JPH1010886A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JPH1010886A
JPH1010886A JP8278812A JP27881296A JPH1010886A JP H1010886 A JPH1010886 A JP H1010886A JP 8278812 A JP8278812 A JP 8278812A JP 27881296 A JP27881296 A JP 27881296A JP H1010886 A JPH1010886 A JP H1010886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermediate transfer
toner
image
transfer
charge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8278812A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3573439B2 (ja
Inventor
Masafumi Kadonaga
雅史 門永
Yuichi Ueno
祐一 上野
Fumio Kuzumi
文男 来住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP27881296A priority Critical patent/JP3573439B2/ja
Publication of JPH1010886A publication Critical patent/JPH1010886A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3573439B2 publication Critical patent/JP3573439B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Color Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写ニップ部の上流側でトナーと同極性の電
荷を付与することにより、転写不良等による異常画像の
発生を伴うことなく、感光体上のトナー像を中間転写ベ
ルト上に転写する際の転写チリの発生を防止することが
できる画像形成装置を提供する。 【解決手段】 中間転写ベルト19に感光体9上のトナ
ー像を順次重ね合わせて転写し、中間転写ベルト19上
の重ねトナー像を転写紙24に転写する画像形成装置に
おいて、中間転写ベルト19と感光体9との間の転写ニ
ップ部よりも中間転写ベルト移動方向の上流側に、中間
転写ベルト19の転写面に向けてトナーの帯電極性と同
極性の電荷を付与するスコロトロン帯電器41を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター、印刷機等の画像形成装置に係り、詳
しくは、像担持体上に形成したトナー像を中間転写体上
に重ね合わせて転写し、中間転写体上の重ねトナー像を
転写材上に転写する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、フルカラー画像の複写やプリント
が可能な電子写真方式の画像形成装置が実用化されてい
るが、この種の画像形成装置におけるフルカラー画像の
転写材への転写方式としては、 (a)転写ドラム方式:感光体等の像担持体上に色毎に
形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)、ブラック(BK)の各画像を、転写ドラム上に
固定された転写材に順次重ね合わせて転写する方式、 (b)中間転写体ダブル転写方式(単に、中間転写方式
ともいう):感光体等の像担持体上に色毎に形成される
Y、M、C、BKの各画像を、中間転写体上に順次重ね
合わせて転写し、この中間転写体上のフルカラーのトナ
ー像を一括転写して転写材に転写する方式、に大別でき
るが、厚紙等にも転写できるというペーパーフリー性を
有する点、及び転写ドラム方式のように先端のクランプ
・押さえ部に画像形成できないということがなく全面コ
ピーが可能な点で、上記(b)の中間転写方式が有利で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来から、上記中間転
写方式の画像形成装置において、像担持体から中間転写
体へのトナー像の転写の際にトナーチリという現象(以
下、「転写チリ」という)が発生する場合があることが
知られている。ここで、転写チリとは、像担持体から中
間転写体へのトナー像の転写(一次転写)の際に、像担
持体上に形成されたトナー像(可視像)が本来転写され
るべき位置に転写されず、その周辺に拡散して転写され
てしまい、結果として画像がぼけてしまう現象であり、
特に細線部分での画像のシャープさを損なわせるもので
ある。
【0004】そこで、本発明者らは、上記転写チリの発
生という問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、中間
転写体が像担持体との接触対向部を通過して像担持体表
面から若干離間したところで、トナー同士の静電的な反
発力によって中間転写体上のトナーが本来転写されるべ
き転写トナー像の周辺に飛翔することが、上記転写チリ
の主な原因であることを見いだした。この転写チリをも
たらすトナー飛翔は、中間転写体上のトナーの付着量が
多いほど、トナーの帯電量が多いほど、またトナー間の
付着力が小さいほど激しく起こり、画像劣化もひどくな
ることがわかっている。特に、フルカラー画像形成装置
においては、中間転写体上にマゼンタやシアン、イエロ
ー等のトナーを重ねてフルカラー画像を形成するため、
中間転写体上のトナー付着量が多くなり、上記トナー飛
翔が発生しやすい。
【0005】上記トナー飛翔を防止する方法としては、
例えばトナーの帯電量を少なくすることによってトナー
同士の静電的な反発力を小さくする方法が考えられる。
しかしながら、この方法は、トナーの帯電量を少なくす
ると現像プロセスに影響を与えるため、好ましくない。
更に、トナーの静電的な吸着力が弱くなるため、トナー
飛散などの不具合が発生するおそれがある。また、現像
後にコロナ放電などで像担持体上のトナーの帯電量を低
下させる方法も考えられるが、トナーの帯電量を低下さ
せない場合に比して、トナーを中間転写体側に転写させ
るために必要な転写電界の強度を大きくする必要があ
る。それに応じて、トナー像の転写に用いる転写バイア
ス電圧を大きくする必要があり、放電による異常画像、
転写不良などの不具合が発生するおそれがある。
【0006】また、上記トナー飛翔を防止する方法とし
て、中間転写体上のトナー付着量を少なくする方法も有
効であると考えられるが、階調表現が困難となる等の不
具合を有する。またこの方法では、中間転写体上にトナ
ーを重ねていくため、付着量を十分に少なくすることは
