得て、本発明を
完成させるに至った。本発明の目的は、スクラップの配
合比率を高めてSiとZnの含有量が高くなっても良好
なフランジ成形性が維持できるDI缶胴用アルミニウム
合金板およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
Mg0.7〜1.3wt%、Mn0.8〜1.3wt
%、Fe0.3〜0.7wt%、Si0.1〜0.5w
t%、Zn0.5wt%以下、Ti0.005〜0.1
wt%を単独で、もしくはB0.0001〜0.1wt
%と組み合わせて含有し、必要に応じCu、Crのうち
1〜2種をそれぞれ0.3wt%以下含有し、不純物と
してのアルカリ金属元素が1ppm以下に規制され、残
部がAlとその他の不可避不純物からなることを特徴と
するフランジ成形性の優れたDI缶胴用アルミニウム合
金板である。
【0007】請求項2記載の発明は、Mg0.7〜1.
3wt%、Mn0.8〜1.3wt%、Fe0.3〜
0.7wt%、Si0.1〜0.5wt%、Zn0.5
wt%以下、Ti0.005〜0.1wt%を単独で、
もしくはB0.0001〜0.1wt%と組み合わせて
含有し、必要に応じCu、Crのうち1〜2種をそれぞ
れ0.3wt%以下含有し、不純物としてのアルカリ金
属元素が1ppm以下に規制され、残部がAlとその他
の不可避不純物からなるアルミニウム合金鋳塊に均質化
処理、熱間圧延を施し、必要に応じて熱間圧延の後また
は熱間圧延の後の冷間圧延の途中に再結晶化焼鈍を施
し、60〜90%の最終冷間圧延を施し、必要に応じて
仕上げ焼鈍を施すことを特徴とするフランジ成形性の優
れたDI缶胴用アルミニウム合金の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の合金元素について
詳細に説明する。Mgはアルミニウム合金板に缶胴とし
て必要な耐圧強度を付与する。添加量が0.7wt%未
満では強度が不十分で、缶胴として必要な耐圧強度が不
足する。また添加量が1.3wt%を超えるとアルミニ
ウム合金板の強度が高すぎるためとDI成形時に加工硬
化し易くなるために、破胴(しごき割れ)の発生頻度が
増加する。Mgの最適添加量は、他元素の添加量や製造
条件によりやや変化するが、耐圧強度としごき成形性の
バランスの良好な範囲は0.8〜1.2wt%、更に望
ましくは0.85〜1.15wt%の範囲である。
【0009】Mnは耐圧強度を向上させるとともに、し
ごき成形性を向上させる。DI成形においては、通常エ
マルジョン型またはソルブル型の潤滑材が使用される
が、Mn添加量が少ない場合はこれだけでは潤滑性が不
十分であり、アルミニウム合金板と金型との凝着による
ビルトアップが発生してゴーリングまたはスコアリング
と呼ばれる擦り傷や焼き付きが発生する。Mnはα-Al
12(Fe,Mn)4Si, Al6Mn, Al6(FeMn)などの金属間化合物
(晶出化合物)を形成し、この晶出化合物が固体潤滑作
用を有しビルトアップの発生を抑制するため、前記ゴー
リング等の発生を防ぐ効果がある。またMnはα-Al
12(Fe,Mn)4Si を形成し、高速しごき成形での破胴を抑
制する効果を有する。Mn添加量が0.8wt%未満で
はしごき成形性が不十分であるとともに耐圧強度も不足
する。Mn添加量が1.3wt%を超えるとしごき成形
性および耐圧強度向上効果が飽和する上、後述のFeと
結合してAl−Mn−Fe系の巨大な初晶化合物が溶解
鋳造時に発生し易くなり、これが圧延後も残存するため
成形時に割れやピンホールが発生する危険が増大する。
Mnの最適添加量の範囲は0.9〜1.1wt%の範囲
である。
【0010】Feは前記Mnの晶出化合物の生成を促進
するとともにその分布状態を均一化し、DI成形中のゴ
ーリング等の発生を防止する。Fe添加量が0.3wt
%未満では効果が不十分であり、0.7wt%を超える
と前記Al−Mn−Fe系の巨大初晶化合物が発生し易
くなりピンホールやフランジ・巻き締め割れ等の原因に
なるとともに耳率が増加する。Feの最適添加量の範囲
は0.35〜0.45wt%である。
【0011】SiはMnと結合し固体潤滑作用を有する
α-Al12(Fe,Mn)4Si 金属間化合物を形成して、DI成形
時のビルトアップの発生を抑制し、ゴーリング等の発生
を防ぐ効果があるとともに高速しごき成形における破胴
の発生を抑制する効果を有する。Si含有量が0.1w
t%未満ではゴーリング防止効果が不足するが、含有量
が多いと脆いMg−Si系金属間化合物や単体Siが多
くなり、フランジ成形時に割れの発生頻度が増加する。
スクラップの配合比率を高めるために本発明によりアル
カリ金属元素を1ppm以下に規制したとしても、Si
の許容範囲の上限は0.5wt%、より望ましくは0.
