JPH0992883A - 半導体ウェハ、半導体素子、その製造方法及び半導体素子の製造に用いる成長装置 - Google Patents

半導体ウェハ、半導体素子、その製造方法及び半導体素子の製造に用いる成長装置

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JPH0992883A
JPH0992883A JP25040195A JP25040195A JPH0992883A JP H0992883 A JPH0992883 A JP H0992883A JP 25040195 A JP25040195 A JP 25040195A JP 25040195 A JP25040195 A JP 25040195A JP H0992883 A JPH0992883 A JP H0992883A
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thin film
semiconductor thin
semiconductor
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resistance heating
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Joshi Nishio
譲司 西尾
Hidetoshi Fujimoto
英俊 藤本
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発光ダイオードの発光効率を高く、半導体レ
ーザのしきい値を低くできる半導体素子及び、その製造
のために高温の均一加熱を安定して行える気相成長装置
であって、かつ抵抗加熱体の寿命が飛躍的に伸ばせる。 【構成】 サセプタ上に設置された基板を加熱する抵抗
加熱体の導電部の隙間に少なくとも2分割以上の絶縁体
が接触挿入されていることを特徴とする。また、このよ
うな装置を用いて半導体薄膜中の炭素濃度を成長方向に
低くなるように分布させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウェハ、発行ダ
イオード、半導体レーザなどの半導体素子その製造方法
及びその製造に用いる成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機金属気相成長法によって得られる半
導体薄膜中には、多量の炭素不純物が混入しており、非
発光再結合中心の形成、添加元素の電気的活性化率の低
下、電極のオーム性悪化などの要因と考えられている。
例えば窒化ガリウム薄膜中では、炭素濃度が高い場合、
電極において良好なオーム特性が得られないことが大き
な問題である。炭素濃度が低い場合には、電極において
良好なオーム特性が得られないことが大きな問題であ
る。炭素濃度が低い場合には、電極において良好なオー
ム特性が得られるものの、フォトルミネッセンス法に基
づく測定では、深い順位に関する発光が主となり、バン
ド端発光強度が大きく低下する。従って、窒化ガリウム
薄膜を層状に構成したものを用いて製造される半導体発
行素子では、炭素濃度に対する明確な制御指針が無く、
発光ダイオードでは発光効率、半導体レーザーでは発振
しきい値特性の向上を望めない状況であった。
【0003】また、上述のような半導体素子の製造に用
いる成長装置において、抵抗加熱体から基板への輻射熱
伝達によってサセプタの温度を上昇させ、かつ、その上
に設置される基板上での温度むらをできる限り小さくす
るためには、抵抗加熱体とサセプタとの距離をなるべく
長く設定する必要がある。従って、熱効率が非常に悪
く、基板の表面で高温状態を保持するためには、加熱体
の温度を基板の温度に比べて遥かに高く保つ必要があ
る。また、反応性気体が抵抗加熱体に接触すると、抵抗
加熱体の寿命を縮めてしまう。抵抗加熱体は反応性気体
によって表面から劣化し、導電部の断面積が小さくなっ
ていく。いったん断面積が小さくなった導電部は、同じ
供給電流においても、より発熱するようになり、部分的
