JP3543436B2 - 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙塗工用に好適な共重合体ラテックスに関する、更に詳しくは、塗工操業性に優れ、かつ、印刷光沢、表面平滑性、表面強度、剛度等の印刷適性に優れた塗工紙を与える共重合体ラテックスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、顔料と水性バインダーとを主体とした紙塗工用組成物を紙に塗工し、印刷適性に優れた塗工紙が製造されており、共重合体ラテックスはその優れた接着強度から、紙塗工用組成物の主バインダーとして使用されている。
近年、印刷の高級化、高速化にともない、塗工紙に要求される性能も厳しくなってきており、接着強度、耐水性、剛度、インキ転移性、印刷光沢や耐ブリスター性などの改良が要求されるようになった。更に近年はコスト低減の目的からバインダー量を低減する要求が高まっており、このためより少量の添加量でも十分な表面強度を示すバインダーが求められている。
また、一方塗工紙の製造そのものも高速化しており、塗工操業性の改良、すなわちその主な障害であるロール汚れ性の改良、すなわち共重合体ラテックスの粘着性(べとつき性)の低減も強く要求されている。
主バインダーである共重合体ラテックスに対しては、特に前記の性質、特に表面強度の改良が求められ、例えばゲル含量を調製する方法や共重合体組成を変えるなどの改良方法が提案されているが、これらの要求物性は互いに背反する性質がほとんどであり、全てを高いレベルにバランス化させることは非常に困難である。
例えば、接着強度を改良する目的で共役ジエン系単量体の量を増やし、共重合体のガラス転移点を低くする方法が採られていたが、この方法では耐水性や剛度、べとつき性の低下が著しい。逆に、ガラス転移点を高くすると、耐水性、剛度は良好であるが、接着強度及び印刷光沢の低下が著しい。また官能基を有する単量体を多量に用いる方法は、強度は改良されるがラテックス粘度が異常に高くなり、作業性が著しく低下し、かつ共重合体ラテックスの製造コストが高くなるという問題点が残る。
この様に、これらの何れの方法も、個々の性能の改良が達成されても、全ての要求を満たすことは出来ず、ますます厳しくなる印刷における要求を満たすことは出来ないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の技術的課題を背景になされたものであり、塗工紙の接着強度を大幅に改良し、かつ耐水性、剛度、インキ乾燥性、印刷光沢に優れ、かつべとつき性が低減され、この結果、塗工操業性に優れた、紙塗工用に好適な、特に高速オフセット印刷用紙の塗工用に好適な共重合体ラテックスの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、(a)アルキルアクリレート70〜100重量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0〜5重量%、および(c)芳香族ビニル化合物および/またはシアン化ビニル化合物単量体0〜30重量%(ただし、(a)+(b)+(c)=100重量%)からなる単量体(A)を重合して得られ、かつガラス転移点が0℃以下である共重合体(B)25〜70重量部の存在下に、(d)脂肪族共役ジエン系単量体10〜60重量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜30重量%、および(e)これらと共重合可能な他の単量体10〜89.5重量%(ただし、(d)+(b)+(e)=100重量%)からなる単量体(C)75〜30重量部(ただし、(B)+(C)=100重量部)を重合することを特徴とする紙塗工用共重合体ラテックス(以下、単に共重合体ラテックスという)の製造方法を提供するものである。
本発明の共重合体(B)に使用される(a)アルキルアクリレートとしては、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートなどのアルキル基の炭素数1〜18、好ましくは2〜12のアルキルアクリレートが挙げられる。これらの(a)アルキルアクリレートは、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。かかる(a)アルキルアクリレートは、得られる重合体に適度な柔軟性と伸びを与え、耐衝撃性を付与するために必須の成分であり、その使用割合は共重合体(B)を形成するための全単量体の70〜100重量%、好ましくは80〜100重量%である。(a)アルキルアクリレートの割合が70重量%未満であると共重合体(B)が硬くなり過ぎ、接着強度が改良されない。
【0005】
また、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、例えばイタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することもできる。
かかる(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用量は共重合体(B)を形成する全単量体の0〜5重量%、好ましくは0〜2重量%である。5重量%を超えると、重合時のラテックスの安定性が悪く、凝固物が生成し易くなる。
【0006】
また、(c)芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどが挙げられ、特にスチレンが好ましい。ビニルシアン化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、このうち特にアクリロニトリルが好ましい。
