JP3573439B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター、印刷機等の画像形成装置に係り、詳しくは、像担持体上に形成したトナー像を中間転写体上に重ね合わせて転写し、中間転写体上の重ねトナー像を転写材上に転写する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、フルカラー画像の複写やプリントが可能な電子写真方式の画像形成装置が実用化されているが、この種の画像形成装置におけるフルカラー画像の転写材への転写方式としては、
(a)転写ドラム方式:感光体等の像担持体上に色毎に形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各画像を、転写ドラム上に固定された転写材に順次重ね合わせて転写する方式、
(b)中間転写体ダブル転写方式(単に、中間転写方式ともいう):感光体等の像担持体上に色毎に形成されるY、M、C、BKの各画像を、中間転写体上に順次重ね合わせて転写し、この中間転写体上のフルカラーのトナー像を一括転写して転写材に転写する方式、
に大別できるが、厚紙等にも転写できるというペーパーフリー性を有する点、及び転写ドラム方式のように先端のクランプ・押さえ部に画像形成できないということがなく全面コピーが可能な点で、上記(b)の中間転写方式が有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来から、上記中間転写方式の画像形成装置において、像担持体から中間転写体へのトナー像の転写の際にトナーチリという現象(以下、「転写チリ」という)が発生する場合があることが知られている。ここで、転写チリとは、像担持体から中間転写体へのトナー像の転写(一次転写)の際に、像担持体上に形成されたトナー像(可視像)が本来転写されるべき位置に転写されず、その周辺に拡散して転写されてしまい、結果として画像がぼけてしまう現象であり、特に細線部分での画像のシャープさを損なわせるものである。
【0004】
そこで、本発明者らは、上記転写チリの発生という問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、中間転写体が像担持体との接触対向部を通過して像担持体表面から若干離間したところで、トナー同士の静電的な反発力によって中間転写体上のトナーが本来転写されるべき転写トナー像の周辺に飛翔することが、上記転写チリの主な原因であることを見いだした。この転写チリをもたらすトナー飛翔は、中間転写体上のトナーの付着量が多いほど、トナーの帯電量が多いほど、またトナー間の付着力が小さいほど激しく起こり、画像劣化もひどくなることがわかっている。特に、フルカラー画像形成装置においては、中間転写体上にマゼンタやシアン、イエロー等のトナーを重ねてフルカラー画像を形成するため、中間転写体上のトナー付着量が多くなり、上記トナー飛翔が発生しやすい。
【0005】
上記トナー飛翔を防止する方法としては、例えばトナーの帯電量を少なくすることによってトナー同士の静電的な反発力を小さくする方法が考えられる。しかしながら、この方法は、トナーの帯電量を少なくすると現像プロセスに影響を与えるため、好ましくない。更に、トナーの静電的な吸着力が弱くなるため、トナー飛散などの不具合が発生するおそれがある。また、現像後にコロナ放電などで像担持体上のトナーの帯電量を低下させる方法も考えられるが、トナーの帯電量を低下させない場合に比して、トナーを中間転写体側に転写させるために必要な転写電界の強度を大きくする必要がある。それに応じて、トナー像の転写に用いる転写バイアス電圧を大きくする必要があり、放電による異常画像、転写不良などの不具合が発生するおそれがある。
【0006】
また、上記トナー飛翔を防止する方法として、中間転写体上のトナー付着量を少なくする方法も有効であると考えられるが、階調表現が困難となる等の不具合を有する。またこの方法では、中間転写体上にトナーを重ねていくため、付着量を十分に少なくすることは到底困難である。
【0007】
また、トナー間の付着力を大きくする方法も上記トナー飛翔の防止に有効であると考えられるが、「虫食い」と呼ばれる転写中抜けが発生しやすくなるという不具合があった。
【0008】
本発明は以上の背景のもとでなされたものであり、その目的は、転写不良等による異常画像の発生を伴うことなく、像担持体上のトナー像を中間転写体上に転写する際の転写チリの発生を防止することができる画像形成装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該像担持体に接触対向する転写面が移動可能な中間転写体と、該中間転写体に該像担持体上のトナー像を順次重ね合わせて転写する中間転写手段と、該中間転写体上の重ねトナー像を転写材に転写する転写材転写手段とを備えた画像形成装置において、該中間転写体の体積抵抗率ρv及び表面抵抗率ρsがそれぞれρv=5×10 12 〜1×10 13 Ωcm及びρs=1×10 10 〜1×10 11 Ω/□であり、該中間転写体と該像担持体との接触対向部よりも中間転写体表面移動方向の上流側に、該中間転写体の転写面に向けてトナーの帯電極性と同極性の電荷を付与する電荷付与手段を設け、該電荷付与手段による電荷付与量を、該中間転写体の電荷が付与された非トナー転写部の表面電位の絶対値が該中間転写体上のトナー像の表面電位の絶対値以下且つ該トナー像の表面電位の絶対値の1/2以上になるように設定したことを特徴とするものである。
