JPH1078689A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH1078689A
JPH1078689A JP8280201A JP28020196A JPH1078689A JP H1078689 A JPH1078689 A JP H1078689A JP 8280201 A JP8280201 A JP 8280201A JP 28020196 A JP28020196 A JP 28020196A JP H1078689 A JPH1078689 A JP H1078689A
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JP8280201A
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English (en)
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Masafumi Kadonaga
雅史 門永
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間転写体を用いた画像形成装置において、
なんら付加機構を設けることなしに、転写チリを良好に
防止する。 【解決手段】 中間転写ベルト19がアースローラ20
bを通過した後にベルト内部を電荷が移動してベルト上
面の電位が定常状態に達するまでの時間よりも、上記中
間転写ベルト19がアースローラ20bから上記転写ニ
ップ部に達する時間の方が短くなるように、上記中間転
写ベルトの体積抵抗率、比誘電率、ベルト移動速度、及
び、上記アースローラ20bから転写ニップ部までの距
離を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター、印刷機等の画像形成装置に係り、詳
しくは、像担持体上に形成したトナー像を中間転写体上
に重ね合わせて転写し、中間転写体上の重ねトナー像を
転写材上に転写する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、フルカラー画像の複写やプリント
が可能な電子写真方式の画像形成装置が実用化されてい
るが、この種の画像形成装置におけるフルカラー画像の
転写材への転写方式としては、 (a)転写ドラム方式:感光体等の像担持体上に色毎に
形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)、ブラック(BK)の各画像を、転写ドラム上に
固定された転写材に順次重ね合わせて転写する方式、 (b)中間転写体ダブル転写方式(単に、中間転写方式
ともいう):感光体等の像担持体上に色毎に形成される
Y、M、C、BKの各画像を、中間転写体上に順次重ね
合わせて転写し、この中間転写体上のフルカラーのトナ
ー像を一括転写して転写材に転写する方式、に大別でき
るが、厚紙等にも転写できるというペーパーフリー性を
有する点、及び転写ドラム方式のように先端のクランプ
・押さえ部に画像形成できないということがなく全面コ
ピーが可能な点で、上記(b)の中間転写方式が有利で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来から、上記中間転
写方式の画像形成装置において、像担持体から中間転写
体へのトナー像の転写の際にトナーチリという現象(以
下、「転写チリ」という)が発生する場合があることが
知られている。ここで、転写チリとは、像担持体から中
間転写体へのトナー像の転写(一次転写)の際に、像担
持体上に形成されたトナー像(可視像)が本来転写され
るべき位置に転写されず、その周辺に拡散して転写され
てしまい、結果として画像がぼけてしまう現象であり、
特に細線部分での画像のシャープさを損なわせるもので
ある。
【0004】上記転写チリを防止する技術としては、高
抵抗トナーを中間転写媒体に非静電的に転写後、記録シ
ートを介在させて加熱ローラにて押圧転写定着する技術
(例えば、特開昭63ー34570号公報参照)、導電
性トナーを中間転写媒体に非静電的に転写後、記録シー
トを介在させて加熱ローラにて押圧転写定着する技術
(特開昭63−34571号公報参照)、トナー像を中
間転写媒体に転写する毎に、用紙剥離チャージャーで転
写されたトナー像の除電を行う技術(特開平1−282
571号公報参照)、最終転写段階の転写電位を直前の
転写電位より大きくし、かつ、各転写段階へ移る間に中
間転写媒体に所定電圧を印加する技術(特開平2−18
3276号公報参照)、中間転写体から用紙に可視像を
転写する手段にいたる前の中間転写体上の電荷を除電す
る手段を設ける技術(特開平4−147170号公報参
照)などが挙げられる。ところが、これらの技術のう
ち、特開昭63ー34570号公報、特開昭63−34
571号公報の技術では、加熱ローラにより押圧転写定
着しうる記録シートが必要となり、上記(b)の中間転
写方式の利点であるペーパーフリー性を生かすことがで
きない。また、特開平1−282571号公報、特開平
2−183276号公報、特開平4−147170号公
報の技術では、除電や電圧印加の手段及びこれらの手段
を制御する制御手段を設ける必要が生じ、制御機構が煩
雑になると共に、装置の小型化の妨げともなるという問
題点があった。
【0005】そこで、本発明者らは、上記転写チリの発
生という問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、中間
転写体としての中間転写ベルトが像担持体としての感光
体との接触対向部に達する前のところ(以下、接触対向
部入り口部という)で、トナーが感光体から離れて中間
転写ベルト上へ移動してしまうことが上記転写チリの原
因の一つであることを見いだした。これは、ベルト上面
の電位が高いために、上記接触対向部入り口部において
トナーに強い電界が与えられてしまうことに起因する。
【0006】上記接触対向部入り口部でのトナーの移動
を防止するには、接触対向部入り口部におけるベルト上
面電位をトナーの転写が起こらない程度に低くする必要
がある。このように上記接触対向部入り口部におけるベ
ルト上面電位を低くするためには、上記中間転写ベルト