な劣化が加速される。その結果、抵抗加熱体の発熱分布
が変化し、基板上での温度むらを増大させ、気相成長さ
せる半導体薄膜の膜質及び基板面内均質性、膜厚の均一
性を損なう結果になる。これを避けるために、セラミッ
クス材料などの薄膜によって抵抗加熱体の表面を覆う、
あるいは加熱体材質と反応しない気体をサセプタと抵抗
加熱体との間に流し、原料などの反応性気体が、抵抗加
熱体に接触するのを防ぐなどの対策がなされてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上説明の従来の半導
体素子では発光効率が十分大きくない、あるいはレーザ
発振のためのしきい値が高いなどの課題があった。ま
た、半導体として例えば窒化ガリウムを用いた発光素子
の製造に用いる成長装置では、高温(1000℃以上)
の均一な加熱ができないという課題があった。また、抵
抗加熱体の表面をセラミックス材料などの薄膜によって
被覆する対策は、発熱体の材料と被覆薄膜材料との熱膨
脹率の違いによって被覆薄膜に亀裂が生じるために効果
がほとんど無かった。加熱体材質と反応しない気体をサ
セプタと抵抗加熱体との間に流す方法をもってしても、
高温(1000℃以上)では劣化速度が無視できず、安
定して再現性良く半導体薄膜を形成することができない
という課題があった。
【0005】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、高効率の発光ダイオー
ドあるいは低しきい値で発振するレーザ、を得ることが
でき、さらにその要素となる半導体薄膜の成長において
高温の均一加熱を安定して行える成長装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、有機金
属気相成長法により得られる少なくとも2種以上の異な
る半導体薄膜によって層構造を形成し、次いで当該層構
造を用いて製造される半導体素子において、前記半導体
薄膜の内の少なくとも1層における炭素濃度が前記半導
体薄膜の成長方向に低くなるように分布させることにあ
る。また、この手段として、半導体薄膜を形成する気相
成長装置において、サセプタ上に設置された基板を加熱
する抵抗加熱体の導電部の隙間に、絶縁体を接触挿入す
ることにより構成することを特徴とする。
【0007】
【作用】有機金属を原料に用いる気相成長法により成長
される半導体薄膜中の炭素は、一般に、有機金属が熱分
解し、半導体薄膜が成長する際に当該半導体薄膜中に取
り込まれると考えられている。例えば窒化ガリウム薄膜
中には窒素の空格子点が多く存在しており、深いドナー
性準位を形成すると考えられている。先に述べた炭素
は、浅いアクセプター準位を形成すると考えられてお
り、同時に存在することによって深いドナー性準位を補
償するため実質的に深いドナー性準位の濃度を低下させ
る効果がある。しかしながら、n層の電極特性を良好な
オーム性とするためには、少なくともn層の表面におい
て十分なドナー濃度が必要になるため、アクセプターと
なる炭素濃度を低下させなければならないことが本発明
者らの実験結果上明らかになっている。しかし、単に炭
素濃度をある特定の濃度に制御しても2つの独立で、か
つ相反する問題を解決できない。同時にこの問題を解決
するためには、電極を形成する表面では炭素濃度を低
く、基板に近い部分では高く分布するという本発明の構
成が不可欠となる。いかにこのような構成を実現するか
が次なる課題となるわけであるが、これに対し本発明者
らは、種々の条件で成長した窒化ガリウム薄膜の厚さ方
向に炭素濃度を分析した。その結果、窒化ガリウム薄膜
中の炭素分布は、抵抗加熱体の仕様回数により変化する
ことがわかった。すなわち、半導体薄膜の厚さ方向の炭
素濃度分布を生じさせる原因(炭素源)は、抵抗加熱体
の劣化と深く関連していると推定された。
【0008】そこで、次に抵抗加熱体の劣化の様子に付
き詳細検討を行った。加熱体材質と反応しない気体をサ
セプタと抵抗加熱体との間に流し、原料などの反応性気
体が、抵抗加熱体に接触するのを防ぐ構成を取った場
合、抵抗加熱体の劣化の主な原因は、抵抗加熱体の材質
