JPH10110399A - 紙塗工用塗工液構造体 - Google Patents

紙塗工用塗工液構造体

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JPH10110399A
JPH10110399A JP21335197A JP21335197A JPH10110399A JP H10110399 A JPH10110399 A JP H10110399A JP 21335197 A JP21335197 A JP 21335197A JP 21335197 A JP21335197 A JP 21335197A JP H10110399 A JPH10110399 A JP H10110399A
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JP
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coating liquid
coating
meth
acrylate
latex
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JP21335197A
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Hiroyuki Yamada
浩之 山田
Shoichi Doi
正一 土井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速塗工に適したより汎用性の塗工液構
造体を提供すること。 【解決手段】 顔料、ラテックス、水溶性高分子および
水を含む紙塗工用塗工液構造体において、塗工液組成及
び配合のバランスを考慮して塗工液の成分間の相互作用
を制御し、塗工液構造体をある特定の粘弾性値に調整す
ることにより高速塗工に適した塗工液構造体を得ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷用塗工紙の製
造に使用する塗工液構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙の印刷適性を向上させるために
顔料、高分子ラテックス、水溶性高分子などからなる塗
工液をロール塗工、エアナイフ塗工、ブレード塗工など
で塗布している。特に、最近は生産性の面からブレード
による高速塗工が多くなってきており、更には乾燥エネ
ルギーの低減を図るために塗工液固形分の高濃度化が進
みつつある。このようなブレードコーターによる塗工を
高速化していくと、ブリーディング、スタラグマイト、
ストリークなどの塗工操業上の問題が発生する。
【0003】この塗工操業上の問題の原因としては、こ
れまで高剪断下の塗工液の粘性や塗工液の保水性である
とされてきた。その為、塗工液の主成分である顔料の粒
径、形状及びそれらのブレンド比率による方法や、バイ
ンダーの主成分となるラテックスの改質や、バインダー
と併用される水溶性高分子の改質、あるいは、第3成分
としての添加による方法など多岐にわたる方法が提案さ
れ、高剪断下の粘度の低減や保水性の向上が図られてき
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとく、塗工液
組成の一成分を変更し、塗工液の高剪断下の粘性や保水
性を改善するだけでは、多様化する印刷適性及び種々の
塗工設備に合った配合での高固形分塗工液の高速化に対
応するには従来技術は必ずしも満足できるものではなか
った。そこで、本発明の目的は、印刷適性に合った配合
において、塗工液組成及び配合のバランスを考慮し、塗
工液が形成する塗工液構造を制御することにより高速塗
工に適したより汎用性のある塗工液構造体を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】塗工工程の安定性の機構
は従来明らかにされてないが、塗工液構造体の粘弾性等
のレオロジー特性に関連していると考えられる。本発明
者らは塗工液構造体による塗工工程の安定性の機構を次
のように推定している。塗工液は、高分子ラテックス粒
子と水溶性高分子との相互作用による局所凝集構造を形
成するとともに水溶性高分子等の水溶性成分を介在とし
た高分子ラテックス粒子と顔料粒子による3次元的なネ
ットワーク構造を形成する。この塗工液構造体のレオロ
ジー特性は塗工液の組成および配合により制御され、言
い換えれば、各成分の種類、特性に起因した各成分間の
相互作用により制御される。また、この相互作用の結果
生じる構造は経時的に変化し、塗工直前の構造が塗工時
の安定性に寄与する。理想的な塗工液構造体としては、
ブレードに入る直前で構造形成が少なく粘性率及び弾性
率が小さく、ブレードを出た直後、構造形成速度が早く
弾性率が急激に増加するものであり、このような塗工液