4wt%である。
【0012】Znは0.1wt%程度までの含有であれ
ば特に害は及ぼさないが、0.1wt%を超えるとMg
と結合し脆いMg−Zn金属間化合物を形成するように
なり、フランジ成形時に割れの発生頻度が増加する。本
発明によりアルカリ金属元素を1ppm以下に規制した
としてもその許容範囲は0.5wt%以下、より望まし
くは0.4wt%以下である。
【0013】Ti、またはTiおよびBを鋳塊組織の均
一微細化のために添加する。Tiが0.005wt%未
満では鋳塊組織の均一微細化効果が得られず、また0.
1wt%を超えるとAl−Ti系の巨大初晶化合物が溶
解鋳造時に発生し易くなり、これが圧延後も残存するた
め成形時に割れやピンホールが発生する危険性が増大す
る。BはTiと共存させるとTiの鋳塊結晶粒の均一微
細化効果を助長する効果がある。Bが0.0001wt
%未満ではその効果が十分に得られず、0.1wt%を
超えるとTi−B系の巨大初晶化合物が溶解鋳造時に発
生し易くなり、これが圧延後も残存するため成形時に割
れやピンホールが発生する危険が増大する。Tiは0.
01〜0.03wt%、Bは0.0002〜0.001
wt%の範囲で同時に含有させるのが望ましい。
【0014】CuまたはCrは耐圧強度を向上させるの
で必要に応じて(例えばサイダーなどの高圧炭酸飲料缶
用とする場合など)各々0.3wt%までは添加しても
良い。添加量が0.3wt%を超えるとアルミニウム合
金板の強度が高くなりすぎ、破胴率が増加する。
【0015】アルカリ金属元素はフランジ成形性に甚だ
悪い影響を及ぼす。ここでアルカリ金属元素とは、N
a、Li、K、Rb、Cs、Frなどである。アルカリ
金属元素がフランジ成形性に悪影響を及ぼす機構の詳細
はまだ良く判っていないが、アルカリ金属元素はMg−
Si系あるいはMg−Zn系の金属間化合物とAlマト
リクスの界面に単原子層として存在し、これらの金属間
化合物の割れや剥離に伴う亀裂の伝播を容易にし、フラ
ンジ成形性を悪化させるのではないかと推定される。従
来の缶胴用アルミニウム合金板はいずれもアルカリ金属
元素量は3〜10ppmの範囲であり、上記のようにS
i、Zn量が少ない場合には問題が顕在化しなかった
が、Si量を0.3wt%以上、Zn量を0.1wt%
以上とした場合にはアルカリ金属元素量は1ppm以下
に規制しなければフランジ成形性は確保できない。アル
カリ金属元素量を低減する手段としては、鋳造前の溶湯
処理の段階で塩素を含有したアルゴンガスを十分な時間
吹き込み塩化物としてアルミ溶湯表面に浮かせてノロと
して除去するなどの手段を取ればよい。
【0016】アルカリ金属元素以外の不純物について
は、JIS−3004の範囲内であれば特に問題はな
い。
【0017】次に本発明における製造条件について説明
する。前記組成のアルミニウム合金鋳塊に対し面削後必
要に応じ均質化処理を施し、Mnなどの添加元素のミク
ロ的偏析を拡散・消滅させ固溶原子の分布を均一化し耳
率と破胴率を低下させる。この均質化処理は560〜6
30℃で3時間以上施すのか望ましい。また前記均質化
処理後、400〜530℃で1時間以上の2段目の均質
化処理を施すと耳率が低下するので更に望ましい。
【0018】次いで常法により熱間圧延を施し、必要に
応じて熱間圧延後、または熱間圧延後の冷間圧延の途中
に再結晶化のための焼鈍を施す。この焼鈍は定置式のバ
ッチ炉ならば300〜400℃で1時間以上、連続焼鈍
炉なら350〜600℃で10分以内施せばよい。
【0019】次いで最終冷間圧延を施すが、その圧延率
は60〜90%の範囲とする。最終冷間圧延率が60%
未満では製缶時の塗装焼き付け加熱での回復が十分では
