JPH10115727A - 分散補償光ファイバ - Google Patents

分散補償光ファイバ

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JPH10115727A
JPH10115727A JP9222479A JP22247997A JPH10115727A JP H10115727 A JPH10115727 A JP H10115727A JP 9222479 A JP9222479 A JP 9222479A JP 22247997 A JP22247997 A JP 22247997A JP H10115727 A JPH10115727 A JP H10115727A
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JP
Japan
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optical fiber
dispersion
compensating optical
layer
dispersion compensating
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Application number
JP9222479A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Sugizaki
隆一 杉崎
Tamotsu Kamiya
保 神谷
Yoichi Akasaka
洋一 赤坂
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空間占有量の少ないコンパクトな小径コイル
に巻き付け可能であり、かつ偏波分散の増加を抑えるこ
とが可能な分散補償光ファイバを提供することを目的と
する。 【解決手段】 伝送波長において波長分散を有する光フ
ァイバに接続して、前記波長分散を相殺し、伝送波長に
おける伝送システム全体の波長分散を実質的に零にす
る、または零に近づけるための分散補償光ファイバであ
って、石英系ガラスからなるコアと、このコアの外周に
形成された、石英系ガラスからなるクラッドと、このク
ラッドの外周に形成されたプラスチック樹脂からなる被
覆層とを具備するとともに250μmより小さい外径を
有し、前記被覆層は、20μm以上の厚さを有し、内層
とこの内層よりも高いヤング率の外層とを含む少なくと
も2層以上の多層構造を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正の波長分散を有
する光ファイバに接続して、その光ファイバの波長分散
をほぼ零にする負の波長分散を有する分散補償光ファイ
バに関する。
【0002】
【従来の技術】光通信伝送路として現在一般に敷設され
ている光ファイバは、1.3μmの波長で零分散の単一
モード光ファイバである。これらの既に敷設されている
単一モード光ファイバを光通信網の大容量化を図るため
に、1.55μmの波長の光で高速通信を行うことが検
討されている。
【0003】この1.3μmの波長で零分散の単一モー
ド光ファイバは、1.55μmの波長付近において、符
号が正で値が17ps/nm/km程度の波長分散があ
るため、1.55μmの波長の光を使用する場合は、こ
のような分散補償手段が必要になる。
【0004】分散補償の実用的な方法として、光ファイ
バ伝送路に負の高分散光ファイバを挿入して分散を相殺
する方法がある。この方法は、光ファイバの屈折率構造
を適切に選択すると、構造分散が負でかつ絶対値が大き
くなることを利用している。
【0005】この方法を用いた具体的な分散補償構造の
一つが、特開平6−11620号公報に開示されてい
る。この公報に開示されている負の高分散を有する分散
補償光ファイバは、屈折率を除けば通常の光ファイバと
同様の構造である。この分散補償光ファイバを直列に光
ファイバ伝送路に挿入するだけで、単一モード光ファイ
バの波長分散に対し、簡便に分散補償を行うことが可能
となる。
【0006】分散補償光ファイバはかなり長尺であるの
で、通常、コイル状に巻いてパッケージにして伝送装置
に組み込んで使用される。伝送装置に組み込む際には、
コンパクトなパッケージにするのが、取り扱い上から都
合が良い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、長尺の光ファ
イバを巻いた場合、コイルの占有する大きさは光ファイ
バの体積(断面積×ファイバ長)と空隙率に依存するの
で、光ファイバ断面積すなわち直径が太いと大きなコイ
ルになってしまい、伝送装置内にコンパクトに納めるこ
とができないという問題が生じる。
【0008】もう一つの問題として、偏波分散がある。
