JPH10115201A - タービンロータ - Google Patents

タービンロータ

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JPH10115201A
JPH10115201A JP9179460A JP17946097A JPH10115201A JP H10115201 A JPH10115201 A JP H10115201A JP 9179460 A JP9179460 A JP 9179460A JP 17946097 A JP17946097 A JP 17946097A JP H10115201 A JPH10115201 A JP H10115201A
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JP
Japan
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turbine rotor
fibers
ceramic
radial
silicon carbide
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Application number
JP9179460A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Takita
勝彦 田北
Kazuhiro Hasezaki
和洋 長谷崎
Hikari Higuchi
光 樋口
Yoshinori Nonaka
吉紀 野中
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電用ガスタービンに適用されるタービンロ
ータを提供する。 【解決手段】 ラジアルタービンロータの軸と直交する
方向の断面形状に裁断したセラミック繊維の織物を用
い、該織物を複数層積層する際に、該積層された織物1
2A,12Bの間にセラミックスの粉末14を充填し、
高温加圧焼結して成形してなり、積層された全ての翼が
半径方向の連続した繊維を含むものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば発電用ガス
タービンに適用されるタービンロータに関し、駆動用ガ
スタービン,蒸気タービン,過給機のラジアルタービン
のタービンロータにも適用される。
【0002】
【従来の技術】図9に、ラジアルタービンロータの断面
図を示す。同図に示すように、ケーシング01に導かれ
た高温高圧流体02は、タービン翼外周側03から入
り、翼面04を通過して翼出口05から排出される。高
温高圧流体02は翼面04を通過する間に膨張して翼面
04に圧力を加え、タービンロータ06に高速の回転力
07を与える。
【0003】従来よりラジアルタービンロータは高温下
で高速回転の遠心応力に耐えるために、その材料として
耐熱超合金材料やセラミックス材料が用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ラ
ジアルタービンロータは、1000℃を超える温度領域
になると、タービン翼の空冷が必要となると共に、構造
も複雑になることから、クリープ強度に対する信頼性の
向上を更に図る必要性がある。
【0005】また、耐熱性を確保するためセラミックス
材料の適用も検討されるが、該セラミックス材料は脆性
材料であるため、遠心強度のバラツキが大きい傾向にあ
り、適用に問題がある。
【0006】さらに、上記セラミックス材料に長繊維を
加えた複合材料は、タービンロータ材料として適用が可
能であるが、形状が複雑な場合には、製造が困難であ
る、という問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者等は検討を重ねた結果、セラミックスに相
当する高温強度を確保すると共に、セラミックスの脆性
を克服し、複雑な形状でも容易に成形できるセラミック
繊維の織物を用いたタービンロータを得ることを知見
し、本発明を完成した。
【0008】係る知見に基づく本発明の第1の発明に係
るタービンロータは、ラジアルタービンロータの軸と直
交する方向の断面形状に裁断したセラミック繊維の織物
を用い、該織物を複数層積層する際に、該積層された織
物の間にセラミックスの粉末を充填し、高温加圧焼結し
て成形してなり、積層された全ての翼が半径方向の連続
した繊維を含むものとなることを特徴とする。
【0009】本発明によれば、ラジアルタービンロータ