それ自身の気化によるものと、抵抗加熱体表面に吸着し
ていた酸素あるいは水分による酸化とその反応物(主に
一酸化炭素)の発生のためであることが判明した。ま
た、抵抗加熱体材質と反応しない気体(以下パージガス
と呼ぶ)をサセプタと抵抗加熱体との間に流すことは、
原料などの反応性気体を抵抗加熱体に接触させない効果
は確かにあるものの点抵抗加熱体の表面で発生した抵抗
加熱体の材質それ自身の気化物や酸化物の気体を表面に
止まるのを防ぐ働きをしていることが明らかになった。
すなわち、表面で発生した気体は吹き飛ばされてしまう
ために、どんどん抵抗加熱体からの気化が進み、劣化が
加速されるということである。このように劣化が進むこ
とによって炭素の混入は継続的に起こり、成長する半導
体薄膜の成長方向に減少させることはできないことが分
かった。本発明では、抵抗加熱体の導電部の隙間に絶縁
体を接触挿入することによって劣化を防ぐことができ、
加熱開始初期の段階で発生する炭素あるいは一酸化炭素
自身によってそれ以上の断続的な炭素あるいは一酸化炭
素の発生が抑制されるために成長する半導体薄膜の成長
方向に減少させることが可能になる。更に、絶縁体を接
触挿入することによって、抵抗加熱体の温度分布を小さ
くできるので、サセプタあるいはその上に設置される基
板上の温度むらを小さく保ったまま、抵抗加熱体とサセ
プタとの距離を縮小することができるので、熱効率を上
げられる。その結果、抵抗加熱体自身の発熱量を低く設
定できるので劣化も更に無視できる程度になる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の詳細を図示の実施例によって
説明する。図1は、一実施例の気相成長装置の中の抵抗
加熱体付近の概略構成を示す。1はグラファイト製の抵
抗加熱体であり、渦巻き状の導電部を持ち、電極2に接
続される。この抵抗加熱体1の上部には、窒化アルミニ
ウムを主成分とする焼結体よりなる下部保護板3が、は
め込まれている。下部保護板3は、周方向に6分割され
ており、分割部を覆う様に、同様に6分割された上部保
護板4が下部保護板3に対して30°ずれて配置されて
いる。抵抗加熱体1の導電部の隙間に接触挿入する絶縁
体は、分割されていない場合には、熱ひずみによる破損
の恐れがあることが、有限要素法による熱応力解析から
示された。従って、安定的な装置稼働のためには、分割
して形成することが望ましい。抵抗加熱体1、上部保護
板4、及び下部保護板3の同心中心部にパージガスの導
入管5が設置され、この導入管5の上部にはサセプタ6
が設けられ、このサセプタ6は、導入管5に取り付けた
回転昇降機構(図示せず)により回転、昇降が可能にな
っている。サセプタ6の上には基板7が搭載される。導
入管5のサセプタ6の下側にはパージガス導入用の穴8
が周方向に4か所あり、導入管5からパージガスが流せ
る構造になっている。抵抗加熱体1の下部には反射板9
が反射板支持棒10によって設置されている。
【0010】上記の構成において、次のようにして結晶
成長を行った。まず、メチルアルコール及び硫酸、過酸
化水素水、純水からなる混合物によって洗浄した直径5
0mmの(0001)面を主面とする単結晶のサファイ
ア基板7をサセプタ6に装着する。次に、水素を25l
/分、流しながら電極2に通電を開始し、またサセプタ
6を10rpmで回転させながら、温度1200℃にて
10分保持した。次にサセプタ6温度を1350℃まで
上昇させ、16℃のトリメチルアルミニウム中を通した
水素を50cc/分、アンモニアを10l/分で3分間
供給した。この成長工程で、図2に示すように窒化アル
ミニウム層11が約25nmの厚さに形成された。次に
トリメチルアルミニウムの供給を停止して、サセプタ6
温度を1200℃に保持し、サセプタ6の回転を停止し
た後、−15℃のトリメチルガリウム中を通した水素を
100cc/分、アンモニアを10l/分で1時間供給
し、膜厚約8μmの窒化ガリウム層12を成長させた。
上流、中心及び下流部分と、この3点のガス流方向に垂
直方向における膜厚の分布を走査型電子顕微鏡を用いて
測定したところ、全測定点において膜厚は8μm±0.