【0011】
請求項の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記電荷付与手段を、上記中間転写体に対して非接触となるように設けたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記中間転写体を挟んで上記電荷付与手段と対向する位置に、導電性の対向電極を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項の発明は、請求項の画像形成装置において、上記対向電極を接地したことを特徴とするものである。
【0014】
請求項の発明は、上記中間転写体として上記像担持体と接触対向する転写面が無端移動するものを用いた請求項1の画像形成装置において、該中間転写体の無端移動周長、表面移動速度、体積抵抗率及び比誘電率をそれぞれL、V、ρv及びε'とし、真空の誘電率をε0としたとき、L/V≦ρv・ε'・ε0 で表される条件を満たすことを特徴とするものである。
【0015】
請求項1乃至の発明では、中間転写体と像担持体との接触対向部よりも中間転写体表面移動方向の上流側に設けた電荷付与手段で、該中間転写体の転写面に向けてトナーの帯電極性と同極性の電荷を付与することにより、該中間転写体の転写面上の非トナー転写部をトナーの帯電極性と同極性に帯電させ、該中間転写体の転写面上の非トナー転写部とトナー像との間に静電的な反発力を発生させる。
【0016】
また、上記電荷付与手段による電荷付与量を、上記中間転写体の非トナー転写部の表面電位の絶対値がトナー像の表面電位の最大値の絶対値以下且つ該トナー像の表面電位の絶対値の1/2以上になるように設定することにより、該トナー像が転写されている中間転写体上に次のトナー像を像担持体から転写する際に、該中間転写体上の既に転写されているトナー像及び非トナー転写部と該次のトナー像が形成されている像担持体との間に所定強度の転写電界が形成されるようにする。
【0017】
に、請求項の発明では、請求項1の画像形成装置において、上記電荷付与手段を、上記中間転写体に対して非接触となるように設けることにより、中間転写体上に既に転写されているトナー像を該電荷付与手段で乱さないようにする。
【0018】
また特に、請求項の発明では、請求項1の画像形成装置において、上記中間転写体を挟んで上記電荷付与手段と対向する位置に導電性の対向電極を設けることにより、該対向電極と電荷付与手段との間に、該中間転写体に電荷を付与するための電界を十分な強度で且つ該中間転写体の面方向に均一に形成できるようにする。
【0019】
また特に、請求項の発明では、請求項の画像形成装置において、上記対向電極を接地することにより、該の対向電極のゼロ電位を基準にして上記中間転写体への電荷付与のための電界を形成できるようにする。
【0020】
また特に、請求項の発明では、上記中間転写体として上記像担持体と接触対向する転写面が無端移動するものを用いた請求項1の画像形成装置において、該中間転写体の無端移動周長、表面移動速度、体積抵抗率及び比誘電率をそれぞれL、V、ρv及びε'とし、真空の誘電率をε0としたとき、L/V≦ρv・ε'・ε0で表される条件を満たすことにより、該中間転写体が1周する間に、上記電荷付与手段で付与した電荷量が1/e以下に減衰しないようにする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を画像形成装置であるフルカラー複写装置(以下、「カラー複写装置」という。)に適用した実施形態について説明する。中間転写体は、中間転写ベルトの他に中間転写ドラムとして構成することも考えられるが、以下の説明では中間転写ベルトとして構成した例で説明する。
【0022】
図1は本実施形態に係るカラー複写装置の感光体・中間転写ベルト回りの拡大図、図2は同カラー複写装置全体の概略構成図である。
カラー画像読み取り装置(以下、「カラースキャナ」という。)1は、原稿3の画像を照明ランプ4で照射し、その反射光をミラー5a,5b,5c等のミラー群及びレンズ6を介してカラーセンサ7に結像する。カラーセンサ7に結像した原稿3のカラー画像情報は、例えばブルー(Blue、以下「B」という。)、グリーン(Green、以下「G」という。)、レッド(Red、以下「R」という。)の色分解光毎に読み取られ、電気的な画像信号に変換される。本実施形態では、カラーセンサ7はB,G,Rの色分解手段とCCDのような光電変換素子で構成されており、3色同時読み取りを行っている。
【0023】
このようにしてカラースキャナー1で得られたB、G、Rの色分解画像信号の強度レベルを基にして、画像処理部(図示なし)で色変換処理を行ない、ブラック(Black、以下「Bk」という。)、シアン(Cyan、以下「C」という。)、マゼンタ(Magenta、以下「M」という。)、イエロー(Yellow、以下「Y」という。)のカラー画像データを得る。
【0024】
これらのカラー画像データを、カラー画像記録装置(以下、「カラープリンター」という。)2において、Bk、C、M、Yの各色にて顕像化を行ない、これらの顕像化されたトナー像を重ね合わせて4色フルカラー画像を得る。
【0025】
カラープリンター2の書き込み光学ユニット8は、カラースキャナー1からのカラー画像データを光信号に変換して、原稿画像に対応した光書き込みを行ない、像担持体としてのドラム状の感光体9に静電潜像を形成する。
【0026】