光ファイバの巻付け径を小さくすると、巻き直径の2乗
に反比例して偏波分散が大きくなってしまう。分散補償
光ファイバは、単一モード光ファイバの波長分散を補償
し、高速通信を可能にすることを目的とするものである
が、偏波分散が増大してしまうと、波長分散を補償して
も、偏波分散により伝送信号の波形が乱れてしまう。こ
の結果分散補償光ファイバのコンパクト化が阻害され
る。
【0009】本発明の目的は、空間占有量の少ないコン
パクトな小径コイルに巻き付け可能であり、かつ偏波分
散の増加を抑えることが可能な分散補償光ファイバを提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明(請求項1)は、伝送波長において波長分散
を有する光ファイバに接続して、前記波長分散を相殺
し、伝送波長における伝送システム全体の波長分散を実
質的に零にする、または零に近づけるための分散補償光
ファイバであって、石英系ガラスからなるコアと、この
コアの外周に形成された、石英系ガラスからなるクラッ
ドと、このクラッドの外周に形成されたプラスチック樹
脂からなる被覆層とを具備するとともに250μmより
小さい外径を有し、前記被覆層は、20μm以上の厚さ
を有し、内層とこの内層よりも高いヤング率の外層とを
含む少なくとも2層以上の多層構造を有することを特徴
とする分散補償光ファイバを提供する。
【0011】このように、本発明の分散補償光ファイバ
は、石英系ガラスからなるコアと、このコアの外周に形
成された、石英系ガラスからなるクラッドと、このクラ
ッドの外周に形成された樹脂からなる被覆層とを具備
し、250μmより小さい外径を有する。
【0012】被覆層は、内層とこの内層よりも高いヤン
グ率の外層とを含む少なくとも2層以上の多層構造を有
する。外層のヤング率が内層のヤング率よりも高くない
場合には、いわゆるシェル効果を得ることが出来ず、外
力がガラス層に伝搬するのを防止することが出来ない。
内層のヤング率は0.01〜0.2kgf/mm2 であ
るのが好ましく、外層のヤング率は40〜200kgf
/mm2 であるのが好ましい。
【0013】また、被覆層が2層構造を有する場合、内
層の厚さは14〜40μmであるのが好ましく、外層の
厚さは6〜25μmであることが好ましい。なお、被覆
層のうち、内層を構成する樹脂としては、アクリル系な
どの紫外線硬化型樹脂等を、外層を構成する樹脂として
は、アクリル系などの紫外線硬化型樹脂等を用いること
が出来る。
【0014】クラッドの外径は、80〜125μmであ
るのが好ましい。クラッドの外径が、80μm未満で
は、損失が大きくなる傾向にあり、125μmを越える
と、コイルの小径化が困難になる傾向にある。
【0015】本発明の分散補償光ファイバにより分散補
償される光ファイバは、通常、伝送波長、例えば波長
1.55μmにおいて正の波長分散特性を有し、波長
1.3μm帯で零分散の単一モード光ファイバである。
これに対し、分散補償光ファイバは、伝送波長、例えば
波長1.55μmにおいて、前記波長分散と逆符号、即
ち負の分散を有し、このような分散補償光ファイバを伝
送路に組み込むことにより、分散が相殺される。
【0016】負の分散を有する光ファイバは、通常の単
一モード光ファイバよりもコアとクラッドの屈折率差を
かなり大きくすることにより得られる。コアとクラッド
の屈折率差を大きくするには、石英ガラスにより形成さ
れたコアにゲルマニウムをドープしてコアの屈折率を大
きくし、石英ガラスにより形成されたクラッドにフッ素
をドープしてクラッドの屈折率を小さくすればよい。な
お、クラッドを内部クラッドと外部クラッドの2層構造
とし、外部クラッドをアンドープとしてもよい。
【0017】以上のように構成される本発明の分散補償
光ファイバは、以下の理由により、空間占有量の少ない
コンパクトな小径コイルに巻き付け可能であり、かつ偏
波分散の増加を抑えることが可能な分散補償光ファイバ
が得られる。
【0018】すなわち、本発明の分散補償光ファイバに
よってコイルサイズのコンパクト化は次のように達成さ
れる。1パッケージ当たりの分散補償光ファイバのファ
イバ長は、被補償側の光ファイバの分散値と分散補償光
ファイバの分散特性により決定される。前者は単一モー
ド光ファイバの分散特性と中継間隔に依存する。
【0019】単一モード光ファイバの1km当たりの分
散特性は約17ps/nmであり、中継距離を、例えば
40kmとすると、補償すべき分散量は680ps/n
mになる。これに対し、分散補償光ファイバの分散特性
が約−90ps/nm/kmであれば、必要な分散補償
光ファイバ長は7.5kmになる。
【0020】これをコイル化して巻き上げる場合、この
コイルの厚みと最外径は、光ファイバの体積と空隙率に
依存する。ここで外径が120μmから250μmの光
ファイバの空隙率は、実測したところ、ほぼ一定の0.
