JP2000293895A - アクリル系シリカで処理されたプラスチックフィルム - Google Patents

アクリル系シリカで処理されたプラスチックフィルム

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JP2000293895A
JP2000293895A JP11097819A JP9781999A JP2000293895A JP 2000293895 A JP2000293895 A JP 2000293895A JP 11097819 A JP11097819 A JP 11097819A JP 9781999 A JP9781999 A JP 9781999A JP 2000293895 A JP2000293895 A JP 2000293895A
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Japan
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hard coat
plastic film
triacrylate
acrylate
plastic
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JP11097819A
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English (en)
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Toshiyuki Narita
年幸 成田
Akihiko Kuwamoto
明彦 桑本
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Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
GE Toshiba Silicones Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐溶剤性、指紋除去性および耐摩耗性に優れ
たプラスチックフィルムを提供する。 【解決手段】 プラスチック基材上に表面処理シリカと
アクリレートと光重合開始剤とを含むハードコート膜を
塗工したプラスチックフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面処理シリカと
アクリレートと光重合開始剤とを含むハードコート膜を
塗工された耐溶剤性、指紋除去性および耐摩耗性に優れ
たプラスチックフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】タッチパネル、コンピュータディスプレ
イ等のフィルムに使用されている基材としてはポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、酢
酸セルロース等のフィルムが使用されており、光記録媒
体としてはポリカーボネートやポリメチルメタクリレー
ト等がある。加工性、取扱い性、価格の点からポリカー
ボネートが多く使用されている。
【0003】しかしながら、ポリカーボネートは軟らか
く、またドライブ内での回転により生じる空気との摩擦
により静電気を帯びやすい。このため、空気中の汚れが
付着しやすく、傷が付きやすい。付着する汚れは、Si
2 、Fe2 3 、Al2 3 等の空気中に含まれる無
機物や、人の汗や指紋等の油成分である有機物等多種多
様である。また、その寸法も数百μmから0.01μm
と幅広い。このような付着する汚れの種類や汚れ具合は
使用環境によって大きく異なる。
【0004】こうした汚れのうち、上述したような無機
物は例えばエアーブローにより比較的簡単に落とすこと
ができるが、有機物はエアーブローだけでは落ちにくい
ため溶剤クリーナーを用いて落とす。
【0005】ただし、このような汚れを落とすことなく
例えば光記録媒体を用いて情報の記録や再生を行おうと
すると、レーザー光が散乱し、信号エラーとなって、正
確に記録や再生ができない。
【0006】これを防止するために、表面保護を目的と
してハードコート層を設けることが知られている。ま
た、汚れを付着しにくくためにこの上に帯電防止性を付
与することも知られている。
【0007】例えば、特開昭60−239946号公報
および特開昭61−276145号公報では、帯電防止
剤として、カチオン系のアミン、アニオン系のアルキル
ベンゼンスルホン酸塩、非イオン性のポリオール、アル
キルフェノールのエチレンオキサイド、両性系のイミダ
ゾリン型およびアラニン型金属塩を添加している。ま
た、特開平3−49053号公報では脂肪族ジメチルエ
チルアンモニウムエトサルフェート化合物等を添加、特
開平4−80267号公報ではチオシアン酸およびアル