上記書き込み光学ユニット8は、レーザ光源8aと、その発光駆動装置(図示なし)、ポリゴンミラー8b及びその回転駆動用モータ8c、f−θレンズ8d、反射ミラー8e等で構成されている。
【0027】
感光体9は、矢印の如く反時計方向に回転し、その回りには、感光体クリーニングユニット(クリーニング前除電器を含む)10、除電ランプ11、帯電器12、電位センサ13、Bk現像器14、C現像器15、M現像器16、Y現像器17、現像濃度パターン検出用の光学センサ18、中間転写体としての中間転写ベルト19などが配置されている。感光体9にトナー像を形成するトナー像形成手段は、上記光学ユニット8、帯電記12、各現像器14〜17などにより構成されている。
【0028】
各現像器は、静電潜像を現像するために所定極性に帯電されるトナーとキャリアとを含む現像剤の穂を感光体9の表面に接触させて回転する現像スリーブ14a、15a、16a、17aと、現像剤を汲み上げ・撹拌するために回転する現像パドル14b、15b、16b、17b、及び現像剤のトナー濃度センサー14c、15c、16c、17cなどで構成されている。なお、本実施形態では負極性に帯電されるトナーを用いている。
【0029】
カラー複写装置の待機状態では、上記4個の現像器の全てについて、現像スリーブ14a〜17a上の現像剤が穂切り(現像不作動)状態になっている。
【0030】
以下、現像動作の順序(カラー画像形成順序)が、Bk、C、M、Yの例でコピー動作の概略を説明する。ただし、画像形成順序はこれに限定されるものではない。
コピー動作が開始されると、カラースキャナ1で所定のタイミングからBk画像データの読み取りが開始される。同時に、図示しない感光体の駆動機構により、感光体9は反時計回りの向きに回転駆動されるとともに、感光体9は帯電器12により負極性に一様帯電される。
【0031】
そして、カラースキャナ1で読み取られたBk画像データに基づき、光学ユニット8からのレーザ光による光書き込みが行われ、一様帯電された感光体9の表面電位を上記Bk画像データに応じて部分的に低下させ、これにより、感光体9上に静電潜像が形成される。以下、Bk画像データによる静電潜像を「Bk潜像」という。また、C、M、Yの各画像データに基づいて形成された各静電潜像もこれに準じて、それぞれ「C潜像」、「M潜像」、「Y潜像」ということにする。
【0032】
上記Bk潜像の先端部から現像可能とすべくBk現像器14の現像位置に潜像先端部が到達する前に、現像スリーブ14aを回転開始して現像剤の穂立てを行い、Bk潜像を負極性に帯電されたBkトナーで現像する。以後、Bk潜像領域の現像動作を続けるが、潜像後端部がBk現像位置を通過した時点で、速やかにBk現像スリーブ14a上の現像剤の穂切りを行い、現像不作動状態にする。これは、少なくとも、次のC画像データによるC潜像先端部が到達する前に完了させる。なお、穂切りは現像スリーブ14aの回転方向を現像動作中とは逆方向に切り換えることで行う。
【0033】
感光体9に形成したBkトナー像は、感光体と等速駆動されている中間転写ベルト19の表面に転写する(以下、感光体から中間転写ベルトへのトナー像転写を「ベルト転写」という)。このベルト転写は、感光体9と中間転写ベルト19の接触状態において後述の転写バイアスローラ20aに所定のバイアス電圧を印加することで行う。
【0034】
感光体9には、順次、Bk,C,M,Yのトナー像が形成され、形成された順に中間転写ベルト19の同一の転写面に順次位置合わせして4色重ねのベルト転写画像形成される。こうして、フルカラーのトナー画像が形成された後、該フルカラーのトナー画像は転写材としての転写紙24に一括転写される。この中間転写ベルト19から転写紙24への転写を「紙転写」という。
【0035】
ところで、感光体9では、Bk工程の次にC工程に進むが、所定のタイミングからカラースキャナ1によるC画像データ読み取りが始まり、その画像データによるレーザー光書き込みで、C潜像形成を行う。
【0036】
C現像器15はその現像位置に対して、先のBk潜像後端部が通過した後で、かつC潜像の先端が到達する前に現像スリーブ15aを回転開始して、C潜像をCトナーで現像する。
【0037】
以後、C潜像領域の現像を続けるが、潜像後端部が通過した時点で、先のBk現像器の場合と同様にC現像スリーブ15a上の現像剤の穂切りを行い、現像不作動状態にする。これもやはり次のM潜像先端部が到達する前に完了させる。なお、M及びYの各工程についても、それぞれの画像データ読み取り、潜像形成及び現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので、説明を省略する。
【0038】
図1において、中間転写ベルト19は、駆動ローラ21、転写バイアスローラ20a、入口ローラ20b、及び従動ローラ群に掛け回されている。また、中間転写ベルト19は、転写バイアスローラ20aと入口ローラ20bとの間で感光体9に圧接されており、この圧接部において適度のニップ圧力が加えられるように両ローラ20a,20bを配置している。駆動ローラ21には、図示していない駆動モータが連結されており、この駆動モータを介して中間転写ベルト19が回転駆動制御される。
【0039】
また、上記転写バイアスローラ20a、入口ローラ20b、転写バイアスローラ20aに所定の転写バイアス電圧(本実施形態では正極性の電圧)を印加するための転写バイアス電源40などにより、中間転写ベルト19に感光体9上のトナー像を順次重ね合わせて転写するための中間転写手段手段が構成されている。