到底困難である。
【0007】また、トナー間の付着力を大きくする方法
も上記トナー飛翔の防止に有効であると考えられるが、
「虫食い」と呼ばれる転写中抜けが発生しやすくなると
いう不具合があった。
【0008】本発明は以上の背景のもとでなされたもの
であり、その目的は、転写不良等による異常画像の発生
を伴うことなく、像担持体上のトナー像を中間転写体上
に転写する際の転写チリの発生を防止することができる
画像形成装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、像担持体上にトナー像を形成す
るトナー像形成手段と、該像担持体に接触対向する転写
面が移動可能な中間転写体と、該中間転写体に該像担持
体上のトナー像を順次重ね合わせて転写する中間転写手
段と、該中間転写体上の重ねトナー像を転写材に転写す
る転写材転写手段とを備えた画像形成装置において、該
中間転写体と該像担持体との接触対向部よりも中間転写
体表面移動方向の上流側に、該中間転写体の転写面に向
けてトナーの帯電極性と同極性の電荷を付与する電荷付
与手段を設けたことを特徴とするものである。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の画像形成装
置において、上記電荷付与手段による電荷付与量を、上
記中間転写体の電荷が付与された部分の表面電位の絶対
値が該中間転写体上のトナー像の表面電位の最大値の絶
対値よりも小さくなるように設定したことを特徴とする
ものである。
【0011】請求項3の発明は、請求項1の画像形成装
置において、上記電荷付与手段を、上記中間転写体に対
して非接触となるように設けたことを特徴とするもので
ある。
【0012】請求項4の発明は、請求項1の画像形成装
置において、上記中間転写体を挟んで上記電荷付与手段
と対向する位置に、導電性の対向電極を設けたことを特
徴とするものである。
【0013】請求項5の発明は、請求項4の画像形成装
置において、上記対向電極を接地したことを特徴とする
ものである。
【0014】請求項6の発明は、上記中間転写体として
上記像担持体と接触対向する転写面が無端移動するもの
を用いた請求項1の画像形成装置において、該中間転写
体の無端移動周長、表面移動速度、体積抵抗率及び比誘
電率をそれぞれL、V、ρv及びε'とし、真空の誘電
率をε0としたとき、L/V≦ρv・ε'・ε0 で表され
る条件を満たすことを特徴とするものである。
【0015】請求項1乃至6の発明では、中間転写体と
像担持体との接触対向部よりも中間転写体表面移動方向
の上流側に設けた電荷付与手段で、該中間転写体の転写
面に向けてトナーの帯電極性と同極性の電荷を付与する
ことにより、該中間転写体の転写面上の主に非トナー転
写部をトナーの帯電極性と同極性に帯電させ、該中間転
写体の転写面上の非トナー転写部とトナー像との間に静
電的な反発力を発生させる。
【0016】特に、請求項2の発明では、請求項1の画
像形成装置において、上記電荷付与手段による電荷付与
量を、上記中間転写体の非トナー転写部の表面電位の絶
対値がトナー像の表面電位の最大値の絶対値よりも小さ
くなるように設定することにより、該トナー像が転写さ
れている中間転写体上に次のトナー像を像担持体から転
写する際に、該中間転写体上の既に転写されているトナ
ー像及び非トナー転写部と該次のトナー像が形成されて
いる像担持体との間に所定強度の転写電界が形成される
ようにする。
【0017】また特に、請求項3の発明では、請求項1
の画像形成装置において、上記電荷付与手段を、上記中
間転写体に対して非接触となるように設けることによ
り、中間転写体上に既に転写されているトナー像を該電
荷付与手段で乱さないようにする。
【0018】また特に、請求項4の発明では、請求項1
の画像形成装置において、上記中間転写体を挟んで上記
電荷付与手段と対向する位置に導電性の対向電極を設け
ることにより、該対向電極と電荷付与手段との間に、該
中間転写体に電荷を付与するための電界を十分な強度で
且つ該中間転写体の面方向に均一に形成できるようにす
る。
【0019】また特に、請求項5の発明では、請求項4
の画像形成装置において、上記対向電極を接地すること
により、該の対向電極のゼロ電位を基準にして上記中間
転写体への電荷付与のための電界を形成できるようにす
る。
【0020】また特に、請求項6の発明では、上記中間
転写体として上記像担持体と接触対向する転写面が無端
移動するものを用いた請求項1の画像形成装置におい
て、該中間転写体の無端移動周長、表面移動速度、体積
抵抗率及び比誘電率をそれぞれL、V、ρv及びε'と
し、真空の誘電率をε0としたとき、L/V≦ρv・
ε'・ε0で表される条件を満たすことにより、該中間
転写体が1周する間に、上記電荷付与手段で付与した電
荷量が1/e以下に減衰しないようにする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を画像形成装置であ
るフルカラー複写装置(以下、「カラー複写装置」とい
う。)に適用した実施形態について説明する。中間転写
体は、中間転写ベルトの他に中間転写ドラムとして構成
することも考えられるが、以下の説明では中間転写ベル
トとして構成した例で説明する。
【0022】図1は本実施形態に係るカラー複写装置の
感光体・中間転写ベルト回りの拡大図、図2は同カラー
複写装置全体の概略構成図である。カラー画像読み取り
装置(以下、「カラースキャナ」という。)1は、原稿
3の画像を照明ランプ4で照射し、その反射光をミラー
5a,5b,5c等のミラー群及びレンズ6を介してカ
ラーセンサ7に結像する。カラーセンサ7に結像した原
稿3のカラー画像情報は、例えばブルー(Blue、以下
「B」という。)、グリーン(Green、以下「G」とい
う。)、レッド(Red、以下「R」という。)の色分解
光毎に読み取られ、電気的な画像信号に変換される。本
実施形態では、カラーセンサ7はB,G,Rの色分解手
段とCCDのような光電変換素子で構成されており、3
色同時読み取りを行っている。
【0023】このようにしてカラースキャナー1で得ら
れたB、G、Rの色分解画像信号の強度レベルを基にし
て、画像処理部(図示なし)で色変換処理を行ない、ブ
ラック(Black、以下「Bk」という。)、シアン(C
yan、以下「C」という。)、マゼンタ(Magenta、以
下「M」という。)、イエロー(Yellow、以下「Y」
という。)のカラー画像データを得る。
【0024】これらのカラー画像データを、カラー画像
記録装置(以下、「カラープリンター」という。)2に
おいて、Bk、C、M、Yの各色にて顕像化を行ない、
これらの顕像化されたトナー像を重ね合わせて4色フル
カラー画像を得る。
【0025】カラープリンター2の書き込み光学ユニッ
ト8は、カラースキャナー1からのカラー画像データを
光信号に変換して、原稿画像に対応した光書き込みを行
ない、像担持体としてのドラム状の感光体9に静電潜像