これら(c)芳香族ビニル化合物および/またはビニルシアン化合物は共重合体(B)に、目的に応じた適度なガラス転移点を与えるために使用するものであり、その使用割合は0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%である。(c)芳香族ビニル化合物および/またはビニルシアン化合物が30重量%を超えると共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が劣る。
また、共重合体(B)のガラス転移点は0℃以下、好ましくは−5℃以下であることが必要である。共重合体(B)のガラス転移点が0℃より高いと、得られる共重合体が硬くなり十分な接着強度が得られない。
【0007】
単量体(C)は(d)脂肪族共役ジエン系単量体10〜60重量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜30重量%、および(e)これらと共重合可能な他の単量体10〜89.5重量%(ただし、(d)+(b)+(e)=100重量%)からなる。
本発明の単量体(C)に使用される(d)脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、特に好ましくは1,3−ブタジエンである。 これらの(d)脂肪族共役ジエン系単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
かかる(d)脂肪族共役ジエン系単量体は、得られる共重合体に適度な柔軟性と伸びを与えるために必須の成分であり、その使用割合は10〜60重量%、好ましくは15〜50重量%である。(d)脂肪族共役ジエン系単量体が10重量%未満であると共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が劣り、60重量%を超えると、耐水強度、べとつき防止性が極端に低下する。
また、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、前記共重合体(B)を形成する共重合体に使用されるものと同様のものを挙げることができる。
かかる(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用量は0.5〜30重量%、好ましくは2〜10重量%であり、0.5重量%未満では重合時のラテックスの安定性が悪く、凝固物が生成し易く、また得られるラテックスの機械的、化学的安定性に劣る。 一方30重量%を越えると得られるラテックスの粘度が高くなり過ぎ、その取扱いが難しくなり、作業性が低下し、実用性に欠けるものとなる。
【0008】
さらに、(e)共重合可能な他の単量体としては、芳香族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリレート、シアン化ビニル化合物、酢酸ビニル、(アルキルメタ)アクリルアミド系化合物などが挙げられる。
このうち、芳香族ビニル化合物としては、前記共重合体Bを形成する単量体と同様のものが挙げられ、特にスチレンが好ましい。
また、アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、このうち特にメチルメタアクリレートが好ましい。さらに、ビニルシアン化合物としては、共重合体(B)を形成する単量体と同様のものが挙げられ、このうち特にアクリロニトリルが好ましい。
さらに(アルキルメタ)アクリルアミド系化合物としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
これら(e)他の単量体は、1種単独でも、あるいは2種以上を併用することも出来る。
これらの(e)他の単量体は、共重合体に適度な硬さ、接着性を付与するためのものであり、その使用量は、10〜89.5重量%、好ましくは30〜88.5重量%である。(e)他の単量体の使用量が10重量%未満では、共重合体が柔らかくなり過ぎ、べとつき防止性、剛度が劣り、一方89.5重量%を超えると逆に硬くなり過ぎ、接着強度が劣る。
【0009】
また、本発明において単量体(C)のみを重合して得られる共重合体のガラス転移点は(B)よりも5℃以上、好ましくは10℃以上、さらに好ましくは15℃以上高い。2つのガラス転移点の差が5℃未満では、強度の改良効果が小さい。
本発明において、共重合体(B)と単量体(C)の割合は((B):(C)、重量比)は、5:95〜90:10、好ましくは10:90〜80:20、更に好ましくは20:80〜70:30である。
単量体(C)の割合が共重合体ラテックスの10重量%未満では、剛度、べとつき防止性が劣る。一方、95重量部を越えると、相対的に共重合体(B)の低ガラス転移点共重合体の量が少なくなり、強度が劣る。
本発明の共重合体ラテックスの粒子径は、70〜350nmが好ましく、さらに好ましくは80〜250nmである。
また、本発明の共重合体ラテックスのトルエン不溶分は、通常、60〜98重量%、好ましくは0〜95重量%である。
【0010】
本発明で使用される単量体を乳化重合するに際しては、公知の方法で水性媒体中で乳化剤、重合開始剤、分子量調節剤などを用いて製造することができる。
ここで、乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが単独で、あるいは2種以上を併用して使用できる。
ここで、アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステルなどが挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いられる。
両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩を、カチオン部分としてはアミン塩、第4級アンモニュウム塩を持つものが挙げられ、具体的にはラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのベタイン類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン、などのアミノ酸タイプのものなどが用いられる。