は1mm2 あたり30kgを超える高い応力が作用する
が、セラミックス繊維として、例えば炭化ケイ素の長繊
維を用いた場合、1mm2 あたり300kgを超える高
い強度を有しており、積層された長繊維の織物によって
遠心応力に耐えることができる。また、積層された翼の
全てにおいて半径方向に配置した繊維を含むため、ガス
の作用による翼を曲げる応力に対しても、十分な強度を
示す。
【0010】本発明の第2の発明に係るタービンロータ
は、セラミックス長繊維の織物を積層して構成するラジ
アルラジアルタービンロータにおいて、積層する織物と
交互に未焼結のセラミックシートを挟んで、高温加圧焼
結して成形してなることを特徴とする。
【0011】本発明によれば、セラミック長繊維の織物
の間に柔軟性を有する未焼結なセラミックシートを挟ん
で成形するため、成形が容易であり、成形に際して全体
に均一な構造が得られる。よって、欠陥の発生が防止さ
れ、強度,信頼性の高いラジアルタービンロータを得る
ことができる。
【0012】本発明の第3の発明に係るタービンロータ
は、セラミックス長繊維の織物を積層して構成するラジ
アルラジアルタービンロータにおいて、積層する織物の
間にセラミックス粉末を充填した後、ロータ軸積層方向
に縫合用セラミック繊維を用いて縫合し、高温加圧焼結
して成形してなることを特徴とする。
【0013】本発明によれば、軸直角方向のセラミック
長繊維の織物と直角方向の繊維とにより、積層方向の強
度が向上する。
【0014】上記タービンロータにおいて、上記セラミ
ック繊維が炭化ケイ素長繊維であることを特徴とする。
【0015】本発明の第4の発明に係るタービンロータ
は、上記第1のタービンロータにおいて、上記セラミッ
クスの粉末に炭化ケイ素等の短繊維を添加してなること
を特徴とする。
【0016】本発明によれば、セラミックス領域に作用
した遠心力は短繊維を介して織物繊維に伝達されるた
め、セラミックス領域の飛散が防止される。
【0017】本発明の第5の発明に係るタービンロータ
は、上記第1乃至4のタービンロータにおいて、金属製
タービン軸と接合する軸接合部の外周にフィラメントワ
インディングによる繊維の緻密部を形成し、金属製ター
ビン軸に挿入後に焼嵌め結合してなることを特徴とす
る。
【0018】本発明によれば、軸接合部において、フィ
ラメントワインディングによる繊維の緻密部を設けてい
るので、運転中の焼嵌め部の滑りが防止され、また圧縮
力での割れが防止されてアンバランスによる軸の振動,
軸受けの焼損や疲労破壊が回避される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0020】〔第1の実施の形態〕図1は本発明の第1
の実施の形態に係るロータ断面図、図2(A)ははその
II-A−II-A線矢視断面図及び図2(B)ははそのII-B−
II-B線矢視断面図を示す。
【0021】本実施の形態ではラジアルタービンロータ
11の翼の枚数は8枚であり、セラミック繊維とセラミ
ック粉体とは、炭化ケイ素を材料とした場合である。な
お、説明上図1中、縦軸方向をX方向とし、横軸方向を
Z方向としており、図2中、縦軸方向をX方向とし、横
軸方向をY方向としている。タービンロータは、図2に
示すように、タービンロータの軸と直交する方向の断面
形状に裁断した炭化ケイ素繊維の織物12を用いて翼の
構成部材とし、該織物12を複数積層させて翼部とし、
該形成される翼の全てにおいて、半径方向の連速した炭
化ケイ素繊維12aを含むように一体化されている。
【0022】本実施の形態では、翼枚数が8枚としてい
るので、翼部の断面を示す図2(a)に示すように、一
断面の翼部12Aは、図中X軸方向とY軸方向とにおい
て、半径方向の連続した炭化ケイ素繊維12aが合計4
ヵ所配置されている。なお、該半径方向の連続した炭化
ケイ素繊維12a,12aの間には、半径方向に不連続
の炭化ケイ素繊維12bが同じく4ヵ所配置されてい
る。
【0023】また、この翼部12Aに連続して積層され
る翼部12Bでは、図2(b)に示すように、翼部12
AのX軸方向に対して45度の方向に傾けて積層され、
半径方向の連続した炭化ケイ素繊維12aが配置されて
いる。よって、図1に示す通り、図2(a),(b)に
示す炭化ケイ素繊維の織物12A,12Bを、ロータ軸
13のZ軸方向に交互に積層する(12A,12B,1
2A,12B・・・)ことによって、何れの翼部も全体
として半径方向の連続した炭化ケイ素繊維12aを含む
こととなる。
