JPH10110118A - 防汚性ハードコート剤および光記録媒体 - Google Patents
防汚性ハードコート剤および光記録媒体Info
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- JPH10110118A JPH10110118A JP9217451A JP21745197A JPH10110118A JP H10110118 A JPH10110118 A JP H10110118A JP 9217451 A JP9217451 A JP 9217451A JP 21745197 A JP21745197 A JP 21745197A JP H10110118 A JPH10110118 A JP H10110118A
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- recording medium
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- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】人の汗や指紋痕などに対する光記録媒体表面の
防汚性を向上させる。 【解決手段】光記録媒体の表面に非架橋型フッ素系界面
活性剤を含有する防汚性ハードコート層を設けることに
より防汚性を向上させる。
防汚性を向上させる。 【解決手段】光記録媒体の表面に非架橋型フッ素系界面
活性剤を含有する防汚性ハードコート層を設けることに
より防汚性を向上させる。
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は非架橋型フッ素系界
面活性剤を含有する防汚性ハードコート層を設けた光記
録媒体に関するものである。
面活性剤を含有する防汚性ハードコート層を設けた光記
録媒体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】光ディスクは大容量で可搬性に優れてお
り、実用化が進んでいる。この光ディスクはいずれも透
明基板上に記録層などを形成した後、その上にさらに記
録層を保護するために保護樹脂層を積層した構造になっ
ており、記録層とは反対側の透明基板側からレーザー光
を入射することにより、情報の記録および／または再生
が行われる。
り、実用化が進んでいる。この光ディスクはいずれも透
明基板上に記録層などを形成した後、その上にさらに記
録層を保護するために保護樹脂層を積層した構造になっ
ており、記録層とは反対側の透明基板側からレーザー光
を入射することにより、情報の記録および／または再生
が行われる。
【０００３】使用する基板としてはガラスやポリカーボ
ネートやポリメチルメタクリレートなどがあるが、加工
性、取扱い性、価格などの点からポリカーボネートが多
く使用されている。しかし、このポリカーボネートは軟
らかく、また、ドライブ内での回転で生じる空気との摩
擦により静電気を帯びやすい。このため、ポリカーボネ
ート基板は空気中の汚れが付着しやすく、容易に傷が付
きやすい。付着する汚れは多種多様であるが、代表的な
ものとして空気中のＳｉＯ2 、Ｆｅ2 Ｏ3 、Ａｌ2 Ｏ3
などの無機物や人の汗や指紋などの有機物などがあり、
その寸法も数百μｍから０．０１μｍまで分布してい
る。付着する汚れの種類や汚れ具合は使用環境によって
大きく異なる。これら汚れのうち、ＳｉＯ2 、Ｆｅ2 Ｏ
3 、Ａｌ2Ｏ3 などの無機物は例えば、エアーブローを
かけることにより比較的簡単に汚れを落とすことができ
る。一方、人の汗や指紋などの油成分（有機物）は無機
物などの汚れとは異なり、エアーブローをかけただけで
は汚れが落ちにくい。そのため、これら汚れに対しては
光ディスク専用のクリナーを用いて汚れを落とす方法が
ある。しかし、いずれにしても汚れが光記録媒体表面に
付着した状態やそれが原因で基板に傷がついた状態で情
報の記録および／または再生を行った場合、レーザー光
が散乱し、信号エラーとなって正確な情報の記録および
／または再生ができなくなる。これらを防止するために
通常ポリカーボネート基板の表面保護を目的としてハー
ドコート層を設けることが知られている。さらにゴミや
ほこりなどを付着しにくくするためにハードコート層自
体に帯電防止性を付与することも知られている。例えば
特開昭６０−２３９９４６号公報および特開昭６１−２
７６１４５号公報では帯電防止剤としてカチオン系のア
ミンを添加したり、アニオン系のアルキルベンゼンスル
ホン酸塩、非イオン性のポリオール、アルキルフェノー
ルのエチレンオキサイド、両性系のイミダゾリン型やア
ラニン型金属塩を添加、特開平３−４９０５３号公報で
は脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート
化合物を添加、特開平３−１７３９４９号公報ではラウ
リル化合物などを添加、特開平４−８０２６７号公報で
はチオシアン酸およびアルキレングリコール鎖を有する
アニオン性界面活性剤を添加する方法がある。これら界
面活性剤はいずれもゴミやほこりやなどの無機物の汚れ
を付着させにくくする効果がある。しかし、これら帯電
防止剤含有のハードコート剤では人の汗や指紋痕などの
有機物の汚れに対する防汚性についてはほとんど効果が
ない。それにもかかわらず、これまであまり問題とされ
なかったのは書き換え型光ディスクの多くがカートリッ
ジに入っており、光ディスク表面に直接手で触れること
があまりなかったからである。また、たとえ汚れた場合
でも光ディスク専用のクリーナー等を用いて、汚れを拭
き取ることで解決していた。しかし、将来的には書き換
え型光ディスクもカートリッジを用いず裸のままでの使
用も考えられ、これまで以上に人の汗や指紋痕などでデ
ィスク表面を汚染する機会が増大することが予想され
る。さらに高密度記録の光ディスク、例えばＤＶＤのよ
うな場合、レーザービームスポット径が小さいため、よ
り小さな汚れに対しても信号エラーとなる可能性が高
い。この場合、もちろんクリナーを用いて汚れを拭き取
ることは可能であるが、汚れを拭き取る手間が増えるた
めに作業性が悪くなるばかりでなく、ハードコート層自
体に傷が生じたり、あるいはハードコート層自体が摩耗
し、すり減ることも考えられる。
ネートやポリメチルメタクリレートなどがあるが、加工
性、取扱い性、価格などの点からポリカーボネートが多
く使用されている。しかし、このポリカーボネートは軟
らかく、また、ドライブ内での回転で生じる空気との摩
擦により静電気を帯びやすい。このため、ポリカーボネ
ート基板は空気中の汚れが付着しやすく、容易に傷が付
きやすい。付着する汚れは多種多様であるが、代表的な
ものとして空気中のＳｉＯ2 、Ｆｅ2 Ｏ3 、Ａｌ2 Ｏ3
などの無機物や人の汗や指紋などの有機物などがあり、
その寸法も数百μｍから０．０１μｍまで分布してい
る。付着する汚れの種類や汚れ具合は使用環境によって
大きく異なる。これら汚れのうち、ＳｉＯ2 、Ｆｅ2 Ｏ
3 、Ａｌ2Ｏ3 などの無機物は例えば、エアーブローを
かけることにより比較的簡単に汚れを落とすことができ
る。一方、人の汗や指紋などの油成分（有機物）は無機
物などの汚れとは異なり、エアーブローをかけただけで
は汚れが落ちにくい。そのため、これら汚れに対しては
光ディスク専用のクリナーを用いて汚れを落とす方法が
ある。しかし、いずれにしても汚れが光記録媒体表面に
付着した状態やそれが原因で基板に傷がついた状態で情
報の記録および／または再生を行った場合、レーザー光
が散乱し、信号エラーとなって正確な情報の記録および
／または再生ができなくなる。これらを防止するために
通常ポリカーボネート基板の表面保護を目的としてハー
ドコート層を設けることが知られている。さらにゴミや
ほこりなどを付着しにくくするためにハードコート層自
体に帯電防止性を付与することも知られている。例えば
特開昭６０−２３９９４６号公報および特開昭６１−２
７６１４５号公報では帯電防止剤としてカチオン系のア
ミンを添加したり、アニオン系のアルキルベンゼンスル
ホン酸塩、非イオン性のポリオール、アルキルフェノー
ルのエチレンオキサイド、両性系のイミダゾリン型やア
ラニン型金属塩を添加、特開平３−４９０５３号公報で
は脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート
化合物を添加、特開平３−１７３９４９号公報ではラウ
リル化合物などを添加、特開平４−８０２６７号公報で
はチオシアン酸およびアルキレングリコール鎖を有する
アニオン性界面活性剤を添加する方法がある。これら界
面活性剤はいずれもゴミやほこりやなどの無機物の汚れ
を付着させにくくする効果がある。しかし、これら帯電
防止剤含有のハードコート剤では人の汗や指紋痕などの
有機物の汚れに対する防汚性についてはほとんど効果が
ない。それにもかかわらず、これまであまり問題とされ
なかったのは書き換え型光ディスクの多くがカートリッ
ジに入っており、光ディスク表面に直接手で触れること
があまりなかったからである。また、たとえ汚れた場合
でも光ディスク専用のクリーナー等を用いて、汚れを拭
き取ることで解決していた。しかし、将来的には書き換
え型光ディスクもカートリッジを用いず裸のままでの使
用も考えられ、これまで以上に人の汗や指紋痕などでデ
ィスク表面を汚染する機会が増大することが予想され
る。さらに高密度記録の光ディスク、例えばＤＶＤのよ
うな場合、レーザービームスポット径が小さいため、よ
