JPH0999677A - 耐熱性プラスチックカード及びその製造方法 - Google Patents

耐熱性プラスチックカード及びその製造方法

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JPH0999677A
JPH0999677A JP7282406A JP28240695A JPH0999677A JP H0999677 A JPH0999677 A JP H0999677A JP 7282406 A JP7282406 A JP 7282406A JP 28240695 A JP28240695 A JP 28240695A JP H0999677 A JPH0999677 A JP H0999677A
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憲一 森住
Masao Gokami
昌夫 後上
Mitsunori Takeda
光徳 竹田
Yoshikazu Fukushima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックカードの耐熱性を上げる。 【解決手段】 単層又は多層構造のカードコア(3)の
両面に、接着剤層(4a,4b)を介してオーバーシー
ト(2a,2b)を積層したプラスチックカードで、カ
ードコア及びオーバーシートをポリカーボネート等の耐
熱性プラスチックとし、且つ接着剤層を、耐熱性プラス
チックよりも低い軟化点を有する熱可塑性樹脂と、熱硬
化剤とを有する熱硬化性接着剤により形成する。多層構
造のカードコアも、この熱硬化性接着剤で白色不透明な
接着剤層(4c)として耐熱性プラスチックのコアシー
ト(3a,3b)を積層する。また熱可塑性樹脂の軟化
点は110〜150℃とする。カードの製造方法は熱硬
化性接着剤が液状ならばいずれかのシートに塗布し、シ
ート状ならばそのまま重ねて、熱プレスする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比較的過酷な環境
条件のもとで使用できる耐熱性に優れた、ICカード、
キャッシュカード、クレジットカード等のようなプラス
チックカードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般のプラスチックカードは、白
色の塩化ビニル樹脂製のコアシートをカードコアとして
これに予め所望の印刷を施し、磁気ストライプを転写形
成した塩化ビニル樹脂製の透明なオーバーシートを前記
カードコアに重ね、熱平プレス法によりカードコア及び
オーバーシートを融着により積層接着し、更に積層後の
シートを所定の寸法に打ち抜くことにより、製造され
る。例えば、図4はICカードとしての一例であり、2
枚の塩化ビニル樹脂からなるコアシート31a及び31
bをカードコアとして、各コアシートに印刷絵柄5を施
した後に、その上下に同じく塩化ビニル樹脂からなるオ
ーバーシート21a及び21bを熱平プレスで熱融着に
より積層接着させてカード基材として、これにICモジ
ュール6を接着剤7で固定し埋設した構造のものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プラスチッ
クカードは磁気カードやICカード等と各種の情報記憶
手段を持つものが出現し、それに合わせてこれら携帯用
情報記憶媒体としてのプラスチックカードの用途も広範
な用途に使われる様になり、さらに今後もその用途が拡
大すると期待されている。そして比較的過酷な環境条件
下となる用途がある。例えば、有料道路の通行料金の支
払いを通信によって自動的に行い料金所をノンストップ
で通過できるシステムが考えられている。かかるシステ
ムに対応する携帯用情報記憶媒体としてのプラスチック
カードは、非接触で料金所のシステムと通信を行える
(非接触)ICカードが適している。ところが、従来の
塩化ビニル樹脂を用いたカードでは、塩化ビニル樹脂の
熱変形温度は高いものでもせいぜい80℃前後であるた
め、車載用のICカードとして使用した場合、自動車内
の特に直射日光を受けるフロントガラス表面やダッシュ
ボード上に装着或いは放置した場合には、100℃以上
の高温に長時間さらされることになる。その結果、カー