6であったので、コイルサイズのコンパクト化の主な原
因は、光ファイバ体積にある。
【0021】分散補償光ファイバのコイルサイズは、フ
ァイバ長が一定の場合はファイバ外径に依存する。そこ
で光ファイバの外径を細くすればコイルサイズのコンパ
クト化が達成される。すなわち、分散補償光ファイバの
コイルサイズのコンパクト化を達成するためには、被覆
層および/またはクラッド径を減少させれば良い。
【0022】光ファイバに被覆を施す目的は、(1)光
ファイバガラス表面に傷が生じて強度が劣化するのを防
止すること、(2)光ファイバに応力が加わり歪みによ
って伝送損失が劣化するのを防止することにある。
【0023】前者の目的に対しては、ファイバガラスに
異物が接触するのを防ぐのに必要な厚みが求められる。
この厚みは、後者の応力緩和の目的で塗布する被覆厚よ
り薄くても効果を発揮するので、主に後者の目的で決ま
る被覆厚が必要な厚さとされる。
【0024】本発明の分散補償光ファイバでは、後者の
目的に対し、被覆を多層構造、例えば2層構造とし、各
々の層を構成する樹脂のヤング率を内層が低ヤング率で
外層が高ヤング率とし、いわゆるシェル効果で外力がガ
ラス層に伝搬するのを防ぐようにしている。この場合、
それぞれの層のヤング率と寸法を、上で規定した範囲内
で適切に選択することにより、良好な保護効果を得るこ
とができる。
【0025】従来の分散補償光ファイバにおける被覆層
は、一般に、紫外線で硬化するアクリル系樹脂で構成さ
れており、その外径は250μmである。しかしなが
ら、これは光ファイバをケーブル化して、様々なフィー
ルドにて使用することを前提に設定されている。
【0026】一方、本発明の分散補償光ファイバは、コ
イル状に加工して機器内で使用されるので、加えられる
応力はケーブル化して使用する場合に比べてはるかに少
ない。従って、被覆厚を従来より薄くすることが可能で
ある。総体積の観点からは、ガラス部分についても体積
を減少できれば、さらにコンパクト化を図れるので、以
下、光ファイバのガラス部分の体積の減少について説明
する。
【0027】分散補償光ファイバのモードフィールド径
は、波長1.55μm帯において、通常は約5μmであ
る。一般に、クラッドの細径化による伝搬パワーへの影
響は、クラッド径がモードフィールド径の約10倍程度
以上であれば、無視し得る。この程度までクラッド厚が
あれば、この分散補償光ファイバの特性は、通常、これ
以上のクラッド径を有する光ファイバと同様である。
【0028】このようにクラッドも細径化すれば、被覆
層の薄肉化に加えて、光ファイバの体積を更に減少させ
ることが可能となり、パッケージの小型化が達成され
る。光ファイバの体積を減少するには、光ファイバを短
尺にするのも有効である。これには、分散補償光ファイ
バの単位長当たりの分散量を大きくする屈折率構造に設
計すれば良い。この場合にも、細径化されれば、よりコ
ンパクトになるのは同様である。
【0029】また、本発明の分散補償光ファイバでは、
偏波分散の増加は、以下の理由により抑えることが可能
となる。分散補償光ファイバをコイル化したときの偏波
分散(PMD)は、R.Ulrichiら(Opt.Lett.,Vol.5,pp27
3-275,1985)によれば、下式で表される。
【0030】PMD=0.25×(1/C)×n3 ×(P11−P
12)×(1+ν)×(a/R)2 ここで、 C :真空中の光速 n:石英の屈折率(=1.444) Pij:歪光学係数(P11-P12=0.15) ν:ポアソン比(=0.17) a :クラッド直径 R:巻き直径 上記の式より、コイルに巻いたときの分散補償光ファイ
バの偏波分散は、ファイバ径の2乗に比例して増加する
ことがわかる。そこで、光ファイバのクラッド径を小さ
くすることにより、小径のコイルに巻いたときの偏波分
散の増加を防止することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について、詳細に説明する。図1は、本発明
の一実施例に係る分散補償光ファイバに使用されるコイ
ル巻き用のリールを示すもので、リール10は、鍔11
の外径が200mmφ、胴12の外径が60mmφ、鍔
11の内幅が25mmである。このリール10に、後述
する各種の分散補償光ファイバを7.5km長巻き付け
て、巻き上がったコイル外径を計測し、コンパクト化の
比較を行った。
【0032】実施例1 図2は、リール10にコイル巻きした各種の分散補償光
ファイバ20の屈折率プロファイルを示すものであり、
コア21の比屈折率差のうち、Δ+ (アンドープのSi
2 の屈折率に対するもの)を2.3%、コア21の外
径を2.5μm、クラッド22の内部クラッド22Aの
比屈折率差Δ- (アンドープのSiO2の屈折率に対す