構造体であれば安定に塗工できると考えられる。以上の
考察の基に、本発明者らは、塗工液構造体をある特定の
粘弾性値に調整することにより高速塗工に適した塗工液
構造体を提供することができることを見いだし本発明を
完成するに至った。すなわち本発明は、顔料、ラテック
ス、水溶性高分子および水を含む紙塗工用塗工液構造体
であって、粘弾性測定により決定する該塗工液構造体の
構造パラメータGが30Pa以下であることを特徴とす
る塗工液構造体である。
【0006】本発明における顔料とは、抄造された原紙
表面に印刷適性の向上を目的として塗布される鉱物性顔
料や有機顔料であり、鉱物性顔料としては、例えば、カ
オリンクレー、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タル
ク、酸化チタン、石膏、硫酸アルミニウム等をあげるこ
とができる。有機顔料としては、例えば、ポリスチレン
またはスチレン系共重合体樹脂、フェノール樹脂、等が
あげられる。顔料は塗工液構造体100重量部に対し通
常40〜70重量部の割合で用いられる。これらの顔料
は単独で用いても、2種以上混合してもちいても良い。
【0007】本発明における高分子ラテックスは、前記
顔料を紙表面に固定するために用いられるバインダーと
して用いられる水性高分子ラテックスであり合成高分子
ラテックスでも天然高分子ラテックスでも良い。該合成
高分子ラテックスとしては、スチレンブタジエン系重合
体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、酢酸ビニ
ル系重合体ラテックスが好ましい。スチレンブタジエン
系テックスとは、スチレン単量体およびブタジエン単量
体を含む単量体を重合して得られるラテックスである。
必要ならばその他の共重合可能な単量体を含むことも可
能である。アクリル系ラテックスとは、アクリル酸アル
キルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエス
テル単量体を含む単量体から得られるラテックスであ
る。必要ならばその他の共重合可能な単量体を含むこと
も可能である。酢酸ビニル系ラテックスとは、酢酸ビニ
ル単量体を含む単量体を重合して得られるラテックスで
ある。必要ならばその他の共重合可能な単量体を含むこ
とも可能である。
【0008】またこれらの高分子ラテックスは単独で用
いても、2種以上混合して用いてもよい。これらの高分
子ラテックスは、分子中に重合性不飽和結合を1個ある
いは2個以上有する単量体を単独あるいは二種以上混合
して重合することで得られる。重合は水中で必要に応じ
て乳化剤、シード、その他の添加剤と共に、乳化重合、
けん濁重合、分散重合を行うか、あるいは重合体を調整
した後水中に分散させることによって得る方法が通常行
われる方法である。
【0009】これらの高分子ラテックスを得るための単
量体としては、以下の単量体が例示できる。
【0010】共役ジエンとしては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチル1,3−ブタジエ
ン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−
1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプ
レン、2−クロル−1,3−ブタジエン、シクロペンタ
ジエン等を挙げることができる。
【0011】その他の単量体として、一塩基酸単量体、
二塩基酸単量体、芳香族ビニル化合物、アクリル酸エス
テル類、メタクリル酸エステル、不飽和二塩基酸アルキ
ルエステル、無水マレイン酸、シアン化ビニル化合物、
アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルエステル、
ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、アミノ基を有する
塩基性単量体、ビニルピリジン、オレフィン、ケイ素含
有α,β−エチレン性不飽和単量体、アリル化合物、等
を例示することができる。
【0012】より具体的には、一塩基酸単量体として、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香
酸、桂皮酸、スチレンスルホン酸、およびこれらの一塩
基酸単量体のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム
塩、等が例示できる。
【0013】二塩基酸単量体としては、イタコン酸、フ
マル酸、マレイン酸、シトラコン酸、ムコン酸、および
これらの二塩基酸単量体のナトリウム塩、カリウム塩、
アンモニウム塩、等が例示できる。
【0014】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、ビニ