ド基材が収縮、変形し、所定の寸法規格を満たさなくな
り実用に供することができない。
【0004】また、車載用以外にも耐熱性が要求される
用途がある。例えば、工場内の工程管理用のICカー
ド、建設現場における作業管理用の計測データ記録用の
ICカード等である。
【0005】以上の様に耐熱性の要求される用途に適す
るプラスチックカードを得るに当たり、塩化ビニル樹脂
よりも耐熱性のあるプラスチックを使用することが考え
られる。例えば、熱変形温度が100℃以上のものとし
て、ポリカーボネート、ポリアリレート、及び、ポリカ
ーボネートとABS(アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合体)、ポリカーボネートとPET(ポリ
エチレンテレフタレート)等のポリマーアロイ、或い
は、ABSやPET等にガラス繊維を充填したもの等が
ある。そして、これらの材料の中でも、耐折強度、耐衝
撃強度、耐熱性、透明性に優れるポリカーボネートは、
耐熱性が要求されるプラスチックカード用として望まし
い特性を備えた材料である。しかしながら、ポリカーボ
ネートのような耐熱性プラスチックからなるシートを用
いる場合に最も問題となるのは、熱平プレスの際の温度
が極めて高く、コアシート同士及びコアシートとオーバ
ーシートとのラミネートが困難であることである。現状
の塩化ビニル樹脂シートの熱平プレス温度は120〜1
50℃であり、例えば、ポリカーボネート製シートを使
用して、同様に熱平プレスをする際には、その温度は2
00℃以上になり、特に、コアシート表面に印刷した絵
柄のインキが変色するという問題が生ずる。
【0006】そこで、本発明の課題は、以上の問題点を
解決し、ポリカーボネートの様な耐熱性プラスチックを
使用した耐熱性のあるICカード等のプラスチックカー
ドを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の耐熱性プラスチ
ックカードは、単層又は多層構造からなるカードコアの
両面に、接着剤層を介してオーバーシートを積層したプ
ラスチックカードであって、カードコア及びオーバーシ
ートが耐熱性プラスチックにより形成され、且つ接着剤
層が、該耐熱性プラスチックよりも低い軟化点を有する
熱可塑性樹脂と、熱硬化剤とを有する熱硬化性接着剤に
より形成されてなる構成とする。
【0008】また、上記耐熱性プラスチックカードにお
いて、多層構造のカードコアが、2枚の耐熱性プラスチ
ックからなるコアシートを、該耐熱性プラスチックより
も低い軟化点を有する熱可塑性樹脂と、熱硬化剤とを有
する熱硬化性接着剤により形成されてなる接着剤層を介
して積層した構成のものでもある。また、上記耐熱性プ
ラスチックカードにおいて、上記熱可塑性樹脂の軟化点
を110〜150℃としたものでもある。また、上記耐
熱性プラスチックカードにおいて、接着剤層の厚みを5
〜30μmとしたものである。また、上記耐熱性プラス
チックカードにおいて、多層構造のカードコアを構成す
る接着剤層を、白色不透明としたものである。また、上
記耐熱性プラスチックカードにおいて、カードコアとオ
ーバーシート間の接着剤層を、透明としたものでもあ
る。また、上記耐熱性プラスチックカードにおいて、耐
熱性プラスチックをポリカーボネートとしたものでもあ
る。
【0009】そして、本発明の耐熱性プラスチックカー
ドの製造方法は、単層又は多層構造からなるカードコア
の両面に、接着剤を介してオーバーシートを積層するプ
ラスチックカードの製造方法であって、カードコア及び
オーバーシートに耐熱性プラスチックからなる材料を用
意し、該耐熱性プラスチックよりも低い軟化点を有する
熱可塑性樹脂と熱硬化剤とを有する熱硬化性接着剤によ
り積層するものである。
【0010】また、上記製造方法において、多層構造の
カードコアを、2枚の耐熱性プラスチックからなるコア
シートを、該耐熱性プラスチックよりも低い軟化点を有
する熱可塑性樹脂と熱硬化剤とを有する熱硬化性接着剤
により積層する様にしたものでもある。また、上記製造
方法において、上記熱可塑性樹脂に軟化点が110〜1
50℃の樹脂を用いる様にしたものでもある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の耐熱性プラスチッ