り小さな汚れに対しても信号エラーとなる可能性が高
い。この場合、もちろんクリナーを用いて汚れを拭き取
ることは可能であるが、汚れを拭き取る手間が増えるた
めに作業性が悪くなるばかりでなく、ハードコート層自
体に傷が生じたり、あるいはハードコート層自体が摩耗
し、すり減ることも考えられる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は光記録媒体表
面に防汚性ハードコート層を設けることにより、光記録
媒体表面の防汚性を著しく向上させた光記録媒体を提供
するものである。
面に防汚性ハードコート層を設けることにより、光記録
媒体表面の防汚性を著しく向上させた光記録媒体を提供
するものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は非架橋型フッ素系界面活性剤を０．０１〜
３重量％含有することを特徴とする光記録媒体用防汚性
ハードコート剤からなる。
に、本発明は非架橋型フッ素系界面活性剤を０．０１〜
３重量％含有することを特徴とする光記録媒体用防汚性
ハードコート剤からなる。
【０００６】また、本発明は非架橋型フッ素系界面活性
剤を０．０１〜３重量％含有するハードコート層を設け
たことを特徴とする光記録媒体からなる。
剤を０．０１〜３重量％含有するハードコート層を設け
たことを特徴とする光記録媒体からなる。
【０００７】
【発明の実施の形態】本発明では光記録媒体表面に非架
橋型フッ素系界面活性剤を含有する防汚性ハードコート
層を設けることにより光記録媒体表面の防汚性が著しく
向上できることを見出だした。
橋型フッ素系界面活性剤を含有する防汚性ハードコート
層を設けることにより光記録媒体表面の防汚性が著しく
向上できることを見出だした。
【０００８】本発明において、対象とした汚れは主に人
間の汗や指紋痕であって、防汚とはこれらの汚れが付着
しないこと、または付着しにくいことを意味する。
間の汗や指紋痕であって、防汚とはこれらの汚れが付着
しないこと、または付着しにくいことを意味する。
【０００９】本発明は非架橋型フッ素系界面活性剤を含
有する防汚性ハードコート剤および防汚性ハードコート
層を有する光記録媒体に関するものである。光情報記録
媒体とは光の照射により、情報の記録、消去、再生が可
能である光ディスク、光カード、光テープなどを示す。
これら光情報記録媒体には再生専用（ＲＯＭ）光記録媒
体、光磁気記録媒体や相変化光記録媒体などの書換型
（ＲＡＭ）光記録媒体、部分再生専用型（ＰＲＯＭ）光
記録媒体、追記型（ＷＯ）光記録媒体などがあるが、特
にカートリッジを用いず、裸のままで使用される光ディ
スク、例えばＣＤ−ＲＯＭのようなものや従来の光記録
媒体に比べて高記録密度化により、レーザービームスポ
ット径がかなり小さくなり、より小さな汚れに対しても
信号エラーとなりやすいような光記録媒体、例えばＤＶ
Ｄのようなものに対して特に効果がある。
有する防汚性ハードコート剤および防汚性ハードコート
層を有する光記録媒体に関するものである。光情報記録
媒体とは光の照射により、情報の記録、消去、再生が可
能である光ディスク、光カード、光テープなどを示す。
これら光情報記録媒体には再生専用（ＲＯＭ）光記録媒
体、光磁気記録媒体や相変化光記録媒体などの書換型
（ＲＡＭ）光記録媒体、部分再生専用型（ＰＲＯＭ）光
記録媒体、追記型（ＷＯ）光記録媒体などがあるが、特
にカートリッジを用いず、裸のままで使用される光ディ
スク、例えばＣＤ−ＲＯＭのようなものや従来の光記録
媒体に比べて高記録密度化により、レーザービームスポ
ット径がかなり小さくなり、より小さな汚れに対しても
信号エラーとなりやすいような光記録媒体、例えばＤＶ
Ｄのようなものに対して特に効果がある。
【００１０】本発明において、防汚性ハードコート層を
設ける方法は、特に限定されないが、例えば、非架橋型
フッ素系界面活性剤をベースとなる硬化樹脂に溶解また
は練り込み、塗布し硬化する方法などが用いられる。ま
た、非架橋型フッ素系界面活性剤を含まないハードコー
ト層を塗布した上に、さらに前記の防汚性ハードコート
層を設けてもかまわない。塗布方法は、スピンコート
法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコー
ト法などを用いることができる。
設ける方法は、特に限定されないが、例えば、非架橋型
フッ素系界面活性剤をベースとなる硬化樹脂に溶解また
は練り込み、塗布し硬化する方法などが用いられる。ま
た、非架橋型フッ素系界面活性剤を含まないハードコー
ト層を塗布した上に、さらに前記の防汚性ハードコート
層を設けてもかまわない。塗布方法は、スピンコート