ルトルエン、ビニルキシレン、ブロモスチレン、ビニル
ベンジルクロリド、p−t−ブチルスチレン、クロロス
チレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン、トリビ
ニルベンゼン、等が例示できる。
【0015】アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミルヘキシル
(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アク
リレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、
ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパ
ン、メトキシポリエチリングリコール(メタ)アクリレ
ート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロ
ジェンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルハイドロジェンサクシネート、3−クロロ−2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アク
リレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)ア
クリロキシプロパン、2,2−ビス[4−((メタ)ア
クリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビ
ス[4−((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロ
キシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、イソボルニ
ル(メタ)アクリレート等が例示できる。
【0016】不飽和二塩基酸アルキルエステルとしては
クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸アルキルエス
テル、フマル酸アルキルエステル、マレイン酸アルキル
エステル、等を例示できる。
【0017】シアン化ビニル化合物としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等を例示できる。
【0018】アクリルアミド、メタクリルアミドとして
は、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミ
ド等を例示できる。
【0019】ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、ビ
ニルブチレート、ビニルステアレート、ビニルラウレー
ト、ビニルミリステート、ビニルプロピオネート、バー
サティク酸ビニル等を例示できる。
【0020】ビニルエーテルとしては、メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘ
キシルビニルエーテル等を例示できる。
【0021】ハロゲン化ビニルとしては、塩化ビニル、
臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビ
ニリデン等を例示できる。
【0022】アミノ基を有する塩基性単量体としては、
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、等を例示できる。
【0023】オレフィン、としては、エチレン等を例示
できる。
【0024】ケイ素含有α,β−エチレン性不飽和単量
体としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエト
キシシラン等を例示できる。
【0025】アリル化合物としては、アリルエステル、
ジアリルフタレート、等を例示できる。
【0026】その他、トリアリルイソシアヌレート等の
3個以上の二重結合を有する単量体も使用できる。
【0027】高分子ラテックスの使用量は顔料100重
量部に対して、1重量部以上、好ましくは2重量部以
上、更に好ましくは5重量部以上含有する。高分子ラテ
ックスが1重量部より少ないとドライピック、ウェット
ピックなどの接着強度が悪くなる。これらの高分子ラテ
ックスの粒子径は20から200nmであることが好ま
しい。より好ましくは50から120nmである。20
nmより小さいと乾燥の際に高分子ラテックスがマイグ
レートして印刷適性を損ない、200nmよりも大であ
ると塗工液の流動性が低下し操業性が悪くなる。
【0028】本発明における水溶性高分子として好まし
くは、デンプン、変性デンプン、カゼイン、変性カゼイ
ン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロース、アルカリ可溶性ラテ