クカード及びその製造方法の実施の形態を図面を参照し
ながら説明する。図1は、本発明の耐熱性プラスチック
カードの一実施例であるICカード1の斜視図であり、
また図2は図1のA−A線での要部断面図である。図1
及び図2に示すICカード1は、耐熱性プラスチックか
らなる多層構造のカードコア3の両面に印刷絵柄5が施
されており、さらにそのカードコア3の表面側には透明
な接着剤層4aを介して耐熱性プラスチックからなる透
明なオーバーシート2aが、カードコア3の裏面側にも
透明な接着剤層4bを介して耐熱性プラスチックからな
る透明なオーバーシート2bが、積層されている。多層
構造のカードコア3は、耐熱性プラスチックからなる2
枚の白色のコアシート3a及び3bを、白色の接着剤層
4cを介して積層したものである。そして、上記各接着
剤層4a,4b及び4cは、上記各耐熱性プラスチック
よりも低い軟化点を有する熱可塑性樹脂と、熱硬化剤と
を有する熱硬化性接着剤により形成されたものである。
なお、カードコアが単層の場合は1枚のコアシートから
なる。
【0012】本発明でコアシート及びオーバーシートに
用いる耐熱性プラスチックは、例えば、熱変形温度が1
00℃以上である、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、及び、ポリカーボネートとABS(アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体)、ポリカーボネー
トとPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリマ
ーアロイ、或いは、ABSやPET等にガラス繊維を充
填したもの等が挙げられる。なかでも、ポリカーボネー
トは、耐折強度、耐衝撃強度、耐熱性、透明性に優れる
点で好ましい材料の一つである。なお、本発明では、必
要に応じてコアシート及びオーバーシートを別種の耐熱
性プラスチックとしても良い。
【0013】接着剤層4a、4b及び4cとしては、オ
ーバーシート及びコアシートに用いる耐熱性プラスチッ
クの軟化点よりも低い軟化点を有する熱可塑性樹脂と、
熱硬化剤とを有する熱硬化性接着剤を用いる。かかる熱
可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の単独重合
体又は共重合体が挙げられる。また、熱可塑性樹脂の軟
化点は110〜150℃の範囲が好ましい。110℃未
満であると、比較的過酷な環境下にカードが放置された
うえ、何らかの外力が加わった場合に接着面でのずれ、
剥離が生ずるという心配があり、150℃を越えると目
的とする平プレス温度条件範囲内では、樹脂が十分軟化
せず、硬化反応も進まないことから接着力が発現しない
こととなり好ましくない。熱硬化剤としては、用いる熱
可塑性樹脂の反応基によって、イソシアネート類、エポ
キシ樹脂、ポリアミン等のアミン系化合物或いはこれら
の変性物を使い分ける。例えば、熱可塑性樹脂のポリエ
ステル樹脂にエポキシ樹脂の熱硬化剤、熱可塑性樹脂の
共重合ポリエステル樹脂にイソシアネートの熱硬化剤、
熱可塑性樹脂のエポキシ樹脂に芳香族ポリアミンの硬化
剤等といった具合である。
【0014】以上のような特定の熱可塑性樹脂と熱硬化
剤を用いる熱硬化性の接着剤の適用形態としては、これ
らを溶剤に溶解した溶液を、或いはフィルム状のものを
使用する。そして、接着剤層4a、4b及び4cとし
て、上記熱硬化性接着剤の熱硬化物を用いることで、加
工時間の短縮と初期接着力の向上、及び接着完了後の高
温での接着力の保持性に優れ剥がれにくいカードが得ら
れる。なお、ここでの熱可塑性樹脂の意味は、上述の説
明にも有るように、エポキシ樹脂は一般には熱硬化剤と
共に使用される熱硬化性樹脂でもあるが、熱硬化剤が共
存しない状態で(或いは熱硬化させる前の状態で)熱可
塑性を有する樹脂の意味である。
【0015】接着剤層4a、4b及び4cの厚みとして
は、室温での剥離接着強度(T形剥離)に4kgf/c
m以上を確保でき、しかも積層したカード基材にICモ
ジュールの埋設加工を施す際に影響のないコアシートの
(総)厚が確保でき、また、熱硬化後の収縮がカードの
変形を誘因したり、表面状態に影響しない様にするため