【0040】
また、中間転写ベルト19を挟んで入口ローラ20bに対向する位置には、中間転写ベルト19の転写面に向けてトナーの帯電極性(本実施形態では負極性)と同極性の電荷を付与する電荷付与手段としてのスコロトロン帯電器41を設けている。このスコロトロン帯電器41の放電ワイヤ及びグリッド電極にはそれぞれ、電源42から所定の電圧(本実施形態では負極性の直流電圧)が印加される。このスコロトロン帯電器41による電荷付与で帯電した中間転写ベルト19の転写面の電位は、スコロトロン帯電器41のグリッド電極の電位とほぼ同じになる。
【0041】
ここで、上記スコロトロン帯電器41に中間転写ベルト19を挟んで対向する位置に、対向電極としての入口ローラ20bがあるので、中間転写ベルト19に電荷を十分に且つ比較的均一に付与できる。かかる対向電極を設けない場合は、わずかに電荷を付与しただけで電荷の付与が終わってしまい、十分な量の電荷を中間転写ベルト19に付与できない。また、かかる対向電極を設けないと、中間転写ベルト19に抵抗ムラがあった場合に、その抵抗ムラによって電荷分布が大きく異なってしまい、その電荷分布ムラに対応してトナーの移動が発生してしまうおそれがある。
【0042】
また、上記対向電極としての入口ローラ20bは接地されてゼロ電位となっているので、スコロトロン帯電器41による電荷付与量を制御しやすくなっている。
【0043】
なお、上記電荷付与手段としては、スコロトロン帯電器のほか、コロトロン帯電器、針電極を多数並べて放電させる装置等を用いることもできる。また、本実施例では、対向電極として入口ローラ20bを用いているが、他の導電性樹脂、導電性ゴム、又は金属で構成された部材を別に設けても良い。この導電性の部材も接地するのが好ましい
【0044】
ベルトクリーニングユニット22は、ブラシローラ22a、ゴムブレード22b、及びベルトからの接離機構22cなどで構成されており、1色目のBk画像をベルト転写した後の、2、3、4色目をベルト転写している間は、接離機構22cによってベルト面から離間させておく。
【0045】
中間転写ベルト19上の重ねトナー像を転写紙24に転写する転写材転写手段としての紙転写ユニット23は、紙転写バイアスローラ23a、ローラクリーニングブレード23b、及びベルトからの接離機構23cなどで構成されている。紙転写バイアスローラ23aは、通常は中間転写ベルト19の転写面から離間しているが、該転写面に形成された4色の重ね画像を転写紙24に一括転写するときに、タイミングを取って接離機構23cで押圧され、該ローラー23aに所定のバイアス電圧を印加して転写紙24への転写を行う。
【0046】
図2に示すように、転写紙24は、給紙ローラ25、レジストローラ26によって、中間転写ベルト19面の4色重ね画像の先端部が紙転写位置に到達するタイミングに合わせて、駆動ローラ21と紙転写バイアスローラ23aとの間に給紙され、紙転写される。転写後の転写紙24は、搬送ベルト27によって搬送されて定着器28に送られ、トナー画像が定着された後、トレイ29上に排出される。
【0047】
ここで、中間転写ベルト19の駆動制御について説明する。
中間転写ベルト19の駆動の仕方としては、1色目のBkトナー像のベルト転写が端部まで終了した後の動作方式として次の3方式が考えられ、このなかの1方式で、又はコピー速度の面からコピーサイズに応じてこのなかの複数の方式を効率的に組み合わせて、中間転写ベルト19を駆動する。
【0048】
(1) 一定速往動方式
▲1▼ Bkトナー像のベルト転写後も、そのまま一定速度で往動を続ける。
▲2▼ そして、中間転写ベルト19面上のBk画像先端位置が、再び感光体9との接触部のベルト転写位置に到達したとき、感光体9側は次のCトナー像の先端部が丁度その位置にくるように、タイミングを取って画像形成されている。その結果、C画像はBk画像に正確に位置合わせして中間転写ベルト19上に重ねてベルト転写される。
▲3▼ その後も同様の動作によってM,Y画像工程に進み、4色重ねのベルト転写画像を得る。
▲4▼ 4色目のYトナー像のベルト転写工程に引き続き、そのまま往動しながら中間転写ベルト19面上の4色重ねトナー像を、上記のように転写紙24に一括転写する。
【0049】
(2) スキップ往動方式
▲1▼ Bkトナー像のベルト転写が終了したら、感光体9面から中間転写ベルト19を離間させ、そのままの往動方向に高速スキップさせて所定量を移動したら当初の往動速度に戻す。また、その後再び感光体9に中間転写ベルト19を接触させる。
▲2▼ そして、中間転写ベルト19面上のBk画像先端位置が再びベルト転写位置に到達したとき、感光体9側は次のCトナー像の先端部が丁度その位置にくるようにタイミングを取って画像形成されている。その結果、C画像はBk画像に正確に位置合わせして重ねてベルト転写される。
▲3▼ その後も同様の動作によってM,Y画像工程に進み、4色重ねのベルト転写画像を得る。
▲4▼ 4色目のYトナー像ベルト転写工程に引き続き、そのままの往動速度で、中間転写ベルト19面上の4色重ねトナー像を転写紙24に一括転写する。
【0050】
(3) 往復動(クイックリターン)方式
▲1▼ Bkトナー像のベルト転写が終了したら、感光体9面から中間転写ベルト19を離間させ、そして、往動を停止させると同時に逆方向に高速リターンさせる。このリターン動作により、中間転写ベルト19面上のBk画像先端位置がベルト転写相当位置を逆方向に通過し、更に予め設定された距離分を移動した後に停止させて待機状態にする。
