JPH0995646A - シリカ系被膜形成用コーティング組成物およびシリカ系被膜付基材 - Google Patents

シリカ系被膜形成用コーティング組成物およびシリカ系被膜付基材

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JPH0995646A
JPH0995646A JP25160195A JP25160195A JPH0995646A JP H0995646 A JPH0995646 A JP H0995646A JP 25160195 A JP25160195 A JP 25160195A JP 25160195 A JP25160195 A JP 25160195A JP H0995646 A JPH0995646 A JP H0995646A
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coating
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島 昭 中
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松 通 郎 小
Yoshinori Egami
上 美 紀 江
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 特定の繰返し単位を有する1種または2
種以上のポリシラザンと、ホウ素化合物とを反応させて
得られる改質ポリシラザンを含有するシリカ系被膜形成
用コーティング組成物、および該コーティング組成物を
用いて形成されたシリカ系被膜付基材。 【効果】 上記コーティング組成物を基板上に塗布して
得られた塗膜を乾燥・焼成すると、残留ストレスが小さ
く被塗布面の凹凸が高度に平坦化された被膜付基材が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、シリカ系被膜形成用コー
ティング組成物およびシリカ系被膜付基材に関し、さら
に詳しくは、残留するストレスが小さく、かつ緻密で耐
クラック性に優れ、しかも被塗布面の凹凸を高度に平坦
化できるシリカ系被膜を形成できるシリカ系被膜形成用
コーティング組成物と、上記のような特徴を有するシリ
カ系被膜が形成された被膜付基材に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、シリカ系被膜は、様々
な分野で用いられている。たとえば、半導体装置では、
半導体基板とアルミニウム配線層などの金属配線層との
間や、あるいは金属配線層間に、絶縁膜として用いられ
ている。さらに半導体基板上に設けられているPN接合
半導体、およびコンデンサー素子、抵抗素子などの各種
素子の保護膜としても利用されている。
【0003】また、半導体基板上に金属配線層などを設
けると、金属配線層などによって半導体基板上に凹凸が
生じる。この凹凸面上にさらに金属配線層などを形成し
ようとしても、凹凸段差で断線が生じることがある。こ
のため、上記のようにシリカ系絶縁膜を金属配線層およ
び各種素子によって生じた凹凸面に形成することで平坦
化する役割も果たしている。
【0004】上記のような分野で用いられているシリカ
系被膜は、一般にCVD法、スパッタリング法などの気
相成長法またはシリカ系被膜形成用コーティング組成物
を用いてシリカ系被膜を形成する塗布法によって基板上
に形成されている。
【0005】このうち、気相成長法によってシリカ系被
膜を形成する方法は、手間がかかるとともに大きな設備
が必要であり、また、凹凸面上にシリカ系被膜を形成し
た場合には、シリカ系被膜によって該凹凸面を平坦化す
ることができない。
【0006】これに対して、塗布法によってシリカ系被
膜を形成すると上記のような問題点が解決できるため、
近年、塗布法によってシリカ系被膜を形成することが広
く行われている。
【0007】このようなシリカ系被膜を形成するための
塗布液としては、アルコキシシランやハロゲン化シラン
などの部分加水分解物からなる塗布液が挙げられる。近
年、半導体基板上の多層配線層の配線段差が大きくなっ
てきたことから、これを平坦化するためには膜厚を厚く
せざるを得ない。ところが、上記のような従来のシリカ
系被膜は厚膜化が困難であった。
【0008】これに対し、シクロシラザン重合物または
ポリシラザンを含有してなるシリカ系被膜形成用塗布液
を用いてシリカ系被膜を形成すれば厚膜化が可能であり
緻密で平坦性の良好な絶縁膜を形成することができる。
しかし、厚膜化に伴い、Si−N結合やSi−R結合を
酸化してSi−O結合とするときに被膜の収縮ストレス
が残留し、このために得られるシリカ系被膜にクラッ