【0024】次に、該積層された軸13のZ方向と直交
して積層される炭化ケイ素繊維の織物12A及び12B
の間に、炭化ケイ素の粉末14を充填し、ホットプレス
によって加圧焼結して8枚翼のラジアルタービンロータ
11を形成する。
【0025】上記炭化ケイ素の粉末は平均粒径が0.74
μmで、焼結助剤としてB4 Cを0.3重量%含有してい
る。
【0026】また、炭化ケイ素繊維と炭化ケイ素粉末と
の割合は、体積換算で4:6〜8:2程度が好適であ
る。
【0027】ここで、上記炭化ケイ素繊維としては、具
体的には、日本カーボン株式会社製の「ハイニカロン
(商品名)」を使用し、この炭化ケイ素繊維は、超耐熱
性SiC繊維であり、引張り強度が2.8(GPa),
引張り弾性率が270(GPa)等の諸特性を有し、タ
ービンロータとして必要な耐熱性を有する材料である
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】ここで、高温加圧焼結としては、高温圧縮
(hot press)処理やHIP(Hot Iso
static Pressing)処理等があるが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】なお、積層して形成された翼部の翼面につ
いては、ホットプレス焼成後において、別途機械加工に
よって精密に研磨される。
【0030】本実施の形態において、ロータ軸13の軸
方向(Z方向)と直交する方向(X,Y方向)の炭化ケ
イ素繊維の織物12A及び12Bと炭化ケイ素の粉末1
4を用いた例を示すが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、炭化ケイ素繊維の織物12と炭化ケイ素粉末
14材料は、タービンロータの要求強度及び環境条件に
よって適宜選択すればよい。
【0031】また、本実施の形態ではラジアルタービン
ロータの翼枚数は8枚であるが、更に異なる翼枚数のラ
ジアルタービンロータに対しても同様の技術が適用でき
る。なお、翼の枚数が4枚の場合では、すべての積層が
半径方向に連続した繊維12aを含むことになる。ま
た、6枚翼の場合では、3枚に1枚の積層が半径方向に
連続した繊維12aを含むことになり、10枚翼の場合
では、4枚に1枚の積層が半径方向に連続した繊維12
aを含むことになり、12枚翼の場合では、3枚に1枚
の積層が半径方向に連続した繊維12aを含むことにな
る。すなわち、何れの翼の場合でも、数層に1枚の割合
で半径方向に連続した繊維を含まれるように積層すれば
よく、これにより、翼部には半径方向に配置した繊維を
含むため、ガスの作用による翼を曲げる応力に対して
も、十分な強度を示すこととなる。
【0032】〔第2の実施の形態〕第2の発明の実施の
形態について図3を参照して説明する。図3は、第2の
発明に係るラジアルタービンロータの断面図を示してい
る。図3の積層された軸と直交する方向の炭化ケイ素の
繊維の織物12の間に未焼結のセラミックシート15を
挟んでホットプレスによって加圧焼結してラジアルター
ビンロータを成形する。
【0033】未焼結のセラミックスシートの組成は、炭
化ケイ素粉末を70%に対して、フェノールとメタノー
ルとの混合液を30%としている。未焼結のセラミック
スシートとしては、ドクタブレード法等により10μm
から500μmまでの範囲で精度よく均一に成形された
ものを使用する。これは、10μm未満であると、成形
上の制約があり、また500μmを超えた場合では、シ
ートの形成が不能であり、共に好ましくないからであ
る。
【0034】なお、翼面については、ホットプレス焼成
後に、機械加工によって精密に研磨される。
【0035】セラミックス繊維の織物と、未焼結のセラ
ミックシート15の材料は、タービンロータの要求強度
及び環境条件によって適宜選択すればよい。
【0036】〔第3の実施の形態〕第3の発明の実施の
形態について図4を参照して説明する。図4は、第3の
発明にかかるラジアルタービンロータの断面図を示して
いる。図4に示すように、積層された軸と直交する方向
の炭化ケイ素の繊維の織物12の間に、炭化ケイ素の粉
末14を充填し、縫合用セラミック繊維16により、ラ
ジアルタービンロータの軸13と直交する方向に縫合
し、ホットプレスによって加圧焼結してラジアルタービ
ンロータを成形する。上記織物としては厚みが50μm
程度であり、積層枚数は20層/mm程度とするのがよ
い。
【0037】炭化ケイ素繊維の織物12,炭化ケイ素の