▲2▼ 次に、感光体9側のCトナー像の先端部がベルト転写位置より手前の所定位置に到達した時点に、中間転写ベルト19を再び往動方向にスタートさせる。また、中間転写ベルト19を感光体9面に再び接触させる。この場合も、C画像が中間転写ベルト19面上でBk画像に正確に重なるような条件に制御されてベルト転写される。
▲3▼ その後も同様の動作によってY,M画像工程に進み、4色重ねのベルト転写画像を得る。
▲4▼ 4色目のYトナー像のベルト転写工程に引き続き、リターンせずにそのままの速度で往動して、中間転写ベルト19面上の4色重ねトナー像を転写紙24に一括転写する。
【0051】
以上のいずれかの方式により、中間転写ベルト19面から4色重ねトナー像が一括転写された転写紙24は、紙搬送ユニットの搬送ベルト27で定着器28に搬送され、所定温度にコントロールされた定着ローラ28aと加圧ローラ28bでトナー像を溶融定着してコピートレイ29に搬出され、フルカラーコピーを得る。
【0052】
一方、ベルト転写後の感光体9は、クリーニング前除電器10a、ブラシローラ10b、ゴムブレード10cなどからなる感光体クリーニングユニット10で表面をクリーニングされ、除電ランプ11で均一に除電される。
【0053】
また、転写紙24にトナー像を転写した後の中間転写ベルト19の表面はクリーニングされる。このクリーニングは、クリーニングユニット22を再び接離機構22cで押圧することにより行われる。
【0054】
リピートコピーの場合は、カラースキャナ1の動作及び感光体9への画像形成は、1枚目のY(4色目)画像工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目のBk(1色目)画像工程に進む。
【0055】
また、中間転写ベルト19の方は、1枚目の4色重ね画像の転写紙24への一括転写工程に引き続き、表面をクリーニングユニット22でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像がベルト転写されるようにする。その後は、1枚目と同様の動作になる。
【0056】
図2において、転写紙カセット30、31、32、33は、各種サイズの転写紙が収納されており、操作パネル(図示なし)で指定されたサイズ紙の収納カセットから、タイミングを取ってレジストローラ26方向に給紙、搬送される。符号34は、オーバーヘッドプロジェクタ用のOHP用紙や、厚紙などの転写紙を手差しするための給紙トレイを示す。
【0057】
以上は、4色フルカラーを得るコピーモードの説明であったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記と同様の動作を行うことになる。
【0058】
また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、その色の現像ユニットのみを現像作動(剤穂立て)状態にして、中間転写ベルト19は、感光体9面に接触したまま往動方向にー定速駆動し、さらに、ベルトクリーナー22もベルト19に接触したままの状態で、コピー動作を行う。
【0059】
次に、本発明の特徴部である電荷付与手段について詳しく説明する。
本実施形態では、前述のように、中間転写ベルト19と感光体9との接触対向部(以下、「転写ニップ部」という)に対して中間転写ベルト表面移動方向の上流側から近接する位置に、すなわち中間転写ベルト19を挟んで入口ローラ20bに対向する位置に、電荷付与手段としてのスコロトロン帯電器41を設けている。この帯電器41により中間転写ベルト19の転写面に向けてトナーの帯電極性と同極性の電荷を付与し、この電荷付与により、該転写面上のトナーが付着していない非トナー転写部を主にトナーの帯電極性と同極性(本実施形態では負極性)に帯電し、該転写面上の非トナー転写部とトナー像との間に静電的な反発力を発生させ、転写ニップ部を通過した中間転写ベルト19上でトナー像のトナーがその周辺の非トナー転写部に飛翔しくくなるようにしている。
【0060】
ここで、上記電荷付与の効果をシミュレーションによって考察した結果を示す。このシミュレーションは、トナー像が転写されている中間転写ベルトを空隙を介して感光体に対向させた2次元モデルに差分法を適用し、中間転写ベルトと感光体との間に形成される電界分布によって中間転写ベルト上のトナーに作用する力の分布を求め、この力の分布と運動方程式とに基づいて、上記空隙幅を時間とともに大きくしていったときのトナーの分布を求めた。
【0061】
図3〜図5はそれぞれ、上記シミュレーションによって求めた中間転写ベルト50上のトナー51の挙動を示している。図3、図4及び図5はそれぞれ、中間転写体ベルト50の非トナー転写部50aに電荷が存在しない場合、該非トナー転写部50aにQsb=−100μC/mの電荷が存在する場合、及び該非トナー転写部50aにQsb=−200μC/mの電荷が存在する場合のトナー51の挙動を示している。また、各図において分図(a)〜(d)はそれぞれ、中間転写ベルト50と感光体との間の空隙幅gが1.94mm、1.97mm、2.00mm及び2.03mmの場合のトナー51の挙動を示している。この図3〜図5のシミュレーションでは、感光体の非画像部及びトナーが付着していた画像部の表面電位をそれぞれ−500V及び−150Vに設定し、中間転写ベルト50の厚さ、体積抵抗率ρv及び比誘電率ε’をそれぞれ150μm、1×1013Ωcm及び8に設定し、トナー51の直径及び単位質量当たりの帯電量q/mをそれぞれ7μm及び−20μC/gに設定した。