ク、ボイドが発生することがあった。。例えば、アルミ
ニウム配線層の上に従来のシリカ系被膜を形成した場
合、配線のストレスマイグレーションによる断線が起こ
ったり、ウエハーの反りが発生するなどの問題点は依然
残っていた。
【0009】本発明者らは、上記の問題点を解決するた
めに種々の検討の結果、ポリシラザンと特定のホウ素化
合物を反応させて得られる特定の改質ポリシラザンを含
む組成物を用いてシリカ系被膜を形成すれば、厚膜化し
ても残留ストレスが低く、平坦性、緻密性に優れたシリ
カ系被膜が得られることを見出した。
【0010】なお、特開平6−326082号公報に
は、ボロシラザンポリマーを含む塗布液を用いて電子基
板にボロシリケート被膜を形成する方法が開示されてい
るが、被膜の残留ストレスを低くするための方法につい
ては記載されていない。
【0011】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術におけ
る問題点を解決しようとするものであって、被膜の残留
ストレスが小さく、しかも被塗布面との密着性、機械的
強度、耐アルカリ性などの耐薬品性を有し、かつ緻密で
耐クラック性に優れ、被塗布面の凹凸を高度に平坦化し
得うるような膜厚を有するシリカ系被膜を得ることがで
きるシリカ系被膜形成用コーティング組成物と、基材と
この上に上記のシリカ被膜が形成されたシリカ系被膜付
基材を提供するものである。
【0012】
【発明の概要】本発明に係るシリカ系被膜形成用コーテ
ィング組成物は、下記一般式[I]で表される繰り返し
単位を有する1種または2種以上のポリシラザンと、
【0013】
【化2】
【0014】(式中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ
独立して、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、
アリール基から選ばれる基である。) 下記一般式[II]で表されるホウ素化合物とを反応させ
て得られる改質ポリシラザンを含有することを特徴とす
る。
【0015】 R4 n B(OR5 3-n …[II] (式中、R4 は、水素原子または炭素数1〜8のアルキ
ル基、アリール基から選ばれる基であり、R5 は水素原
子または炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキ
ル基およびアシル基から選ばれる基であり、nは、0〜
2である。) 本発明に係るシリカ系被膜形成用コーティング組成物で
は、前記改質ポリシラザン中に、ホウ素原子の重量が全
改質ポリシラザンに対して0.1〜20重量%となる量
で、上記ホウ素化合物が含有されていることを特徴とす
る。また前記改質ポリシラザンの15N−NMRスペクト
ルの、ケミカルシフト60〜90ppmの範囲で観測され
るピーク面積の合計が、ケミカルシフト10〜90ppm
の範囲で観測されるピーク面積の合計の20%以下であ
ることが好ましく、さらに、前記改質ポリシラザンが、
ゲルクロマトグラフィー法で測定されるポリスチレン換
算数平均分子量が1000〜10000であり、分子量
700以下の改質ポリシラザンのピーク面積の合計が、
全改質ポリシラザンのピーク面積の合計に対して10%
以下で、かつ分散度(重量平均分子量/数平均分子量)
が3.5以下であることが好ましい。
【0016】また、本発明に係るシリカ系被膜付基材
は、基材と、その上に形成されている残留ストレスが 2
×109 dyne/cm2未満であるシリカ系被膜とからなること
を特徴としている。
【0017】
【発明の具体的な説明】以下、本発明に係るシリカ系被
膜形成用コーティング組成物およびシリカ系被膜付基材
について具体的に説明する。 〈シリカ系被膜形成用コーティング組成物〉本発明に係
るシリカ系被膜形成用コーティング組成物は、下記一般
式[I]で表される繰り返し単位を有する1種または2
種以上のポリシラザンと、
【0018】
【化3】
【0019】(式中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ
独立して、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、
アリール基から選ばれる基である。) 下記一般式[II]で表されるホウ素化合物とを反応させ
て得られる改質ポリシラザンを含有している。
【0020】 R4 n B(OR5 3-n …[II] (式中、R4 は、水素原子または炭素数1〜8のアルキ
ル基、アリール基から選ばれる基であり、R5 は水素原
子または炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキ
ル基およびアシル基から選ばれる基であり、nは、0〜
2である。) 一般式[I]中のR1 、R2 およびR3 は、アルキル基
としてはメチル基、エチル基およびプロピル基から選ば
れる一種が好ましく、特に、R1 、R2 およびR3 がい
ずれも水素原子である場合が好ましい。この場合には、
後述する改質ポリシラザンを焼成してシリカ系被膜を形
成する際、分解するアルキル基、アリール基などがない
ので、膜の収縮が少く、得られる膜の残留ストレスがさ
らに小さくなり、その結果としてクラックのない被膜が
得られる。
【0021】また、上記一般式[I]で表される繰返し
単位を有するボリシラザンは、直鎖状であっても環状で
あってもよく、直鎖状ポリシラザンと環状ポリシラザン
を混合して使用してもよい。
【0022】一般式[I]で表されるポリシラザンの15
N−NMRスペクトルにおいては、ケミカルシフト10
〜60ppmの範囲にピークが観測されるが、10〜33p
pmの範囲のピーク面積の合計が10〜60ppmの範囲の
ピーク面積の合計の30%以下であることが好ましい。
【0023】なお、本発明の15N−NMRスペクトルの
測定は、ヘキサメチルシラザンを測定用基準物質とし、
この物質のスペクトルのピークのケミカルシフトを28
ppmとした。
【0024】さらに、上記のポリシラザンのSi/N比
は、1.00〜1.30であることが好ましい。一般式
[II]中のR4は水素原子、メチル基、エチル基および
プロピル基から選ばれる一種が好ましく、R5はメチル
基、エチル基およびプロピル基から選ばれる一種が好ま
しい。
【0025】具体的な例としては、ジヒドロキシメトキ
シボラン、ヒドロキシジメトキシボラン、ジメチルメト
キシボラン、メチルジメトキシボラン、トリメトキシボ
ラン、エチルジメトキシボラン、ジエチルメトキシボラ
ン、トリエトキシボラン、エチルジエトキシボラン、ジ
エチルエトキシボラン、プロピルジメトキシボランなど
が挙げられる。この中では、特にトリメトキシボラン、
トリエトキシボランが好ましい。
【0026】本発明の改質ポリシラザンの製造方法とし
ては、例えば、上記ポリシラザンとホウ素化合物の所定
量を有機溶媒に溶解し反応させる方法が挙げられる。反
応温度は0〜200℃、好ましくは100〜200℃で
ある。この結果、ポリシラザンのN架橋部分とホウ素化
合物のアルコキシ基が反応し改質ポリシラザンが得られ
ると考えられる。
【0027】このような改質ポリシラザンのホウ素化合
物の含有量は、ホウ素化合物のホウ素原子の重量が全改
質ポリシラザンの0.1〜20重量%となる量であり、
好ましくは1〜10重量%でとなる量である。0.1重
量%未満では得られる被膜の残留ストレスが小さくなら
ないことがあり、一方20重量%を超えると成膜性が悪
くなり膜厚を厚くした場合に緻密な被膜が得られないこ
とがある。
【0028】上記の方法で得られる改質ポリシラザンの
15N−NMRスペクトルを測定すると、ケミカルシフト
10〜90ppmの範囲にピークが観測される。本発明に
おいては、このうち60〜90ppmの範囲のピーク面積
の合計が少ないほど残留ストレスの小さい被膜が得られ
る。すなわち、ケミカルシフト60〜90ppmの範囲の
ピーク面積の合計が10〜90ppmの範囲のピーク面積
の合計の20%以下であることが好ましい。
【0029】このような改質ポリシラザンの分子量は、
ゲルクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算の数
平均分子量で1000〜10000であり、かつ分子量
700以下の改質ポリシラザンのピーク面積の合計が、
全改質ポリシラザンのピーク面積の合計に対して10%
以下であり、しかも、分散度(重量平均分子量/数平均
分子量)が3.5以下であることが好ましい。
【0030】このような、分子量分布の改質ポリシラザ
ンを用いれば、平坦性に優れた被膜を形成することがで
きる。本発明に係るシリカ系被膜形成用コーティング組
成物は、好ましくは、上記改質ポリシラザンを固形分濃
度が3〜40重量%になるように有機溶媒に溶解するこ
とによって調製される。この場合に用いられる有機溶媒
としては、改質ポリシラザンを分散または溶解し、塗布
液に流動性を付与するものであれば特に制限はないが、
具体的には、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の
炭化水素類、エチルエーテル、エチルブチルエーテル、
ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等
のエーテル類、酢酸シクロヘキシル等のエステル類が挙
げられる。これらの有機溶媒は単独でもしくは2種以上
