JPH0999732A - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置

Info

Publication number
JPH0999732A
JPH0999732A JP25883995A JP25883995A JPH0999732A JP H0999732 A JPH0999732 A JP H0999732A JP 25883995 A JP25883995 A JP 25883995A JP 25883995 A JP25883995 A JP 25883995A JP H0999732 A JPH0999732 A JP H0999732A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
compressor
deceleration
time
air conditioner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25883995A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Kamado
孝一 釜洞
Masakazu Ninomiya
正和 二宮
Masaomi Inoue
正臣 井上
Yoshiaki Takano
義昭 高野
Hiroshi Kinoshita
宏 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP25883995A priority Critical patent/JPH0999732A/ja
Publication of JPH0999732A publication Critical patent/JPH0999732A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】効率の良いエアコン制御を行い、車両エンジン
での燃費向上を図る。 【解決手段】エアコン10のコンプレッサ12は、車両
エンジン1の出力軸1aにクラッチ11を介して連結さ
れており、エバポ後温度に応じてON/OFF制御され
る。自動変速機9は、スロットル開度や車速に応じてシ
フト位置が自動制御される。ECU30は、車両が減速
状態であるか否かを判定し、車両減速時で且つエアコン
ONであれば自動変速機9のシフト位置を通常よりもロ
ーギヤに設定する。このシフト位置の変更により、エン
ジン回転数が上昇してコンプレッサ12の仕事量が増大
し、引いては減速エネルギの吸収率が向上する。また、
ECU30は、車両減速時にコンプレッサ12を常時O
Nとすると共に、車両減速状態の解除時においてコンプ
レッサ12の仕事量の相当分の時間だけ当該コンプレッ
サ12をOFFとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気調和装置及
び変速機を備えた車両制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気調和装置(以下、単にエアコンとい
う)を備えた車両では、冷凍サイクル内で冷媒を循環さ
せるためのコンプレッサを備える。コンプレッサはクラ
ッチを介してエンジンの出力軸に駆動連結され、エンジ
ンの出力トルクを得て稼働する。かかる場合、冷凍サイ
クルの一部を構成するエバポレータの背後には、当該エ
バポレータを通過した空気の温度(エバポ後温度)を検
出するエバポ後温度センサが設けられ、その検出結果に
応じてコンプレッサの稼働率が設定される。つまり、エ
バポ後温度に応じてコンプレッサの稼働をON/OFF
する場合においては、エバポ後温度が所定の基準温度域
によりも大きくなるとコンプレッサがONされ、エバポ
後温度が所定の基準温度域によりも小さくなるとコンプ
レッサがOFFされる。
【0003】一方、従来技術として、コンプレッサの稼
働制御に際し、車両が減速状態になった際にコンプレッ
サの稼働率を大きく(コンプレッサ=ON)するように
したエアコンが開示されている(例えば、特開昭58−
47620号公報)。このエアコンでは、コンプレッサ
の稼働率を大きくすることで、車両減速時における減速
エネルギを吸収するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術では、車両減速時においてコンプレッサ制御を含む車
両制御が未だ効率良く行われているとは言えず、冷房能
力をより高め、且つ車両エンジンの燃費性能を向上させ
ることのできる技術が要望されている。
【0005】この発明は、上記問題に着目してなされた
ものであって、その目的とするところは、効率の良いエ
アコン制御を行い、車両エンジンでの燃費向上を図るこ
とができる車両制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明では、判定手段は車両が減速
状態であることを判定する。稼働率増加手段は、車両が
減速状態である旨が判定された場合、コンプレッサの稼
働率を増大させる。これは、コンプレッサがON/OF
F制御される場合には、コンプレッサONとなることに
相当し、コンプレッサが可変容量制御される場合には、
コンプレッサの容量が増量されることに相当する。ま
た、変速制御手段は、車両走行状態に応じて変速機のシ
フト位置を設定する。シフト位置変更手段は、車両が減
速状態である旨が判定され、且つ空調が行われている場
合に、変速制御手段により設定されるシフト位置よりも
ローギヤにシフト位置を変更する。
【0007】要するに、コンプレッサの仕事量は、 エンジン回転数×稼働率×コンプレッサトルク で表すことができ、この仕事量を車両減速時に大きくす
ることで車両の減速エネルギを吸収することが考えられ
る。そこで、上記の如く車両減速時にコンプレッサの稼
働率を増大させると共に変速機のシフト位置をローギヤ
に変更すれば、コンプレッサの仕事量を決定するファク
タとしての稼働率が大きくなるのは勿論のこと、変速機
のシフトダウンによるエンジン回転数の上昇が見込め、
結果として前記仕事量が増大する。
【0008】つまり、車両減速時には、コンプレッサに
十分量の仕事を行わせることができ、減速エネルギの吸
収率をアップさせて、引いては車両エンジンの燃費向上
を実現することができる。
【0009】また、請求項2に記載した発明では、スロ
ットル制御手段は、アクセル操作量に応じてスロットル
指令開度を設定すると共に、当該スロットル指令開度に
より吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を制御す
る。スロットル開度変更手段は、車両の減速時で且つ空
調が行われている場合に、スロットル制御手段により設
定されたスロットル指令開度を大きくする。
【0010】かかる場合、シフトダウン時にスロットル
弁を開くことによって当該シフトダウンによるショック
が緩和され、良好なるドライバビリティが確保できる。