キレングリコール鎖を有するアニオン系界面活性剤を添
加している。これらの界面活性剤はいずれもゴミや埃等
の無機物の汚れを付着させにくくする効果がある。
【0008】しかしながら、これらの帯電防止剤含有の
ハードコート剤では人の汗や指紋といった有機物の汚れ
にたいする防泥性については殆ど効果がない。
【0009】それにもかかわらず、これまであまり問題
とされてこなかったのは、書き換え型光ディスクの多く
がカートリッジに入っており、光ディスク表面に直接手
で触れることがあまりなかったためである。また、たと
え汚れたとしても、溶剤クリーナー等により汚れを拭き
取ることで対処していた。
【0010】しかしながら、カートリッジに入っていな
い裸の光ディスクの出現も将来的には考えられる。ま
た、高密度記録に光ディスクであるDVD等では、レー
ザービームスポット径が小さいため、ほんの小さな汚れ
に対しても信号エラーとなる可能性が高い。タッチパネ
ルやコンピュータディスプレイ等は頻繁に指で触れられ
るだけに、汚れを効率的にかつ効果的に除去することが
求められている。
【0011】これまでのように溶剤クリーナーを用いて
汚れを拭き取ると、手間がかかるばかりでなく、ハード
コート層に拭き取りによる傷がついたり、摩耗してすり
減る可能性がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐溶剤性、
指紋除去性および耐摩耗性に優れたプラスチックフィル
ムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のプラスチックフ
ィルムは、表面処理シリカとアクリレートと光重合開始
剤とを含むハードコート膜を塗工したことを特徴として
いる。
【0014】本発明のプラスチックフィルムに用いるプ
ラスチック基材はポリエチレンテレフタレート(PE
T)または酢酸セルロースである。基材がPETまたは
酢酸セルロースの場合には、ハードコート膜中のアクリ
レートはジアクリレートとトリアクリレートとを含む。
代表的にはこのジアクリレートは1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、トリアクリレートはトリメチロー
ルプロパントリアクリレートである。
【0015】また、本発明のプラスチックフィルムに用
いるプラスチック基材はポリカーボネートであってもよ
い。基材がポリカーボネートの場合には、ハードコート
膜中のアクリレートはトリアクリレートと、テトラアク
リレートおよび/またはペンタアクリレートとを含む。
代表的にはトリアクリレートはトリメチロールプロパン
トリアクリレート、テトラアクリレートはジヘキサエリ
スリトールテトラアクリレート、ペンタアクリレートは
ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレ
ートである。
【0016】本発明によれば、アクリルシリケートによ
り表面を処理したコロイダルシリカを含むアクリルハー
ドコート剤をプラスチックフィルムに塗布することによ
って、干渉縞がなく、耐摩耗性や指紋除去性にも優れた
プラスチックフィルムを提供することができる。
【0017】本発明のプラスチックフィルムとしては、
スレート板、珪酸カルシウム板、軽量発泡コンクリート
板、セメント板、アクリルウレタン等が例示される。
【0018】本発明のハードコート膜を形成するハード
コート剤には、表面処理シリカ、アクリレートモノマ
ーまたはオリゴマー、任意でレベリング剤等の添加剤
および光重合開始剤が含まれる。重量比としては、好
ましくは表面処理シリカ1.0〜60.0重量部、
アクリレートモノマーまたはオリゴマー30〜98重量
部、レベリング剤等の添加剤0.01〜5.0重量部
(添加する場合)および光重合開始剤0.1〜15.
0重量部、より好ましくは表面処理シリカ5.0〜3
0.0重量部、アクリレートモノマーまたはオリゴマ
ー65.0〜95.0重量部、レベリング剤等の添加
剤0.15〜1.0重量部(添加する場合)および光
重合開始剤1.0〜8.0重量部である。
【0019】本発明によるハードコート剤は、光重合
開始剤、例えばα,α−ジエトキシアセトフェノンを、
【化1】 のシリルアクリレートおよび水性コロイドシリカ、
および所望であれば、
【化2】 のアクリルモノマーと組合わせて用いて、ハードコー
ト膜に数秒で硬化し得る光硬化性ハードコート剤を見出
すことにより成されたものである。
【0020】式(1)および(2)中、Rは一価の炭素
数1〜13個の有機基を示し、R1は炭素数1〜8個の
アルキル基を示し、R2 水素、R基およびこれらの混合
物から選択され、R3 は二価の炭素数1〜8個のアルキ
レン基を示し、R4 は多価有機基を示し、aは0〜2の
整数であり、bは1〜3の整数であり、a+bの和は1
〜3に等しく、nは2〜4の整数である。
【0021】式(1)のRは、さらに具体的には、例え
ばメチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜8
個のアルキル基;例えばフェニル、トリル、キシリル、
ナフチル、クロロフェニル等のアリール基およびハロゲ
ン化アリール基などから選択される。R1 に含まれる基
は、例えばRに含まれる炭素数1〜8個のアルキル基す
べてである。R2 に含まれる基は水素およびRに含まれ
る同じまたは異なる基である。R3 に含まれる二価アル
キレン基は、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレ
ン、テトラメチレンなどである。R4 に含まれる二価有
機基はR2 基、炭素数2〜8個の枝分れのアルキレン
基、炭素数2〜8個の枝分れハロゲン化アルキレン基、
炭素数2〜8個の枝分れヒドロキシル化アルキレン基、
枝分れアクリレート基、例えばフェニレン、トリレン、
ナフチレン等の炭素数4〜13個のアリーレン基、炭素
数4〜13個のハロゲン化アリーレン基等である。
【0022】また、式(2)内に含まれる多官能価アク
リレートモノマーは、例えば
【化3】
【化4】 などのジアクリレート:
【化5】 などのトリアクリレート:および
【化6】 などのテトラアクリレートである式(1)のシリルアク
リレートには、次式を有する化合物が含まれる。
【0023】
【化7】 本発明に用いるハードコート剤にコロイドシリカのSi
2 10部当りシリルアクリレート少なくとも1部を使
用すると、ゲルの形成が最小限に抑えられることが確か
められている。
【0024】本発明に用いるハードコート剤の一実施形
態は、コロイドシリカおよびシリルアクリレートの縮合
による珪素含有成分に基づくものである。ハードコート
剤中の珪素含有量を適切に調整することにより、得られ
るハードコートの耐摩耗性などの物理的特性を高めるこ
とができる。プラスチック基材とハードコートの接着寿
命も、ハードコート剤の組成を適切に調節することによ
り高めることができる。
【0025】本発明のハードコート剤の表面処理シリ
カとして用いるコロイドシリカは1ミクロン未満の寸法
のシリカ(SiO2 )粒子を水または他の溶剤に分散し
た分散液である。このコロイドシリカのポリシロキサン
主鎖が、ハードコート剤にシリコーン製品固有の多くの
利点を与える。
【0026】コロイドシリカの分散液はデュポンやナル
コなどの会社から入手できる。コロイドシリカは酸性ま
たは塩基性いずれの形態でも入手できる。しかし、本発
明の目的には、酸性形態を用いるのが好ましい。酸性コ
ロイドシリカ、即ちナトリウム含量の低い分散液で優れ
たハードコート特性を達成できることが確かめられた。
アルカリ性コロイドシリカも、激しく攪拌しながらHC
lまたはH2 SO4 のような酸を加えることにより酸性
コロイドシリカに転換することができる。
【0027】本発明において用いることのできるコロイ
ドシリカとしては、例えば、Nalcoag 1034
A(米国イリノイ州のNalco Chemical
Companyの商標名)がある。Nalcoag 1
034Aは低いNa2 O含有、約3.1のpHおよび約
34重量%のSiO2 含量を有する高純度の酸性水性コ
ロイドシリカ分散液である。以下の実施例において、グ
ラム(g)または重量部で示すコロイドシリカの重量は
その水媒体も含む重量である。従って、例えば520g
のNalcoag 1034Aコロイドシリカは約17
7gのSiO2を表す。ただし、水はコロイドシリカを
取扱いやすくするために用いられいるだけである。
【0028】「コロイドシリカ」とは微粉砕SiO2
ことを指す。詳しくは、米国特許第4,027,073
号に記載されている。
【0029】本発明のハードコート剤に用いるアクリ
レートは少なくとも2種類とする。基材にポリエチレン
テレフタレート(PET)または酢酸セルロースを用い
る場合には、ジアクリレートとトリアクリレートの混合
物、基材にポリカーボネートを用いる場合には、トリア
クリレートと、テトラアクリレートおよび/またはペン
タアクリレートの混合物を用いる。さらに、特殊な例で
は少量のモノアクリレートを使用することができる。
【0030】ジアクリレート対トリアクリレートの混合
物を用いる場合には重量比を約10/90から約90/
10までとするのが好ましい。ジアクリレートとトリア
クリレートの混合物の例には、ヘキサンジオールジアク
リレートとペンタエリスリトールトリアクリレート、ヘ
キサンジオールジアクリレートとトリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ートとペンタエリスリトールトリアクリレート、および
ジエチレングリコールジアクリレートとトリメチロール
プロパントリアクリレートの混合物がある。また、より