5μmであり、サファイア基板7上で場所による成長速
度の差が小さい窒化ガリウム単結晶が得られることがわ
かった。従来の成長装置を用いた場合の膜厚分布は、ガ
ス流の上流と下流との間で2μm以上の差があり、本実
施例にて基板面内での膜厚分布の改善効果が確認され
た。基板として(0001)炭素面を主面とする6H型
単結晶炭化硅素を用いた場合にも、同様の膜厚分布を持
つ窒化ガリウム層が得られた。このようにして得られた
窒化ガリウム層の成長方向に2次イオン質量分析を行
い、炭素濃度分布を調べた。従来の成長装置を用いて作
成した窒化ガリウム層中の炭素濃度は、層の成長方向に
分布を持たず、ほぼ1×1018cm-3で均一であった。
一方、本実施例での窒化ガリウム層中の炭素濃度は、図
3に示す様に基板側で5×1017cm-3、表面で2×1
17cm-3であり、明らかに基盤側が最も炭素濃度が高
く、表面に向かって減少していることが確かめられた。
次にヘリウム−カドミニムレーザを光源に用いたフォト
ルミネッセンス法によってこの試料を測定した。この結
果を図4aに示す。380nm付近にバンド端発光と思
われるするどいピークが見られる。比較のため、抵抗加
熱体1を石英によって完全に密封した装置を用いて上述
と同様に成長した窒化ガリウム層の炭素を分析したとこ
ろ、炭素濃度は7×1016cm-3程度になっており、分
布はほとんど無く膜中で均一であった。この試料のフォ
トルミネッセンス特性を図4bに示す。380nm付近
のにバンド端発光と思われるピークは強度が非常に弱
く、図4aでは見られなかった550nm付近の深い順
位に起因すると思われる幅広いピークが現れている。
【0011】図1に示す装置を用いて、同様の結晶成長
を行い、今回は窒化ガリウム層12を成長させる際に水
素希しゃくの100ppmシランを2cc/分で追加供
給することによって硅素添加窒化ガリウム層を作成し
た。この試料に金/チタンの電極を形成して、電圧電流
特性を測定したところ非常に良好なオーム性を示した。
【0012】次に、図1に示す装置を用いて図5に示す
構造の発光ダイオードを作成した。まず、メチルアルコ
ール及び硫酸、過酸化水素水、純水からなる混合物によ
って洗浄した直径50mmの(0001)面を主面とす
る単結晶のサファイア基板7をサセプタ6に装着する。
次に、水素を25l/分、流しながら電極2に通電を開
始し、またサセプタ6を10rpmで回転させながら、
温度1200℃にて10分保持した。次にサセプタ6温
度を550℃まで下げ、−15℃のトリメチルガリウム
中を通した水素を25cc/分、アンモニアを10l/
分で6分供給し、窒化ガリウム層41を成長させた。続
いてサセプタ6温度を1150℃まで上昇させ、−15
℃のトリメチルガリウム中を通した水素を50cc/
分、アンモニアを10l/分で、水素希しゃくの100
ppmシランを2cc/分で60分供給し、硅素添加窒
化ガリウム層42を成長させた。続いてサセプタ6温度
を900℃まで下げ、−15℃のトリメチルガリウム中
を通した窒素を1cc/分、17℃のトリメチルインジ
ウム中を通した窒素を100cc/分、アンモアを10
l/分、ジメチル亜鉛を10cc/分を30分供給し、
亜鉛添加窒化ガリウム層43を成長させた。次に、サセ
プタ6温度を1300℃まで上昇させ、−15℃のトリ
メチルガリウム中を通した水素を50cc/分、16℃
のトリメチルアルミニウム中を通した水素を25cc
/、アンモニアを10l/分、ビスシクロベンタジエニ
ルマグネシウム中を通した水素を250cc/分、アン
モニアを10l/分で30分間供給し、マグネシウム添
加窒化アルミニウムガリウム層44を成長させた。最後
にサセプタ6温度を1150℃まで下げ、−15℃のト
リメチルガリウム中を通した水素を50cc/分、ビス
シクロベンタジエニルマグネシウム中を通した水素を2
50cc/分、アンモニアを10l/分で15分間供給
し、マグネシウム添加窒化ガリウム層45を成長させ
た。その後はサセプタ6への通電を停止し、冷却した。
この様に結晶成長した層構造にプラズマCVD法によっ
て二酸化硅素の膜を帯積させた後、窒素雰囲気で750
℃30分熱処理した。その後、光エッチングプロセスに
よりマグネシウム添加窒化ガリウム層45上にパターン
形成されたレジスト膜を付け、ドライエッチングによっ
て図6に示す様に、硅素添加窒化ガリウム層42を露出
させた。この時、光エッチングプロセスによりマグネシ
ウム添加窒化ガリウム層45上にパターン形成せずにド
ライエッチングを行った試料を別途作成し、2次イオン
質量分析を行ったところ、硅素添加窒化ガリウム層42
中の炭素濃度は表面で低く、基板側で高くなっているこ
とが確認された。図6のように作成した試料の硅素添加
窒化ガリウム層42には金/チタンの電極を真空蒸着に
よって形成し、次にマグネシウム添加窒化ガリウム層4
5上から二酸化硅素の膜を酸処理によって取り除いてか
ら、マグネシウム添加窒化ガリウム層45に金/ニッケ
ルの電極を真空蒸着によって形成した。このようにして
できた発光ダイオードをペレットの状態で検査したとこ
ろ、発光波長500nmの青色を発し、20mAで2.