の上記接触対向部入り口部側と出口部側とに上記中間転
写ベルトにバイアスを印加する電圧印加手段としてのバ
イアスローラを設け、上記接触対向部入り口部側のバイ
アスローラを接地し、上記接触対向部出口部側のバイア
スローラに転写バイアスを印加するのが効果的である。
表1に、上記中間転写ベルトの上記接触対向部入り口部
側と出口部側とにバイアスローラを設け、各バイアスロ
ーラへ印加する電圧の組み合わせと各組み合わせを採用
したときの中間転写ベルト上での画像を観察した結果に
ついて示す。なお、この実験にはカーボン分散のフッ素
系樹脂で作製した体積抵抗率ρv=1×1011Ωcmで
ある中間転写ベルトを用いた。また、転写バイアスVp
は1600Vに設定し、マゼンタ一色の画像で観察を行
った。
【0007】
【表1】
【0008】表1の観察結果から、上記接触対向部入り
口部側のバイアスローラを接地し、上記接触対向部出口
部側のバイアスローラに転写バイアスを印加するように
した構成は転写チリを低減して良好に画像を転写するた
めに比較的適したバイアス条件を与えるものであるとい
えるが、それでもなお、チリを十分に防止するには至ら
ないことがわかる。これは、中間転写ベルトが中抵抗で
あることから中間転写ベルトの中を電荷が移動し、これ
によりベルト上面の電位が上昇してしまい、上記接触対
向部入り口部側で感光体と中間転写ベルトとの間に強い
電界が形成され、感光体上のトナーがベルト上に移動し
てしまうためであると考えられる。
【0009】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、なんら付加機構を設
けることなしに、良好に転写チリ防止が可能な画像形成
装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、像担持体上にトナー像を形成す
るトナー像形成手段と、該像担持体に接触対向する転写
面が移動可能な中間転写体と、該中間転写体に該像担持
体上のトナー像を順次重ね合わせて転写する中間転写手
段と、該中間転写体上の重ねトナー像を転写材に転写す
る転写材転写手段とを備えた画像形成装置において、該
中間転写体と該像担持体との接触対向部よりも中間転写
体表面移動方向の上流側で該中間転写体の少なくとも一
部に接して該一部に接地電位を印加する接地電極を設
け、上記接地電極と上記接触対向部との間の上記中間転
写体表面の移動距離をL1とし、上記中間転写体の表面
移動速度、体積抵抗率及び比誘電率をVL、ρv及びε3
とし、真空の誘電率をε0としたとき、L1/VL<ρv
ε3・ε0で表される条件を満たすことを特徴とするもの
である。
【0011】この画像形成装置においては、上記中間転
写体と上記像担持体との接触対向部よりも中間転写体表
面移動方向の上流側で該中間転写体の少なくとも一部に
接する接地電極により、該一部に接地電位を印加すると
共に、上記接地電極と上記接触対向部との間の上記中間
転写体表面の移動距離をL1とし、上記中間転写体の表
面移動速度、体積抵抗率及び比誘電率をVL、ρv及びε
3とし、真空の誘電率をε0としたときに、L1/VL<ρ
v・ε3・ε0で表される条件を満たす。これにより、上
記中間転写体が上記接地電極の位置から上記接触対向部
の位置に移動する間に上記中間転写体内部を電荷が移動
して該中間転写体の上記像担持体側の面の電位が上昇す
ることがない。
【0012】請求項2の発明は、像担持体上にトナー像
を形成するトナー像形成手段と、該像担持体に接触対向
する転写面が無端移動する中間転写体と、該中間転写体
に該像担持体上のトナー像を順次重ね合わせて転写する
中間転写手段と、該中間転写体上の重ねトナー像を転写
材に転写する転写材転写手段とを備えた画像形成装置に
おいて、該中間転写体から上記転写材へのトナー像転写
部と該中間転写体と上記像担持体との接触対向部との間
の上記中間転写体表面の移動距離をL2とし、上記中間
転写体の表面移動速度、体積抵抗率及び比誘電率を
L、ρv及びε3とし、真空の誘電率をε0としたとき、
2/VL>ρv・ε3・ε0で表される条件を満たすこと
を特徴とするものである。
【0013】この画像形成装置においては、該中間転写
体から上記転写材へのトナー像転写部と該中間転写体と
該像担持体との接触対向部との間の上記中間転写体表面
の移動距離をL2とし、上記中間転写体の表面移動速
度、体積抵抗率及び比誘電率をVL、ρv及びε3とし、
真空の誘電率をε0としたとき、L2/VL>ρv・ε3
ε0で表される条件を満たす。これにより、上記中間転
写体が上記トナー像転写部から上記接触対向部に移動す
る間に上記トナー像転写部において中間転写体表面に移
動した電荷が、1/eに減衰する。
【0014】請求項3の発明は、像担持体上にトナー像
を形成するトナー像形成手段と、該像担持体に接触対向
する転写面が無端移動する中間転写体と、該中間転写体
に該像担持体上のトナー像を順次重ね合わせて転写する
中間転写手段と、該中間転写体上の重ねトナー像を転写
材に転写する転写材転写手段と、上記中間転写体上をク
リーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装
置において、該中間転写体から上記転写材へのトナー像
転写部と該中間転写体と該像担持体との接触対向部との
間の上記中間転写体表面の移動距離と、該クリーニング
手段によるクリーニング部と該中間転写体と該像担持体
との接触対向部との間の上記中間転写体表面の移動距離
と、のうちの短い方の距離をL3とし、上記中間転写体
の表面移動速度、体積抵抗率及び比誘電率をVL、ρv
びε3とし、真空の誘電率をε0としたとき、L3/VL
ρv・ε3・ε0で表される条件を満たすことを特徴とす
るものである。
【0015】この画像形成装置においては、該中間転写
体から上記転写材へのトナー像転写部と該中間転写体と
該像担持体との接触対向部との間の上記中間転写体表面
の移動距離と、該クリーニング手段によるクリーニング
部と該中間転写体と該像担持体との接触対向部との間の
上記中間転写体表面の移動距離と、のうちの短い方の距
離をL3とし、上記中間転写体の表面移動速度、体積抵
抗率及び比誘電率をVL、ρv及びε3とし、真空の誘電
率をε0としたとき、L3/VL>ρv・ε3・ε0で表され