具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート
(TMPTA)および/または1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレートが挙げられる。
【0031】また、トリアクリレート対テトラアクリレ
ートおよび/またはペンタアクリレートの混合物を用い
る場合には、重量比を約10/90から約90/10ま
でとするのが好ましい。トリアクリレートとテトラアク
リレートおよび/またはペンタアクリレートとの混合物
の例には、ペンタエリスリトールトリアクリレートとト
リメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレートとトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレートが挙げられる。また、より具体的
には、トリメチロールプロパントリアクリレート(TM
PTA)と、ジヘキサエリスリトールテトラアクリレー
トおよび/またはジペンタエリスリトールモノヒドロキ
シペンタアクリレートが挙げられる。
【0032】本発明のハードコート膜の形成には、光増
感作用をなす量の光重合開始剤、即ち非酸化性雰囲気、
例えば窒素中でハードコート剤の光硬化を行うのに有効
な量の光重合開始剤が用いられる。一般にこの量は光
硬化性被覆組成物についてのRack Chungの米
国特許出願第217,719号(1980年12月16
日出願)に開示されているように、ケトン型化合物およ
びヒンダードアミン型化合物の配合物が、上述した被覆
組成物を空気中で紫外線(UV)露出により架橋させて
適当な硬質被覆を形成するのに有効な光重合開始剤であ
る。上記特許出願によれば、ケトン化合物対ヒンダード
アミン化合物の重量比を約80/20から約20/80
までとするのが好ましい。通例、50/50または60
/40混合物が満足できるものである。
【0033】非酸化性雰囲気、例えば窒素中で使用する
のが好ましい他のケトン型光重合開始剤としては、例え
ば、ベンゾフェノンおよび他のアセトフェノン類、べン
ジル、べンズアルデヒドおよびo−クロロベンズアルデ
ヒド、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキ
サントン、9, 10−フエナンスレンキノン、9,10
−アントラキノン、メチルベンゾインエーテル、エチル
ベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテ
ル、α,α−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメ
トキシアセトフェノン、1−フェニル−1,2−プロパ
ンジオール−2−o−ベンゾイルオキシム、α,α−ジ
メトキシ−α−フェニルアセトフェノン等が挙げられ
る。
【0034】さらに、本発明のハードコート剤に用いる
光重合開始剤は、非アクリル系UV硬化性脂肪族不飽
和有機モノマーを光重合開始剤の50重量%までの量で
含有させてもよく、かかるモノマーとしては、例えばN
−ビニルピロリドン、スチレンなどが挙げられ、その使
用量は、光重合開始剤の約0.01〜10重量%、好ま
しくは0.1〜5重量%の範囲である。
【0035】本発明のハードコート膜は、所望に応じて
UV吸収剤または安定剤、例えばレゾルシノールモノベ
ンゾエート、2−メチルレゾルシノールジベンゾエート
なども含有し得る。安定剤は、所望に応じて存在しても
よい追加の溶剤を除いた被覆組成物の重量に基づいて、
約0.1〜15重量%、好ましくは約3〜15重量%の
量存在させることができる。UV硬化性被覆組成物は、
その重量に基づいて約1〜15重量%の安定剤を含有し
得る。
【0036】本発明のハードコート膜には、所望に応じ
て、各種界面活性剤等のレベリング剤、艶消剤、チキ
ソトロープ剤、紫外線安定剤および染料を含有していて
もよい。これらの添加剤はすべてその使用法も含めて当
業界でよく知られているため、詳しい説明は省く。従っ
てごく限られた数の例に言及するだけであるが、ハード
コート剤の光硬化に悪影響を与えず、透明または半透明
性に悪影響を与えない限りで、これらの化合物のいずれ
も使用できる。
【0037】本発明に用いるハードコート剤を製造する
には、水性コロイドシリカ(コロイドシリカ水分散
液)、シリルアクリレート、多官能価アクリルモノマー
またはその混合物、UV光増感剤および所望に応じて上
述した他の添加剤のうち任意のものを配合させる。
【0038】第1の配合工程で、シリルアクリレートを
水性コロイドシリカおよび水混和性アルコールの存在下
で加水分解する。適当なアルコールとしては、例えば水
混和性アルコール、具体的にはt−ブタノール、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど、ま