【0062】
図3(a)〜(d)は中間転写ベルト50の非トナー転写部に電荷が存在しない場合の結果である。このシミュレーション結果により、感光体と中間転写ベルト50との間の空隙幅が大きくなってくると、トナー51間の静電的な反発力(クーロン反発力)によって、トナー51が動き出し、非トナー転写部側に飛翔して転写チリが発生し、画像劣化となることがわかる。
【0063】
図4(a)〜(d)は中間転写体ベルト50の非トナー転写部50aにQsb=−100μC/mの電荷が存在する場合の結果である。このシミュレーション結果により、図3の結果に比べて、トナー51の動き(飛翔)が少なく、画像劣化の程度が小さくなっていることがわかる。
【0064】
図5(a)〜(d)は中間転写体ベルト50の非トナー転写部50aにQsb=−200μC/mの電荷が存在する場合の結果である。このシミュレーション結果により、トナー51の動き(飛翔)が起こらず、異常画像(転写チリ)が発生しないことがわかる。
【0065】
以上の一連のシミュレーション結果は、中間転写ベルト上にトナーと同極性の電荷をあらかじめ付与することによって、中間転写ベルト上のトナー間のクーロン反発力による飛翔を防止することが可能であることを示している。このシミュレーションによると、トナーが飛翔し始める感光体と中間転写ベルト50との間の空隙幅は2mm程度であり、転写ニップ部の出口から該空隙幅がトナーが飛翔し始める幅になるまでの間に、中間転写ベルトの転写面に電荷を付与することは困難であると考えられる。そこで、本実施形態では、前述のように転写ニップ部の入口よりもベルト移動方向上流側にある入口ローラ20bに対向するように、電荷付与手段としてのスコロトロン帯電器41を設けている。
【0066】
次に、本実施形態のより具体的な実施例について説明する。
上記感光体9としては、半径60mmの有機感光体を用いた。中間転写ベルト19としては、比誘電率ε=8±3、厚さ=150μm、周長=540mmのフッ素系樹脂シートからなるシームレスベルトを用いた。感光体9及び中間転写ベルト19の線速はともに200mm/secに設定した。
【0067】
上記中間転写ベルト19の体積抵抗率ρv及び表面抵抗率ρsを三菱油化製の測定器(商品名:ハイレスタ、プローブ:HRS)で測定したところ、体積抵抗率ρv=5×1012〜1×1013Ωcm、及び表面抵抗率ρs=1×1010〜1×1011Ω/□(印加電圧:500V、タイマー:10秒)であった。これら抵抗率測定値の幅は、測定箇所による測定値ばらつきに対応するものである。
【0068】
また、上記入口ローラ20b(接地)並びに転写バイアスローラ20aとしてはφ20mmの金属ローラを用い、両ローラを転写ニップ部の中心から等距離(15mm)離して配置した。転写ニップ部のニップ幅は10mmであった。また、転写バイアスローラ20aに印加する転写バイアス電圧は、+1600Vから色重ねごとに200Vずつステップアップさせた。
【0069】
以上のように構成したカラー複写機において、電荷付与手段としてのスコロトロン帯電器41のグリッド電極に印加するグリッドバイアス電圧Vgを変えることで、中間転写ベルト19の転写面に付与する電荷量を変化させ、その電荷付与による出力画像(ライン幅100μm,ライン間隔100μmの副走査方向のライン画像)の画質への影響を観察した。一連の画像形成における中間転写ベルト19に電荷を付与する動作は、上記グリッドバイアス電圧Vgを固定して各色トナー像のベルト転写ごとに行い、毎回同じ量の電荷を付与した。そして、中間転写ベルト19上にY及びMの2色重ねトナー像を形成した直後に、装置を強制的に停止させ、中間転写ベルト19上のY及びMが重なったライン画像を観察した。一般的にYトナーの上に重なっているMトナーが飛翔しているので、下側のYトナーのラインから大きくはずれた位置に付着しているMトナーの個数を500μm×500μmの観察面積でカウントすることにより、転写チリを評価した。
【0070】
表1は、上記実施例における転写チリの評価の結果を示している。この表1から、グリッドバイアス電圧Vgが−300V〜−400Vのあたりが、転写チリランクが4以上と転写チリも少なく、且つ転写不良もない好適範囲であることがわかる。
【0071】
なお、表1中の転写チリランクの数値は、所定の観察面積(500μm×500μm)当たりのチリトナーの個数と転写チリランクとの関係を示す対応表(表2)から求めた。図6(a)〜(e)は、転写チリランクの各数値に対する評価基準画像(ライン幅100μm,ライン間隔100μmの副走査方向のライン画像)の拡大図を示している。この各転写チリランクの評価基準画像について所定の観察面積(500μm×500μm)当たりのチリトナーの個数をカウントし、連続する転写チリランク(例えばランク1とランク2)に対するカウント値の平均値をそれら転写チリランク間の境界値として、表2の対応表の各転写チリランクにおけるチリトナーの個数の範囲を設定した。ここで、転写チリランクが4以上の画像(図6(a)及び(b))が、肉眼での観察の結果、転写チリの少ない良好な画像であった。また、図6(a)〜(e)中の白い部分がトナー粒子であり、転写チリランク5に対応した図6(a)の画像のライン幅及びライン間隔の寸法が100μmである。
【0072】
【表1】
Figure 0003573439
【0073】
【表2】
Figure 0003573439
【0074】