また、一般にはスロットル開度が閉状態で且つ減速時に
おいてはフューエルカットが行われ、上記シフトダウン
と併用されることでエンジンブレーキが過度に作用する
ことが考えられるが、これが抑制できる。
【0011】請求項3〜5に記載した発明は、減速時に
稼働率を大きくした分、減速以外で稼働率を小さくする
ものであり、詳しくは、仕事量推測手段は車両の減速期
間におけるコンプレッサの仕事量を推測し、稼働率減少
手段は、減速状態の解除時において減速期間におけるコ
ンプレッサの仕事量の相当分だけ当該コンプレッサの稼
働率を減少させるようにしている。このとき、請求項4
に記載したように、車両の減速時にコンプレッサの稼働
率を大きくした時間を計時手段により計時し、その時間
に応じてコンプレッサの稼働率を小さくしてもよい。ま
た、請求項5に記載したように、コンプレッサの稼働率
を小さくする時間は、その時の蓄冷効率若しくは車両減
速時におけるコンプレッサの仕事効率に応じた係数を計
時手段にて計時された時間に掛け合わせた時間としても
よい。
【0012】かかる請求項3〜5の構成によれば、減速
時に稼働率を大きくした分に見合う量だけその直後に稼
働率を小さくすることにより、稼働率=大の時に蓄えら
れた冷房エネルギが効率的に活用でき、過不足のない冷
房能力を発揮することができる。
【0013】請求項6に記載した発明では、コンプレッ
サ制御手段は、エバポレータを通過した空気温が所定の
基準温度域に維持されるようにコンプレッサを稼働させ
る。また、下限温度規制手段は、車両減速時にコンプレ
ッサの稼働率を大きくした際、エバポレータを通過した
空気温の下限を前記基準温度域よりも低い所定温度で制
限する。
【0014】つまり、上述したように車両減速時にコン
プレッサの仕事量(稼働率)を増大させると、エバポレ
ータのフロストが生じ易くなり、エアコン(空気調和装
置)の冷房効率を低下させる可能性がある。しかし、上
記の如くエバポレータを通過した空気温の下限を基準温
度域よりも低い所定温度で制限することにより、エバポ
レータのフロストを抑制し、冷房効率を確保することが
できる。
【0015】請求項7に記載した発明では、調整手段
は、稼働率増加手段により車両減速時にコンプレッサの
稼働率を大きくした際には、冷風が車室内を過冷却しな
いようエアコン(空気調和装置)から車室内に吹き出さ
れる冷風の状態を調整する。例えば、冷風が搭乗者に直
接当たらないよう吹出口を変更したり、冷風量を調整し
たりする。つまり、車両減速時にコンプレッサの仕事量
(稼働率)を増大させると、エバポレータを通過する冷
風の温度が下がり、車室内が冷え過ぎになるおそれがあ
るが、これが防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下、この発明を具体化した第1の
実施形態を図面に従って説明する。
【0017】図1は、本実施形態におけるエンジン及び
その周辺機器等の主要な構成を示す概略図である。図1
において、本制御システムの中心をなす電子制御装置
(以下、ECUという)30は、車両制御部31及びエ
アコン制御部32を有し、各制御部31,32はCP
U,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータを
中心に構成されている。かかる場合、車両制御部31
は、燃料噴射制御、自動変速機のシフト位置の切り換え
制御、電子スロットル制御、エアコン用コンプレッサの
稼働制御等を行い、一方、エアコン制御部32は、エア
コンの吹出口切り換え制御、エアミックスダンパ制御、
ブロアモータ制御を行う、というように各種制御は個々
の制御部で行われる。しかし、本実施形態では便宜上、
ECU30が上記制御を一括して実行するものとして記
載する。なお、本実施形態は、請求項1,3,4,7に
記載した発明に相当するものであり、ECU30により
判定手段、稼働率増加手段、変速制御手段、シフト位置
変更手段、仕事量推測手段、稼働率減少手段、計時手段
及び調整手段が構成されている。
【0018】また、エンジン1には吸気管2及び排気管
3が接続されている。吸気管2には、エンジン1への吸
入空気の量を制御するためのスロットル弁4が配設され
ており、このスロットル弁4の開度はDCモータ5によ
り調整される。ここで、スロットル弁4への指令開度
は、運転者によるアクセル操作量に応じて決定され、そ
の開度が得られるようECU30はDCモータ5を駆動
する。スロットル弁4の開度はスロットル開度センサ6
により検出され、その検出結果はECU30に出力され
る。
【0019】吸気管2の最下流部には電磁駆動式のイン
ジェクタ7が配設されており、インジェクタ7から噴射
された燃料がエンジン1の吸気ポートにて混合気とな
り、エンジン1の燃焼室(図示略)に供給される。ここ
で、ECU30は、例えばエンジン回転数や吸気負圧に
基づいて燃料噴射量を決定し、その燃料噴射量に応じて
インジェクタ7を開弁して燃料噴射を行わせる。
【0020】エンジン1の出力軸(クランク軸)には、
トルクコンバータ8を介して自動変速機(AT)9が連
結されている。この自動変速機9のシフト位置の切り換
えは、その時のスロットル開度や車速に基づいてECU
30により実行される。
【0021】次いで、車両に搭載されたエアコン10の
主要な構成について説明する。エンジン1の出力軸1a
を介した動力は、クラッチ(マグネットクラッチ)11
を介してエアコン10のコンプレッサ12に伝達される
ものであり、このクラッチ11のON/OFFによって
エアコン10(コンプレッサ12)の稼働の有無が実質
的に制御される。
【0022】エアコン10は、コンプレッサ12をはじ
め、コンデンサ13、レシーバ14、エキスパンション
バルブ15、エバポレータ16等からなる冷凍サイクル
を備える構成となっている。このエアコン10では、冷
凍サイクル内で冷媒を循環させ、車室内の熱をエバポレ
ータ16で吸収すると共に、この熱をコンデンサ13か
ら車外へ放出することによって車室内を空調(冷房)す
る。なお、前記エバポレータ16で冷却された空気は、
ブロアモータ17によって車室内に送風される。
【0023】一方、図示しない車室内操作パネルには、
エアコン10のON/OFFを設定するエアコンスイッ
チ21、車室内温度を設定する温度設定ダイヤル22、
送風の吹出口を設定する吹出口設定スイッチ23等が設
けられ、それらスイッチ等の信号はECU30に取り込
まれる。
【0024】その他、本システムでは、エバポレータ1
6の後方に配置されエバポレータ16を通過した空気の
温度(エバポ後温度Te)を検出するエバポ後温度セン
サ24、車室内温度を検出する車室内温度センサ25、
外気温を検出する外気温センサ26、車両の速度を検出
する車速センサ27等が設けられており、各センサの検
出結果はECU30に取り込まれる。なお、符号28は