ックス、などが例示さる。変性デンプンとしては、酸化
デンプン、エーテル化デンプン、酵素変性デンプン、リ
ン酸化デンプン等があげられる。
【0029】水溶性高分子の使用量は,顔料100重量
部に対して、0.1重量部以上が好ましく、より好まし
くは0.5重量部以上である。水溶性高分子の使用量
が、0.1重量部より小さいと塗工液の粘度調整ができ
ず、塗工液の保水性の低下及び塗工紙の剛性などの低下
が起こる。これらの水溶性高分子は単独で用いても、2
種以上混合して用いても良い。
【0030】本発明の塗工液構造体には、顔料、高分子
ラテックス、水溶性高分子以外の成分を含むことができ
る。例えば、水酸化ナトリウム・水酸化カリウム・アン
モニアなどのpH調整剤、顔料分散剤・粘度調節剤・滑
剤などの塗工操業性改良材、耐水化剤・着肉改良剤など
の印刷適性改良剤、染料、蛍光染料、着色顔料、防腐
剤、その他の物性改良剤を必要に応じて添加することが
できる。
【0031】塗工液構造体を規定する方法としては、ア
プリケート直前の塗工液を静置した時の初期段階の貯蔵
弾性率G’の経時変化を静置時間tの対数関数G’=A
logt+B(A,Bは任意の定数)として表したとき
のB値を構造形成パラメータとする方法と静置時間tに
対してlogG’=Alogt+B(A,Bは任意の定
数)で表したときのt=0.001(秒)のG’値を構
造パラメータGとする方法がある。両者とも、測定可能
な初期段階の貯蔵弾性率G’が小さく(Bが小)、構造
変化が大きい(Aが大)ほど、小さな値となるが、構造
形成パラメータは構造変化を、構造パラメータGは構造
形成過程の初期段階の貯蔵弾性率G’をより反映する。
【0032】塗工液の構造パラメータGは塗工液の動的
粘弾性測定により決定する。粘弾性測定は、塗工液が線
形領域にとどまる応力、動的貯蔵弾性率の第二平坦領域
に相当する周波数で、塗工液が使用される温度20から
70℃の条件で行われる。アプリケート直前の塗工液を
静置した時、貯蔵弾性率の経時変化を測定すると初期段
階の貯蔵弾性率G’は静置時間tに対してlogG’=
Alogt+Bで表される。A,Bは任意の定数であ
る。塗工液がアプリケート時からブレードまでのタイム
スケールに相当する0.001秒のG’を構造パラメー
タGとする。G’を用いるのはG”は平坦部を持たない
ため、測定周波数が異なるとその値が異なり、構造の程
度が評価できない。本発明の塗工液構造体において、こ
の構造パラメータGは30Pa以下、好ましくは10P
a以下、更に好ましくは1Pa以下である。30Paを
越えると、塗工液が構造を形成しすぎて、高速ではブリ
ーディング等が発生し、塗工工程の安定性が悪くなる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。例中の%及び部は、特に断らない限り重量
表示である。なお、各種物性の測定法は、次に示す通り
である。
【0034】(1)粒子径 ラテックスを0.01%以下に希釈した希薄なラテック
ス/水系懸濁液を走査型電子顕微鏡(SEM)の試料台
の上に滴下した後、常温常圧で乾燥させたラテックス粒
子をSEMを用いて観察した。そのSEM像に画像処理
を施して粒径分布を求め、その数平均粒子径を算出し、
粒子径とした。
【0035】(2)構造パラメータG 動的粘弾性測定は、HAAKE粘度計RheoStre
ssRS100(cone/plate 1゜35m
m)を用い、サンプルをセットした後の貯蔵弾性率の経
時変化を応力1Pa、周波数1Hz、25℃で測定し
た。このときの静置100秒以内の初期段階の貯蔵弾性
率の経時変化を式logG’=Alogt+B(A,B
は任意の定数)として求め、t=0.001を代入した
ときのG’の値を構造パラメータGとした。
【0036】(3)塗工安定性評価 特開平08−266998に記載の方法で行った。その
概要を以下に示す。
【0037】ベンチコーターを使用し、紙を用いないで
バッキングロールに塗工液を直接塗工し、ブレード刃先
をマイクロスコープで観察して塗工工程の安定性(ブリ
ーディング等の発生の有無)を評価した。塗工時の剪断
速度は、塗工厚みと塗工速度から算出した。塗工厚み
は、レーザー変位計を用い、塗工前と塗工時との差から
求めた。また、ブレードのヒール当たりを防ぐためにブ
レードのたわみをレーザー変位計で検知し、ブレードが
常にトウ当たり(ブレード先端でブレード先端角度プラ
ス2度の角度)になるよう調節して、塗工を行った。塗
工時の各剪断速度に対して、ブリーディング等の発生の
ない場合を○、ブリーディング等の発生があった場合を
×として評価した。
【0038】
【実施例1】 1)共重合体ラテックスの作成 平均粒子径35nmの単分散のシードラテックス1.6
部と104部の重合水、ドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ0.08部、イタコン酸3部を滴下装置及び撹拌機
