JP2011183636A - 非接触型情報媒体付属冊子 - Google Patents

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Abstract

【課題】非接触方式で外部との情報交換が可能な非接触型情報媒体の一方の面には内貼り用紙が、他方の面には表紙用部材がそれぞれ接着剤層を介して少なくとも積層されてなる表紙を少なくとも具備する非接触型情報媒体付属冊子の偽変造防止機能を向上させ、かつ、偽変造品を簡便に判別することができるようにした、非接触型情報媒体付属冊子の提供。
【解決手段】非接触方式で外部との情報交換が可能な非接触型情報媒体の一方の面には内貼り用紙が、他方の面には表紙用部材がそれぞれ接着剤層を介して少なくとも積層されてなる表紙を少なくとも具備する非接触型情報媒体付属冊子であって、非接触型情報媒体上、内貼り用紙上、あるいは表紙用部材上の少なくとも一箇所には、熱可塑性樹脂と加熱によって膨張する発泡粒子とを含有してなる偽変造防止機能層が設けられていることを特徴とする非接触型情報媒体付属冊子。
【選択図】図1

Description

本発明は、非接触方式で外部との情報交換が可能な非接触型情報媒体の一方の面には内貼り用紙が、他方の面には表紙用部材がそれぞれ接着剤層を介して少なくとも積層されてなる表紙を少なくとも具備すると共に、その一部に偽変造防止機能層が設けられていることを特徴とする非接触型情報媒体付属冊子に関する。
近年、非接触ICカードや非接触ICタグを用いたシステムが普及する中、例えばパスポートや預貯金通帳などの冊子に、非接触方式で外部との情報交換が可能な非接触型情報媒体を付加した種々の非接触型情報媒体付属冊子が開発されている。冊子中に付加されている非接触型情報媒体は、非接触ICモジュールとそれに接続されているアンテナなどからなるICインレットを外装基材で挟み込んだものであり、非接触方式で外部との情報交換が可能であって、カバークロスなどとも呼ばれる表紙用部材に貼り合わされた上で、内貼り用紙や本文用紙などとともに装丁された冊子中に内在されている。このような非接触型情報媒体を有する非接触型情報媒体付属冊子は通常の冊子のように可視データの記録ができ、電子データの記録も可能である。
このような非接触型情報媒体付属冊子の一事例としては、第1の基材の上面に所定の広さの開口部を一部に有する第2の基材が接着されてなる積層基材の凹部の中に、ICチップとこれに接続されているコイルアンテナが埋設されていると共に、前記第1の基材の下面には接着剤層が設けられてなる非接触型情報媒体が、裏表紙の内面に貼付されてなる非接触型情報媒体付属冊子を挙げることができる(例えば、特許文献1参照。)。
また、一般に流通しているクレジットカードやICカードのように、熱可塑性樹脂からなる基材、例えばPVCやPET−Gなどからなる基材の間にICモジュールやアンテナなどを挟みこみ、強い熱圧をかけることで基材を流動化させて一体化・平滑化してなる非接触型情報媒体を冊子の表または裏の表紙と内貼り用紙の間に接着してなる非接触型情報媒体付属冊子もある。
上記のような構成の非接触型情報媒体付属冊子は、それを製造する場合に剛度が高くなってしまったり、基材と内貼り用紙との接着が不良になることが多い。これらの問題点を解決する手法の一つとして、熱可塑性樹脂からなる基材としてその内部に空隙を有する多孔質樹脂製シートを利用する方法がある。このような多孔質の熱可塑性樹脂シートは、樹脂を発泡させることで得られるものであるために一般に柔らかく、剛度が低く、しかも、空隙を有するために接着剤の浸透が容易である。したがって、非接触型情報媒体に柔軟性を付与できると共に、内貼り用紙との接着性が高くなり、さらには適度な圧力をかけることで凹凸も吸収することも可能となる。
また、上記のような熱可塑性樹脂シートを基材として使用すると、シート自体を熱融着によって接着したり、熱可塑性の接着剤を塗布した後で熱ラミネート方式により接着することにより、非接触型情報媒体付属冊子が効率よく作成できる。
特開2002−42068号公報