また、中間転写ベルト19上に付着したトナー像の表面電位を表面電位計(TREK社製、MODEL344)で測定したところ、−420Vであった。一方、中間転写ベルト19上のトナー像のない非トナー転写部の電位は、各電荷付与直後に測定したところ、上記スコロトロン帯電器41のグリッドバイアス電圧Vgとほぼ等しい値であった。このトナー像及び電荷付与後の非トナー転写部の表面電位の測定結果、並びに上記表1の結果から、中間転写ベルト19上の電荷が付与された非トナー転写部の表面電位Vsbの絶対値をトナー像の表面電位Vstの絶対値以下にすること、すなわち|Vsb|≦|Vst|を満足するように中間転写ベルト19に電荷を付与することが、転写不良を防止する上で望ましいことがわかる。上記非トナー転写部の表面電位Vsbの絶対値がトナー像の表面電位Vstの絶対値よりも大きくするとトナー像の表面電位VstもVsbと同程度まで上昇し、中間転写ベルト19の転写面の表面電位が次の色のトナーが転写されにくい方向に変化する。従って、転写バイアス電圧をプラス側に大きく変化させない限り、該非トナー転写部及びトナー像に対して次の色のトナーが転写されにくくなり、表1の結果が示すように転写不良が発生しやすくなる。
【0075】
また、表1の結果から、上記非トナー転写部の表面電位Vsbの絶対値が小さすぎると、上記トナーの飛翔を抑えて転写チリを防止する効果がほとんどないことがわかる。この非トナー転写部の表面電位Vsbの絶対値がトナー像の表面電位Vstの絶対値の1/2以上なるように電荷を付与することが、転写チリを確実に防止するという点で望ましい。
【0076】
なお、比較例として、上記実施例と同様な実験を電気抵抗が低い中間転写ベルトを用いて行った。本比較例で用いた中間転写ベルトの体積抵抗率ρv及び表面抵抗率ρsを上記実施例と同じ方法で測定したところ、体積抵抗率ρv=5×10〜1×1010Ωcm、及び表面抵抗率ρs=1×10〜1×10Ω/□(印加電圧:500V、タイマー:10秒)であった。これら抵抗率測定値の幅は、測定箇所による測定値ばらつきに対応するものである。この中間転写ベルトを用い、スコロトロン帯電器41のグリッド電極に印加するグリッドバイアス電圧Vgを−100Vから−600Vまで変化させて、上記実施例と同様にYM2色の色重ねライン画像を観察したところ、全てのグリッドバイアス電圧Vgでひどい転写チリが見られ、グリッドバイアス電圧Vgによる差はなかった。これは、中間転写ベルトの電気抵抗が低く、スコロトロン帯電器41で付与した電荷が上記非トナー転写部から他の部分に速やかに移動してしまい、中間転写ベルト上のトナーと上記付与した電荷との間のクーロン反発力が十分に長い時間作用しなかったためと考えられる
【0077】
以上、本実施形態によれば、上記スコロトロン帯電器41で中間転写ベルトの転写面に向けてトナーと同極性の電荷を付与することにより、該転写面上のトナーが付着していない非トナー転写部を主にトナーと同極性に帯電し、該転写面上の非トナー転写部とトナー像との間に静電的な反発力を発生させ、転写ニップ部を通過した中間転写ベルト19上でトナー像のトナーがその周辺の非トナー転写部に飛翔しくくなるようにしているので、トナー像のトナーが非トナー転写部へ飛翔することによる転写チリを防止できる。
また、本実施形態によれば、従来の除電手段を用いた場合のように中間転写ベルト19上のトナー像の電荷量が低下することがないため、中間転写ベルト19上のトナー像を転写紙24に転写する際の転写不良も発生しにくい。
【0078】
なお、上記実施形態では、電気抵抗が十分に大きな中間転写ベルト19を用いた場合について説明したが、比較例でも示したように電気抵抗が低い中間転写ベルトを用いた場合は中間転写ベルトの転写面に付与した電荷が時間とともに減衰するため、転写チリ防止効果は得にくい。中間転写ベルトの転写面に付与された電荷Qsbは少なくとも次の電荷付与まで、該転写面にある程度とどまっていることが望ましい。一般に、抵抗体の電荷減衰時間(電荷が1/eまで減衰する時間)は、おおよそ(抵抗体の誘電率)×(抵抗体の体積抵抗率)で表されることが知られている。従って、中間転写ベルト19の全周長、線速度を、体積抵抗率及び比誘電率をそれぞれL、Vl、ρv及びε’とし、真空の誘電率をε0としたとき、L/V≦ρv・ε ' ・ε 0で示す式を満足するように構成すれば、中間転写ベルト19に付与した電荷Qsbは、中間転写ベルト19が1周する間に、1/e以下に減衰しなくなるため、トナー像のトナーが非トナー転写部へ飛翔することによる転写チリを防止できる。例えば、中間転写ベルト19の全周長L=540mm、該ベルトの線速度Vl=200mm/sec、該ベルトの比誘電率ε’=8であるとき、該ベルトの体積抵抗率ρvは3×1012Ωcm以上であればよい。
【0079】
また、上記実施形態では、感光体9を負極性に一様帯電し、感光体9上に形成した静電潜像を負極性に帯電したトナーを用いて現像するネガポジ現像方式の場合について説明したが、本発明はこれら帯電極性や現像方式に限定されることなく適用できるものであり、例えば、感光体9を正極性に一様帯電し且つ正極性に帯電したトナーを用いた場合や、ポジポジ現像方式を採用した場合にも適用でき、同様な効果が得られるものである。
【0080】
【発明の効果】