【0011】
重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウリルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチルニトリルなどの油溶性重合開始剤、還元剤との組み合わせによるレドックス系重合開始剤などが、それぞれ単独であるいは組み合わせで使用できる。
分子量調節剤、キレート化剤、無機電解質なども公知のものが使用できる。
分子量調節剤としては、クロロホルム、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸などのメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルフィドなどのキサントゲン類、ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマーなど通常の乳化重合で使用可能なものを全て使用できる。
【0012】
重合方法としては、シード重合と同様に、あらかじめ共重合体(B)を別の重合容器で重合し、所定量を添加した後、単量体(C)を重合する方法、もしくは同一重合容器内で2段重合を行う方法などが採られる。
共重合体(B)を重合する方法としては、単量体混合物を全量一括で仕込み重合する方法、単量体混合物の一部を重合した後、その残りを連続的にあるいは断続的に添加する方法、あるいは単量体混合物を重合の始めから連続的に添加する方法などを採ることができる。また、単量体(C)を重合する方法としては、単量体混合物を全量一括で仕込み重合する方法、あるいは単量体混合物を連続的に添加する方法などを採ることができる。
重合温度は、通常共重合体(B)を重合する場合10〜90℃、好ましくは10〜80℃、特に好ましくは60〜80℃、単量体(C)を重合する場合は40〜90℃、好ましくは60〜80℃である。重合時間は、通常10〜30時間である。
【0013】
本発明で得られる共重合体ラテックスは、無機あるいは有機顔料、さらに必要に応じて他のバインダー、種々の助剤を配合して紙塗工用組成物とすることができる。上記共重合体ラテックスの配合量は顔料100重量部に対して共重合体ラテックス1〜30重量部(固形分として)、好ましくは3〜25重量部である。共重合体ラテックスが1重量部未満であると、接着強度が著しく低下し、一方30重量部を超えるとインク乾燥性の低下が著しい。
前記無機顔料としてはクレー、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛等が、また有機顔料としてはポリスチレンラテックス、尿素ホルマリン樹脂などを挙げることができる。これらは目的に応じて、単独でも、あるいは2種以上組み合わせても使用することができる。
【0014】
本発明で得られる共重合体ラテックスを用いたオフセット印刷用紙塗工組成物においては、顔料接着剤として、上記共重合体ラテックスに加えて、カゼイン、カゼイン変性物、澱粉、澱粉変性物、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性物質を必要に応じて組み合わせて使用できる。
本発明で得られる共重合体ラテックスを用いたオフセット印刷用紙塗工組成物においては、一般に使用されている種々の配合剤、例えば、耐水性改良剤、顔料分散剤、粘度調節剤、着色顔料、粘度調節剤、蛍光染料およびpH調節剤を任意に配合することができる。
本発明で得られる共重合体ラテックスは、オフセット枚葉印刷機用に好適に使用されるが、その他、オフセット輪転印刷機、凸版印刷、グラビア印刷などの各種印刷用および、紙のコーティング剤、カーペットバッキング剤、その他の接着剤、さらに塗料としても使用することができる。
【0015】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。なお、実施例において割合を示す部および%はそれぞれ重量部および重量%を意味するものである。
(共重合体ラテックスの製造)
(実施例1〜4)
攪拌機を備え、温度調節の可能なオートクレーブ中に水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム1.0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部および表1に示した第1段目の成分を一括して仕込み、60℃で6時間反応させ、重合添加率が90%以上であることを確認後、続いて第2段目の成分を70℃で7時間にわたって連続的に添加して重合を継続させ、更に連続添加終了後4時間にわたって75℃で反応させた。最終的な重合添加率は98〜99%であった。
【0016】
【表1】
Figure 0003543436
【0017】
(比較例1〜3)
実施例1〜4と同様にして、攪拌機を備え、温度調節の可能なオートクレーブ中に水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム1.0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部および表2に示した第1段目の成分を一括して仕込み、60℃で2時間反応させ、続いて第2段目の成分を70℃で7時間にわたって連続的に添加して重合を継続させ、更に連続添加終了後4時間にわたって75℃で反応させた。最終的な重合添加率は98〜99%であった。
【0018】
【表2】
Figure 0003543436
Figure 0003543436
【0019】
実施例1〜4および比較例1〜3で得られた共重合体ラテックスの諸特性を測定し、表3および表4に示した。
(ガラス転移点の測定)