しかし、上で述べたような従来の非接触型情報媒体付属冊子は、各部材を接着している接着剤が熱可塑性樹脂からなるものが多く、加熱によっていずれの部材も破壊することなく剥離できてしまう。したがって、熱を加えて、非接触型情報媒体のみを抜き出して別の媒体と取り替えたり、内貼り用紙を剥がし、別の情報が印刷された内貼り用紙(偽造品)と差し替えて行なう偽変造が可能になってしまうという問題があった。
上記のような問題に加え、非接触情報媒体自身が上記の従来技術にあるような熱ラミネート方式で製造されている場合には、基材からICチップやアンテナを分離することも可能になるため、偽変造されたICチップと取り替えられる可能性もある。また、加熱を利用した偽変造は、既存の偽変造防止技術、例えば溶剤発色粒子や偽変造防止印刷、ホログラムなどの技術を活用してもその痕跡を残すことができないため、偽変造に気づきにくいという問題があった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、非接触方式で外部との情報交換が可能な非接触型情報媒体の一方の面には内貼り用紙が、他方の面には表紙用部材がそれぞれ接着剤層を介して少なくとも積層されてなる表紙を少なくとも具備する非接触型情報媒体付属冊子の偽変造防止機能を向上させ、かつ、偽変造品を簡便に判別することができるようにした、非接触型情報媒体付属冊子を提供することにある。
上記課題を達成するためになされ、請求項1に記載の発明は、非接触方式で外部との情報交換が可能な非接触型情報媒体の一方の面には内貼り用紙が、他方の面には表紙用部材がそれぞれ接着剤層を介して少なくとも積層されてなる表紙を少なくとも具備する非接触型情報媒体付属冊子であって、非接触型情報媒体上、内貼り用紙上、あるいは表紙用部材上の少なくとも一箇所には、熱可塑性樹脂と加熱によって膨張する発泡粒子とを含有してなる偽変造防止機能層が設けられていることを特徴とする非接触型情報媒体付属冊子である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の非接触型情報媒体付属冊子において、前記非接型触情報媒体は、ICインレットが少なくとも2枚の外装基材で挟まれて熱圧により積層・一体化されていると共に、その外装基材の少なくとも一方は、その積層面に熱可塑性接着剤層が設けられている多孔質熱可塑性樹脂シートであることを特徴とする。
さらにまた、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の非接触型情報媒体付属冊子において、前記発泡粒子は、その平均粒子径が加熱前は10μm以下であり、100℃〜200℃の範囲で加熱されることで平均粒子径が20μm以上に膨張するものであることを特徴とする。
さらにまた、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の非接触型情報媒体付属冊子において、前記偽変造防止機能層は、非接触型情報媒体上、あるいは内貼り用紙上、あるいは表紙用部材上の少なくとも一箇所に、印刷方式によってパターン状に設けられていることを特徴とする。
さらにまた、請求項5記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の非接触型情報媒体付属冊子において、前記内貼り用紙上または表紙用部材上には図柄が設けられていると共に、それを覆うように偽変造防止機能層が一様に設けられていることを特徴とする。
さらにまた、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の非接触型情報
媒体付属冊子において、前記非接触型情報媒体と内貼り用紙の間、あるいは非接触型情報媒体と表紙用部材の間には、接着剤と熱可塑性樹脂と加熱によって膨張する発泡粒子とを少なくとも含有してなる偽変造防止機能付きの接着剤層が設けられていることを特徴とする。