粉末14及び縫合用セラミックス繊維16の材料及びそ
の配合比率は、タービンロータの要求強度及び環境条件
によって適宜選択すればよい。
【0038】すなわち、配合比率は、ロータの形状寸法
と回転数、温度と雰囲気の成分によって選択する。ロー
タの形状寸法と回転数によってロータの作用応力が決ま
り、さらに温度と雰囲気従来凹部件(例えば、酸化ガス
雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気)中での繊維の強度か
ら、繊維の含有率を決定する。温度が高く応力が高い場
合には、繊維の含有率をできるだけ高く(最高の割合で
(8:2程度)するとよい。積層枚数が増えるためコス
トが上昇するので、条件が厳しくない場合には、繊維の
強度ぎりぎりまで繊維の含有率を低く(4:6程度)す
るとよい。
【0039】〔第4の実施の形態〕第4の発明の実施の
形態について図5を参照して説明する。図5は、第4の
発明に係るラジアルタービンロータの部分拡大断面図を
示している。本実施の形態では、第1の実施の形態にか
かるタービンロータにおいて、炭化ケイ素の織物12
A,12Bの間に充填する炭化ケイ素粉末に炭化ケイ素
等の高強度のセラミック短繊維21を添加して、加圧焼
結してなるものである。そして、例えばホットプレス法
によって加圧焼結した後には、図5に示すように、炭化
ケイ素粉末充填層20中に炭化ケイ素短繊維21が均等
に配合され、炭化ケイ素の織物12A,12Bとの間を
結合する強化要素として機能することとなる。
【0040】上記炭化ケイ素短繊維の配合量は、タービ
ンロータの要求強度及び環境条件によって適宜選択すれ
ばよいが、好ましくは5乃至30重量%とするのがよ
い。また、本実施の形態では、炭化ケイ素短繊維を用い
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、高強度
のセラミック短繊維であればいずれのものを用いてもよ
い。
【0041】上記組織を有するタービンロータを構成す
れば、タービンロータに高速回転による遠心力が加わる
と、繊維により細かく分割された表面のセラミックス領
域である炭化ケイ素粉末充填層20に遠心力が作用す
る。しかしながら、該遠心力は充填層20中に均等に配
された短繊維21を介して織物繊維12に伝達されるた
め、該セラミックスの飛散が防止され、この結果、飛散
による回転のアンバランスを防止することができる。よ
って、タービンロータを含む軸の振動と軸受の焼損,疲
労破損が回避され、さらに安定した回転が可能となる。
【0042】このように、ラジアルタービンロータ軸と
直交する方向の断面形状に裁断したセラミックス繊維の
織物を用い、該織物を複数層積層する際に、該積層され
た織物12の間にセラミックス粉末に炭化ケイ素短繊維
を添加して、高温加圧焼結してロータを形成することに
より、セラミックス領域の飛散が防止され、安定した回
転が可能となる。
【0043】なお、本実施の形態では、第1の実施の形
態にかかるケイ素粉末層20に炭化ケイ素の短繊維20
を配合してなるものであるが、本発明はこれに限定され
ず、第2の実施の形態にかかる未焼結のセラミックシー
ト15中に予め炭化ケイ素の単繊維20を配合したもの
を用いて、炭化ケイ素繊維の織物を結合するようにして
もよい。
【0044】〔第5の実施の形態〕第5の発明の実施の
形態について図5を参照して説明する。図6は、第5の
発明に係るラジアルタービンロータの金属製軸とタービ
ンロータ側の軸接合部との締結構造の模式図である。本
実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、積層され
る炭化ケイ素繊維の織物12A及び12Bの間に、炭化
ケイ素の粉末14からなる充填層20を形成し、ホット
プレスによって加圧焼結してなるタービンロータ11の
軸接合部の外周に、図6に示すようにフィラメントワイ
ンディング法による繊維の緻密部23を形成してなり、
該緻密部23を有する軸接合部を金属製軸22内に挿入
後に焼嵌め結合してなるものである。
【0045】本実施の形態のタービンロータを用いたラ
ジアルタービンロータの断面図を図7に示す。図7に示
すように、翼面104及びタービンロータ106は積層
された翼の全てにおいて半径方向に配置した繊維を含む
ため、ガスの作用による翼を曲げる応力に対しても、十
分な強度を示す。また、上記フィラメントワインディン
グ法による繊維の緻密部23を積層構造とした軸の接合
部の外周に設けているので、金属軸22と焼嵌めにする
