JPH10110545A - 低建物ユニットおよびユニット式建物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低建物ユニットの内部空間を有効利用できる
低建物ユニットおよびユニット式建物を提供すること。 【解決手段】 高さ寸法が標準高さの標準建物ユニット
１０と、この標準建物ユニット１０よりも高さ寸法が低
くかつ上階部分に配置される第一および第二低建物ユニ
ット２０，３０とを組み合わせてユニット式建物１を構
成する。第一低建物ユニット２０は階段２２および踊り
場２３を備えた階段室２１とこの踊り場２３に隣接した
収納室２５とを有し、収納室２５を第二低建物ユニット
３０の収納室３１と隣接配置して連通させ収納空間３を
形成する。第一建物ユニット２０の下に配置される標準
建物ユニット１０Ａの下階用階段１２は折れ階段とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、高さ寸法が標準高
さの標準建物ユニットよりも低い低建物ユニットおよび
この低建物ユニットを含むユニット式建物に関する。

【０００２】

【背景技術】従来より、工業化率を高めて現場での施工
期間を短縮するために、予め工場で製造された建物ユニ
ットを現場まで搬送し、現場において複数の建物ユニッ
トを基礎上に組み立てて施工するユニット工法が知られ
ている。ユニット工法により構築されたユニット式建物
は、通常、居室等に適した所定の標準高さ寸法を有する
標準建物ユニットにより構成されている。

【０００３】このようなユニット式建物には、大面積の
収納空間を確保するために、標準建物ユニットよりも高
さ寸法の低い低建物ユニットが用いられることがある。
この低建物ユニットは、標準建物ユニットにより構成さ
れた一階部分や二階部分の上に複数並べて配置され、そ
れらの内部空間を連通することにより収納空間が形成さ
れる。並設された低建物ユニットのうちの一つは、階段
および踊り場を備えた階段室とされ、この踊り場から他
の低建物ユニットからなる収納空間に出入りできるよう
になっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この構造で
は、一つの低建物ユニット全体が階段室に占有されるの
で、この低建物ユニットの内部空間を有効利用できない
という問題があった。

【０００５】本発明の目的は、低建物ユニットの内部空
間を有効利用できる低建物ユニットおよびユニット式建
物を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、図面を参照し
て説明すると、高さ寸法が標準高さの標準建物ユニット
１０よりも低い箱形の低建物ユニット２０であって、階
段２２および踊り場２３を備えた階段室２１と、この踊
り場２３に隣接した収納室２５とを有することを特徴と
する。

【０００７】本発明においては、一つの低建物ユニット
２０に階段室２１と収納室２５とが設けられているた
め、低建物ユニット２０を階段室２１だけでなく収納に
も利用できるようになり、内部空間を有効利用すること
ができる。また、低建物ユニット２０における階段室２
１の面積（平面形状）を小さくできるので、階段室２１
によって形成される吹抜空間を小さくすることができ
る。従って、低建物ユニット２０の構造上のリスクを小
さくできるとともに、プランニング上の制約も少なくす
ることができる。さらに、収納室２５は踊り場２３に隣
接配置されているので、収納室２５へは踊り場２３から
簡単かつ確実に出入りすることできるうえ、踊り場２３
には物品を仮置きできるため、収納室２５に物品を出し
入れする作業を容易に行うことができる。これらによ
り、前記目的が達成される。

【０００８】さらに、この低建物ユニット２０の長手方
向の一側に前記階段室２１の階段２２が配置され、かつ
長手方向の他側に前記収納室２５が配置され、これらの
収納室２５および階段２２の間に前記踊り場２３が配置
されていることが望ましい。

【０００９】これによれば、階段２２と踊り場２３と収
納室２５とが低建物ユニット２０の長手方向に並んで配
置されることになり、階段２２の昇降方向の寸法を大き
く確保することができるから、階段２２を急勾配に形成
しなくてもよくなる。また、階段２２の昇降方向の寸法
が十分に確保されると、この低建物ユニット２０の階段
２２だけで踊り場２３と上階１１とを連結できるように
なるため、階段２２の途中で低建物ユニット２０の上梁
４２等が邪魔になることがなくなり、設計の自由度を高
めることができる。

【００１０】さらに、前記階段室２１および収納室２５
は間仕切壁２７により区画され、この間仕切壁２７には
出入口２９が設けられていることが望ましい。

【００１１】このような出入口２９を予め間仕切壁２７
に形成しておけば、収納室２５への出入りが容易に行え
るうえ、低建物ユニット２０の収納室２５に他の収納室
３１を連通させて大面積の収納空間３を形成する場合で
も、他の収納室３１の配置に拘わらず出入口２９の位置
を統一できるので設計を単純化できる。