本発明は以上のような構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、本発明の非接触型情報媒体付属冊子は、熱を利用して偽変造が試みられた場合、冊子の一部に設けられている偽造防止機能層が加えられた熱に反応して膨張することにより偽変造の痕跡がはっきりと残るため、偽変造の有無を的確に判別することができる。
また、非接型触情報媒体が、ICインレットが少なくとも2枚の外装基材で挟まれて熱圧により積層・一体化されていると共に、その外装基材の少なくとも一方が、その積層面に熱可塑性接着剤層が設けられている多孔質熱可塑性樹脂シートである場合には、熱によって分離されて易くなり、熱を利用した偽変造の有無をより的確に判別できる。
さらにまた、発泡粒子を、その平均粒子径が加熱前は10μm以下とし、100℃〜200℃の範囲で加熱されると平均粒子径が20μm以上に膨張するものとすると、偽変造がなされたことの確認が目視や手でより確実に行なえるようになる。
また、前記偽変造防止機能層を、非接触型情報媒体上、あるいは内貼り用紙上、あるいは表紙用部材上の少なくとも一箇所に、印刷方式によってパターン状に設けることにより、偽変造がなされたことをそのパターンの部分の変化を目視または手触りにより的確に判別することができるようになる。
さらに、内貼り用紙上または表紙用部材上に図柄を印刷し、その上を覆うように偽造防止機能層を一様に設けると、加熱を利用した偽変造が試みられた場合、偽変造防止機能層の発泡粒子が膨張して光を拡散させるようになるため白くなり、下地に設けられていた図柄を見え難くすることができる。従って、このような変化により、偽変造の有無を目視で容易に判別することができる。
そしてさらに、非接触型情報媒体と内貼り用紙の間、あるいは非接触型情報媒体と表紙用部材の間には、接着剤と熱可塑性樹脂と加熱によって膨張する発泡粒子とを少なくとも含有してなる偽変造防止機能付きの接着剤層を製造工程を何ら変更することなく設けることができるが、この偽変造防止機能付きの接着剤層の変化によっても偽変造の有無を判別することが可能となる。
本発明の非接触型情報媒体付属冊子の概観を示す説明図である。 非接触ICインレットの平面状態を示す説明図である。 本発明の非接触型情報媒体付属冊子を構成する表紙の概略の断面構成を示す説明図である。 本発明の他の実施形態に係る非接触型情報媒体付属冊子を構成する表紙の概略の断面構成を示す説明図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る非接触型情報媒体付属冊子を構成する表紙の概略の断面構成を示す説明図である。 図5に示す非接触型情報媒体付属冊子を構成する表紙が加熱されて偽変造防止機能層が変化したときの概略の断面状態を示す説明図である。 本発明の非接触型情報媒体付属冊子の概略の斜視状態を示す説明図である。 図7に示す非接触型情報媒体付属冊子が加熱されて偽変造防止機能層が変化したときの概略の斜視状態を示す説明図である。
以下、本発明に係る非接触型情報媒体付属冊子の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
非接触型情報媒体付属冊子2は、図1や図3に示すように、非接触方式で外部との情報交換が可能な非接触型情報媒体10の一方の面には内貼り用紙12が、他方の面には表紙用部材11がそれぞれ接着剤層31、31を介して積層されている表紙1を具備する非接触型情報媒体付属冊子であって、内貼り用紙12上には、熱可塑性樹脂と加熱によって膨張する発泡粒子とを含有してなる偽変造防止機能層15が設けられている。図中、13は非接触型情報媒体付属冊子2の一部を構成する本文用紙13を示している。
非接触方式で外部との情報交換が可能な非接触型情報媒体10は、アンテナシート基材20とICチップ21とアンテナコイル22とから構成されるICインレット23の一方の面と他方の面とを接着剤層33、33を介して外装基材30、30で挟みつけた構成になっている。