法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコー
ト法などを用いることができる。
【００１１】ベースとなる硬化樹脂としては１分子中に
少なくとも１個以上の架橋性二重結合を有する化合物が
挙げられる。例えば、一般によく用いられる光硬化型樹
脂、熱硬化型樹脂、嫌気硬化型樹脂、あるいはこれら併
用硬化型樹脂などが使用できる。
少なくとも１個以上の架橋性二重結合を有する化合物が
挙げられる。例えば、一般によく用いられる光硬化型樹
脂、熱硬化型樹脂、嫌気硬化型樹脂、あるいはこれら併
用硬化型樹脂などが使用できる。
【００１２】光硬化型樹脂としては、ポリウレタンアク
リレート、エポキシアクリレート、ポリオールアクリレ
ートなどのアクリル系樹脂がある。具体的には下記の
（１）〜（４）の組成物からなる。
リレート、エポキシアクリレート、ポリオールアクリレ
ートなどのアクリル系樹脂がある。具体的には下記の
（１）〜（４）の組成物からなる。
【００１３】（１）架橋性オリゴマー （２）単官能および多官能モノマー （３）光重合開始剤 （４）光開始助剤 （１）としてポリエステル（メタ）アクリレート、ポリ
エーテル（メタ）アクリレート、ポリウレタン（メタ）
アクリレート、エポキシ（メタ）アクリレート、シリコ
ーン（メタ）アクリレート等が挙げられる。具体的には
ポリエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、ポリ
プロピレングリコールジ（メタ）アクリレート、ビスフ
ェノールＡ型エポキシアクリレート、ポリウレタンのジ
アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ（メ
タ）アクリレート等がある。（２）としては２官能や３
官能や４官能や６官能の（メタ）アクリル酸エステル等
が挙げられる。具体的には２官能の（メタ）アクリル酸
エステルとしてはトリプロピレングリコールジ（メタ）
アクリレート、１，６−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジ（メタ）アクリレート
等がある。３官能の（メタ）アクリル酸エステルとして
はトリメチロールプロパントリ（メタ）アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ（メタ）アクリレート等があ
る。４官能の（メタ）アクリル酸エステルとしてはテト
ラメチロールメタンテトラ（メタ）アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ（メタ）アクリレート等があ
る。６官能の（メタ）アクリル酸エステルとしてはジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート等がある。
（３）としてはケトン系、ベンゾイン系、チオキサン系
等の光重合開始剤が挙げられる。具体的にはケトン系と
してはアセトフェノン、ベンゾフェノン等がある。ベン
ゾイン系としてはベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル等がある。チオキサン系としてはチオキサン、２−メ
チルチオキサン等がある。（４）としてはｎ−ブチルア
ミン、トリエチルアミン、アリルチオ尿素等の光開始助
剤が挙げられる。
エーテル（メタ）アクリレート、ポリウレタン（メタ）
アクリレート、エポキシ（メタ）アクリレート、シリコ
ーン（メタ）アクリレート等が挙げられる。具体的には
ポリエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、ポリ
プロピレングリコールジ（メタ）アクリレート、ビスフ
ェノールＡ型エポキシアクリレート、ポリウレタンのジ
アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ（メ
タ）アクリレート等がある。（２）としては２官能や３
官能や４官能や６官能の（メタ）アクリル酸エステル等
が挙げられる。具体的には２官能の（メタ）アクリル酸
エステルとしてはトリプロピレングリコールジ（メタ）
アクリレート、１，６−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジ（メタ）アクリレート
等がある。３官能の（メタ）アクリル酸エステルとして
はトリメチロールプロパントリ（メタ）アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ（メタ）アクリレート等があ
る。４官能の（メタ）アクリル酸エステルとしてはテト
ラメチロールメタンテトラ（メタ）アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ（メタ）アクリレート等があ