を混合して用いられる。
【0031】また、本発明に係るシリカ系被膜形成用コ
ーティング組成物に用いられる上記有機溶媒としては、
水の溶解度が0.5重量%以下であることが好ましい。
このような有機溶媒を塗布液に用いることにより、塗布
液中の改質ポリシラザンなどの加水分解を防ぐことが可
能であり、これによりポットライフの長いシリカ系被膜
形成用コーティング組成物が得られる。 〈シリカ系被膜付基材〉本発明に係るシリカ系被膜付基
材は、残留ストレスが2×109dyne/cm2未満、好まし
くは1×109dyne/cm2未満のシリカ系被膜が表面に形
成されている。シリカ系被膜の残留ストレスが2×10
9dyne/cm2未満であれば、乾燥時あるいは加熱時のクラ
ック発生もほとんどなく緻密性に優れた被膜が得られ
る。
【0032】また、膜厚は通常0.05〜2μm,好ま
しくは0.1〜1μmである。このようなストレスの小
さい被膜は、たとえば上記の本発明に係るシリカ系被膜
形成用コーティング組成物を用いて形成することができ
る。上記のシリカ系被膜形成用コーティング組成物を目
的に応じて金属板や、種々の素子等が実装された基板等
の被塗布面に、スプレー法、スピンコート法、ディッピ
ング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、転写印刷
法などの各種方法で塗布し、次いで得られた塗膜を乾燥
後、空気中での焼成等の加熱硬化処理により得ることが
できる。なお、塗膜の加熱硬化処理に際して、加湿雰囲
気またはアンモニア雰囲気中での硬化処理、紫外線また
は電子線照射による硬化処理を併用してもよい。
【0033】このようなシリカ系被膜付基材としては、
たとえば、半導体基板と金属配線層の間の絶縁膜や、半
導体基板上に設けられたPN接合半導体、コンデンサー
素子、抵抗素子などの各種素子などの保護膜としてシリ
カ系被膜が形成ざれた半導体装置、さらには多層配線構
造を有するLSI素子およびプリント回路基板、ハイブ
リッドIC,アルミナ基板などの電子部品、三層レジス
トなどが挙げられる。
【0034】さらに、透明電極板の透明基板とITO膜
との間に、さらに透明電極上に配向膜を有する透明電極
板の透明電極と配向膜の間にシリカ系被膜が形成された
液晶表示装置、また、電極板の画素電極上および対向電
極板のカラーフィルター上にシリカ系被膜が形成された
カラー液晶表示装置における液晶表示セルが挙げられ
る。
【0035】
【発明の効果】本発明に係るシリカ系被膜形成用コーテ
ィング組成物を用いれば、被膜の残留ストレスが小さ
く、被塗布面との密着性、機械的強度、耐アルカリ性な
どの耐薬品性を有し、かつ緻密で耐クラック性に優れ、
しかも被塗布面の凹凸を高度に平坦化し得うるような膜
厚を有するシリカ系被膜を得ることができる。
【0036】本発明に係るシリカ系被膜付基材は、残留
ストレスが小さいシリカ系被膜がその表面に形成されて
いる。そのため、ストレスに起因する被膜のクラックの
発生がなく、ボイドもほとんどなく、緻密で各種基板と
の密着性に優れ、被塗布面の凹凸が高度に平坦化された
被膜付基材である。したがって、このようなシリカ系被
膜付基材を用いれば、ストレスマイグレーションによる
断線の発生やウエハーの反りを防止した半導体装置等が
得られる。
【0037】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0038】
【製造実施例】
1)ポリシラザンAの合成 特公昭63−16325号公報記載の製造法に準じて次
のような製造法でポリシラザンAを合成した。
【0039】温度が0℃の恒温槽内に設置した反応器内
にピリジン600mlをいれ、攪拌しながらジクロロシ
ラン28.3gを加えて錯体(ピリジンアダクツ)を形
成させた。次いでこのピリジンアダクツを含む液中にア
ンモニアを2時間吹き込んで沈澱を生じさせた。この沈
澱を濾過して除去した後、濾液を80℃で5時間加熱
し、次いで減圧して濾液からキピリジンを除去すること
により、反応器内に樹脂状のポリシラザンを得た。この
ポリシラザンをキシレンに溶解して、数平均分子量14
00、濃度20重量%のポリシラザンAを得た。
【0040】2)ポリシラザンBの合成 ポリシラザンAの合成法と同様に、温度が0℃の恒温槽
内に設置した反応器内にピリジン600mlをいれ、攪
拌しながらジクロロシラン28.3gを加えて錯体(ピ
リジンアダクツ)を形成させた。次いでこのピリジンア
ダクツを含む液中にアンモニアを2時間吹き込んで沈澱
を生じさせた。この沈澱を濾過して除去した後、濾液を
80℃で12時間加熱し、次いで減圧して濾液からピリ
ジンを除去することにより、反応器内に樹脂状のポリシ
ラザンを得た。このポリシラザンをキシレンに溶解し