る条件を満たす。これにより、上記中間転写体が上記ト
ナー像転写部または上記クリーニング部のうちの上記接
触対向部に近い方から上記接触対向部に移動する間に上
記クリーニング部あるいは上記クリーニング部において
中間転写体表面に発生した電荷が1/eに減衰する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を画像形成装置であ
るフルカラー複写装置(以下、「カラー複写装置」とい
う。)に適用した実施形態について説明する。中間転写
体は、中間転写ベルトの他に中間転写ドラムとして構成
することも考えられるが、以下の説明では中間転写ベル
トとして構成した例で説明する。
【0017】図1は本実施形態に係るカラー複写装置の
感光体・中間転写ベルト回りの拡大図、図2は同カラー
複写装置全体の概略構成図である。カラー画像読み取り
装置(以下、「カラースキャナ」という。)1は、原稿
3の画像を照明ランプ4で照射し、その反射光をミラー
5a,5b,5c等のミラー群及びレンズ6を介してカ
ラーセンサ7に結像する。カラーセンサ7に結像した原
稿3のカラー画像情報は、例えばブルー(Blue、以下
「B」という。)、グリーン(Green、以下「G」とい
う。)、レッド(Red、以下「R」という。)の色分解
光毎に読み取られ、電気的な画像信号に変換される。本
実施形態では、カラーセンサ7はB,G,Rの色分解手
段とCCDのような光電変換素子で構成されており、3
色同時読み取りを行っている。
【0018】このようにしてカラースキャナー1で得ら
れたB、G、Rの色分解画像信号の強度レベルを基にし
て、画像処理部(図示なし)で色変換処理を行ない、ブ
ラック(Black、以下「Bk」という。)、シアン(C
yan、以下「C」という。)、マゼンタ(Magenta、以
下「M」という。)、イエロー(Yellow、以下「Y」
という。)のカラー画像データを得る。
【0019】これらのカラー画像データを、カラー画像
記録装置(以下、「カラープリンター」という。)2に
おいて、Bk、C、M、Yの各色にて顕像化を行ない、
これらの顕像化されたトナー像を重ね合わせて4色フル
カラー画像を得る。
【0020】カラープリンター2の書き込み光学ユニッ
ト8は、カラースキャナー1からのカラー画像データを
光信号に変換して、原稿画像に対応した光書き込みを行
ない、像担持体としてのドラム状の感光体9に静電潜像
を形成する。
【0021】上記書き込み光学ユニット8は、レーザ光
源8aと、その発光駆動装置(図示なし)、ポリゴンミ
ラー8b及びその回転駆動用モータ8c、f-θレンズ
8d、反射ミラー8e等で構成されている。
【0022】感光体9は、矢印の如く反時計方向に回転
し、その回りには、感光体クリーニングユニット(クリ
ーニング前除電器を含む)10、除電ランプ11、帯電
器12、電位センサ13、Bk現像器14、C現像器1
5、M現像器16、Y現像器17、現像濃度パターン検
出用の光学センサ18、中間転写体としての中間転写ベ
ルト19などが配置されている。感光体9にトナー像を
形成するトナー像形成手段は、上記光学ユニット8、帯
電記12、各現像器14〜17などにより構成されてい
る。
【0023】各現像器は、静電潜像を現像するために所
定極性に帯電されるトナーとキャリアとを含む現像剤の
穂を感光体9の表面に接触させて回転する現像スリーブ
14a、15a、16a、17aと、現像剤を汲み上げ
・撹拌するために回転する現像パドル14b、15b、
16b、17b、及び現像剤のトナー濃度センサー14
c、15c、16c、17cなどで構成されている。な
お、本実施形態では負極性に帯電されるトナーを用いて
いる。
【0024】カラー複写装置の待機状態では、上記4個
の現像器の全てについて、現像スリーブ14a〜17a
上の現像剤が穂切り(現像不作動)状態になっている。
【0025】以下、現像動作の順序(カラー画像形成順
序)が、Bk、C、M、Yの例でコピー動作の概略を説
明する。ただし、画像形成順序はこれに限定されるもの
ではない。コピー動作が開始されると、カラースキャナ
1で所定のタイミングからBk画像データの読み取りが
開始される。同時に、図示しない感光体の駆動機構によ
り、感光体9は反時計回りの向きに回転駆動されるとと
もに、感光体9は帯電器12により負極性に一様帯電さ
れる。
【0026】そして、カラースキャナ1で読み取られた
Bk画像データに基づき、光学ユニット8からのレーザ
光による光書き込みが行われ、一様帯電された感光体9
の表面電位を上記Bk画像データに応じて部分的に低下
させ、これにより、感光体9上に静電潜像が形成され
る。以下、Bk画像データによる静電潜像を「Bk潜
像」という。また、C、M、Yの各画像データに基づい
て形成された各静電潜像もこれに準じて、それぞれ「C
潜像」、「M潜像」、「Y潜像」ということにする。 (以下、余白)
【0027】上記Bk潜像の先端部から現像可能とすべ
くBk現像器14の現像位置に潜像先端部が到達する前
に、現像スリーブ14aを回転開始して現像剤の穂立て
を行い、Bk潜像を負極性に帯電されたBkトナーで現
像する。以後、Bk潜像領域の現像動作を続けるが、潜
像後端部がBk現像位置を通過した時点で、速やかにB
k現像スリーブ14a上の現像剤の穂切りを行い、現像
不作動状態にする。これは、少なくとも、次のC画像デ
ータによるC潜像先端部が到達する前に完了させる。な
お、穂切りは現像スリーブ14aの回転方向を現像動作
中とは逆方向に切り換えることで行う。
【0028】感光体9に形成したBkトナー像は、感光
体と等速駆動されている中間転写ベルト19の表面に転
写する(以下、感光体から中間転写ベルトへのトナー像
転写を「ベルト転写」という)。このベルト転写は、感
光体9と中間転写ベルト19の接触状態において後述の
転写バイアスローラ20aに所定のバイアス電圧を印加
することで行う。
【0029】感光体9には、順次、Bk,C,M,Yの
トナー像が形成され、形成された順に中間転写ベルト1
9の同一の転写面に順次位置合わせして4色重ねのベル
ト転写画像形成される。こうして、フルカラーのトナー
画像が形成された後、該フルカラーのトナー画像は転写
材としての転写紙24に一括転写される。この中間転写
ベルト19から転写紙24への転写を「紙転写」とい
う。