を形成する。
【0026】上記書き込み光学ユニット8は、レーザ光
源8aと、その発光駆動装置(図示なし)、ポリゴンミ
ラー8b及びその回転駆動用モータ8c、f-θレンズ
8d、反射ミラー8e等で構成されている。
【0027】感光体9は、矢印の如く反時計方向に回転
し、その回りには、感光体クリーニングユニット(クリ
ーニング前除電器を含む)10、除電ランプ11、帯電
器12、電位センサ13、Bk現像器14、C現像器1
5、M現像器16、Y現像器17、現像濃度パターン検
出用の光学センサ18、中間転写体としての中間転写ベ
ルト19などが配置されている。感光体9にトナー像を
形成するトナー像形成手段は、上記光学ユニット8、帯
電記12、各現像器14〜17などにより構成されてい
る。
【0028】各現像器は、静電潜像を現像するために所
定極性に帯電されるトナーとキャリアとを含む現像剤の
穂を感光体9の表面に接触させて回転する現像スリーブ
14a、15a、16a、17aと、現像剤を汲み上げ
・撹拌するために回転する現像パドル14b、15b、
16b、17b、及び現像剤のトナー濃度センサー14
c、15c、16c、17cなどで構成されている。な
お、本実施形態では負極性に帯電されるトナーを用いて
いる。
【0029】カラー複写装置の待機状態では、上記4個
の現像器の全てについて、現像スリーブ14a〜17a
上の現像剤が穂切り(現像不作動)状態になっている。
【0030】以下、現像動作の順序(カラー画像形成順
序)が、Bk、C、M、Yの例でコピー動作の概略を説
明する。ただし、画像形成順序はこれに限定されるもの
ではない。コピー動作が開始されると、カラースキャナ
1で所定のタイミングからBk画像データの読み取りが
開始される。同時に、図示しない感光体の駆動機構によ
り、感光体9は反時計回りの向きに回転駆動されるとと
もに、感光体9は帯電器12により負極性に一様帯電さ
れる。
【0031】そして、カラースキャナ1で読み取られた
Bk画像データに基づき、光学ユニット8からのレーザ
光による光書き込みが行われ、一様帯電された感光体9
の表面電位を上記Bk画像データに応じて部分的に低下
させ、これにより、感光体9上に静電潜像が形成され
る。以下、Bk画像データによる静電潜像を「Bk潜
像」という。また、C、M、Yの各画像データに基づい
て形成された各静電潜像もこれに準じて、それぞれ「C
潜像」、「M潜像」、「Y潜像」ということにする。
【0032】上記Bk潜像の先端部から現像可能とすべ
くBk現像器14の現像位置に潜像先端部が到達する前
に、現像スリーブ14aを回転開始して現像剤の穂立て
を行い、Bk潜像を負極性に帯電されたBkトナーで現
像する。以後、Bk潜像領域の現像動作を続けるが、潜
像後端部がBk現像位置を通過した時点で、速やかにB
k現像スリーブ14a上の現像剤の穂切りを行い、現像
不作動状態にする。これは、少なくとも、次のC画像デ
ータによるC潜像先端部が到達する前に完了させる。な
お、穂切りは現像スリーブ14aの回転方向を現像動作
中とは逆方向に切り換えることで行う。
【0033】感光体9に形成したBkトナー像は、感光
体と等速駆動されている中間転写ベルト19の表面に転
写する(以下、感光体から中間転写ベルトへのトナー像
転写を「ベルト転写」という)。このベルト転写は、感
光体9と中間転写ベルト19の接触状態において後述の
転写バイアスローラ20aに所定のバイアス電圧を印加
することで行う。
【0034】感光体9には、順次、Bk,C,M,Yの
トナー像が形成され、形成された順に中間転写ベルト1
9の同一の転写面に順次位置合わせして4色重ねのベル
ト転写画像形成される。こうして、フルカラーのトナー
画像が形成された後、該フルカラーのトナー画像は転写
材としての転写紙24に一括転写される。この中間転写
ベルト19から転写紙24への転写を「紙転写」とい
う。
【0035】ところで、感光体9では、Bk工程の次に
C工程に進むが、所定のタイミングからカラースキャナ
1によるC画像データ読み取りが始まり、その画像デー
タによるレーザー光書き込みで、C潜像形成を行う。
【0036】C現像器15はその現像位置に対して、先
のBk潜像後端部が通過した後で、かつC潜像の先端が
到達する前に現像スリーブ15aを回転開始して、C潜
像をCトナーで現像する。
【0037】以後、C潜像領域の現像を続けるが、潜像
後端部が通過した時点で、先のBk現像器の場合と同様
にC現像スリーブ15a上の現像剤の穂切りを行い、現
像不作動状態にする。これもやはり次のM潜像先端部が
到達する前に完了させる。なお、M及びYの各工程につ
いても、それぞれの画像データ読み取り、潜像形成及び
現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので、
説明を省略する。
【0038】図1において、中間転写ベルト19は、駆
動ローラ21、転写バイアスローラ20a、入口ローラ
20b、及び従動ローラ群に掛け回されている。また、
中間転写ベルト19は、転写バイアスローラ20aと入
口ローラ20bとの間で感光体9に圧接されており、こ
の圧接部において適度のニップ圧力が加えられるように
両ローラ20a,20bを配置している。駆動ローラ2
1には、図示していない駆動モータが連結されており、
この駆動モータを介して中間転写ベルト19が回転駆動
制御される。
【0039】また、上記転写バイアスローラ20a、入
口ローラ20b、転写バイアスローラ20aに所定の転
写バイアス電圧(本実施形態では正極性の電圧)を印加
するための転写バイアス電源40などにより、中間転写
ベルト19に感光体9上のトナー像を順次重ね合わせて
転写するための中間転写手段手段が構成されている。
【0040】また、中間転写ベルト19を挟んで入口ロ
ーラ20bに対向する位置には、中間転写ベルト19の
転写面に向けてトナーの帯電極性(本実施形態では負極
性)と同極性の電荷を付与する電荷付与手段としてのス
コロトロン帯電器41を設けている。このスコロトロン
帯電器41の放電ワイヤ及びグリッド電極にはそれぞ
れ、電源42から所定の電圧(本実施形態では負極性の
直流電圧)が印加される。このスコロトロン帯電器41
による電荷付与で帯電した中間転写ベルト19の転写面
の電位は、スコロトロン帯電器41のグリッド電極の電
位とほぼ同じになる。
【0041】ここで、上記スコロトロン帯電器41に中
間転写ベルト19を挟んで対向する位置に、対向電極と
しての入口ローラ20bがあるので、中間転写ベルト1
9に電荷を十分に且つ比較的均一に付与できる。かかる
対向電極を設けない場合は、わずかに電荷を付与しただ
けで電荷の付与が終わってしまい、十分な量の電荷を中
間転写ベルト19に付与できない。また、かかる対向電
極を設けないと、中間転写ベルト19に抵抗ムラがあっ
た場合に、その抵抗ムラによって電荷分布が大きく異な
ってしまい、その電荷分布ムラに対応してトナーの移動
が発生してしまうおそれがある。
【0042】また、上記対向電極としての入口ローラ2