に、5〜30μmの範囲が好ましい。
【0016】また、カードの規格である隠蔽性を確保す
る意味で、コアシートには白色不透明であることが要求
されるが、コアシートに用いる耐熱性プラスチックに充
分な隠蔽性のある白色不透明のものを用いることができ
れば不要であるが、そうでない場合には、図2の様に多
層構造とするカードコアにおいてコアシートを積層する
接着剤層4cに、酸化チタン等の顔料により白色、不透
明化した接着剤を、白色不透明のプラスチックシートか
らなるコアシートと併用することで、カードコアとして
の隠蔽性の確保が容易となる。
【0017】一方、カードコアとオーバーシートとの接
着に用いる接着剤層には透明な接着剤を用いる。カード
コア表面に形成した印刷絵柄をオーバーシートを透かし
てみる場合に、印刷絵柄の色調に影響のない透明性の高
いものが好ましい。
【0018】そして、図2の様な構成の耐熱性プラスチ
ックカードを製造するには、図3に示す様に、コアシー
ト及びオーバーシートを構成する耐熱性プラスチックか
らなる各シートを、上記した特定の熱硬化性の接着剤を
介して重ねて、ステンレス鏡面板49a及び49bで挟
み、熱板48a及び48bによる熱平プレスで熱圧をか
けて、積層接着させればよい。接着剤がフィルム状であ
れば、必要に応じてシートと仮止めするなどした上で重
ね合わせて熱平プレスをする。熱平プレス条件は、従来
公知の塩化ビニル樹脂製の磁気ストライプ付きプラスチ
ックカードの製造条件と同様で良い。また、接着剤が液
状であれば、例えば(印刷絵柄を形成済みの)コアシー
トにスクリーン印刷法や公知の塗工方法で接着剤を塗工
し、このコアシートをオーバーシートと重ねて熱平プレ
スする。或いは、塗工面はオーバーシート側であっても
良い。このように、接着剤が溶液の場合の塗工面は特に
限定されない。また、塗工順も特に限定されない。そし
て、ICカードの場合には、このようにして得られたカ
ード基材に、さらにICモジュール埋設用の凹部を切削
加工した後、該凹部にICモジュールを埋め込み接着剤
で固定する。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0020】《実施例1》図2の様な構成のICカード
を作製すべく、先ず、酸化チタンを添加して白色・不透
明化した厚さ0.31mmのポリカーボネート樹脂製の
2枚のコアシート3a,3bにそれぞれ絵柄を印刷して
印刷絵柄5を形成した。これに、熱可塑性樹脂として融
点が114℃で透明な飽和ポリエステル樹脂と、熱硬化
剤成分としてエポキシ系樹脂を有する、厚さ30μmの
透明接着シートからなる熱硬化性接着剤(4a及び4
b)、厚さ50μmの透明なポリカーボネート樹脂製の
オーバーシート2a,2bを重ねて四隅を超音波融着に
より仮止めした。そして、コアシート3a/接着剤(4
a)/オーバーシート2aを重ねた上側シートと、コア
シート3b/接着剤(4b)/オーバーシート2bから
なる下側シートとの2枚を得た。その後、飽和ポリエス
テル樹脂に酸化チタンを添加して白色不透明化した厚さ
30μmのシート状の熱硬化性接着剤(4c)を介し
て、上側シートのコアシート3aと下側シートのコアシ
ート3bとを重ね、これを2枚の鏡面仕上げしたステン
レス製平板で挟み電熱プレス機で、150℃、10分
間、100kg/cm2 の熱圧をかけて各接着剤を熱硬
化させてラミネートし、冷却後、規定のカード寸法に抜
き加工して厚さ0.80mmのカード基材とした。更
に、このカード基材にICモジュールを埋設するための
凹部を彫刻機で切削加工し、ICモジュール6を、シー
ト状の接着剤7を介してコアシート3aに熱圧接着し、
ICカードを作製した。
【0021】このようにして作製したICカードを、耐
熱性試験として、120℃の熱風循環型のオーブンに1
時間保存した後、外形寸法及び厚みの変化を測定したと
ころ、各0.07%及び0.13%であり、塩化ビニル
樹脂製カードに比較してはるかに小さい値であり、カー
ド基材に、そり、波打ち等の変形はなく、またカード基
材の層間での剥がれ、浮きは全く認められなかった。更
に、JIS X−6301の規格に従って、150℃に
加熱した流動パラフィン中に5分間浸漬しても、カード
基材の層間に間隙が生じることはなく、積層接着性にも