なくフランジ成形性が低下する。また最終冷間圧延率が
90%を超えると強度が高すぎ、DI成形時にカッピン
グ割れやしごき割れ(破胴)が発生し易くなる。
【0020】更に最終冷間圧延後に必要に応じ仕上げ焼
鈍を施す。この仕上げ焼鈍を施す目的は、最終冷間圧延
した素板の伸びが小さい場合に素板に適度な延性を付与
し缶底のしわやカップ割れの発生を防止するためであ
る。仕上げ焼鈍を施す場合の望ましい条件は100〜1
50℃で1〜5時間である。
【0021】更に、必要に応じ、上記の最終冷間圧延合
金板または最終冷間圧延後に仕上げ焼鈍を施した合金板
に対し常法により洗浄、矯正、カッピング用潤滑油塗布
を施す。これは当業者においては通常実施している仕上
げ処理である。
【0022】以上説明した製造方法によるアルミニウム
合金板は高速しごき成形性が優れるため、特に高速製缶
用のDI缶胴用材料として非常に好適である。
【0023】
【実施例1】以下に、本発明を実施例により更に詳細に
説明する。 (実施例1)表1に示す No.A〜Sの組成の各種アルミ
ニウム合金を常法により溶解鋳造し、面削後、610℃
で8時間の第1段均質化処理を施した後、490℃で2
時間の第2段均質化処理を施した。次いでリバース式の
熱間粗圧延機により開始温度440℃で厚さ490mm
から25mmまで熱間粗圧延した。続いて4タンデム式
の熱間仕上げ圧延機により開始温度350℃、終了板厚
2.2mm、コイル巻き取り温度315℃で熱間仕上げ
圧延した。次いで連続焼鈍炉を使用し、380℃で0分
の焼鈍を施し、ただちに冷却した。その後、最終冷延を
0.30mmまで施し(最終冷延率86%、冷延パス数
は3回)、最後に常法により洗浄、矯正、カッピング用
潤滑油の塗布を施しDI缶胴用アルミニウム合金板とし
た。このようにして得られたアルミニウム合金板に対
し、引張り試験によりベーク相当処理(205℃×20
分)前後の強度を測定した。また製缶ラインにて350
ml容量のDI缶胴(側壁板厚105μm、最終第3し
ごき率40%)に各1万缶成形(製缶)した。このとき
の割れ発生缶数を調べた。次に、トリミング(縁切
り)、脱脂洗浄、化成処理、内外面塗装、焼き付け加熱
(200℃で20分)を順次施した後、ネッキング成形
して開口部の径を縮小し、フランジ成形(口拡げ成形)
を行い、その後、炭酸飲料を充填した後、エンドと巻き
締め加工を行った。また焼き付け加熱後の缶胴に円錐形
(開角90度)の押し込み治具により口拡げ成形を行
い、割れが発生するまでの口径の拡がり率を測定して拡
管率を評価した。また製缶した缶の焼き付け加熱(20
0℃で20分)後の耐圧強度を水圧負荷法により測定し
た。またDI缶胴成形時、フランジ成形時、巻き締め加
工時のそれぞれの割れ発生缶数を調べた。結果を表2に
示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表2より明らかなように、本発明組成の N
o.A〜Fはアルカリ金属元素(主にNa)が1ppm以
下のため、Si、Zn量を増やしても拡管率が14%以
上と良好で、フランジ成形、巻き締めでの割れ発生率が
ゼロであり良好なフランジ成形性を示し製缶上の他の不
具合も発生していない。これに対し、Mg、Mnの少な
い No.Gはベーク相当処理後の強度、つまり缶胴として
の耐圧強度が低い。Fe、Si量の少ない No.Iはゴー
リングが発生した。Ti、Bが無添加の No.Jは鋳塊組
織が粗く、缶にした時に肌荒れ状の外観不良が生じた。
Mg、Mn量の多い No.Jはカッピング割れが発生し
た。Fe、Si量の多い No.Kはフランジ・巻き締め割
れが発生した。Ti、Bの多い No.Lはピンホールと破
胴が発生し、フランジ割れ・巻き締め割れも発生した。