るもの)を−0.45%、内部クラッド22Aの外径を
6.3μmとし、外部クラッド22Bの外径を125μ
mとした。
【0033】図3は、分散補償光ファイバ20の被覆構
造を示す断面図である。図3において、外部クラッド2
2Bの外周に、樹脂からなる被覆層23が設けられてお
り、この被覆層23は内層24と外層25の2層構造と
なっている。内層24の樹脂のヤング率は0.2kgf
/mm2 であり、外層25の樹脂のヤング率は60kg
f/mm2 であり、いわゆるシェル効果で外力がガラス
層に伝搬するのを防ぐ構造となっている。
【0034】このような被覆構造の被覆層の径を250
μm、180μm、165μm、160μmと変化させ
て、4種類の分散補償光ファイバ20を作製し、図1に
示すリール10にそれぞれ7.5kmを、張力25gで
巻いて、コイル化した。このようにして得たコイルの巻
き外径、伝送特性等の測定結果を下記表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】上記表1に示す測定結果から、空隙率はど
の場合もおよそ0.6であり、被覆を薄くするほど小さ
なコイルに仕上がることが解る。また、被覆を薄くして
も損失特性や分散特性などに大きな変化もない。これ
は、この構造の分散補償光ファイバは、被覆を薄くして
も特性の保護が十分になされ、細径によるコンパクト効
果を引き出せることを示している。
【0037】しかし、引っ張り試験の結果から、光ファ
イバ強度は、被覆厚が20μm未満で急激に低下した。
これは、被覆が薄過ぎるため、異物が被覆を突き破って
ガラス部に達してしまったためであり、被覆層23の被
覆厚を薄くするには限界が存在することを示している。
【0038】実施例2 分散補償光ファイバ20のコア21および内部クラッド
22Aを実施例1と同一構造としたまま、外部クラッド
22Bの外径を90μmとし、実施例1と同一被覆構造
の被覆層23の被覆厚を、実施例1と同様に62.5か
ら17.5μmまで変化させた4種類の分散補償光ファ
イバ20を作製した。これら分散補償光ファイバ20を
図1に示すリール10にそれぞれ7.5kmの長さ、巻
き張力25gで巻いてコイル化した。このようにして得
たコイルの巻き外径、伝送特性等の測定結果を、下記表
2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】上記表2に示すように、伝送特性と強度は
実施例1と同じ結果であった。この結果から、強度の面
から2層構造の被覆層23の被覆厚は20μmが限度で
あることが分かった。
【0041】実施例3 実施例1および実施例2の結果から、外部クラッド22
Bの外径を90μmにすれば、125μmの場合に比
べ、同じ被覆層23の被覆厚でも、コイルの巻き径を小
さくできることがわかった。
【0042】そこで本実施例では、実施例1と同一構造
の分散補償光ファイバ20の被覆層23の被覆厚を25
μmとして、外部クラッド22Bの外径を60μm、7
0μm、80μmにし、かつリール10の胴径を60m
m、100mm、160mmとした9種類の分散補償光
ファイバ20を作製し、図1に示すリール10にそれぞ
れ7.5kmを張力25gで巻いて、コイル化した。こ
のようにして得たコイルの伝送特性等の測定結果を、下
記表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】上記表3に示すように、外部クラッド22
Bの外径が小さくなると、損失値が劣化することが判明
した。即ち、外部クラッド22Bの外径が80μmとし
たものはいずれも特性に差がなかったのに対して、外部
クラッド22Bの外径が60μmおよび70μmのもの
は、リール10の胴径が160mmでも外部クラッド2
2Bの外径が80μmの分散補償光ファイバより損失が
大きくなっていりことがわかる。しかも、外部クラッド
22Bの外径が60μmおよび70μmの場合に、リー
ル10の胴径を細くすると、敏感に損失が増加している
こともわかった。
【0045】これは、ガラス部があまり細くなると、ガ
ラス部自体の剛性が低下し、簡単にコアが歪んでしまう
ためと推量される。上記の結果から、外部クラッド22
Bの外径は、80μm以上であるのが望ましいことが判
明した。
【0046】実施例4 実施例1と同一構造の分散補償光ファイバ20の被覆層
23の被覆外径を250μmとして、外部クラッド22
Bの外径を80μm、90μm、100μm、110μ
m、115μm及び125μmと変化させた6種類の分
散補償光ファイバ20を作製し、図1に示すリール10
に、それぞれ7.5kmを巻き張力25gで巻いて、コ
イル化した。このようにして得た分散補償光ファイバコ