図2に示すICインレット23は、アンテナシート基材20上にエッチング方式やワイヤボンディング方式、印刷アンテナ方式などによってアンテナコイル22が形成され、さらにこのアンテナコイル22に、ICチップ21が溶接方式などによって接続されてなるものである。ICチップ21とアンテナコイル22とアンテナシート基材20からなるこのICインレット23は、ICチップ21自身の厚み、アンテナコイル22の厚み、さらにはアンテナシート基材20自体の厚みなどが異なることによって、表面が凹凸になっている。このICインレット23を外装基材30の間に挟んで非接触型情報媒体10に加工する際は、図1にも示すように、これらの凹凸を無くしておくことが望ましい。
外装基材30としては、例えば 、PVC、PET−Gなどの熱可塑性樹脂からなる基材だけではなく、多孔質の熱可塑性樹脂製基材を使用することができる。このような外装基材30の構成材料は一般にインクジェットやオフセットなどに対する印刷適性を付与した樹脂シートや合成紙として市販されているものである。特に、外装基材として、多孔質熱可塑性樹脂製のシートを使用すると、柔軟性のある非接触型情報媒体を得ることが可能となると共に、それと隣接する接着剤層との良好な密着性を得ることができるため、加工性を向上させることが可能となる。
上記したような多孔質熱可塑性樹脂製の外装基材を使用する場合、図3に示すように2枚の外装基材のそれぞれ内側にあたる部分に、あらかじめ熱可塑性の接着剤からなる接着剤層を設けておいてから各部材を積層させ、熱圧をかけて一体化させることで非接触型情報媒体を得ることができる。このときに使用可能な熱可塑性の接着剤としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、エチレン−メタクリル酸共重合体系、ポリエステル系、アクリル系樹脂、ナイロン系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系など、一般的な各種熱可塑性の樹脂を挙げることができる。これらの中では、水分に強く、酸素や塩化物イオンの透過を抑制するような塗膜(接着剤層)を形成できる樹脂、あるいは熱や湿度により劣化せず、接着部分に剥がれを生じさせない接着剤が好ましく使用できる。これらの性能を両立させるために2種類以上の樹脂を混合したものを使用したり、2層に塗り分けて接着剤層を設けるようにしてもよい。
また、後工程での加工性や作業性などを考慮し、塗工が容易で、乾燥後のブロッキングが生じ難く、耐久性の高い、例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体系の水系エマルジ
ョン接着剤にエポキシ系架橋剤を添加したものや、ポリオレフィン系、アクリル系の接着剤なども好ましく用いられる。
一方、一般的にポリエステル系の接着剤は湿気により加水分解が生じる可能性があり、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤は経時劣化し易いので、これらを用いて接着剤層を設けるに当たっては注意が必要である。また、上記の樹脂を使用してエマルジョンやディスパージョンにした水系のヒートシール剤を用いる場合には、それらのヒートシール剤自体がアンテナなどに悪影響を与えないように十分注意をする必要がある。
非接触型情報媒体付属冊子2はこのような構成の非接触型情報媒体10を表紙用部材11と内貼り用紙12との間に挟み込んで接着してなる表紙1を本文用紙13などと共に装丁してなるものである。
このとき非接触型情報媒体10は内貼り用紙12と接着剤層32によって接着されるが、このような接着剤層32を構成する接着剤としては、作業性や環境の側面からも水系のエマルジョン接着剤を使用することが好ましい。
しかし、非接触型情報媒体付属冊子2中の非接触型情報媒体10として、一般のICカードに使われているような外装基材、例えばPVCやPET−Gからなる外装基材を使用して作成したものを用いる場合は、既存の設備および接着剤を用いて内貼り用紙を接着することが難しくなる上、剛性が高いことによる問題が生じ易くなる。したがって、このような問題を起き難くするため、外装基材として多孔質熱可塑性樹脂からなる基材シートを使用することで、様々なタイプの接着剤との良好な密着性を確保し、かつ、凹凸を生じさせずに表紙を得るようにし、延いては、柔軟な非接触型情報媒体付冊子を作成することが好ましい。