0bは接地されてゼロ電位となっているので、スコロト
ロン帯電器41による電荷付与量を制御しやすくなって
いる。
【0043】なお、上記電荷付与手段としては、スコロ
トロン帯電器のほか、コロトロン帯電器、針電極を多数
並べて放電させる装置等を用いることもできる。また、
本実施例では、対向電極として入口ローラ20bを用い
ているが、他の導電性樹脂、導電性ゴム、又は金属で構
成された部材を別に設けても良い。この導電性の部材も
接地するのが好ましい。 (以下、余白)
【0044】ベルトクリーニングユニット22は、ブラ
シローラ22a、ゴムブレード22b、及びベルトから
の接離機構22cなどで構成されており、1色目のBk
画像をベルト転写した後の、2、3、4色目をベルト転
写している間は、接離機構22cによってベルト面から
離間させておく。
【0045】中間転写ベルト19上の重ねトナー像を転
写紙24に転写する転写材転写手段としての紙転写ユニ
ット23は、紙転写バイアスローラ23a、ローラクリ
ーニングブレード23b、及びベルトからの接離機構2
3cなどで構成されている。紙転写バイアスローラ23
aは、通常は中間転写ベルト19の転写面から離間して
いるが、該転写面に形成された4色の重ね画像を転写紙
24に一括転写するときに、タイミングを取って接離機
構23cで押圧され、該ローラー23aに所定のバイア
ス電圧を印加して転写紙24への転写を行う。
【0046】図2に示すように、転写紙24は、給紙ロ
ーラ25、レジストローラ26によって、中間転写ベル
ト19面の4色重ね画像の先端部が紙転写位置に到達す
るタイミングに合わせて、駆動ローラ21と紙転写バイ
アスローラ23aとの間に給紙され、紙転写される。転
写後の転写紙24は、搬送ベルト27によって搬送され
て定着器28に送られ、トナー画像が定着された後、ト
レイ29上に排出される。
【0047】ここで、中間転写ベルト19の駆動制御に
ついて説明する。中間転写ベルト19の駆動の仕方とし
ては、1色目のBkトナー像のベルト転写が端部まで終
了した後の動作方式として次の3方式が考えられ、この
なかの1方式で、又はコピー速度の面からコピーサイズ
に応じてこのなかの複数の方式を効率的に組み合わせ
て、中間転写ベルト19を駆動する。
【0048】(1) 一定速往動方式 Bkトナー像のベルト転写後も、そのまま一定速度
で往動を続ける。 そして、中間転写ベルト19面上のBk画像先端位
置が、再び感光体9との接触部のベルト転写位置に到達
したとき、感光体9側は次のCトナー像の先端部が丁度
その位置にくるように、タイミングを取って画像形成さ
れている。その結果、C画像はBk画像に正確に位置合
わせして中間転写ベルト19上に重ねてベルト転写され
る。 その後も同様の動作によってM,Y画像工程に進
み、4色重ねのベルト転写画像を得る。 4色目のYトナー像のベルト転写工程に引き続き、
そのまま往動しながら中間転写ベルト19面上の4色重
ねトナー像を、上記のように転写紙24に一括転写す
る。
【0049】(2) スキップ往動方式 Bkトナー像のベルト転写が終了したら、感光体9
面から中間転写ベルト19を離間させ、そのままの往動
方向に高速スキップさせて所定量を移動したら当初の往
動速度に戻す。また、その後再び感光体9に中間転写ベ
ルト19を接触させる。 そして、中間転写ベルト19面上のBk画像先端位
置が再びベルト転写位置に到達したとき、感光体9側は
次のCトナー像の先端部が丁度その位置にくるようにタ
イミングを取って画像形成されている。その結果、C画
像はBk画像に正確に位置合わせして重ねてベルト転写
される。 その後も同様の動作によってM,Y画像工程に進
み、4色重ねのベルト転写画像を得る。 4色目のYトナー像ベルト転写工程に引き続き、そ
のままの往動速度で、中間転写ベルト19面上の4色重
ねトナー像を転写紙24に一括転写する。
【0050】(3) 往復動(クイックリターン)方式 Bkトナー像のベルト転写が終了したら、感光体9
面から中間転写ベルト19を離間させ、そして、往動を
停止させると同時に逆方向に高速リターンさせる。この
リターン動作により、中間転写ベルト19面上のBk画
像先端位置がベルト転写相当位置を逆方向に通過し、更
に予め設定された距離分を移動した後に停止させて待機
状態にする。 次に、感光体9側のCトナー像の先端部がベルト転
写位置より手前の所定位置に到達した時点に、中間転写
ベルト19を再び往動方向にスタートさせる。また、中
間転写ベルト19を感光体9面に再び接触させる。この
場合も、C画像が中間転写ベルト19面上でBk画像に
正確に重なるような条件に制御されてベルト転写され
る。 その後も同様の動作によってY,M画像工程に進
み、4色重ねのベルト転写画像を得る。 4色目のYトナー像のベルト転写工程に引き続き、
リターンせずにそのままの速度で往動して、中間転写ベ
ルト19面上の4色重ねトナー像を転写紙24に一括転
写する。
【0051】以上のいずれかの方式により、中間転写ベ
ルト19面から4色重ねトナー像が一括転写された転写
紙24は、紙搬送ユニットの搬送ベルト27で定着器2
8に搬送され、所定温度にコントロールされた定着ロー
ラ28aと加圧ローラ28bでトナー像を溶融定着して
コピートレイ29に搬出され、フルカラーコピーを得
る。
【0052】一方、ベルト転写後の感光体9は、クリー
ニング前除電器10a、ブラシローラ10b、ゴムブレ
ード10cなどからなる感光体クリーニングユニット1
0で表面をクリーニングされ、除電ランプ11で均一に
除電される。
【0053】また、転写紙24にトナー像を転写した後
の中間転写ベルト19の表面はクリーニングされる。こ
のクリーニングは、クリーニングユニット22を再び接
離機構22cで押圧することにより行われる。
【0054】リピートコピーの場合は、カラースキャナ
1の動作及び感光体9への画像形成は、1枚目のY(4
色目)画像工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目
のBk(1色目)画像工程に進む。
【0055】また、中間転写ベルト19の方は、1枚目
の4色重ね画像の転写紙24への一括転写工程に引き続
き、表面をクリーニングユニット22でクリーニングさ
れた領域に、2枚目のBkトナー像がベルト転写される
ようにする。その後は、1枚目と同様の動作になる。
【0056】図2において、転写紙カセット30、3
1、32、33は、各種サイズの転写紙が収納されてお
り、操作パネル(図示なし)で指定されたサイズ紙の収
納カセットから、タイミングを取ってレジストローラ2
6方向に給紙、搬送される。符号34は、オーバーヘッ
ドプロジェクタ用のOHP用紙や、厚紙などの転写紙を
手差しするための給紙トレイを示す。
【0057】以上は、4色フルカラーを得るコピーモー
ドの説明であったが、3色コピーモード、2色コピーモ
ードの場合は、指定された色と回数の分について、上記
と同様の動作を行うことになる。