運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作に伴い点灯
するブレーキランプである。
【0025】次に、本実施形態の特有の作用について図
2〜図6を用いて説明する。先ず本作用を略述すれば、
本車両制御では、エアコンONで且つ減速状態である場
合に、自動変速機9のシフト位置を通常よりもローギヤ
のシフト位置に変更してエンジン回転数を上昇させ、車
両減速時におけるコンプレッサ12の仕事量を増大させ
るようにしている。また、エアコン制御として、通常時
にはエバポ後温度Teに応じてコンプレッサ12のON
/OFF状態を自動制御し、車両減速時にはコンプレッ
サ12をON状態で維持するようにしている。
【0026】要するに、コンプレッサ12の仕事量は、 ON時間×エンジン回転数×コンプレッサトルク で表すことができ、コンプレッサトルクが機種毎に一定
とすれば、同仕事量はコンプレッサ12のON時間又は
エンジン回転数に比例する。かかる場合、コンプレッサ
12の仕事量は、エンジン1の出力軸1aに作用する減
速側のエネルギ量に相当するため、この仕事量が大きく
なることはエンジン1に対する減速エネルギが大きくな
ることを意味する。そこで、減速エネルギを効率良く使
って燃費性能を向上させるべく、本制御では、自動変速
機9のシフト位置を通常よりもローギヤに設定すること
によって車両減速時におけるコンプレッサ12の仕事量
を大きくさせる。以下、図2の車両制御ルーチン及び図
3のコンプレッサ制御ルーチンを用いて、その詳細を説
明する。
【0027】図2のルーチンは例えば128ms毎に実
行され、ECU30は、先ずステップ101〜103で
減速時のエアコン制御を反映した車両制御を要するか否
かの条件判定を行う。即ち、ステップ101では、エア
コンスイッチ21がONであるか否かを判別し、ステッ
プ102では、減速状態であるか否かをスロットル開度
から判別する。また、ステップ103では、車室内操作
パネルに設置されたモード選択スイッチの操作状態によ
り、今現在がエコノミーモードであるか否かを判別す
る。
【0028】そして、上記各条件のいずれかが否定判別
された場合、ECU30は、減速時のエアコン制御を反
映した車両制御が不要であるとみなし、ステップ104
で通常のシフトマップを用いて自動変速機9のシフト位
置を決定する。具体的には、図4のシフトマップを用
い、その時のスロットル開度と車速からシフト位置を決
定する。図4では、L1,L2,L3で示すシフト位置
の変更ポイントが設定されており、この変更ポイントに
はローギヤへの変速時に過剰なエンジンブレーキが作用
しない特性が与えられている。
【0029】一方、ステップ101〜103の全条件が
肯定判別された場合、ECU30は、減速時のエアコン
制御を反映した車両制御を要するとみなし、ステップ1
05で自動変速機9のシフト位置を前記シフトマップ
(図4)により選択されるシフト位置よりもローギヤ側
に変更する。具体的には、その時のシフト位置が3速以
上であれば、2速に変更する(4速→2速、又は3速→
2速)。又は、その時のシフト位置が4速以上であれ
ば、3速に変更するようにしてもよい(4速→3速)。
かかる場合には、ローギヤへの変速に伴いエンジンブレ
ーキが作用し、エンジン回転数が上昇する。
【0030】なお、エアコンON且つ車両減速時に、通
常のシフトマップよりもローギヤが選択されるような第
2のシフトマップを用意し、上記ステップ105では、
当該第2のシフトマップを用いてシフト位置を決定する
ように実施の形態を変更してもよい。
【0031】他方、エアコン制御においては、エバポ後
温度Teに応じてコンプレッサ12のON/OFF状態
を自動制御しており、これを図3のコンプレッサ制御ル
ーチンを用いて説明する。なお、図3において、「TO
N」,「TOFF 」は、エバポ後温度Teに応じてコンプ
レッサ12(クラッチ11)をON/OFFさせるため
のオン温度、並びにオフ温度であり、このオン温度TO
N,オフ温度TOFF は予め設定された値となっている
(例えば、TON=4℃,TOFF =3℃)。
【0032】詳述すれば、ECU30は、例えば128
ms毎の割り込みによって図3のルーチンをスタート
し、先ずステップ201でエバポ後温度Teを入力する
と共に、続くステップ202で車両が減速状態にあるか
否かを判別する。具体的には、スロットル開度センサ6
により検出されたスロットル開度が所定値(例えば、
「0」付近の値)以下であれば、減速状態である旨が判
定される。
【0033】そして、ステップ202が否定判別されれ
ば、ECU30は、ステップ203で車両の減速時にお
けるコンプレッサ12のON継続時間を計測するための
ON時間積算タイマConが「0」を越える時間となっ
ているか否かを判別する。ここで、当初はON時間積算
タイマConが「0」であるため、ステップ203が否
定判別され、ECU30は続くステップ204〜207
でエバポ後温度Teに応じてコンプレッサ12(クラッ
チ11)をON若しくはOFFさせる。
【0034】即ち、ステップ204では、エバポ後温度
Teがオフ温度TOFF 以上であるか否かを判別し、ステ
ップ205では、エバポ後温度Teがオン温度TON未満
であるか否かを判別する。そして、エバポ後温度Teが
オフ温度TOFF 未満(Te<TOFF )であれば、ECU
30はステップ206でコンプレッサ12をOFFとす
る。また、エバポ後温度Teがオン温度TON以上(Te
≧TON)であれば、ECU30はステップ207でコン
プレッサ12をONとする。なお、それ以外ではON若
しくはOFFの状態を維持する。
【0035】一方、前記ステップ202で減速状態であ
る旨が判別されれば、ECU30は、ステップ208で
コンプレッサ12をONとする。また、ECU30は、
続くステップ209で前記図2のステップ105による
シフト位置変更(シフトダウン)が行われたか否かを判
別する。この場合、ステップ209が否定判別されれ
ば、ECU30は、ステップ210でON時間積算タイ
マConを「1」だけインクリメントする。一方、ステ
ップ209が肯定判別されれば、ECU30は、ステッ
プ211でON時間積算タイマConを「1.5」だけ
インクリメントする。
【0036】その後、減速状態が解除されると、ECU
30は、ステップ203でCon>0であるか否かを判
別する。そして、Con>0であれば、ECU30は、
ステップ212でコンプレッサ12をOFFすると共
に、続くステップ213でON時間積算タイマConを
「1」デクリメントする。
【0037】こうして減速状態が解除された後にはON
時間積算タイマConが徐々に減じられ、同タイマの積
算時間が「0」になると、それ以降、ECU30は、前
記したステップ204〜207でコンプレッサ12の稼
働を通常どおりON/OFF制御する。
【0038】図5は上記処理による作用を説明するため
のタイムチャートである。なお、図5ではエアコンスイ