このようにして作成される非接触型情報媒体10と、表紙用部材11あるいは内貼り用紙12を接着して表紙1を作成する場合には、体積変化の無い反応硬化型の接着剤を好適に用いることができる。仮に体積変化のある乾燥硬化型の接着剤を使用した場合は、非接触型情報媒体の一部が凹んでいると接着剤の使用量が多くなるために乾燥時の体積減少が大きくなり、表紙用部材の外側に凹みが生じてしまい、外観上の問題となる。このような問題を解決するために用いられる体積変化の無い接着剤としては、例えば、2液混合型エポキシ系接着剤、湿気硬化型シリコン系接着剤、1液硬化型ウレタン系接着剤などを挙げることができる。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系など、各種のホットメルト接着剤なども使用可能である。
前記した接着剤を用いて積層・一体化されなる表紙1は、熱により接着剤層が軟化して剥がされる可能性が高いため、冊子の偽変造を防止するためには何らかの偽変造防止機能を付与しておく必要がある。本発明においては、前記した構成の非接触型情報媒体付冊子2を構成する、非接触型情報媒体10上、内貼り用紙12上、あるいは表紙用部材11上の少なくとも一箇所に、熱可塑性樹脂と加熱によって膨張する発泡粒子を含有してなる偽変造防止機能層を設ける。図1、図3と、図4、図5に示す表紙には、その内貼り用紙上に偽変造防止機能層を設けた例を示している。
偽変造防止機能層中に含まれる加熱によって膨張する発泡粒子として代表的なものは、熱可塑性樹脂からなる外殻に液状ガスを内包している中空の球状粒子であり、加熱された際に外殻の内部のガス圧が増加すると共に熱可塑性樹脂の外殻が軟化して体積が増えるようにしたものを挙げることができる。このような発泡粒子の外殻の構成材料としては、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどを挙げることができる。この発泡粒子は、100度から200度程度の範囲で反応して膨張するものが望ましい。接着剤層を構成する多くの接着剤の軟化温度が100度以上の範囲にあり、多くの基材
や接着剤は200度以上で変形が著しく、場合によっては分解してしまうためである。
このような発泡粒子を用いて偽変造防止機能を付与するためには、上述したように、非接触型情報媒体付属冊子を構成する非接触型情報媒体、内貼り用紙、あるいは表紙用部材の上の少なくとも一箇所に発泡粒子を含有する偽変造防止機能層を設ける必要がある。それには、上述したような発泡粒子をインキ中に分散させ、それを用いて偽変造防止機能層を印刷により形成すればよい。インキのバインダーとしては熱可塑性の樹脂であれば特に問題なく、例えばポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ポリオレフィンなど、通常のインキに使用される樹脂が使用可能である。このようなバインダーに発泡粒子を混合してインキ化を行うが、印刷適性を持たせるためには発泡粒子の平均粒子径は10μm以下程度であることが望ましい。これより粒子が大きいとオフセット印刷やグラビア印刷では印刷が難しくなり、スクリーン印刷でも粒度分布によっては印刷に支障が生じる場合がある。逆に粒子径が小さい場合、印刷適性は持っていても、発泡時の体積変動が小さすぎて偽変造防止の効果が明確に分からなくなるという問題もある。このため、膨張後の平均粒子系は20μm以上あることが望ましい。
このようなインキを用いて印刷によりパターン状に偽変造防止機能層15、45が設けられていると(図1、3、4参照)、偽変造を試みた者が加えた熱により層が膨張するので、目視でも手触りでも熱を加えたことが簡単明瞭に把握できるようになる。