【0058】また、単色コピーモードの場合は、所定枚
数が終了するまでの間、その色の現像ユニットのみを現
像作動(剤穂立て)状態にして、中間転写ベルト19
は、感光体9面に接触したまま往動方向にー定速駆動
し、さらに、ベルトクリーナー22もベルト19に接触
したままの状態で、コピー動作を行う。
【0059】次に、本発明の特徴部である電荷付与手段
について詳しく説明する。本実施形態では、前述のよう
に、中間転写ベルト19と感光体9との接触対向部(以
下、「転写ニップ部」という)に対して中間転写ベルト
表面移動方向の上流側から近接する位置に、すなわち中
間転写ベルト19を挟んで入口ローラ20bに対向する
位置に、電荷付与手段としてのスコロトロン帯電器41
を設けている。この帯電器41により中間転写ベルト1
9の転写面に向けてトナーの帯電極性と同極性の電荷を
付与し、この電荷付与により、該転写面上のトナーが付
着していない非トナー転写部を主にトナーの帯電極性と
同極性(本実施形態では負極性)に帯電し、該転写面上
の非トナー転写部とトナー像との間に静電的な反発力を
発生させ、転写ニップ部を通過した中間転写ベルト19
上でトナー像のトナーがその周辺の非トナー転写部に飛
翔しくくなるようにしている。
【0060】ここで、上記電荷付与の効果をシミュレー
ションによって考察した結果を示す。このシミュレーシ
ョンは、トナー像が転写されている中間転写ベルトを空
隙を介して感光体に対向させた2次元モデルに差分法を
適用し、中間転写ベルトと感光体との間に形成される電
界分布によって中間転写ベルト上のトナーに作用する力
の分布を求め、この力の分布と運動方程式とに基づい
て、上記空隙幅を時間とともに大きくしていったときの
トナーの分布を求めた。
【0061】図3〜図5はそれぞれ、上記シミュレーシ
ョンによって求めた中間転写ベルト50上のトナー51
の挙動を示している。図3、図4及び図5はそれぞれ、
中間転写体ベルト50の非トナー転写部50aに電荷が
存在しない場合、該非トナー転写部50aにQsb=−
100μC/m2の電荷が存在する場合、及び該非トナ
ー転写部50aにQsb=−200μC/m2の電荷が
存在する場合のトナー51の挙動を示している。また、
各図において分図(a)〜(d)はそれぞれ、中間転写
ベルト50と感光体との間の空隙幅gが1.94mm、
1.97mm、2.00mm及び2.03mmの場合の
トナー51の挙動を示している。この図3〜図5のシミ
ュレーションでは、感光体の非画像部及びトナーが付着
していた画像部の表面電位をそれぞれ−500V及び−
150Vに設定し、中間転写ベルト50の厚さ、体積抵
抗率ρv及び比誘電率ε’をそれぞれ150μm、1×
1013Ωcm及び8に設定し、トナー51の直径及び単位
質量当たりの帯電量q/mをそれぞれ7μm及び−20
μC/gに設定した。
【0062】図3(a)〜(d)は中間転写ベルト50
の非トナー転写部に電荷が存在しない場合の結果であ
る。このシミュレーション結果により、感光体と中間転
写ベルト50との間の空隙幅が大きくなってくると、ト
ナー51間の静電的な反発力(クーロン反発力)によっ
て、トナー51が動き出し、非トナー転写部側に飛翔し
て転写チリが発生し、画像劣化となることがわかる。
【0063】図4(a)〜(d)は中間転写体ベルト5
0の非トナー転写部50aにQsb=−100μC/m
2の電荷が存在する場合の結果である。このシミュレー
ション結果により、図3の結果に比べて、トナー51の
動き(飛翔)が少なく、画像劣化の程度が小さくなって
いることがわかる。
【0064】図5(a)〜(d)は中間転写体ベルト5
0の非トナー転写部50aにQsb=−200μC/m
2の電荷が存在する場合の結果である。このシミュレー
ション結果により、トナー51の動き(飛翔)が起こら
ず、異常画像(転写チリ)が発生しないことがわかる。
【0065】以上の一連のシミュレーション結果は、中
間転写ベルト上にトナーと同極性の電荷をあらかじめ付
与することによって、中間転写ベルト上のトナー間のク
ーロン反発力による飛翔を防止することが可能であるこ
とを示している。このシミュレーションによると、トナ
ーが飛翔し始める感光体と中間転写ベルト50との間の
空隙幅は2mm程度であり、転写ニップ部の出口から該
空隙幅がトナーが飛翔し始める幅になるまでの間に、中
間転写ベルトの転写面に電荷を付与することは困難であ
ると考えられる。そこで、本実施形態では、前述のよう
に転写ニップ部の入口よりもベルト移動方向上流側にあ
る入口ローラ20bに対向するように、電荷付与手段と
してのスコロトロン帯電器41を設けている。
【0066】次に、本実施形態のより具体的な実施例に
ついて説明する。上記感光体9としては、半径60mm
の有機感光体を用いた。中間転写ベルト19としては、
比誘電率ε=8±3、厚さ=150μm、周長=540
mmのフッ素系樹脂シートからなるシームレスベルトを
用いた。感光体9及び中間転写ベルト19の線速はとも
に200mm/secに設定した。
【0067】上記中間転写ベルト19の体積抵抗率ρv
及び表面抵抗率ρsを三菱油化製の測定器(商品名:ハ
イレスタ、プローブ:HRS)で測定したところ、体積
抵抗率ρv=5×1012〜1×1013Ωcm、及び表面抵
抗率ρs=1×1010〜1×1011Ω/□(印加電圧:
500V、タイマー:10秒)であった。これら抵抗率
測定値の幅は、測定箇所による測定値ばらつきに対応す
るものである。
【0068】また、上記入口ローラ20b(接地)並び
に転写バイアスローラ20aとしてはφ20mmの金属
ローラを用い、両ローラを転写ニップ部の中心から等距
離(15mm)離して配置した。転写ニップ部のニップ
幅は10mmであった。また、転写バイアスローラ20
aに印加する転写バイアス電圧は、+1600Vから色
重ねごとに200Vずつステップアップさせた。
【0069】以上のように構成したカラー複写機におい
て、電荷付与手段としてのスコロトロン帯電器41のグ
リッド電極に印加するグリッドバイアス電圧Vgを変え
ることで、中間転写ベルト19の転写面に付与する電荷
量を変化させ、その電荷付与による出力画像(ライン幅
100μm,ライン間隔100μmの副走査方向のライ
ン画像)の画質への影響を観察した。一連の画像形成に
おける中間転写ベルト19に電荷を付与する動作は、上
記グリッドバイアス電圧Vgを固定して各色トナー像の
ベルト転写ごとに行い、毎回同じ量の電荷を付与した。
そして、中間転写ベルト19上にY及びMの2色重ねト
ナー像を形成した直後に、装置を強制的に停止させ、中
間転写ベルト19上のY及びMが重なったライン画像を
観察した。一般的にYトナーの上に重なっているMトナ
ーが飛翔しているので、下側のYトナーのラインから大
きくはずれた位置に付着しているMトナーの個数を50
0μm×500μmの観察面積でカウントすることによ
り、転写チリを評価した。
【0070】表1は、上記実施例における転写チリの評
価の結果を示している。この表1から、グリッドバイア