ッチ21が常時ONになっている状態を示す。また、図
中に二点鎖線で示す動きは、通常のシフトマップ(図
4)にてシフト変更を実行した状態を示す。
【0039】図5において、時間t1以前は減速状態で
はなく、エバポ後温度Teがオン温度TON又はオフ温度
TOFF を横切る度にコンプレッサ12のON/OFFが
繰り返されている。
【0040】そして、時間t1において車両が減速状態
になり、図に実線で示すようにシフト位置が4速から2
速に変更されると(図2のステップ105)、それに伴
いエンジン回転数が上昇する。また、コンプレッサ12
がONされると共に、ON時間積算タイマConがカウ
ントアップされる。この場合、時間t1〜t2におい
て、ON時間積算タイマConは前記図3の処理毎に
「1.5」ずつカウントアップされる。これに対して、
図に二点鎖線で示すように通常のシフトマップにより変
速が行われると(図2のステップ104)、時間t1よ
りも遅れた時間taでシフト位置が4速から3速に変更
され、エンジン回転数が僅かに上昇する。この場合、時
間t1〜t2において、ON時間積算タイマConは前
記図3の処理毎に「1」ずつカウントアップされる。
【0041】このように車両の減速に伴いシフト位置を
変更した場合には(例えば4速→2速)、エンジン回転
数が急上昇し、減速期間である時間t1〜t2において
コンプレッサ12の仕事量が増加することになる。かか
る場合、コンプレッサ12の仕事量が増大することによ
り、エバポ後温度Teがそれまでよりも急な傾きで低下
する。
【0042】その後、時間t2で減速状態が解除される
と、コンプレッサ12がOFFされると共に、ON時間
積算タイマConをデクリメントする。こうして時間t
2以降では、ON時間積算タイマConが徐々に減じら
れ、時間t3で同タイマの残り時間が「0」になる。な
お、通常のシフト変更が行われている場合(二点鎖線の
場合)には、時間tbでON時間積算タイマConの残
り時間が「0」になる。この時間t3と時間tbとの時
間差は、減速期間(時間t1〜t2)におけるコンプレ
ッサ12の仕事量の違いによる。そして、時間t3又は
時間tb以降、コンプレッサ12の稼働は通常どおりO
N/OFF制御される。
【0043】一方、図6はECU30(エアコン制御部
32)にて実行されるエアコン吹出口切り換え処理を示
すフローチャートである。つまり、上述した通り本実施
形態では車両減速時にコンプレッサ12がON状態で維
持され、エアコンの冷房能力が高められている。そこ
で、かかる場合のエアコン10による過冷却を避けるた
め、エアコン吹出口を車両搭乗者に直接当たらない位置
に変更する。
【0044】詳しくは、ECU30は、例えば256m
s割り込みにて図6のルーチンをスタートし、先ステッ
プ301で減速状態であるか否かを判別する。また、次
のステップ302では、車室内温度センサ25にて検出
された車室内温度と、温度設定ダイアル22で設定され
た設定温度とを比較する。なお、ここで比較される設定
温度は、温度指定ダイヤル22で設定された設定温度よ
りも僅かに低い値としてもよい。
【0045】この場合、ステップ301,302のいず
れかが否定判別されれば、ECU30は、ステップ30
3でエアコン吹出口を吹出口設定スイッチ23による設
定位置に保持する。また、ステップ301,302が共
に肯定判別されれば、ECU30は、ステップ304で
エアコン吹出口を吹出口設定スイッチ23による設定位
置からデフロスタに変更する。即ち、上述した通り減速
時には搭乗者に冷え過ぎ感をを与えないよう、エアコン
10の吹出口を直接人に当たらない場所、例えばデフロ
スタに変更する。なお、ステップ302の処理を省略
し、車両減速時であれば、直ちにエアコン吹出口をデフ
ロスタに変更することも可能である。
【0046】そして、上記実施形態によれば、以下に示
す特有の効果が得られる。つまり、本実施形態では、エ
アコンONで且つ車両減速時には、自動変速機9のシフ
ト位置を通常のシフト位置よりもローギヤに設定するよ
うにした(図2のステップ105)。また、車両が減速
状態である旨が判定された場合、その減速期間において
コンプレッサ12を常時ONとした(図3のステップ2
08)。この場合、コンプレッサ12の仕事量を決定す
るファクタとしての稼働率が大きくなるのは勿論のこ
と、自動変速機9のシフトダウンによるエンジン回転数
の上昇が見込め、結果として前記仕事量が増大する。
【0047】つまり、車両減速時においては、コンプレ
ッサ12に十分量の仕事を行わせることができ、減速エ
ネルギの吸収率をアップさせて、引いては車両エンジン
の燃費向上を実現することができる。
【0048】また、本実施形態では、車両の減速期間に
おけるコンプレッサ12の仕事量をON時間やエンジン
回転数の上昇を見込んだ量として推測し(図3のステッ
プ210,211)、減速状態の解除時において減速期
間におけるコンプレッサ12の仕事量の相当分だけ当該
コンプレッサ12をOFFさせるようにした(図3のス
テップ212)。それにより、稼働率=大の時に蓄えら
れた冷房エネルギが効率的に活用でき、過不足のない冷
房能力を発揮することができる。また、コンプレッサ1
2を積極的にOFFさせることにより、減速の直後に加
速状態に移行する場合にもその加速性能を確保すること
ができる。
【0049】さらに、本実施形態では、車両減速時に冷
風が搭乗者に直接当たらないようエアコン吹出口をデフ
ロスタに変更した(図6のステップ304)。この場
合、コンプレッサ12の稼働率を大きくしても車室内の
過冷却を防止することができ、車内温度を所望の温度に
維持することができる。
【0050】(第2の実施形態)次に、第1の実施形態
の一部を変更した第2の実施形態を説明する。なお、本
実施形態は、請求項2に記載した発明に相当するもので
あり、ECU30によりスロットル制御手段及びスロッ
トル開度変更手段が構成されている。
【0051】図7は第2の実施形態における車両制御ル
ーチンである。図7において、ECU30は、ステップ
401〜403で減速時のエアコン制御を反映した車両
制御を要するか否かの条件判定を行う。即ち、ステップ
401では、エアコンスイッチ21がONであるか否か
を判別し、ステップ402では、スロットル開度が所定
開度B以下であるか否かを判別する(但し、Bは0付近
の値)。さらに、ステップ403では、自動変速機9の
シフト位置が3速以上であるか否かを判別する。
【0052】そして、上記各条件のいずれかが否定判別
された場合、ECU30は、減速時のエアコン制御を反
映した車両制御が不要であるとみなし、ステップ404
で通常のシフトマップ(例えば、前述の図4)を用いて
自動変速機9のシフト位置を決定すると共に、アクセル
ペダルの踏み込み操作量に応じてスロットル指令開度を
設定する。ここで、スロットル指令開度とは、例えば図
9のマップを用い、その時のアクセルペダルの踏み込み
操作量に応じて設定される。