得られた共重合体ラテックスを100℃で20時間真空乾燥を行い、フィルムを作成した。上記乾燥フィルムを示差走査熱量計(デュポン社製)を用いて、昇温速度20℃/分で測定した。
実施例1〜4で得られた共重合体ラテックスは全て、DSCの測定から2つのガラス転移点が観測された。
(ラテックス粒子径の測定)
得られた共重合体ラテックスの平均粒子径は、コールター社製のサブミクロンアナライザー(モデルN4)で、常法により求めた。
(トルエン不溶分の測定)
共重合体ラテックスのトルエン不溶分は以下のようにして測定した。共重合体ラテックスをpH8.0に調製した後、イソプロパノールで凝固し、この凝固物を洗浄、乾燥した後、所定量(約0.03g)の試料を所定量(100ml)のトルエンに20時間浸漬する。その後、120メッシュの金網で濾過し、得られる残存固形分の仕込の全固形分に対する重量%を求める。
【0020】
実施例1〜4および比較例1〜3で製造した共重合体ラテックスを用いて、下記の処方により紙塗工用組成物を調製した。
配合
カオリンクレー 70.0部
炭酸カルシウム 30.0部
分散剤 0.2部
水酸化ナトリウム 0.1部
澱粉4) 4.0部
ラテックス(固形分として) 10.0部
水 全固形分が60%となるように適当量添加
この塗工紙用組成物を塗被原紙上に、塗工量が片面18.0±0.5g/m2となるように、電動式ブレードコーター(熊谷理機工業製)で塗工し、150℃の電気式熱風乾燥機にて15秒間乾燥した。得られた塗工紙を温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽に1昼夜放置し、その後、線圧100kg/cm、ロール温度50℃の条件でスーパーカレンダー処理を4回行った。得られた塗工紙の性能評価は以下の方法により行った。
【0021】
1)ドライピック強度
RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階法で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
2)ウェットピック強度
RI印刷機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿してから、RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階法で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
3)印刷光沢
RI印刷機を用いてオフセット用インキをベタ塗りし、村上式光沢計を使用して60度の角度で測定した。
4)剛度
JIS P8143に準じて自動クラーク剛度試験機(熊谷理機工業製)を用いて測定した。
5)べとつき性
ラテックスをPETフィルム上にNo.18ロッドにより塗布し、120℃で30秒間、乾燥し、皮膜を形成させる。この皮膜と黒羅紗紙を合わせて、ベンチスーパーカレンダーにより線圧200kg/cm,温度70℃の条件下で圧着させる。これをひきはがして、黒羅紗紙のラテックスへの転写の程度を目視で5段階評価する。転写の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
上記の評価方法で評価した結果を表2に示した。実施例1から4は本発明の範囲の共重合体ラテックスを用いたオフセット印刷用紙塗工組成物であり、本発明の目的のもの、すなわち接着強度に優れ、かつ印刷光沢、剛度、べとつき防止性に優れたものが得られた。
【0022】
【表3】
Figure 0003543436
【0023】
【表4】
Figure 0003543436
【0024】
【発明の効果】
本発明で得られる共重合体ラテックスを用いたオフセット印刷用紙塗工組成物は、従来のオフセット印刷用紙塗工組成物では達成できなかった、非常に優れた接着強度、印刷光沢、剛度、べとつき防止性を有しており、極めて工業的価値が高い。

Claims (4)

  1. (a)アルキルアクリレート70〜100重量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0〜5重量%、および(c)芳香族ビニル化合物および/またはシアン化ビニル化合物単量体0〜30重量%(ただし、(a)+(b)+(c)=100重量%)からなる単量体(A)を重合して得られ、かつガラス転移点が0℃以下である共重合体(B)25〜70重量部の存在下に、(d)脂肪族共役ジエン系単量体10〜60重量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜30重量%、および(e)これらと共重合可能な他の単量体10〜89.5重量%(ただし、(d)+(b)+(e)=100重量%)からなる単量体(C)75〜30重量部(ただし、(B)+(C)=100重量部)を重合することを特徴とする紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法。
  2. ラテックスの粒径が70〜350nmである請求項1記載の紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法。
  3. 単量体(A)を重合して共重合体(B)を得る際の重合温度が10〜90℃、共重合体(B)の存在下で単量体(C)を重合する際の重合温度が40〜90℃である請求項1または2記際の紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法。
  4. 単量体(A)を重合して共重合体(B)を得る際の重合と、共重合体(B)の存在下で単量体(C)を重合する際の重合を同一重合容器内で行なう請求項1〜3いずれかに記載の紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法。
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