ス電圧Vgが−300V〜−400Vのあたりが、転写
チリランクが4以上と転写チリも少なく、且つ転写不良
もない好適範囲であることがわかる。
【0071】なお、表1中の転写チリランクの数値は、
所定の観察面積(500μm×500μm)当たりのチ
リトナーの個数と転写チリランクとの関係を示す対応表
(表2)から求めた。図6(a)〜(e)は、転写チリ
ランクの各数値に対する評価基準画像(ライン幅100
μm,ライン間隔100μmの副走査方向のライン画
像)の拡大図を示している。この各転写チリランクの評
価基準画像について所定の観察面積(500μm×50
0μm)当たりのチリトナーの個数をカウントし、連続
する転写チリランク(例えばランク1とランク2)に対
するカウント値の平均値をそれら転写チリランク間の境
界値として、表2の対応表の各転写チリランクにおける
チリトナーの個数の範囲を設定した。ここで、転写チリ
ランクが4以上の画像(図6(a)及び(b))が、肉
眼での観察の結果、転写チリの少ない良好な画像であっ
た。また、図6(a)〜(e)中の白い部分がトナー粒
子であり、転写チリランク5に対応した図6(a)の画
像のライン幅及びライン間隔の寸法が100μmであ
る。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】また、中間転写ベルト19上に付着したト
ナー像の表面電位を表面電位計(TREK社製、MOD
EL344)で測定したところ、−420Vであった。
一方、中間転写ベルト19上のトナー像のない非トナー
転写部の電位は、各電荷付与直後に測定したところ、上
記スコロトロン帯電器41のグリッドバイアス電圧Vg
とほぼ等しい値であった。このトナー像及び電荷付与後
の非トナー転写部の表面電位の測定結果、並びに上記表
1の結果から、中間転写ベルト19上の電荷が付与され
た非トナー転写部の表面電位Vsbの絶対値をトナー像
の表面電位Vstの絶対値以下にすること、すなわち|
Vsb|≦|Vst|を満足するように中間転写ベルト
19に電荷を付与することが、転写不良を防止する上で
望ましいことがわかる。上記非トナー転写部の表面電位
Vsbの絶対値がトナー像の表面電位Vstの絶対値よ
りも大きくするとトナー像の表面電位VstもVsbと
同程度まで上昇し、中間転写ベルト19の転写面の表面
電位が次の色のトナーが転写されにくい方向に変化す
る。従って、転写バイアス電圧をプラス側に大きく変化
させない限り、該非トナー転写部及びトナー像に対して
次の色のトナーが転写されにくくなり、表1の結果が示
すように転写不良が発生しやすくなる。
【0075】また、表1の結果から、上記非トナー転写
部の表面電位Vsbの絶対値が小さすぎると、上記トナ
ーの飛翔を抑えて転写チリを防止する効果がほとんどな
いことがわかる。この非トナー転写部の表面電位Vsb
の絶対値がトナー像の表面電位Vstの絶対値の1/2
以上なるように電荷を付与することが、転写チリを確実
に防止するという点で望ましい。
【0076】なお、比較例として、上記実施例と同様な
実験を電気抵抗が低い中間転写ベルトを用いて行った。
本比較例で用いた中間転写ベルトの体積抵抗率ρv及び
表面抵抗率ρsを上記実施例と同じ方法で測定したとこ
ろ、体積抵抗率ρv=5×109〜1×1010Ωcm、及
び表面抵抗率ρs=1×108〜1×109Ω/□(印加
電圧:500V、タイマー:10秒)であった。これら
抵抗率測定値の幅は、測定箇所による測定値ばらつきに
対応するものである。この中間転写ベルトを用い、スコ
ロトロン帯電器41のグリッド電極に印加するグリッド
バイアス電圧Vgを−100Vから−600Vまで変化
させて、上記実施例と同様にYM2色の色重ねライン画
像を観察したところ、全てのグリッドバイアス電圧Vg
でひどい転写チリが見られ、グリッドバイアス電圧Vg
による差はなかった。これは、中間転写ベルトの電気抵
抗が低く、スコロトロン帯電器41で付与した電荷が上
記非トナー転写部から他の部分に速やかに移動してしま
い、中間転写ベルト上のトナーと上記付与した電荷との
間のクーロン反発力が十分に長い時間作用しなかったた
めと考えられる。(以下、余白)
【0077】以上、本実施形態によれば、上記スコロト
ロン帯電器41で中間転写ベルトの転写面に向けてトナ
ーと同極性の電荷を付与することにより、該転写面上の
トナーが付着していない非トナー転写部を主にトナーと
同極性に帯電し、該転写面上の非トナー転写部とトナー
像との間に静電的な反発力を発生させ、転写ニップ部を
通過した中間転写ベルト19上でトナー像のトナーがそ
の周辺の非トナー転写部に飛翔しくくなるようにしてい
るので、トナー像のトナーが非トナー転写部へ飛翔する
ことによる転写チリを防止できる。また、本実施形態に
よれば、従来の除電手段を用いた場合のように中間転写
ベルト19上のトナー像の電荷量が低下することがない
ため、中間転写ベルト19上のトナー像を転写紙24に
転写する際の転写不良も発生しにくい。
【0078】なお、上記実施形態では、電気抵抗が十分
に大きな中間転写ベルト19を用いた場合について説明
したが、比較例でも示したように電気抵抗が低い中間転
写ベルトを用いた場合は中間転写ベルトの転写面に付与
した電荷が時間とともに減衰するため、転写チリ防止効
果は得にくい。中間転写ベルトの転写面に付与された電
荷Qsbは少なくとも次の電荷付与まで、該転写面にあ
る程度とどまっていることが望ましい。一般に、抵抗体
の電荷減衰時間(電荷が1/eまで減衰する時間)は、
おおよそ(抵抗体の誘電率)×(抵抗体の体積抵抗率)
で表されることが知られている。従って、中間転写ベル
ト19の全周長、線速度を、体積抵抗率及び比誘電率を
それぞれL、Vl、ρv及びε’とし、真空の誘電率を
ε0としたとき、次の数1で示す式を満足するように構
成すれば、中間転写ベルト19に付与した電荷Qsb
は、中間転写ベルト19が1周する間に、1/e以下に
減衰しなくなるため、トナー像のトナーが非トナー転写
部へ飛翔することによる転写チリを防止できる。例え
ば、中間転写ベルト19の全周長L=540mm、該ベ
ルトの線速度Vl=200mm/sec、該ベルトの比
誘電率ε’=8であるとき、該ベルトの体積抵抗率ρv
は3×1012Ωcm以上であればよい。
【0079】また、上記実施形態では、感光体9を負極
性に一様帯電し、感光体9上に形成した静電潜像を負極
性に帯電したトナーを用いて現像するネガポジ現像方式
の場合について説明したが、本発明はこれら帯電極性や
現像方式に限定されることなく適用できるものであり、
例えば、感光体9を正極性に一様帯電し且つ正極性に帯
電したトナーを用いた場合や、ポジポジ現像方式を採用
した場合にも適用でき、同様な効果が得られるものであ
る。
【0080】
【発明の効果】請求項1乃至6の発明によれば、電荷付
与手段で、中間転写体の転写面に向けてトナーの帯電極
性と同極性の電荷を付与し、中間転写体の転写面上の非
トナー転写部とトナー像との間に静電的な反発力を発生