問題はなかった。また、接着力試験として、引っ張り試
験機により室温での層間剥離力の評価を行った。多層構
造のコアシート間のT形剥離試験では7.6kgf/c
mと充分であり、またオーバーシートとコアシート間の
剥離試験では、オーバーシートが引き裂かれて、十分な
接着力を有していることが確認された。
【0022】《実施例2》実施例1と同様な層構成のI
Cカードであるが、用いる接着剤及びその適用方法を以
下に様に変えて、実施例2のICカードを作製した。先
ず、各々表面に印刷絵柄5が施されたコアシート3a及
び3bに、イソホロンに溶解した軟化点が114℃の共
重合ポリエステル樹脂にイソシアネートを前記樹脂固形
分に対して10wt%添加し更に着色剤として酸化チタ
ンを添加して白色・不透明化した熱硬化性接着剤を、そ
れぞれのコアシートの印刷面と反対面の表面にスクリー
ン印刷法により各15g(dry)/m2 の厚みに塗布
後熱風乾燥した後、これら各塗布面を内側にして向かい
合わせてコアシート3aとコアシート3bとを固定した
後、更に各コアシートの表面に、上記熱硬化性接着剤で
着色剤を添加せずに透明の接着剤を15g(dry)/
2 の厚みに塗布後熱風乾燥した後、各表面にそれぞれ
オーバーシート2a及び2bを重ねた。後は、実施例1
と同様にして同じ熱圧条件で積層してカード基材とした
後、ICモジュールを埋設してICカードを製作した。
【0023】このICカードを、実施例1と同様に耐熱
性試験を行ったところ、基材変形や剥がれ等の問題は生
じなかった。また、実施例1と同様の接着力試験では、
多層構造のコアシート間では4.2kgf/cm、オー
バーシートとコアシート間では、やはりオーバーシート
が引き裂かれて、十分な接着力が確認された。
【0024】《実施例3》実施例1と同様な層構成のI
Cカードであるが、用いる接着剤及びその適用方法を以
下の様に変えて、実施例3のICカードを作製した。先
ず、エポキシ系樹脂とその硬化剤として芳香族ポリアミ
ンを重量比で1:1に混合し更に着色剤で白色不透明化
した熱硬化性接着剤を、Tダイコーティングによって印
刷絵柄5が施されたコアシート3a及び3bに各15g
/m2 塗布後すぐに、塗布面を内側にして向かい合わせ
てコアシート3aとコアシート3bとを固定した後、更
に各コアシートの表面に同様にして上記熱硬化性接着剤
で着色剤を添加せずに透明の接着剤を15g/m2 の厚
みに塗布した後、各表面にそれぞれオーバーシート2a
及び2bを重ねた。後は、実施例1と同様にして同じ熱
圧条件で積層してカード基材とした後、ICモジュール
を埋設してICカードを製作した。
【0025】このICカードを、実施例1と同様に耐熱
性試験を行ったところ、基材変形や剥がれ等の問題は生
じなかった。また、実施例1と同様の接着力試験では、
多層構造のコアシート間では4.0kgf/cm、オー
バーシートとコアシート間では、やはりオーバーシート
が引き裂かれて、十分な接着力が確認された。
【0026】
【発明の効果】本発明の耐熱性プラスチックカードは、
シート材料の優れた耐熱性と熱硬化性接着剤による接着
剤層の耐熱性により、耐熱性、高温での寸法安定性に優
れたカードが得られ、また外観的にも従来の塩化ビニル
樹脂製のカードと何ら違和感がないカードが得られる。
そして、例えば100℃以上の比較的過酷な環境下とな
る、例えば車載用途等のICカードとして使用できる。
【0027】また、本発明の耐熱性プラスチックカード
の製造方法によれば、上記ポリカーボネート等の耐熱性
プラスチックで軟化しにくいシートを使用するにもかか
わらず、特定の軟化点を持った熱可塑性樹脂と熱硬化剤
とを有する熱硬化性の接着剤により、前記シートを接着
積層するために、特別な設備を必要とせず、従来と同じ
通常の塩化ビニル樹脂製のプラスチックカードの製造に
用いる積層装置及び製造条件で、上記耐熱性プラスチッ
クカードの製造ができ、しかも、優れた耐熱性を持つプ
ラスチックカードが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐熱性プラスチックカードの一実施例
であるICカードの斜視図。
【図2】図1のICカードのA−A線での断面図。
【図3】本発明の耐熱性プラスチックカードの製造方法