【0053】一方、ステップ401〜403の全条件が
肯定判別された場合、ECU30は、減速時のエアコン
制御を反映した車両制御を要するとみなし、ステップ4
05で(イ)シフト位置を2速に設定、(ロ)DCモー
タ5によるスロットル指令開度を「現在のスロットル指
令開度+β」に変更、(ハ)ブレーキランプ28を点
灯、をそれぞれ実行する。
【0054】本第2の実施形態によれば、図8に示すよ
うにシフト位置をローギヤに変更した際(4速→2速)
において、スロットル指令開度を通常の指令開度よりも
大きくすることで振動加速度(振動G)の変動を抑制す
ることができる。その結果、エアコンON且つ車両減速
時におけるシフトダウンによるショックが緩和され、ド
ライバビリティが確保できる。
【0055】また、シフトダウン時にブレーキランプ2
8を点灯させることにより、エンジンブレーキが作用し
ていることを後続車に知らせることができ、安全性が確
保できる。
【0056】(第3の実施形態)第3の実施形態は、前
述した第2の実施形態と同様に請求項2に記載した発明
を具体化した車両制御装置であり、これを図10のスロ
ットル制御ルーチンを用いて説明する。
【0057】さて、図10において、ECU30は、ス
テップ501〜504で減速時のエアコン制御を反映し
たスロットル制御を要するか否かの条件判定を行う。即
ち、ステップ501では、エアコンスイッチ21がON
であるか否かを判別し、ステップ502では、減速時で
あるか否かを判別する。また、ステップ503では、自
動変速機9のシフトダウンが行われているか否かを判別
し、ステップ504では、フューエルカットが行われて
いるか否かを判別する。
【0058】そして、上記各条件のいずれかが否定判別
された場合、ECU30は、減速時のエアコン制御を反
映したスロットル制御が不要であるとみなし、通常のス
ロットル制御を実施すべく、ステップ504で前述の図
9を用いてアクセルペダルの踏み込み操作量に応じたス
ロットル指令開度を設定する。一方、ステップ501〜
504の全条件が肯定判別された場合、ECU30は、
減速時のエアコン制御を反映したスロットル制御を要す
るとみなし、ステップ506でスロットル指令開度を
「現在のスロットル指令開度+γ」とする。
【0059】かかる場合、エアコンON且つ車両減速時
に、シフトダウンと共にフェーエルカットが実施される
と、エンジンブレーキが過度に作用することが考えられ
るが、スロットル開度を増大させることによりポンピン
グロスを低減し、エンジンブレーキの効き過ぎを緩和す
ることができる。また同時にシフトダウンやフューエル
カットが実施された際のショック低減が実現できる。
【0060】また、前記したようにシフトダウン時に
は、自動変速機9のシフト位置が例えば4速から2速に
変速されるが、かかる際にスロットル開度を調整するこ
とにより、実際のシフト位置よりも高いシフト位置にシ
フトダウンさせたような変速が実現できる。即ち、シフ
トダウンが4速→2速の設定に対して4速→2.5速と
なるような、3速と2速の中間のシフト設定が可能とな
る。
【0061】(第4の実施形態)次に、請求項6に記載
した発明に相当する第4の実施形態について、第1の実
施形態との相違点を中心に説明する。なお、本実施形態
では、ECU30によりコンプレッサ制御手段及び下限
温度規制手段が構成されている。図11は、第4の実施
形態におけるコンプレッサ制御ルーチンであり、同ルー
チンは、第1の実施形態におけるルーチン(図3)の一
部を変更したものである。即ち、第1の実施形態との相
違点としては、図3のステップ208〜211を図11
ではステップ220〜225に変更している。
【0062】詳細には、ステップ202で減速状態であ
る旨が判定された場合、ECU30は、ステップ220
でエバポ後温度Teがオフ温度TOFF から所定温度αだ
け低い温度(TOFF −α)以上であるか否かを判別し、
Te≧TOFF −αであれば、ステップ221でエバポ後
温度Teがオン温度TONから所定温度αだけ低い温度
(TON−α)未満であるか否かを判別する。かかる場
合、当初はステップ221が否定判別され、ECU30
は、ステップ222でコンプレッサ12をONすると共
に、続くステップ223でON時間積算タイマConを
「x」だけインクリメントする。ここで、インクリメン
ト量「x」は、例えば第1〜第3の実施形態にて既述し
たシフトダウンの有無やスロットル指令開度の変更の有
無に応じて設定されるものであって、シフトダウン等に
よりコンプレッサ12の仕事量が増大したと思われる場
合には、「1」を越える値(例えば、x=1.5)が設
定され、それ以外には「1」が設定される。
【0063】一方、ステップ220が否定判別された場
合、ECU30は、ステップ224でコンプレッサ12
をOFFすると共に、続くステップ225でON時間積
算タイマConを「1」デクリメントする。
【0064】上記処理によるタイムチャートを図12に
示す。図12では車両の減速期間(時間t11〜t1
2)において、通常時に設定されているオン温度TON,
オフ温度TOFF よりも「α」だけ低い温度でコンプレッ
サ12がON/OFFを繰り返している。このことは、
エバポレータ16の温度低下が制限されていることを意
味する。なお、オン温度TON〜オフ温度TOFF の温度域
は「基準温度域」に相当する。
【0065】つまり、コンプレッサ12を無条件にON
すると、エバポレータ16がフロストし易くなり、冷房
能力が低下する可能性がある。しかし、本実施形態のよ
うにエバポレータ設定温に制限を設ければ、エバポレー
タ16のフロストを抑制し、冷房能力低下を防止するこ
とができる。
【0066】また、本実施形態では、減速期間にエバポ
後温度Teの基準温度域を下げることで当該期間におけ
るコンプレッサ12の仕事量を増大させることができ、
前記第1の実施形態と同様に、減速エネルギを効率良く
吸収し、燃費向上を実現することができる。
【0067】(第5の実施形態)次に、第5の実施形態
について第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図13は、第5の実施形態におけるコンプレッサ制御ル
ーチンであり、同ルーチンは、第1の実施形態における
ルーチン(図3)の一部を変更したものである。即ち、
第1の実施形態との相違点としては、図3のステップ2
03を図13ではステップ230に変更している。
【0068】つまり、ECU30は、ステップ230で
ON時間積算タイマConの残り時間と所定の係数aと
を掛け合わせたものが所定の判定値Aを越えるか否かを
判別する。ここで、係数aは蓄冷効率に相当し、例えば
「1」以下の値が適当である。また、所定値Aは「0」
に近い値が適当である。なお、係数aはコンプレッサ1
2の仕事効率であってもよい。
【0069】要するに、減速時にコンプレッサ12をO
Nして車室内を冷やしても、減速以外でコンプレッサ1