イルの伝送特性等の測定結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】上記表4から、偏波分散は、外部クラッド
の外径が小さいほど低減されていることがわかる。特
に、外部クラッドの外径が115μmでは、外径が12
5μmの場合とほぼ同様の偏波分散となっている。この
ことから、偏波分散の低減効果は、外径が115μm程
度では十分に得られないことがわかる。
【0049】この理由は明確ではないが、クラッド層の
減少により曲げ歪みの解消が不十分であると、偏波分散
特性に及ぼす影響が小さいためと考えられる。従って、
クラッドの外径は、偏波分散低減の観点からは110μ
m以下が望ましい。
【0050】実施例5 図4は、分散補償光ファイバ30の屈折率プロファイル
を示す図で、コア31にはゲルマニウムが添加されて、
比屈折率差が石英に対して+2.3%とされており、ク
ラッド32にはフッ素が添加されて、比屈折率差が石英
に対して−0.45%とされている。
【0051】コア31の外径を2.5μmとし、クラッ
ド32の外径を80μm、90μm、110μm及び1
25μmと変化させ、実施例1と同一被覆構造の被覆層
23の被覆厚を実施例1と同様に62.5から17.5
μmまで変化させた16種類の分散補償光ファイバ30
を作製した。これら光ファイバ30を図1に示すリール
10にそれぞれ7.5kmを巻き張力25gで巻いて、
コイル化した。これらの分散補償光ファイバの伝送特性
等の測定結果を、下記表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】上記表5に示す測定結果により、本実施例
に係る分散補償光ファイバ30の構造では、クラッド3
2の外径が80μm以上で、被覆層23の被覆厚が20
μm以上あれば、伝送特性を損なうことなく、コンパク
トな小径コイルに巻き付け可能となり、かつ偏波分散の
低減がはかれることがわかる。
【0054】以上詳細に説明したように、本発明の分散
補償光ファイバによれば、被覆層が、内層と、この内層
より高いヤング率を有する外層とを含む、少なくとも2
層の多層構造となっているので、従来の分散補償光ファ
イバの被覆層に比べて、被覆層を薄くすることができ
る。
【0055】また、クラッドの外径を細くすることによ
り、小径のコイルに巻いても偏波分散の低減を図ること
が可能となり、かつ空間占有量の少ない、コンパクトな
小径コイルの分散補償光ファイバを達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分散補償光ファイバの巻き取り用のリ
ールの正面図。
【図2】本発明の分散補償光ファイバの屈折率プロファ
イルを示す説明図。
【図3】本発明の分散補償光ファイバの一実施の形態を
示す断面図。
【図4】本発明の他の分散補償光ファイバの屈折率プロ
ファイルを示す説明図。
【符号の説明】
10…リール 20…分散補償光ファイバ 21…コア 22…クラッド 22A…内部クラッド 22B…外部クラッド 23…被覆層 24…内層 25…外層。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝送波長において波長分散を有する光フ
    ァイバに接続して、前記波長分散を相殺し、伝送波長に
    おける伝送システム全体の波長分散を実質的に零にす
    る、または零に近づけるための分散補償光ファイバであ
    って、石英系ガラスからなるコアと、このコアの外周に
    形成された、石英系ガラスからなるクラッドと、このク
    ラッドの外周に形成されたプラスチック樹脂からなる被
    覆層とを具備するとともに250μmより小さい外径を
    有し、前記被覆層は、20μm以上の厚さを有し、内層
    とこの内層よりも高いヤング率の外層とを含む少なくと
    も2層以上の多層構造を有することを特徴とする分散補
    償光ファイバ。
  2. 【請求項2】 前記クラッドの外径が80〜125μm
    であることを特徴とする請求項1に記載の分散補償光フ
    ァイバ。
  3. 【請求項3】 前記被覆層の厚さが、20〜125μm
    であることを特徴とする請求項1に記載の分散補償光フ
    ァイバ。
  4. 【請求項4】 前記内層のヤング率は0.2kgf/m
    2 以下であり、前記外層のヤング率は40kgf/m
    2 以上であることを特徴とする請求項1に記載の分散
    補償光ファイバ。
  5. 【請求項5】 前記被覆層は2層構造を有し、前記内層
    の厚さは14〜40μmであり、前記外層の厚さは6〜
    25μmであることを特徴とする請求項1に記載の分散
    補償光ファイバ。
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