させるので、中間転写体と像担持体との間の接触対向部
を通過した中間転写体上でトナー像のトナーがその周辺
の非トナー転写部に飛翔しくくなり、該トナー像のトナ
ーが非トナー転写部へ飛翔することによる転写チリを防
止できるという効果がある。また、従来の除電手段を用
いた場合のように中間転写体上のトナー像の電荷量が低
下することがないため、中間転写体上のトナー像を転写
材に転写する際の転写不良も発生しにくいという効果が
ある。
【0081】特に、請求項2の発明によれば、中間転写
体の非トナー転写部の表面電位の絶対値をトナー像の表
面電位の最大値の絶対値よりも小さくし、該トナー像が
既に転写されている中間転写体上に次のトナー像を像担
持体から転写する際に、中間転写体上の既に転写されて
いるトナー像及び非トナー転写部と、該次のトナー像が
形成されている像担持体との間に所定強度の転写電界を
形成するので、該次のトナー像を中間転写体に転写する
際の転写不良を防止できるという効果がある。
【0082】また特に、請求項3の発明によれば、中間
転写体に対して非接触となるように設けた電荷付与手段
が、中間転写体上に既に転写されているトナー像を乱さ
ないので、更に画質の劣化を防止できるという効果があ
る。
【0083】また特に、請求項4の発明によれば、中間
転写体を挟んで電荷付与手段と対向する位置に設けた導
電性の対向電極と、電荷付与手段との間に、中間転写体
に電荷を付与するための電界を十分な強度で且つ中間転
写体の面方向に均一に形成するので、中間転写体の電気
抵抗ムラや環境変動等があっても、電荷付与手段と対向
電極との間に中間転写体への電荷付与のための電界を均
一に、且つ効率的に形成できるという効果がある。
【0084】また特に、請求項5の発明によれば、上記
対向電極を接地することにより、該の対向電極のゼロ電
位を基準にして上記中間転写体への電荷付与のための電
界を形成できるので、上記電荷付与手段による電荷付与
量を制御しやすくなるという効果がある。
【0085】また特に、請求項6の発明によれば、中間
転写体が1周する間に、電荷付与手段で付与した電荷量
が1/e以下に減衰しないので、中間転写体の無端移動
しているときにトナー像のトナーが非トナー転写部へ飛
翔することによる転写チリを安定して防止できるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラー複写装置の感
光体・中間転写ベルト回りの拡大図。
【図2】同カラー複写装置全体の概略構成図。
【図3】(a)〜(d)は、シミュレーションによっ
て、非トナー転写部に電荷が存在していない中間転写ベ
ルトが感光体から離間していくときのトナーの挙動を示
した説明図。
【図4】(a)〜(d)は、シミュレーションによっ
て、非トナー転写部にQsb=−100μC/m2の電
荷が存在する中間転写ベルトが感光体から離間していく
ときのトナーの挙動を示した説明図。
【図5】(a)〜(d)は、シミュレーションによっ
て、非トナー転写部にQsb=−200μC/m2の電
荷が存在する中間転写ベルトが感光体から離間していく
ときのトナーの挙動を示した説明図。
【図6】(a)〜(e)は、転写チリランクの各数値に
対応した評価基準画像の拡大図。
【符号の説明】
9 感光体 12 帯電器 14 Bk現像器 15 C現像器 16 M現像器 17 Y現像器 19 中間転写ベルト 20a 転写バイアスローラ 20b 入口ローラ(対向電極) 24 転写紙 40 転写バイアス電源 41 スコロトロン帯電器(電荷付与手段) 42 スコロトロン帯電器用の電源 50 シミュレーションにおける中間転写ベルト 51 シミュレーションにおけるトナー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像担持体上にトナー像を形成するトナー像
    形成手段と、該像担持体に接触対向する転写面が移動可
    能な中間転写体と、該中間転写体に該像担持体上のトナ
    ー像を順次重ね合わせて転写する中間転写手段と、該中
    間転写体上の重ねトナー像を転写材に転写する転写材転
    写手段とを備えた画像形成装置において、 該中間転写体と該像担持体との接触対向部よりも中間転
    写体表面移動方向の上流側に、該中間転写体の転写面に
    向けてトナーの帯電極性と同極性の電荷を付与する電荷
    付与手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】請求項1の画像形成装置において、 上記電荷付与手段による電荷付与量を、上記中間転写体
    の電荷が付与された部分の表面電位の絶対値が該中間転
    写体上のトナー像の表面電位の最大値の絶対値よりも小
    さくなるように設定したことを特徴とする画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1の画像形成装置において、 上記電荷付与手段を、上記中間転写体に対して非接触と
    なるように設けたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】請求項1の画像形成装置において、 上記中間転写体を挟んで上記電荷付与手段と対向する位
    置に、導電性の対向電極を設けたことを特徴とする画像
    形成装置。
  5. 【請求項5】請求項4の画像形成装置において、 上記対向電極を接地したことを特徴とする画像形成装
    置。
  6. 【請求項6】上記中間転写体として上記像担持体と接触
    対向する転写面が無端移動するものを用いた請求項1の
    画像形成装置において、 該中間転写体の無端移動周長、表面移動速度、体積抵抗
    率及び比誘電率をそれぞれL、V、ρv及びε'とし、
    真空の誘電率をε0としたとき、 L/V≦ρv・ε'・ε0 で表される条件を満たすことを特徴とする画像形成装
    置。
JP27881296A 1996-04-23 1996-09-30 画像形成装置 Expired - Fee Related JP3573439B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27881296A JP3573439B2 (ja) 1996-04-23 1996-09-30 画像形成装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-127722 1996-04-23
JP12772296 1996-04-23
JP27881296A JP3573439B2 (ja) 1996-04-23 1996-09-30 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1010886A true JPH1010886A (ja) 1998-01-16
JP3573439B2 JP3573439B2 (ja) 2004-10-06