【0030】ところで、感光体9では、Bk工程の次に
C工程に進むが、所定のタイミングからカラースキャナ
1によるC画像データ読み取りが始まり、その画像デー
タによるレーザー光書き込みで、C潜像形成を行う。
【0031】C現像器15はその現像位置に対して、先
のBk潜像後端部が通過した後で、かつC潜像の先端が
到達する前に現像スリーブ15aを回転開始して、C潜
像をCトナーで現像する。
【0032】以後、C潜像領域の現像を続けるが、潜像
後端部が通過した時点で、先のBk現像器の場合と同様
にC現像スリーブ15a上の現像剤の穂切りを行い、現
像不作動状態にする。これもやはり次のM潜像先端部が
到達する前に完了させる。なお、M及びYの各工程につ
いても、それぞれの画像データ読み取り、潜像形成及び
現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので、
説明を省略する。
【0033】図1において、中間転写ベルト19は、駆
動ローラ21、転写バイアスローラ20a、アースロー
ラ20b、及び従動ローラ群に掛け回されている。ま
た、中間転写ベルト19は、転写バイアスローラ20a
とアースローラ20bとの間で感光体9に圧接されてお
り、この圧接部において適度のニップ圧力が加えられる
ように両ローラ20a,20bを配置している。駆動ロ
ーラ21には、図示していない駆動モータが連結されて
おり、この駆動モータを介して中間転写ベルト19が回
転駆動制御される。
【0034】また、上記転写バイアスローラ20a、接
地されてゼロ電位となっているアースローラ20b、上
記転写バイアスローラ20aに所定の転写バイアス電圧
(本実施形態では正極性の電圧)を印加するための転写
バイアス電源40などにより、中間転写ベルト19に感
光体9上のトナー像を順次重ね合わせて転写するための
中間転写手段手段が構成されている。
【0035】ベルトクリーニングユニット22は、ブラ
シローラ22a、ゴムブレード22b、及びベルトから
の接離機構22cなどで構成されており、1色目のBk
画像をベルト転写した後の、2、3、4色目をベルト転
写している間は、接離機構22cによってベルト面から
離間させておく。
【0036】中間転写ベルト19上の重ねトナー像を転
写紙24に転写する転写材転写手段としての紙転写ユニ
ット23は、紙転写バイアスローラ23a、ローラクリ
ーニングブレード23b、及びベルトからの接離機構2
3cなどで構成されている。紙転写バイアスローラ23
aは、通常は中間転写ベルト19の転写面から離間して
いるが、該転写面に形成された4色の重ね画像を転写紙
24に一括転写するときに、タイミングを取って接離機
構23cで押圧され、該ローラー23aに所定のバイア
ス電圧を印加して転写紙24への転写を行う。
【0037】図2に示すように、転写紙24は、給紙ロ
ーラ25、レジストローラ26によって、中間転写ベル
ト19面の4色重ね画像の先端部が紙転写位置に到達す
るタイミングに合わせて、駆動ローラ21と紙転写バイ
アスローラ23aとの間に給紙され、紙転写される。転
写後の転写紙24は、搬送ベルト27によって搬送され
て定着器28に送られ、トナー画像が定着された後、ト
レイ29上に排出される。
【0038】ここで、中間転写ベルト19の駆動制御に
ついて説明する。中間転写ベルト19の駆動の仕方とし
ては、1色目のBkトナー像のベルト転写が端部まで終
了した後の動作方式として次の3方式が考えられ、この
なかの1方式で、又はコピー速度の面からコピーサイズ
に応じてこのなかの複数の方式を効率的に組み合わせ
て、中間転写ベルト19を駆動する。
【0039】(1) 一定速往動方式 Bkトナー像のベルト転写後も、そのまま一定速度
で往動を続ける。 そして、中間転写ベルト19面上のBk画像先端位
置が、再び感光体9との接触部のベルト転写位置に到達
したとき、感光体9側は次のCトナー像の先端部が丁度
その位置にくるように、タイミングを取って画像形成さ
れている。その結果、C画像はBk画像に正確に位置合
わせして中間転写ベルト19上に重ねてベルト転写され
る。 その後も同様の動作によってM,Y画像工程に進
み、4色重ねのベルト転写画像を得る。 4色目のYトナー像のベルト転写工程に引き続き、
そのまま往動しながら中間転写ベルト19面上の4色重
ねトナー像を、上記のように転写紙24に一括転写す
る。
【0040】(2) スキップ往動方式 Bkトナー像のベルト転写が終了したら、感光体9
面から中間転写ベルト19を離間させ、そのままの往動
方向に高速スキップさせて所定量を移動したら当初の往
動速度に戻す。また、その後再び感光体9に中間転写ベ
ルト19を接触させる。 そして、中間転写ベルト19面上のBk画像先端位
置が再びベルト転写位置に到達したとき、感光体9側は
次のCトナー像の先端部が丁度その位置にくるようにタ
イミングを取って画像形成されている。その結果、C画
像はBk画像に正確に位置合わせして重ねてベルト転写
される。 その後も同様の動作によってM,Y画像工程に進
み、4色重ねのベルト転写画像を得る。 4色目のYトナー像ベルト転写工程に引き続き、そ
のままの往動速度で、中間転写ベルト19面上の4色重
ねトナー像を転写紙24に一括転写する。
【0041】(3) 往復動(クイックリターン)方式 Bkトナー像のベルト転写が終了したら、感光体9
面から中間転写ベルト19を離間させ、そして、往動を
停止させると同時に逆方向に高速リターンさせる。この
リターン動作により、中間転写ベルト19面上のBk画
像先端位置がベルト転写相当位置を逆方向に通過し、更
に予め設定された距離分を移動した後に停止させて待機
状態にする。 次に、感光体9側のCトナー像の先端部がベルト転
写位置より手前の所定位置に到達した時点に、中間転写
ベルト19を再び往動方向にスタートさせる。また、中
間転写ベルト19を感光体9面に再び接触させる。この
場合も、C画像が中間転写ベルト19面上でBk画像に
正確に重なるような条件に制御されてベルト転写され
る。 その後も同様の動作によってY,M画像工程に進
み、4色重ねのベルト転写画像を得る。 4色目のYトナー像のベルト転写工程に引き続き、
リターンせずにそのままの速度で往動して、中間転写ベ
ルト19面上の4色重ねトナー像を転写紙24に一括転
写する。