2をOFFしている間、100%冷房エネルギが保たれ
るわけではない。そこで、その蓄冷効率を考慮してコン
プレッサOFF時間を決定する。これにより冷房の温度
むらをより小さくし、且つ冷房能力を維持することがで
きる。なお、本実施形態は、請求項5に記載した発明に
相当する。
【0070】(第6の実施形態)ところで、エアコン1
0を構成するコンプレッサ12としては、いわゆる可変
容量式のものも多い。そこで、本第6の実施形態では、
可変容量式のコンプレッサ12で具体化した事例を説明
する。つまり、可変容量式のコンプレッサ12では、E
CU30からの容量制御指令に基づいてコンプレッサ1
2のソレノイド12a(図1参照)に対し適宜の電気信
号が送信されることによって図示しない斜板が変位し、
その圧縮容量が変化する周知の構成となっている。この
圧縮容量の変化に伴い冷媒吐出量がアップ/ダウンす
る。
【0071】このような可変容量式コンプレッサを採用
したエアコンでは通常、エバポ後温度Teに応じてその
容量のアップ/ダウン(ソレノイド12aのON/OF
F)が自動制御される。即ち、エバポ後温度Teに応じ
てコンプレッサ12の容量アップ/ダウンさせるための
容量アップ温度Tup並びにダウン温度Tdownが予
め設定されており(但し、Tup>Tdown)、エバ
ポ後温度Teが容量アップ温度Tup以上であれば、コ
ンプレッサ容量がアップ制御される。また、エバポ後温
度Teが容量ダウン温度Tdown未満であればコンプ
レッサ容量がダウン制御される。
【0072】また、本制御では、車両減速時においてコ
ンプレッサ12の稼働率を増大させるべく、容量アップ
状態を維持させる。また、減少状態が解除され際には、
容量アップ時間に対応した時間だけコンプレッサ12の
稼働率をダウンさせるべく、容量ダウン状態とする。詳
しくは、図14のフローに示すコンプレッサ制御ルーチ
ンを用いて説明する。なお、本ルーチンは、ECUによ
る例えば128ms毎の割り込みによって実行される。
【0073】ECU30は、先ずステップ601でエバ
ポ後温度Teを入力し、続くステップ602で車両の運
転状態が減速状態にあるか否かを判別する。そして、減
速状態でなければ、ECU30はステップ603に進
む。ECU30は、ステップ603で減速時におけるコ
ンプレッサ12の容量アップ時間を計測するための容量
アップ時間積算タイマCupが「0」を越える時間にな
っているか否かを判別する。ここで、容量アップ時間積
算タイマCupは当初は「0」であるため、ステップ6
03が否定判別され、ECU30は続くステップ604
〜607でエバポ後温度Teに応じてコンプレッサ12
の容量をアップ若しくはダウンさせる。
【0074】即ち、ECU30は、ステップ604でエ
バポ後温度Teが容量ダウン温度Tdown以上である
か否かを判別し、ステップ605でエバポ後温度Teが
容量アップ温度Tup未満であるか否かを判別する。そ
して、エバポ後温度Teが容量ダウン温度Tdown未
満(Te<Tdown)であれば、ECU30はステッ
プ606でコンプレッサ12の容量をダウンさせる。ま
た、エバポ後温度Teが容量アップ温度Tup以上(T
e≧Tup)であれば、ECU30はステップ607で
コンプレッサ12の容量をアップさせる。なお、それ以
外では容量アップ若しくは容量ダウンの状態を維持す
る。
【0075】その後、ECU30は、ステップ608で
エバポ後温度Teがオフ温度TOFF以上であるか否かを
判別し、Te<TOFF の場合、コンプレッサ12(クラ
ッチ11)をオフさせる。ここで、オフ温度TOFF は、
容量ダウン温度Tdownよりも低い温度である。
【0076】一方、前記ステップ602で減速状態であ
る旨が判別されれば、ECU30はステップ610に進
み、コンプレッサ12の容量をアップさせる。また、E
CU30は、続くステップ611で容量アップ時間積算
タイマCupを「y」だけインクリメントする。ここ
で、インクリメント量「y」は、前記第1〜第3の実施
形態にて既述したシフトダウンの有無やスロットル指令
開度の変更の有無に応じて設定されるものであって、シ
フトダウン等によりコンプレッサ12の仕事量が増大し
たと思われる場合には、「1」を越える値(例えば、y
=1.5)が設定され、それ以外には「1」が設定され
る。
【0077】従って、減速状態が継続されれば、コンプ
レッサ12は容量アップの状態で保持され、その継続時
間が容量アップ時間積算タイマCupにより計測され
る。その後、減速状態が解除されると、ECU30はス
テップ603に進み、Cup>0であるか否かを判別す
る。そして、Cup>0であれば、ECU30は、ステ
ップ612でコンプレッサ12の容量をダウンさせると
共に、続くステップ613で容量アップ時間積算タイマ
Cupを「1」デクリメントする。続くステップ60
8,609の処理は前述した通りである。
【0078】減速時のコンプレッサ12の仕事量分だけ
コンプレッサ12の容量がダウンされた後には、ステッ
プ604〜607にてコンプレッサ12が通常どおり容
量制御される。
【0079】本実施形態は、既述したON−OFF制御
式のコンプレッサに代えて可変容量式のコンプレッサを
採用したものであるが、上記各実施形態と同様に本発明
の目的を達成することができる。つまり、本実施形態の
処理によれば、車両の減速期間におけるコンプレッサ1
2の仕事量を容量アップ時間やエンジン回転数の上昇を
見込んだ量として推測し(図14のステップ611)、
減速状態の解除時において減速期間におけるコンプレッ
サ12の仕事量の相当分だけ当該コンプレッサ12の容
量をダウンさせるようにした(図14のステップ61
2)。それにより、稼働率=大の時に蓄えられた冷房エ
ネルギが効率的に活用でき、過不足のない冷房能力を発
揮することができる。また、コンプレッサ12を積極的
にOFFさせることにより、減速の直後に加速状態に移
行する場合にもその加速性能を確保することができる。
【0080】また、本コンプレッサ制御と、第1〜第3
の実施形態にて記載した車両制御(図2,図7,図10
のいずれかの処理)とを組み合わせることにより、効率
の良いエアコン制御を行い、且つ車両エンジンでの燃費
向上を実現することができる。
【0081】(第7の実施形態)第7の実施形態におけ
るコンプレッサ制御ルーチンを図15に示す。なお、本
実施形態は、第6の実施形態の一部を変更したものであ
り、その相違点としては、図14のステップ610,6
11を図15ではステップ620〜627に変更してい
る。
【0082】つまり、図15のステップ602で減速状
態である旨が判定された場合、ECU30は、ステップ
620でエバポ後温度Teが容量ダウン温度Tdown
から所定温度αだけ低い温度(Tdown−α)以上で
あるか否かを判別し、Te≧Tdown−αであれば、
ステップ621でエバポ後温度Teが容量アップ温度T
upから所定温度αだけ低い温度(Tup−α)未満で