たはエーテルアルコール、例えばエトキシエタノール、
ブトキシエタノール、メトキシプロパノールなどが挙げ
られる。
【0039】第2の配合工程で、加水分解されたシリル
アクリレートに水性コロイドシリカを添加する。
【0040】さらに第3の配合工程では、水性コロイド
シリカとシリルアクリレートを、加水分解が終わるまで
攪拌する。シリルアクリレートの加水分解は、大気条件
下で行う、あるいは加水分解混合物を加熱して数分間還
流することによって行うことができる。
【0041】本発明において用いるハードコート剤への
上述した成分の添加順序は重要ではないが、上述した加
水分解シリルアクリレートとコロイドシリカの混合物に
多官能価アクリルモノマーまたはその混合物を加えるの
が好ましい。好ましくは、シリルアクリレートとコロイ
ドシリカの混合物を適当な加水分解媒体、例えば前述し
た通りの水混和性アルコールの水溶液中で攪拌しなが
ら、この混合物に多官能価アクリルモノマーまたはその
混合物を加える。
【0042】本発明に用いるハードコート剤を製造する
場合、水とアルコールの共沸混合物を上記配合物から蒸
留除去する。最初の加水分解混合物にアルコールを使用
しなかった場合には、十分な量のアルコールを加えて蒸
留による水の除去を容易にすることができる。他の溶
剤、例えば、トルエンまたは他の芳香族炭素水素を加え
て水の除去を促進することもできる。
【0043】上に述べたハードコート液をカーテンフロ
ーコーター、ロールコーター、スプレー等によりプラス
チック基材表面に塗工し、光重合開始剤を適宜選択する
ことにより、市販されている光照射装置で硬化すること
ができる。
【0044】本発明に用いるハードコート剤は必要に応
じて、イソプロピルアルコールやプロピレングリコール
モノメチルエーテルなどの溶媒を用いて、溶解して塗工
することができる。
【0045】また、本発明においてハードコート剤の形
成厚さは5μm以上とする。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を挙げる
が、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0047】[実施例1] (1)試験片の作成 t−ブタノール50部、Nalcoag 1034A
16.6部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン(MAPTMS)1 部の混合物を加熱して5分間
還流させた。
【0048】冷却後、1,6−ヘキサンジオールジアク
リレートとトリメチロールプロパントリアクリレートの
等量部の混合物13.2部を加えた。
【0049】減圧下で溶剤を蒸留した。約半分の溶剤を
蒸留したところで、追加の30部のt−ブタノールを加
えた。次いで溶剤のすべてを蒸留して透明な溶液を得
た。
【0050】次に100部の混合物に1.5部のα,α
−ジエトキシアセトフェノンを加えた。
【0051】このようにして得られたハードコート液
を、綿巻バーを用いて4×4 1/4のPETフィルムに塗
布した。次に、紫外線照射装置(Pittsburgh Plate Gla
ss Company製フュージョン社製モデル1202AN)内
で20フィート/分のベルト速度、20sccmの窒素
流下、100psiで紫外線硬化し、5〜10μmの厚
さにハードコート膜が形成された試験片とした。
【0052】(2)試験および評価結果 試験片を次のような方法で試験を行い、その結果を表1
に示した。
【0053】(a)指紋除去性試験 被験者3名の人差し指を試験片表面に圧着させた後、キ
ムワイプワイパーS−2000(十条キンバリー(株)
製)で3回拭き取り、その払拭性を、指紋痕が目視され
ないものを○、指紋痕が一部目視されるものを△、指紋
痕がほぼ初期の状態のまま目視されるものを×として評
価した。
【0054】(b)耐摩耗性試験 スチールウール#1000で試験片表面を摩耗し、傷の
ついたものを○、傷のつかなかったものを×として評価
した。
【0055】[実施例2] (1)試験片の作成 厚さ75μmの酢酸セルロースフィルムをPETフィル
ムの代わりに用いた以外は実施例1と同様にしてハード
コート膜の形成された試験片を作製した。
【0056】実施例1に示す(2)に示した試験および
評価を行った。
【0057】[実施例3] (1)試験片の作成 t−ブタノール300部、Nalcoag1034A
120部およびMAPTMS12部の混合物を加熱して
5分間還流させ、室温まで放冷した。
【0058】冷却した上記混合物72部に、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレートとトリメチロールプロパ
ントリアクリレートの等量部混合物46部を加えた。次
いで溶剤のすべてを蒸留して透明な溶液を得た。
【0059】得られた液100部に対して、α,αジエ