Family

ID=26463610

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27881296A Expired - Fee Related JP3573439B2 (ja) 1996-04-23 1996-09-30 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3573439B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002174934A (ja) * 2000-09-26 2002-06-21 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、それに備える単色作像手段、およびそれに備えるトナーリサイクル装置
US9086658B2 (en) 2013-06-20 2015-07-21 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming apparatus

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002174934A (ja) * 2000-09-26 2002-06-21 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、それに備える単色作像手段、およびそれに備えるトナーリサイクル装置
US9086658B2 (en) 2013-06-20 2015-07-21 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP3573439B2 (ja) 2004-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6654574B2 (en) Method and apparatus for image forming performing improved cleaning and discharging operations on image forming associated members
JP3516551B2 (ja) 静電画像形成装置
JP3718045B2 (ja) 画像形成装置
JPH10274892A (ja) 画像形成装置
EP1262840A2 (en) Image forming apparatus including discharging device for preventing reattachment of residual toner to intermediate transfer element
US5303009A (en) Image forming apparatus with an improved discharger
JPH09204107A (ja) 画像形成装置
JP3573439B2 (ja) 画像形成装置
JPH1078689A (ja) 画像形成装置
JP3330743B2 (ja) 画像形成装置
JP3365154B2 (ja) 画像形成装置
JP3587955B2 (ja) 静電画像形成方法
JP2002214930A (ja) 画像形成装置
JP3666045B2 (ja) 画像形成装置
JPH1039654A (ja) 画像形成装置
JPH10274891A (ja) 画像形成装置
JP2914531B2 (ja) 多色画像形成装置
JPH10274889A (ja) 画像形成装置
JP3484260B2 (ja) 静電画像形成方法
JPH0675483A (ja) カラー画像形成装置
JP2002139926A (ja) 画像形成装置
JPH08160771A (ja) 画像形成装置
JPH08272222A (ja) 転写ベルト装置
JPH06186860A (ja) カラー画像形成装置
JPH0784470A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040625

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070709

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080709

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080709

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090709

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090709

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100709

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110709

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120709

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120709

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130709

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees