JPH0989491A - Ｅｇｒガス冷却装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン冷却液や冷却風の流れが滑らかで、
ＥＧＲガス冷却装置の軽量化、組立工数の削減および製
造コストの低減が可能である。 【解決手段】 胴管内部に伝熱管群を有し、該胴管端部
に冷却媒体の流入口および流出口を備えた多管式のＥＧ
Ｒガス冷却装置において、前記流入口および流出口を胴
管自体に外方へのバーリング成形によって設け、この流
入口および流出口に枝管を直接ろう付けもしくは溶接す
るか、または短管を接合して枝管を接続し、胴管内部の
伝熱管群は板金製のチューブシートを介して胴管に固着
配列し、胴管両端部に端部キャップをろう付けもしくは
溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの冷却液
や冷却風でＥＧＲガスを冷却する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】排出ガスの一部を排気系から取出して再
びエンジンの吸気系に戻し、混合気に加える方法をＥＧ
Ｒ（Ｅｘｈａｕｓｔ Ｇａｓ Ｒｅｃｉｒｃｕｌａｔｉ
ｏｎ：排気再循環）と称するが、ＥＧＲはＮＯｘの発生
の抑制、ポンプ損失の低減および燃焼ガス温度低下によ
る冷却液への放熱損失の低減、作動ガス量・組成の変化
による比熱比の増大に伴うサイクル効率の向上等の効果
があるため、エンジンの熱効率の改善に有効な方法とさ
れている。

【０００３】しかるに、ＥＧＲガスの温度は高いとその
熱によりＥＧＲバルブの耐久性を悪化させ、破損させる
場合がある。このため、エンジンの冷却液や冷却風でＥ
ＧＲガスを冷却する装置が用いられている。この装置と
しては、一般に多管式の熱交換器が用いられる。この多
管式熱交換器としては、図６にその一例を示すごとく、
左右の一方側もしくは両方側に流入口１４ａと流出口１
４ｂとを備えた端部キャップ１４に仕切壁１５を介して
区画され、かつ別途流入口１６ａと１６ｂとを有するヘ
ッド部材（ハブ）１６には胴体１１を連設固定し、その
胴体内部には多数の管体１２によって構成された伝熱管
群が前記両側の仕切壁１５に設けた組付け孔部に固着配
列され、ヘッド部材１６に設けた流入口１６ａ、流出口
１６ｂにニップル１８を螺着してゴムホース等の枝管１
７を接続し、この枝管より導入されるエンジン冷却液や
冷却風により、伝熱管群を流れるＥＧＲガスが冷却され
る構造となっているものが知られている（実公昭５７−
３０９号公報参照）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記した従
来の多管式熱交換器は、エンジン冷却液や冷却風の流
入、流出用の枝管１７の接続用ニップル１８を螺着した
ものであるため図７（ｂ）に示す矢印のようにエンジン
冷却液や冷却風の流れが流入口１６ａ、１６ｂで急激に
曲げられ抵抗を生じ、かつ伝熱管群を構成する多数の管
体１２を固着するヘッド部材（ハブ）１６および仕切壁
１５が共に鋳物製であるため、熱交換器本体の重量が重
いという欠点がある。また、接続用ニップル１８を螺着
するための接続孔の加工、および伝熱管群を仕切壁１５
に固着配列する作業を必要とすることから、組立工数が
多く作業性が悪いという欠点がある。さらに、伝熱管群
の接合手段にはろう付けが採用されているが、管体１２
と仕切壁１５とは肉厚が異なり熱容量が相違するためろ
う付け信頼性に乏しく不良を起こし易く、接合部の耐久
性を劣化させるおそれがあった。

【０００５】本発明は、このような従来技術の欠点を解
消するためになされたもので、エンジン冷却液や冷却風
の流れが抵抗を生じないよう滑らかに曲り、また組立が
容易でかつ接合強度も優れ、冷却装置全体を著しく軽量
化できるＥＧＲガス冷却装置を提供しようとするもので
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係るＥＧＲガス
冷却装置は、胴管内部に伝熱管群が固着配列され、該胴
管端部に流入口および流出口を備えた多管式のＥＧＲガ
ス冷却装置において、前記流入口および流出口を外方へ
のバーリング成形によって胴管自体に設け、このバーリ
ング成形によって設けた流入口および流出口に枝管を直
接ろう付けもしくは溶接により接合するか、または前記
流入口および流出口に接合した短尺の接続用筒体に枝管
を接続した構造となしたことを特徴とする。また前記バ
ーリング成形によって設けた流入口および流出口は曲面
加工による立上がり部を有し、かつ前記枝管または短尺
の接続用筒体の先端は胴管内部に突出しないよう前記流
入口および流出口内に接合されていることを特徴とす
る。さらに前記枝管、接続用筒体および伝熱管群は、Ｎ
ｉろう付けにより接合するものであり、かつ前記胴管内
部の伝熱管群は、各管体両端部を板金製のチューブシー
トを介してろう付けにて固着配列し、胴管両端部に端部
キャップをろう付けもしくは溶接してなることを特徴と
するものである。

【０００７】バーリング成形は穴広げ成形であり、その
成形方法は打抜きまたはドリル加工による下穴にバーリ
ング成形ヘッドを挿入し、該ヘッドを回転させながら打
抜き等による下穴を広げる加工方法である。本発明では
このバーリング成形を利用して胴管自体に枝管の流入口
および流出口を設け、このバーリング成形された流入口
および流出口に、エンジンの冷却液や冷却風を導入する
枝管（金属製）を直接ろう付けもしくは溶接にて接合す
るか、または枝管がゴムホース等直接ろう付け等ができ
ない材質の場合は、バーリング成形された流入口および
流出口に短尺の接続用筒体（金属製）をろう付けもしく
は溶接し、この筒体にゴムホース等の枝管を接続する。

【０００８】また、胴管内部の伝熱管群は、各管体の両
端部を板金製等のチューブシートに挿入しその接触部分
をろう付けして組立てるとともに、チューブシートの外
周縁部を胴管内面にろう付けして胴管内部に固着配列す
る。

【０００９】前記の枝管、接続用筒体、伝熱管群のろう
付け手段としてはＮｉろう付けが好適である。

【００１０】本発明では、エンジンの冷却液や冷却風の
流入口および流出口を、直接胴管自体を内方に曲面加工
による立上がり部を有するように外方へバーリング成形
し、そこに枝管または接続用筒体を胴管内に突出しない
ようろう付けもしくは溶接して固定し、さらに伝熱管群
はチューブシートを介して胴管自体に固着配列するの
で、従来のような伝熱管群を固着配列するヘッド部材
（ハブ）が不要となり、ＥＧＲガスの流入口と流出口を
有する端部キャップは、直接胴管にろう付けもしくは溶
接することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１はこの発明の一実施例を示す
ＥＧＲガス冷却装置の一部破断平面図、図２は同上ＥＧ
Ｒガス冷却装置の枝管接合部の一部を拡大して示す断面
図、図３は同上ＥＧＲガス冷却装置の伝熱管群の固着部
の一部を拡大して示す断面図、図４は同上ＥＧＲガス冷
却装置における他の枝管接合構造例を示す断面図、図５
は同上ＥＧＲガス冷却装置における他の伝熱管群固着構
造例を示す断面図であり、１は胴管（シェル）、２は伝
熱管、３はチューブシート、４は端部キャップ、５ａは
ＥＧＲガス流入口、５ｂは同流出口、６ａはエンジン冷
却液流入口、６ｂは同流出口、７ａはエンジン冷却液供
給用枝管、７ｂは同排出用枝管である。

【００１２】すなわち、本発明に係るＥＧＲガス冷却装
置は、胴管１の両端部付近を内方に曲面加工による立上
がり部６´を有するように外方へバーリング成形してエ
ンジン冷却液流入口６ａと同流出口６ｂを設け、このエ
ンジン冷却液流入口６ａと同流出口６ｂ内にそれぞれ図
１では直接金属製のエンジン冷却液供給用枝管７ａ、同
排出用枝管７ｂを胴管１内に突出しないようろう付けも
しくは溶接にて接合する。なおエンジン冷却液流入口６
ａと同流出口６ｂの内方に曲面加工による立上がり部６
´を設けたため図２（ｂ）に矢印で示すようにエンジン
冷却液や冷却風の流れが抵抗を生じないよう滑らかに曲
ることができる。また、各伝熱管２は、その両端部をチ
ューブシート３にろう付けして伝熱管群を構成し、その
チューブシート３は胴管１の内周両端部にろう付けにて
胴体内部に固着配列する。ＥＧＲガスガス流入口５ａ、
ＥＧＲガスガス流出口５ｂを有する端部キャップ４は、
それぞれ胴管１の外周両端部に溶接もしくはろう付けも
しくは溶接にて固着する。

【００１３】また、図４は枝管にゴムホースを用いる場
合の接合構造を例示したもので、胴管１の両端部付近を
内方に曲面加工による立上がり部６´を有するように外
方へバーリング成形してエンジン冷却液流入口６ａまた
は流出口６ｂ内に短尺筒体８を胴管１内に突出しないよ
うろう付けもしくは溶接にて接合し、この短尺筒体８に
エンジン冷却液供給用ゴムホース９または同排出用ゴム
ホースを外嵌する。１０は該ゴムホースを締め付けるバ
ンド１０である。