あるか否かを判別する。かかる場合、当初はステップ6
21が否定判別され、ECU30は、ステップ622で
コンプレッサ12の容量をアップさせると共に、続くス
テップ623で容量アップ時間積算タイマCupを
「y」だけインクリメントする。その後、ECU30
は、ステップ626,627でエバポ後温度Teの下限
を「オフ温度TOFF −α」とすべく、Te<TOFF −α
の場合にコンプレッサ12(クラッチ11)をOFFと
する。
【0083】一方、ステップ620が否定判別された場
合、ECU30は、ステップ624でコンプレッサ12
の容量をダウンさせると共に、続くステップ625で容
量アップ時間積算タイマCupを「1」デクリメントす
る。
【0084】かかる場合、車両の減速期間において、通
常時に設定されている容量アップ温度Tup,容量ダウ
ン温度Tdownよりも「α」だけ低い温度でコンプレ
ッサ12の容量がアップ/ダウンを繰り返し、このこと
は、エバポレータ16の温度低下が制限されていること
を意味する。
【0085】つまり、コンプレッサ12の容量を無条件
にアップすると、エバポレータ16がフロストし易くな
り、冷房能力が低下する可能性がある。しかし、上記図
15の処理ようにエバポレータ設定温に制限を設けれ
ば、エバポレータ16のフロスト発生を抑制し、冷房能
力低下を防止できる。また、本実施形態では、減速期間
にエバポ後温度Teの基準温度域を下げることで当該期
間におけるコンプレッサ12の仕事量を増大させること
ができ、前記第6の実施形態と同様に、減速エネルギを
効率良く吸収し、燃費向上を実現することができる。
【0086】なお、本発明は上記実施形態の他に次の様
態にて具体化することができる。 (1)上記記載した実施形態以外に、車両制御やエアコ
ン制御を他の形態にて組み合わせて具現化してもよい。
例えば図11に示すコンプレッサ制御において、ON時
間積算タイマConの残り時間を判定するためのステッ
プ203の処理を「Con・a>A?」という処理に変
更してもよい。また、図14,図15に示すコンプレッ
サ制御において、容量アップ時間積算タイマCupの残
り時間を判定するためのステップ603の処理を「Cu
p・a>A?」の処理に変更してもよい。かかる場合、
第5の実施形態で説明したように、蓄冷効率やコンプレ
ッサの仕事効率を考慮してコンプレッサOFF時間又は
容量ダウン時間を決定することができ、冷房の温度むら
をより小さくし、且つ冷房能力を維持することができ
る。
【0087】(2)上記第1の実施形態における図3の
コンプレッサ制御ルーチンでは、シフト変更有りが判定
された場合に、ON時間積算タイマConを「1.5」
ずつインクリメントさせたが(ステップ211)、この
インクリメント量を変更してもよい。コンプレッサ12
の仕事量に見合った量として可変に設定するようにして
もよい。
【0088】(3)上記第1の実施形態では、車両減速
時においてエアコン吹出口を吹出口設定スイッチ23の
設定位置からデフロスタに変更し、それにより車室内の
過冷却を防止したが、この構成を変更してもよい。即
ち、請求項7に示す調整手段として、以下の構成が実現
可能である。・車両減速時にはエアミックスダンパ制御
によるエアミックスダンパの位置を変更し、空気(暖
気)の混合比を高める。かかる場合、コンプレッサの稼
働率が増大しても車室内へ吹き出される冷風の温度が所
望の温度に維持できる。・車両減速時にはブロアモータ
による送風量を少なくし、搭乗者に当たる冷風の量を調
整する。この場合にも車室内の冷え過ぎが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両制御装置の概略を示す構成図。
【図2】第1の実施形態における車両制御ルーチンを示
すフローチャート。
【図3】第1の実施形態におけるコンプレッサ制御ルー
チンを示すフローチャート。
【図4】自動変速機のシフト位置を決定するためのシフ
トマップ。
【図5】第1の実施形態における作用を説明するための
タイムチャート。
【図6】吹出口設定ルーチンを示すフローチャート。
【図7】第2の実施形態における車両制御ルーチンを示
すフローチャート。
【図8】第2の実施形態における作用を説明するための
タイムチャート。
【図9】スロットル指令開度を設定するためのマップ。
【図10】第3の実施形態におけるスロットル制御ルー
チンを示すフローチャート。
【図11】第4の実施形態におけるコンプレッサ制御ル
ーチンを示すフローチャート。
【図12】第4の実施形態における作用を説明するため
のタイムチャート。
【図13】第5の実施形態におけるコンプレッサ制御ル
ーチンを示すフローチャート。
【図14】第6の実施形態におけるコンプレッサ制御ル
ーチンを示すフローチャート。
【図15】第7の実施形態におけるコンプレッサ制御ル
ーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、1a…出力軸、4…スロットル弁、9…
自動変速機、10…エアコン(空気調和装置)、12…
コンプレッサ、13…コンデンサ、14…レシーバ、1
6…エバポレータ、30…判定手段,稼働率増加手段,
変速制御手段,シフト位置変更手段,スロットル制御手
段,スロットル開度変更手段,仕事量推測手段,稼働率
減少手段,計時手段,コンプレッサ制御手段,下限温度
規制手段,調整手段としてのECU。
フロントページの続き (72)発明者 高野 義昭 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 木下 宏 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両エンジンの出力軸に連結されたコンプ
    レッサを有し、該コンプレッサの稼働に伴い車室内の空
    調を行う空気調和装置と、 前記車両エンジンの出力軸の回転を所定のギヤ比で変速
    する変速機とを備えた車両制御装置であって、 車両が減速状態であることを判定する判定手段と、 前記判定手段により車両が減速状態である旨が判定され
    た場合、前記コンプレッサの稼働率を増大させる稼働率
    増加手段と、 車両走行状態に応じて前記変速機のシフト位置を設定す
    る変速制御手段と、 前記判定手段により車両が減速状態である旨が判定さ
    れ、且つ空調が行われている場合に、前記変速制御手段
    により設定されるシフト位置よりもローギヤにシフト位
    置を変更するシフト位置変更手段とを備えることを特徴
    とする車両制御装置。
  2. 【請求項2】アクセル操作量に応じてスロットル指令開
    度を設定すると共に、当該スロットル指令開度により吸
    気通路に設けられたスロットル弁の開度を制御するスロ
    ットル制御手段と、 前記車両の減速時で且つ空調が行われている場合に、前
    記スロットル制御手段により設定されたスロットル指令