このような偽変造防止機能層の設け方としては、一般のプロセスインキを用いて図柄56を内貼り用紙上に印刷し、それを覆うように全面に偽変造防止機能層55を設ける方法もある。このような構成であると、加熱前の状態では図5に示すように偽変造防止機能層55はその層厚が薄くて、これを介して図柄56が目視で確認することができるが、加熱されて偽変造防止機能層に含まれる発泡粒子が膨張した場合、図6に示すように偽変造防止機能層57が厚くなる。このとき、発泡粒子は中が中空の粒子であるため光を散乱させる効果が強くなり、加熱された後の偽変造防止機能層57は光を散乱して白く見えるようになる。したがって、下に設けられている図柄56が見えにくくなる。この効果を説明したのが図7と図8であり、図7は加熱前に図柄76が見えている状態を、図8は加熱により偽変造防止機能層77が反応し、柄印刷76を見え難くなっている時の状態をそれぞれ表している。
本発明の非接触型情報媒体附属冊子は、その非接触型情報媒体と内貼り用紙や表紙用部材の間の接着剤層中に発泡粒子を混合して偽変造防止機能付きの接着剤層とすることもできる。このような接着剤層は、製造工程の追加や変更することなく、接着剤の変更のみで非接触型情報記録媒体附属冊子中に容易に設けることができ、さらに優れたセキュリティ性が得られるようになる。ただし、偽造品の判定に慣れた者でないと熱に反応した偽変造防止機能層の変化に気づきにくいため運用には注意が必要である。以下、実施例について詳細に説明する。
(ICインレットの作製)
厚さが38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートをアンテナシート基材とし、その両面にアルミニウム蒸着層とマスクパターン層の印刷を行い、しかる後にパターンエッチングを施し、表面にアルミニウムからなるアンテナコイルを、裏面にアルミニウムからなるジャンパ線をそれぞれ形成した。さらに、かしめ接合により、アンテナコイルとジャンパ線を接合し、さらにアンテナコイルの接続端子部にはICチップを溶接した。アンテナコイルの外周は80mm×48mmで、内周は67mm×37mmであった。そして、アンテナコイルの内側を65mm×35mmの大きさで打ち抜いて除去し、さらに、アンテナコイルの外周およびICチップから2mm離れた輪郭部分の外側のアンテナシート基材を打ち抜いて除去し、ICインレットを得た。
(非接触型情報媒体の作製)
厚さが380μmの「TESLINシート」(PPG Industry社製)を準備し、このシートの片面に熱可塑性接着剤からなる厚さが10μmの接着剤層を塗布し、乾燥させた後、150mm×200mmに断裁して2枚の外装基材を得た。
上記のようにして得られた2枚の外装基材の内の一方の上面に上記ICインレットを配置し、スポット加熱により固定した後、ICインレットを挟みつけるようにもう一方の外装基材を積層させ、スポット加熱により固定した。
次に、これを2枚のSUS板に挟み込んで加熱加圧して接着・一体化させ、非接触型情報媒体を得た。加熱加圧条件は、加熱部温度110℃以上160℃以下、圧力5Kgf/cm以上30Kgf/cm以下、処理時間15秒以上120秒以下の間で調整した。
(非接触型情報媒体と表紙用部材との貼り合わせ)
冊子表紙用クロスカバー(Enviromate、ICG/Holliston社製)を非接型情報媒体と同じサイズに断裁し、表紙用部材を得た。そして湿気硬化型ホットメルト接着剤(エスダイン、積水フーラー社製)をヒートロールコータで溶融させながら20g/mの厚さでこの表紙用部材上に塗工し、接着剤層を設けた。そして、接着剤層が塗工された表紙用部材に上記非接触型情報媒体を接着させ、ローラで加圧して貼り合せ、その後エージングした。
(偽変造防止機能層を付与した内貼り用紙の作製)
内貼り用紙として、90g/mの上質紙を準備した。この内貼り用紙の表側に、下記組成の偽変造防止インキを用いスクリーン印刷によって偽変造防止機能層を設けた。
<偽変造防止インキの組成>
発泡粒子(EXPANCEL551−DU、日本フィライト社製) ・・・40重量部
バインダー(印刷メジウム SS8、東洋インキ製造社製) ・・・60重量部
(非接触型情報媒体冊子の作製)