Cu、Crの多い No.M、Nは破胴が発生した。Si、
Znが本発明範囲内でもNaの多い No.O、P、Qはフ
ランジ割れ・巻き締め割れが発生した。Naが本発明内
でもSi、Znが多すぎる No.R、Sはやはりフランジ
割れ・巻き締め割れが発生した。
【0027】(実施例2)実施例1の No.Fのアルミニ
ウム合金鋳塊を615℃で7時間の初段均質化処理後5
00℃で3時間の第2段均質化処理を施し、熱間圧延し
た。続いて冷間圧延、焼鈍、最終冷間圧延、仕上げ焼鈍
を施した。その詳細な条件を表3に示す。このようにし
て得たアルミニウム合金板を実施例1と同様に評価し
た。結果を表4に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】表4より明らかなように、本発明工程によ
るNo.1〜4 はフランジ成形性が良好で製缶上問題となる
点もない。これに対し最終冷間圧延率の低いNo.5はフラ
ンジ成形性が劣り、最終冷間圧延率の高すぎるNo.6,7は
カッピング割れや破胴が発生した。
【0031】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
フランジ成形性に優れ、スクラップの配合比率を高める
ことができるDI缶胴用アルミニウム合金板が得られ、
資源のリサイクルに寄与し、工業上顕著な効果を奏す
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg0.7〜1.3wt%、Mn0.8
    〜1.3wt%、Fe0.3〜0.7wt%、Si0.
    1〜0.5wt%、Zn0.5wt%以下、Ti0.0
    05〜0.1wt%を単独で、もしくはB0.0001
    〜0.1wt%と組み合わせて含有し、必要に応じC
    u、Crのうち1種又は2種をそれぞれ0.3wt%以
    下含有し、不純物としてのアルカリ金属元素が1ppm
    以下に規制され、残部がAlとその他の不可避不純物か
    らなることを特徴とするフランジ成形性の優れたDI缶
    胴用アルミニウム合金板。
  2. 【請求項2】 Mg0.7〜1.3wt%、Mn0.8
    〜1.3wt%、Fe0.3〜0.7wt%、Si0.
    1〜0.5wt%、Zn0.5wt%以下、Ti0.0
    05〜0.1wt%を単独で、もしくはB0.0001
    〜0.1wt%と組み合わせて含有し、必要に応じC
    u、Crのうち1種又は2種をそれぞれ0.3wt%以
    下含有し、不純物としてのアルカリ金属元素が1ppm
    以下に規制され、残部がAlとその他の不可避不純物か
    らなるアルミニウム合金鋳塊に均質化処理、熱間圧延を
    施し、必要に応じて熱間圧延の後または熱間圧延の後の
    冷間圧延の途中に再結晶化焼鈍を施し、圧延率60〜9
    0%の最終冷間圧延を施し、必要に応じて仕上げ焼鈍を
    施すことを特徴とするフランジ成形性の優れたDI缶胴
    用アルミニウム合金の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018104762A (ja) * 2016-12-26 2018-07-05 日新製鋼株式会社 溶融Al系めっき鋼板の製造方法、および溶融Al系めっき鋼板
JP2019206757A (ja) * 2014-12-19 2019-12-05 ノベリス・インコーポレイテッドNovelis Inc. アルミニウムボトルの高速生産に適したアルミニウム合金及びその製造方法

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