5mWの高い光出力が得られた。
【0013】更に、高い成長温度が要求される炭化硅素
の結晶成長を行った。まず、メチルアルコール及び弗
酸、硝酸からなる混合物によって洗浄した直径50mm
の(0001)炭素面を主面とする6H型単結晶炭化硅
素基板7をサセプタ6に装着する。次に、水素を5l/
分、流しながら電極2に通電を開始し、またサセプタ6
を10rpmで回転させながら、温度1500℃にて1
0分保持した。次にサセプタ6の回転を停止した後、シ
ランガス30cc/分、プロパンガス20cc/分、ト
リメチルアルミニウム10cc/分、水素を5l/分で
1時間供給した。上流、中心及び下流部分と、この3点
のガス流方向に垂直方向における膜厚の分布を走査型電
子顕微鏡を用いて測定したところ、基板と成長薄膜との
コントラストは良好であった。全測定点において膜厚は
4μm±0.5μmであり、炭化硅素基板上で場所によ
る成長速度の差が小さいp型炭化硅素単結晶が得られる
ことがわかった。
【0014】1200℃を越えるような温度で1時間程
度の保持を行う結晶成長を30回行ったが、加熱体に通
電する際の電圧と電流の値から求めた抵抗値は上昇せ
ず、劣化の徴候が現れていないことが確認できた。ま
た、その後、装置を掃除のため分解した際、加熱体の目
視による検査では特に劣化の部位は認められなかった。
更に加熱体に接触挿入した窒化アルミニウム焼結体は破
損もクラックも認められなかった。成長装置としては十
分安定したものであることが確かめられた。
【0015】本実施例では、加熱体に接触挿入する絶縁
体の材質として窒化アルミニウム焼結体を例にとって説
明したが、同様の絶縁性を示し、化学的に安定で、熱伝
導度の大きいものであれば他の材料であっても、同様の
効果が期待できる。
【0016】次に、その他の実施例として、高電子移動
度トランジスタの製造につき説明する。上述の実施例と
同様の有機金属気相成長装置を用いた。基板には直径5
0mmの(001)面を主面とする半絶縁性砒化ガリウ
ム単結晶を用い、砒素の原料としては、水素で3%に希
釈したアルシンガスを用いた。成長温度は600℃に設
定し、まずトリメチルガリウムとアルシンガスを供給
し、無添加砒化ガリウム層を1μm形成し、その上に続
いてアルミニウム組成30%の無添加アルミニウムガリ
ウム砒素層を20nm形成し、更に、シランガスを追加
供給することで砒素添加でアルミニウム組成30%のア
ルミニウムガリウム砒素層を500nm成長させた。こ
のような構造にソース、ドレインとゲート電極を付け、
高電子移動度トランジスタを作成した。無添加砒化ガリ
ウム層中の炭素濃度を2次イオン質量分析によって分析
した結果、基板との界面で7×1016cm-3、アルミニ
ウム組成30%の無添加アルミニウムガリウム砒素層と
の界面で4×1016cm-3であった。従来の方法で作成
した高電子移動度トランジスタの無添加砒化ガリウム層
中の炭素濃度は約9×1016cm-3で一定であり、成長
方向の分布は無かった。このように作成した高電子移動
度トランジスタの2次元電子の移動度を室温にて測定し
たところ、従来のものでは6×103 cm2 /V・s程
度であったものが、本実施例にて作成したものは5×1
3 cm2 /V・s程度であった。このような高速動作
が可能になった背景には、アルミニウム組成30%の無
添加アルミニウムガリウム砒素層近傍の無添加砒化ガリ
ウム層(ポンテンシャルの反転層)における不純物散乱
が減少したためであると考えられる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、気
相成長装置において、極めて構造が簡単で高温の均一加
熱を安定して行え、かつ抵抗加熱体の寿命が飛躍的に伸
びる利点があり、高温が必要な材料の単結晶成長も容易
であるとともに著しい経済的あるいは再現性、信頼性向
上の効果があり、工業的に極めて有利である。またこの
ような成長装置を用いることによって半導体薄膜中の炭
素濃度を成長方向に低くなるように分布させることが可
能になり、その結果、高い効率の発光ダイオードや低い