て、数平均分子量2000、濃度20重量%のポリシラ
ザンBを得た。
【0041】3)ポリシラザンCの合成 塩化メチレン300mlを入れた1リットルの四つ口フ
ラスコを−5℃に冷却した。次いでこの四つ口フラスコ
内にメチルジクロロシラン34.2gを加え、攪拌しな
がらさらにアンモニアを2時間吹き込んで液中に沈澱を
生じさせた。この沈澱を濾過して除去した後、濾液を減
圧して濾液から塩化メチレンを除去することにより、樹
脂状のポリシラザンを得た。このポリシラザンをキシレ
ンに溶解して、数平均分子量500、濃度20重量%の
ポリシラザンCを得た。
【0042】4)ポリシラザンDの合成 ポリシラザンAの合成法と同様に、温度が0℃の恒温槽
内に設置した反応器内にピリジン600mlを入れ、攪
拌しながらジクロロシラン28.3gを加えて錯体(ピ
リジンアダクツ)を形成させた。次いでこのピリジンア
ダクツを含む液中にアンモニアを2時間吹き込んで沈澱
を生じさせた。この沈澱を濾過して除去した後、濾液を
80℃で2時間加熱し、次いで減圧して濾液からピリジ
ンを除去することにより、反応器内に樹脂状のポリシラ
ザンを得た。このポリシラザンをキシレンに溶解して、
数平均分子量が1000、濃度20重量%のポリシラザ
ンDを得た。
【0043】上記のポリシラザンA、B、C、Dの元素
分析結果およびゲルクロマトグラフィーによる分子量解
析データ、15N−NMRスペクトルデータを表1に示し
た。なおこれらの分子量は、ゲルクロマトグラフ法で測
定したポリスチレン換算値である。
【0044】
【表1】
【0045】
【実施例1】ポリシラザンA100gにトリメトキシボ
ラン20g(モル比で1/6.7)を加え、50℃で1
時間反応させた。この反応液をピリジンで5重量%に希
釈し、耐圧反応装置内に充填し、120℃で10時間加
熱重合を行った。ついでピリジンを減圧蒸留によって除
去することにより樹脂状の改質ポリシラザンEを得た。
得られた改質ポリシラザンEの分子量データを表2に示
した。
【0046】上記のようにして得られた樹脂状改質ポリ
シラザンEをキシレンに溶解し、固形分濃度が20重量
%であるシリカ系被膜形成用コーティング組成物を得
た。このシリカ系被膜形成用コーティング組成物を、6
インチウエファーに形成された半導体基板上にスピンコ
ート法で塗布した。得られた塗膜を250℃で2分間乾
燥した後、空気中において、400℃で1時間焼成し、
シリカ系被膜付基材としての半導体装置を得た。
【0047】上記の半導体装置について以下の各項目の
評価を行った。 シリカ系被膜のストレス:薄膜ストレス測定装置(サイ
エンティフィックメジャメント システム社製)により
測定した。
【0048】ストレス起因クラック:基材断面の走査型
電子顕微鏡写真を観察した。 ストレスマイグレーション:配線層の断線の有無を確認
した。 エッチングレート:HF・NH4F系バッファードフッ酸に基
材を浸漬し、浸漬前後の被膜の厚さの差を求めエッチン
グレートとした。
【0049】平坦性:基材断面の走査型電子顕微鏡写真
を観察した。 これらの結果について表3に示した。
【0050】
【実施例2】ポリシラザンB100gにトリメトキシボ
ラン50g(モル比で1/16.8)を加え、50℃で
2時間反応させた。実施例1と同様にピリジンで5重量
%に希釈し、耐圧反応装置内で100℃で10時間加熱
重合を行い、減圧蒸留でピリジンを除去して、改質ポリ
シラザンFを得た。得られた改質ポリシラザンFの分子
量データを表2に示した。
【0051】上記のようにして得られた樹脂状改質ポリ
シラザンを酢酸シクロヘキシルに溶解し、固形分濃度が
20重量%であるシリカ系被膜形成用コーティング組成
物を得た。
【0052】実施例1と同様に半導体基板上に塗布・焼
成し、シリカ系被膜付基材としての半導体装置を得た。
上記の半導体装置について実施例1と同様に評価を行い
その結果を表3に示した。
【0053】
【実施例3】ポリシラザンC100gにトリエトキシボ
ラン50g(モル比で1/8.6)を加え、50℃で5
時間反応させた。実施例1と同様にピリジンで5重量%
に希釈し、耐圧反応装置内で100℃で20時間加熱重
合を行い、減圧蒸留でピリジンを除去して、改質ポリシ
ラザンGを得た。得られた改質ポリシラザンGの分子量
データを表2に示した。
【0054】上記のようにして得られた樹脂状改質ポリ
シラザンを酢酸シクロヘキシルに溶解し、固形分濃度が
20重量%であるシリカ系被膜形成用コーティング組成
物を得た。
【0055】実施例1と同様に半導体基板上に塗布・焼
成することによりシリカ系被膜付基材としての半導体装
置を得た。上記の半導体装置について実施例1と同様に
評価を行いその結果を表3に示した。
【0056】