請求項1乃至6の発明によれば、電荷付与手段で、中間転写体の転写面に向けてトナーの帯電極性と同極性の電荷を付与し、中間転写体の転写面上の非トナー転写部とトナー像との間に静電的な反発力を発生させるので、中間転写体と像担持体との間の接触対向部を通過した中間転写体上でトナー像のトナーがその周辺の非トナー転写部に飛翔しくくなり、該トナー像のトナーが非トナー転写部へ飛翔することによる転写チリを防止できるまた、従来の除電手段を用いた場合のように中間転写体上のトナー像の電荷量が低下することがないため、中間転写体上のトナー像を転写材に転写する際の転写不良も発生しにくい
更に、トナー像が既に転写されている中間転写体上に次のトナー像を像担持体から転写する際に、中間転写体上の既に転写されているトナー像及び非トナー転写部と、該次のトナー像が形成されている像担持体との間に所定強度の転写電界を形成するので、該次のトナー像を中間転写体に転写する際の転写不良を防止できる。
【0082】
に、請求項の発明によれば、中間転写体に対して非接触となるように設けた電荷付与手段が、中間転写体上に既に転写されているトナー像を乱さないので、更に画質の劣化を防止できるという効果がある。
【0083】
また特に、請求項の発明によれば、中間転写体を挟んで電荷付与手段と対向する位置に設けた導電性の対向電極と、電荷付与手段との間に、中間転写体に電荷を付与するための電界を十分な強度で且つ中間転写体の面方向に均一に形成するので、中間転写体の電気抵抗ムラや環境変動等があっても、電荷付与手段と対向電極との間に中間転写体への電荷付与のための電界を均一に、且つ効率的に形成できるという効果がある。
【0084】
また特に、請求項の発明によれば、上記対向電極を接地することにより、該の対向電極のゼロ電位を基準にして上記中間転写体への電荷付与のための電界を形成できるので、上記電荷付与手段による電荷付与量を制御しやすくなるという効果がある。
【0085】
また特に、請求項の発明によれば、中間転写体が1周する間に、電荷付与手段で付与した電荷量が1/e以下に減衰しないので、中間転写体の無端移動しているときにトナー像のトナーが非トナー転写部へ飛翔することによる転写チリを安定して防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラー複写装置の感光体・中間転写ベルト回りの拡大図。
【図2】同カラー複写装置全体の概略構成図。
【図3】(a)〜(d)は、シミュレーションによって、非トナー転写部に電荷が存在していない中間転写ベルトが感光体から離間していくときのトナーの挙動を示した説明図。
【図4】(a)〜(d)は、シミュレーションによって、非トナー転写部にQsb=−100μC/mの電荷が存在する中間転写ベルトが感光体から離間していくときのトナーの挙動を示した説明図。
【図5】(a)〜(d)は、シミュレーションによって、非トナー転写部にQsb=−200μC/mの電荷が存在する中間転写ベルトが感光体から離間していくときのトナーの挙動を示した説明図。
【図6】(a)〜(e)は、転写チリランクの各数値に対応した評価基準画像の拡大図。
【符号の説明】
9 感光体
12 帯電器
14 Bk現像器
15 C現像器
16 M現像器
17 Y現像器
19 中間転写ベルト
20a 転写バイアスローラ
20b 入口ローラ(対向電極)
24 転写紙
40 転写バイアス電源
41 スコロトロン帯電器(電荷付与手段)
42 スコロトロン帯電器用の電源
50 シミュレーションにおける中間転写ベルト
51 シミュレーションにおけるトナー

Claims (5)

  1. 像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該像担持体に接触対向する転写面が移動可能な中間転写体と、該中間転写体に該像担持体上のトナー像を順次重ね合わせて転写する中間転写手段と、該中間転写体上の重ねトナー像を転写材に転写する転写材転写手段とを備えた画像形成装置において、
    該中間転写体の体積抵抗率ρv及び表面抵抗率ρsがそれぞれρv=5×10 12 〜1×10 13 Ωcm及びρs=1×10 10 〜1×10 11 Ω/□であり、
    該中間転写体と該像担持体との接触対向部よりも中間転写体表面移動方向の上流側に、該中間転写体の転写面に向けてトナーの帯電極性と同極性の電荷を付与する電荷付与手段を設け
    該電荷付与手段による電荷付与量を、該中間転写体の電荷が付与された非トナー転写部の表面電位の絶対値が該中間転写体上のトナー像の表面電位の絶対値以下且つ該トナー像の表面電位の絶対値の1/2以上になるように設定したことを特徴とする画像形成装置
  2. 求項1の画像形成装置において、
    上記電荷付与手段を、上記中間転写体に対して非接触となるように設けたことを特徴とする画像形成装置
  3. 求項1の画像形成装置において、
    上記中間転写体を挟んで上記電荷付与手段と対向する位置に、導電性の対向電極を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 求項の画像形成装置において、
    上記対向電極を接地したことを特徴とする画像形成装置
  5. 記中間転写体として上記像担持体と接触対向する転写面が無端移動するものを用いた請求項1の画像形成装置において、
    該中間転写体の無端移動周長、表面移動速度、体積抵抗率及び比誘電率をそれぞれL、V、ρv及びε'とし、真空の誘電率をε0としたとき、
    L/V≦ρv・ε'・ε0
    で表される条件を満たすことを特徴とする画像形成装置。
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