トキシアセトフェノン1.5部を加えた。
【0060】このようにして得られたハードコート液
を、綿巻バーを用いて厚さ75μmのPETフィルムに
5〜10μmの厚さとなるように塗布した。次に、紫外
線照射装置(Pittsburgh Plate Glass Company製フュー
ジョン社製モデル1202AN)内で20フィート/分
のベルト速度、20sccmの窒素流下、100psi
で紫外線硬化し、ハードコート膜の形成された試験片と
した。
【0061】実施例1に示す(2)に示した試験および
評価を行った。
【0062】[比較例1]光重合開始剤(イルガキュア
ー184;チバガイギー社製)5重量部およびジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート90重量部を含有す
る紫外線硬化型アクリル系樹脂100重量部を、トルエ
ンとイソプロピルアルコール混合溶媒中で高速攪拌し
た。
【0063】その後、固形分35重量%の分散液を調製
し、それを綿巻バーを用いて厚さ125μmの表面処理
されたポリエステルフィルムの表面に塗布した。次に、
紫外線照射装置(Pittsburgh Plate Glass Company製フ
ュージョン社製モデル1202AN)内で20フィート
/分のベルト速度、20sccmの窒素流下、100p
siで紫外線硬化し、5〜10μmの厚さにハードコー
ト膜が形成された試験片とした。
【0064】[比較例2]ウレタンアクリレート50重
量%、多官能アクリレート48重量%、光重合開始剤イ
ルガキュア184 2重量%からなる紫外線硬化型ハー
ドコート剤に、非架橋型フッ素系界面活性剤としてフロ
ラードFC−430(住友スリーエム(株)製)0.6
重量%添加し、これを十分に攪拌して得られた液を実施
例1と同様にして塗布・硬化させて試験片とした。
【0065】実施例1の(2)に示した試験および評価
を行った。
【0066】
【表1】 表1に示す試験結果から明らかな通り、実施例1〜3に
より作成されたプラスチックフィルムのハードコート膜
は、指紋除去性および耐摩耗性を同時に満足できるもの
であった。これに対し、比較例1および2により作成さ
れたプラスチックフィルムのハードコート膜は、指紋除
去性および耐摩耗性を同時に満足できるものではなかっ
た。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、アクリル系シランにて
処理したコロイダルシリカを含んだアクリル系ハードコ
ート膜を形成することにより、耐溶剤性、指紋除去性お
よび耐摩耗性に優れたタッチパネルやコンピュータディ
スプレイ等のプラスチックフィルムを得ることができ
る。
【0068】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33:00 Fターム(参考) 4F006 AA02 AA35 AB24 AB76 BA02 BA11 BA16 CA01 DA04 EA03 4J038 FA121 HA446 KA03 KA14 NA04 NA05 NA11 PA17 PB11 PC08 5D029 KA01 KB20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック基材上に表面処理シリカと
    アクリレートと光重合開始剤とを含むハードコート膜を
    塗工したことを特徴とするプラスチックフィルム。
  2. 【請求項2】 前記プラスチック基材がポリエチレンテ
    レフタレートまたは酢酸セルロースであることを特徴と
    する請求項1記載のプラスチックフィルム。
  3. 【請求項3】 前記ハードコート膜中の前記アクリレー
    トがジアクリレートとトリアクリレートとを含むことを
    特徴とする請求項1または2記載のプラスチックフィル
    ム。
  4. 【請求項4】 前記ジアクリレートが1,6−ヘキサン
    ジオールジアクリレートであり、前記トリアクリレート
    がトリメチロールプロパントリアクリレートであること
    を特徴とする請求項3記載のプラスチックフィルム。
  5. 【請求項5】 前記ハードコート膜中の前記アクリレー
    トがトリアクリレートと、テトラアクリレートおよび/
    またはペンタアクリレートとを含むことを特徴とする請
    求項1記載のプラスチックフィルム。
  6. 【請求項6】 前記トリアクリレートがトリメチロール
    プロパントリアクリレートであり、前記テトラアクリレ
    ートがジヘキサエリスリトールテトラアクリレートであ
    り、前記ペンタアクリレートがジペンタエリスリトール
    モノヒドロキシペンタアクリレートであることを特徴と
    する請求項5記載のプラスチックフィルム。
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