【比較例1】ポリシラザンD100gをピリジンで5重
量%に希釈し、耐圧反応装置内で80℃で5時間加熱重
合を行った。実施例1と同様にしてピリジンを除去し、
ポリシラザンHを得た。得られたポリシラザンHの分子
量データを表2に示した。
【0057】上記のようにして得られた樹脂状ポリシラ
ザンをキシレンに溶解し、固形分濃度が20重量%であ
るシリカ系被膜形成用コーティング組成物を得た。実施
例1と同様に半導体基板上に塗布・焼成することにより
シリカ系被膜付基材としての半導体装置を得た。
【0058】上記の半導体装置について実施例1と同様
に評価を行いその結果を表3に示した。
【0059】
【比較例2】ポリシラザンD100gにトリメトキシボ
ラン50g(モル比で1/16.8)を加え、50℃で
2時間反応させた。実施例1と同様にピリジンで5重量
%に希釈し、耐圧反応装置内で100℃で10時間加熱
重合を行い、減圧蒸留でピリジンを除去して、改質ポリ
シラザンIを得た。得られた改質ポリシラザンIの分子
量データを表2に示す。
【0060】上記のようにして得られた樹脂状改質ポリ
シラザンを酢酸シクロヘキシルに溶解し、固形分濃度が
20重量%であるシリカ系被膜形成用コーティング組成
物を得た。
【0061】実施例1と同様に半導体基板上に塗布・焼
成し、シリカ系被膜付基材としての半導体装置を得た。
上記の半導体装置について実施例1と同様に評価を行い
その結果を表3に示した。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式[I]で表される繰り返し単位
    を有する1種または2種以上のポリシラザンと、 【化1】 (式中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立して、水
    素原子または炭素数1〜8のアルキル基、アリール基か
    ら選ばれる基である。) 下記一般式[II]で表されるホウ素化合物とを反応させ
    て得られる改質ポリシラザンを含有することを特徴とす
    るシリカ系被膜形成用コーティング組成物。 R4 n B(OR5 3-n …[II] (式中、R4 は、水素原子または炭素数1〜8のアルキ
    ル基、アリール基から選ばれる基であり、R5 は水素原
    子または炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキ
    ル基およびアシル基から選ばれる基であり、nは、0〜
    2である。)
  2. 【請求項2】前記改質ポリシラザンに、ホウ素原子の重
    量が全改質ポリシラザンに対して0.1〜20重量%と
    なる量で、ホウ素化合物が含有されていることを特徴と
    する請求項1記載のシリカ系被膜形成用コーティング組
    成物。
  3. 【請求項3】前記改質ポリシラザンの15N−NMRスペ
    クトルの、ケミカルシフト60〜90ppmの範囲で観測
    されるピーク面積の合計が、ケミカルシフト10〜90
    ppmの範囲で観測されるピーク面積の合計の20%以下
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項2記載の
    シリカ系被膜形成用コーティング組成物。
  4. 【請求項4】前記改質ポリシラザンが、ゲルクロマトグ
    ラフィー法で測定されるポリスチレン換算数平均分子量
    が、1000〜10000であり、分子量700以下の
    改質ポリシラザンのピーク面積の合計が、全改質ポリシ
    ラザンのピーク面積の合計に対して10%以下で、かつ
    分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が3.5以下
    であること特徴とする請求項1ないし請求項3記載のシ
    リカ系被膜形成用コーティング組成物。
  5. 【請求項5】基材と、その上に残留ストレスが2×10
    9dyne/cm2未満のシリカ系被膜が形成されていることを
    特徴とするシリカ系被膜付基材。
  6. 【請求項6】前記シリカ系被膜が請求項1ないし請求項
    4記載のシリカ系被膜形成用コーティング組成物により
    形成されていることを特徴とする請求項5記載のシリカ
    系被膜付基材。
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KR101056838B1 (ko) * 2010-10-15 2011-08-12 테크노세미켐 주식회사 폴리실라잔 용액 및 이의 제조방법
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