【0042】以上のいずれかの方式により、中間転写ベ
ルト19面から4色重ねトナー像が一括転写された転写
紙24は、紙搬送ユニットの搬送ベルト27で定着器2
8に搬送され、所定温度にコントロールされた定着ロー
ラ28aと加圧ローラ28bでトナー像を溶融定着して
コピートレイ29に搬出され、フルカラーコピーを得
る。
【0043】一方、ベルト転写後の感光体9は、クリー
ニング前除電器10a、ブラシローラ10b、ゴムブレ
ード10cなどからなる感光体クリーニングユニット1
0で表面をクリーニングされ、除電ランプ11で均一に
除電される。
【0044】また、転写紙24にトナー像を転写した後
の中間転写ベルト19の表面はクリーニングされる。こ
のクリーニングは、クリーニングユニット22を再び接
離機構22cで押圧することにより行われる。
【0045】リピートコピーの場合は、カラースキャナ
1の動作及び感光体9への画像形成は、1枚目のY(4
色目)画像工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目
のBk(1色目)画像工程に進む。
【0046】また、中間転写ベルト19の方は、1枚目
の4色重ね画像の転写紙24への一括転写工程に引き続
き、表面をクリーニングユニット22でクリーニングさ
れた領域に、2枚目のBkトナー像がベルト転写される
ようにする。その後は、1枚目と同様の動作になる。
【0047】図2において、転写紙カセット30、3
1、32、33は、各種サイズの転写紙が収納されてお
り、操作パネル(図示なし)で指定されたサイズ紙の収
納カセットから、タイミングを取ってレジストローラ2
6方向に給紙、搬送される。符号34は、オーバーヘッ
ドプロジェクタ用のOHP用紙や、厚紙などの転写紙を
手差しするための給紙トレイを示す。
【0048】以上は、4色フルカラーを得るコピーモー
ドの説明であったが、3色コピーモード、2色コピーモ
ードの場合は、指定された色と回数の分について、上記
と同様の動作を行うことになる。
【0049】また、単色コピーモードの場合は、所定枚
数が終了するまでの間、その色の現像ユニットのみを現
像作動(剤穂立て)状態にして、中間転写ベルト19
は、感光体9面に接触したまま往動方向にー定速駆動
し、さらに、ベルトクリーナー22もベルト19に接触
したままの状態で、コピー動作を行う。
【0050】本実施形態においては、上記感光体9から
中間転写ベルト19上にトナー像を転写する際に、感光
体9と中間転写ベルト19とが接触対向する接触対向部
(以下、転写ニップ部という)に達する前の転写ニップ
部入り口部においてベルト上面の電位が上昇して感光体
9上のトナーが中間転写ベルト上に移動する(以下、プ
レ転写という)ことのないような構成を採用している。
ここで、プレ転写が起きない条件について説明する。上
記ベルト上面の電位が上昇するのは、ベルト内部を電荷
が移動することによる。ここで、上記電荷の移動により
ベルト上面の電位が定常状態に達するまでの時間(以
下、時定数という)よりも、上記中間転写ベルト19が
アースローラ20bから上記転写ニップ部に達する時間
の方が短ければ、上記ベルト上面の電位は上昇せず、プ
レ転写が起こることはない。通常、抵抗体における時定
数τは、τ=(抵抗体の誘電率)×(抵抗体の体積抵抗
率)で表されることが知られている。これは単純に抵抗
体の抵抗成分と容量成分とが並列に接続された回路の場
合の時定数であり、中間転写ベルト19の周方向の時定
数には当てはまる。しかし、該ベルトの厚さ方向では中
間転写ベルト19の抵抗成分と容量成分に感光体9の容
量、該感光体9と中間転写ベルト19との空隙の容量が
直列接続された回路となる。よって、ベルト厚さ方向の
時定数は上記容量の影響で上記式に当てはまらない恐れ
がある。そこで、中間転写ベルト19の厚さ方向の時定
数を図3に示すモデルを用いて求める。
【0051】図3のモデルは、感光体9、中間転写ベル
ト19、及び感光体9と中間転写ベルト19間の空隙を
それぞれコンデンサと抵抗で近似をしたものである。す
なわち、感光体9をコンデンサC1で、感光体9と中間
転写ベルト19の間の空隙をコンデンサC2で、ベルト
をコンデンサC3と抵抗R3との並列素子で近似する。こ
こで、ベルト下面に与える電位V0は、アースローラ2
0bから上記転写ニップ部に中間転写ベルト19が移動
する際のベルト下面の電位に相当するので、時間による
電位の変化を考慮するべきである。しかしながら、該電
位を一定としたときの時定数は、上記時間による電位の
変化を考慮したときの時定数よりも短いと考えられる。
よって、上記電位を一定としたときの時定数よりも上記
中間転写ベルト19がアースローラ20bから上記転写
ニップ部に達する時間が短くなるように構成すれば、上
記転写ニップ部入り口部において上記ベルト上面の電位
が上昇することはない。そこで、ここでは上記V0を一
定とした場合の時定数を求める。
【0052】図3のモデルにおいて、感光体にかかる電
圧をV1、空隙にかかる電圧をV2、中間転写ベルトにか
かる電圧をV3とし、C1,C2,C3の各コンデンサに蓄
えられる電荷をそれぞれq1,q2,q3とし、抵抗R3
流れる変位電流をI3とすると、
【数1】q1=C11
【数2】q2=C22
【数3】q3=C33
【数4】I3=V3/R3
【数5】V1+V2+V3=V0
【数6】q1=q2 となる。上記R3に電流が流れることによるV3の変化を
上記数1〜数6を解いて求めると、
【数7】 ここで、上記aは
【数8】 となる。上記数7及び数8より、V3が1/eに減衰す
るまでの時間、すなわち、ベルト上面電位が上昇して下
面電位との電位差が初期状態の該電位差の1/eになる
までの時間がベルトの時定数τに相当し、τ=1/aと
なる。ここで、ベルトと感光体がまだ接触していない転
写ニップ部入り口側においては、感光体9と中間転写ベ
ルト19との空隙は十分大きいと考えられるので、C2
≒0とみなすことができる。よって、ベルトの時定数τ
は、
【数9】τ≒C33 と近似することができる。単位面積当たりのC3及びR3
は、中間転写ベルトの厚さをd3、体積抵抗率をρv
比誘電率をε3、真空の誘電率をε0としたとき、
【数10】C3=ε3ε0/d3
【数11】R3=ρvd3 となることから、時定数τは、