(積層工程)を説明する説明図。
【図4】従来の塩化ビニル樹脂のシートを用いたICカ
ードの断面図。
【符号の説明】
1 耐熱性プラスチックカード,ICカード 2a,2b 透明なオーバーシート(耐熱性プラスチッ
ク) 3 多層構造のカードコア(耐熱性プラスチック) 3a,3b 白色のコアシート(耐熱性プラスチック) 4a,4b 透明な接着剤層 4c 白色の接着剤層 5 印刷絵柄 6 ICモジュール 7 接着剤 8 カード基材 21a,21b 透明なオーバーシート(塩化ビニル樹
脂) 31a,31b 白色のコアシート(塩化ビニル樹脂) 48a,48b 熱板 49a,49b ステンレス鏡面板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 良和 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単層又は多層構造からなるカードコアの
    両面に、接着剤層を介してオーバーシートを積層したプ
    ラスチックカードであって、カードコア及びオーバーシ
    ートが耐熱性プラスチックにより形成され、且つ接着剤
    層が、該耐熱性プラスチックよりも低い軟化点を有する
    熱可塑性樹脂と、熱硬化剤とを有する熱硬化性接着剤に
    より形成されてなることを特徴とする耐熱性プラスチッ
    クカード。
  2. 【請求項2】 多層構造のカードコアが、2枚の耐熱性
    プラスチックからなるコアシートを、該耐熱性プラスチ
    ックよりも低い軟化点を有する熱可塑性樹脂と、熱硬化
    剤とを有する熱硬化性接着剤により形成されてなる接着
    剤層を介して積層したものであることを特徴とする請求
    項1記載の耐熱性プラスチックカード。
  3. 【請求項3】 上記熱可塑性樹脂の軟化点が110〜1
    50℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の耐
    熱性プラスチックカード。
  4. 【請求項4】 接着剤層の厚みが5〜30μmであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐
    熱性プラスチックカード。
  5. 【請求項5】 多層構造のカードコアを構成する接着剤
    層が、白色不透明であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の耐熱性プラスチックカード
  6. 【請求項6】 カードコアとオーバーシート間の接着剤
    層が、透明であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の耐熱性プラスチックカード。
  7. 【請求項7】 耐熱性プラスチックがポリカーボネート
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に
    記載の耐熱性プラスチックカード。
  8. 【請求項8】 単層又は多層構造からなるカードコアの
    両面に、接着剤を介してオーバーシートを積層するプラ
    スチックカードの製造方法であって、カードコア及びオ
    ーバーシートに耐熱性プラスチックからなる材料を用意
    し、該耐熱性プラスチックよりも低い軟化点を有する熱
    可塑性樹脂と熱硬化剤とを有する熱硬化性接着剤により
    積層することを特徴とする耐熱性プラスチックカードの
    製造方法。
  9. 【請求項9】 多層構造のカードコアを、2枚の耐熱性
    プラスチックからなるコアシートを、該耐熱性プラスチ
    ックよりも低い軟化点を有する熱可塑性樹脂と熱硬化剤
    とを有する熱硬化性接着剤により積層することを特徴と
    する請求項8記載の耐熱性プラスチックカードの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 上記熱可塑性樹脂に軟化点が110〜
    150℃の樹脂を用いることを特徴とする請求項8又は
    9記載の耐熱性プラスチックカードの製造方法。
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