ことにより、該焼嵌めの際の圧縮力が緻密部23に作用
するが、軸接合部のロータ表面のセラミックス領域であ
る炭化ケイ素粉末充填層20の領域が小さいので、圧縮
力での割れが防止され、運転中の焼嵌め部の滑りやアン
バランスによる軸の振動,軸受の焼損や疲労破壊を回避
することができる。さらに、上記緻密部23によって、
焼嵌めの抜けが防止されるので、ロータの信頼性が向上
する。よって、図7に示すように、ケーシング101に
導かれた高温高圧流体102が、タービン翼外周側10
3から入り、翼面104を通過して翼出口105から排
出され、該高温高圧流体102が翼面104を通過する
間に膨張して翼面104に圧力を加え、タービンロータ
106に高速の回転力107を与える場合においても、
常に良好な高速回転が可能となる。
【0046】〔第6の実施の形態〕図8は、上記第4の
実施の形態において説明した短繊維を設けた積層部材か
らなるラジアルタービンロータに、上記第5の実施の形
態の締結構造を応用したタービンロータの締結部分の模
式図である。本実施の形態では、図8に示すように、第
5の実施の形態にかかる積層される炭化ケイ素繊維の織
織物12A,12Bの間に充填する炭化ケイ素粉末の充
填層20に炭化ケイ素等の高強度のセラミック短繊維2
1を添加して、加圧焼結して積層された軸13部分を形
成し、さらに、該軸部分の外周にフィラメントワインデ
ィング法による繊維の緻密部23を設けてなるものであ
る。
【0047】上記構成のタービンロータとすることによ
り、焼嵌めによる圧縮力が作用した場合にも繊維により
細かく分割された表面のマトリックス領域の加重は短繊
維を介して織物に伝達されるので、焼嵌めによる圧縮力
での割れが防止されると共に、緻密部23を設けた相乗
効果により、運転中の焼嵌め部の滑りやアンバランスに
よる軸の振動,軸受の焼損や疲労破壊が更に回避され
る。また、焼嵌めの抜けが防止されるので、ロータの信
頼性が向上する。
【0048】
【発明の効果】以上、発明の実施の形態とともに具体的
に説明したように、本発明の第1の発明に係るタービン
ロータは、ラジアルタービンロータの軸と直交する方向
の断面形状に裁断したセラミック繊維の織物を用い、該
織物を複数層積層する際に、該積層された織物の間にセ
ラミックスの粉末を充填し、高温加圧焼結して成形して
なり、積層された全ての翼が半径方向の連続した繊維を
含む積層構造としたので、製造が容易であり、安価に製
作することができる。よって、本発明により繊維の体積
含有率を高くとることができるの、高強度を得ることが
できる。
【0049】また、繊維の含有率は繊維の織物間に充填
されるセラミックス粉末の量によって制御できるため、
使用する強度,環境条件に応じて、タービンロータの製
造が可能となる。
【0050】また、本発明の第2の発明に係るタービン
ロータは、セラミックス長繊維の織物を積層して構成す
るラジアルラジアルタービンロータにおいて、積層する
織物と交互に未焼結のセラミックシートを挟んで、高温
加圧焼結して成形してなるため、精度が向上し、製造が
容易であり、安価に製造できる。
【0051】繊維の体積含有率を高く、均一に取ること
ができるので、高強度を得ることができる。
【0052】繊維の含有率は、繊維間に挟み込まれる未
焼結のセラミックシートの厚みによって精密に制御可能
であるため、使用する強度、環境に応じて、タービンロ
ータの製造が可能である。
【0053】セラミックス繊維の織物のみを用いた積層
構造に対して、軸と直交する方向における翼に繊維を有
するため、軸方向の強度が向上する。
【0054】積層方向の繊維の体積含有率は縫合回数に
より、任意に選択できるため、使用する強度,環境条件
に応じて、タービンロータの製造が可能となる。
【0055】本発明の第3の発明に係るタービンロータ
は、セラミックス長繊維の織物を積層して構成するラジ
アルラジアルタービンロータにおいて、積層する織物の
間にセラミックス粉末を充填した後、ロータ軸積層方向
に縫合用セラミック繊維を用いて縫合し、高温加圧焼結
して成形してなるので、軸直角方向のセラミック長繊維
の織物と直角方向の繊維とにより、積層方向の強度が向
上する。
【0056】本発明の第4の発明に係るタービンロータ
は、上記第1のタービンロータにおいて、上記セラミッ
クスの粉末に炭化ケイ素等の短繊維を添加してなるの
で、セラミックス領域に作用した遠心力は短繊維を介し
て織物繊維に伝達されるため、セラミックス領域の飛散
が防止される。
【0057】本発明の第5の発明に係るタービンロータ