【数12】τ=ε3ε0ρv となる。したがって、感光体と中間転写ベルトとの空隙
が十分大きい転写ニップ部入り口側においては、ベルト
厚み方向の時定数もベルト周方向の時定数と同様にτ=
(中間転写ベルトの誘電率)×(中間転写ベルトの体積
抵抗率)で表されることがわかる。
【0053】ここで、中間転写ベルト19がアースロー
ラ20bから転写ニップ部までを通過する時間をT1
すると、T1<τであればベルト上面電位が上昇しにく
く、プレ転写が起きにくくなる。上記T1はアースロー
ラ20bから転写ニップ部までの距離をL1、中間転写
ベルト19の移動速度をVLとすると、T1=L1/VL
表されるので、プレ転写が発生しない条件は
【数13】L1/VL<ε0ε3ρv となる。よって、数13を満たすように上記中間転写ベ
ルトの体積抵抗率、比誘電率、ベルト移動速度、及び、
上記アースローラ20bから転写ニップ部までの距離を
設定すれば、プレ転写を防止して転写チリを低減するこ
とができる。
【0054】ここで、中間転写ベルト19上面の電位分
布をシミュレーションにより求めた結果を図4及び図5
に示す。図4は、ベルトの体積抵抗率ρv=1×1011
Ωcmの場合、図5はベルトの体積抵抗率ρv=1×10
10Ωcmの場合の結果である。ここで、感光体潜像電位は
−600V、転写バイアスVp=1600V、ベルト線
速VL=200mm/s、感光体と中間転写ベルトとの転写
ニップ部の幅を10mm、アースローラ20bから上記転
写ニップ部の入り口側端(以下、転写ニップ部左端とい
う)までの距離L1=10mm、上記転写ニップ部の出口
側端(以下、転写ニップ部右端という)から転写バイア
スローラ20aまでの距離を10mm、感光体9半径は6
0mmで計算した。また、ベルトの比誘電率ε3=8とし
た。
【0055】数13によると、ρv>L1/(VLε
0ε3)=10mm/(200mm・8.85×10-12
8)≒7×1010Ωcmとなり、体積抵抗率ρvが7×1
10Ωcmよりも大きいベルトであれば、転写ニップ部入
り口側で中間転写ベルト上面の電位の上昇が起きにく
く、プレ転写が発生しないこととなる。図4の結果から
わかるようにベルト抵抗が高い場合には、転写ニップ部
左端でのベルト上面電位は低く、上記転写ニップ部の中
程から上昇する。一方、図5の結果から分かるようにベ
ルト抵抗が低い場合には、アースローラ20bと転写バ
イアスローラ20aとの間のベルト上面電位は直線的で
あり、転写ニップ部左端でもベルト上面は500V近く
の電位を持っている。このため、ベルト抵抗が上記7×
1010Ωcmよりも小さい場合には、転写ニップ部の入り
口側で感光体上のトナーに強い電界が与えられ、該トナ
ーが中間転写ベルト上に移動してプレ転写が発生するこ
とが予想される。
【0056】以上の議論により、中間転写ベルトの抵抗
は大きいほどプレ転写が起きにくく好適であることが理
解される。しかしながら、ベルト抵抗が高くなると、中
間転写ベルト上のトナー像の転写紙への転写(以下、2
次転写という)時に中間転写ベルト19上に移動した電
荷や、該中間転写ベルトのクリーニングユニット22に
よるクリーニング時に上記中間転写ベルト19上に発生
した摩擦帯電電荷などが中間転写ベルト上からベルト内
を移動してアースに抜け、中間転写ベルト上の表面電荷
が十分に減衰する前に、再び感光体上のトナーを中間転
写ベルト上に転写(以下、1次転写という)することに
なり、上記中間転写ベルト上に残留した残留電荷の影響
で画像の乱れが生じる恐れがある。よって、中間転写ベ
ルトの体積抵抗率が高すぎても良好な画像が得られない
こととなる。
【0057】ここで、上記残留電荷による画像の乱れを
防止するためには、中間転写ベルト上に上記2次転写あ
るいはクリーニング時に中間転写ベルト上に付与された
電荷が1次転写を行うまでの時間内に上記中間転写ベル
ト上に付与された電荷が減衰するように上記中間転写ベ
ルトを構成すればよい。上記2次転写あるいはクリーニ
ングにより中間転写ベルト上に付与された電荷がベルト
内を移動して1次転写までに1/eに減衰し、定常状態
になるまでの時間は、中間転写ベルトの時定数に相当す
る。上述のように、中間転写ベルトの周方向及び厚さ方
向の時定数はいずれも(中間転写ベルトの誘電率)×
(中間転写ベルトの体積抵抗率)で表される。上記2次
転写部又はクリーニングユニット22によるクリーニン
グ部から1次転写を行う上記転写ニップ部までの距離の
うち、短い方、例えば図1の例ではクリーニングユニッ
トから転写ニップ部までの距離をL3とし、ベルトの移
動速度をVLとすると、T3=L3/VLの時間内でベルト
上の電荷が減衰すればよいので、
【数14】L3/VL>ε0ε3ρv という条件が導出される。よって、数14を満たすよう
に上記中間転写ベルトの体積抵抗率、比誘電率、ベルト
移動速度、及び、上記アースローラ20bから転写ニッ
プ部までの距離を設定すれば、2次転写時あるいはクリ
ーニング時に中間転写ベルト上に発生した電荷が1次転
写時までに1/eに減衰するので、残留電荷による転写
不良や転写ムラ、転写チリなどを防止することができ
る。 (以下、余白)
【0058】図6に、中間転写ベルト表面に200μC
/m2の表面電荷をおいたときに、該電荷が時間と共にベ
ルト内部を移動して表面電荷が減衰していく様子をシミ
ュレーションで計算した結果を示す。図6において、特
性線a1は体積抵抗率が5×1012Ωcmであるベルト
(以下、ベルト1という)を用いた場合、特性線a2は
体積抵抗率が1×1011Ωcmであるベルト(以下、ベル
ト2という)を用いた場合の結果である。ここで、クリ
ーニングユニットから転写部までの距離L3を200m
m、ベルト移動速度をVL=200mm/sとすると、中間転
写ベルトがクリーニング部から1次転写部まで達するの
に要する時間はL3/VL=200/200=1secであ
る。図6において、クリーニング部を通過して1sec経
過後の表面電荷をベルト1とベルト2とで比較すると、
ベルト1では半分近くの電荷がベルト表面に残留してい
るのに対し、ベルト2ではほとんど全ての電荷が消滅し
ていることがわかる。従って、ベルト2の場合には、残
留電荷による転写不良や転写ムラ、転写チリなどが発生
せず、良好に画像形成が行われることが予想される。