しきい値で発振するレーザの製造が高い歩留まりで可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による一実施例を示す側断面図。
【図2】 本発明による一実施例のサファイア基板に成
長した薄膜の構造を示す断面図。
【図3】 本発明による一実施例の窒化ガリウム薄膜中
の炭素濃度を2次イオン質量分析によって定量化した結
果を示す図。
【図4】 本発明による一実施例の窒化ガリウム薄膜の
フォトルミネッセンス特性を比較して示す図。
【図5】 本発明による一実施例の窒化ガリウム薄膜を
用いて作成した層構造の断面図。
【図6】 本発明による一実施例の窒化ガリウム薄膜を
用いて作成した発光ダイオードの構造断面図。
【符号の説明】
1…グラファイト製造抵抗加熱体 2…電極 3…窒化アルミニウム焼結体製の下部保護板 4…窒化アルミニウム焼結体製の上部保護板 5…パージガス導入管 6…サセプタ 7…サファイア基板 8…パージガス導入用穴 9…反射板 10…反射板支持棒 11…窒化アルミニウム層 12,41…窒化ガリウム層 42…硅素添加窒化ガリウム層 43…亜鉛添加窒化ガリウムインジウム層 44…マグネシウム添加窒化アルミニウムガリウム層 45…マグネシウム添加窒化ガリウム層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成される半導体薄膜が炭素を
    含有し、その炭素が基板側が少なく、薄膜表面側が多く
    なるようにしたことを特徴する半導体ウェハ。
  2. 【請求項2】 基板上に2種以上の半導体薄膜を積層し
    てなる半導体素子において、前記半導体薄膜の内の少な
    くとも一層に炭素が含有しており、その炭素濃度が半導
    体薄膜の表面方向にしたがって低くなるように分布して
    いることを特徴とする半導体素子。
  3. 【請求項3】 基板がアルミニウム酸化物で、半導体薄
    膜が窒化ガリウム素で構成され、青色の発行をなすこと
    を特徴とする請求項2の半導体素子。
  4. 【請求項4】 請求項2の半導体薄膜を気相成長方法で
    形成する際、前記基板を抵抗加熱体で加熱し、有機金属
    を用いた気相成長法で行うことを特徴とする半導体素子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2の半導体薄膜を有機金属を用い
    た気相成長法で形成する装置は、前記基板を加熱する抵
    抗加熱体を備え、その抵抗加熱体は導電部の隙間に絶縁
    体が接触挿入されていることを特徴とする気相成長装
    置。
JP25040195A 1995-09-28 1995-09-28 半導体ウェハ、半導体素子、その製造方法及び半導体素子の製造に用いる成長装置 Pending JPH0992883A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009011394A1 (ja) 2007-07-17 2009-01-22 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 電子デバイスを作製する方法、エピタキシャル基板を作製する方法、iii族窒化物半導体素子及び窒化ガリウムエピタキシャル基板
US8148732B2 (en) 2008-08-29 2012-04-03 Taiwan Semiconductor Manufacturing, Co., Ltd. Carbon-containing semiconductor substrate
JP2014065937A (ja) * 2012-09-25 2014-04-17 Ulvac Japan Ltd 基板加熱装置、熱cvd装置
JP2014522125A (ja) * 2011-08-08 2014-08-28 イルジン エルイーディー カンパニー リミテッド 電流拡散効果に優れる窒化物半導体発光素子及びその製造方法

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