は、上記第1乃至4のタービンロータにおいて、金属製
タービン軸と接合する軸接合部の外周にフィラメントワ
インディングによる繊維の緻密部を形成し、金属製ター
ビン軸に挿入後に焼嵌め結合してなるので、軸接合部に
おいて、フィラメントワインディングによる繊維の緻密
部を設けているので、運転中の焼嵌め部の滑りが防止さ
れ、また圧縮力での割れが防止されてアンバランスによ
る軸の振動,軸受けの焼損や疲労破壊が回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るタービンロー
タ断面図である。
【図2】その断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るタービンロー
タ断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るタービンロー
タ断面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係るタービンロー
タ断面図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係るタービンロー
タ断面図である。
【図7】第5の実施の形態のタービンロータを用いたラ
ジアルタービンロータの構成断面図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係るタービンロー
タ断面図である。
【図9】従来のラジアルタービンロータの構成断面図で
ある。
【符号の説明】
01,101 ケーシング 02,102 高温高圧流体 03,103 タービン翼外周側 04,104 翼面 05,105 翼出口 06,106 タービンロータ 07,107 回転力 11 ラジアルタービンロータ 12,12A,12B 炭化ケイ素繊維の織物 12a 半径方向の連続した炭化ケイ素繊維 13 ロータ軸 14 炭化ケイ素の粉末 15 未焼結のセラミックシート 16 縫合用セラミック繊維 20 炭化ケイ素粉末充填層 21 炭化ケイ素短繊維 22 金属製軸 23 緻密部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F01D 25/00 C04B 35/80 K (72)発明者 野中 吉紀 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジアルタービンロータの軸と直交する
    方向の断面形状に裁断したセラミック繊維の織物を用
    い、該織物を複数層積層する際に、該積層された織物の
    間にセラミックスの粉末を充填し、高温加圧焼結して成
    形してなり、積層された全ての翼が半径方向の連続した
    繊維を含むものとなることを特徴とするタービンロー
    タ。
  2. 【請求項2】 セラミックス長繊維の織物を積層して構
    成するラジアルラジアルタービンロータにおいて、積層
    する織物と交互に未焼結のセラミックシートを挟んで、
    高温加圧焼結して成形してなることを特徴とするタービ
    ンロータ。
  3. 【請求項3】 セラミックス長繊維の織物を積層して構
    成するラジアルラジアルタービンロータにおいて、積層
    する織物の間にセラミックス粉末を充填した後、ロータ
    軸積層方向に縫合用セラミック繊維を用いて縫合し、高
    温加圧焼結して成形してなることを特徴とするタービン
    ロータ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のタービンロータにおい
    て、上記セラミック繊維が炭化ケイ素繊維であることを
    特徴とするタービンロータ。
  5. 【請求項5】 請求項1のタービンロータにおいて、 上記セラミックスの粉末に炭化ケイ素等の短繊維を添加
    してなることを特徴とするタービンロータ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のタービンロータにおい
    て、 金属製タービン軸と接合する軸接合部の外周にフィラメ
    ントワインディングによる繊維の緻密部を形成してな
    り、該緻密部を有する軸接合部を金属製タービン軸内に
    挿入後に焼嵌め結合してなることを特徴とするタービン
    ロータ。
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