る。６官能の（メタ）アクリル酸エステルとしてはジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート等がある。
（３）としてはケトン系、ベンゾイン系、チオキサン系
等の光重合開始剤が挙げられる。具体的にはケトン系と
してはアセトフェノン、ベンゾフェノン等がある。ベン
ゾイン系としてはベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル等がある。チオキサン系としてはチオキサン、２−メ
チルチオキサン等がある。（４）としてはｎ−ブチルア
ミン、トリエチルアミン、アリルチオ尿素等の光開始助
剤が挙げられる。
【００１４】このうち、特に好ましくはウレタンアクリ
レートおよび／またはエポキシアクリレート２０〜８０
重量％、単官能および／または多官能アクリレート８０
〜２０重量％の混合系が挙げられる。
レートおよび／またはエポキシアクリレート２０〜８０
重量％、単官能および／または多官能アクリレート８０
〜２０重量％の混合系が挙げられる。
【００１５】これら光硬化型樹脂を硬化させるのに用い
る光は紫外線、電子線、あるいはガンマ線などであり、
電子線あるいはガンマ線の場合、必ずしも上記（３）、
（４）を含有する必要はない。これらの線源としては高
圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプや加
速電子などが使用できる。
る光は紫外線、電子線、あるいはガンマ線などであり、
電子線あるいはガンマ線の場合、必ずしも上記（３）、
（４）を含有する必要はない。これらの線源としては高
圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプや加
速電子などが使用できる。
【００１６】フッ素系界面活性剤には重合性二重結合を
持たずベースとなる樹脂とは架橋しない、いわゆる非架
橋型と重合性二重結合を有しベースとなる樹脂と架橋す
る架橋型とがある。非架橋型フッ素系界面活性剤として
はフッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルア
ルコキシレート、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、
パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアル
キルアンモニウム塩などがある。非架橋型フッ素系界面
活性剤としては（メタ）アクリレートの水素原子がフッ
素原子に置換した、いわゆるフッ素系（メタ）アクリレ
ートやフッ素系エポキシアクリレートなどがある。この
うち非架橋型フッ素系界面活性剤はベースとなる樹脂と
は架橋しないために、硬化時にコーティング層の表面に
凝集する傾向がある。そのため、少量加えるだけで防汚
効果が発揮される。一方、架橋型フッ素系界面活性剤の
フッ素系（メタ）アクリレートやフッ素系エポキシアク
リレートの場合、ベースとなる樹脂と架橋するために、
非架橋型フッ素系界面活性剤の時のように硬化時にコー
ティング層の表面に凝集することがない。そのため、非
架橋型フッ素系界面活性剤と同じ程度の防汚効果を生み
出すためには相当量のフッ素系（メタ）アクリレートや
フッ素系エポキシアクリレートを加える必要がある。し
かし、この場合、ベースとなる樹脂の全体に対する割合
が低下するために、ベース樹脂が持つ本来の特性の悪化
が懸念される。例えば、粘度変化や表面硬度の低下など
である。そのため、ベース樹脂が持つ本来の特性に影響
を与えることなく、充分な防汚性が発揮される非架橋型
フッ素系界面活性剤が好ましい。なかでもフッ素化アル
キルエステルが特に防汚効果に優れている。例えば、次
のような構造式をもつものが挙げられる。
持たずベースとなる樹脂とは架橋しない、いわゆる非架
橋型と重合性二重結合を有しベースとなる樹脂と架橋す
る架橋型とがある。非架橋型フッ素系界面活性剤として
はフッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルア
ルコキシレート、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、
パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアル
キルアンモニウム塩などがある。非架橋型フッ素系界面
活性剤としては（メタ）アクリレートの水素原子がフッ
素原子に置換した、いわゆるフッ素系（メタ）アクリレ
ートやフッ素系エポキシアクリレートなどがある。この
うち非架橋型フッ素系界面活性剤はベースとなる樹脂と