    開度を大きくするスロットル開度変更手段とを備える請
    求項1に記載の車両制御装置。
  3. 【請求項3】前記車両の減速期間におけるコンプレッサ
    の仕事量を推測する仕事量推測手段と、 減速状態の解除時において前記仕事量推測手段により推
    測された減速期間におけるコンプレッサの仕事量の相当
    分だけ当該コンプレッサの稼働率を減少させる稼働率減
    少手段とを備える請求項1又は2に記載の車両制御装
    置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の車両制御装置において、 前記車両の減速時にコンプレッサの稼働率を大きくした
    時間を計時する計時手段を備え、 減速状態の解除時には、前記計時手段にて計時された時
    間に応じてコンプレッサの稼働率を小さくする車両制御
    装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、 前記稼働率減少手段により前記コンプレッサの稼働率を
    小さくする時間は、その時の蓄冷効率若しくは車両減速
    時におけるコンプレッサの仕事効率に応じた係数を前記
    計時手段にて計時された時間に掛け合わせた時間である
    車両制御装置。
  6. 【請求項6】コンプレッサ、コンデンサ、レシーバ及び
    エバポレータ等からなる冷凍サイクルにて前記空気調和
    装置を構成し、 前記エバポレータを通過した空気温が所定の基準温度域
    に維持されるように前記コンプレッサを稼働させるコン
    プレッサ制御手段と、 前記稼働率増加手段により車両減速時にコンプレッサの
    稼働率を大きくした際、前記エバポレータを通過した空
    気温の下限を前記基準温度域よりも低い所定温度で制限
    する下限温度規制手段とを備える請求項1〜5のいずれ
    かに記載の車両用空気調和装置。
  7. 【請求項7】前記稼働率増加手段により車両減速時にコ
    ンプレッサの稼働率を大きくした際には、冷風が車室内
    を過冷却しないよう前記空気調和装置から車室内に吹き
    出される冷風の状態を調整する調整手段を備える請求項
    1〜6のいずれかに記載の車両用空気調和装置。
JP25883995A 1995-10-05 1995-10-05 車両制御装置 Pending JPH0999732A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25883995A JPH0999732A (ja) 1995-10-05 1995-10-05 車両制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25883995A JPH0999732A (ja) 1995-10-05 1995-10-05 車両制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0999732A true JPH0999732A (ja) 1997-04-15

Family

ID=17325749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25883995A Pending JPH0999732A (ja) 1995-10-05 1995-10-05 車両制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0999732A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010179811A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Nissan Motor Co Ltd 車両の制御装置および車両の制御方法
CN103978866A (zh) * 2014-05-09 2014-08-13 惠州华阳通用电子有限公司 一种汽车自动空调吹风模式的控制方法
CN111911621A (zh) * 2019-05-07 2020-11-10 现代自动车株式会社 Amt车辆的换挡减震控制方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010179811A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Nissan Motor Co Ltd 車両の制御装置および車両の制御方法
CN103978866A (zh) * 2014-05-09 2014-08-13 惠州华阳通用电子有限公司 一种汽车自动空调吹风模式的控制方法
CN111911621A (zh) * 2019-05-07 2020-11-10 现代自动车株式会社 Amt车辆的换挡减震控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4682489B2 (ja) 車両用空調装置
US6715303B2 (en) Air conditioner for motor vehicles
US9981530B2 (en) Device and method for controlling compressor of vehicles
JP3736295B2 (ja) 車両用空調制御装置
US6466853B1 (en) Vehicle transmission and air conditioning control system
JP5012491B2 (ja) 車両用空調装置の制御装置及び車両
JP4399989B2 (ja) 車両の制御装置
JPH0999732A (ja) 車両制御装置
JP4092896B2 (ja) 車両用空調装置の制御装置
JP2000013901A (ja) ハイブリッド自動車の空調制御装置
JP2012001015A (ja) 車両の空調制御装置
JP2004162688A (ja) 車両空調装置用ハイブリッド圧縮機の駆動方法
JP4329487B2 (ja) 車両のエンジン補機制御装置
JP2005119387A (ja) 車両の制御装置
JP4348957B2 (ja) 車両用空調装置
JP2011027200A (ja) 車両の制御装置
JP3936200B2 (ja) 車両用空調装置
JPH08132861A (ja) 自動車用エアコンの制御方法
KR940008417B1 (ko) 자동차용 공기 조화장치
JP3947671B2 (ja) 車両用空調装置
JP3687500B2 (ja) 車両用空調装置
JP3055445B2 (ja) エアコンディショナ対応アイドル回転数制御装置
JPH06115346A (ja) 自動車用冷凍サイクル制御装置
JP3552910B2 (ja) ハイブリッド電気自動車のコンプレッサ制御装置
JP2003127654A (ja) 空調制御装置