【0059】以上述べた実施形態においては、転写ニッ
プ部の入り口部でアースローラ20bにより接地電位を
中間転写ベルトに印加する場合についてのみ述べたが、
接地電位を中間転写ベルトに印加する接地電極はローラ
形状である必要はなく、例えば、導電性ブラシや、金属
平板をベルトに密着させた形態でも良い。
【0060】上記数13を満たすためには、比誘電率が
例えば3より大きな中間転写ベルトを用いることによ
り、1次転写の際の転写バイアスが比較的小さくてす
み、低圧の電源を用いることができるので、コストの低
減が可能である。しかしながら、比誘電率が例えば20
より大きな中間転写ベルトを用いると、数14を満たす
ために低抵抗のベルトを用いる必要があり、ベルトに流
れる電流が増大し、消費電力が増加してコストの上昇を
招くこととなる。従って、中間転写ベルトの比誘電率ε
3は3<ε3<20の範囲であることが好ましく、特に、
5<ε3<15の範囲であることが望ましい。
【0061】
【実施例】次に、本実施形態のより具体的な実施例につ
いて説明する。上記感光体9としては、半径60mmの
有機感光体を用いた。中間転写ベルト19としては、比
誘電率ε=8、厚さ=150μm、周長=540mmの
フッ素系樹脂シートからなるベルト抵抗が互いに異なる
2種類のシームレスベルトを用いた。
【0062】上記2種類の中間転写ベルト19の体積抵
抗率ρv及び表面抵抗率ρsを三菱油化製の測定器(商
品名:ハイレスタ、プローブ:HRS)で測定したとこ
ろ、一方のベルト(以下、ベルトAという)は体積抵抗
率ρv=1×1011〜5×1011Ωcm、及び表面抵抗率
ρs=1×109〜1×1010Ω/□(印加電圧:50
0V、タイマー:10秒)であった。また、他方のベル
ト(以下、ベルトBという)は体積抵抗率ρv=5×1
10〜1×1011Ωcm、及び表面抵抗率ρs=5×10
8〜1×109Ω/□(印加電圧:500V、タイマー:
10秒)であった。これら抵抗率測定値の幅は、測定箇
所による測定値ばらつきに対応するものである。
【0063】また、上記アースローラ20b並びに転写
バイアスローラ20aとしてはφ20mmの金属ローラを
用い、両ローラを転写ニップ部の中心から等距離(15
mm)離して配置した。転写ニップ部のニップ幅は10mm
であった。よって、上記アースローラ20bから転写ニ
ップ部入り口端部までの距離L1は10mmである。ま
た、ベルトクリーニングには、カウンターブレード方式
を採用し、ニップ部中心からベルト移動方向上流側に1
00mmの位置にブレードを配置した。これにより、1次
転写の前に自動的にベルトをクリーニングする。
【0064】以上のように構成したカラー複写機におい
て、転写バイアスローラ20aに印加する転写バイアス
電圧は+1600Vとし、上記2種類の中間ベルトのそ
れぞれについて、中間転写ベルト19のベルト移動速度
を50mm/s〜300mm/sまで変えて、中間転写ベルト1
9上にMの1色トナー像(ライン幅100μm,ライン
間隔100μmの副走査方向のライン画像)を形成した
直後に、装置を強制的に停止させ、中間転写ベルト19
上のトナー画像を500μm×500μmの観察面積で
観察した。
【0065】表2は、上記ベルトAを用いたときの転写
チリの評価結果を示し、表3は、上記ベルトBを用いた
ときの転写チリの評価結果を示したものである。この表
2から、ベルトAを用いた場合にはベルト移動速度を2
00mm/s前後に、表3から、ベルトBを用いた場合には
ベルト移動速度を300mm/s前後に設定したときに、転
写チリランクが4以上と転写チリも少なく、且つ転写不
良が発生することもなく良好に転写が行われることがわ
かる。上記速度はそれぞれ上記数13及び上記数14の
条件を満たすものである。そして、上記速度よりも線速
が遅くて数13の条件を満たさない場合には、プレ転写
が発生し、転写チリが増加する。一方、上記速度よりも
線速が速くて数14の条件を満たさない場合には、クリ
ーニング時に中間転写ベルト19表面に発生した電荷が
1次転写を行うまでに十分に減衰しないので、転写不良
が起きる。
【0066】なお、表2のベルト移動速度100mm/sで
ベルトの場所によってチリが発生するのはベルト抵抗値
のばらつきによるものであり、同表中ベルト移動速度1
50mm/s、250mm/s、表3中250mm/sの場合につい
ても同様である。
【0067】また、上記表2及び表3中の転写チリラン
クの数値は、所定の観察面積(500μm×500μ
m)当たりのチリトナーの個数と転写チリランクとの関
係を示す対応表(表4)から求めた。図7(a)〜
(e)は、転写チリランクの各数値に対する評価基準画
像(ライン幅100μm,ライン間隔100μmの副走
査方向のライン画像)の拡大図を示している。この各転
写チリランクの評価基準画像について所定の観察面積
(500μm×500μm)当たりのチリトナーの個数
をカウントし、連続する転写チリランク(例えばランク
1とランク2)に対するカウント値の平均値をそれら転
写チリランク間の境界値として、上記表3の対応表の各
転写チリランクにおけるチリトナーの個数の範囲を設定
した。ここで、転写チリランクが4以上の画像(図7
(a)及び(b))が、肉眼での観察の結果、転写チリ
の少ない良好な画像であった。また、図7(a)〜
(e)中の白い部分がトナー粒子であり、転写チリラン
ク5に対応した図7(a)の画像のライン幅及びライン
間隔の寸法が100μmである。
【0068】
【表2】 (以下、余白)
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】以上、本実施形態によれば、数13を満た
すように上記中間転写ベルトの体積抵抗率、比誘電率、
ベルト移動速度、及び、上記アースローラ20bから転
写ニップ部までの距離を設定することにより、転写ニッ
プ部入り口側の中間転写ベルト19表面電位が上昇する
前に該中間転写ベルト19を上記転写ニップ部に移動さ
せることができ、上記転写ニップ部入り口側で感光体9
上のトナーに強い電界が与えられることがない。これに
より、感光体9と中間転写ベルト19とが接触する前に
トナーが感光体上から中間転写ベルト上に移動すること
を防止し、高品位な画像を得ることが可能となる。
【0072】また、本実施形態によれば、2次転写時お