複数枚の本文用紙と一枚の内貼り用紙を丁合いし、中央をミシンで縫うことで内貼り用紙が最外部に取り付けられた本文用紙を作成した。そして、上記工程で得られた、表紙用部材が接着された非接触型情報媒体に水系エマルジョン接着剤(SP−2850、コニシ社製)からなる接着剤層を20g/mの厚みで塗工して設け、上記の内貼り用紙の裏側と接着した。得られた冊子を広げた状態で125mm×180mmに断裁し、本発明に係る、偽変造防止機能層を付与した非接触型情報媒体付属冊子を得た。
(効果の確認)
得られた非接触型情報媒体付属冊子に160℃の熱を加えることで接着剤層を軟化させ、非接触型情報媒体と内貼り用紙の分離を試みた。その際、内貼り用紙の上に形成した偽変造防止機能層が反応し、目視では白く変色し、手触りで膨らんでいることが確認できた。本発明の非接触型情報媒体付属冊子は、このように熱による偽変造が行なわれるとその偽変造跡が残るため、偽変造の有無が容易に判断できることが確認された。
本発明の非接触型情報媒体付属冊子は、熱による偽変造の有無を簡便に判断できるため、既存の非接触型情報媒体付属冊子よりも高いセキュリティ性を備えた冊子として、パスポートや通帳などの偽変造機能を必要とする冊子としての利用が多いに期待できる。
1・・表紙
2・・非接触型情報媒体付属冊子
10、40・・非接触型情報媒体
11、41・・表紙用部材
12、42・・内貼り用紙
13・・本文用紙
15、45、55、57、75、77・・偽変造防止機能層
20・・アンテナシート基材
21・・ICチップ
22・・アンテナコイル
23・・ICインレット
30・・外装基材
31、32、51、52・・接着剤層
56、76・・図柄

Claims (6)

  1. 非接触方式で外部との情報交換が可能な非接触型情報媒体の一方の面には内貼り用紙が、他方の面には表紙用部材がそれぞれ接着剤層を介して少なくとも積層されてなる表紙を少なくとも具備する非接触型情報媒体付属冊子であって、非接触型情報媒体上、内貼り用紙上、あるいは表紙用部材上の少なくとも一箇所には、熱可塑性樹脂と加熱によって膨張する発泡粒子とを含有してなる偽変造防止機能層が設けられていることを特徴とする非接触型情報媒体付属冊子。
  2. 前記非接型触情報媒体は、ICインレットが少なくとも2枚の外装基材で挟まれて熱圧により積層・一体化されていると共に、その外装基材の少なくとも一方は、その積層面に熱可塑性接着剤層が設けられている多孔質熱可塑性樹脂シートであることを特徴とする請求項1記載の非接触型情報媒体付属冊子。
  3. 前記発泡粒子は、その平均粒子径が加熱前は10μm以下であり、100℃〜200℃の範囲で加熱されることで平均粒子径が20μm以上に膨張するものであることを特徴とする請求項1または2記載の非接触型情報媒体付属冊子。
  4. 前記偽変造防止機能層は、非接触型情報媒体上、あるいは内貼り用紙上、あるいは表紙用部材上の少なくとも一箇所に、印刷方式によってパターン状に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非接触型情報媒体付属冊子。
  5. 前記内貼り用紙上または表紙用部材上には図柄が設けられていると共に、それを覆うように偽変造防止機能層が一様に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非接触型情報媒体付属冊子。
  6. 前記非接触型情報媒体と内貼り用紙の間、あるいは非接触型情報媒体と表紙用部材の間には、接着剤と熱可塑性樹脂と加熱によって膨張する発泡粒子とを少なくとも含有してなる偽変造防止機能付きの接着剤層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の非接触型情報媒体付属冊子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013089015A (ja) * 2011-10-18 2013-05-13 Toppan Printing Co Ltd 非接触型情報媒体および非接触型情報媒体付属冊子

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