【００１２】一方、本発明は、複数の箱形の建物ユニッ
ト１０，２０，３０を組み合わせて構築されるユニット
式建物１であって、前記建物ユニット１０，２０，３０
は、高さ寸法が標準高さの標準建物ユニット１０と、こ
の標準建物ユニット１０よりも高さ寸法が低くかつ上階
部分に配置される低建物ユニット２０，３０とを含み、
この低建物ユニット２０，３０は、階段２２および踊り
場２３を備えた階段室２１とこの踊り場２３に隣接した
収納室２５とを有する第一低建物ユニット２０と、収納
室３１を有する第二低建物ユニット３０とを備え、これ
らの第一低建物ユニット２０および第二低建物ユニット
３０は互いの収納室２５，３１が隣接するように配置さ
れていることを特徴とする。

【００１３】本発明では、第一低建物ユニット２０に階
段室２１と収納室２５とが設けられているため、第一低
建物ユニット２０を階段室２１だけでなく収納にも利用
できるようになり、その内部空間を有効利用することが
できる。また、収納室２５は踊り場２３に隣接配置され
ているので、収納室２５へは踊り場２３から簡単かつ確
実に出入りすることできるうえ、踊り場２３には物品を
仮置きできるため、収納室２５に物品を出し入れする作
業を容易に行うことができる。さらに、第一低建物ユニ
ット２０および第二低建物ユニット３０の収納室２５，
３１は隣接配置されているので、これらの収納室２５，
３１を連通させるだけで大面積の収納空間３を容易に形
成できる。また、この収納空間３への出入りは第一低建
物ユニット２０の踊り場２３から簡単に行える。

【００１４】そして、前記第一低建物ユニット２０の下
には、前記階段室２１の踊り場２３と連結される下階用
階段１２を備えた前記標準建物ユニット１０Ａが配置さ
れ、この下階用階段１２は折れ階段とされていることが
望ましい。

【００１５】このように下階用階段１２を折れ階段とす
れば、下階用階段１２の占有面積を少なくできるので、
第一低建物ユニット２０の踊り場２３からその下の標準
建物ユニット１０Ａに通じる階段を一つの標準ユニット
１０Ａ内の下階用階段１２だけで構成できるようにな
る。従って、第一低建物ユニット２０からその下の標準
建物ユニット１０Ａに通じる階段が他の建物ユニット１
０に跨ることがなくなるので、下階用階段１２の途中で
第一および第二低建物ユニット２０，３０の下梁４３や
標準建物ユニット１０の上梁４２等が邪魔になることが
なくなる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図１には、本実施形態のユニット
式建物１が示されている。このユニット式建物１は、基
礎２上に複数の箱形の建物ユニット１０，２０，３０を
組み合わせて配置することにより構築されている。

【００１７】建物ユニット１０，２０，３０は、高さ寸
法が標準高さの標準建物ユニット１０と、この標準建物
ユニット１０よりも高さ寸法が低い第一低建物ユニット
２０および第二低建物ユニット３０とからなる。これら
の標準建物ユニット１０および低建物ユニット２０，３
０は三層に積層され、最下層および最上層には複数の標
準建物ユニット１０が並設され、上階部分である中間層
には、一つの第一低建物ユニット２０および複数の第二
低建物ユニット３０が並設されている。

【００１８】標準建物ユニット１０は、図２に示すよう
に、四本の長寸柱４１（図２では、二本だけ表現されて
いる）と、これらの長寸柱４１の上端間を連結する上梁
４２と、長寸柱４１の下端間を連結する下梁４３とを含
む直方体形状の骨組み４０Ａを備えている。この骨組み
４０Ａには、床１１を構成する床材４５や図示しない天
井材等が組み付けられ、その内部は居室等に利用されて
いる。

【００１９】第一および第二低建物ユニット２０，３０
は、図３にも示すように、長寸柱４１よりも高さ寸法の
短い四本の短寸柱４４と、これらの短寸柱４４の上端間
を連結する上梁４２（図２参照）と、短寸柱４４の下端
間を連結する下梁４３とを含む直方体形状の骨組み４０
Ｂを備えている。この骨組み４０Ｂにも第一および第二
低建物ユニット２０，３０の床２６を構成する床材４５
等が組み付けられている。

【００２０】第一低建物ユニット２０は、図４にも示す
ように、階段２２および踊り場２３を備えた階段室２１
と、この踊り場２３に隣接した収納室２５とを有して構
成されている。階段室２１の階段２２は第一低建物ユニ
ット２０の長手方向の一側に配置され、収納室２５は第
一低建物ユニット２０の長手方向の他側に配置され、こ
れらの収納室２５および階段２２の間に踊り場２３が配
置されている。

【００２１】階段室２１の階段２２は、踊り場２３か
ら、第一低建物ユニット２０の上に積層された標準建物
ユニット１０の床１１まで達する直進階段である。ま
た、階段室２１の踊り場２３は収納室２５の床２６と面
一に形成され、その中間部分に設けられた間仕切壁２７
によって階段室２１と収納室２５とが区画されている。
この間仕切壁２７には開閉自在な引き戸２８を備えた出
入口２９が設けられ、踊り場２３から収納室２５に出入
りできるようになっている。

【００２２】このような第一低建物ユニット２０と並設
された第二低建物ユニット３０は内部に収納室３１を備
え、第一低建物ユニット２０および第二低建物ユニット
３０は互いの収納室２５，３１が隣接するように配置さ
れている。これらの隣接配置された収納室２５，３１同
士は連通され、これにより、大面積の収納空間３が形成
されている。

【００２３】第一低建物ユニット２０の直下に配置され
た標準建物ユニット１０Ａは、第一低建物ユニット２０
の踊り場２３と連結される下階用階段１２を備えてい
る。この下階用階段１２は、踊り場２３から標準建物ユ
ニット１０Ａの床１１に通じる折れ階段とされ、骨組み
４０Ａ内の長手方向の一側に設けられた中間床１３と、
この中間床１３から踊り場２３まで達する上側階段部１
４と、中間床１３から標準建物ユニット１０Ａの床１１
まで達する下側階段部１５とを含んで構成されている。
これらの下階用階段１２および階段室２１により、標準
建物ユニット１０Ａ、第一低建物ユニット２０およびこ
の第一低建物ユニット２０の上に積層された標準建物ユ
ニット１０には吹抜空間が形成されている。

【００２４】このような本実施形態によれば、以下のよ
うな効果がある。すなわち、一つの第一低建物ユニット
２０に階段室２１と収納室２５とが設けられているた
め、第一低建物ユニット２０を階段室２１だけでなく収
納にも利用できるようになり、内部空間を有効利用する
ことができる。また、低建物ユニット２０における階段
室２１の面積（平面形状）を小さくできるので、階段室
２１によって形成される吹抜空間を小さくすることがで
きる。従って、低建物ユニット２０の構造上のリスクを
小さくできるとともに、ユニット式建物１のプランニン
グ上の制約も少なくすることができる。さらに、収納室
２５は踊り場２３に隣接配置されているので、収納室２
５へは踊り場２３から簡単かつ確実に出入りすることで
きるうえ、踊り場２３には物品を仮置きできるため、収
納室２５に物品を出し入れする作業を容易に行うことが
できる。

【００２５】さらに、第一低建物ユニット２０の長手方
向の一側に階段室２１の階段２２が配置され、かつ長手
方向の他側に収納室２５が配置され、これらの収納室２
５および階段２２の間に踊り場２３が配置されているの
で、階段２２と踊り場２３と収納室２５とが第一低建物
ユニット２０の長手方向に並んで配置されることにな
る。これにより、階段２２の昇降方向の寸法を大きく確
保することができるから、階段２２を急勾配に形成しな
くてもよくなる。また、階段２２の昇降方向の寸法が十
分に確保されると、第一低建物ユニット２０の階段２２
だけで踊り場２３とその上の標準建物ユニット１０の床
１１とを連結できるため、階段２２の途中で第一低建物
ユニット２０の上梁４２や標準建物ユニット１０の下梁
４３等が邪魔になることがなくなり、設計の自由度を高
めることができる。

【００２６】さらに、階段室２１および収納室２５を区
画する間仕切壁２７には出入口２９が設けられているの
で、収納室２５への出入りが容易に行えるうえ、この収
納室２５と連通される収納室３１の配置に拘わらず出入
口２９の位置を統一できるので設計を単純化できる

【００２７】そして、第一低建物ユニット２０および第
二低建物ユニット３０の収納室２５，３１は隣接配置さ
れているので、これらの収納室２５，３１を連通させる
だけで大面積の収納空間３を容易に形成できる。また、
この収納空間３への出入りは第一低建物ユニット２０の
踊り場２３から出入口２９を介して簡単に行える。

【００２８】さらに、第一低建物ユニット２０の下の標
準建物ユニット１０Ａは踊り場２３と連結される下階用
階段１２を備え、この下階用階段１２は折れ階段とされ
ているため、下階用階段１２の占有面積を少なくでき、
第一低建物ユニット２０の踊り場２３からその下の標準
建物ユニット１０Ａに通じる階段を一つの標準ユニット
１０Ａ内の下階用階段１２だけで構成できる。従って、
第一低建物ユニット２０からその下の標準建物ユニット
１０Ａに通じる階段が他の標準建物ユニット１０に跨る
ことがなくなるため、下階用階段１２の途中で第一およ
び第二低建物ユニット２０，３０の下梁４３や標準建物
ユニット１０Ａの上梁４２等が邪魔になることがなくな
るうえ、設計上他の標準建物ユニット１０が階段の影響
を受けることがないので設計の自由度を向上できる。

【００２９】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を
含み、以下に示すような変形なども本発明に含まれる。
すなわち、前記実施形態では、ユニット式建物１の中間
層には、収納室２５，３１を備えた第一および第二低建
物ユニット２０，３０を積層したが、これらに加えて吹
き抜け等に利用される低建物ユニットを並設してもよ
く、或いは、収納室３１を有する第二低建物ユニット３
０はなくてもよい。

【００３０】また、第一および第二低建物ユニット２
０，３０が積層される層は、中間層に限らず、例えば、
最上層或いは最下層であってもよい。さらに、ユニット
式建物１を構成する建物ユニットは、標準建物ユニット
１０および低建物ユニット２０，３０だけに限定され
ず、例えば、標準建物ユニット１０よりも高さ寸法の大
きい高建物ユニットを用いてもよい。

【００３１】

【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
一つの低建物ユニットに階段室と収納室とが設けられて
いるため、低建物ユニットを階段室だけでなく収納にも
利用できるようになり、内部空間を有効利用することが
できる。また、収納室は踊り場に隣接配置されているの
で、収納室へは踊り場から簡単かつ確実に出入りするこ
とできるうえ、踊り場には物品を仮置きできるため、収
納室に物品を出し入れする作業を容易に行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す斜視図。

【図２】図１のII−II線断面図。

【図３】前記実施形態のユニット式建物の低建物ユニッ
トを示す水平断面図。

【図４】前記実施形態の第一低建物ユニットおよび標準
建物ユニットを示す斜視図。

【符号の説明】

１ ユニット式建物 １０ 標準建物ユニット １２ 下階用階段 ２０ 第一低建物ユニット（低建物ユニット） ２１ 階段室 ２２ 階段 ２３ 踊り場 ２５，３１ 収納室 ２７ 間仕切壁 ２９ 出入口 ３０ 第二低建物ユニット（低建物ユニット）

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高さ寸法が標準高さの標準建物ユニット
   よりも低い箱形の低建物ユニットであって、階段および
   踊り場を備えた階段室と、この踊り場に隣接した収納室
   とを有することを特徴とする低建物ユニット。
2. 【請求項２】 請求項１に記載した低建物ユニットにお
   いて、長手方向の一側に前記階段室の階段が配置され、
   かつ長手方向の他側に前記収納室が配置され、これらの
   収納室および階段の間に前記踊り場が配置されているこ
   とを特徴とする低建物ユニット。
3. 【請求項３】 請求項１または請求項２に記載した低建
   物ユニットにおいて、前記階段室および収納室は間仕切
   壁により区画され、この間仕切壁には出入口が設けられ
   ていることを特徴とする低建物ユニット。
4. 【請求項４】 複数の箱形の建物ユニットを組み合わせ
   て構築されるユニット式建物であって、前記建物ユニッ
   トは、高さ寸法が標準高さの標準建物ユニットと、この
   標準建物ユニットよりも高さ寸法が低くかつ上階部分に
   配置される低建物ユニットとを含み、この低建物ユニッ
   トは、階段および踊り場を備えた階段室とこの踊り場に
   隣接した収納室とを有する第一低建物ユニットと、収納
   室を有する第二低建物ユニットとを備え、これらの第一
   低建物ユニットおよび第二低建物ユニットは互いの収納
   室が隣接するように配置されていることを特徴とするユ
   ニット式建物。
5. 【請求項５】 請求項４に記載したユニット式建物にお
   いて、前記第一低建物ユニットの下には、前記階段室の
   踊り場と連結される下階用階段を備えた前記標準建物ユ
   ニットが配置され、この下階用階段は折れ階段とされて
   いることを特徴とするユニット式建物。