【００１４】さらに、図５に示す伝熱管群固着構造例
は、各伝熱管２の両端部を固着するチューブシート３を
前記とは逆向きに用いて構成したもので、この場合も各
伝熱管２とチューブシート３とはろう付けにて固着する
ことができる。

【００１５】なお、チューブシート３にバーリング成形
をせずに少し厚めの板材を用いて伝熱管２固着用の各孔
を打ち抜いたままとして使用することも可能である。こ
の場合、各伝熱管２の間隔を小さくできるので該伝熱管
の本数を増すことができ、したがって伝熱面積を増加さ
せることが可能となる。

【００１６】

【発明の効果】本発明装置は上記のごとく構成してなる
から、以下に記載する効果を奏する。 （１）エンジンの冷却液や冷却風の流入口および流出口
を直接胴管自体に設け、その流入口および流出口を外方
へバーリング成形して内方に曲面加工による立上がり部
を有するようにエンジン冷却液供給用枝管、同排出用枝
管を胴管内に突出しないようろう付け等にて接合する構
造としたことによりエンジン冷却液や冷却風の流れ抵抗
が小さく流れが急に曲げられずに滑らかであり、また、
伝熱管群は板金製のチューブシートを介して胴管自体に
固着配列する構造としたことにより、従来のような伝熱
管群を固着配列するヘッド部材（ハブ）が不要となり、
ＥＧＲガス冷却装置の軽量化がはかられる。

【００１７】（２）伝熱管群を固着配列するヘッド部材
（ハブ）が不要となったことにより、冷却装置の組立工
数を大幅に削減することができるとともに、製造コスト
も安価につく。

【００１８】（３）胴管と枝管の接合部、伝熱管とチュ
ーブシートの接合部およびチューブシートと胴管の接合
部は、それぞれ接合部材どうしの肉厚がほぼ同一である
ためろう付け不良や溶接不良を起こすことがなく良好に
接合でき、高接合強度を有する接合部が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示すＥＧＲガス冷却装置
の一部破断平面図である。

【図２】同上ＥＧＲガス冷却装置の枝管接合部を示す図
で、（ａ）はその一部を拡大して示す断面図、（ｂ）は
（ａ）のＡ−Ａ線上の断面図である。

【図３】同上ＥＧＲガス冷却装置の伝熱管群の固着部の
一部を拡大して示す断面図である。

【図４】同上ＥＧＲガス冷却装置における他の枝管接合
構造例を示す断面図である。

【図５】同上ＥＧＲガス冷却装置における他の伝熱管群
固着構造例を示す断面図である。

【図６】この発明の対象とする従来の多管式熱交換器の
一例を示す一部破断平面図である。

【図７】図６の枝接合部を示す図で（ａ）は一部を拡大
して示す断面図、（ｂ）は（ａ）のＢ−Ｂ線上の断面図
である。

【符号の説明】

１ 胴管（シェル） ２ 伝熱管 ３ チューブシート ４ 端部キャップ ５ａ ＥＧＲガス流入口 ５ｂ 同流出口 ６ａ エンジン冷却液流入口 ６ｂ 同流出口 ６´ 立上がり部 ７ａ エンジン冷却液供給用枝管 ７ｂ 同排出用枝管 ８ 短尺筒体 ９ ゴムホース １０ バンド

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴管内部に伝熱管群が固着配列され、該
   胴管端部に流入口および流出口を備えた多管式のＥＧＲ
   ガス冷却装置において、前記流入口および流出口を外方
   へのバーリング成形によって胴管自体に設け、このバー
   リング成形によって設けた流入口および流出口に枝管を
   直接ろう付けもしくは溶接により接合するか、または前
   記流入口および流出口に接合した短尺の接続用筒体に枝
   管を接続した構造となしたことを特徴とするＥＧＲガス
   冷却装置。
2. 【請求項２】 バーリング成形によって設けた流入口お
   よび流出口は曲面加工による立上がり部を有することを
   特徴とする請求項１記載のＥＧＲガス冷却装置。
3. 【請求項３】 前記枝管または短尺の接続用筒体の先端
   は胴管内部に突出しないよう前記流入口および流出口内
   に接合されていることを特徴とする請求項１記載のＥＧ
   Ｒガス冷却装置。
4. 【請求項４】 前記枝管、接続用筒体および伝熱管群
   は、Ｎｉろう付けにより接合することを特徴とする請求
   項１記載のＥＧＲガス冷却装置。
5. 【請求項５】 前記胴管内部の伝熱管群は各管体両端部
   を板金製のチューブシートを介してろう付けにて固着配
   列し、胴管両端部に端部キャップをろう付けもしくは溶
   接してなることを特徴とする請求項１記載のＥＧＲガス
   冷却装置。