付きの耐圧重合容器に仕込み、80℃に昇温した。窒素
置換後、スチレン60部、ブタジエン37部、α−メチ
ルスチレンダイマー2部からなる油性単量体混合液と水
20部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.08
部、苛性ソーダ0.16部、過硫酸ソーダ0.8部から
なる水性混合液をそれぞれ7時間かけて添加した。そし
て、80℃の温度をそのまま1時間保った後冷却した。
かくして生成した重合体ラテックスを苛性ソーダでpH
を7に調整してからスチームストリッピング法により、
未反応の単量体を除去し、フィルターで濾過し、合成共
重合体ラテックスA−1を得た。また、モノマー組成を
表1に示すように変えた以外は前記と同様にして重合体
ラテックスA−2を得た。
【0039】
【表1】
【0040】2)塗工液構造体の作成 まず、クレイ(KCS)60部、重炭酸カルシウム(カ
ービタル90)40部、分散剤(アロンT−40、東亞
合成化学製)0.1部、酸化デンプン(王子エースA)
2.5部と1)で調製したラテックス(A−1)11部
に固形分濃度67%になるように水を添加して混合攪拌
し、塗工液構造体を調製した。その後、これらの塗工液
構造体を水酸化ナトリウム水溶液でpHを約8.5にし
た。この塗工液構造体の構造パラメータGを測定し、次
に塗工安定性評価試験を行った。その結果を表2に示
す。
【0041】
【実施例2】塗工液構造体の固形分濃度を64%にした
以外は、実施例1と同様にして塗工液構造体を調製し
た。その結果を表2に示す。
【0042】
【実施例3】表1のA−2に示す単量体組成で実施例1
と同様の方法で作成した共重合体ラテックスを用いた以
外は、実施例1と同様にして塗工液構造体を調製した。
その結果を表2に示す。
【0043】
【実施例4】クレイ(UW90、エンゲルハード社製)
70部、重炭酸カルシウム(カービタル90)30部、
分散剤(アロンT−40、東亞合成化学製)0.2部、
酸化デンプン(王子エースB)3部と1)で調製したラ
テックス(A−2)11部に固形分濃度64%になるよ
うに水を添加して混合攪拌し、塗工液構造体を調製し
た。その後、これらの塗工液構造体を水酸化ナトリウム
水溶液でpHを約8.5にした。この塗工液構造体の構
造パラメータGを測定し、次に塗工安定性評価試験を行
った。その結果を表2に示す。
【0044】
【比較例1】塗工液構造体の固形分濃度を67%にした
以外は、実施例4と同様にして塗工液構造体を調製し
た。その結果を表2に示す。
【0045】
【比較例2】実施例3の塗工液構造体を1日静置し、構
造パラメータGの測定及び塗工安定性評価試験を行っ
た。その結果を表2に示す。
【0046】
【比較例3】ラテックスを添加しない以外は、実施例4
と同様にして塗工液構造体を調製した。その結果を表2
に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、塗工液組
成及び配合のバランスを考慮し、塗工液のレオロジー特
性を制御することにより高固形分塗工液を高速で安定に
塗工できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D21H 19/56 D21H 1/28 A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、高分子ラテックス、水溶性高分子
    および水を含む紙塗工用塗工液構造体であって、粘弾性
    測定により決定する該塗工液構造体の構造パラメータG
    が30Pa以下であることを特徴とする塗工液構造体。
  2. 【請求項2】 高分子ラテックスが共役ジエン系共重合
    体ラテックスである請求項1の塗工液構造体。
  3. 【請求項3】 高分子ラテックスがアクリル系共重合体
    ラテックスである請求項1の塗工液構造体。
  4. 【請求項4】 高分子ラテックスが酢酸ビニル系共重合
    体ラテックスである請求項1の塗工液構造体。
  5. 【請求項5】 高分子ラテックスの粒子径が20から2
    00nmである請求項1の塗工液構造体。
  6. 【請求項6】 共役ジエン系共重合体ラテックスがスチ
    レン−ブタジエン系共重合体ラテックスである請求項2
    の塗工液構造体。
  7. 【請求項7】 顔料100重量部に対して高分子ラテッ
    クスの固形分で1重量部以上、水溶性高分子0.1重量
    以上である請求項1の塗工液構造体。
JP21335197A 1996-08-13 1997-08-07 紙塗工用塗工液構造体 Withdrawn JPH10110399A (ja)

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