よびベルトクリーニング時に発生した中間転写ベルト表
面の電荷を、特別な除電手段を付加することなく、1次
転写部に至るまでの時間で1/e未満にまで減衰させる
ことにより、安定した画像形成が可能となる。
【0073】なお、上記実施形態では、感光体9を負極
性に一様帯電し、感光体9上に形成した静電潜像を負極
性に帯電したトナーを用いて現像するN/P現像方式の
場合について説明したが、本発明はこれら帯電極性や現
像方式に限定されることなく適用できるものであり、例
えば、感光体9を正極性に一様帯電し且つ正極性に帯電
したトナーを用いた場合や、P/P現像方式を採用した
場合にも適用でき、同様な効果が得られるものである。
【0074】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、上記中間転写
体が上記接地電極の位置から上記接触対向部の位置に移
動する間に該中間転写体内部を電荷が移動して該中間転
写体の上記像担持体側の面の電位が上昇することがない
ので、上記接触対向部に至る前に上記像担持体上のトナ
ーに強い電界が与えられることがない。これにより、な
んら付加機構を設けることなしに、上記像担持体と上記
中間転写体とが接触対向する前に上記像担持体上のトナ
ーが中間転写体上に移動することによる転写チリの発生
を良好に防止し、高品位な画像を得ることができるとい
う優れた効果がある。
【0075】請求項2の発明によれば、上記中間転写体
が上記トナー像転写部から上記接触対向部に移動する間
に上記トナー像転写部において中間転写体表面に移動し
た電荷が、1/eに減衰するので、中間転写体表面の残
留電荷による転写不良を良好に防止することができ、安
定した画像形成が可能となるという優れた効果がある。
【0076】請求項3の発明によれば、上記中間転写体
が上記クリーニング部から上記接触対向部に移動する間
に上記クリーニング部において中間転写体表面に発生し
た電荷が1/eに減衰するので、中間転写体表面の残留
電荷による転写不良を良好に防止することができ、安定
した画像形成が可能となるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラー複写装置の感
光体・中間転写ベルト回りの拡大図。
【図2】同カラー複写装置全体の概略構成図。
【図3】同装置の感光体、中間転写ベルト、及び両者間
の空隙をモデル化した説明図。
【図4】中間転写ベルト上面の電位分布をシミュレーシ
ョンにより求めた結果を示す説明図。
【図5】中間転写ベルト上面の電位分布をシミュレーシ
ョンにより求めた結果を示す説明図。
【図6】中間転写ベルト表面に電荷を付与したときの該
電荷が減衰する様子をシミュレーションにより求めた結
果を示す説明図。
【図7】(a)〜(e)は、転写チリランクの各数値に
対応した評価基準画像の拡大図。
【符号の説明】
9 感光体 12 帯電器 14 Bk現像器 15 C現像器 16 M現像器 17 Y現像器 19 中間転写ベルト 20a 転写バイアスローラ 20b 入口ローラ(対向電極) 24 転写紙 40 転写バイアス電源

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像担持体上にトナー像を形成するトナー像
    形成手段と、該像担持体に接触対向する転写面が移動可
    能な中間転写体と、該中間転写体に該像担持体上のトナ
    ー像を順次重ね合わせて転写する中間転写手段と、該中
    間転写体上の重ねトナー像を転写材に転写する転写材転
    写手段とを備えた画像形成装置において、 該中間転写体と該像担持体との接触対向部よりも中間転
    写体表面移動方向の上流側で該中間転写体の少なくとも
    一部に接して該一部に接地電位を印加する接地電極を設
    け、上記接地電極と上記接触対向部との間の上記中間転
    写体表面の移動距離をL1とし、上記中間転写体の表面
    移動速度、体積抵抗率及び比誘電率をVL、ρv及びε3
    とし、真空の誘電率をε0としたとき、 L1/VL<ρv・ε3・ε0 で表される条件を満たすことを特徴とする画像形成装
    置。
  2. 【請求項2】像担持体上にトナー像を形成するトナー像
    形成手段と、該像担持体に接触対向する転写面が無端移
    動する中間転写体と、該中間転写体に該像担持体上のト
    ナー像を順次重ね合わせて転写する中間転写手段と、該
    中間転写体上の重ねトナー像を転写材に転写する転写材
    転写手段とを備えた画像形成装置において、 該中間転写体から上記転写材へのトナー像転写部と該中
    間転写体と上記像担持体との接触対向部との間の上記中
    間転写体表面の移動距離をL2とし、上記中間転写体の
    表面移動速度、体積抵抗率及び比誘電率をVL、ρv及び
    ε3とし、真空の誘電率をε0としたとき、 L2/VL>ρv・ε3・ε0 で表される条件を満たすことを特徴とする画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】像担持体上にトナー像を形成するトナー像
    形成手段と、該像担持体に接触対向する転写面が無端移
    動する中間転写体と、該中間転写体に該像担持体上のト
    ナー像を順次重ね合わせて転写する中間転写手段と、該
    中間転写体上の重ねトナー像を転写材に転写する転写材
    転写手段と、上記中間転写体上をクリーニングするクリ
    ーニング手段とを備えた画像形成装置において、 該中間転写体から上記転写材へのトナー像転写部と該中
    間転写体と該像担持体との接触対向部との間の上記中間
    転写体表面の移動距離と、該クリーニング手段によるク
    リーニング部と該中間転写体と該像担持体との接触対向
    部との間の上記中間転写体表面の移動距離と、のうちの
    短い方の距離をL3とし、上記中間転写体の表面移動速
    度、体積抵抗率及び比誘電率をVL、ρv及びε3とし、
    真空の誘電率をε0としたとき、 L3/VL>ρv・ε3・ε0 で表される条件を満たすことを特徴とする画像形成装
    置。
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