は架橋しないために、硬化時にコーティング層の表面に
凝集する傾向がある。そのため、少量加えるだけで防汚
効果が発揮される。一方、架橋型フッ素系界面活性剤の
フッ素系（メタ）アクリレートやフッ素系エポキシアク
リレートの場合、ベースとなる樹脂と架橋するために、
非架橋型フッ素系界面活性剤の時のように硬化時にコー
ティング層の表面に凝集することがない。そのため、非
架橋型フッ素系界面活性剤と同じ程度の防汚効果を生み
出すためには相当量のフッ素系（メタ）アクリレートや
フッ素系エポキシアクリレートを加える必要がある。し
かし、この場合、ベースとなる樹脂の全体に対する割合
が低下するために、ベース樹脂が持つ本来の特性の悪化
が懸念される。例えば、粘度変化や表面硬度の低下など
である。そのため、ベース樹脂が持つ本来の特性に影響
を与えることなく、充分な防汚性が発揮される非架橋型
フッ素系界面活性剤が好ましい。なかでもフッ素化アル
キルエステルが特に防汚効果に優れている。例えば、次
のような構造式をもつものが挙げられる。
【００１７】
【化１】 ここでａは０〜１５の整数、ｂ、ｃおよびｄは０〜１５
の整数である。Ｒは水素、または、メチル基、エチル基
などのアルキル基である。
の整数である。Ｒは水素、または、メチル基、エチル基
などのアルキル基である。
【００１８】このようなフッ素化アルキルエステルとし
ては例えば、住友スリーエム（株）の“フロラードＦＣ
−４３０”などがある。
ては例えば、住友スリーエム（株）の“フロラードＦＣ
−４３０”などがある。
【００１９】この非架橋型フッ素系界面活性剤の濃度が
非常に低い場合、防汚効果が充分に発揮されない。濃度
が高い場合、粘度上昇が生じ、膜厚制御が困難になるば
かりでなく、表面の硬度が低下する。そのため、傷が付
きやすくなる。これらの理由から、非架橋型フッ素系界
面活性剤の添加量はベース硬化樹脂に対して、０．０１
〜３重量％の範囲が好ましく、より好ましくは０．１〜
１重量％がよい。
非常に低い場合、防汚効果が充分に発揮されない。濃度
が高い場合、粘度上昇が生じ、膜厚制御が困難になるば
かりでなく、表面の硬度が低下する。そのため、傷が付
きやすくなる。これらの理由から、非架橋型フッ素系界
面活性剤の添加量はベース硬化樹脂に対して、０．０１
〜３重量％の範囲が好ましく、より好ましくは０．１〜
１重量％がよい。
【００２０】ハードコート層の防汚性はハードコート層
に対する汚れ物質の接触角を測定することにより評価が
可能であり、この接触角が大きければ防汚性に優れてい
ることを示す。特に、接触角が９０°以上で良好な防汚
性を得ることができる。汚れ物質は、主に人間の汗や指
紋痕であるが、測定の際には、それらの代用となる測定
液として人工汗を用いることができる。また、汗や指紋
痕の主成分である有機物のスクアレンを用いることも好
ましい。より好ましくは、人工汗、スクアレン両方の接
触角が９０°以上であると良好な防汚性を得ることがで
きる。
に対する汚れ物質の接触角を測定することにより評価が
可能であり、この接触角が大きければ防汚性に優れてい
ることを示す。特に、接触角が９０°以上で良好な防汚
性を得ることができる。汚れ物質は、主に人間の汗や指
紋痕であるが、測定の際には、それらの代用となる測定
液として人工汗を用いることができる。また、汗や指紋
痕の主成分である有機物のスクアレンを用いることも好
ましい。より好ましくは、人工汗、スクアレン両方の接
触角が９０°以上であると良好な防汚性を得ることがで
きる。
【００２１】
【実施例】以下に本発明について、実施例により説明す
る。ただし、本発明は以下の実施例により限定されるも
のではない。
る。ただし、本発明は以下の実施例により限定されるも
のではない。
【００２２】防汚性の評価は（１）接触角の測定、
（２）疑似指紋を用いて人工指紋液を圧着させ、拭き取
り後の払拭性の２種類で行った。接触角の測定は協和界
面科学（株）の接触角計”ＦＡＣＥ ＣＯＮＴＡＣＴ−
ＡＮＧＬＥＭＥＴＥＲ”を用い、静止接触角（以下、単
に接触角と略す）でおこなった。対象とした測定液は人
工汗、および汗や指紋痕の主成分のうち、有機物のオレ
イン酸、スクアレン、トリオレインとした。人工指紋液
の拭き取り後の目視評価は疑似指紋（シリコン製）に人
工指紋液をつけ、２ｋｇ／cm2 の荷重で付着させた
後、”キムワイプ ワイパーＳ−２０００”（十条キン
バリー（株））で３回拭き取り、人工指紋液の払拭性を
評価した。以下にその評価を示す。
（２）疑似指紋を用いて人工指紋液を圧着させ、拭き取
り後の払拭性の２種類で行った。接触角の測定は協和界
面科学（株）の接触角計”ＦＡＣＥ ＣＯＮＴＡＣＴ−
ＡＮＧＬＥＭＥＴＥＲ”を用い、静止接触角（以下、単
に接触角と略す）でおこなった。対象とした測定液は人
工汗、および汗や指紋痕の主成分のうち、有機物のオレ
イン酸、スクアレン、トリオレインとした。人工指紋液
の拭き取り後の目視評価は疑似指紋（シリコン製）に人
工指紋液をつけ、２ｋｇ／cm2 の荷重で付着させた
後、”キムワイプ ワイパーＳ−２０００”（十条キン
バリー（株））で３回拭き取り、人工指紋液の払拭性を
評価した。以下にその評価を示す。
【００２３】 ○：人工指紋痕が見えない △：人工指紋痕が一部残っている ×：人工指紋痕がほとんど残っている 用いた人工汗および人工指紋液の成分は、下記のとおり
である。
である。
【００２４】人工汗の成分（水１ｌあたり） Ｌ−ヒスチジンＨＣｌ・Ｈ2 Ｏ ０．５ｇ ＮａＣｌ ５．０ｇ リン酸二ナトリウム１２Ｈ2 Ｏ ５．０ｇ １／１０Ｎ ＮａＯＨ ２５．０ｍｌ 人工指紋液の成分（水：エタノール＝１：１（体積比）
混合溶媒１ｌあたり） ＮａＣｌ ７．０ｇ 尿素 １．０ｇ 乳酸（８５％） ４．０ｇ ハードコート層の表面硬度の測定は表面性測定機”トラ
イボギア ＴＹＰＥ：ＨＥＩＤＯＮ−１４ＤＲ”（新東
科学（株））を用いて行った。測定条件はＪＩＳ Ｋ５
４００−１９９０に準じて行なった。以下にその条件を
示す。
混合溶媒１ｌあたり） ＮａＣｌ ７．０ｇ 尿素 １．０ｇ 乳酸（８５％） ４．０ｇ ハードコート層の表面硬度の測定は表面性測定機”トラ
イボギア ＴＹＰＥ：ＨＥＩＤＯＮ−１４ＤＲ”（新東
科学（株））を用いて行った。測定条件はＪＩＳ Ｋ５
４００−１９９０に準じて行なった。以下にその条件を
示す。
【００２５】 移動速度：０．５ｍｍ／秒（３０ｍｍ／分） 測定回数：５ 荷重 ：１．００±０．０５kg 鉛筆 ：”三菱ユニ”
【００２６】（実施例１）紫外線硬化型ハードコート剤
（”ウレタンアクリレート”５０重量％、多官能アクリ
レート４８重量％、光重合開始剤”Ｉｒｇａｃｕｒｅ１
８４” ２重量％）に非架橋型フッ素系界面活性剤とし
て住友スリーエム（株）の“フロラードＦＣ−４３０”
を０．６重量％添加し、充分に撹拌した。これを光ディ
スク用ポリカーボネート基板（直径１２０ｍｍ、厚さ
０．６ｍｍ）の記録層形成面と反対側にスピンコート法
により膜厚６μｍに塗布した。その後、７００ｍＪ／cm
2 の紫外線を照射し、ハードコート層の硬化をおこな
い、表面の接触角を測定した。各溶媒の接触角は以下の
ようであった。
（”ウレタンアクリレート”５０重量％、多官能アクリ
レート４８重量％、光重合開始剤”Ｉｒｇａｃｕｒｅ１
８４” ２重量％）に非架橋型フッ素系界面活性剤とし
て住友スリーエム（株）の“フロラードＦＣ−４３０”
を０．６重量％添加し、充分に撹拌した。これを光ディ
スク用ポリカーボネート基板（直径１２０ｍｍ、厚さ
０．６ｍｍ）の記録層形成面と反対側にスピンコート法
により膜厚６μｍに塗布した。その後、７００ｍＪ／cm
2 の紫外線を照射し、ハードコート層の硬化をおこな
い、表面の接触角を測定した。各溶媒の接触角は以下の
ようであった。
【００２７】 人工指紋液の払拭性、鉛筆硬度は以下のようになった。 人工指紋液の払拭性 ○ 鉛筆硬度 ＨＢ
【００２８】（比較例１）非架橋型フッ素系界面活性剤
を添加しなかった以外は、実施例１と同様にハードコー
ト剤をスピンコートし、硬化させた後、接触角を測定し
た。
を添加しなかった以外は、実施例１と同様にハードコー
ト剤をスピンコートし、硬化させた後、接触角を測定し
た。
【００２９】
【００３０】（比較例２）非架橋型フッ素系界面活性剤
のかわりに、架橋型フッ素系界面活性剤２−（パーフル
オロオクチル）エチルメタアクリレートを１０重量％添
加した以外は、実施例１と同様にし、接触角を測定し
た。
のかわりに、架橋型フッ素系界面活性剤２−（パーフル
オロオクチル）エチルメタアクリレートを１０重量％添
加した以外は、実施例１と同様にし、接触角を測定し
た。
【００３１】
【００３２】（比較例３）非架橋型フッ素系界面活性剤
のかわりに、帯電防止剤アルキルベンゼンスルホン酸塩
を０．６重量％添加した以外は、実施例１と同様にし、
接触角を測定した。
のかわりに、帯電防止剤アルキルベンゼンスルホン酸塩
を０．６重量％添加した以外は、実施例１と同様にし、
接触角を測定した。
【００３３】
【００３４】
【発明の効果】光記録媒体の表面に非架橋型フッ素系界
面活性剤を含有する防汚性ハードコート層を設けること
により人の汗や指紋痕などに対する防汚性が向上した。
面活性剤を含有する防汚性ハードコート層を設けること
により人の汗や指紋痕などに対する防汚性が向上した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｃ０８Ｋ 5/10 Ｃ０８Ｋ 5/10 5/19 5/19 5/42 5/42 Ｃ０８Ｌ 33/04 Ｃ０８Ｌ 33/04 63/10 63/10 75/14 75/14
Claims (13)
- 【請求項１】 非架橋型フッ素系界面活性剤を０．０１
〜３重量％含有することを特徴とする光記録媒体用防汚
性ハードコート剤。 - 【請求項２】 非架橋型フッ素系界面活性剤がフッ素化
アルキルエステル、パーフルオロアルキルアルコキシレ
ート、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオ
ロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルアンモ
ニウム塩から選ばれる１種類以上からなることを特徴と
する請求項１記載の光記録媒体用防汚性ハードコート
剤。 - 【請求項３】 非架橋型フッ素系界面活性剤がフッ素化
アルキルエステルであることを特徴とする請求項１記載
の光記録媒体用防汚性ハードコート剤。 - 【請求項４】 非架橋型フッ素系界面活性剤および光硬
化型樹脂からなることを特徴とする請求項１記載の光記
録媒体用防汚性ハードコート剤。 - 【請求項５】 光硬化型樹脂がアクリルオリゴマー２０
〜８０重量％およびアクリルモノマー８０〜２０重量％
からなることを特徴とする請求項４記載の光記録媒体用
防汚性ハードコート剤。 - 【請求項６】 アクリルオリゴマーがウレタンアクリレ
ートおよび／またはエポキシアクリレートであり、か
つ、アクリルモノマーが単官能および／または多官能ア
クリレートであることを特徴とする請求項５記載の光記
録媒体用防汚性ハードコート剤。 - 【請求項７】 非架橋型フッ素系界面活性剤を０．０１
〜３重量％含有するハードコート層を設けたことを特徴
とする光記録媒体。 - 【請求項８】 非架橋型フッ素系界面活性剤がフッ素化
アルキルエステル、パーフルオロアルキルアルコキシレ
ート、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオ
ロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルアンモ
ニウム塩から選ばれる１種類以上からなることを特徴と
する請求項７記載の光記録媒体。 - 【請求項９】 非架橋型フッ素系界面活性剤がフッ素化
アルキルエステルであることを特徴とする請求項７記載
の光記録媒体。 - 【請求項１０】 ハードコート層がアクリル系樹脂であ
ることを特徴とする請求項７記載の光記録媒体。 - 【請求項１１】 ハードコート層に対する人工汗の接触
角が９０°以上であることを特徴とする請求項７記載の
光記録媒体。 - 【請求項１２】 ハードコート層に対するスクアレンの
接触角が９０°以上であることを特徴とする請求項７記
載の光記録媒体。 - 【請求項１３】 ハードコート層に対する人工汗および
スクアレンの接触角が９０°以上であることを特徴とす
る請求項７記載の光記録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9217451A JPH10110118A (ja) | 1996-08-13 | 1997-08-12 | 防汚性ハードコート剤および光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21362296 | 1996-08-13 | ||
| JP8-213622 | 1996-08-13 | ||
| JP9217451A JPH10110118A (ja) | 1996-08-13 | 1997-08-12 | 防汚性ハードコート剤および光記録媒体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10110118A true JPH10110118A (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=26519894
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9217451A Pending JPH10110118A (ja) | 1996-08-13 | 1997-08-12 | 防汚性ハードコート剤および光記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10110118A (ja) |
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-
1997
- 1997-08-12 JP JP9217451A patent/JPH10110118A/ja active Pending
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